🌱小学１年生

私たちが育ったのは田舎の小さな町。このあたりはおじいちゃん・おばあちゃんと同居の子がほとんどで、両親共働きでも保育園に行ってる子はごく少数。ほとんどが、幼稚園からそのまま小学校へ。顔もみ～んな知ってるし、友だちばっかり。私には不安なんて何にもなくて、ワクワクするばかりの小学校生活がはじまる。
１学年45人。23人と22人にわかれて２クラス。
隣りのクラスには保育園からの子が２人で、このクラスには１人。
その１人が『リュウ』だった。
覚える…周りはみんな友だちなのに、自分だけ友だちがいなくて、なんだか緊張したようなリュウの顔。
他のことは覚えてないけど、リュウの顔だけは覚えてる。
保育園組は１人だもん、ほぼ『転校生』って感じだし、どんな子だろ？って思ったよ。

その日私が知ったことは…『リュウ』って名前と「へぇ。ナオ君とケンぼうんちの隣りなんだぁ」ってこと。
それが私とリュウのはじめまして。
私の初恋のはじまり。

共感0

No.3 08/04/15 12:37
流芽 ( OL66h )

はじめて話した時も覚えてるよ。
「おはよ」って。たったそれだけ。
『わぁリュウとはじめてしゃべっちゃった』って。今思えば本当に転校生に対する単なる野次馬気分と似てた気がする。

それでもたかが22人の小さなクラス。しかも小学１年生。
いつのまにかクラスのみんなと仲良くなってたよね。
そうそう。おもいだした。あの頃の男の子はほとんどが、スポーツ刈りの短い髪ばかり。リュウは髪がながくて、やせてて内股で歩いてよく泣いて。
女みたい泣き虫って言われてたっけ。

でも、リュウは優しいんだよね。
人の悪口は言わないし、困ってる子をみるとすぐに助けてくれた。
忘れものした子に１番に迷わず貸してあげるのはいつもリュウ。

すぐに泣いて弱っちいけどすごく優しい。
「リュウって優しいよね。だぁいすき‼」
１年生。幼い幼い私の初恋。