K-力士

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不明ネコ（ RRJcob ）
2023/09/09 22:28(更新日時)

私の名前は小野寺ゆめ、大学の学費を稼ぐために居酒屋とコンビニでバイトしている女子大生だ。

今日はそのコンビニでの夜勤の日だけど、マジで信じられない出来事が起きた。

同じシフトだった筈の先輩がいない。ちなみにその先輩の名前は船橋。男。

優しいんだか格好付けてるんだか良く分からない人だけど、今はそんなのどーでもいい。

どうして…？

私も連絡したけど返事無し。

急遽店長にも確認したところ、やっぱり連絡が取れないそうで、結局誰もが事情があって交代まで私ひとりかも知れないらしい。

らしいとは言うけど、『1チャン直ぐ駆け付けられると思う！』の店長の言葉を4度くらい電話で聞いたとき、その1チャンは無いと確信した。

まさかの私ひとりのワンオペナイトを過ごすハメになってしまったのだ。このご時世にだ！一生恨むと決めた。

店長は事情とか対応を細かく説明してくれてたけど、正直焦りと緊張でよく覚えていない。何故なら私はビビリだからだ。

高鳴る胸のドキドキに心の不安とドキドキで心臓が痛い。

唯一の救いは此処が田舎で夜はお客さんがめっぽう少ない過疎ったコンビニであることだ。

ビジネスモデル？なのかセンスが無いのかは分からない。

24時間営業で夜間の利益って人件費や光熱費やらの方が売り上げより高いだろうな～～と何度も不思議に思ったものだが、本日ばかりはそれに全てを懸ける。

客よ！誰も来るなかれ！特に変な人！変な客！

そんな夢と希望を抱いていた私の期待は瞬く間に裏切られた。40分もしない内に。

ドゥルルン！バオンバオン！

けたたましい騒音というか不快音が鳴り響いた。

駐車場に目をやると異様に明るいヘッドライトにフォグランプがイエローの、言わゆる…な車が格好付けた様に入って来た。

勘弁してくれよ。この感じ、この勢い、まさか複数じゃないだろうな…と思ったら、やっぱり複数だった。

合わせて5人、男3、女2の如何にもヤンキースタイルの男女を確認。

入店する前からテンションの高く大きな声で騒いでドアをバタム！バタムと音まで聴こえて来た。

ヒャッハーって感じの勢いだ。

ピロリロリン！ピロリロリン！

入店の音と共に私は最大限の嫌悪感を圧し殺して、『いらっしゃいませ～♪』と我ながら天使の様な挨拶をした。

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No.3873466　2023/09/09 01:39(スレ作成日時)

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No.1 2023/09/09 05:19
不明ネコ ( RRJcob )

ゾロゾロと入店する輩達。もう見るからにガッカリする姿がそこにあった。

見た目だけで人を判断しちゃ行けないって分かっちゃいるよ。そう祖父母に教わって来たから。

その教えを疑いたくなる。話し声の大きさ、喋り口調、身振り、素振りで伝わる品性の欠片の『カ』文字もない様に。これは果たして偏見だろうか？

接客業で少しは慣れたとはいえ、慣れと苦手が両立出来ていない矛盾。正直な気持ち。

私はこういう人達が恐いんだ。

こんな真っ暗な夜に狭くて明るい店内に、見ず知らずの明るい人達がワーギャー騒いでる。

時間が長く感じた。……というか本当に長い。

目を配るとカゴに一杯商品を詰めている。

当たり前のことだけど、万引きとかせずにちゃんと商品を買ってくれるんだなって思った。

そのとき、彼等はレジにやって来て一杯のカゴをドン！って置いた。

我に返った。仕事モードだ！

いらっしゃいませ♪

商品をバーコードにかけて行く。余計なお節介かも知れないが、平日のこの時間帯に良くもまぁこんなにお酒や菓子やらつまみを買うもんだなと。

ピッピッとやっていると、１人の男が私に声を掛けて来た。

男『あっれぇ～～？お姉ちゃんさぁ！芸能人の誰かに似てない？』

私『えっ？(￣▽￣;)苦笑』

男の仲間『分かる分かる！誰だっけ！昔のナントカの女優の若い時じゃね？』

さらに男の仲間『確かにー！！あのやらかす前の時でしょ！』

私には誰のことすら分からないし、頭はさっさと会計に向かっていた為、回答どころではなかった。

少し苦笑いを浮かべながらバーコードを打ち続けた。

これがよく無かった。

今思うと、女性2人は私の態度なのか、男性達のテンションが上がった様子が気に入らなかったのか、明らかに不機嫌な様子でこう言って来た。

『てゆーか反応ないってなくない？こっち褒めてやってんの分かんない？』

『店員でしょ？客の返事くらい返せよ』

私『あっ…えっと…スミマセン…』

としか言えなかった。

男達『姉ちゃん見た目はアレだけど意外と処女でしょ？笑』

『ビビらせてゴメンネ～こいつらアレだから！笑』

何がアレか知らんがセクハラ全快で盛り上がり出した。

それを言うな！絶対よくない方向に行く！私は構わんが女2人ガッ！（私の心の声）

案の定、アイスクリームを付きだしてレンジで温めろと言い出した。