†私の生きた道†

時計の針は夜の12時をまわり、私のすぐ隣には生後数ヶ月の赤ん坊がいる。

・・・泣いてる・・・

ミルクをあげた
オムツもかえた
あとは抱っこだ。

でも今日は抱く気になれない。


赤ん坊の力強く泣く声が昔の思い出をよみがえらせる。

弟が泣いてる。
母親にまた殴られてるんだ・・・

私の耳には何かと何かがぶつかる音と、弟の声にならない悲鳴や泣き声しか聞こえない。

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不思議だけど、その音と声は耳を塞いでも聞こえてくる。



ほら



「痛いよぉ～痛いよぉ～」



この泣き声がうるさくて母親はイライラするんだ。



そして



また殴る





これは母親が疲れるまで繰り返し行われる。

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物心ついた時から私の生活にあった光景だから慣れてた。


見るのも
やられるのも





母親は気分屋だから、すれ違う時は頭を両手で覆っていた。
いつゲンコツが飛んできてもいいように。

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「いつかこいつを殺してやる」

小学生の私は本気で思ってた。
今も思ってるけど・・・

ヤラレル前に殺れ!!
この頃から私は狂ってた。

数年後、実の妹に
「母親を殺して」
って言うのだから。

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私が妹に言ったきっかけは・・・満13歳になってからと、なる前では事件を起こした時の刑のかけられ方が変わるから・・・だったと思う。

誰かから聞いてガッカリしたのを覚えてる。





その時の私は中学２年生、14歳になっていた。
だから13歳になっていない妹にやらせようなんて・・・





バカだなぁ。

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死んでしまいたい。
何度も思ったけど、まだ生きてる。

死んでいなくなるよりも
生きていつか仕返ししてやる
そう自分に誓った


でも・・・
それが目的で生きるのは虚しい

理不尽な暴力に耐えるのも辛い

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周りに居た人達は気づいていなかったのかなぁ？

隣の家の人、学校の先生、親戚の大人達・・・




弟の顔や体にはいつも傷だらけだった。
人に聞かれれば「猫にひっかかれた」って言っていたけど、そんな傷じゃなかった。


ご飯がないのは当たり前
お風呂もたまにしか入らせてもらえない
水さえ家では飲めない



母親はそんな弟を
「臭い」
と言っては





殴る蹴るを繰り返した。





お腹が減ってる弟を
「意地汚い」
と言っては





殴った。



殴る手はほうきや布団叩きに姿を変えていた。

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父親は助けてくれなかった







ただの１度も






大人なんて大嫌いだ

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