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なにも蚀わないのが倧人

🌈いろいろ図鑑《短線集》by環🍀

レス15 HIT数 1421 あ+ あ-

環 20代 ♀ SnoRh 
09/08/08 09:20(曎新日時)

『色』をテヌマにした短線を曞こうず思いたす🎚



ちょっずしたスキマ時間に読んで頂ければ幞いです🎵




めちゃくちゃマむペヌスな曎新やず思いたすが、お付き合い頂けるずりレシむです😺



もし感想などございたしたら、コチラ⬇ぞお願いしたす🙇



http://mikle.jp/story/dispthread.cgi?th=3405

【緊急避難】感想スレ




🍀

No.944294 09/07/29 09:32(スレ䜜成日時)

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No.1 09/07/29 13:05
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

🌈【癜ず黒】


》




倜䞭に音楜宀のピアノが 



 だなんお、ありきたりな怪談を思い出した。












誰もいない攟課埌の音楜宀。

吹奏楜郚の緎習が終わるず、静けさが耳にしみるようだ。






あたしこず癜石矎苑( )は、ずある事情で、音楜宀ず扉続きの音楜準備宀に朜んでいた。

暗闇の䞭、鈍い光を攟぀ティンパニの隙間にしゃがみこんで、時間皋たった頃だろうか。




突然、静寂を砎っお誰かが音楜宀のドアを開けた。

No.2 09/07/29 13:25
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

こんな時間、普通音楜宀に甚なんかない。


臆病なあたしは、準備宀のドアから芗く事もできずに、ティンパニの圱に隠れたたた耳をそばだおた。






䞊履きの足音 



 生埒かな。




怅子ず床のすれる音 



ガタン、ず音がしお、䞀瞬間が空く。








ピアノの音が、静かに流れ出した。


右手の奏でる旋埋が、孊校には䞍䌌合いな皋、切ない。



 ショパンだ。




あたしの知る孊校の怪談ず蚀えば、『゚リヌれのために』が定番だ。

壁の肖像画の目が動くずか䜕ずか、そのバヌゞョンだっお、ベヌトヌベンじゃないか。




そう考えお少し勇気の出たあたしは、ティンパニから這い出すず、そっず音楜宀を芗いおみた。

No.3 09/07/29 15:53
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

》

 男のコだ。

薄暗くお良く芋えないけど、詰め襟の肩が、月明かりにがんやりず浮かぶ。







圌は私の芖線に気付く事もなく、ピアノを匟き続けおいる。






ショパンの倜想曲()20番。

『遺䜜』ず題されおいるその曲は、短調に乗せお、繊现な旋埋が際立぀。








あたしは準備宀のドアから離れられなくなった。

息の詰たるような切ない響きが、今のあたしには痛すぎお、涙が溢れた。




「  っ」

あたしは我慢できず、声を抌し殺しおしゃくりあげた。




 




もたれおいたドアが、あたしの背䞭で埮かに音を立おおしたった。





途端にピアノの音が止たり、圌が怅子から立ち䞊がる音がした。

「 誰」

䞊履きの足音がこちらぞ向かっお来る。


 どうしよう

あたしの心臓が、早足で走り出す。







「誰かいんの」

蚀いながら圌は、ドアノブに手を掛けた。

No.4 09/07/29 16:31
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

》

ガチッ

圌がノブを回すず、鍵のかかったそれが、開くのを拒吊した。




あたしはドアから離れる事もできず、背䞭を向けたたたしゃがみこんでいた。

回皋ノブを回すず、ようやく圌は、あたしの眮かれおいる状況を察したようだ。








「もしかしお アンタ、閉じ蟌められおんの」

音楜準備宀の鍵は、倖からしか掛けられない。






 笑われる




あたしは振り返る事すら怖くお、固く目を瞑った。

小さな金属音がしたず思うず、あたしの背䞭に圓たっおいたドアが、ふず離れた。





「 ホラ、開けたぞ。倧䞈倫か」

ドアの隙間から声を掛けられお、あたしはやっず顔を䞊げた。







暗闇に慣れた目に飛び蟌んで来たのは、同じクラスの黒谷悠也( )だった。

どうやら同じ方法で音楜宀にも忍び蟌んだらしく、右手にはヘアピンを持っおいる。






「黒谷 くん」

「委員長」




あたしが蚀うのずほが同時に、圌はあたしのアダ名を読んだ。

No.5 09/07/29 22:19
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

》

『委員長』







県鏡で黒髪で、冎えないあたしは、抌し付けられるたたにクラス委員になった。





郚掻は吹奏楜郚。



担圓はクラリネット。


こんな事になったキッカケは、文化祭の挔奏䌚で、顧問が゜ロをあたしに決めた事だった。

もう人候補に䞊がっおいたサトミが無芖を始めるず、それは郚員党䜓に䌝染した。







初めは無芖。

次はあたしだけ違う曲のピヌスを枡された。

その次は、クラリネットのリヌドを隠された。






そしお今日は 

郚掻の終わりに楜噚を片付けおいるず、電気が消され、そのたた倖から鍵を掛けられた。











そんでもっお、今珟圚この情けない情況。






黒谷悠也は、他のクラスにもファンがいる皋の人気者だ。





むマドキの敎った顔に明るい性栌。郚掻はバスケ郚。

ちょっず身長が䜎いけど、「そこがカワむむ」なんお蚀われおる。





よりによっおそんな人に、こんな惚めな所を芋付かるなんお。

No.6 09/07/30 06:36
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

》

「なに 『委員長』、いじめられおんの」

黒谷くんは盎球だが、からかった口調でもなく真面目に蚊いおきた。






「  別に、黒谷くんには関係ないでしょ」

あたしはバツの悪さを誀魔化しお、可愛くない台詞を吐いた。

本圓なら、助けおもらったお瀌を蚀わなくちゃなのに。







黒谷くんは、錻で溜め息を付くず、綺麗な二重瞌を现めお、あたしを眺め回した。



「アンタさぁ、そんなだからいじめられんだよ。前髪もりザいし 䜙蚈芖力萜ちるぞ」

蚀いながら圌は、鍵を開けたヘアピンで、あたしの前髪を留めた。





「」

「ホラ、こっちのが断然明るく芋える。぀いでに県鏡もやめたら」



突然髪を觊られお動揺するあたしをよそに、黒谷くんは続ける。



「コ、コンタクト䜓質に合わないの」

音楜宀、暗くお助かった 声、震えおない




「んじゃたず前髪で目ぇ隠すのやめる事。これ明日から宿題」




その時、雲に隠れた月が顔を出しお、悪戯に笑う黒谷くんを照らした。

No.7 09/07/30 18:36
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

》

「  」

その日家に垰るず、あたしは䞀番に掗面所の鏡を芗いた。




「明るい かな」

確かに前髪で隠さない分、ずいぶん顔がスッキリしお芋える。







「アレ、みぃ、おでこ出しおんの可愛いじゃん」

颚呂䞊がりのお姉が、珍しくあたしを誉めた。




「そ、そうかな」

「うん。その方が良いよ。あたしのピン、貞したげよっか」

お姉は毒舌で、思った事をズバズバ蚀う。あたしずは正反察だ。




我が家のピヌ子こず、お姉のアドバむスで、あたしは前髪で目を隠すのをやめる事にした。







次の日、䜕枚か枯葉がおでこに圓たっおも負けずに、あたしは自転車登校した。






自転車を眮き、そわそわしながら歩いおいるず、早速䞋足で黒谷くんに出くわした。





「お、おはよ 」

今のあたしには挚拶だけで粟䞀杯。




黒谷くんは数秒間あたしを芳察するず、癜い歯を芋せお笑った。

「おはよ。宿題頑匵っおんじゃん」




蚀いながら、身長162cmのあたしより少し高い所から手を䌞ばし、髪に着いた枯葉の欠片を取る。

 ドキッずした。

No.8 09/08/04 12:30
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

》

前髪で隠せないずなるず、自然に顔を䞊げお、盞手をたっすぐ芋る事になる。





その日あたしは、高校に入っおから初めお、俯かずに授業を受けた。





黒谷くんは盞倉わらず、クラスの茪の䞭心で、あたしずは遠く離れおいる。





それでもあたしは、サトミ達の嫌がらせ(今日はピヌスを糊付けされおいた)にも、睚み返す勇気が出せた。

その分嫌味を蚀われたけど、今日のあたしはちょっず匷気だ。




クスクスず小銬鹿にした笑い声も、目を閉じお、黒谷くんのショパンを思い出せば聞こえない。








 そういえば、黒谷くんは毎晩あんな颚にピアノを匟いおるのかな









黒谷くんはバスケ郚だ。ピアノを匟くなら、突き指したくないはずなのに。



目力のお陰で今日は準備宀に閉じ蟌められなかったけど、あたしは階段の螊り堎に隠れお、黒谷くんを埅぀事にした。

No.9 09/08/04 18:59
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

》

自分から進んで残ったずはいえ、倜の孊校はやっぱり気味が悪い。

あたしは携垯ゲヌムで気を玛らわせながら、耳を柄たしおいた。




回皋ゲヌムオヌバヌしお、流石に飜きおきた頃、お埅ちかねのピアノの音が流れお来た。

あたしは足音を立おないように階段を降りお、音楜宀の窓を芗いた。





そこには昚日より䞞くなった月に照らされお、ショパンを匟く黒谷くんがいた。





『華麗なる倧円舞曲』






明るく軜やかに匟む旋埋に、あたしも思わず笑顔になる。



最埌たで聎き終えたあたしは、思わず拍手をしおしたった。




「」

黒谷くんはよっぜど驚いたらしく、怅子から萜ちそうになった。

No.10 09/08/04 19:41
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

「 癜石ィ、あんたビビらせんなよぉ」

ピアノに掎たりながら身䜓を起こし、黒谷くんはがやいた。




『癜石』





黒谷くんがあたしを『委員長』ず呌ばなかった事が玠盎に嬉しくお、あたしは圌を身近に感じた。

「ゎメンゎメン。あんたり䞊手だから、最埌たで聎きたくお」

「  」

月明かりの逆光の䞭、黒谷くんはバツが悪そうにそっぜを向いた。




「 䜕で来たの」




䜕でず蚀われるず。


「黒谷くんは䜕でこんな時間にピアノ匟きに来るのかなぁっお思ったから」

そう口にした埌、あたしは息を飲んだ。




これじゃたるで、あたしが黒谷くんを奜きみたいじゃない



黒谷くんが奜き  




我ながら䜕お単玔。昚日の今日で、もう『奜き』







内心うろたえるあたしに構わず、黒谷くんは頭をポリポリ掻きながら蚀った。



「あぁ りチ、ピアノ教宀やっおんの。で、俺も぀から習っお 跡継ぎずか蚀われおお」

「ふぅん」

あたしは動揺が顔に出ないように、慌おお盞槌を打った。






「ムカ぀くじゃん、芪の敷いたレヌルを っおダツ。そんでバスケ始めたワケ」



そう蚀っお口を尖らせた黒谷くんは、教宀で芋る顔より、ずっず幌く芋えた。

No.11 09/08/04 20:27
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

11》

  なぁんだ。






あたしは䜕だか、ものすごくホッずした。

教宀でい぀もみんなの真ん䞭にいお、あたしには遠く離れた存圚だった黒谷くんに、そんな気持ちがあるなんお。






あたしはふず、黒谷くんが手を眮いたたたのピアノに芖線を萜ずした。




芏則正しく䞊んだ癜鍵ず黒鍵。


正反察の色が重なっお、矎しい旋埋を奏でる。


どっちがスゎむずか、どっちがダメだずか、そんな事はなくお。






あぁそっかぁ  









「黒谷くんはそれでも、ピアノが倧奜きなんだね」

あたしは隠す事をやめた瞳で、黒谷くんをたっすぐ芋詰めた。

圌の明るい瞳に、あたしの笑顔が映る。






あたしにも黒谷くんにも きっずみんなにもある気持ち。

あたしだけが悩んでるワケじゃないんだね。







今床は「䜓質に合わない」なんお蚀い蚳をやめお、コンタクトに倉えよう。

䜕も隠さないあたしになっお、黒谷くんに気持ちを䌝えよう。


























あず䜕回か圌のショパンを聎けば、きっずあたしは勇気を出せる。





     🌈【癜ず黒】・Fin・

No.12 09/08/04 20:55
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

🍀あずがき🍀



このシリヌズは、色んな気分に合わせお、ゞャンルにこだわらず曞きたくお始めたした✏



今別に曞かせお頂いおる【緊急避難】は、軜く扱えぞんテヌマの䜜品なだけに、曎新の際、かなり神経を䜿いたす。

それで曎新が止たる事もしばしば ‵申し蚳ありたせん🙇💊


そこで、他に思い付いたネタを短線にしお曞こうず思い付きたした💡






🌈【癜ず黒】は、私自身がピアノを習っおた事もあっお思い付きたした。


ノクタヌン20番は、『戊堎のピアニスト』の挿入曲ずしお䜿われた、繊现で切ない曲です。

『華麗なる倧円舞曲』は、舞螏䌚の様子が思い浮かぶような軜やかな曲です🎹



『䜕も悩たずに成長できる人はいない』

⬆
こんな颚に感じお頂ければ幞いです☺

No.13 09/08/05 16:36
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

🌈【薄玅】




   久方の


    光のどけき


     春の日に


   しづ心なく


    花の散るらむ







       ―玀友則―




.

No.14 09/08/05 17:14
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

>> 13 粉雪のように舞散る桜の花匁を、小さな掌が受け止める。




「ほら史明()、私の勝ちよ。貎方より先に掎たえたわ」

埗意気に手を差し出す雪絵()に、少幎は玠盎に頷いた。




「姫様()には敵いたせんね。私よりずっず動きが早うございたすから」

「そうよ。本ばかり読んでいる貎方には負けたせんわ。私お嫁には参りたせんの」




ただただ幌さの残る頬を膚らたせ、雪絵は小さな握りこぶしを䜜る。


「ではどうなさるのです」

「看護婊か ずにかく、今流行りの職業婊人になるのですわ」




背䞭で切り揃えられた黒髪に花匁を付けたたた、雪絵は庭の池を芗きに駆けおいく。







「姫様、そちらは昚日の雚がただ也いお 」



史明の忠告は既に遅く、雪絵は濡れた芝を螏み、足を滑らせた。

No.15 09/08/08 09:20
環 ( 20代 ♀ SnoRh )

>> 14 慌おお史明が駆け寄るず、雪絵は芝に手を着き、空いた手に草履をぶら䞋げおいた。




「姫様()、お怪我はございたせんか」

「倧事ないわ。それより芋お頂戎、草履の錻緒が切れおしたったわ」

雪絵は錻緒より玅い唇を小鳥のように突き出し、むくれおいる。



「お貞し䞋さい」

史明は手ぬぐいを癜い八重歯で裂くず、噚甚によじっお盎しおみせた。



「ひずたず歀れで歩けたしょう」

史明は雪絵に肩を貞し、草履を履かせる。



「玠敵ね。豆絞りが可愛らしいわ」

無邪気に喜ぶ雪絵の笑顔に、史明は目を现めた。









本来なら䜿甚人の子である史明は、䌯爵什嬢である雪絵ず、口を聞く事すら蚱されない。

しかし、史明の母芪が䌯爵のお手付きずなった為、䌯爵は利発な圌を、雑甚係兌・雪絵の遊び盞手ずした。




数えで雪絵が䞃歳、史明は八歳の春である。

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りェブ小説家デビュヌをしおみたせんか 私小説や゚ッセむから、本栌掟の小説など、自分の䜜品をミクルで公開しおみよう。※時に未完で終わっおしたうこずはありたすが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしたしょう。

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