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短編「化物島」#1

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自由なパンダさん
23/07/15 03:30(更新日時)

題名〈化け物島〉#1

セミの鳴き声がうるさいかなりのド田舎
鹿児島に住んでいる俺は勇斗の家に遊びに行った。
「ピンポーン（チャイムの音）」

勇斗）「おら！」

バシャァッ！

俺）「うわっ！」

勇斗は出るなり水の入ったバケツを俺に
浴びせた。

俺）「チッ。おいふざけんなよ。
　　　濡れたしよ、クソっ！」

勇斗）「熱中症対策！」

俺）「何が熱中症じゃ！服も濡れたし
　　　カセットも、、、」

俺）「おぉぉい！！マジふざけんな！」

せっかく買ったゲームのカセットが濡れた。
勇斗は少し気まずい顔をしている。
家に邪魔するなりすぐドライヤーを借りて
必死に乾かす。

―1時間後―

俺）「乾いた、ようやくゲームができる。」

俺）「お前、ふざけんな。ガチで。」

勇斗）「ごーめーんーて、ごーめーん。
　　　　まさかカセット持ってくるって
　　　　知らんかった。」

俺）「バイトで貯めて買った
　　　中古じゃない最新のカセット
　　　濡らしやがって。」

勇斗）「はいはい、麦茶いる？アイスは？」

呆れたこいつはいつもそうだ。と
思いながら俺はアイスで機嫌をとった。

勇斗）「めっちゃ暇なんだけど〜。
　　　このゲーム流石に飽きてきた。」

俺）「まだ始めたばっかだろが。
　　　これ何円したと思うけボケぇ。
　　　6000円やぞ。」

勇斗）「へへへ、わりぃ。」

しばらく二人でサバイバルゲームをする。
エアコンがついてないため扇風機の風が
汗にあたる度、涼んで引いていく。

サバイバルゲームで勇斗は材料集めが
かなり得意なのかすぐに建築し始める

ゲームのマップで海岸沿いに材料を集めている勇斗がいきなり

勇斗）「なぁ（俺）、今から海行かねぇ。
　　　　扇風機だけじゃアッツいし。」

と言った。

俺）「・・・。」

勇斗）「なぁ、海、行かね？」

俺）「・・・。」

勇斗）「肝試し。好きな穂乃果とか
　　　　連れてよ。」

勇斗）「心霊スポット。」

俺）「・・・。」

俺）「行かねーよ。」

勇斗）「あっ！ビビってんの？
　　　　え？え？ビビってんの？マジで？」

俺）「今からお前をぶん殴ろうか？」

勇斗）「行こうぜぇ。人生一度きりだと
　　　　思って行こうぜぇ。」

俺）「今から？」

勇斗）「いや、今じゃない。」

俺）「場所とか決まってんの？」

勇斗）「まだ。」

俺）「適当に言ったのかよ。」

勇斗）「んぇー。でもさ、高校生活で一度は
　　　　肝試ししてみたいじゃん。」

ねっころびながらゲームをする勇斗

勇斗）「俺らもう18だぜ。
　　　　社会人になったらこうやって
　　　　遊ぶ機会も少なくなるし夏休みで
　　　　1番最高の思い出作ろうぜぇ。」

俺）「・・・まぁ、少しぐらいなら。」

勇斗）「ほんと！？」

俺）「少しならなー。」

勇斗）「じゃあ決まりだ。穂乃果とか
　　　　一緒に連れていこうぜ。
　　　　
俺）「場所は？あ、でも。」

勇斗）「化物島！」

俺）「ばけものじま？どこそれ？」

勇斗）「バスで30分電車で3時間、
　　　　船で1時間ぐらい！」

俺）「交通費大丈夫なのか？」

勇斗）「んー、まぁ、そんとき考えて
　　　　おく。」

俺）「もし無理だったらまた別の所な。」

い

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