短編小説第2話:神

レス0 HIT数 216 あ+ あ-


2022/10/28 16:40(更新日時)

僕には気になっている人がいます
和:えー!まじか!
友人A:まじまじ!
友人B:ヤバいよねー!
和:あ!そだ!辻ー!
辻:え…なに…
和:消しゴム貸してよ!忘れてきたんだ!
辻:えー…いいけど…
和:あんがとー!
好きなんて言えない
授業中も休み時間もずっと考えるより先に目が姿を追っている

先生:席ついてー!
先生:じゃあ27ページの⑦を葭堵和!
和:はい!次数は3係数は6です!
先生:正解!
いつも真っ先に手を挙げていてこの前のテストもトップだった
先生:ではこれにて授業は終了!
友人A:やっぱ和はすごいねー
友人B:今度勉強教えてよー
友人C:あ!Bちゃんずるーい!
友人A:そうよ!抜け駆けはいけないわ
和:分かった分かった…みんな教えてあげよう♪
友人A:え!!いいの!?
友人C:やったー!
友人B:ちぇー…
いつも人の輪の中にいる彼女は僕の憧れだ
たまに目があうと必ず何かを催促される
それがたまらなく愛おしい
遠ざかっていく声を聞いてとても切なくなる

友人B:そういえば和ちゃん辻と仲いいよねーなんでー
辻:(ん?)
和:それはねーヒ・ミ・ツ!
友人C:えー!なにようヒ・ミ・ツってー!
和:あははー♡www
彼女にとって僕はどんな存在なんだろうか
ちゃんとこっちを見てほしいのに声をかけることすら出来ない…情けないなぁ僕は…

友人A:ねぇねぇ和ちゃん
和:なにー?
友人A:努くんと付き合ってるってホ・ン・ト?
和:えーナニソレーウケるーデマだよデマデマ!
いつか二人で電車にでも乗ってどこかに行って思い出を作る
叶わないけどそんな夢を見てしまうんだ…
僕は彼女に恋をした
僕じゃダメなような気もした
何百回でも好きと言えるくらいずっと一緒にいたいって思っているけど
別の人を見る彼女を見て顔を背けてしまう自分が嫌だ
嫌われてしまうかな
自分が情けなくて鼻の奥がじんわり痛い

和:辻ー!消しゴムありがと…って大丈夫?体調悪そうだよ
辻:あー…うん大丈夫…
和:そう…それならいいけど…
友人C:和ちゃん早く帰ろー!
和:あ…うーん!バイバイ辻
夜になると彼女のことばかり考えていて叶わないと決めつけている自分が嫌だ
自分が情けなくて口の中で塩辛い味がしていた
彼女に恋したせいで胸が痛むんだ
もっと見たい聞きたい触れたい知りたい
もう爆発寸前のこの思いをゆっくり抱えてまた一日を始める
誰といてもどこにいても彼女のことばかり考えてしまう
勇気を持って声をかけて彼女と一緒に思い出を作りたい
こんな夢早く忘れたい忘れたくない消したい消えてほしくない
そんな思いを全部抱えてまた一日を始める

僕は彼女に恋をした
僕じゃダメなような気もした
何百回でも好きと言えるくらいずっと一緒にいたいって思っているけど
別の人を見る彼女を見て顔を背けてしまう自分が嫌だ
嫌われてしまうかな
自分が情けなくて雨粒のような涙を落とす

さぁまた一日を始めようか

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