★番号の付いた玄関★
今日本に行方不明者、身元不明者が何人いるか?
ご存知ですか?
さぁゲームの ★始まり★です。
あなたは生きて帰れますか?
…ナルシストのゲームに…
14/11/15 18:51 追記
……★番号の付いた玄関★……
感想は
………★ナルシストの部屋★………
読んで頂きありがとうございます。( ^_^)
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毎年行方不明者、身元不明者が、10万人が確認されていない事ご存知ですか?
………★ゲーム内容★………
1番から7番までの玄関をご用意致しました。
全国から消えても不思議ではない人を、選ばさせて頂きます。
番号の決め方は●あみだくじ●にさせて貰います。
全国から7人の玄関に入って頂き、幸せを掴めるか?
不幸になるか?
玄関次第です。
拒否権はありません。
裁判員制度と同じです。
特典は。
今の現実の玄関に番号が付いているだけ
今のあなたからの脱出をお手伝いするだけ。 その抜け出したいあなたへのクリスマスプレゼントになるかも?
知れません、もしかして行方不明者の数に入るかも知れません。
当たりの玄関は何番ですか?
さぁ冴えないあなた達にチャンスです。
これはゲームなんですよ!
では楽しんで下さい。
集まった7人全員が、ふざけるな!馬鹿にしやがって!と騒いでいる。
このままの人生で良いのですか?
一気に静まった。
勘違いしないで下さい、あなた達にチャンスを与えるのです。
変わりたくないですか?
あなたの人生
さぁ全国から、消えても可笑しくない7人を選び、集まって貰いました。
幸せなんですよ!選ばれし、人間なんです。
人生一度でも明るく生きて行きたいと思いませんか?
まず。
北海道代表 ひねくれ者山下悟 57歳 男性
情報によると、かなり村人から嫌われている存在ですね?
山下悟
「それがどうした!文句あるか!」
エントリー②
関東地区代表
大塚聖夜 25歳 フリーター 彼女は勿論なし。
情報によると、親の悩みのタネ、家庭内暴力。
大塚聖夜
「うぜーだよ」
エントリー③
神奈川地区代表
矢野智子 不登校歴7年 母子家庭、性行為歴2年。
情報は、お母様が病んでいる。
エントリー④
関西地区代表
池田真矢 32歳 フリーターで自殺願望者
エントリー⑤
四国代表
三宅泰裕 41歳 離婚歴あり、生活保護者
エントリー⑥
九州代表
飯田守 38歳 不倫歴5年、妻は殺意あり。
エントリー⑦
沖縄代表
知念沙耶 25歳 ギャンブルで借金王
この人達のエントリーの紹介でした。
残念に漏れた方の人生は変えれない。
では全国から選抜に勝ち抜いた、人生ゲームの皆さんに登場して頂きましょう!
北海道代表 山下悟 57歳
関東地区代表 大塚聖夜 27歳
神奈川地区代表 矢野智子 16歳
関東地区代表 池田真矢 32歳
四国地区代表 三宅泰裕 41歳
九州地区代表 飯田守 38歳
沖縄地区代表 知念沙耶 25歳
以上のメンバーで●あみだくじ●開始致します。
さて何番の番号が誰の玄関の数字になるのか?
途中のアウトの方は自動的に身元不明にカウントさせて頂きます。
では●あみだくじ●
★開始★
7人は迷いながら、そして、自分がこの位置を取りたいと、揉めていた。
関東地区代表の大塚聖夜と九州地区代表の飯田守は同じあみだくじを取り合いしていた。
関西地区代表の池田真矢は「最後の残り物でいいわよ」
人生に疲れているのか?
自殺願望の強いせいなのか?
終始冷静沈着であった。
どの番号が良いとはわからない。
こんな人生ゲームに欲張りの性格がでるのか?
大塚聖夜と飯田守は、言い争いながら、一歩も譲る気配はない。
…言い争う人は最後にさせて頂きます…
アナウンスが流れた。
静まり返った2人に、アナウンスがなり微々いていた。
番号は関係ありません。
あなた方を闇から救えるのかは、皆さん次第。
良く聞いて下さい、玄関の扉を開けると、そこからはあなた達が、どう生活するかは、あなた達にお任せします。
吉と出るのか?
凶と出るのか?
皆さん達の人生のお付き合いなんですよ。
身元不明者には。
ならないように。
頑張って下さい。
あみだくじ開始
……★一斉にアミダのくじが引かれた★……
皆さんそれぞれあみだくじを引いて行く。
………●発表●……
① 四国地区代表
② 北海道地区代表
③ 沖縄地区代表
④ 関東地区代表
⑤ 関西地区代表
⑥ 九州地区代表
⑦ 神奈川地区代表
と決まりました。
このゲームはあくまで皆さんを助けるとの主旨です。
上手く生き延びまた新しい人生の第一歩となります。
今の人生に飽き飽きしていますね。
笑う人生に変えて下さい。
では皆さん頑張って!
………★スタート★………
では、玄関に番号を付けさせては頂きました。
皆さん再度確認致します。
あくまでもあなた達の幸せのお手伝いをするだけです。
そのお手伝いに気づき、人生を変えるのは、あなた達自身です。
会場は少しざわめいた。
「どんな手伝いなんだ?」
「引き返せないの?」
「誰が決めるんだ」
アナウンサーが7人に問いかけた。
「人生を変えたくないのですか?」
「変わるのはあなた達です、お手伝いをするだけです」
では、何番の玄関の扉から入って貰いましょうか?
ご希望の方がおられましたら、挙手して下さい。
後、言い忘れましたが、ドロップアウトの時点で、会場の赤い点滅ライドが鳴ります。
鳴らない事を願い、皆さんが無事に、生き残る人生を祈っています。
最初に手を挙げたのは、1番目の四国地区代表の、
三宅泰裕、41歳、男性であった。
四国地区代表。
三宅泰裕 41歳。
2年前に離婚をして、現在失業保険も切れ、かなり杜撰な性格になり、生活保護で生計を立てている。
三宅の毎日は気楽に目が覚めて、毎日自宅でのゲーム三昧。
勿論、元妻には養育費は払えず、子供1人の面会もない、人生を終わりかけの男性。
「簡単に人の人生終わらすな!」
何がゲームなんだ、人はそんなに変わるもんじゃない!
怒りながら汚いボロアパート、家賃4万2千円の扉を開けた。
玄関には、メモ書きくらいの、薄汚れた紙に、三宅、と書かれていた。
足の踏み場もないくらい、ゴミが占領されていて、足で踏み倒した靴が散乱していた。
誰も困らないだろう。
三宅が居なくなっても……
ゴミを避けながら、またゲームの開始をする為に、三宅はテレビに向かった。
「さぁ昨日の続きをしょうか?」
リモコンの電源ボタンを押す手に違和感を感じた。
「あれ? なんだこれ?」
いつものリモコンのボタンの電源の横に紫色の電源ボタンが付いていた。
「なんじゃ?このボタンは…」
再生ボタンと書いてある。
三宅は気にする事もなく、いつもの赤い電源ボタンを押し、ゲーム開始を待っていた。
「そう、そう、この続きを倒してやるぞ!」
古ぼけたアパートには三宅のゲームの音量が高いのか?
真夏の暑さで窓から音が逃げるのか?
41歳が好んで遊ぶようなゲームではない。
銃を持った俺が沢山の兵士に囲まれ、逃げながら相手を倒すゲームに夢中だった。
たまに赤ん坊が微かに泣く声が聞こえる。
汗だくになりながら、コントローラーを動かしていた。
「よし! 1人倒した!」
自分で思っているだろう。
ゲームの達人で飯が食えたら楽しいだろうと。
ゲームアウトになると逃げ出すクセとイラついた時に爪を噛むクセだけは直らない。
「ちくしょー」
コントローラーがどれだけ床に叩けつけてきたか!
イライラして深爪に重ねまた爪を噛む俺。
蒸し暑い季節がよけい俺の気持ちを倍増させた。
金はないが、暇はある、炎天下に外すら行く気にならない。
人生なんてこんなもんだよ!
たまに子供はどうしているのか?
会えば辛くなる。
前妻は会わせてもくれやしない。
養育費渡してもいない俺に、どの面さげて父親を名乗れるのか?
ゴミを足でかき退け、寝床を探す姿は、まさに浮浪者となんら変わりない。
コントローラーの横に斜めにあるテレビのリモコンに目がいった。
「なんなんだ? 再生ボタンって?」
しかも紫色ときていて、いかにも怪しすぎる。
人生ゲームの始まりなのか?
だが怖くて押す勇気がない。
人生生き残りゲームに負けると、俺は身元不明の存在になるのか?
蝉がジンジン泣き出し子供が泣く声が気持ちマックスにさせやがった!
「うるせんだよ!」
窓の外に向かい大声で叫ぶ三宅。
何もかも上手く行かない人生は俺が悪いんじゃない!
あの女が悪いんだ!
「あームカついてきた、あの糞女め!」
またイライラで爪を噛みながら思い出した。
まだ社会人になり楽しい毎日を過ごしていた。
先輩に誘われた飲み屋であいつと出会った。
さほど飲み屋では目立つ存在の顔でもってない。
「あら!伊藤さん、いらっしゃい」
飲み屋の女将が先輩に話しかけた。
「会社の方連れて来て下さったのね」
その当時は俺には彼女がいた。
「こんにちは、三宅です」
「若いっていいわね? さぁ何飲まれますか?」
女将は俺達2人に笑顔で話しかけてきた。
「ここのママさん楽しんだぞ!」
俺に自慢げに話しかけてきた伊藤さん。
「はぁ」
「伊藤ちゃん今日入ってきた、麻子さん、麻子さん、伊藤ちゃんに挨拶してね」
ショートヘアーのお水ばりばりの派手な女。
麻子は2人に手慣れたてつきでグラスに氷を入れ、伊藤さんのボトル、ヘネシーを入れだした。
水を入れて、程よい程度の水割りを、俺達の前に、スーッと差し出した。
笑う愛想もなく。
手慣れた水割りだけが印象的だった。
佐藤は麻子を食い入る様に眺めていた。
麻子はそんな男が見慣れているかの様に俺達の席に座り、下向きながら話しかけてきた。
「麻子です。よろしくね」
俺はその言葉の語尾の、ね、が印象的だった。
「佐藤ちゃん、お手柔らかに~」
カウンター越しにママが冗談ぽく俺達に投げかけた。
こんな陰気な女など相手の対象ではなかった。
佐藤さんはこの麻子が気に入ったのか?
抱ける女なと思ったのか?
この女に近寄り誘い出した。
「麻子さんて言うの?」
頭から胸や腰、足まで舐める様に佐藤さんは見ていた。
それを煩わしく見ていた。
こんな古びたスナックに来るから、彼女と会いたかった。
これも仕事の1つと我慢していただけだ。
俺はこの女と話す気持ちも絡む気持ちもなかった。
早く帰りたい気持ちが貧乏揺すりになっていた。
麻子は俺の震わす足に手を置き呟いた。
「お気に召しませんか?」
俺は素直に
「帰りたいです」
と答えた。
ママが麻子とカラオケしてあげて欲しいと誘ってきた。
その当時のカラオケは今とは違い楽しくも何ともなかった。
「何歌いますか?」
あまり歌など唄う事もないので、定番のデュエットを麻子にお願いした。
佐藤は少し酔いが回ってご機嫌に拍手し始めた。
麻子はマイク2つ持ち俺に近づいて来た。
俺が男性を歌い、次女性の麻子の番だった。
麻子は魅力のある女ではないが、歌はプロ級に上手かった。
歌の途中でお互いに顔を合わし唄う場面があった。
唄うだけで好きでもない人達も目を合わせる。
嫌な気分だったが麻子の目を見た。
ニッコリ笑った麻子の顔は何となく可愛かった。
ライトが彼女の顔をハッキリ映し出してくれた。
でも俺には彼女がいる。
こんな水商売の女に感心はなかった。
早くこの場合から帰りたかった。
空気が読めない佐藤さんは
「いいぞ! もう1曲」
手を叩きリクエストしてきた。
「勘弁してくださいよ!」
佐藤さんはかなり酔って居るのか?
腰が重く帰る気配がない。
2度とこの店や佐藤さんとは付き合いたくないと思った。
「あぁーあの時の事思い出してしまった!」
あの糞女が俺の前に現れてから、俺の人生は変わってしまった。
イライラがまた襲って来た。
部屋のゴミを足で蹴飛ばし、汚い台所の蛇口に口を入れ、思いっきり水を飲んだ。
カルキ臭い生水に
「マズい水に水道代取りやがって!」
窓に向かい叫んだ!
近所では俺は危険な奴だと有名なのは百も承知だ!
こんな俺が変われるのか?
三宅が恨んでいる女、麻子は三宅が佐藤に連れられ、うんざりする位通った。
佐藤が麻子にゾッコンになり、ただの佐藤の付き添い役だけだった。
夜のデートも次第に少なくなり、三宅は彼女との交際を真剣に考えていた。
麻子は佐藤ではなく、酔った三宅に寄り付き、身体の関係になってしまった。
三宅にすればはめられた感覚だった。
麻子は三宅の性格を見抜いていたのだ。
三宅にお金をせびる様になり、元々気が弱い性格である三宅は、麻子のお願いを断れなかった。
夜の女に無理やり引きずり込まれた三宅は、麻子に恨みを持っていた。
彼女との儚い恋も麻子に邪魔され、三宅は彼女に誤解を受けられ、別れてしまう。
三宅が本当に結婚を考えていた彼女との別れ。
たまたま会社の飲み会で、結婚を焦っていた京子、麻子から逃げたかった。
麻子は三宅に、妊娠したの責任取ってね、と言われ悩んでいる時に、会社の飲み会で、京子と知り合った。
投げやりな気持ちで、真剣に付き合ってた彼女とのショック、麻子からの妊娠。
すべて三宅には地獄の時期であった。
麻子に会い
「俺はどうすればいいの?」
麻子に訪ねた
麻子は煙草にライターをつけ、フゥーと煙りをはき。
「300万円で良いわよ」
俺は固まった。
「お前から誘って来たんだろう!」
麻子は高笑いして三宅を馬鹿にするように口にした。
「産んでもいいのよ?」
こんな水商売女に人生を駄目にされたくない。
三宅はドアを開いた、そこはサラ金のドアであった。
今は天から奈落の底に落ちているが、三宅はれっきとした、サラリーマンだった。
佐藤の誘いで連れられたスナック。
麻子との出会いで一気に幸せが過去の消せない思い出になった。
「いらっしゃいませ」
「お金借りたいんです」
「少しお待ち下さいね」
店内は明るく、観葉植物が置いてあった。
カウンター越しに男性が現れた。
「本日はお借り入れとの事で有り難う御座います」
俺はこんな所で借りていいのか?
少し迷った。
でも。
「200万円くらい……お願いします」
とっさに出た金額である。
あの女と手を切るにはお金しかない。
水商売の女の印象も麻子の印象も金しかなかった。
「ご利用資金は200万円ですね」
と爽やかな男性が話し始めた。
少し怖くて引き返そうと思った俺だったが、麻子に子供を産まれると俺の人生すら変わってしまう。
なけなしの貯金と資金調達するしかなかった。
「給与明細や本人である確認書をお持ちですか?」
サラ金の男性は1日何件もの客を対応しているのか?
手馴れた手順で説明して来た。
「あの…通帳も必要ですよね?」
給与明細を忘れた三宅は、通帳の記帳を聞いて見た。
「こちらでお客様の個人情報を確認させて貰っても差し支えありませんか?」
俺は焦った。
会社にバレれば首にならないか?
「あの…会社にバレるんですか?」
「いえ、在籍確認なので、会社にはバレません」
俺はその言葉を聞き答えた。
「早く貸して欲しいんです、切羽詰まっているんです」
その社員は
「皆さん同じですよ」
簡単に朝の挨拶程度のように話す男性に少し安心感を感じた。
手続きや利息などの説明を受け、俺は現金を受け取った。
あの麻子の為に何故俺がサラ金に手を出さなきゃいけないんだ!
麻子なんて殺してやりたいくらい憎い女だった。
あの女に会うまで死んでくれ!
誰かに殺されてくれ!
本当は俺の子供ではないのかも?
今なら検査も出来るが、当時は口約束だった。
若かった俺は水商売の女にはめられたのか?
麻子との約束に俺は最後にして欲しかった。
2度と見たくない、あいつの顔に唾を吐いてやりたかった。
それ程麻子を恨んでいる。
麻子にお金の都合出来たから、話し合いをしょうと。
麻子と待ち合わせの喫茶店。
どれだけ苦労して集めた金か!
先に麻子は席についていた。
「三宅さん…」
俺は頭の線がブチキレていた。
「約束のお金だ! 俺に2度とかかわるな!」
お金が入った封筒で麻子の頬を殴った。
麻子は顔色1つ変える事もなく笑いながら。
「ありがとう、さようなら…」
俺はこの女の顔も見たくなく、金を置きすぐに喫茶店を出た。
ウエイトレスが水を運んで来る前に。
数秒間だった筈だ!
これから麻子の借金を返すのに必死で働いた。
人生の歯車が狂い出したのは、疫病神の麻子との出会いから始まった。
今でも思い出すと俺の自律神経が悪化する。
あの女さえ居なければ、また結婚する相手も変わっていただろう!
「麻子、早く死ね!」
人生投げやりな時、飲み会で知り合った京子と結婚した。
別に好きでもなかった。
周りからは祝福されたが、本当は麻子と知り合う前の彼女と結婚したかった。
京子は俺を好きではなく、結婚に焦り、安定した生活を望んでいただけ。
京子との間に娘が出来、俺達はそこそこの生活をしていた。
「パパ、行ってね」
この娘の為に仕事も頑張れた。
麻子との嫌な過去も娘の存在で癒された。
京子はあまり家事をしない妻だった。
仕事で疲れて帰っても、汚い部屋と出来合いのおかずか待っていた。
まだ器に移すならマシだ!
380円のシールが付いた、スーパーで買った容器そのものだった。
「たまには京子のおかず食いたい」
その言葉が気に障るのか?
「なら、外で食べてきてよね!」
俺は大概我慢していたが、良く喧嘩になった。
そのまま喧嘩がおさまらない時はふらりと外に食べに行く。
小汚い家が俺の疲れを倍増した。
娘だけが俺の生き甲斐だった。
京子との結婚も麻子の存在がなければ、結婚などしていなかった。
ただ今は別れた娘の事だけは愛している。
あの女が俺の人生の汚点だった。
イライラしてまた三宅は爪を噛みだした。
「生活保護生活なんてやめれるかよ!くそ」
大きな声はボロアパートから叫び声に変わってた。
娘には会いたい。
毎日結婚生活は不満だらけだった。
風呂は沸いていない、洗濯物はたまる一方。
休みの度に娘とコインランドリーで済ます生活。
俺は仕事にも支障きたす様になっていた。
娘の為に離婚は避けたかった。
あの京子が俺が仕事をしている間、男性と会っていたなんて知らなかったよ。
笑う結婚生活だよ!
俺はただのATMだなんて!
お笑いのドラマみたいなもんだ。
浮気調査をお願いした。
京子の証拠写真は俺にすら見せない女の顔だった。
俺はそれでも離婚は避けたかった。
娘の為に。
離婚話が出たのもその後1年後だった。
京子の親も溺愛する娘も京子を選んだ。
そこから俺は精神科に通い出した。
娘と離れた生活が辛過ぎた。
仕事の意欲もなくなり、退職して、精神科に入院し始めた。
これだけの人生に変わりなんてない。
何がゲームなんだ!
馬鹿にするなよな?
三宅はそのイライラをまた空想で戦う兵士を撃ちまくっていた。
「よーしゃ! これで兵士何人倒したかなぁ!」
得意げにゲームのヒロインに浸り、人生をこのゲームと同じ、ゲームアウトで終わるつもりなのか?
窓から油蝉がジンジンと時間を増す事にうるさく鳴く。
そしてゲームを一旦止め、アダルトビデオを見出し、一人抜きを始めた。
「おぉ たまらん女のあそこ、」
三宅の右手は股間の棒を前後し始めた。
「あぁイキそうだ!ダメだイク!」
白いドロドロの液体は三宅の右手にベッタリ付いていた。
「気持ち良かった!」
その手を汚い台所の蛇口にあて、着ているランニングで手を拭いた。
こんな三宅みたいな男性などこの世に居なくなっても良いと思いませんか?
部屋の中は三宅が1人抜きしたテッシュが丸まり転がっていた。
コンビニの弁当の周りには沢山の虫がたかり、ビニール袋や割り箸など、人が住める部屋ではなく、もし三宅が何らかの病で亡くなっていても、発見されるまで時間がいったであろう。
「あぁ~ダルい」
足でゴミをかき分け天井眺める三宅には生き甲斐すらなかった。
髪の毛は伸び過ぎて、汗が首を通して流れていた。
肩まで伸びた髪の毛をぐちゃぐちゃにして。
「刑務所の方が楽かも知れない」
このイライラは昔出会った麻子への怒りだった。
ふと
目にしたテレビのリモコン。
「どうせ、人生終わるなら、この再生ボタンおしてやるぞ!」
リモコンを手に持ち、リモコンの再生ボタンを眺め
「このボタンで俺の人生とさよなら、悪くないかも、俺に相応しい紫色だ!」
テレビの画面を見ながら、三宅は紫色の再生ボタンを押した。
デジタル化した画面には、平成の便利な時代からかけ離れは時代。
多分昭和の時代の物語だった。
「しけてやがる!」
舌打ちしながら三宅はその物語が呆れれば切ろうと思っていた。
壁は波板のトタンの壁の長家が映し出された。
「出ていけ!」
大声で怒鳴る男性の声と共に、小学2年生くらいの幼い女の子が、家から飛ばされ、外に出されていた。
「なんだ、これ?」
女の子は泣きながら、倒れていた。
腕を怪我をしたのか?
ひじ、腕、足、全て傷だらけだった。
女の子はもう慣れているかの様に、立ち上がり家の隅で体育座りをしていた。
多分その怒鳴っていた男性は女の子の父親であろう。
女の子は顔をうずくまりながら、うっすらないていた。
「おぃ、お母さんは居ないのか?」
三宅は思わず昭和の物語に語りかけてた。
長く誰も声などかけてくれない女の子は。
黙ってクスクス泣きながら次の言葉を待っていた。
「おぃ! 酒買ってこい!」
父親らしき人物が女の子に金を叩きつけ家の玄関をバシッと締めた。
散らばるお金を広い集め、女の子は慣れた様に酒屋に歩き出した。
「なんだよ!お涙下さいってやつかよ!」
三宅はまだ面白半分で画面を見ていた。
酒屋のおじさんは女の子に何か話し掛け、頭を撫でていた。
一升瓶は女の子の力では重すぎるまた大きすぎる、必死にその酒の瓶を抱え歩く女の子。
砂利道は少し凍る寒さに、女の子は白いブラウスに、紺色の両方には紐が付いている、昭和の小学生の制服だった。
上に羽織る物もなく、白いブラウスは、画面でも分かるくらい、汚れていた。
必死で酒瓶を落とさない様に歩く女の子。
少し三宅は画面に近づいた。
両手いっぱいに酒瓶を持っているので玄関の扉が開けない。
女の子は頭をドアに叩きつけ合図をした。
「もたもたするな! 役たたずが!」
「おぃ、それは違うだろう! おっさんよ」
三宅はその物語に入り込み、聞こえない残酷な父親に、文句を言い始めていた。
頭をパチンと叩かれた女の子は黙って父親を睨みつけた。
「なんだ! その顔は! 糞生意気なガキだ!」
女の子は父親に思いっきり殴られ、顔が半分飛ばされていた。
あまりの激痛に泣きたいが、泣ける元気もないくらい。
お腹が空いていたのだろうか?
しゃがみこんでしまった。
玄関の扉は女の子の前で閉められたら。
数分後近所のおばさんが、いつもの事の様に女の子に声をかけて来た。
「酒飲みの父親にまた殴られたんだね」
女の子の涙は黒かった。
汚れていた手で目を触ったのか?
顔がホコリまみれだったのか?
女の子は黒い涙で顔に涙の筋が出来ていた。
「いつも、いつも、あんたは可哀想だね」
おばさんは毎回女の子を助け、頭を撫でてくれた。
三宅は少しだけ、可哀想な女の子だと感じた。
「おばさん、可哀想だから大事にしてやってくれよ!」
女の子は父親の許しを待ちわびていた。
数時間たち
「おおい…」
怒鳴りたおすくらいの邪魔くさい言葉が女の子が帰って来いの合図立った。
そんな仕打ちを受けても帰る女の子。
「おばちゃん、いつもありがとう」
女の子はその言葉を残し、父親のいる玄関の扉を開けた。
「健気な女の子だぜ!」
三宅は続きを早く見たかったが、早送りは出来ない。
「可笑しいだろうが! 先見せろよな!」
リモコン操作は順番通りにしか動かない。
「邪魔くさいビデオだなぁ! ちくしょう!」
三宅は女の子の続きが気になっていた。
ハエが三宅を邪魔するかのように飛び回っていた。
「このハエ邪魔なんだよ!」
手でハエをはらいながら、三宅はビデオを見ていた。
「女の子の母親はどうしたんだ!」
大きな声で叫ぶ三宅
女の子は父親の酒の相手をさせられ、冷や飯にふりかけをかけるだけの夕食。
父親は女の子にくどくどと説教じみた話をし、女の子の頭を叩いていた。
「この親虐待だろうが! 誰か助けてやれよ!」
三宅の気持ちはマックスになっていた。
夏の空は夕焼けが西日が差し、三宅の自宅の壁は少しオレンジに色を変えていた。
女の子の母親らしき人が夜中に帰宅して来た。
水商売なのか?
今で言う風俗なのか?
身体を売る商売だとは薄々ビデオでも、最低な三宅でも察知していた。
母親は酒乱の父親から守る事も出来ず、女の子の寝ている頭を撫でるしかなかった。
「何とかなんねぇのかよ!」
三宅はこの女の子を救いたい気持ちにかられてた。
三宅は時間すら見ずに、ビデオをずっと見守っていた。
女の子はお風呂に入る訳でもなく、昭和のせんべい布団ですやすや眠っていた。
三宅はティッシュの箱を手で探しながら視線はテレビを見ていた。
やるせない幼少時代の女の子。
学校でもイジメの標的になっていた。
給食費は全て父親の酒代に消えていた。
それでも父親から離れる事などなく、女の子は父親の酒が無くなると、又酒屋さんに、小さな身体で買いに行かされた。
「この母親もこんな最低な男と離婚してやれや!」
怒りがこみ上げ、そこら辺のゴミを、テレビに投げつけた。
では、女の子の母親の生活をズームしだした場面が写った。
朝からまともに睡眠すら取れず、食堂の洗い場で働く女の子の母親。
時間に暇が出来れば自宅で仮眠程度の姿に、女の子はそんな母親に声を掛ける事すら出来なかった。
女の子はもう初潮を迎える年齢まで成長していた。
本当ならまず母親に相談するが、仮眠している母親に声をかけれなかった。
近所のおばさんが女の子に優しくお祝いをしてくれた。
三宅は妻の元に置いて来た、娘と少し重ねていた。
娘に取って最低な父親だが、娘に対する気持ちは薄れていなかった。
「俺の娘もいつかそんな時が来るのかなぁ?」
ティッシュを1枚取り出し、鼻をかんだ。
「女の子頑張れよ! おじさん応援しってからさ!」
昼間の洗い場の仕事を終えた母親は、急ぎ足で夜の店に足を運んだ。
厚化粧をして、同じドレスを着て店に出る女の子の母親。
一見綺麗なドレス姿だが、裏の休憩室では、はがれたスパンコールを手縫いしていた。
仕事の時間帯が夜なので母親の疲れた顔はお客さんにはバレなかった。
かなり痩せていた事だけは隠せない。
遊び好きな男達は、女の子の母親をおもちゃ程度に抱き、帰りに投げつける様に札束を置いて行った。
ため息をつきながら、母親は乱れた髪を整えて、客の札束を丁寧に集め、胸に札束を抱きしめて、ありがとう、と呟いていた。
「お、お、おっさんは何してるんだ!」
窓を全開の三宅の部屋は近所中に怒鳴り声が響いた。
たまに三宅の玄関のドアが、コンコン、遠慮しているかの様に叩かれる。
「うるさい! 黙れ!」
三宅はこのドラマにはまっていた。
女の子の父親は朝から酒浸りの毎日。
せんべい布団で眠ってる女の子の布団を足でめくり。
「学校に行って来い!中学までは通わせてやる!」
女の子はセーラー服をまとい、お弁当すらない鞄で学校に通った。
中学でもクラスメイトのイジメにあっていたが、めげる事なく勉強をしていた。
女の子は成績も良く先生から進学の話も出たが、家の事情で中学までと決めていた。
父親は酒を飲みたまに母親にも手を上げていた。
女の子の楽しみは、誕生日に母親がショートケーキを買って来てくれた時、本当に嬉しそうに口にする、無邪気な中学生の顔に戻った。
「良かったなぁ! 母ちゃんがいい人で!」
もう夜もふけていたが三宅は時間よりこの親子を見守りたかった。
女の子は母親を帰るのを、玄関の前で待っていた。
家の電話がなり、酒浸りの父親が電話に出た。
「あんだ! えぇ? 嫁さんが倒れた?」
母親は過労の為勤務していた食堂の洗い場で倒れた知らせだった。
そんな母親の危機も知らず、女の子は母親の帰りを今から今からと待っていた。
父親は深酒のせいか?
呂律すら回らない言葉で、女の子に母親が病院に運ばれた事を告げた。
病院の名前だけ聞き、女の子は母親の病院に走り出した。
必死で距離なんて分からない病院に。
4時間かかった母親の病院に着いたのは。
あの唯一優しかった母親には白い布が掛けられていた。
近所の人が父親を病院に連れて行くより、女の子は母親の側で座っていた。
近所のおばさんが女の子を抱きしめていた。
「馬鹿な親父なんて捨ててしまえ! 糞親父が!」
三宅は興奮しているのか?
カラーボックスを蹴り怒りをぶつけていた。
女の子は冷たくなった母親の側から離れようとしなかった。
女の子の父方も亡くなった母方も疎遠状態で女の子の母親は霊安室から火葬場に運ばれた。
何とも寂しい母親との別れに、近所のおばさんだけが、女の子の側に寄り添ってくれた。
「可哀想に」
女の子の頭を撫でるおばさん。
天に逝く母親の煙をずっと眺める女の子。
泣いてはいなかった。
母親のお骨を持ち家に入った。
父親は相変わらず酒浸り、女の子を睨みつけ。
「もうすぐ中学も卒業だ!お前は俺の為に働け!」
妻を亡くしても我が子に働けと促す残酷な父親を女の子は睨み付けた。
「何睨んでるんだ!」
テーブルのコップを壁に当て、女の子の頬を通過した。
女の子の頬に一筋の血が流れていた。
女の子は無事中学を卒業し、住み込みの旅館に働き出した。
父親への仕送りは欠かさなかった。
旅館の亭主に用事があるから、蔵まで来てくれと頼まれ、女の子から女性に画面は変わっていた。
蔵の用事ではなく、亭主に無理やり犯された。
泣くに泣けない、働いている社長だから。
三宅はティッシュ2枚を箱から抜き
「そんな事してやるなよ!ぶっ殺すぞ!」
三宅は目に溜まった涙を吹いていた。
毎月、毎月、父親に仕送りする女性。
成人すると水商売に転職していた。
風俗も経験して、ある年齢に達していた。
笑う事も愛嬌もない、かと言って綺麗でもない女性。
スナックを転々と変えてはお客さんの評判は良くなかった。
稼げるだけ、稼ぎ父親に仕送りする女性。
ある日父親がアルコールの影響か?
重い糖尿病を患った。
稼いでも医療費がかさむ一方である。
女性は水商売も合っていない性格なのか?
幼少時代の影響なのか?
お店から辞めて欲しいと言われる存在だった。
そんな女性が働き出したお店の初日。
「いらっしゃい、佐藤さん、お連れさんも一緒に」
三宅は聞いた事のある名前と、聞いた事のあるママの声に、テレビの画面の前にいた。
「佐藤ちゃん」
ヘネシー?
「何を歌いますか?」
プロ並みの上手い歌声?
あぁぁぁ
麻子だった。
「麻子があの女の子って事?」
三宅は心が折れそうになっていた。
三宅と麻子はホテルで身体を共にした映像も流れた。
数日後三宅に子供が出来たと連絡する電話で麻子は見えない三宅の電話にペコペコと頭を下げていた。
待ち合わせの喫茶店で待つ麻子。
不器用な性格なのか?
三宅の前で悪びる様にタバコを吹かせた。
三宅は店に入るなり麻子の頬を金が入った封筒で叩き出て行った。
「おぃ、おぃ、ガキ出来たんだろうが!」
麻子は三宅に、ありがとう、と封筒を胸に抱きしめて、父親の病院の会計に向かった。
医療費が溜まり退院、いや、遺体すら動かす事も出来なかった。
三宅のお金で病院の費用と酒浸りの父親の哀れな遺体を火葬場に運び出された。
あの時と同じ。
母親の逝く煙を眺めながら、麻子は泣いていた。
「お父さんには、沢山迷惑かけられたけど、三宅さんのお陰なのよ」
麻子は父親を決して嫌いではなかった。
酷い仕打ちの、お酒が切れた時は、麻子に絵本を読んでくれた、一面もあったから。
父親のお骨を持ちながら、麻子は独り言を吐いた。
「三宅さん、ごめんなさいね、父親を助けて下さってありがとう」
麻子の目には沢山の涙が溢れていた。
「待てよ!待ってくれ!俺は麻子を恨み続けていたんだ! あぁぁぁ」
夜中の4時に三宅のアパートから呻き声が大きな声で叫びだした。
三宅は頭が混乱し、ゴミだからけの部屋をうろつき始めた。
ゴミは三宅の足に絡み、ガサガサが音をたてていた。
「おぃ、待ってくれよ、俺は麻子の父親を助けたって事かよ?」
「落ち着け、落ち着け、本当の事なのか?」
壁を頭で叩きなが、水道の水で頭を冷やす。
水のしずくが一斉に部屋に飛び散る。
「マジかよ! 何故本当の事言わなかったんだよ、麻子は!」
部屋に掛けていたカレンダーの歪みを直しながら
「麻子の人生がそうさせたのかもなぁ?」
三宅の怒りは少しずつ静まっていた。
「あの女なら仕方なかったのかも?」
夏の朝は明るくなるのが早い。
壁にもたれていた三宅はまたテレビを見た。
三宅の顔は段々と朝の明かりに笑っていた。
三宅はその最後のテロップをずっと眺めていた。
数十分その画面に釘付けになりながら。
「俺も麻子の父親と同じなんだ……」
何度も、何度も、繰り返していた。
三宅は今の周りの部屋を眺めて
「最低な人間だなぁ……俺は-…」
すっと立ち上がり台所にあるゴミ袋を取り出し、部屋を片づけ始めた。
「くせー!」
足元は腐った弁当の残りカスに虫が集り、お手上げ状態だった。
必死で部屋を片づけ三宅には、あのゲームで勝ち誇る、1人の満足感であった顔と変わっていた。
黙々と部屋の片づけをしていた三宅。
ゴミ袋は10個になっていたが、まだ半分しか片付いていない。
昨日までならこの時点で
「うぜー」
とゲームをして空いた空間に横になっていたが、今回は最後まで手を止めなかった。
汗だくになり、蝉や子供の鳴き声にキレていた三宅だったが、それすら耳に入らないのか?
黙々と部屋を片づけていた。
「ふぅ~」
とたまに疲れた声を出す程度だった。
ゴミ袋はまた1個、また1個と増えて来た。
それでも手は休めない。
これで三宅の人生はまだ変わっていない。
これから彼は地獄からはい上がれるのか?
さて、三宅の今後は時間経過で発表となる。
次の玄関の番号は⑤番号
関西地区代表。
池田真矢 32歳 フリーター
自殺願望が強く、中々消極的な性格。
口癖は死にたい、私なんてこの世から居なくなっても誰も困らない。
マイナス思考の彼氏いない歴7年。
この7年前の別れから自傷行為が始まった。
左手には生々しい、煙草の押し付けた、傷跡が複数見られる。
リスカの後もあり、真夏は半袖は着れない。
心療内科に通院歴は7年。
命がいつ消えるか?
早く楽になりたい、私より不幸な人間はいない。
彼女の内心と心の叫びである。
誰か無差別でもいいから、殺してくれないか?
死ぬタイミングを毎日狙っている池田真矢。
さぁ人生から立ち上がり、幸せが待っているのか?
池田真矢はフリーターと言うより、派遣で地下の食料品にいる、試食販売の仕事をしている。
良くウインナーに子供達が喜び、ウインナーを爪楊枝に差し、販売商品をアピールする仕事である。
子供達にせがまれた母親が買い物カゴに入れてくれた。
こんな生活になるとは、7年前には思って居なかったはず。
25歳で三年付き合っていた男性と破局し、池田の人生は変わった。
夏も冬も食料品売り場は寒くて、彼女の心も凍らせたのか?
自律神経で遣られたのか?
休みになれば家族連れで混み合う風景に池田は溜め息をつきながら、ウインナー如何ですか!
家族連れやカップル年配者の夫婦だけの買い物姿ですら、池田には羨ましい光景だった。
彼女は昔の癒されない過去から、自傷行為が始まり、この仕事には打ってつけ。
季節に関係なく、長袖が着れる仕事。
スーパーの依頼が派遣会社に募集があれば、池田はそのスーパーに派遣として向かう。
毎日の仕事ではなく、依頼が来ればの仕事だ。
作り笑いをする池田。
過去の恋愛話に続く。
池田22歳で彼は25歳どこにでもいるカップル。
池田は大学の文系の大学を出ていた。
池田の彼氏は社会人で2人のなり染めは、池田の大学時代の同級生の友達が社会人の彼氏だった。
お互いにテニスが好きですぐに意気投合し、付き合うまでは時間は掛からなかった。
話はほとんどテニスの話で盛り上がり、また2人でテニスで汗をかく、健康的なカップルだった。
「真矢 サーブ上手くなったね」
「ヒロ君、上手くなった?」
「さすがに参ったよ! ちょっと休憩しよ!」
真矢は爽やかな顔で恋人のヒロに近付いた。
2人は真っ白いポロシャツとズボンをはいていた。
「ヒロ君 私も疲れちゃった~」
真矢はヒロ君の隣りに座り、肩に顔を傾けた。
ヒロ君は頬を左手で撫でながら
「真矢は可愛いね」
ヒロ君の笑顔は爽やかだった。
2人で楽しむテニスが、ヒロ君が隣りにいてくれるのを、見る人達は理想的なカップルだと口を揃えて言うだろう。
彼のヒロ君と休みになれば頻繁にデートを重ね、真矢は人生で一番幸せと思っていた。
真矢の就職も決まり、真矢は大手電気会社に就職した。
内勤勤務でそこそこの給料を貰っていた。
彼は真矢より小さな会社の営業所に勤務していた。
2人は真矢の就職と同時に同棲を始めた。
真矢の会社とヒロ君の会社の規模の違いと、2人の給料の格差にヒロ自身負い目を感じ始めた。
ヒロの口癖
「真矢の会社とは大違いだ! 安い給料で悪かったな!」
「ヒロ君頑張ってくれてるじゃん、気にしてないよ」
その気にしてないよ
この言葉がヒロには気に入らないのか?
「大手に働いている人の言う事は違うね~」
嫌みを言い始めた。
真矢は2人で協力すれば、生活出来るんだよ、
との考え方だった。
真矢自身結婚も考えていたが、ヒロのプライドが真矢を苦しめる形になった。
同棲を始めて2人は口喧嘩をする事も多かった。
ヒロと喧嘩になれば、携帯と財布を持ち、家から出て行った。
1日ぐらい帰らない日もあった。
今までお互いの家からのデートには新鮮なカップルだったのが、同棲をする事でお互いの価値観や、考え方の違いを真矢は悩んでいた。
ヒロを帰るのを待つ真矢。
「ヒロ君、お帰りなさい」
ヒロは無言になり、真矢はヒロの機嫌を取るが、ヒロは真矢の気持ちすら考えずに
「疲れるよ、お前といる事が……」
もう開き直った顔のヒロに
「ヒロ君、私会社辞めてもいいの!」
ヒロは会社の鞄を真矢に投げつけ
「偉そうに言うな!」
「ヒロ君ごめんなさい」
ヒロは真矢の顔を殴りつけ
「うぜーんだよ! 女の癖に!」
2人の愛が詰まった部屋はヒロのストレスで、ドタンバタンと家具やソファーなど投げつけた。
散乱した部屋で1人泣く真矢。
ヒロは愛の巣からバタンとドアを閉め出て行った。
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