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短編小説屋 D・56

レス7 HIT数 880 あ+ あ-

D・56( 0w5Jh )
08/04/22 14:03(更新日時)

 
人生という心の経験と
整理されてゆく記憶
 
扉を開く鍵は
いつもココにあります
 
経験と記憶を
フレーズに重ね合わせ
涙に変えて下さい
 
 

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No.924651 08/04/22 00:12(スレ作成日時)

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No.1 08/04/22 01:58
D・56 ( 0w5Jh )

 
 歯は磨かない
 
今日の朝飯は少しパサついた
白米とインスタントの味噌汁、昨日の晩に残った肉ジャガ。
 
いつもなら食後に歯を磨き、
制服へ着替えて登校する。
 
ただいつもと少し違うのは、
今日からしばらくの間、
登校しなくても良いこと。
 
まず歯を磨くことにしたが、
新しいタオルが見当たらない。
 
今日は父も家に居て、
外で洗濯物を干している。
 
妹は部屋に篭っていて、
出て来る様子は全く無い。
 
 
母は昨日の深夜に逝った…
 
 
母は和室で安らかな表情を
浮かべて眠っている。
 
突然のことで僕も父も妹も、
頭が真っ白になっている。
 
現実を直視していても
涙は出てこない。
 
ガスコンロで焼いた魚の
焦げた匂いがしていない。
 
味噌汁を温めた時の
甘い香りもしていない。
 
いつもなら歯を磨き終え、
制服に着替えている時間だ。
 
ただいつもと少し違うのは、
今日からしばらくの間、
時間に余裕があること。
 
やっぱり今日一日だけ
歯は磨かないことにしよう。
 
きっと母は怒るだろうけど、
もう少しだけ肉ジャガの味を
残しておきたいから…
 
そう思うと涙が溢れてきた。
 
 

No.2 08/04/22 03:12
D・56 ( 0w5Jh )

 
 レオン(前編)
 
もう何年経ったかな…
 
実家を飛び出してから
長い月日が流れた。
 
この街に来た頃は
ろくにメシも食えなかったが、
今は会社が成功して、
そこそこ贅沢に暮らしている。
 
オフクロやオヤジは元気か、
拾ったばかりだったレオンは
大きくなったのか?
 
俺がフラフラしてた頃、
道端に棄てられていたレオンは
箱の中に居たんだが、
弱り切った姿を見ていたら
放って置けなくなって
家まで連れて帰った。
 
何日後には元気を取り戻し、
弟や友人と一緒になって
よく遊んでいたもんだ。
 
ちょうど10年になるのか…
 
俺は実家に帰ることにした。
 
 

No.3 08/04/22 03:31
D・56 ( 0w5Jh )

 
 レオン(後編)
 
新幹線から在来線に乗り継ぎ、
バスに揺られて数十分。
 
その町並みは昔と比べて
少し変わってはいたが、
畑の土の匂いや山々の風景は
時の流れを微塵も感じない。
 
実家の玄関の傍には
見覚えのある古ぼけた犬小屋、
一瞬吠えた後に気付いたのか
レオンは空気の抜けたボールを
クチに加えて持って来る。
 
覚えていてくれた事に
少し目頭が熱くなった。
 
レオンを抱きしめていると、
玄関の開く音が聞こえてくる。
 
外に出て来た両親に
深々と頭を下げ謝った。
 
涙がとめどなく流れていた。
 
そんな俺の姿を見た
レオンの悲しそうな鳴き声は
今でも忘れない。
 
その日から3年が経った…
 
オフクロから届いた手紙には、
レオンが永眠したという言葉と一枚の写真が入っていた。
 
昔の俺とレオンの写真だ。
 
 

No.4 08/04/22 04:17
D・56 ( 0w5Jh )

 
 輝石-キセキ-(前編)
 
今日、僕はプロポーズする。
 
その事を彼女は知らない。
 
出会い系サイトで知り合い、
不思議とミョーに気が合って
5年も交際を続けている。
 
必死に貯金して買った指輪を
彼女は左手の薬指に
ハメてくれるのだろうか?
 
プロポーズの場所は
海の見えるカフェテリア、
2人で夕食を済ませた後に
告白する計画だ。
 
彼女は今、助手席にいる。
 
赤信号に変わったので
僕はゆっくりと車を止めた。
 
その時、計画は破綻した!!
 
「ねぇ、別れましょ」
 
青信号に変わったので
僕はゆっくりと車を進めた。
 
「どうして?」
 
僕は少し小さな声で尋ねた。
 
「今度、お見合い結婚するの」
 
とっさに出た言葉は…
 
「僕じゃダメかな?」
 
格好悪いプロポーズだ。
 
 

No.5 08/04/22 04:50
D・56 ( 0w5Jh )

 
 輝石-キセキ-(中編)
 
「ワタシの父さんって社長だし
 それなりの男の嫁になれって
 聞かないのよ」
 
確かに僕の実家は決して
裕福だとは言えない。
 
出会い系サイトで
知り合いましたなんて
彼女の父親にしてみれば
世間体が悪いのだろう。
 
「それでイイの?」
 
悔しいので強く出てしまった。
 
「イヤだけど仕方ないよ」
 
社長令嬢としての責任感か…
 
「僕の事はどう思ってる?」
 
今度は柔らかく言えた。
 
「もちろん愛してるよ」
 
彼女の目にはうっすらと
涙が浮かんでいる。
 
僕は車を海の見える展望台まで
何も言わずに走らせ、
その駐車場の片隅に停めた。
 
そして用意していた指輪を
コンソールから取り出した。
 
 

No.6 08/04/22 05:25
D・56 ( 0w5Jh )

 
 輝石-キセキ-(後編)
 
「僕は今日まで頑張って働いて
 貯金して指輪を買った、
 君にハメてもらいたかった」
 
少し緊張しながら続ける。
 
「学歴や家柄も立派で無いし
 お金なんか全然無い」
 
そして僕は車のドアを開けて
外に飛び出し、
 
「だけど君を愛してる!!」
 
握り締めていた指輪を
海に放り込んだ。
 
「僕と一緒になってくれ」
 
そう言うと彼女も
車から降りてきた。
 
「高かったでしょ、指輪」
 
彼女は少し微笑みながら
僕の手を握ってきた。
 
「ちょっと後悔ぎみ…」
 
僕も笑いながら
彼女の手を握り返した。
 
「2人で頑張ってみようか」
 
これからどうなるか
予想も出来ないが、
彼女にとって格好の良い
プロポーズであっただろうか? 
もしそうであれば、
給料3ヶ月分は惜しくない…
 
 

No.7 08/04/22 14:03
D・56 ( 0w5Jh )

 
 こだま
 
その速さと快適な移動空間は
日本の誇りの1つ「新幹線」
 
「スーパーひかり」や
「のぞみ」も好きだけど
 
「こだま」が1番好きだ
 
もう歳だから
ちょっと音が気になったり
各駅でひと休みしながら
みんなを運ぶけど
 
そのおかげで
旅してる気分になれたり
風景を楽しめたりする
 
在来線よりも心地良くて
他の新幹線よりはノンビリ
 
そんな「こだま」に乗りたくて
少しだけ早起きする
 
日常の喧騒を
流れゆく車窓に溶かして
煙草と珈琲を嗜む
 
次の駅では10分停車だ
外の空気を吸いに行こう
 
軽く背中を伸ばしてみたり
駅前を眺めてみたりする
 
「のぞみ」が追い越してゆく
 
「こだま」の発車時間だ
 
みんなそんなに急いで
何処に行くのだろう
 
たまにはゆっくり
歩いてみませんか?
 
 

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