✏携帯小説♣マイ・スイート・ベイビー♣
🎒【磯野家20years later…👪✨】【河童家族🍁】に次ぐビリケン昭和、携帯小説第3弾📖遂に始動‼
未曾有の事故で最愛の我が子を失った女の怒りと憎しみの復讐劇🔥…さらなる進化を遂げるビリケン昭和自身最高傑作‼極上のサイコスリラーをお楽しみ下さい
♣梶原きみか(主人公)
♣一色秀隆・秋川昌子(刑事)
♣山本一雅・北村ゆき(銀行強盗犯)
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♣序章♣
かけがえのない大切な物を奪われた時…人はどういう行動にでるだろうか…私はこの歳になるまで散々両親に迷惑をかけ、犯罪にまで手を染めた正真正銘の札付きのワルに成りさがってしまった…だけど親には申し訳ないという様子一つも見せずに今日まで生きてきた…今日も両親は私に手を焼き、人々に深々と頭を下げ、ウチの娘が迷惑をかけたとはいつくばり許しをこうている…バカみたい💨まるで乞食か廃人のようだ…ヘン💦…こうなったのも全て…そう…全てはあの日のあの時からなんだ…あの日あの時あの場所に私がいあわせなければ貴方達はきっと幸せな生活が送れたのかもね…ふふふ…ハハハ…💦💦…アッハッハッ💦‼
>> 2
♣1♣
梶原きみかは病室のベッドの上で放心状態になっていた…『う…💧嘘でしょ💦…せ、先生っ…』ベッドのすぐ横で担当の産婦人科医師と看護師がうつ向き加減で申し訳なさそうに呟く…『…大変残念です…不運だったとしか言いようがない💧』医師は目を閉じて言葉を押し殺しながら静かにきみかに話かけた…『い、いやぁ…💦…嫌だっ💦…先生っ‼嘘だと言って💦‼お願いっ‼冗談だよと笑って‼お願い…💦…お…ねが…い…』看護師がきみかをなだめようとしたその時、きみかは爆発した…『イヤァァァァァァァァァァァァ~‼‼‼‼』ベッドで激しくのたうち回るきみかを医師と看護師が必死に止める💦『イヤァ‼…は、離してぇ~💦…嫌だァァァァァァァ‼‼』きみかに刺してあった点滴は皮膚から抜け落ち中の液があちこちに飛び散った…『お、梶原さん💦…おちついて‼…お願いだからっ💦』『離してェェェェェェェ~💢…もう死ぬっ‼あの子がいない人生なんてっ‼…私…耐えられないっ💦イヤァ💢…触んないでよっ💦』騒ぎを聞き付けた同僚の看護師達がきみかを必死に押さえつける‼『返してぇっ💢…あの子を…返してちょうだい‼』『落ち着きなさい💦梶原さんっ‼』婦長らしき看護師がきみかの頬を平手で叩くときみかは嘘のように静かになった…
- << 5 ♣3♣ 『厚木署刑事課の一色と申します』『同じく秋川です』病院の産婦人科の入口で看護師長に警察手帳を提示すると神奈川県厚木警察署刑事課、一色警部補と秋川巡査部長は看護師長に連れられて梶原きみかの病室に案内された…一色秀隆と秋川昌子は長年この警察署でコンビを組んでいる熟年刑事だった…『…彼女…話してくれますかね❓』病室へ向かう廊下で七つも年上の秋川昌子が一色に声をかける…『さぁね💨』相変わらず無愛想な一色の態度には秋川はもう散々慣れた様子でフンと鼻を鳴らした…『梶原さん💦…お話したいって刑事さんが…💧』病室にはまるで魂を抜かれたかのように天井の一点を見つめ横たわるきみかの廃人のような姿があった…自慢だったろう、長くて綺麗な髪の毛はボサボサになり瞳はまるで死んだ魚の如く黒く怖いくらいに艶やかだった…『あのぅ💦…すみません💨厚木警察署の者なんですが…💦ちょっとお話聞かせてもらえませんでしょうか❓』一色はきみかの顔の側に手帳を提示すると一連の事件の詳しい情報を教えて欲しいときみかに頼んだ…『……………』『あの…💧梶原…さん❓』一色が聞き返すもきみかは瞬き一つせず、ピクリとも反応が返らなかった…『…ずっとこんな調子ですか❓』秋川が看護師長に尋ねた…『は、はい💦…ずっと食事もお食べになられないくらい衰弱してしまわれて💧』一色と秋川は顔を見合わせてこりゃ駄目だな💨といわんばかりの態度で首を振った…『梶原さん…また落ち着いた頃に伺いますね💦…今は体をゆっくり休めて下さいね💨』秋川は女性らしい気配りできみかに優しく声をかけた…『何かありましたらウチの署まで連絡下さい💦』一色が看護師長に頭を下げると二人はきみかの病室を後にした…
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梶原きみかは病室のベッドの上で放心状態になっていた…『う…💧嘘でしょ💦…せ、先生っ…』ベッドのすぐ横で担当の産婦人科医師と…
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『厚木署刑事課の一色と申します』『同じく秋川です』病院の産婦人科の入口で看護師長に警察手帳を提示すると神奈川県厚木警察署刑事課、一色警部補と秋川巡査部長は看護師長に連れられて梶原きみかの病室に案内された…一色秀隆と秋川昌子は長年この警察署でコンビを組んでいる熟年刑事だった…『…彼女…話してくれますかね❓』病室へ向かう廊下で七つも年上の秋川昌子が一色に声をかける…『さぁね💨』相変わらず無愛想な一色の態度には秋川はもう散々慣れた様子でフンと鼻を鳴らした…『梶原さん💦…お話したいって刑事さんが…💧』病室にはまるで魂を抜かれたかのように天井の一点を見つめ横たわるきみかの廃人のような姿があった…自慢だったろう、長くて綺麗な髪の毛はボサボサになり瞳はまるで死んだ魚の如く黒く怖いくらいに艶やかだった…『あのぅ💦…すみません💨厚木警察署の者なんですが…💦ちょっとお話聞かせてもらえませんでしょうか❓』一色はきみかの顔の側に手帳を提示すると一連の事件の詳しい情報を教えて欲しいときみかに頼んだ…『……………』『あの…💧梶原…さん❓』一色が聞き返すもきみかは瞬き一つせず、ピクリとも反応が返らなかった…『…ずっとこんな調子ですか❓』秋川が看護師長に尋ねた…『は、はい💦…ずっと食事もお食べになられないくらい衰弱してしまわれて💧』一色と秋川は顔を見合わせてこりゃ駄目だな💨といわんばかりの態度で首を振った…『梶原さん…また落ち着いた頃に伺いますね💦…今は体をゆっくり休めて下さいね💨』秋川は女性らしい気配りできみかに優しく声をかけた…『何かありましたらウチの署まで連絡下さい💦』一色が看護師長に頭を下げると二人はきみかの病室を後にした…
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♣4♣
『…あれじゃまるで生きる屍だな💨』一色は煙草に火をつけると携帯灰皿の中に燃えたマッチのカスを入れた…『仕方ないですよ…最愛の我が子をあんな悲惨な形で失ったんですもの…』一色より年が上の秋川だが役職は年が下の一色のほうが上のせいか何故か話すと敬語になる…桜の花びらが舞散る署への帰り道の公園は日曜のせいか沢山の家族連れで賑わっていた…一色はふと母親と息子の二人連れに目が止まった…『…フゥ💨…【シングルマザー】か…最近流行ってんだろ❓…ああゆうの』一色は眩しそうに眉間に皺を寄せ上空を見上げた…『えぇ…別に流行ってはいないだろうけど…💦何か多いみたいですね、世間じゃ…』二人の足音が次第にカツカツと同じ音を奏でまたバラバラになる…『彼女も…不倫の果ての円満な別れだったらしいです…💦』『…フン💨女も女なら男も男だなっ💢無責任てゆうか後先考えてないってゆうか‼』一色は吐き捨てるように言うと苛立った様子で吸っていた煙草を携帯灰皿に押し込んだ…『二人で生きてきた証が欲しかったんだと…だからあのお腹の子は私の命そのものなんだったんだって…親しい若い看護師にはそう話していたみたいです…』梶原きみかは会社の上司であり妻子あるその男性と深い仲になり数年もの期間不倫の関係にあったが結局別れる時が訪れ、もう逢わないという約束でその頃に出来てしまったお腹の子供だけを引き取った…きみかは幸せの絶頂だった…好きな人の子供と二人で歩んでいける幸福を噛み締めていた…しかしその矢先に事件は起きた…‼『何だかやりきれねぇな💨』一色はまた吐き捨てるように言うと足取りを早めた…秋川は後について歩いていった…
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♣5♣
【…次のニュースです…先日起きました相愛銀行厚木衣川支店強盗事件の続報です…事件当日、銀行の監視カメラに映っていた若い男女の身元が判明し、神奈川県警はこの若い男女を容疑者と断定し、全国に指名手配すると発表しました…男は川崎市に住む無職、山本一雅(20)女は同じく川崎市に住む無職、北村ゆき(20)…二人は23日、相愛銀行厚木衣川支店に白昼堂々押し入り、警備員二名に刃物で重症を負わせたうえ、現金620万円を奪って今尚逃走中です…警察は引き続き警戒体制を敷き、容疑者逮捕に向け全力を上げて捜査する意向です…】
『ハァ💨…ったく💦…今の若いモンは何しでかすか分かんねぇ~なぁ💧…』病院の待合室で数人の患者がテレビのニュースに釘付けになっていた…『最近の若いヤツは何やっても法律が守ってくれるから怖かねぇ‼って意気込んでやっから恐ろしいわな💧』待合室のあちこちからやれ少年法は甘いだとか死刑にしろだとか罵声や怒号にも似た論議が飛び交う…『人を簡単に傷付けて平気な世界だ‼…けど神さんは許しはしねぇ💢こんなガキは早くとっ捕まえて同じ目にあわせりゃいいんだよっ💢』そんな言いあいをきみかは後ろの廊下の隅でじっと聞いていた…そしてテレビニュースに流れた銀行強盗事件の二人の容疑者の顔と名前をしっかりその死んだ魚のような目に焼き付けていた…‼『…ヤ…ヤマモト…カズマサ…キタム…ラ…ユキ……』『よう💦ネェちゃん‼んな所でつったって見てねぇでこっちでテレビ観なよ💦』患者の一人がきみかを誘ったがきみかは一度その患者を睨みつけただけで無言で待合室を後にした…『チッ💢…何でぃ💦…くれぇヤツ‼』病室への帰りの廊下できみかは容疑者の名前をゆっくり捻り出すように思い出していた…『ヤマモト…カズマサ…キタムラ…ユキ…フフフ…💧』
>> 7
♣6♣
✨🎵こんにちは赤ちゃん…私がママよ~🎵フフフ…さぁオシメ替えましょうね~💕…ん‼あらやっだぁ…〔ひかり〕ったら~💦ウンチも沢山でまちたね~💕フフフ…〔ひかり〕はもうすぐ一歳の誕生日デチュよ~💕ママがね、美味しいケーキ作ってお祝いチテあげまチュからね~💦…フフフ💦〔ひかり〕は大きくなったらどんな女の子になるデチョね~💕❓きっとママに似て頭のいい美人になるデチョね~キャハハハ…〔ひかり〕…貴方はママの大事な大事な命より大事な宝物よ‼…フフフ…アハハハ…ハハハハ💦✨
『ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼‼💦』ベッドから飛び起きたきみかの体は汗びっしょりで病室に本人の荒い息使いだけが反響していた…『……また…ゆめ…❓』きみかの目から涙が溢れてきた…不思議だ…どれだけ泣きじゃくり、涙が枯れたと思っていても次から次へと生暖かい悲しいその液体はいつも所構わずきみかの頬を伝わっていく…『ひかり…💦』〔ひかり〕はきみかが産まれる前からお腹の子供につけていた名前だった…太陽のように光輝く子供にと女の子だと分かった頃からずっとそう呼びかけていた…『ひかり…ひかりはどこ❓』何度お腹を擦っても以前のようにお腹の壁を蹴る元気な反応はない…『ひかり❓…いるんでしょ❓…いるなら返事して💦』きみかはそこにいるはずもないお腹の子供に何度も呼びかけてみる…『い…、いや…イヤァァァァァァァァァァァ💢💢💢💢💢‼』きみかは部屋の中の物を一つ残らず床に叩きつけ、カーテンを引きちぎり何度も何度も〔ひかり〕を呼び続けていた…
>> 8
🍵🍘ビリケンの部屋🍘🍵
さぁ‼全国のビリケンファン様の為に万を事して放ちました『♣マイスイートベイビー』…もうお読みになられましたか❓…最愛の子供をある事件で失い失意のドン底に叩き落とされた23歳OL梶原きみか‼…いったい彼女はどんな形で最愛のお腹の子供を失ったのでしょうか💦❓そして銀行強盗犯人との意外な接点とは❓…いやぁもうこれで貴方もマイスイートベイビーのと💖り💖こ💖…ナァ~んちゃって💦💦
- << 11 ♣7♣ 一色と秋川は再びきみかの病院を訪れた…病室には以前よりはすっきりとした顔のきみかが横たわっていた…『あれからかなり荒れたって聞いてたけど…だいぶ元気になったみたいだわね💦』秋川がきみかに優しくねぎらう…『……』きみかは無言のままそっぽを向き窓の外の風景を眺めていた…『……ねぇ梶原さん💦…どんな些細な事でもいいの…あの時起きた事思い出してくれるかしら❓』秋川は頬杖をついて静かに息を吐いた…一色は黙って二人から背中を向けしきりに窓の外の小鳥に目を向けていた…『…警察に…何も話す事なんて…ないわ‼』きみかは秋川と目を合わせる様子もなくボソリと不機嫌そうに言葉を発した…『……フゥ💨』秋川は一息入れて困った顔をした…『可愛いわね…これ💦』秋川はきみかの枕の側にあった熊のぬいぐるみに手を伸ばした…『…手作り…❓…貴方が作ったんだ💨…』秋川は満面の笑顔でその熊のぬいぐるみをマジマジと見つめた…『…フフフ…上手いわね💦…私も趣味で作ったりするんだけどね、こうまで上手く作れないわ‼…スッゴォ~い‼』きみかは初めて秋川の方にチラリと視線を投げ掛けた…『……それ…買ったの💨…店で‼』きみかはブッキラボウに秋川に言うと『あ、💦え❓…そ、そうなんだ💦💦…アハハハ💦…アタシったら…ハハハハ💨』一色は思わず笑ってしまった…きみかはまたソッポを向き『…フン💢…口からデマカセ言わないで下さいます‼』と冷たくあしらった…『ご、ゴメンなさい💦…でも梶原さん…あなた初めて私に【感情】を見せてくれたわね💨』『フン‼…警察はこれだから嫌いっ💦』さっきまでこちらの言葉に聞く耳を持たなかった彼女が今はどんな形であれ我々に言葉を投げ掛けてくれている…秋川と一色はそんなソッポを向き不機嫌な態度のきみかを見てかすかな手応えを感じていた…
>> 9
🍵🍘ビリケンの部屋🍘🍵
さぁ‼全国のビリケンファン様の為に万を事して放ちました『♣マイスイートベイビー』…もうお読みになられました…
♣7♣
一色と秋川は再びきみかの病院を訪れた…病室には以前よりはすっきりとした顔のきみかが横たわっていた…『あれからかなり荒れたって聞いてたけど…だいぶ元気になったみたいだわね💦』秋川がきみかに優しくねぎらう…『……』きみかは無言のままそっぽを向き窓の外の風景を眺めていた…『……ねぇ梶原さん💦…どんな些細な事でもいいの…あの時起きた事思い出してくれるかしら❓』秋川は頬杖をついて静かに息を吐いた…一色は黙って二人から背中を向けしきりに窓の外の小鳥に目を向けていた…『…警察に…何も話す事なんて…ないわ‼』きみかは秋川と目を合わせる様子もなくボソリと不機嫌そうに言葉を発した…『……フゥ💨』秋川は一息入れて困った顔をした…『可愛いわね…これ💦』秋川はきみかの枕の側にあった熊のぬいぐるみに手を伸ばした…『…手作り…❓…貴方が作ったんだ💨…』秋川は満面の笑顔でその熊のぬいぐるみをマジマジと見つめた…『…フフフ…上手いわね💦…私も趣味で作ったりするんだけどね、こうまで上手く作れないわ‼…スッゴォ~い‼』きみかは初めて秋川の方にチラリと視線を投げ掛けた…『……それ…買ったの💨…店で‼』きみかはブッキラボウに秋川に言うと『あ、💦え❓…そ、そうなんだ💦💦…アハハハ💦…アタシったら…ハハハハ💨』一色は思わず笑ってしまった…きみかはまたソッポを向き『…フン💢…口からデマカセ言わないで下さいます‼』と冷たくあしらった…『ご、ゴメンなさい💦…でも梶原さん…あなた初めて私に【感情】を見せてくれたわね💨』『フン‼…警察はこれだから嫌いっ💦』さっきまでこちらの言葉に聞く耳を持たなかった彼女が今はどんな形であれ我々に言葉を投げ掛けてくれている…秋川と一色はそんなソッポを向き不機嫌な態度のきみかを見てかすかな手応えを感じていた…
- << 13 ♣8♣ 『詳しい目撃証言が得られました‼』捜査本部が敷かれていた厚木署管内の一室に捜査中の刑事から報告が入り一色と秋川は急いで署に戻った…『え~事件当日、側にいた目撃者の主婦に聞いた話によると容疑者二名は警備員二名を刺傷した後、玄関からそのまま逃走、その際自動扉の前に立っていた妊娠中の女性に体当たりし、その女性を激しく転倒させて逃げていったそうです…』一色と秋川の目が鋭く光った‼『彼女…突き飛ばされたのか…💧』『…こないだの事情聴取では自分で転んだと…💦』意外な事実に二人は困惑の色を隠せなかった…梶原きみかはただ単に事件の現場にいあわせてその現場のショックでお腹の子を死産させたとばかり二人は思い込んでいたからだ…『もう一度私、行ってきます‼』『俺もいくぜ💦』一色と秋川はテーブルに置かれたお茶に一口も口を付けずに一目散に走り出した‼『…フフフ…秋川…まさかお前さん、俺と一緒の事考えてねぇよな❓』『いや、おそらくビンゴ~でしょうね、警部補‼』二人は車に乗り込むときみかの入院している産婦人科病院へ急いだ…
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♣7♣
一色と秋川は再びきみかの病院を訪れた…病室には以前よりはすっきりとした顔のきみかが横たわっていた…『あれからかなり荒れたって聞いて…
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『詳しい目撃証言が得られました‼』捜査本部が敷かれていた厚木署管内の一室に捜査中の刑事から報告が入り一色と秋川は急いで署に戻った…『え~事件当日、側にいた目撃者の主婦に聞いた話によると容疑者二名は警備員二名を刺傷した後、玄関からそのまま逃走、その際自動扉の前に立っていた妊娠中の女性に体当たりし、その女性を激しく転倒させて逃げていったそうです…』一色と秋川の目が鋭く光った‼『彼女…突き飛ばされたのか…💧』『…こないだの事情聴取では自分で転んだと…💦』意外な事実に二人は困惑の色を隠せなかった…梶原きみかはただ単に事件の現場にいあわせてその現場のショックでお腹の子を死産させたとばかり二人は思い込んでいたからだ…『もう一度私、行ってきます‼』『俺もいくぜ💦』一色と秋川はテーブルに置かれたお茶に一口も口を付けずに一目散に走り出した‼『…フフフ…秋川…まさかお前さん、俺と一緒の事考えてねぇよな❓』『いや、おそらくビンゴ~でしょうね、警部補‼』二人は車に乗り込むときみかの入院している産婦人科病院へ急いだ…
- << 15 ♣9♣ 梶原きみかは屋上のベンチに腰掛けてじっと空を見つめていた…一色と秋川は雲一つない快晴の青空に敵意剥き出しのオーラを放つ彼女の姿を見ていた…『梶原さん…』一面に干された真っ白な洗濯物のシーツの中から秋川がニョッと顔を出した… 『食べない❓ドーナツ…』秋川は駅前で買ってきたドーナツの箱をきみかの横に置いた…一色は相変わらず二人に距離を置くようにして耳だけはこちらに集中していた…まるでこんなデリケートな事件は女刑事の専売特許だと言わんばかりにいつも一色は二人から離れて様子を伺っているのだ…『どう❓調子…』『さすがにドーナツは手作りじゃないんですね💦💢』きみかが秋川に皮肉たっぷりの台詞を吐くと秋川は参ったナァ~と頭をかきながら照れ笑いした…『でも少し元気になったみたい…良かった💨』『…フン💢…刑事って仕事も単純なもんねっ‼…偽善者ぶった顔をして近づいていけばいいんだから…それで弱い人や何の罪もない人を捕まえる事だってあるんだから…‼』『アハハハ💦…母さんこりゃ一本取られたな💨』きみかと親子程違う秋川はまた頭をかいておどけた…『……犯人の顔…間近で見たでしょ❓…何でもいいから話して欲しいの…💦』秋川は急に真面目にきみかを見つめて言葉をかけた…『貴方…あの時容疑者の男女に体当たりされて転倒して…それで…それで…』きみかの顔がみるみる恐ろしく変わる‼『だから💢…だから何なのよっ💢…そんな事いちいち貴方に話す必要あんのっ‼‼…何にも知らないくせに…何にも私の事解らないくせに…💢何でも知ってるような正義ヅラしないでよっ💢💢💢…私の…気持ち…なんか…💦💦💦…分かんない…誰にも💢💢』きみかはベンチからずり落ちるようにヘナヘナとその場に泣き崩れた…『あ💧…』秋川はただ何も言い返さずきみかの痩せ細った肩を抱いていた…
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『詳しい目撃証言が得られました‼』捜査本部が敷かれていた厚木署管内の一室に捜査中の刑事から報告が入り一色と秋川は急いで署に戻った……
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梶原きみかは屋上のベンチに腰掛けてじっと空を見つめていた…一色と秋川は雲一つない快晴の青空に敵意剥き出しのオーラを放つ彼女の姿を見ていた…『梶原さん…』一面に干された真っ白な洗濯物のシーツの中から秋川がニョッと顔を出した… 『食べない❓ドーナツ…』秋川は駅前で買ってきたドーナツの箱をきみかの横に置いた…一色は相変わらず二人に距離を置くようにして耳だけはこちらに集中していた…まるでこんなデリケートな事件は女刑事の専売特許だと言わんばかりにいつも一色は二人から離れて様子を伺っているのだ…『どう❓調子…』『さすがにドーナツは手作りじゃないんですね💦💢』きみかが秋川に皮肉たっぷりの台詞を吐くと秋川は参ったナァ~と頭をかきながら照れ笑いした…『でも少し元気になったみたい…良かった💨』『…フン💢…刑事って仕事も単純なもんねっ‼…偽善者ぶった顔をして近づいていけばいいんだから…それで弱い人や何の罪もない人を捕まえる事だってあるんだから…‼』『アハハハ💦…母さんこりゃ一本取られたな💨』きみかと親子程違う秋川はまた頭をかいておどけた…『……犯人の顔…間近で見たでしょ❓…何でもいいから話して欲しいの…💦』秋川は急に真面目にきみかを見つめて言葉をかけた…『貴方…あの時容疑者の男女に体当たりされて転倒して…それで…それで…』きみかの顔がみるみる恐ろしく変わる‼『だから💢…だから何なのよっ💢…そんな事いちいち貴方に話す必要あんのっ‼‼…何にも知らないくせに…何にも私の事解らないくせに…💢何でも知ってるような正義ヅラしないでよっ💢💢💢…私の…気持ち…なんか…💦💦💦…分かんない…誰にも💢💢』きみかはベンチからずり落ちるようにヘナヘナとその場に泣き崩れた…『あ💧…』秋川はただ何も言い返さずきみかの痩せ細った肩を抱いていた…
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【山本一雅】…川崎市に生まれ中学までは平凡な家庭に育つも中学3年の時両親が離婚、母親に引き取られた頃から次第に素行が悪くなり暴力団の組に出入りするようになります…何年か荒れた生活が続き莫大な借金を作ってしまうまあ落ちるヤツの典型的なパターンですな…しかしある時喫茶店でバイトしていた北村ゆきに一目惚れし、一緒になる為にヤクザから足を洗おうと決心…今回の強奪はまあ言わば〔二人の高飛びの資金稼ぎ〕といった所でしょうか…捜査員ら刑事が全員集まる合同捜査対策会議は深夜まで続いた…『人様からふんだくった金で幸せになれるとでも思ってんのか💨…ったく💢最近のガキはてめぇさえ良ければいいんだな💢』寝不足のせいか一色の口調はいつになく荒く刺々しい…秋川はまあまあとなだめながら捜査員の報告を眠い目を擦りながら聞いていた…『梶原さんもこんなバカなヤツらに巡り会わされてホントに不運としか言いようがねぇな💨』捜査対策会議が終わり、夜勤が明けた…煙草に火を付けて一息吐くと一色は苦いカップコーヒーの残りをグイッと飲み干した…『…とにかく…一刻も早く彼らをアゲないとね💦』秋川は一色が飲み終えた紙コップをゴミ箱に投げ入れた…『…大丈夫かな…彼女…』一色はふと気の抜けた声を出した…『梶原さん…の事…ですか❓…』『変な気起こさなきゃいいんだけどな💨💧』『……そうですね…あの何もかもに疲れ切った顔を見てると私も心配になります…💦』一色はお気に入りの茶色いコートを羽織ると『きっと彼女…何か知ってるんだ…何かな💨』『いつもの刑事の勘ってヤツですか❓警部補…』一色はニコリともせずお疲れ💨と秋川に声をかけ、そそくさと反対の警察署の出入口から手を振って出ていった…
>> 16
♣11♣
~お前らが私の可愛い〔ひかり〕を殺したんだ‼…私達が一体何をしたというの💢…何にも悪い事していない、ただこれから〔ひかり〕と二人平和で和やかな人生を送るだけだったのに…私達がアンタ達に何か酷い事したっ❓💢…私達がアンタらを傷付けるような事した❓💢…何の罪もない私達の細やかな幸せ奪い取って…許せない‼…アンタ達は絶対に許しはしないからっ💢~『何考えてるの❓』きみかが振り返ると秋川の姿があった…秋川は手にアップルパイの包みを持ってきみかに笑いかけた…『あ💦…今日のこれ‼これ‼…手作りだからっ💦』とぼけた顔で汚名返上~💨と冗談を投げ掛けた秋川はきみかのベッドの横に腰掛けた…『…今日は男の刑事さんはいないの❓』きみかは秋川の隣にいつもムスッと立っている一色がいない事に気付いた…『あ💨今日私…非番なの💦…二ヶ月振りのオフ‼…ハハハハ💦…芸能人よりキツイっしょ‼オバサンの仕事💦ハハハハ』『………💧』きみかは年甲斐もない秋川の仕草や言動に少し呆れながらも次第に好感をもってきているようだった…この人は私に無理をして演技しているのか、これがこの人の〔地〕なのかがイマイチ解らない…💦きみかは秋川といると何故か調子が狂うように思った…『わざわざ休みに私にアップルパイを焼いて来たの❓フン💨無駄になるのに💢…食べないよ💦私…林檎は嫌いなの』きみかは鼻であざ笑うとまたソッポを向いた…『そ💨…じゃ私が食べよ‼』秋川は自分で作ってきたアップルパイをパクパクと食べ始めた…『娘がいたの…一人…💦貴方と同じ歳…だったかな麻奈美…💧』きみかはふと秋川の方を見た…『……死んじゃったけどね💦…去年…』急に風が吹ききみかと秋川の髪の毛を激しく泳がせた…『………💧』きみかは暫く秋川の淋し気な横顔から目を離す事が出来なかった…
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♣12♣
『……自殺…したの…』きみかの心臓がバクバクと音を立てた…『私がね…娘の結婚に反対したんだ…娘…あ、〔麻奈美〕っていうんだけど💦…私の家は母子家庭でね…ずっと二人で暮らして来たの…片親だからといって娘に辛い思いさせたくなかったから私…必死で働いた…働いて働いて…そして気が付いたら娘の事が見えなくなってたのね💦…』きみかは突然の秋川の告白に戸惑っていたが何故か最後まで聞き漏らさないでおこうという思いにかられていた…『麻奈美がある日結婚したい人がいるって言ってきたの…その相手はバツイチで三人子持ちの50歳‼私驚いて何考えてるの💢‼…って猛反対しちゃってさ…だけど麻奈美はその人の事心から愛してる‼…だからお願いって何度も何度も私に許しを乞うた…けど私は絶対許さなかったんだ…』秋川が持っていた食べかけのアップルパイの林檎の部分がポタリと地面に垂れ落ちた…『……💧それで…亡くなったの❓』秋川が初めて耳にするきみかの優しい問いかけの声だった…『私…麻奈美がそこまで追い詰めていたなんて夢にも思ってなかったから…だってそうでしょ💦どこの世界に娘に不幸になって欲しいって親がいる❓…相手がどんなにいい人だとしても…みすみす苦労する道を選ばせる訳にはいかないもの…』穏やかだがその言葉のはしばしにある小さな怒りをきみかは秋川に感じていた…さっきまで吹いてた風が嘘のようにやんだ…
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♣13♣
『ゴメンね💦…変な話になっちゃったね…私はね梶原さん…貴方の事あざ笑うつもりも同情するつもりもないの…』『……』『ただ…お願いだからこれ以上自分を傷付けるような事だけはしないでって言いに来ただけ…』きみかはまたソッポを向き黙り込んだ…『アップルパイ…食べてね‼…林檎嫌いならそこだけよけて食べればいいから…このキジに自信があるのよね💨私…フフフ💦』秋川はそう言うときみかのすぐ横にアップルパイの包みを置いて帰って行った…『……』きみかの心に何かつっかえる重い物がどっしりと腰を据えて存在しているのが感じられ、きみかの心は何故かすっきりしなかった…
『山本一雅と北村ゆき両容疑者は以前足取りが掴めないままです…安易で場当たり的な犯行だった故に当初は早期に容疑者の身柄を確保し、解決出来る事件だと思われていましたが…』新米の若い刑事が一色の机の前で軽く舌打ちをした…『もう海外へ逃げてしまったのでしょうかね💨』若い刑事が眉を細め一色に詰め寄った…『いや、空港や鉄道、船舶関係全て情報が回っている…名前や面も割れてるんだ…そう簡単に逃げてもらっては我々の面子にもかかわる…とにかく総動員で捜すしかない‼』一色は回りの刑事達にも奮起を促すようにわざと大きな声で言葉を発した…(どんな事でもいい💦…ヤツらの手がかりになるような情報が欲しい)一色は神にもすがる思いで両拳を頭の後ろで組みフゥ~💨と深いため息をついた…
>> 19
♣14♣
きみかから話があるからと一色と秋川が病院へ呼び出されたのはそれから2日後の事だった…『こんにちは‼』秋川がベッドのきみかに向かって明るく挨拶する…『ども…』一色はいつものように無愛想に首を傾ける…『何かあった❓…』秋川の笑顔には言いようのない安心感がありきみかは次第にその笑顔に引き込まれていきそうな気がしていた…『こないだのアップルパイ…ね…』恥ずかしそうにきみかは秋川に言葉を発する『うんうん💦…食べてくれたんだ‼』秋川は鼻の穴を大きく広げ喜びを露にした…『でさ💨……そんな大した事じゃないかも知れないけど…💦』一色の目つきが鋭く変わった‼秋川もそんな一色の様子を察知し、瞬時に気のいいお母さんから刑事の顔に変わった…『何か…知ってるのね❓…犯人の情報…』きみかは秋川の胸元に目をやり言葉を発した…『…強盗犯人の女のほうね…妊娠してる…』『…え💧』一色は思わず身を乗り出した‼『…どうして❓…どうしてそう思ったの💦❓』秋川はきみかに自由に話させるようと出来るだけ優しく聞き返した…『あの時…犯人の男女が私に体当たりして…したら女のほうも転んで…で、男が〔大丈夫か❓〕と女に声をかけたら…したら…女が言ったの💦…〔うん、大丈夫💧…もう安定期だから〕って…』一色と秋川はその瞬間互いの顔を見合わせ驚きの色を隠せなかった‼『…梶原さん💦…それは確かなの❓』秋川は再度きみかに確認した…『間違いない…すぐそばで聞いてたから』ガタン💨と一色は椅子につまずきながら廊下に秋川を呼んだ…『今すぐ捜査本部に連絡して神奈川県内…いや首都圏全域の産婦人科病院に北村ゆきが受診した記録がないかすぐに確認させるんだっ‼』秋川はすぐさま厚木警察管内の捜査本部に電話をいれた‼(でかした💦やはり予想通り彼女はデカイ情報を持っていた💦…これはかなりの有力情報だぞ‼)一色はきみかのその思いがけない証言に色めき立っていた…
>> 20
📝いつも『マイ・スイート・ベイビー♣』を読んで下さっている読者の皆様有り難うございます♣ビリケン昭和です💀さて、話の方はいかがでしょうか❓
きみかから犯人についての意外な情報を聞かされ色めき立つ厚木署刑事、一色秀隆と秋川昌子…彼らは犯人逮捕の足掛かりを掴めたのか‼…そして絶望の縁に叩き落とされた梶原きみかを必死で立ち直らせようとする秋川との今後は❓…物語は中盤に差し掛かりさらに衝撃の事実が次々と襲いかかる‼…そして誰もが予想だにしない衝撃的なラストが待っています💦…読者の方々からのご意見ご感想応援メールどしどしお待ちしています‼横スレしてもいいのかな~💦なんて気を使わずに遠慮なく気軽にレスしてくださいね💨貴方のその応援レスが私の創作意欲のエネルギーとなりますから‼ ビリケン昭和💀
- << 23 ♣15♣ 『ハァッ💨ハァッ💨💨ハァッ💨だ、大丈夫か💨…ハァッ💨まだ走れるか❓ハァッ💨』『ち、ちょ💨っと💦休みたい💨ハァッ💨ハァッ💨』千葉の幕張埠頭の船着き場の近くでボストンバックを抱えた山本一雅と北村ゆきはドサッと腰を下ろした…『だ、大丈夫❓…ハァッ💨…お腹…💦ハァッ💨』一雅はゆきのお腹を擦った…『ハァッ💨…んっ💦ハァッ💨…大丈夫っ💨…💦このペースなら心配ないわ💦』ゆきは一雅の手に自分の手を重ねた…事件から6日もの間、山本一雅と北村ゆきは首都圏を捜査の目をかいくぐるかのように逃げ回りやっとの思いでこの幕張埠頭に辿り着いた…『ホントに大丈夫なの❓』ゆきが一雅に問いかけた…『あぁ💦…ロシアのハバロフスク行きの貨物船に潜り込めば絶対バレないよっ💦…白石兄貴の情報じゃ途中岩手の港に停泊する予定になってるらしいからそこで降りて…そのまんま秋田の長谷川の兄貴の知り合いの産院までいけりゃ俺達をかくまってくれる‼…バッチリだ💦…任せな💨ゆき‼』一雅はかつてのヤクザ仲間のツテを使い逃げ伸びる術を自信満々にゆきに説明した…二人のいる埠頭の辺りは真っ暗闇で向こう岸の街の夜景だけが輝いていた…『……後悔…してない❓』長い沈黙を破るようにゆきが一雅に話しかけた…『…してねぇよ💦…誰がするもんかっ‼やっとの思いで組抜けてこれからゆきとお腹の子供三人で幸せな生活送るんじゃねぇか💦…後悔なんて…するもんかっ‼』一雅は自分に言い聞かせるように呟いた…『あの警備員の人…血…流してたね💧…苦しそうに…何度もうめき声をあげて…💦』ゆきの頭の中はあの事件当日の犯行の一部始終が甦っていた…『ゆき‼そん事はもう考えねぇ約束だろっ💨』一雅は手にしていた札束の詰められたボストンバックをギュッと握り絞めた…『今お前は元気な赤ちゃんを産む事だけに集中してな‼』一雅のかん高い声が埠頭の闇に響き渡った…
- << 60 素晴らしい!😊 なんで、もっと早く知っておくべきでした!すいません🙏 もっと読みたい! よろしく😊
>> 21
📝いつも『マイ・スイート・ベイビー♣』を読んで下さっている読者の皆様有り難うございます♣ビリケン昭和です💀さて、話の方はいかがでしょう…
♣15♣
『ハァッ💨ハァッ💨💨ハァッ💨だ、大丈夫か💨…ハァッ💨まだ走れるか❓ハァッ💨』『ち、ちょ💨っと💦休みたい💨ハァッ💨ハァッ💨』千葉の幕張埠頭の船着き場の近くでボストンバックを抱えた山本一雅と北村ゆきはドサッと腰を下ろした…『だ、大丈夫❓…ハァッ💨…お腹…💦ハァッ💨』一雅はゆきのお腹を擦った…『ハァッ💨…んっ💦ハァッ💨…大丈夫っ💨…💦このペースなら心配ないわ💦』ゆきは一雅の手に自分の手を重ねた…事件から6日もの間、山本一雅と北村ゆきは首都圏を捜査の目をかいくぐるかのように逃げ回りやっとの思いでこの幕張埠頭に辿り着いた…『ホントに大丈夫なの❓』ゆきが一雅に問いかけた…『あぁ💦…ロシアのハバロフスク行きの貨物船に潜り込めば絶対バレないよっ💦…白石兄貴の情報じゃ途中岩手の港に停泊する予定になってるらしいからそこで降りて…そのまんま秋田の長谷川の兄貴の知り合いの産院までいけりゃ俺達をかくまってくれる‼…バッチリだ💦…任せな💨ゆき‼』一雅はかつてのヤクザ仲間のツテを使い逃げ伸びる術を自信満々にゆきに説明した…二人のいる埠頭の辺りは真っ暗闇で向こう岸の街の夜景だけが輝いていた…『……後悔…してない❓』長い沈黙を破るようにゆきが一雅に話しかけた…『…してねぇよ💦…誰がするもんかっ‼やっとの思いで組抜けてこれからゆきとお腹の子供三人で幸せな生活送るんじゃねぇか💦…後悔なんて…するもんかっ‼』一雅は自分に言い聞かせるように呟いた…『あの警備員の人…血…流してたね💧…苦しそうに…何度もうめき声をあげて…💦』ゆきの頭の中はあの事件当日の犯行の一部始終が甦っていた…『ゆき‼そん事はもう考えねぇ約束だろっ💨』一雅は手にしていた札束の詰められたボストンバックをギュッと握り絞めた…『今お前は元気な赤ちゃんを産む事だけに集中してな‼』一雅のかん高い声が埠頭の闇に響き渡った…
- << 30 ♣16♣✨ ひかり…私の可愛いひかり…何処にいるの❓お願い…返事してっ‼…お母さん貴方が居ないとこの先生きていけないのっ‼…貴方はお母さんの全てなのっ💦…だからお願い…側に来て微笑んで頂戴💦…私の可愛いひ…か…り…✨ 梶原きみかの精神状態は日増しに異常さを増し、病院からの徘徊や自殺未遂も何度か犯す程になってきた…秋川は仕事の合間を見つけてはきみかの見舞いに訪れ、きみかの支離滅裂な空想話を聞いてやっていた…『かなり参っているようですね💧…精神科への転院も視野に入れねば…』きみかの担当医師が密かにそんな処置を試みようとしている様子に秋川はやりきれない思いで一杯だった…(彼女は精神分裂でも異常者でもない💦…ただ愛する我が子を守ってやりたかっただけ…‼)秋川は心の中でそう何度も呟いた…『梶原さん💦…もっと強くなんなきゃ駄目よっ💦…』秋川は最早廃人のような顔つきをしたきみかを励ました…『お…かあ…さん💨…』きみかは最近何度もこの言葉を口にした…秋川は自分の事を呼んでくれているのか、はたまた幼い頃に両親に捨てられた彼女が本当の母親の事を懐かしがっているのかは判らなかったがきみかは確かにお母さん…と発するようになっていた…『梶原さん💦…貴方がしっかり生きていかなきゃお腹の子供に申し訳ないじゃない‼…さぁ💦頑張ってこれからを精一杯生きてみなさい‼』病室のベッドに横たわり認知症患者のようにブツブツ呟いているきみかを秋川は絶対立ち直らせてみせると心に誓っていた…(この子を麻奈美のようには死なせないわ‼…絶対にっ💦…)捜査は難航し事件発生から実に3週間経過した初夏の午後の事だった…
>> 23
♣15♣
『ハァッ💨ハァッ💨💨ハァッ💨だ、大丈夫か💨…ハァッ💨まだ走れるか❓ハァッ💨』『ち、ちょ💨っと💦休みたい💨ハァッ💨ハァッ💨』千葉の…
♣16♣✨
ひかり…私の可愛いひかり…何処にいるの❓お願い…返事してっ‼…お母さん貴方が居ないとこの先生きていけないのっ‼…貴方はお母さんの全てなのっ💦…だからお願い…側に来て微笑んで頂戴💦…私の可愛いひ…か…り…✨
梶原きみかの精神状態は日増しに異常さを増し、病院からの徘徊や自殺未遂も何度か犯す程になってきた…秋川は仕事の合間を見つけてはきみかの見舞いに訪れ、きみかの支離滅裂な空想話を聞いてやっていた…『かなり参っているようですね💧…精神科への転院も視野に入れねば…』きみかの担当医師が密かにそんな処置を試みようとしている様子に秋川はやりきれない思いで一杯だった…(彼女は精神分裂でも異常者でもない💦…ただ愛する我が子を守ってやりたかっただけ…‼)秋川は心の中でそう何度も呟いた…『梶原さん💦…もっと強くなんなきゃ駄目よっ💦…』秋川は最早廃人のような顔つきをしたきみかを励ました…『お…かあ…さん💨…』きみかは最近何度もこの言葉を口にした…秋川は自分の事を呼んでくれているのか、はたまた幼い頃に両親に捨てられた彼女が本当の母親の事を懐かしがっているのかは判らなかったがきみかは確かにお母さん…と発するようになっていた…『梶原さん💦…貴方がしっかり生きていかなきゃお腹の子供に申し訳ないじゃない‼…さぁ💦頑張ってこれからを精一杯生きてみなさい‼』病室のベッドに横たわり認知症患者のようにブツブツ呟いているきみかを秋川は絶対立ち直らせてみせると心に誓っていた…(この子を麻奈美のようには死なせないわ‼…絶対にっ💦…)捜査は難航し事件発生から実に3週間経過した初夏の午後の事だった…
- << 34 ♣17♣ 『秋川‼…あまり私情を挟むと後々厄介な事になるぞ💦』捜査中、昼御飯の時に秋川は一色に釘を刺された…最近梶原きみかの事が心配でたまらない秋川は頻繁に彼女のもとを訪れ、何かと話相手になっていた…『…彼女に娘さんを照らし合わせて心配する気持ちは解るが…あまり深入りしない方がいい…』焼魚定食の鯖の塩焼にレモンを絞りながら一色は淡々と秋川に忠告した…『はい💦…分かってます…それは…💧』キツネうどんの器を持つ手が止まり秋川は遠くを見つめていた…『しかし…💧一ヶ月かぁ…これほどまで捜査が長引くとは予想していなかった💦…チキショ💢…奴ら今頃のうのうと逃げ伸びてると思うと何かホントやりきれねぇな‼』捜査が進展しない今、一色のいつもの愚痴は一層激しい物になってきていた…『警部補…この世の中で自分の命より大切なものがあると思いますか❓』『な、何だよ💦いきなり…』秋川は伸び切ったうどんを箸でつつきながら呟いた…『警部補は今まで命がけで何かを守りたいと思った事ってありますか❓』一色の箸が止まった…『きっと彼女…梶原さんにはお腹の子供が全てだったんです…たまたま好きになった相手が既婚者で…でも諦めきれなくて…悪いと思っていても体と気持ちが自然に動き出して…』『何が言いたいんだ❓』『…本当に大好きな人と添い遂げられずにいても…それでも彼女にはその人と二人で〔生きた証〕が欲しかったんです…その大切な…自分の命を投げ出してでも掴みたかった大切な自分の宝物がスルリと腕から落ちていく恐怖…絶望…困惑…彼女は今そんな悪魔と必死で闘っているんじゃないでしょうか❓』『……フゥ💨…なるほど…な…』一色は箸を置き煙草に火を付けた…『今彼女を見捨てたらきっと…きっと後悔するような気がして…私💦』『秋川…分かった…俺はお前を信じる…』一色はそう呟くと煙草をゆっくりと吸い込んだ…
>> 30
♣16♣✨
ひかり…私の可愛いひかり…何処にいるの❓お願い…返事してっ‼…お母さん貴方が居ないとこの先生きていけないのっ‼…貴方はお母さん…
♣17♣
『秋川‼…あまり私情を挟むと後々厄介な事になるぞ💦』捜査中、昼御飯の時に秋川は一色に釘を刺された…最近梶原きみかの事が心配でたまらない秋川は頻繁に彼女のもとを訪れ、何かと話相手になっていた…『…彼女に娘さんを照らし合わせて心配する気持ちは解るが…あまり深入りしない方がいい…』焼魚定食の鯖の塩焼にレモンを絞りながら一色は淡々と秋川に忠告した…『はい💦…分かってます…それは…💧』キツネうどんの器を持つ手が止まり秋川は遠くを見つめていた…『しかし…💧一ヶ月かぁ…これほどまで捜査が長引くとは予想していなかった💦…チキショ💢…奴ら今頃のうのうと逃げ伸びてると思うと何かホントやりきれねぇな‼』捜査が進展しない今、一色のいつもの愚痴は一層激しい物になってきていた…『警部補…この世の中で自分の命より大切なものがあると思いますか❓』『な、何だよ💦いきなり…』秋川は伸び切ったうどんを箸でつつきながら呟いた…『警部補は今まで命がけで何かを守りたいと思った事ってありますか❓』一色の箸が止まった…『きっと彼女…梶原さんにはお腹の子供が全てだったんです…たまたま好きになった相手が既婚者で…でも諦めきれなくて…悪いと思っていても体と気持ちが自然に動き出して…』『何が言いたいんだ❓』『…本当に大好きな人と添い遂げられずにいても…それでも彼女にはその人と二人で〔生きた証〕が欲しかったんです…その大切な…自分の命を投げ出してでも掴みたかった大切な自分の宝物がスルリと腕から落ちていく恐怖…絶望…困惑…彼女は今そんな悪魔と必死で闘っているんじゃないでしょうか❓』『……フゥ💨…なるほど…な…』一色は箸を置き煙草に火を付けた…『今彼女を見捨てたらきっと…きっと後悔するような気がして…私💦』『秋川…分かった…俺はお前を信じる…』一色はそう呟くと煙草をゆっくりと吸い込んだ…
- << 36 ♣18♣ ✨ひかり…私の愛しいひかり…貴方はもう居ないんだね…貴方はもう元気に産声を上げて産まれてくることはないんだよね…ゴメンね…母さん…貴方を守ってあげられなくて…母さんがいけないんだよね💦…母さんがもっとしっかりしていれば…貴方を死なせずに済んだんだものね…悲しいよぉ…辛いよぉ…貴方の居ない人生をこれから送らなきゃならないなんて…こんなの…〔生き地獄〕だよぉ~…涙なんてもうとっくの昔に枯れてしまってもう母さんの体には1%の水分も残ってないみたい…悲しいよぉ…悲しいよぉひかり…母さんこれからどうすれば救われるかな❓…この先何をしたら貴方に許して貰えるかな❓…教えてひかり…母さんは貴方がして欲しいって思う事何でもするつもりだよっ💦…どうせ一度死んだ命だもん…何だって出来るわ…貴方の為なら何だってしてみせる…言ってひかり‼…貴方は母さんにどんな事してほしいの❓…✨ 『一色警部補💦岩手の石巻市内で二人を見かけたという県警からの目撃情報が入りました‼』捜査本部が色めき立ったのは事件から丁度35日目の午後だった…地元の岩手県警から報告が入り、山本、北村両容疑者は東北近辺に潜伏しているものと断定し、神奈川県警捜査本部はさらに捜査の網の目を広げていった…『よし、まずは片っ端から東北全域の産婦人科病医院に聞き込みだ‼最近それらしき人物が受診したかどうかをくまなく調べてくれ💦…小さな個人経営の助産院も見落とすんじゃないぞ‼』指揮を取る捜査本部長が声を上擦らせながら興奮気味に話す…『いよいよ…だな💦…』『頑張りましょ‼一色警部補💨』秋川は一色と所轄の捜査に当たっている刑事達とともに岩手に飛んだ…これからまた長い遠征になるかも知れない…秋川はきみかの事が気がかりだったが本部の指示で職務に就いた…
>> 34
♣17♣
『秋川‼…あまり私情を挟むと後々厄介な事になるぞ💦』捜査中、昼御飯の時に秋川は一色に釘を刺された…最近梶原きみかの事が心配でたま…
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✨ひかり…私の愛しいひかり…貴方はもう居ないんだね…貴方はもう元気に産声を上げて産まれてくることはないんだよね…ゴメンね…母さん…貴方を守ってあげられなくて…母さんがいけないんだよね💦…母さんがもっとしっかりしていれば…貴方を死なせずに済んだんだものね…悲しいよぉ…辛いよぉ…貴方の居ない人生をこれから送らなきゃならないなんて…こんなの…〔生き地獄〕だよぉ~…涙なんてもうとっくの昔に枯れてしまってもう母さんの体には1%の水分も残ってないみたい…悲しいよぉ…悲しいよぉひかり…母さんこれからどうすれば救われるかな❓…この先何をしたら貴方に許して貰えるかな❓…教えてひかり…母さんは貴方がして欲しいって思う事何でもするつもりだよっ💦…どうせ一度死んだ命だもん…何だって出来るわ…貴方の為なら何だってしてみせる…言ってひかり‼…貴方は母さんにどんな事してほしいの❓…✨
『一色警部補💦岩手の石巻市内で二人を見かけたという県警からの目撃情報が入りました‼』捜査本部が色めき立ったのは事件から丁度35日目の午後だった…地元の岩手県警から報告が入り、山本、北村両容疑者は東北近辺に潜伏しているものと断定し、神奈川県警捜査本部はさらに捜査の網の目を広げていった…『よし、まずは片っ端から東北全域の産婦人科病医院に聞き込みだ‼最近それらしき人物が受診したかどうかをくまなく調べてくれ💦…小さな個人経営の助産院も見落とすんじゃないぞ‼』指揮を取る捜査本部長が声を上擦らせながら興奮気味に話す…『いよいよ…だな💦…』『頑張りましょ‼一色警部補💨』秋川は一色と所轄の捜査に当たっている刑事達とともに岩手に飛んだ…これからまた長い遠征になるかも知れない…秋川はきみかの事が気がかりだったが本部の指示で職務に就いた…
- << 41 ♣19♣ 『東北各県全ての産婦人科病院、助産院当たりましたが山本一雅、北村ゆきらしき人物を見たと言う者は見当たりません💦』捜査協力に当たってくれていた地元の各県所轄警察署の幹部から連絡が入り、岩手県警に臨時の捜査本部を敷いていた神奈川県警厚木署一同は歯がゆさを隠しきれなかった…『クソッ💨…何故だっ💦…何故見つからないんだっ‼』一色の苛立ちはさらに激しさを増す…捜査に当たる職員達にも疲れの色が見え始めた…『きっと民家のような場所に潜伏し、ほとぼりが冷めるまで息を潜めている覚悟でしょうね💦』捜査員の若い刑事が秋川に耳打ちする…『だけど…💨…容疑者の女性は妊娠してるのよ‼…いくら警察の目が厳しいからって…あんな若い子が民家の片隅でひっそり出産するなんてあり得ないわ💧…』『まあこんな田舎ですから…腕に覚えのある助産経験豊富な年配の産婆さんなんかに手伝って貰えはイッパツですけどね…💦』秋川は若い刑事の言葉を半分くらい聞き流しながら捜査の報告書に目を通していた…PiPi…突然秋川の携帯電話が鳴り秋川はびくついた様子で電話を取った…『はい、もしもし❓…秋川の携帯ですが……あの💦…もしもし❓』『……刑事…さん❓』『え💧…あ💡…か、梶原さん❓…梶原さんなのね💦❓』秋川の携帯にかけてきたのはきみかだった…『どうしたの❓…何かあった❓』秋川は体の疲れからくる声のかすれを出来るだけきみかに悟られぬよう元気に話しかけた…『……刑事さん…💦…会いたいな…』初めて秋川が耳にするきみかの優しい声だった…『…有り難うね…もうすぐ帰るから…帰ったらすぐに会いにいくから…それまで待てる❓』『ゴメンなさい…わがまま言って…私…💦…何か…刑事さん…私の為に頑張って犯人捜してくれてんだもんね…』『うん…そうだよね💧…不安だよね…梶原さん…大丈夫❓』『刑事さん…私ね…あ』PuPuPu…『もしもし❓…梶原さん❓…もしもし💦』携帯の会話がそこで途切れた…
>> 36
♣18♣
✨ひかり…私の愛しいひかり…貴方はもう居ないんだね…貴方はもう元気に産声を上げて産まれてくることはないんだよね…ゴメンね…母さ…
♣19♣
『東北各県全ての産婦人科病院、助産院当たりましたが山本一雅、北村ゆきらしき人物を見たと言う者は見当たりません💦』捜査協力に当たってくれていた地元の各県所轄警察署の幹部から連絡が入り、岩手県警に臨時の捜査本部を敷いていた神奈川県警厚木署一同は歯がゆさを隠しきれなかった…『クソッ💨…何故だっ💦…何故見つからないんだっ‼』一色の苛立ちはさらに激しさを増す…捜査に当たる職員達にも疲れの色が見え始めた…『きっと民家のような場所に潜伏し、ほとぼりが冷めるまで息を潜めている覚悟でしょうね💦』捜査員の若い刑事が秋川に耳打ちする…『だけど…💨…容疑者の女性は妊娠してるのよ‼…いくら警察の目が厳しいからって…あんな若い子が民家の片隅でひっそり出産するなんてあり得ないわ💧…』『まあこんな田舎ですから…腕に覚えのある助産経験豊富な年配の産婆さんなんかに手伝って貰えはイッパツですけどね…💦』秋川は若い刑事の言葉を半分くらい聞き流しながら捜査の報告書に目を通していた…PiPi…突然秋川の携帯電話が鳴り秋川はびくついた様子で電話を取った…『はい、もしもし❓…秋川の携帯ですが……あの💦…もしもし❓』『……刑事…さん❓』『え💧…あ💡…か、梶原さん❓…梶原さんなのね💦❓』秋川の携帯にかけてきたのはきみかだった…『どうしたの❓…何かあった❓』秋川は体の疲れからくる声のかすれを出来るだけきみかに悟られぬよう元気に話しかけた…『……刑事さん…💦…会いたいな…』初めて秋川が耳にするきみかの優しい声だった…『…有り難うね…もうすぐ帰るから…帰ったらすぐに会いにいくから…それまで待てる❓』『ゴメンなさい…わがまま言って…私…💦…何か…刑事さん…私の為に頑張って犯人捜してくれてんだもんね…』『うん…そうだよね💧…不安だよね…梶原さん…大丈夫❓』『刑事さん…私ね…あ』PuPuPu…『もしもし❓…梶原さん❓…もしもし💦』携帯の会話がそこで途切れた…
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♣20♣
✨ひかり…私の可愛いひかり…母さんね…いい事思いついたんだ💦…貴方の無念を晴らす最高の復讐をね‼…そうよ💧…私達だけこんな辛い思いして…私達をこんな不幸な目に遭わせた奴らだけのうのうと生かせるもんですか‼…え❓ひかり…何だって…❓…フフフ…そんな簡単に殺しはしないわよ💨…そんなの全然復讐にならないじゃない💢…母さんはね💦…ひかりが味わった何十倍何百倍もの苦痛をあいつらに味あわせるつもりだよ‼…許さない…あいつらだけは絶対に許すもんかっ💢✨
『え💧…梶原きみかの様子を見に行きたいだって💦❓』『はい…何か嫌な胸騒ぎがして…💧』秋川は一色に特別に神奈川まで帰る許可が欲しいと頼んだ…『彼女に何かあったのか❓』一色は秋川の目を見ずに厚木署から送られてきたファックスだけに目を通して静かに答えた…『…解りません…ですが…💦』『刑事の…いや、〔女の勘〕…そう言いたいんだろ❓』一色は初めて秋川の顔を見上げかすかに微笑んだ…『こんな大事な時に君が抜けるのは困るが…フッ💨…いいぞ💦…好きにしろ‼…上には俺が上手く言っといてやるから💧』一色は煙草に火をつけ秋川の肩をポン💨と叩くと地元岩手県警の刑事達とまた聞き込みに向かった…『…有り難うございます💦』一色の後ろ姿に一例し、一色に聞こえるように秋川はお礼の言葉を述べた…秋川はすぐにハンドバックを肩にかけると岩手県警のパトカーの好意で新幹線盛岡駅まで送ってもらった…(お願いっ‼…梶原さん…帰るまで…お願いだから…)秋川は祈るような気持ちで東北新幹線東京行きに飛び乗った…新幹線の中でもずっと秋川の心の中の奇妙な胸騒ぎだけは止まる事はなかった…
>> 42
♣21♣
『梶原さん💦…梶原さん❓いるんでしょ❓…ここを開けなさい‼』看護師長が閉めきられた病室の扉の前に立ち、しきりに扉を叩き続けていた…『中から何かつっかえ棒をしているようね💦…梶原さんっ‼此処を開けなさいっ💦』何人もの看護師が扉をこじ開けようとするが扉はビクともしなかった…『いつからこんななのっ‼…』看護師長は梶原の病室担当の見習い看護師に荒い口調で問い詰めた‼『あ💦…は、はい…朝薬を出した時は普通で…💦…で、さっき点滴をしようとこの病室に来たら…その💦…閉まってて💦』若い見習い看護師は申し訳なさそうに看護師長の顔を見上げた…周りの看護師達のあ~ぁ💨という冷ややかな目線に耐えながらその看護師はただうつ向くだけだった…『どうします❓…師長…』比較的年輩の小太りの看護師が腕を組んで看護師長に話しかけた…『取り敢えず中の患者さんの状況を掴まない事には…梶原さぁ~ん💦…返事しなさい‼…梶原さぁ~ん💦』『とにかくバールみたいなの私持ってきます💦』機転を効かせた細身の看護師は倉庫に走った…『開けなさい‼…早くっ💢』ギギギィ~…その時金属の軋む嫌な音が響きかみかの病室の扉が開いた…‼『梶原さん…💧扉を閉めて何をしていたの❓』看護師長は全身アザだらけになったきみかの挑戦的な顔付きに一瞬たじろいだがすぐさまきみかの腕を取り『どうしたのっ💢…何があったのか言いなさいっ‼‼』と激しく体を揺さぶった…『……なんでもない…なんでもないわ…ただ…儀式をしていただけ…』『ぎ、儀式…💧』看護師達は全員互いに顔を合わせてきみかを好奇な目で見つめた…『そっ…大切な大切な…儀式…』きみかのその異様な顔付きに看護師長はじめ周りいた人々はみな背筋に悪寒が走るのを覚えた…💧
>> 43
♣22♣
✨ねぇひかり…うまくいくかしら…母さんあんまり自信ないけど…頑張ってみるわ‼…一刻も早く天国の貴方のもとに駆け付けてあげたいけれど…もう少し辛抱してね…そうよね💨…きっとうまく行くに決まってるわ…だって…私は貴方のお母さんだもん💦…こう見えて結構強いのヨ…ウフフフ💕…✨
『フン💢…お前さん達かい💦…結構ハデな事になってるでなっ💦』山本一雅と北村ゆきは青森弘前市の郊外の山家にいた…出てきたのは70歳をゆうに越えた白髪の老人の男だった…『埼玉協和会の長谷川の兄貴の紹介で来たんだけど…』一雅は元暴力団組員の知り合いに聞いていた住所を訪ねた『金はあんだろな💨』『あぁ…約束通り250万円…払う…ここでホントに子供…💧産めるのか❓』一雅はどう見ても田舎の農村にある住居にしか見えないその場所を疑った…『バカ野郎かっ💢頭使えっ‼産院だって看板上げてりゃすぐ捕まるじゃねぇか💢…チッ💨へぇんなっ‼』明らかに無愛想で人当たりの悪そうないけ好かない老人だったが一雅とゆきは他に頼る者もないと諦めその老人の山家に入って行った…『すぐ診察始めっから💦…下着脱いで脚ば広げなっ‼』『え💧…こ、ここで❓』そこは布団が一枚敷かれているだけで後は何もない畳敷きの薄暗い部屋のだった…『ホラぁ💦…さっさとしねぇべがっ‼』老人はゆきの手を引き強引に布団に寝かせると診察を始めた…『おいオッサン…💧ホントに頼りになるんだろなっ💢』一雅は不安になり問い詰めた…『わじだっておめぇら犯罪犯した奴らの手助けなんかしだぁないがっ💢…金だ金だっ‼…金ば力でただやっとるだけでぃ💦』老人はそういうとまたゆきの脚を強引に広げ診察を続けた…『んなぁ~…もう7ヶ月目に入っとるでなぁ…‼』ゆきと一雅は不思議そうに顔を見合わせた…『んじゃぁ💦…自分ん子供が何ヶ月かもわからんがっだんげ💢…んったぐ💨…最近のわげぇやづらは…💢💢』そう文句を言うと老人は二人の寝る部屋に案内した…『子供さ産まれんまでこごさいろっ‼出歩くんじゃねぇぞ💢…捕まりたくなぎゃぁなっ💦』
>> 44
♣23♣
『…💧つまり…この家で…赤ちゃん産めって事だよね…💨』山鳥や亥の剥製が飾られた都会の若者にはどう考えても落ち着かない六畳間でゆきはアグラをかいて考え事をしている一雅に言葉をかけた…『仕方ねぇよ…きっと捜査の段階でゆきが妊娠してるって事分かってるだろうし…だから普通の常識的な産婦人科ではすぐ俺達の身元が知られちまうからなっ💦…我慢してくれよっ💧ゆき…産まれるまでの辛抱だから…な❓💕』『分かってる…一雅の事信じてるから…私絶対元気な赤ちゃん産んでみせるから…💦』一雅はゆきの手を握った…『…なぁ俺達今まで散々苦労してきたじゃん❓…だから今度は俺達が幸せになる順番だ💦…だからたとえ人様の幸せふんだくってでも俺達が幸せになる権利があんだよっ💨この先きっと逃げきって俺とお前と赤ちゃん三人で静かに暮らすんだ…最高に素敵じゃんかっ‼な❓ゆき‼』一雅は興奮気味にゆきに話した…ゆきは一雅の話にウンウンと頷き頑張ろうねと手を握り返した…『幸せになってやる💢…どんな事したって…ゆきとお腹の赤ちゃんはこの俺が絶対守ってやる💦』一雅はゆきにキスをした…『元気な子供が産まれるといいな💕』ゆきはお腹をゆっくり撫でた…『俺…女の子がいい‼』一雅は笑顔でゆきの手の甲に自分の手を重ねた…『もう名前…考えてあるんだぜ💦…』『えっ💦ウソ💧…ナニナニ❓…教えてっ💦』ゆきは正座の膝をピョンピョンと上下に揺すり教えて~と甘えた…『ダァ~メ💦…まだヒ💕ミ💕ツ‼』『んもっ💢💨一雅のケチッ💢💢知らないっ💨』こんな風にふざけあって張り詰めていた神経を解放するのは二人にとって実にあの強盗事件以来だった…
>> 45
♣24♣
『逃げ出した❓…い、一体それはどういう事ですかっ💦』秋川はきみかの担当医師からきみかが病室を抜け出し現在行方が解らない状態であると告げられた…『最近梶原さんの様子が変だったんでこちらとしてもその方面に詳しい専門医師に相談をし、病院を転院させる手配をしていた矢先の事態で💦』『その方面って…まさか精神科専門病院って事ですか❓』秋川はその担当医師に神妙に尋ねると医師はコクリと一度首を下げた…『…‼何度も言ったじゃないですかっ💢…彼女は精神分裂なんかじゃありませんっ💦…ただ彼女は…💦』『こちらといたしましても最善の処置を施したつもりです…しかしこうなってしまった以上もうウチの病院には…💦』『何故もっと早くに警察に知らせてくれなかったのっ💢‼』秋川はその医師を睨みつけ『いつ💦…❓居なくなったのはいつ‼』と思わず医師の胸ぐらをグイッと掴んでいた…『とにかく早く見つけないと…取り返しのつかない事になるわ‼』秋川は厚木署に連絡を取り梶原きみかの捜索を許可してもらい電話を切った…(どこ…❓梶原さん…貴方は一体何処にいるの‼…お願い…お願いだからバカな事は考えないで💦…私に貴方と話す時間をちょうだい💦…お願い…お願いだから‼)秋川は車に乗ると取り敢えず梶原きみかの住んでいた住所に車を走らせた…(お願い💦…どうか…生きていて‼)秋川のハンドルを握る手が自然と荒くなる…『チッ💦…どきなさいっ‼』ノロノロと前を走る軽トラックにクラクションを鳴らし覆面のサイレンを屋根に付けると秋川はサイレンを鳴らしながらさらに車の速度を早めた‼…(職務乱用なのは百も承知よっ💢…だけど今は人間一人の命がかかってるの💦)信号機の赤のサインも無視し秋川は車の速度を緩める事もなく一目散にきみかの住んでいた住所に急行した…
>> 46
♣25♣
梶原さん…私には分かるの💦…貴方の気持ちが痛い程…かけがえのないとっても大切な物を失ってしまった悲しみ…守ってやれなかった自分への責任…私だって同じなの‼…麻奈美にもっと目を向けてやっていたら…麻奈美の気持ちに少しでも近づいてやっていたら…あの子は死なずに済んだかもしれない…💧だから梶原さん、私はこれからの人生あの子の為に精一杯生きなきゃ駄目だって…麻奈美の分まで頑張って生きなきゃって…誓ったの💦…美しく後を追うより、惨めでもバカでも世間からさげすまれても…あの子の為に、自分の為に愚かな母親で生き恥晒して生きて行くしかないんだって…‼だから貴方も…ドンドンドン💨『梶原さんっ💦梶原さん💦いるの❓返事してっ‼』きみかのアパートの部屋の扉を激しく叩き秋川は叫び続けた…『…あの…梶原さんはいませんよ…💧』隣の部屋の住人がニョキリと扉から顔を出した…『一度帰った形跡はありますかっ‼…物音はしませんでしたかっ💨‼』秋川はその住人の胸ぐらをも掴む勢いできみかの行方を問い正した…『えっ💦…えぇ…そういやぁ昨晩帰ってきててまた出掛けたみたいですよっ💨』『どこっ💢‼…どこに行ったか分かりますかっ❓…何か言ってませんでしたか💢❓』『ち、ちょっと💧…そんなに興奮しないでよっ💨…私だってそんなに親しくないし…💨…何処に行ったかなんて💧ただ…』『ただっ❓💦』秋川はさらに隣人に顔を近づけた‼『ただ…謝りに行くって…』『謝りに❓💦』『出掛ける間際この廊下で携帯で誰かと話しているのは知ってるわ…その時に…』『謝りに行く…そう言ったんですね💦‼‼』秋川は隣人に礼を言うとアパートの階段を駆け降り車に飛び乗った‼…(謝りに行く…謝りに💦…誰に❓…落ち着いて昌子…💧…落ち着いて考えて…謝る…謝る…誰に…ハッ‼💡)その時秋川の脳裏にはっきりときみかの行き先が現れた‼(そうだ💦…そこしかないっ💢)秋川はアクセルを強く踏み車を急発進させた💦…(待っててね…梶原さん…‼)
>> 47
♣26♣
『すみません💦こちらに逆瀬川徹さんという男性は勤務していらっしゃるでしょうか❓』秋川は警察手帳を受付嬢に提示し、ロビーに呼び出してくれるように頼んだ…暫く待つと背の高い30代後半の爽やかそうな男が秋川の目の前に駆け寄ってきた…『逆…瀬川…徹さん❓…ですか❓』『は、はい…そうです…逆瀬川ですが💧』逆瀬川徹は秋川の顔を見ながら狐に摘まれたような奇妙な顔付きになった…『大変個人的な込み入った話で恐縮なんですが…💧』『はぁ…💧』秋川は一度目線を下に向け覚悟を決めたようにキリッと逆瀬川の方を見て言葉を発した…『梶原…きみかさん…ご存知ですよね❓』その名前を聞いた途端逆瀬川の顔色がにわかに変わったが逆瀬川はすぐに冷静さを装うように気丈にも秋川を見つめ返して『はい…知っています…あ…』秋川は間髪を入れず言葉に言葉を重ねた…『彼女のお腹にに貴方の子供さんがいた事もご存知ですよね‼』『……彼女に何かあったんですか❓』逆瀬川は刑事の秋川には嘘はつけまいと腹をくくった様子で意外にも聞いた質問に冷静に答えているようだった…『彼女…最近貴方に会いに来ていませんか❓…正直に答えて💦』『…はい…別れてからは一度も会っていませんが💧…彼女が何かは、犯罪でも…💦』逆瀬川の顔が青ざめた…『いえ…その逆です‼…ある犯罪の被害者です…』秋川は逆瀬川の目を穴が空くほど見つめ続けている…『二人の大変個人的な事に踏み込んで申し訳ないと思ってます💦…だけど梶原さんは…梶原さんは…💦このまま放っておくと大変な事になるんですっ‼💢』秋川は半ば冷静さを失いかけていた…刑事としてあるまじき行為だとは分かってはいる…しかし梶原きみかが本当に『死』を覚悟しているかも知れないと思うととにかく何かしなくては‼と焦ってしまう…『貴方に会いに来る事があったらすぐにここに連絡して💦約束して下さい‼すぐにですよっ💢そして引き留めておいて💦お願いだから…分かった‼💢❓』秋川は自分の携帯番号の入った名刺を逆瀬川に手渡した…
>> 48
♣27♣
🔥いい…警察なんかに捕まらないでよねっ💢…私の復讐が完了するまでお前達は絶対捕まってもらっては困るんだから…ひかりと約束したの…貴方の無念を何百倍にして返すってね‼…私の計画がうまく行くようにお前達は逃げて逃げて逃げ延びなさい💢🔥…そうする事が私の復讐…ひかりの復讐…🔥🔥フフフ💢…
『随分勝手に立ち回ってくれたな💨この二ヶ月間…』一色は右の眉を上げはにかむような仕草で煙草に火をつけ秋川の疲れ果てた顔を見た…『警部補があちらこちらで私の尻拭いをして下さっていたのは解ってました💦…本当にすみません‼』秋川は深々と一色にこれまで単独捜査を許可してくれた相棒の一色秀隆に頭を下げた…『バカ💨やめてくれよっ💦…俺達もう長いコンビじゃないか…腐れ縁ってヤツさ‼…けどまぁもし俺が何の発言権もない若い新人刑事だったらこうはいかなかっただろけどなっ💨ハハハ』一色は厚木警察捜査二課警部補佐としての肩書きがかえって効を奏したんだぞと冗談半分に恩に着せた…『有り難うございます…感謝しています💦』秋川はそれでも笑顔一つ見せる事はない…『で、まだ見つかって居ないのか…梶原きみかは…』一色は急に神妙な顔付きになり湯飲みのお茶をグイッと一気に飲み干した…『はい…一応考えられる場所、人間関係全て当たりましたが…💦』『うむ💧…ウチの所轄にはまだ死亡した等の報告は入っていないみたいだから…秋川…彼女が自殺なんて思い過ごしだったんじゃないのか❓…余りにも神経質に成りすぎてたんじゃ💦…今頃何処かの街で案外小さな幸せに巡り会ってるかも知れないんだし…気の揉みすぎだったんじゃ…💧』『…そうだったらいいんですがね…💨』秋川の鼻から頼りない息が漏れる…『山本、北村両容疑者の身元も未だ確保出来ぬまま捜査権利は岩手県警に移った…か💦クソッ💢悔しいな💢…』一色はうつ向き爪をかみながら『明日から通常の捜査業務に戻る…梶原きみかの事はひとまず忘れろ‼いいな❓』と秋川に念を押した
>> 49
♣28♣
✨私…お母さんなら必ず解ってくれるって信じていたんだよっ‼…苦労するなんて私だって解ってるわ💢…でも彼も彼の可愛い子供達もみんな好きになっちゃったんだもん💦…どうしようもないじゃない…バツイチだからって、子持ちだからって…彼とおんなじ道を歩んで来たお母さんが反対出来る立場なのっ💢…もういいよ…💧小言はもうたくさん…💦お母さんに反対されるくらいなら…私…💦私…💦✨
『麻奈美ィィィィィィィィィィィィ‼‼‼💦』汗だくになりながらベッドから飛び起きた秋川は思わず悲鳴を上げた‼…『また夢❓…ハアッ💨ハアッ💨💦』台所の水道の蛇口を捻りコップに水を入れると溢れる水を秋川はそのまま渇ききった喉に流し込んだ…娘の夢を見た日に限って秋川の周りには良くない事が起こる…💧半年前は署管轄内で連続放火事件が発生…三ヶ月前は捜索中の主婦が惨殺死体となって発見された…そうしてこの間の夢の時には…‼そう…例の銀行強盗事件だ…まるで亡き娘が犯罪者や事件の全容を知らせてくれているかのように秋川のその奇妙な夢はいつも何らかの警鐘を鳴らすのだ…『麻奈美…💦…まさか…今日は何も起こらないわよね💧』秋川は祈るような気持ちで麻奈美の仏壇に手を合わせた…満面の笑みで笑いかける麻奈美の遺影を前に秋川は何か解らない胸騒ぎがしてならなかった…早朝署に向かった秋川に一色から連絡が入った…【沢田町二丁目の路地で女の焼死体が発見された💦すぐ急行してくれ‼】一色は事務的に淡々とそれだけ話すと無線を切った…(焼死…体…💧…お、女…💦)秋川の背筋に冷ややかな汗が一滴流れ落ちた…(……)体から垂れ落ちそうなくらい激しく心臓が波打ち、脈を記す…秋川の脳裏に(違う‼違う‼)と何かを全て否定する力が湧き出す…(麻奈美…お願い💦…守って‼…今にも潰れて無くなりそうなこの最低で能無しお母さんをどうか守ってやって…‼‼)震える手で車のハンドルを持ちながら秋川は捜査員ら数人と共に焼死体現場に急行した…
- << 51 ♣29♣ 沢田町二丁目の狭い路地の現場は異様な雰囲気に包まれていた…『死亡推定時刻は昨晩23時~午前3時頃って所でしょうか…💧』ベテランの鑑識官が一色秀隆と話していた…秋川は足取りを臆病に進めながら一色の側に駆け寄った…『……警部補…💧…』秋川の到着に気が付いた一色は上目使いに秋川を見た…『…あ💨…それで…ガイシャの身元は…その…💦』いつも冷静な秋川が着任した新人刑事の初事件のように初めて焦っているのが一色は肌で感じられた…一色は一つ呼吸を置いてその場にしゃがみこみ焼け焦げた衣服の破片を手袋の手で軽く持つと秋川の方を見て言葉を発した…『49歳スナック経営のホステスだ…💨』『……‼…そ、💨…そうですか💦フゥ💨』目の前に哀れな死体が転がっているにもかかわらず不謹慎であるとは感じながらも秋川は心から安堵の表情を浮かべた…‼とにかくこの被害者には悪いが梶原きみかではなかった事に秋川は心からほっとした…『…だいたい捜査は終わった💦…どうやら金絡みの殺人らしい…容疑者もさっき逮捕されたようだ💨…後は鑑識に任せよう…』一色は秋川に少し笑いかけよかったな‼といった表情を見せるとまた鑑識官と話し出した…秋川は車に戻ると無線で状況を報告し、シートに腰を降ろすとフゥ💨と深々とため息をついた…(梶原きみかさん…貴方はもう…いや、きっとそうよね💦…きっと貴方は新しい人生を始めているのよね💨…)秋川は自分に言い聞かせるようにそう呟くと車の窓から見える朝の通勤ラッシュの駅の歩道橋のサラリーマンを眺めていた…PiPiPi…秋川が車を発進させようとした瞬間、捜査二課から無線が鳴った‼『はい…捜査二課巡査部長秋川です💦』【各車輌に緊急連絡緊急連絡‼…たった今長坂南区の高層マンションの管理人から若い女性が屋上より飛び降りたとの連絡入りました‼…至急現場に向かって下さいどうぞ💦】秋川の目の前が真っ白になった‼…
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