大切な平凡

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2014/04/26 19:05(更新日時)

運命の日は、突然にやってきた。


楽しかった日も長く続けば当たり前に感じる。

当たり前のモノが当たり前じゃ無くなった あの日・・・



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No.1999411 (スレ作成日時)

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No.1

これが最後のデートになるんだろうなぁ・・・
海遊館でデートし互いの帰路に向かう中での頭の中。

それから半年後どちらからともなく連絡が途絶え自然消滅。
想像していたとはいえ そのままを予測した事が現実になる。苦笑する俺。


もう女なんかいらない・・・
寂しさをあの手この手で満たそうとするもイマイチ盛り上がらない。

そんな冴えない毎日を見ていた親友の近藤は「浩之、mixiやGREEで出会うってのも有りだと思うぞ!」


「おまえな!いきなりなんだよ(笑)」

「浩之を見てるとさ つまんない毎日をなんとなく生きている。そんな感じがしてさ」

フッフッフッ・・・当たっているぜ。

No.2

サイトで彼女を探す事に抵抗はないけど セックス目的なら適当に・・・なんて事も考えられるけど 恋人を探すとなるとなぁ・・・

ミクルを見ながら独り言を言う浩之であった。
「2人専用のスレッドなんてあるんだ。あれっ!このスレッドの彼女 まさかね?」

僅かな期待を寄せ書き込むと それに反応する女性(仮にグリーンさんとする)

コメントに「ひょっとしてキミは、あのサイトの浩之君?」

俺は内心 おいおいマジで?本当にグリーンさんなんだ。久しく忘れていたハートが揺れる瞬間でもあった。

No.3

「びっくりした~こんなとこで浩之君に会えるなんて」

「そりゃ こっちの台詞だって」
その見つけたスレッドから2人専用で話したいと


俺とグリーンさんが居たサイト まぁ~やたらと規制がうるさく個人情報なんて載せられないし 話したい事はある。でも、規制。

うっぷんは溜まるばかりだったから もう弾けたね。

「見つけてくれてありがとう。沢山 話したい事があるから 何から喋れば良いのか かなりドキドキだよ」

俺は、グリーンさんの初々しさに改めて惚れそうになった。

No.4

「ここは、2人専用であっても 誰が見ているか判らない。冷やかしも困るし あの携帯auに変えたんだよね?」


俺は彼女の書き込みに即反応し「うん! 説明書も読んでないから メール打つのですら苦労しているけど」
「じゃあさ♪GREEって知ってる?あそこだと個別にメール出来るし 私の登録名教えるから来て欲しい」

グ、グリー?
我が思考能力をフルに動かしたが、頭から煙が出そうに(プシュ~ッ)
「いや~ほら 携帯をauにしたばかりだから 何にも知らなくて アハハハッ」

No.5

グリーンさん やや興奮気味に「携帯の検索機能を使えばGREEは直ぐにでるよ。登録したら教えて 此処を閉鎖するから」


興奮で携帯を持つ手がプルプル震え GREEを見つけ 即座に登録した事を教えGREEでのやりとを開始。


「ちょっと ヤバいよ。登録するとこ バカ正直に名前や住んでいるとこ入れなくていいのに ネームも趣味も最初は適当にいれ 徐々に直していけばいいんだから」


GREE初心の俺には、見るモノ聞くモノ全てが新しく 言われるがまま訂正する。

すると彼女からGREE経由のメールで「改めまして グリーンです。エヘッ」
本名とアドレスが付いてきた。
深夜になろうかとしていた部屋で「よっしゃ!」と1人で騒ぐ。メールの続きは翌日へと

平成〇〇年 何にも楽しい事が無かったのに 心の中で「神様 サンタクロース様 年末にビッグプレゼントありがとう」信仰心が芽生えるのではないか?と思うほど感謝した。

No.6

グリーンさんと繋がった翌日は、本年ラストの勤務。

出勤すると近藤が、2人だけで寂しいから会社の女性誘って四人で忘年会をしたいと言い出した。

「浩之 俺に感謝しろよ。お前の為にセッティングしたんだから 博子ちゃんも、ゆきえちゃんも結構可愛いし 彼氏もいないからチャンスだぞ!」
1人妙なハイテンションの近藤を冷ややかな目で見る俺。

「近藤 俺がチャンスじゃなく 実は、お前がチャンスなんじゃないのか?」ニヤニヤする近藤の腹に軽くボデーブローする俺。
その手が近藤の腹の肉に埋まり抜けなくなる(嘘)

No.7

どうも近藤の狙いは、ゆきえちゃんっぽいな。
「浩之 あのさ・・・俺にゆきえちゃん 行かせて貰えないか?」
2人共興味がないので「お好きにどうぞ」と放ってやった。
ハイテンションの近藤からお礼と博子ちゃんのパンチラ写メ。パンチラというよりはパンモロ。


「近藤 お前これどうしたんだ?」


「結構 酔ってたし 博子ちゃんに写メ撮らせとお願いし 余所を向いてる瞬間にアングルを変え激写した」

こいつのなかなかの変態ぶりには驚かされる。体力は無い スポーツまったく駄目。 その癖パソコンを部品から組み立ててみたり 某企業にハッキングしてみたり 小狡い事に関しては頭が回る。

別の意味で頼もしい。

No.8

忘年会も、お開き。②対②で別れ 近藤は、ゆきえちゃんを送るからとさっさと店をでる。

その流れで 博子ちゃんは俺が送る事に

楽しかったね。あの2人真っ直ぐに帰ったのかな?以外の話は盛り上がらず。

当然ながら 俺はスケベモード全くなし。それよりも、少しでも早くGREEでグリーンさんと話したい。
この思いが増すばかり

博子ちゃんが、こちらに何か話しかけているみたいだが まったく頭に入らない。

「浩之くんが紳士で良かった。帰りにどっかに寄ろうとか言われたら困るもん」       
えぇ そんな事言わなくとも 当方 まったくその気も無い(笑)

No.9

部屋に戻り携帯を開くと・・・GREEからメールが七件。

やばいっ (-o-;) と感じたが、それに反して グリーンさんからのメールは、ソフトな内容ばかり


一安心と思ったのも束の間 直メは、かなりのお怒りモード。
「ゴルァァ~!浩之返事しろ!」

直メ出来るんだから イチイチGREEを通さなくてもいいものを・・・

なんとかグリーンさんの機嫌を取る事40分
怒りは静まり 普通に話せる状態になった。


「あたしさ 結構かまってちゃんだから ひょっとして浩之君に嫌われたのかなぁ なんて色々考えたんだよ」


まさか!憧れの人と直メ出来る状態になった訳だし 「そんな訳ない 俺グリーンさんの事&@#.%・・・」
肝心なとこが口の中でもごもごと

No.10

さて このさいだから思ったままを吐露しようか?悩んだ挙げ句出た言葉が「グリーンさんの生を聞きたい」
自分で恥ずかしながら送ったメール。

グリーンさんから「生をって・・・エッチな写メとかエロ系って事?」


まったく意味不明な返事に戸惑いながら 送信したメールを見れば、なんてこった(-.-;)

再び送信 「字が抜けてた。 生の声を聞きたいって事だよ」バタバタした展開になりつつも翌日 朝九時なら良いよとなり
目覚ましタイマーを不測の事態に備え三個掛けて寝る。

No.11

翌朝、「うぅ 良く寝た。爽やかな朝だ」
とはいかず 声が聞ける数年越しの願いが叶う それだけで興奮して寝れなかった。

九時に確認のメールをする。2分で返信が来る。
おじいちゃん おばあちゃん ご先祖様~ 亡くなった猫にすらすがる思いで
浩之は、男になります(そこまで大袈裟にしなくとも)
声を整えて いざ!出陣。

プップップップL'Arc-en-Cielの待ち歌が流れる。
「もしもし、グリーンです。浩之さん 待ってましたよ。何時来るかなぁって」

No.12

これが!夢にまで見たグリーンさんの声。もう心臓バクバク
「あの あのあのあのあのあの・・・」

俺は、何を喋りたいんだ!
格好良い出足にしたかったのに舞い上がってしまった。

「アハッハッ 浩之さん最高!面白いね」
彼女が笑ってくれた この場は、それでヨシとしよう。

「グリーンさん自己紹介なんか今更要らないよね。もう、そこそこ知ってるし」

「ん~でも まだ知りたい事あるし 浩之さんのいっぱい知りたい」
浩之くんから浩之さんに格上げされた事を気にしつつも

「確か 同じ県に住んでいたはずだけど グリーンはどこに?
「浩之さん ズルいよ 先に言ってよ~」

彼女の変哲もない会話ですら可愛く思え

「俺は、〇区だよ」

「え~そうなんだ。私 同県だけど〇〇市なんだょ。ねぇ 浩之さん いきなりだけどさ会ってみない? 互いの性格は判っているはずだし」

No.13

疲れ切った砂漠の中で、オアシスを見つけた時の感動に似た(多分)喜び。

「マジで?冗談だとかは通じないよ。本当に良いんだね?」
グリーンさん すかさず「うん あのサイトに居る時から絶対に会いたいと思っていたから」
会える会ってくれる。それだけで俺の股間は熱く・・・違った。胸は熱くなった。

No.14

三が日が、明けた4日に会う事が決まり

もちろんその間もメールを欠かさずして ちょっぴりの幸せを噛み締めていた。

至福の時を迎える俺に対して 近藤が電話をしてきた。

「俺もう駄目だ 生きている価値がねぇよ」


「どうしたんだ?俺は超能力使えないから 前後の流れを言ってくれないと判らんぞ?」

「忘年会の帰り 浩之達はどうした?」


「別にどうもしないさ 普通に送って さよならだよ」

No.15

面倒なので こちらから合いの手を差し伸べた。
「近藤は、ゆきえちゃんと何かあったのか?あんなに楽しそうに店を出たじゃないか!」


「うん・・・あの後さ べただけど公園に行かない?って ゆきえちゃんを誘ったら OKと指でサインしたんだ。それでさ その・・・話の流れで軽くキスしたんだよ」
(どんな流れなんだよ(-o-;))
「そしたら ゆきえちゃんが、抱きついてきて」


「ちょっと待て!お前が!!じゃなく ゆきえちゃんが?」


「だから ゆきえちゃんがって言ってるじゃん。それでさ ベロンチュウしたら ゆきえちゃんが濡れちゃったって・・・浩之 もう判るよな?」


判らん まったく判らん。大体ベロンチュウってなんだよ!

No.16

マジボケじゃない事を前提に聞いてみた。
「なぁ 近藤。ベロンチュウって何だよ?」


「舌をからませるキス。やった事あるだろう?ベロを絡ませるキスだからベロンチュウ」


「ディープキスの事か・・・ベロンチュウ頭にインプットしておくよ。それでその先はどうなった?」


「濡れたって言うから すかさず指をパンティの中に入れたら 確かにヌルッとしてさ もう俺のアンドレはMAXだよ」

・・・アンドレ?誰?
連れが居たのか?

No.17

「あ~あ もしもし近藤くん!アンドレって誰?」


「ゆきえちゃんのアソコ触ってヌルッとした。 俺のアンドレがMAXと話の流れから言えば 俺のポコ〇ンに決まっているじゃん!」

自分の息子に名前をつける人がいるってのは聞いた事がある。しかし、まさか我が友が、その1人だとは(爆)
「それで続きがあるんだろ?近藤が愕然とする何かが!」

少し焚き付けてやった。悪い俺だ。(笑)

No.18

「ゆきえちゃんに 誠心誠意を込めてパンティ下さいって頼んだら・・・馬鹿って怒って帰ったんだ」
(そりゃ 普通の感覚を持つ女性なら怒るさ)
「ベロンチュウもした パンティの中にも指を入れた それなのに何故パンティくれっと言ったら 怒るんだよ?訳が分からん」


正直に言う その時 俺は、近藤の思考能力が理解出来なかった。

No.19

近藤の嘆きを要約すると せっかくゲットしたメルアド 携帯の番号に拒否設定をされ 俺になんとかして欲しいと・・・面倒な事に巻き込まれなければいいけど(本音)

「よし じゃあ 博子ちゃんにも話して協力して貰おう。それで上手く行けば お前も明るい未来がやって来るはずさ なぁ近藤」

「浩之 やっぱり頼るべきは友だよな!それにしても年末の僅かな間だに お前大人になったのか?余裕があるよな? 何か良いことあった?」
(この近藤 本当にこんな事にはフルに頭が働く奴だ)

No.20

長年 直接話したかった人とGREEで繋がった事を話と

「浩之 すげぇ~ 人妻か?JKか? まさかJCは無いよな?」
近藤の会話を右から左へ流し 簡単に経緯を話した。

俺よりも、鼻息荒い近藤。まさかGREEで女漁りなんてしないよな? なんて危惧をしながら切り上げた。
さてGREEにでも行って 彼女にアクセスして見るか・・・ん~①時間前使用か・・・

寝ようかと思っていた矢先にグリーンさんからの直メ。
「浩之さん 今晩は。GREEでお願いがあるんだけどさ。私ね、GREEの中に彼氏が居るの 結構嫉妬深く・・・だから足跡も消すし 友達リンクは出来ないの」

俺は頭の中が??? 確か結婚はしていたはず それでGREEの彼?なんだこれ?

No.21

眠く閉じかけていた目が開く。「グリーンさん、旦那さん居るのは知ってたよ。彼って?」

何時も返信が早いグリーンさんにしては30分して来たメールが「夫とはね 性格や日常のすれ違いで もう何年もセックスレスなの おまけに彼方にも別の女の影が見えるし だったら私は私でと・・・そんな時 GREEの地域コミュニティーで出会ったのが彼なの。映画に誘われてその後 告白されて」


急展開に付いていけず されどGREEでの足跡が消される理由 友達リンクを拒否される理由がはっきりした。

No.22

「グリーンさん・・・俺は何なの?」
好意ある相手なら誰しも聞くだろうけど


「浩之さんの事好きよ。本当よ 出来るなら今の彼じゃなく あなたと先に繋がりたかった。せめて あと2ヶ月早く」

こんな事を聞かされて 冷静な判断が出来る時ならまだしも、俺は、グリーンさんの魔法にかけられ思考が麻痺していた。

「浩之さん 嫌な女だと思わないでね。寂しい 誰かに何時も側にいて欲しいの」

そのメールを見た瞬間に「俺が側にいる。絶対にグリーンさんの力になる」
それを送信し 気がつけば彼女とメールをして三時間。メールだけで三時間もするなんて思わなかった。

No.23

いつの間にか携帯を握りしめたままダウン。
年が明け 2日目の朝。
携帯を見るが、グリーンさんからの返信は無し。

妙な不安が押し寄せてきた。俺が送ったメール。そりゃ旦那が居て GREEの彼が居て 俺がいくら粋がって見てもピエロにしか見えないよな。はぁ~なんだこの気分は・・・


こちらの空気なんかお構いなく奴がメールして来た。
「浩之 かなり手を回してくれたみたいだな。ありがとう 博子ちゃんの説得もあり ゆきえちゃんまた連絡くれる様になった。これから四人で初詣行かないか?」

No.24

ア・イ・ツ・は!!!
そんな気分じゃないと返信しかけた瞬間 電話が鳴り

「お~い 着いたぞ ゆきえちゃんも博子ちゃんも居るから早く支度して」
(お前は、つい数日前まで 生きる価値が無いとか言って凹んでいたじゃねぇか(-_-#)


ぶつぶつ言いながら ハーフコートを着て 如何にも面倒くさいよって顔をしながら玄関を出た。


あけおめ~3人が声を合わせ近づいて来る。

まったく・・・しょうがないなぁ・・・
「近藤 本当は、お前 ゆきえちゃんと2人で初詣したかった?なんかそんな風に見えるのは、俺がひねくれてるからか?」

No.25

「浩之・・・ そりゃあんまりだろ(ToT) 俺は、お前も誘ってだな・・・ ゆきえちゃんと2人っきりで初詣行きたくないと言えば嘘になるさ。でも、そんなもんパーセンテージにすれば微々たるもんだよ」


「ほぅ~その%っての聞きたいね。何% ゆきえちゃんと2人で初詣したかった?」

何やらうつむき加減の近藤くん。
「だから微々たるもの 微々たるものだよ。あくまで何%か言えというなら 95%かな?」高笑いしながら言う近藤に思わず何かの秘孔を突いて黙らせてやりたくなった。

No.26

俺、実は初詣があまり好きじゃない。
新年早々 好き好んで人が混雑しているとこへ行く気がどうしてもしない。

先に歩く近藤とゆきえちゃんを見ると気が付けば手を繋いでいる。
驚いた顔に気が付いた博子ちゃんが「ゆきえにさ 近藤くんはマジあんたを好きなんだよ。本当に付き合いたいと考えているんだよ。女として嬉しいじゃないか あんただってまんざらじゃないのでしょう?」と言ったらすっかり機嫌を直しちゃってさ

忘年会の帰りにキスされたからといって 女の方から抱きつく
男はパンツに手を突っ込み秘部触る。何か違いますよね?


博子ちゃんの意見にまったく賛成であった。

初詣最中 楽しくしている三人とは裏腹に やはり気になるのはグリーンさんの事。
しかも、予定が上手く運べば、2日後には会っているはず・・・

No.27

夕方近くになると寒さも一段と増し そろそろおひらきにしようとなった。

博子ちゃんが開口一番「ゆきえバラバラに帰るけど・・・近藤くんと2人がいいなら一緒にいれば良いよ。でも、パンツの中に指を入れさせたらダメよ」
その台詞に思わず爆笑してしまった。


帰宅し夕飯を済ませ 部屋の中で携帯を握り天井を眺めていたら携帯が鳴った。
「浩之さん グリーンです。話出来る?昨日はメールの返信してなくてゴメンナサイ。深く考え過ぎて 4日の日 予定通りで良いかな?」

初詣の疲れもぶっ飛び「もちろんだよ。返信無かった時には、凹んだけどね。でも、また電話出来て嬉しいよ」

No.28

きっと本心から出た言葉なんだろう。
グリーンさんと4日の打ち合わせを念入りに調整。
絶対にドタキャン無し 4日は丸1日空ける。その約束で電話を終えた。


朝の気だるさが嘘の様に 早く4日が来ればどんなに幸せか・・・この時は切に願った。


買い物して外食してカラオケして それから それから・・・どうすればいいんだろう?
もし、グリーンさんが・・・

浩之は邪念を払うかの如く部屋の中で大きな声を出した。


やがて4日の朝が来た。日付は黙っていても進む
待ち合わせが、あの駅なら車で行くよりは地下鉄で行った方が早いな。
時間の40分も前に到着。


互いに写メを交換してはいるが、これだけの人混み上手く見つかるだろうか?

目を凝らしながら探していると1人の女性が此方に近づいてくる。
「初めまして 浩之さん。なんかメールや電話と違って変な感じだね」
グリーンさんの微笑みに心を鷲掴みされたのかも?


可愛い 全然写メよりも可愛い それ+女の色気もムンムンに

No.29

サイトでの印象と実物が違う事は、よくある話だ。しかし、この可愛さ すれ違う男がみな振り返る。


「グリーンさん 確か俺と同学年だったから3〇歳だよね?」

「うん そうだよ。でもね浩之さん女性に向かって露骨すぎるなぁ」
笑いながらのしかめっ面。これもまた最高。


直接会って話すのと電話ではやはり違いすぎる。
買い物最中は手を繋ぎ どこから見てもカップル。イオンモールの中を散策し適当な店で食事を済ませる。


モール内のゲーセンで2人ではしゃぐ
疲れきってベンチで休み またブラブラと歩く。
デートって やっぱりこんな感じで楽しくないとなぁ 元彼女には悪いけど あの海遊館はちょっとなぁ・・・

No.30

今のところアクシデントも無く 頭で描いた通りだ。
「グリーンさん 約束していたカラオケ行こう。プラネタリウム歌ってくれるって言ってたよね」


「したね そんな約束したよね。あのサイトの中の約束 それも何年も前に」

「浩之さんは、GLAYとL'Arc-en-Ciel一曲づつね」


単純に楽しい時間を過ごしたい 歌を歌いストレスを発散したい そんな風にしか思ってなかった。
それぞれが持ち歌を尽くし あまった時間を会話に廻すまでは・・・


「私ね、旦那と別れようと思うんだ。もう無理だし。だからGREE彼とエッチした時も中出しして妊娠でもすればと思ってた。幻滅でしょ そんな女。浩之さんから見れば淫売と言われても仕方がないよ」


潤んだ目が魔力を放つ。グリーンさんの方を見つめる俺

No.31

彼女を慰める事で精一杯だった。俺の知る限りの言葉を投げかけ それでグリーンさんが喜んでくれるなら・・・


「浩之さん サイトと同じで実物も優しいのね。浩之さん 私を女として見れる?」

カラオケボックス内がいくら証明の関係で薄暗いからといって あんなに至近距離で スカートを上げ股を開けば普通にパンツは見れる。

ドキドキしながらも冷静を装い「グリーンさん 防犯上カメラが付いてるし ちょっと外に出て それから考えよう」
一昔前の俺ならその場でやっていたかも知れないが・・・

今は妙に冷静だ。

外へ出ると八時を少し回った位なのに極端に人通りが少ない。会社もまだ冬休みのとこが多いのだろう。


「グリーンさん どこが行きたいとこあるなら連れて行くけど」


「浩之さん 私、車で来てるのよ。あなた市内だから地下鉄や在来線で良いけど 私は交通機関が不便だし お酒は飲まないから飲酒の心配もないし だから車で来たのよ」

嫌じゃなかったら車のなかで話をしようと 明らかに誘っている。それを断れないヘタレな俺。

No.32

今日は、ヤレるかもしれない こんなんで良いのだろうか?の葛藤がめまぐるしく頭を駆けめぐる。


彼女が運転する車の助手席に乗る。外の寒さから逃れ 車内の暖房が安らぎを与えてくれる。

民家がまったくなく車が通らない川沿いの道に駐車をして話の続きが再開となった。
「浩之さん さっきビックリした?私 色気無い?」


「グリーンさん 触りたい気持ちはあるよ。さっきのパンツも頭に焼き付いて 股間が痛いくらい膨張しているし」


車内 キスをしてしまいグリーンさんの胸を触る。彼女が小さく声をだす。
我慢出来ずに 下着の中に手を入れる。
中指で優しく触ると グリーンさんの息が使いが激しくなる。

No.33

「浩之さん このまま しよっか?」グリーンさんの瞳は潤んでいる。頬が少し紅潮しているのか?赤い


「グリーンさん その・・・エッチするつもり無かったからコンドームとか持ってないよ。」

「浩之さん 私と一緒になるの嫌?避妊しないと嫌? 私は中に出して妊娠しても良いよ」
ヤケクソとも本気とも取れる。
指で秘部を触り続け 喘ぎ声が大きくなった時
これじゃ近藤と変わらん。これ違うよな うん!やっぱり違う。
「グリーンさん その・・・キスして アソコまで触って こんな事言うの可笑しいけど 何か違うよ」


「旦那さんは離婚するとしても、GREE彼の立場はどうなるの? 俺とGREE彼 天秤に掛けているんだよね? グリーンさんが、旦那と別れた。GREE彼と別れた。それで俺を選ぶと言うなら歓迎するよ。でも、今の状態は腑に落ちないよ」

No.34

グリーンさんが、顔を窓の外へ向けながら言った。
「旦那とレスになった時 初めはオナニーでも十分だった。でもまだ30代 女でいたい。誰かに抱かれたい 激しく後ろから突いて欲しい。そんな欲求が高まれば、高まるほど 旦那への愛情もなくなり 快楽を求めるようになった」
何かに取り憑かれたかの様に・・・1人で話す。

「浩之さんの言う事は間違ってないよ。正しい でもね・・・抱いて欲しかった。今日は、最初からそのつもりだった」
俺は、サイトの中のグリーンさんしか知らなかったと改めて知った。

No.35

その後は無言のまま 自宅まで送ってもらい
ベッドの上で抜け殻みたいになり放心。

流石に今は、誰とも接したくないな。
黙って 携帯の電源を落とし 電気もつけず 今日あった1日を振り返った。

グリーンさん・・・どこまで本気だったのだろう・・・
俺は、グリーンさんの事 何も知らなかった。

車の中での行為
俺が、知ってるグリーンさんじゃなかった。
考えていると 自然と瞼が閉じてきた。
やがて 本年初出勤の朝を迎える。

No.36

疲れ切った俺とは正反対に
近藤は何時も通り ほっぺたにコラーゲンたっぷりの顔。


ゆきえちゃと博子ちゃんの顔も変わりない(2日の日に会っているからすぐに変わる訳ないか)
早く 新年の挨拶終わらないかな~部長まで挨拶するのか?

はぁ~とため息が出た瞬間だ。正月休み明け 忙しさも手伝い グリーンさんの事を5日くらい忘れていた。

仕事も一段落ついて連休の日にGREEへ行ってみた。するとグリーンさん 退会。
あら~ GREE彼と何かあったかな?


こんな時直メ出来るのはありがたい。

No.37

彼女にメールをする。何時もと変わらず
早くリターンメールが来る。


「浩之さん GREEの事聞きたいのでしょう?」悪魔の笑いなのか?意味深な笑い方をする。


「うん びっくりしたよ。グリーンさんの誘導でGREEへ行ったものの その当人が退会してるから」


「GREE彼が色々と焼き餅やくし それに彼との事 もう少し真剣に考えようと思って 旦那とは2月に離婚する事が決まって 後は財産分与だけなんだよね」

なんとまぁ 早い行動だ事。


「そうなんだ・・・グリーンさんはグリーンさんらしくが一番だよ。旦那と別れて 精神的にきついだろうけどさ GREE彼と相談しながら未来を決めていけば良いよ」
この台詞を言えるのも 車での中のエッチな行動が、最後の一線を超えなかったからだろう。

No.38

「浩之さん ごめんね。なんか天秤にかけたりして あなたの言葉で気が付いて あやふやなままだと 浩之さんもGREE彼も傷つけてしまう。だから 今は自分の気持ちに正直になりGREE彼を選ぼうと思う」


「そうだね 俺も、その方がグリーンさんと何時までも友達でいれる感じがするよ」


それから籍は入れてないけど GREE彼と結婚を前提に同棲が始まったとグリーンさんからメールが来た。

-前編終了-

(おいおい 前振り長いんじゃないの?もっとコンパクトに 後半俺の出番あるのか?)


(近藤 お前誰と喋ってるのだ?)    (゜∇゜)

No.39

-後半開始-


グリーンさんからの一件から数ヶ月が経ち
GREEにも馴れてきて 日記を書いたりコミュニティーに参加したり そこそこ暇つぶしにはなっていた。

もちろんグリーンさんとも、メールや電話をしたり交流はある。
グリーンさんのエロメもたまにあるが、極力乗らないようにしていた。
1つだけ違うのは、もう会わないって事かな・・・
グリーンさん、それがやや不満みたいだけど 彼氏が居る人とデートするってのもね・・・なんか変だと思う。


1月中旬から5月までの事を話せば、近藤は、ゆきえちゃんと着いたり離れたりを繰り返しているみたい。

ゆきえちゃんは、資格マニアだったみたい(初めて知った)
普通二種免許とリフトの免許を取りたいらしく 二種免許はもっか自学通い。

博子ちゃん 2月に義理チョコを渡され きらくな気持ちだったが実は、半分は本気だったと俺に告白する。

No.40

「浩之~俺もGREEに登録したぜ。これでより友達の幅が広がるってもんだ」

近藤よ ゆきえちゃんに気を使わないと知らんぞ~

会社が終わり 深夜にアクセスするパターンが定着。友達リンクも増え 疑似的に恋愛も体験した。

そんな中 コミュニティー内で1人の女性と何度か話す機会があり やがて足跡をつけてくれる様になった。
プリンちゃん 俺よりもかなり年下だ。
話をし 友達リンクをしてくれた。

No.41

プリンちゃんが元彼と別れた季節
俺が、元彼女と別れた季節がたまたま重なったのも話が弾むきっかけになった。


「浩之さんは、名前のまんま登録したの?」


「意図的じゃないけど 誘導されて登録時 ゆとりがなかったし 何よりも、最初の目的を果たしたからGREEは、さっさと辞めるつもりでいたのさ」


事実、クリノッペや釣りは一回もした事がない。

No.42

プリンちゃんとの会話。退屈な毎日に変化をもたらすには十分であった。

だが、それはGREE経由での話。
万が一 どちらかが何かの理由でアク禁になったらそれでアウト。

それを回避の為にも、私から動いた。
「プリンちゃん、アク禁になったら せっかく仲良くなったのに寂しいよね。良ければ、アドレス交換しない?」
(当時のGREE 規制は緩かった)


返事は、思いの他早く「ですね~ 2人共きわどい事を書いているから 可能性がありますよね~ 良いですよ」

グリーンさん以来のときめきであった。

No.43

GREEに在籍日数が増えれば、当然の事ながら友達リンクも増え
仕事が終わるとすかさずGREEにアクセスする日々が続く。

そんな時 我が悪友の近藤から電話がやってきた。
「こんな太った俺でもさ 熟女をゲットしちゃったよ。同じ県内で まさか会えるまで漕ぎ着けるなんて思わなかったよ」


「お前 ゆきえちゃんはどうなった?好きなんだろう?二股なるのはマズいじゃん。天罰が下るぞ」


しかし、今の近藤に何を言っても有頂天になり聞き入れられなかった。

No.44

他人の恋沙汰に首を突っ込む事は本来好きじゃないけど
内心 熟女とはいえ上手くGREEを使いこなしている近藤が羨ましい気分だ。

GREEに来始めてどれくらいした時だろう?日記やコミュニティー内である文言が目に付いた。

最初は、そのモーションに気がつかず 周りの友達リンクしている人から「プリンちゃん ひょっとしたら浩之さんの事好きなんじゃない?」
何人もからもGREE経由のメールで言われ
気をつけて見れば なるほど如何にも気が有りそうな書き込みばかりだ。

1つ誘いに乗ってみるか?と好奇心が掻き立てられる。

No.45

GREEに行き証拠を集め(二流の探偵みたい)準備万端。
さて どこから切り口にしようか・・・
と思慮していた時にプリンちゃんから直メ。


「今晩~浩之さん何をしてますか?今日も1日お仕事ご苦労様でした」

「プリンちゃん お疲れ~プリンちゃんGREEはGREE。直メは直メで改めて自己紹介しない?」

良いよ~と返信が来たものの こちらの出方を見ているのか?それ以後のメールまで30分待った。

No.46

ふむ~やはりこちらの出方を伺っているとみた。
ならば、虎穴に入らんば・・・GREE馴れしてきた俺ではあるが、情報を小出しにするか?一気に出して 相手からも引き出すか・・・
無い知恵を絞っても仕方ないから 当たって砕けろの精神。

実は、この投げやりな考えが新たなパートナーを得る一歩になるとは、この時予想すらできなかった。

「プリンちゃん 俺は〇〇県に住んでいるよ。趣味は空手とかプロレス観戦 格闘技大好き男・・・」

No.47

好きな食べ物や音楽 座右の銘とにかく思いつくままをメールした。
すると「沢山教えてくれてありがとう 私は〇〇〇県だよ。ちょっと遠いね。私の趣味は・・・」
ほぼ、オウム返しに近かったがより彼女を想像しやすくより親しみを感じた。
「プリンちゃん 気になる事があるんだけどさ 聞いていいかな?」


「何でも聞いて~ 私も浩之さんに聞きたい事がまだあるし」

「GREEの日記や伝言板にさ なんか・・・思わせぶりというのか 気があるみたいな書き込みを多々見たのだけど あれは?」


「あれは・・・あれは・・・冗談半分 本気半分」

メールは記録として残るけど ここは、やはり音声を聞きたい。電話すると 即座に出てくれた。


「プリンちゃんごめんね~いきなりさ。文字だと誤解が生じたり 読み手の受け止め方一つでややこしくなるから電話したんだよ」

プリンちゃん、私が電話してくるのを予測していたらしくスタンバイしていたらしい

No.48

「電話苦手だけど 浩之さんからなら我慢できるよ。聞きたい事 まずは浩之さんの問いはね・・・やっぱり私が先に質問してからにする」
メールと違い音声のプリンちゃん 何時になく積極的。


「浩之さん あのね。友達リンクしているAさんの事どう思っているの?」


「どうって 友達リンクしたまんまの感じだよ。普通に仲良くしてくれてるし」


「え~っ それだけかな?私が思うにAさん 浩之さんの事が好きなんだと思うよ」


「そりゃないよ絶対 Aさん人妻だよ。旦那さん一筋」
プリンちゃん なおも食いつく。

「だってさぁ 普通に仲が良いだけには見えない 私は面白くない!」

No.49

どうしたのだろ?大人しめのプリンちゃんにしては、なんか声のトーンが高い。

「プリンちゃん、なんでそんな事が気になるの?本当にただの友達だよ」

しばらく沈黙が続いた後に
「だって 私の浩之さんと仲良すぎる」


私の?彼女は今私のと言ったのだろうか?
「プリンちゃん、俺の事好きなの?さっきのメールでは、気のある書き込みは、冗談半分 本気半分って・・・」

ふぅ~と携帯越しにため息が来たかと思うと 短く「うん」の一言。

「浩之さんは私の事どう思っているの?本当に今 付き合っている人はいないの?」

No.50

お腹を空かせた犬が、待てを出来ない状況に似てるのか?即座に
「いるわけ無いよ 別れたよ。性格の不一致よりも、あちらの環境に着いていけず」
この台詞を言ってる最中 ひょっとしたら遠距離恋愛が始まるのかな?なんて思ったりして

「良かった~さて 浩之さんは私に何が聞きたいの?」

何と言われても、本命の質問はプリンちゃんの方が勝手に答えてくれた訳であり さて何の話をしようか・・・

「プリンちゃん 俺とどうなりたいの?俺が、GREEで女の人と話しているとイラッとするんだよね」

「私は、彼女にしてほしい 私と付き合ってほしい。彼女にしてくれるなら 私の立場を確立してくれるなら 他の人と仲良くしてもイラッとはしない だけど私とも友達のままでというなら」

No.51

次の言葉が、まったく予測も出来ず 彼女の言葉を待つと

「彼女にしてくれないなら 泣く。今 この電話で泣く 女性が勇気を出してコクったのに 振られたら情けないから泣く」
感情の起伏が激しいのだろうか?
「プリンちゃん まだ振った訳じゃないし 泣かなくていいよ。こんな俺でよければさ 遠距離恋愛になるけどスタートしてみよいか?」

やや暗めのプリンちゃんの声が明らかに変わった。
兎にも角にも、俺にも彼女と呼べる人が出来たのである。

「プリンちゃん 1つだけ確認。バツイチでも 子持ちでも構わないけど まさか主婦じゃないよね?不倫はちょっと・・・過去に色々あって」
グリーンさんの事が頭に浮かんだ瞬間 とっさに聞いてしまった。

「大丈夫 子供もいない バツイチでもない 結婚した事すらないよ。前の彼氏がね 熟女に行ってしまって だから浩之さんと交際できるなんて また生活に張りが出来ました。ありがとう」

電話が終わり 不思議な思いが芽生えた。なぜか?近藤に連絡しなくちゃ・・・

No.52

近藤は会社に行けば会える だからと言って彼の存在を忘れた訳では無いと 言い訳しておく。

金曜日に出社した時 ほっぺたツルツルの近藤が自ら此方へやってきた。


「明日の土曜日にさ 熟女と会ってくるよ。何かお土産いるか?」
なんだこのノリは?


「近藤 お前テンション高いけど気をつけないと不倫の賠償とか請求さるたらどうするんだ?」


「土曜日 会うのが初めてでメールと電話したら不倫なるのか? 俺がモテるから嫉妬か?」

コイツが振り向いた瞬間 拳を握り後頭部目掛けて正拳突きをしたくなった。しかし ここは落ち着いて

「なぁ 近藤。俺もさ実はGREEで彼女が出来たんだよ。」去り掛けた 近藤の足が止まる。


「何?どうやって?」


「うん あちらが俺と付き合いたいって」

No.53

彼に今までの詳細を話したら
コメカミがピクピクと
余程悔しかったのだろう。


「しかし、浩之 相手がそれだけ遠いと毎回会うのには一苦労だな。その点 俺は車で20分。ようやく俺にもモテ期が来たよ。浩之も頑張れよ」

コイツの言葉 どこまで正気なんだろう・・・近藤の事は、俺も詮索せず放置する事にした。

プリンちゃんと遠距離恋愛が始まった実感は湧かないが、遠くでも 彼女が居るって事だけで気持ちにゆとりと毎日の生活が楽しくなっていた。

No.54

遠距離恋愛ながらも 付き合い初めて数ヶ月。俺の誕生日にはたくさんのプレゼントをくれた。
何か一つでは無く これから冬を迎えるにあたってのアイテムたくさん。つまみやおかし 入浴剤等の雑貨品(地方から大学進学の為に出てきた 息子の様な気分だ)

さっそく電話をする。


「プリンちゃん 誕生日プレゼントありがとう 箱の中を開けたらたくさんの愛情を感じたよ」


「喜んでくれて嬉しい。私の誕生日は来年になるけど・・・待ち遠しいから クリスマスプレゼントが欲しいなぁ」


俺は躊躇する事無く「うん 張り切って選ぶからね。楽しみにして」

電話をしている時 メールをしている時 本当に幸せを感じていた。

No.55

仕事も秋から冬にかけ繁忙期を迎えたが、プリンちゃんとのやり取りは毎日続いていた。

つきあい始めた当時は、毎日の挨拶や何気ないメール(10通?)果たして続くのだろうか?と考えていたが、やり始めれば以外となんて事は無い。

むしろ この毎日が途切れた時どうなるのだろうと不安が一瞬よぎった。
だが、そんな不安が消し飛ぶ嬉しい話が出た。

「浩之さん 年末年始はどうするの?」


「プリンちゃん 俺、地元に帰省するよ。三年くらい帰ってないから プリンちゃんはどうするの?」


「私は・・・暇だし 地元から出た事がないから帰る場所も無い。正月 浩之さんに会いたいな 会ってギュッとして欲しい」

遠距離恋愛でも、何時かは会う日が来る。それがこんなにも早く来るなんて思わなかった。

No.56

2人の取り巻く環境が、急速に動き始めた。

プリンちゃんからのメールでは、三日間予定を全部 俺に合わせるからスケジュールを決めて欲しいと。

電話をする様になって 携帯料金が倍になろうとも プリンちゃんとの会話を楽しみ 声を聞ける嬉しさから高いとは思わず むしろ毎日の電話で良く話す事があると 我ながら会話のバリエーションに驚く。

今日はホテルの予約と三が日の予定を電話で話す日


「プリンちゃん 俺、実家に泊まらず プリンちゃんと一緒にホテルに泊まろうと思うんだけど・・・」


「けど なぁに?」

欲望のまま はっきりと意思を示した方がいいのか?お茶を濁した言い方がいいのか?頭の中のCPUは高速に計算していた。
前回の自己紹介を思いだし ズバリ直球勝負に出てみた。

No.57

「う~~ん ほら もう、ただの友達じゃないし観光ホテルの予約・・・ツインじゃなくてダブルでもいいのかな?なんて思ってさ」


「うん いいよ。つまりあれでしょ ダブルだと一つのベッドだし 同じ部屋に泊まるって事は、エッチも・・・なんだよね?」

ズバリ言う女性だ(笑)


「じゃあ 全てに了承という事にして 話を進めるね」


この時こそ 早く2ヶ月後になれと願った。

一方 近藤からの久しぶりのメールにびっくりした。
内容は、熟女にハマって 真剣な恋に発展。

やっぱりな・・・あれだけ注意したのに

No.58

プリンちゃんに夢中になり 近藤と久々の電話に妙な緊張が走る。

「プライベートでは忙しいみたいだな 浩之」

開口一番がこれなのかよ(笑)


「おぅっ!毎日楽しくはしているよ。お前のこないだの連絡 あれなんだよ?詳しく教えてくれよ」


彼の話をまとめとめると GREEの年齢は嘘で実際は、40代後半の熟女。旦那さんとは協議離婚中で 寂しくて年下の彼氏でも見つかればと思っていたとこに近藤と知り合ったらしい
あったその日に合体。近藤は、ゆきえちゃんが居ながらGREE熟女と・・・
プリンちゃんと付き合う前の俺なら 絶対に近藤をおちょくるメールを頻繁にしていただろう・・・

No.59

冷やかし半分で、近藤のGREE熟女を見聞。友達リンク以外は書き込めなかった。

次の朝 近藤から「浩之 俺の彼女のとこに足跡残っているぞ!偵察に来たのか?」


はい まったくもってその通りです。だけど 俺の彼女って・・・ まさか本気なのかな?
彼が、まったくのフリーなら問題ないが、ゆきえちゃん 知ったら激怒するだろうな。


一方 俺の方はプリンちゃんと会う為の計画が練り込まれ 毎日のメールと電話が日常になっている。


よくも 毎日毎日話す事があるものだ。
電話が苦手と言っていたプリンちゃんも、今じゃ免疫が出来たのか?
電話を楽しみに待っている。

No.60

季節が瞬く間に駆けめぐり GREEに登録して1年が過ぎた。
昨年は、誘われるがままに登録し右も左も判らないままだった。
グリーンさんとの事が、今年1月の事だなんて振り返ってみても時間の経過を早く感じた。

あと数日後には帰省先でプリンちゃんと会える。声や写メとは違う リアルなプリンちゃん まだ4日もあるのに 今から興奮して大丈夫か? 自分自身をを戒めた。

今日は、今年最後の出社。大掃除が終わると納会 その後はお決まりのパターンで奴等と忘年会。


近藤が、ゆきえちゃんのパンツが~と騒いだ去年。今年も何かあるのだろうか?他人事なのだろう 事件が起きる事を期待する自分がいた。

No.61

忘年会と言っても昨年のメンバー4人のまま。気心しれていたから楽ではあったが、近藤が放った一言が、場の雰囲気を壊した。

「浩之がさ~GREEで彼女を見つけて遠距離恋愛中なんだよ」
すかさず 博子ちゃんが反応。
「あっ!やっぱりそうなんだ。夏ぐらいから 日常が充実してますってオーラが出ていたから」

別に隠しているつもりは無かったが・・・博子ちゃんの俺を見る目が冷ややかになった・・・のか?

近藤くんよ、男のお喋りは嫌われるぞ!
イタズラ心満載の俺も反撃する。

No.62

ゆきえちゃんの反応を見ながら「近藤は、どんな1年だった?お前も確かGREEにいるよな?ゆきえちゃん以外の異性と仲良く出来た?」
話をGREEから逸らそうとする彼の姿を見ていると滑稽だ。
自分から災いの種を蒔くなんて
ゆきえちゃん 黙って近藤を見る。
視線を合わせない近藤。

気まずい空気のまま終わる忘年会。

話題を振ってきたのは、彼だとしても、後味が悪い今年最後の集まりだった。

No.63

忘年会からのただいまメールをすると即座にプリンちゃんから電話が来た。
「浩之さん いよいよカウントダウンだね。ホテルの予約取れた?新幹線の切符?」


遠距離恋愛 最初はどうなるかと思っていれば、今の信頼が続く限り問題は無い


「プリンちゃん 抜かりは無いよ。〇〇駅に朝10時ね。予定を立てているだけで楽しくて 実際会ったら どこまでテンションあがるのか?ワクワクだよ」


会社が冬休みの間 プリンちゃんとの電話 メールは欠かさなかったが、それ以外は決して規則正しい生活をしていたとはいえない。

No.64

そして ついに待ちに待った約束の日。緊張であまり寝れず 車内で仮眠程度は出来たが・・・睡魔を上回る会った時の感激が俺を支えた。
地元に帰って来るのも久しぶりみんな元気でいるのだろうか?自宅に無事帰省出来た事を電話し

プリンちゃんに貰った写メで確認しながら探す。5分後 それらしき人を発見 電話をかけて見ると携帯を取り出す女性がいた。

小走りで近寄り「プリンちゃんですか?浩之です」

写メより絶対に可愛い そんな思いが、俺を有頂天にした。

「浩之さん 初めまして プリンです。楽しい3日間にしようね」

駅で、ずっと立ち話をするのも不自然
時間を少し潰し ホテルへチェックイン。

No.65

俺も、近藤と変わりない獣にならない為に理性で必死に押し留めた・・・が・・・


「私、ラブホじゃないホテルって 大人になって一回も無いのだからウキウキしちゃう 浩之さんは?」


「俺は出張馴れしてるからビジネスホテル位なら普通に泊まるよ。ただ、初めて会うのに狭い部屋もちょっとね。だから 少し頑張ってグレードの高いホテルを予約したんだ」
俺の台詞が言い終わらないうちにプリンちゃんが「浩之さん 約束のギュッは?してくれないの?」


しない訳がない むしろ歯止めが外れ暴走してしまったら・・・
そればかりを考えていた。

No.66

チェックインし 荷物を下ろす。腰掛ける事無く 立ったまま優しく抱きしめる。シャンプーの香りが彼女の色気をより引き立てる。


しばらく抱きしめあって 自然な成り行きでキスをした。


「プリンちゃん 感激してヤバい 心臓がバクバクだよ」

彼女の顔 薄くピンク色になっていた感じがする。目を潤ませ「友達じゃない 恋人なのだから 今回の初デートで初キス 初エッチ有りでも構わない でも、今はお腹が空いた」

どちらからともかく笑い 外食をしようと2人の意見が合致する。


地元の美味しい物を食べさせようと張り切るが、神様のイタズラか?施設全体が改装工事。

そんなバカな!小さく呟く俺を見て彼女は笑う。

No.67

気を取り直しうろちょろし 予定を観光の後に食事。


俺が、遊んでいた場所や小学校 親友の家に行ったり 良く歩いたものだ。

そして 小学生まで結構遊んでいた神社で初詣した。
初詣 元彼女と行って以来三年ぶり その時は大した願いも無く正月の行事を体験 そんな程度だった。

だけど 今年は違う。神様 仏様 誰でも良い。こんな俺でも、人並みの幸せを下さい。


「プリンちゃん 何をお願いしたの?」

彼女は、やや照れ気味で「浩之さんと会わせてくれてありがとう ずっと2人が幸せでいられます様に」


私も、彼女も願う先は同じだった。

No.68

正月にランチタイムというのも変だが、昼ご飯を食べる時間帯から約1時間半過ぎていた。

大型施設の食事をするエリアも、そんなに並ばなくて良いと浅はかな考え。

そこは、やはり正月休み。軒並み並び 帰省したらあれを食べよう これを食べようと考えていただけに 郷土とはまったく関係ない洋食店に入った。

食事の後 店舗内を見て回り 彼女がとっさに私の手を掴んだ。
「こんなに混雑していると迷子になっちゃう。浩之さんの手 冬なのに温かいね」

テレビのドラマや映画で見るシーン まさか自分が体験出来るなんて まったく心の準備をしていなかったから ややぎこちない動きながらも、しっかりと手を握る俺だった。

No.69

施設を散策していただけなのに三時間経ち 外へでれば暗かった。ホテルへ戻った時には19時を回っていた。
部屋に入れば 気疲れからか 即座にベッドに腰掛ける。テレビを点け彼女と笑いながらテレビを見ていた時に

「浩之さん キスして そして・・・」
その後の言葉を言い終わる前に唇をキスで塞ぐ。

俺は、2人でシャワーを浴びようと考えた時に・・・お腹がなった。
「可笑しいな 五時間前に食べたのに・・・」恥ずかしさを言い訳でカバーしてはみたもののプリンちゃんは
「エッチは後からのお楽しみ 大都市の駅なんだし 食事するとこ沢山あると思うから外食してから続きをしようね」

頭の中はスケベで一杯(三十代健康な男なら当然だろう)
しかし、体は色気よりも食い気を優先した。

No.70

俺は、自分が知謀者とか英雄なんて思わない。必死に頭を働かせる俺でも、一つの誤算があった。
そう今日は正月。大体の店が夜の八時で閉まる。正月の夜に外食する経験が久しくなかったからすっかり忘れていた。

「プリンちゃん ごめんな。こんな予定じゃなかったんだよ。三が日 店が早く閉まる事を忘れてたよ」

必死に食事出来る場所を探す。なんだよ 吉野家ですら八時閉店か!

「浩之さん 私は楽しいよ。あなたの事、冷静沈着って感じがしていたから 焦っている浩之さんの顔を間近で見れて」

我ながら大失態。おまけに雪まで降ってきた。なんだ このどか雪は!


結局 店は見つからず。コンビニで飲み物 お菓子 弁当を買いホテルへ戻る。

No.71

2人でテレビを見ながら食事を終えた時には22時を過ぎていた。
今日 1日の疲れが早くも押し寄せてきた。


プリンちゃんに2人でお風呂に入り イチャイチャしたい事をストレートに伝える。

微笑みながら頷く彼女。

なんだか新婚みたいな気分が味わえる。体を全部洗ってくれて先に浴室から出て待つ俺

彼女が上がり ドライヤーで乾かす姿を見ているだけで 俺のあそこは興奮状態。

ダブルベッドで激しく絡み いざ挿入って時に・・・コンドームが無い事に気が付く。
ラブホだったらなんの問題も無い。
しかし、普通のホテルに置いて無くて当然。


「浩之さん・・・私の事大事にしてくれる?絶対 捨てたりしない? この事を守ってくれるなら避妊具無しでもいいよ」

No.72

生でエッチが出来る?うそっ?頭で考えるより彼女の問いに頷き 理性も知性も吹き飛び

一匹のオスが、メスを食らう。そんな表現がピッタリな激しいセックスだった。

朝になり カーテンを開き 外を見るが、同じ高さに別のホテルの部屋があり 風景もあったものじゃない。
さて 今日はチェックアウトしたら 親友を交えての昼ご飯。そんな段取りを頭で描きながらプリンちゃんの寝顔を見る。


なんて可愛い寝顔なんだ。寝返りをうった時 急にムラムラが来た。寝るまでに3回もしたのに 我ながら元気だとにやけた。

No.73

ベッドに潜り込む。寝ているプリンちゃんも、感じたのか?声が出て ついには起きてしまった。

「浩之さん あれだけしたのに また大きくなったの?もう 朝から好きなんだから」

前戯もそこそこにパンツを脱がさず 少しずらす感じで挿入しかけた時

「浩之さん 待って お願いだから待って」


「プリンちゃん 無理だって もう理性なんか無いよ~」

「違うの カーテン カーテン閉めないと私達がエッチしているのが向かいのホテルから丸見え」

自分で開けたカーテンなのにマヌケな俺。
チェックアウトまでの数時間 性行為をする為だけのオスとメスであった。

No.74

一戦交えた後 時計を見ればチェックアウト40分前。
2人共 慌てて支度をする。幸いにも親友との集合場所の駅は、このホテルから歩いて数分。
初めて彼女を紹介する。プリンちゃんの顔も緊張している。

「やぁ!」
後ろから声がする。親友の小林だ
幼少の時から一緒に連んでいた。お互いの長所 短所を知り尽くしている。

「浩之 久しぶりだな。何年ぶりの帰省なんだ?」

「3年ぶりかな?まさか彼女付きで会えるなんて思わなかったよ。隣にいる女性 プリンちゃんだよ」

緊張の中 笑顔を作るプリンちゃん。

「浩之さんから聞いてます。長年交友のある大事な親友がいると」

No.75

会話が弾む中 食事をする事にした。
「戻ってきて 何を食べた?」
小林の問いに
「実は・・・オムライスとかコンビニで済ませたり 帰省したら色々食べたい物があったけど 俺のミスで・・・」

ならばと言う事で その土地の郷土料理を食べる事になる。

彼女を含め会話が盛り上がる。俺と小林の旺盛な食欲にびっくりのプリンちゃん。
級友との再会が帰ってきて良かったと認識させる。

「浩之 この後はどうする?俺は奥さんの実家に顔出さないといけなくてさ~」

「気にする必要はないさ こうして出迎えてくれるだけでも嬉しい。この後プリンちゃんと2人で実家に行くつもりだ」

まだまだ一緒に居たいが、個々の事情がそれをさせなかった。

No.76

親友と別れ 電車で実家に向かう。
「プリンちゃん 本日のメインイベントだね。心の準備大丈夫?」

プリンちゃんうつむき加減で一言
「多分・・・」
これ以後喋らなくなった彼女。相当なプレッシャーなんだろうと推測。

我が家に到着すると玄関でプリンちゃんが、固まる。

「トイレに行きたい」

極度の緊張が体調に変化をもたらせたのか?
ただいまのドアを開けるなり

「お母さん トイレトイレ トイレ貸して!」
プリンちゃんに場所を教え 駆け込む彼女。
トイレから出て来た彼女に我が家の家族を紹介。

「初対面でいきなりトイレに行き 失礼しました。昨年より浩之さんと付き合ってます。プリンちゃんです」
しっかりとした自己紹介に満足な母。
妹と母が料理を振る舞ってくれる。その間に甥っ子2人の相手をする。

No.77

俺には子供が居ない 結婚もしていないから当然なんだが、子供の遊び方なら任せろ。

幼児2人くらいどって事無いさ・・・この30分後 自分の発言が間違いだった事に気が付く。

妹が助け船を出す
「ほ~ら 2人共。お兄ちゃんも彼女さんも疲れているんだから いいかげんにしなさいよ」
されど小悪魔2人の攻撃は止まず。遂に妹の爆弾が落ち 仕方なく食事へと移行(まったく やれやれだ)

母と妹の手作り料理を食べたプリンちゃん。
「これ お店に出してお金取れますよ」
その発言に私を含めみな頷く。

我が家は、祖母 母 妹と料理の腕がずば抜けている。
もちろん 本人達の努力によるとこが大を占めているけど。

No.78

食事を終えたちびっ子2人 コンビニで買い物しようと誘ってくる(キミ達の魂胆はミエミエ だけど三が日だし誘い乗ってやるか)

彼女は部屋に残るとの事。男だけで いざ出陣。
コンビニへ入るとちびっ子2人は店員と顔なじみみたいで気軽に話してる。
お菓子にジュースにアイス 普段は妹の顔色を伺う感じなのに 今日ばかりは違う。

俺も父親気分。「好きなだけ買っていいぞ お金は任せろ!!!」
そのかけ声に反応する2人。
会計時に苦笑い。まさか お菓子類だけで4千円超すなんて・・・

2人はルンルン気分 ドアを開け チビ2人の大量を見た瞬間 妹が鬼になった。
「あんた達 お兄ちゃんにねだったでしょう!もう~ そんなにたくさんのお菓子!かしなさい!」

チビ2人は俺に助けの眼差しで言う
「違う 浩之おじちゃんが、何でも買ってやると言ったんだもん」

そこへ俺も、妹に「正月だしさ 俺も気持ちが大きくなった この2人は悪くないからさ」

No.79

別室に呼ばれ 妹から
「お兄ちゃん 気持ちは嬉しいよ。でもね、小さい時からなんでも簡単に手に入ると忍耐の無い子に育つ。それにお年玉だってあるのだから 負担は掛けられないよ」

よく出来た妹だ。それは、そうとお年玉を渡すのを忘れていた。お年玉袋を取り出すと
妹が中身を確認する。
「お兄ちゃん こんなにいらない 千円でいいよ。お金を簡単に手にすれば・・・」

15分ぐらい?妹に説教されながら 指摘された通りの金額にし チビ2人に渡す。

お年玉は子供の特権 大量のお菓子だけじゃなくお年玉を貰えた事で更にテンションが上がる二人であった。

No.80

子供達の相手 母や妹 彼女との会話。気が付けば夕方の六時を回っていた。
母に次ぎの予定もあるし 切り上げる事を告げる。小悪魔2人が、名残惜しいみたいで何時までもついてくる。

来年 また来る事を約束し帰宅させた。次予定は、繁華街に行っての買い物 ここからだとバスしかない それもラストの停留所だから40分はかかるだろう。

バスの中 まるで俺と彼女の為に用意された感じで 一番後ろしか開いてない。バスの中 プリンちゃんが体を寄せてくる。左手で方を抱き寄せ 終始無言の2人。

ふとキスをしてみた。嫌がる事無く受け入れる彼女 だけどそれだけで終わる。バスの中で行為は・・・流石に出来ない。

No.81

目的地のショッピングモールに着くとプリンちゃんが「浩之さん 約束覚えてる?下着買ってあげるって言ったよね」

すっかり忘れていたが、どうせそのフロアに着いて行くだけだと思っていたら手を引っ張り 売場まで・・・目のやり場に困るが、自然とにやける俺に

「やらしい~エッチな事を考えていたでしょう」と笑いながら顔を近づける。
こんな事にすら幸せを感じた。なぜならば、今まで付き合った女性は何人か居たが、不思議と買い物したり 一緒にレンタル店に行ったりとかは無い。なぜかは、俺にも判らない。

「浩之さんはどんなのが趣味?」

「なんでもいいさ プリンちゃんが履くのだからプリンちゃんの好きなのを選べばいいよ」

何でもいいさ なんて言っておきながら セクシー系は×の注文をつける俺。

No.82

要る物を買い さて本日の寝床だが・・・
2日続けて ホテルを予約しておけば良かったと つくづく思うはめに

今更ながらに探しては見るが、キャンセルで部屋が空いているなんて事は無い(年末年始 当然だ。以後の教訓に役立つ)

コインロッカーがある駅まで ラブホを探す。どこも満室(みんな元気だね正月からセックスかよ!)

何軒も廻って もはや野宿か?と思った時 一つのラブホに希望を見いだした。

No.83

外装は、見ただけで平成の建物には見えない。では!安いのか?と言えば、正月料金とかで22000円

ぼったくりだろう!と言いたくなるが、時間も22時を過ぎている。
チェックアウトの時間を見ればAM11時

金銭の事は頭にあったが、2人共 寒くてブルブル震えが止まらない。

寒さからの解放を優先し 部屋に入った。
何だこの作りは!テレビは!文句のオンパレード。
部屋に入ると ばあさんが小窓から料金を回収。料金と引き替えにワインを一本くれた。

風呂にお湯を全開 2人とも「あっか~い」を連発。
風呂に入るのだから 裸は当然。
ところが、俺もプリンちゃんも互いを意識しあう。

No.84

俺は、プリンちゃんの裸を見つめながら 照れ隠しの為言葉を探す。
こちらの思惑を察してくれたプリンちゃん

「浩之さん 2人で洗いっこしよう」
ナイスなアイデアだ。
それぞれの体にボディーシャンプーを塗り 肌と肌をすりあわせる。

すでに勃起状態の俺。
サッサと風呂から上がり ベッドで先に待つと。
それから15分後にプリンちゃんもバスローブで現れる。
昨日あれだけやって 更に早朝に一発やったのに 俺って奴は・・・盛のついた猿か!

No.85

ラブホに入る前に食事を済ませたが、事前にコンビニへ寄っていて大正解。

お菓子やドリンク類で腹が膨れると 連日歩き回った疲れから 2人共抱き合ったまま眠りにつく。

朝 起きてフロントに電話する。
ドアを開け 外へ出ると 日差しが眩しい。
まずは、朝 昼兼用のご飯を食べ それから夕方まで観光に時間を費やした。
プリンちゃんとの2泊3日 手を握りうつむく2人。
言葉が出て来ない
初めて待ち合わせた駅での別れ。

「来年も、初詣したり 2人で買い物したり・・・」彼女の言葉が涙に消える。

「約束するよ。そんなに毎回会えないけど 絶対に浮気なんかしない」
彼女の手を引っ張り 当面さよならのキスをする。

No.86

新幹線の改札口は帰省客で溢れる。俺がエスカレーターに乗って振り向くと
プリンちゃんは、まだ手を振っていた。

そして、それぞれの帰路に無事着いたメールをどちらからともなく行う。

部屋に入り シャワーを浴び ソフトドリンクを片手に写メを見る。

初めて会ったのが2日前だなんて信じられない。楽しい写メを眺めながら眠りにつく俺だった。

4日の朝 携帯が鳴り寝ぼけながら出ると
「プリンちゃん おはよう。まだ俺の方は休みなんだけど・・・早いね」

「おいっ!何がプリンちゃんだ!色ボケかよ!」

冬休みの間は、こいつの声を聞きたくなかった。
「近藤か? 眠いのに切るぞ?」

近藤がかん高い声で「待て待て待て 用事があるから電話したんだ 昼に会って欲しい」

またろくでもない事が予想できたが生半可な返事をし 行くはめになる。

No.87

「帰省先楽しかったか?お土産は?」

こいつ・・・
俺は、心の中でつぶやいた。
普通は、明けましておめでとうが先だろう!

「用事が無いなら帰るぜ 忙しいからな!」
実は、たいした用事は無い。せいぜい昼寝が良いとこだ。

実は、自分の話をしたくてウズウズしていた近藤。
「浩之 俺さ・・・ゆきえちゃんと別れて 本格的にGREE熟女と付き合う事になったんだ。博子ちゃんには話をしたけど お前にも一応耳に入れといて貰った方がいいだろうと思ってさ」

まじかょ!年の差 一回り以上だろう。ゆきえちゃんなら一つ年下 仮に手をつないで街を歩いていても不自然じゃない。
それなのにわざわざ熟女を選ぶ理由ってなんだ?

No.88

新年早々 彼の発言にびっくりはしたものの その言動を聞きたくなる。俺を引き留める為 近藤の作戦勝ちってとこだろう。

「近藤 お前の何がそうさせた? 普通に考えれば、12コ以上年が離れていれば話や価値観が相当違うだろうし なぜGREE熟女を選ぶ?」

「去年の忘年会 GREEの話が出たよな。その帰りにゆきえちゃんから説明を求められてさ・・・年末から彼女メールも電話も出てくれなくて 凹んでいたとこにGREE熟女から連絡が入り そのまま相手のとこで新年を過ごしてしまい 話し合いをした結果決めたんだ」

彼曰く 年末から年を明けてもヤリまくっていた。中出し→そのまま寝る→起きて中出し。
その時に、気持ちはGREE熟女にシフトチェンジしたらしい。
彼女の離婚が正式に決まったら同棲する事も

No.89

俺の方が上手く行っているから言う訳じゃないけど 近藤が、その道を選んだのならば 実りある収穫を目指してほしい。

プリンちゃんと付き合い始めて初のバレンタインデー。
ダンボール箱でやってきた。通常のバレンタインだとチョコレートに手紙が添えてあるくらい
だが!これはダンボールにてんこ盛り。その量に圧倒された。すぐに お礼の電話をかける。
「プリンちゃん てんこ盛りのラブラブありがとう。ホワイトデー楽しみにしてね」

プリンちゃんの声も弾む
「浩之さんの喜んで貰える姿を想像したら あれもこれもとなっちゃった」

話題は、正月に会って撮った写メやカメラの話に。
「浩之さん エッチな写真欲しかった? 会っている時に撮らせてあげれば良かったかな?って思ったよ」


「そんなのいらないよ 2人で仲良く写っている物で十分だよ」
(本当は欲しかった事 小さい声で言ったつもりが聞かれてしまった)

「男の人だからエッチはしょうがないよね。私も、浩之さんの事を思って 指でするから」

する?指ってまさか・・・

「プリンちゃん その~どんな感じなの?」

「男の人と変わらないよ。イった時に出すか出さないかの差」

No.90

サバサバした感じで話すから 不思議とエロさを感じさせない。でもな~今まで付き合った女性で自らオナニーをするなんて告白した人 始めて。

プリンちゃんとの中 喧嘩らしい喧嘩も無いまま春から夏 夏から秋へ向かう中
「また、あの人 浩之さんのとこで意味深な発言。むかつく~浩之さん あの人無視してよ。私の浩之さんだからと脅しかけようかな・・・」


「プリンちゃん 穏やかじゃないね。ただの友達リンクしているだけなんだよ。 あちらだってきっと仲良くしたいと思ってるさ」

「やだっ!絶対にあの人と仲良くなんかしないもん。浩之さん、私の味方になってくれると考えていたのに もういいもん」
電話が途切れてしまった。
今までに無い展開に困惑する俺。
どうしたらいいんだ・・・
何を思ったのか?ゆきえちゃんに電話をかけていた。

「あっ! ゆきえちゃん。浩之だけど 今いいかな?」
風呂から上がったばかりのゆきえちゃん。10分待って欲しい かけ直すからと。

「浩之さん こんばんわ。どうしたの珍しいね」

No.91

ゆきえちゃんにこれまでに起きた状況を伝えた。

「GREEにそれぞれ彼氏 彼女が居ると そんな感じの揉め事多いと思うよ。彼女の立場だったら 友達リンクと判っていても焼きもちはやくから」

ゆきえちゃんの話を聞く限り 男の嫉妬心 女の嫉妬心 たいした違いはなさそうだ。

「ゆきえちゃん 話が反れるけど 近藤の事聞いていいかな?」

「もう 別れたし 数ヶ月もすれば1年経つ。情はまったく無いけど 熟女に走ったのだけは許せない。40過ぎたおばちゃんに負けるなんて(-_-#) 」

まぁ 普通はそうだよな。近藤は、勘違いしたのかな?GREEでチヤホヤされたから

「ゆきえちゃんは可愛いのに彼氏作らないの?GREEやmixiじゃなくても ナンパされると思うよ」

しばらくの空白があった。

No.92

携帯を持つ手が、落ちた。

「ゆきえちゃ 今何を言ったの?」

「彼氏いるよ」
「そうじゃなくてさ その後の言葉だよ!」
俺の聞き間違いじゃなければ・・・

「彼氏いるよ 黒人だけど」

聞き間違いじゃなかった。
自分の知っている人で黒人と交際した人を誰も知らない。

「どこで?何時から?」
ゆきえちゃん 躊躇する事無く
「近藤さんと別れて 今年の2月にクラブへ行くようになって そこでナンパされたの。近藤さんと違い ムキムキのマッチョ。ガーナの人って言ってたよ」

「ゆ ゆきえちゃん、まさかもう肉体関係はあるの?」
俺じゃなくても 聞きたくなると思う。

「うん」

「あっちの方は大きいの?」

「やだ~浩之さん・・・特別ってほどじゃないけどね。だけど固さなら日本人かな?外人さんパワーは凄いけど 近藤さんみたいなねちっこさが無いから その辺が不満かな?」

No.93

俺は、電話を切った後にプリンちゃんへ ご機嫌伺いのメールをした。
もちろん 黒人に取られてたまるかっ!なんて事も視野にいれて(ある訳ないだろうが)

翌朝 プリンちゃんから
「浩之さんならきっと判ってくれると信じていたよ。ハラハラさせてごめんね」このメールを見た時の嬉しかった。

さて、今年も残り3ヶ月 そろそろ会う為のスケジュールをと予定した矢先にまさか 俺に今後を左右される出来事が降り懸かるなんて露にも思わなかった。

それは大量のリストラだった。リストラなんて他人ごととテレビやニュースを見ながら 何時も関係ないと思っていただけに 更に住んでいるマンションが耐震問題で退去しないといけないダブルパンチ。

呆然としていたとこに近藤から
「浩之 俺もリストラ人員に入ってしまった。部署の閉鎖や縮小が雑誌の話題になっていたし 2ちゃんにもスレッドが立っていたから まさかと不安はあったけど」

No.94

彼の言うこと同じ立場だから余計身に染みる。誰でも、そうかも知れないと思う。

勤務態度が悪いわけじゃない 上司との仲が悪い訳じゃない
人員整理の為 己が首を切られるなんて誰が思う?

期日まで一ヶ月あるが、引っ越しと職探しを平行してやらないと・・・
その夜 プリンちゃんに電話した。

想像通り絶句。早く同棲したいと願っていた矢先の事だ。
当然だと思う。
「浩之さん ありきたりだけど凹まないでね。私は、何時も側にいるよ。」

こんな時だから余計に俺を支えてくれる彼女の存在が有り難い。
と言うものの 実際働きながら職探し 引っ越しの準備は困難を極め 部屋の退去日 ラスト勤務がまさか重なるとは・・・

No.95

仕事が夜に終わり そこから引っ越し準備の段取り。
毎日が疲れていた。
今の俺を支えているものは、プリンちゃんからのメールと電話だけであった。
退去期日2週間前にマンションの不動産から携帯に連絡が有り 今 住んでいるとこからほんの僅か先にコーポの空きが出来た そこはどうか?と問い合わせがあった。
断る理由は無い
引っ越し代 新しい住居の家賃諸々を考えれば 少しでも貯金からの出費を抑えたい。

「プリンちゃん 残り2週間にして引っ越し先が決まったよ。路頭に迷う事だけは無くなったよ」

「心配していたよ。仕事の方はどんな感じになりそう?」

不景気で新卒ですら仕事が無い。ここで不安がらせる事も無いから 敢えて空元気を出した。

No.96

「離職票が届くのは一週間から10日前後て聞いた。仮にハロワに行ってすぐに決まっても すぐに年末だし 今年は骨休めも含め 本格的な活動は年を明けてからでいいかな?と思うけど」

彼女 私の生活費も含め今後を心配していた。
「プリンちゃん 引っ越しと新居で貯金減ったし 帰省のお金も心配だけどこの分は引いてるから大丈夫だからね」

プリンちゃんからも安堵の声が聞け 予定通り来年の正月も一緒に過ごす事になった。

No.97

リストラされて最初の一週間は早かった。
今まで見れなかった時間のテレビ 夜更かし ネットサーフィンTSUTAYA ゲオでDVDを大量に借りてくる。

来月ににはハロワの待機期間を終えたものを含めた失業給付金が出る。
何かと出費のかかった11月。       朝と夜が逆転の生活になったのが気にはなるが、相変わらず近藤とは連絡を取り合っていた。
12月になり 近藤と2人でささやかな忘年会をしようじゃないかとなり
その日までが楽しみであり

近藤の様な悪友でも 俺には大切な友達と認識させられた。

No.98

プリンちゃんとの会うための計画が出来上がり 今日は彼との忘年会。

「浩之 久しぶりに会うのにちっとも変わらないな。まだ仕事決まっていない?どうせ 明日もやる事無いし 深夜に帰宅しても良いよな?」

「やる事は確かに無い だけど改めてそれを強調されるとイラッとするのは何でだろう(笑) 今日は何ヶ月ぶりかの焼き肉 食べるぞ!」

行きつけの焼き肉屋ってのも妙な言い方だが、この店は10年近く通っていた。

今日は爆弾を1つ持ってきてる。いつ破裂させてやろうかワクワクが止まらない。

「近藤、GREE熟女とはどうなんだ?ラブラブか?」

「まあな 離婚が成立して めでたく大きな顔して彼女に会えるよ。互いの家を行き来してる。出会った時は、回りを気にして会える回数も少なかったから 会ったら必ずエッチをしていたけど 今は何時でもできるから 逆に少なくなった」

No.99

毎回 会っているとそんなモノ何だろうか?
相手も正式に離婚したのなら 障害が無くなったわけで 身近に会える近藤が羨ましくも思える。

「ところでさ 博子ちゃんやゆきえちゃん元気にしてるのかな?続けて忘年会していたから 今年は、どうするのかな?と考えていたよ。浩之は彼女達の動向知ってる?」
来た!爆弾を炸裂させる時が来た!近藤の驚く顔を見るチャンスが来た。

「博子ちゃんはまだ事務職やってるね。ゆきえちゃんは俺達がリストラされた直後 転職したみたいだぞ。それに・・・」

あえて 意味深な言葉でトーンを落とした。
餌に食いついて来るか?なんて心配は要らず 間髪食いついた。

「それでって?何かその後あるのか?」
カルビをムシャムシャしながら予想だに出来ない近藤くん。

No.100

プリンちゃんの事で先月 ゆきえちゃんに電話した時の事を伝える。

「電話で話した時に本人から聞いたけど 実は春先から彼氏が出来たんだって・・・黒人の」
肉を食べる箸が止まった。

「浩之 今、黒人って言った?
「あぁ 言ったよ」
サラッと流す俺。

十秒ほど間があって
「うそ~ こ・く・じ・ん?」
驚いて当然だ。その顔を待っていた゚

「近藤さ 俺も最初に聞いた時には、お前と同じリアクションしたよ」

その後の会話は、俺がゆきえちゃんに聞いたまんまの事を彼が聞いてきた。

焼き肉屋を出てゲーセンで遊び 帰宅する時には24時近くだった。

No.101

黒人の響きが余程ぶったまげたのか?
帰り車の中でも、黒人が黒人がとつぶやく近藤を見て楽しんだ。

「今日は楽しかったな 近藤は正月どうする?俺は帰省して またプリンちゃんと会うけど」
「あ~多分、黒人・・・黒人じゃなかった。GREE熟女のとこに行き 年越しそばを食べ そのままエッチ 起きたら初詣かな?」

近藤に近くまで送って貰い 部屋に入ると・・・なんとも寂しい。冬の寒さが暗い部屋をより一層 静寂に包む。

No.102

帰宅した事をプリンちゃんにメールする。起きて待っていたのか?反応が早い。

すかさず電話する「ただいま~プリンちゃん沢山食べてきたよ」

「いいなぁ 焼き肉 私も、食べたかった。浩之さん 帰省の計画立てた?私、予定が1日短くなったのごめんね」

会えなくなるよりはマシか?程度に考えてなかったから驚きはなかった。

話を詳しく聞けば、予定していた大晦日分が会えなくなるだけで ホテルのキャンセルはしなくて良さそう。
プリンちゃんとの電話を切り 実家に大晦日に泊まる予定が潰れた事を伝える。

No.103

出発の朝 新幹線の往復切符 携帯の充電器 財布 着替えを再度確認。
プリンちゃんとこの駅で会うのは2回目 もう興奮を抑えきれない。

何時もの待ち合わせ場所で彼女を待つ。
やがて バックとお土産なのか?片手に沢山の紙袋。

慌てて駆け寄る俺
「プリンちゃん また楽しい1年の幕開けだね。元気にしてた?」

「もちろん 会える一週間前からドキドキしてた。会ったら会ったで感激で涙が出そう」

軽いキスを交わし 手荷物をロッカーへ
昨年の失敗をしない為にも 外食出来るとこをリサーチ済み。

No.104

事前調べのおかげで すんなりと食事が出来
デパート内を散策。
いつもなら素通りする アクセサリーを見て

化粧品や宝飾品にまったく興味が無い彼女も この日ばかりは楽しそうに商品を見つめていた。

「今までの俺だったら すぐに買ってあげれたけど プリンちゃんごめんな」

「い~よい~よ。大丈夫 辛い時もあるさ 前向きに行こう。もう ホテルのチェックインには行ける時間だよ」

彼女のなぐさめを頭に入れつつ時計を見れば 確かにチェックインの時間は来ていた。

彼女のリクエストも有り リストラされた俺に気を使い ビジネスホテルでいいと言ってくれたのだろう。
ラブホじゃなくても 2人で入れるお風呂のホテルって・・・じゃらんで探すとあるんだなぁ。

No.105

チェックインを済ませ部屋に入ると 後ろからプリンちゃんが抱きつく。

「会いたかった 会いたかった。本当に会いたかったんだよ 浩之さん判る?」

積極的なプリンちゃんに圧倒される俺。

「プリンちゃん 思いは同じだよ」
優しく抱き寄せ キスをする。 ここまでは、昨年と同じ。

しかし、今回はキスだけじゃなく プリンちゃんが俺の股間に手を延ばしてきた。

俺も、プリンちゃんも体は敏感に反応し 部屋に入ると5分もしないうちにこんな事に・・・
合体した後 2人共ベッドでお昼寝。気が付けば夕方。
大急ぎで初詣を済ませ 歓楽街を散歩。

No.106

遠距離恋愛でデートの時にお昼寝だなんて 贅沢というか マヌケというか・・・ 2人共納得はしているから他人がとやかくいう問題じゃないけど

大型の複合施設で外食をする。会計の時に プリンちゃんが出すからの言葉に今の俺は甘えるしかないのか?
「初めて会った時は、全部出して貰ったし 今回のホテル代も出してくれてる。どこかで恩返ししなきゃね」
いやいや恥ずかしい限りだ。
外食を済ませ 外へ出れば 次にどこかに行こうか?なんて時間では無かった。

毎年会う時は、何らかの目標を立てるのだけど 今回の目標は、スーパーで手を繋いで買い物をする。

No.107

普通の恋人同士なら当たり前の行為をやらなかったがゆえ プリンちゃんと会う時には、ぜひ頼むと俺からの願いだった。

「何か夢の様だ。好きな人と手を繋ぎ 24時間スーパーの中を歩く プリンちゃん 一緒になったらずっとこんな感じでいたいな」

「私もだよ。こんなに幸せを感じるなんて ちょっとした夜食も買おうよ。あと帰省先のみんなにもお菓子を買ってさ」

何かのドラマや映画の台詞で 時よ止まれ・・・って耳にしたけど 本当にそうなんだな。

ホテルに戻ると外食したにも関わらず 2人共良く食べる。
そして、昼寝の影響がここへ来て出たのである。

「寝れない・・・」

「浩之さん 私も・・・笑いが出るほど眠くない」

No.108

するとやる事は1つである。
体を密着し 双方激しく愛撫する。
隣に声が聞こえるだろうと思えば、余計に興奮する。

ただ、時間帯が遅かったので イった直後に壁をドンっとされてしまい
2人で顔を見つめ合い ほんのちょっぴり反省をしてみる。
(隣の部屋の人ゴメンナサイ)

No.109

何時寝たのか定かじゃないが、チェックアウトの二時間前。
プリンちゃんがおはようのキスをする。俺が目を覚ます。

「浩之さん 私の下着姿写メで撮ってみたいって ボソボソと言ったよね。ちゃんと聞こえてたよ。誘ったの私だから 今日はサービスするよ~」

この日の為にだけ持ってきた余所行きの下着一端のカメラマン気取りで携帯のボタンを押す。
3回も着替えてくれ 当然ながら下着だけで終わらず 色んなとこを写した。
夜にエッチしていた時はハメ撮りしたいなんて頭に無かったのに・・・朝になると欲情が掻き立てる。

No.110

写メに撮るとプリンちゃんが着替えている最中にデータフォルダーを確認。
更にSDカードにコピーする念の入れよう。
我ながらスケベだと思う。

実家に寄る前に軽く回転寿司で食事をし 昼2時には、到着した。

ただいまの声と共に子供2人が来る。
「浩之のおじちゃん 明けましておめでうございます」

ハキハキとした言葉 それと身長が子供の成長を物語っている。

妹と母にお土産を渡し 座ると同時にお年玉を渡す。
小さい子の笑顔は疲れを癒してくれるのだと この時知った。

No.111

彼女は、子供2人と格闘しながら遊んでいる。俺は、母と妹との久しぶりの再会に花を咲かせる。

出された おせちも平らげ昨年同様にコンビニへ小悪魔2人を連れて買い物。コンビニへ行く前に妹から昨年のハチャメチャが無いように 1人500円までの制限。

その中でも、2人は計算で頭を働かせ 残ったお金をお小遣いに回すお兄ちゃん。あるだけ全部使う弟。
性格が良く出ていた。

今回と昨年の違いは、今日の夕方にプリンちゃんが帰ってしまう。それに伴い俺も、やる事は無いが、ハローワークの認定日が戻るとすぐにある為のんびりとまでは出来ない。

No.112

マンションを出る少し前に妹へ便箋を渡す。

「お兄ちゃん これ?」

「戻る直前にお母さんから電話で聞いたんだよ。かなり苦しいって・・・それなのに俺や彼女を何時も迎えいれてくれて感謝している」

妹は、しばらく考えた後 お礼と共に受け取ってくれた。
妹や母親には大丈夫と言ったが、苦しいのは俺も同じだった。
11月から12月途中 失業給付金が出るまで貯金を崩しながら生活。引っ越しや来月の家賃に 今回帰省する為の資金。

だけど帰省した事に後悔は無い。プリンちゃんに再び会え 家族の笑顔も見れた 問題は、1月の給付金まで今ある僅かな貯金でなんとか持たさないといけない。

No.113

彼女と2人で駅に向かう途中の電車な中

「昨年より弾丸ツアーみたいな感じになったけど 今年も楽しい正月を過ごせたよ ありがとうプリンちゃん」

別れが惜しいとやや目を潤ませる彼女。

「去年みたいに時間が取れた良かったのに 浩之さん ごめんね。2日間でも楽しかった。挿入されていた時 本当に繋がっているんだと思うと幸せだったよ」

彼女の語るかの話しぶりに 電車の中だというのを忘れ抱き寄せてしまった。
このまま 2人電車に揺られていたい・・・
目的の駅に着けば、帰省客でごった返していた。
「流石に大きい駅は違うね!浩之さん ここでも何枚か写メ撮ろうよ」

俺が乗る新幹線の時間までにはまだ1時間ある。駅の中を散歩しながらお土産も買いつつ 2人が帰路に着くその時間までを楽しむ。

No.114

駅の散策中 パン屋に入ると彼女が
「浩之さん帰りの新幹線の中で食べるといいよ。私も買うから」
プリンちゃんがトレーに次々パンを乗せていく。気を使い 二個だけ選ぶともっともっと 笑いながらパンを乗せていくプリンちゃん。

結局 貰った袋の中には5個も入っていた。
「浩之さん 遠慮しなくていいのに お腹すくといけないからね。それとこれ2万円しかないけど 返せれる時でいいからね」

俺が妹に封筒を渡しているのを下の甥っ子から聞いたみたい。それでひょっとしてと思ったのだろう。

パンと良い お金と良い 俺から望んだ物では無いが、それ故に彼女の気遣いが嬉しかった。

No.115

俺の帰省先にプリンちゃんが一緒に来てくれる様になって 例え1年に1回しか会えなくても、その年のモチベーションを保には十分だった。

「浩之さん そろそろ新幹線の時間だね。仕事が早く見つかるといいね。本音を言えばこのまま ここに残りたい。浩之さんと何時でも抱きしめあえるから」

プリンちゃんの顔を見て その寂しげな瞳を見るのが辛かった。
帰省客で溢れているこの駅で 隠れて抱きしめる場所なんて無い。
キスをするのが精一杯だった。
「浩之さん エッチな写メ 他人に見せないでね。信用してるからね 絶対だよ」

俺は、小指をだして約束した。そして、楽しかった日が終わりを告げようとしていた。

No.116

新幹線の中で楽しかった数日を思いだし 隣の客に見られても差し当たりが無い写メを見て 来年も絶対に会うと決意する。
プリンちゃんから買って貰ったパンを食べて空腹を満たしていた時 自分の意思とは別に涙が溢れていた。

このパンの味 きっと生涯忘れる事は無い。
プリンちゃんと会う前の前日ドキドキして寝れなくて 会った後の虚脱感にも似た思い

目的の駅に着き アパートへ向かう途中にプリンちゃんから家に着いたとメール。

俺も、即返信。まもなく到着する事を
「今年も仲良くしようね 勤務に備えてゆっくり寝て下さい」
まぁ 本当は、プリンちゃんともっとメールしたかったが、彼女の健康を考えればのメール。

No.117

新幹線が駅に着いた時には22時を回っていた。
楽しかった後だけに 寒さが余計に堪える。
新幹線の中で1時間後の帰宅だろうと考えていたら 意外にも在来線がすんなりと乗れ 帰ってみれば40分そこそこで帰宅出来た。

従来なら 2、3日すれば初出勤に備えるのだが、俺には時間が有り余る。
やる事といえば、明後日のハローワーク認定日に判子を押して貰う。

年齢も、まだまだおっさんと呼べるには、遙か遠く。
仕事はすぐに見つかるさと高をくくっていた。この事が後々 焦りを生むなんて予想も出来ずにいた。

No.118

失業手当が少ない分は貯金で賄っていたが、元から少ない貯金。引っ越しと帰省それに生活費の不足分に充てていたので 残高も数万円だ。
生活費を節約しても今の生活をしていれば4月には貯金もゼロになる。
まだ 春にもなっていないが、ブルーな気持ちと彼女以外の人との接触が無い それがネガティブにさせる。
近藤を誘って遊びにでも行くか?そう思っていた時に奴から電話が来た。  
「浩之 正月から10日経ったけど 元気だったか?俺も暇してるし お前も暇だろうと思って電話したぜ」
(以心伝心てやつか?)

「帰省先から帰ってきて ハロワに行く以外部屋に籠もりきりが多くなってな 俺も、近藤に遊びの連絡を入れようかと思っていたとこだぜ 明日にでも焼き肉どうだ?」
彼が断る事は無いと思いつつ 返事を待つとYESの答えが来た。

No.119

ハロワ以来の外出。夕方の時間が早くやって来る。何時もの焼き肉屋に行けば、車の中で彼が待っていた。

「予定の10分前なのに 近藤どうした?心を入れ替えて 人との待ち合わせする大切さを学んだか?」

茶化しながら言う俺に

「お前も似た気持ちかもしれんが、GREE熟女以外の交流が無くて なんか寂しい気ぶんだった」

失業してハロワに通う人は、気持ちが落ち込みやすいのかな?しかし、それでも俺と近藤にはパートナーが居るだけでもマシなのだろう・・・

焼き肉を食べながら帰省先での話をすると 彼曰く
「お前 プリンちゃんとの会話を聞く限り さてはエロ写メ撮ったな!見せろよ!」

「近藤 お前のGREE熟女のコレクションとやらも見せろ!でないと・・・」

彼は、俺の返事が終わらないうちに携帯のデータフォルダーを見せてくれた。

No.120

写メを見て正直に思った感想が、下手なエロ本より数倍凄い。思わず下半身が反応するほど 撮影の角度もパンチラのコレクションも、女性は年齢が上がれば恥じらう気持ちも低くなるのだろうか?

その感想が頭によぎった。

「近藤 年末から正月は、GREE熟女とやっぱり エッチ三昧なの?」

「年齢が離れすぎているからか?甘えさせてくれる。最初は写メも抵抗があったみたいだけど 今じゃ自分からポーズを取るぜ!」

近藤が次はお前だと言わんばかりの視線に
俺も見せようとした・・・

「あっ!すまん近藤。SDカード部屋に置いてきた。いや 悪意は無い(笑) 本当に 無くすと大変だからカードは抜いているんだ」

まさか取りに帰れと言うか?と思いきや 話だけでいいとあっさり引き下がる。
少し 会わない間 人間が出来たのだろう(笑)

No.121

俺も、数枚データフォルダーに入っていたプリンちゃんの写メを思いだした。エロとは違うが、セクシーっぽいのを近藤に見せると まぁまぁの反応。

「なんか、つまんねー反応だな。思いっきりエロじゃないと駄目か?」
近藤の顔を見ながら発する俺。
「そうじゃないけど なんだろう・・・性の対象が熟女に移行してから 若いエロ系見ても なんかあんまり嬉しくない。それより 浩之はホテルの中だけでエッチしたのか?」

「まぁな 外でしたいとかは思わなかった。でもなチェックインしてから直ぐに それから寝る前が大変だった。夜が遅かったのに 彼女の喘ぎ声が大きくて 隣の部屋から壁をドンってされたよ」

No.122

この話を気に入ってくれたらしく 彼は終始ゲラゲラ笑っていた。

焼き肉屋を出るとお決まりのコース。ブックオフに寄り ディスカウントショップに行き ゲーセン。帰宅すると日付が変わっていた。
次の日が、仕事なら大変な事だろうが、今の俺は、行くとこというばハロワしか無かった。

真剣に探していた職探しも2月3月になるとトーンダウン。まだ給付金が切れる事は無い。プリンちゃんとの仲も上手く行っている。不安すら浮かばなかった。

ただ、今年になり昼と夜が完全に逆転し 起きたらテレビ ゲーム DVDレンタルと不健康な生活が続く。それと食生活の乱れが・・・

その事を電話でプリンちゃんに話すと
「まさか 糖尿病とかになったの?」と心配させてしまった。
病院には行ってないが(そんな余分な金も無いけど)勝手に大丈夫だからと言ってしまう。

No.123

3月の末にプリンちゃんから真面目な話があるから 夜の9時に電話するとメールが来た。

ほぼ毎日電話をしているのに 改まってなんだろう?と考えては見たが、これっ!というのが思いつかない。
夜9時ジャストに着信が鳴り
すぐさま応答に応じる。

「浩之さん 何時も楽しい話をありがとう。今日はさ 2人の将来を考え 前に一緒に住みたいって話があったじゃない その事なんだけど。良かったら 私が住んでいるとこに来ないかなぁ・・・なんて思っているよ」

話が飛躍しすぎて 想像すら出来なかった。

「その・・・同棲の話はあったよね。俺がリストラされなければ、今頃は一緒に住んでいたかもしれない プリンちゃんの両親はこの話を知っているの?」
まさか 思いつきのまま 話を進めてはいないか?と考えた上での問いに

「全然 これから話すよ。私と浩之さんが付き合っているのは公認なんだし 大丈夫と思うけどな・・・浩之さん 何か不安?」

No.124

彼女との同棲に不安なんて無いが、もし俺が親なら・・・
この話がすんなり通るだろうか?

プリンちゃんとの電話は30分で切り上げ そのまま待機。

20分後に再びプリンちゃんからの電話が鳴る。答えは判っていたが20%ほど 上手く行って欲しいとの願望もあった。

「浩之さん 頭に来るよ!お母さんは良いよって返事くれたのに お父さんが難色示して 付き合ってずっと一緒に居たいのは判るけど やはり就職が決まり それなりの資金が貯まってからでもいいのでは?だって!分からず屋のバカじじぃ」

かなりの興奮だ。プリンちゃんも、ここまで怒るのだと初めて知った。

「プリンちゃん それは仕方ないよ。俺が、父親でも同じ事を言ったさ 親なら子の不安を取り除きたい 誰でも思うよ」

俺なりの返事ではあったが、妙な気だるさがあった。やや期待していた分 想像通りの答えが待っていたから

No.125

それから15分程話切った。
プリンちゃんから気を使うメールが来た。

「今日は、本当にゴメンナサイ。お母さんは応援しているからねって言ってくれただけでも気が楽になったけど 浩之さんも気持ちをなんとか上げて 仕事が見つかる事を願うよ」

俺は、このメールを保護設定にし 翌日から心を入れ替え ハロワにネットにanに 職探しに没頭する事になる。

ハロワに行くと手当たり次第に選び 履歴書を出すがなかなか面接まで行かない。
下手な鉄砲~の台詞通り 数をこなして行くと面接に来て欲しいと初めて連絡があった。
約半年 なまった体にムチを打ち 某運送会社での面接。

働く場所が遠い 給与が安いなんて2の次。
だった・・・

No.126

一週間後に返事が来たが、初めての不採用に驚きがあった。

初めてだ。今までバイトや就職で断られるなんて
その日のプリンちゃんとの電話の内容は不採用の話題になり

「浩之さん まだ1社だよ。世間には50ほど断られている人もいる。失業給付金も9月まである まだまだだよ」

彼女が俺を励まそうとする姿に鼓舞し やる気を上げ 彼女に1日でも早く喜んでもらいたい その気持ちがより固くなった俺ではあった。
ハロワ通いも苦痛にならず 努力が身を結べばと思っていた矢先の4月下旬。なんだか 体がだるく 水分の摂取がハンパない。

失業給付金を貰うようになってから 炭水化物や糖分の摂取が増大 自分でもひょっとしたらと思い始めた。

No.127

気をつけてはいても まるで水中毒になったのか?と思うほど ポカリや炭酸飲料をガブ飲み。

食べる方も、お金が無い人にありがちな バランスよりも、いかにして腹を満たすか その時はそれのみだった様な気がする。

仕事の方も、面接を受けては落ち5、6月までに⑧連敗。
給付期限まであと三ヶ月(正確に言えば2.5ヶ月)

プリンちゃんとの毎日の電話やメールが孤独感をなんとか防いでくれるが、1人だったら 発狂していても可笑しくない状態。

電話で愚痴を受け止めてくれるプリンちゃんに申し訳なく されど今の俺は、心を開く相手は近藤かプリンちゃんしかいない。

No.128

こちらの気分を上げる為なのだろう プリンちゃんが珍しく暴走モード

「浩之さん 気分転換している?ハロワと部屋に籠もっていると気分が下がるよ。買い物しなくても目を楽しませる為に ショッピングモールに行ってみたら?それとお正月に会った時の写メを見て1人でニギニギして頑張ってね」

ニギニギとは?
「プリンちゃん ニギニギって?」

「・・・もぉ~知ってるくせに 浩之さん その言葉を私に言わせたいの?」

やはりあれか?あれの事なのか?思慮していたとこへ

「私は、いつもじゃないけど 浩之さんとお正月の事思い出して下着の上から触ったりしてるよ」

誘いにのるべきか・・・

「よ~し プリンちゃんと撮った写メ SDカードを差し込んで やってみるかぁ」

我ながらバカである。バカであるが、誘ってくれたプリンちゃんの気持ちに感謝したい。

No.129

7月に入ると日本全国が猛暑になり 外へ出るのを阻害する。近藤やゆきえちゃん 博子ちゃんはどうしているだろうか?

メールをすると一番に返事があったのは博子ちゃんだった。

「おひさね~どうしてた?昨年忘年会開いてくれるとばかり思っていたよ」

「博子ちゃん元気そうだね。昨年は、近藤と2人で焼き肉屋に行ったよ。博子ちゃんとゆきえちゃん誘えばよかったけど 近藤とゆきえちゃんの事もあるしね・・・何よりも失業2人組でそっと傷をカバーしあったよ」
博子ちゃんと何ヶ月ぶりかのコンタクト。メールだけなのに2時間も楽しめた。

近藤には電話をした。
「毎日暑いな 近藤は変わりないか?俺は、少し太った。キミに近づきつつあるぞ」

彼からは威勢のいい言葉が返ってくる。

「浩之君よ この俺様に肉薄するには100年早い もっとメタボになってから言うんだね」
これを自慢気に言う奴の頼もしさに脱帽だ。

「さっきさ 博子ちゃんと久しぶりにメールしたよ。まだ 会社に残っているって 人員削減が功をそうしてあの会社 持ち直したみたい。また 4人で集まりたいと言ってたよ。ついでに彼氏紹介しろとも」

No.130

近藤は即答で「お前の作戦には乗らない どうせ俺が博子ちゃんもゲットなんて言い出したら冷やかすつもりだったんだろうが、そうは行かんぞ」

おちょくるつもりは事実だったが、彼の勝ち誇った あの言い方なんだろうなぁ。

「近藤 話は変わるけど仕事見つかったか?俺は連敗続きだよ。流石に心が折れかけているよ」

思わず本音を吐いてしまう俺。
「浩之 俺も似た感じさ 連敗の数字こそ お前より下だけど選り好みしてないけど 駄目だな」

つまり 近藤も焦っているわけなんだな。
2ヶ月以内になんとかしないと 流石にヤバい。

No.131

ハロワに行くペースが増えた。行ったからと新しい仕事が増えている訳じゃないけど 自分でも不安な気持ちが膨らんできているのが判る。
世間ではお盆休み直前。俺は、昨年秋から お盆休みだ・・・と自虐的になりそう。
300日近くあった失業給付期間 もう残り僅か

夜のプリンちゃんとの電話 仕事が決まらない事も有り 彼女もその事に触れないが今日は違った。

「プリンちゃん 9連敗もすると流石に投げやりになってきたよ。モチベーションが上がらない」

「私さ 思っていたんだけど 浩之さんが正社員を探す気持ちは当然だと思う。でも、その前に働く事はもっと大事だと思うのね。給付金が切れる前にバイトとかでもいいから見つけ 当面は生活費を稼ぐ方面で良いと思うよ」

No.132

彼女と電話を終えた後 考えもしなかったバイト。貯金が100万200万あるなら別なんだろうが、今の俺には選択する余地は無いと痛感。

翌日、早朝から起きハロワに行くと 要リフトの仕事が2件あった。この会社以前から求人広告だしているけど なぜだ?

回りの知らないオジサン達に話しかけ 某一流企業の名前がパソコン検索でヒットする事を話すと

「あそこ 給料極端に安いぜ ちょっとあれじゃな・・・」

その話を聞き終わると 今一度端末で確認。
確かに家庭持ちだと厳しい でも福利厚生はよさそう

係員にその会社に問い合わせて貰い 履歴書を送付する流れになった。
書類選考→面接→適正試験で合格すれば採用と

No.133

十連敗かな?なんてまったく期待していなく帰宅。プリンちゃんに何時もの如くただいまとメールし夜に電話。

付き合い初めて毎日のメールと電話がパターン化した。
とりあえず プリンちゃんに報告

「今日ね 1社申し込んだよ。履歴書もさっき郵送してきたところ」

彼女 めいいっぱい明るい声で「絶対 受かるさ。沢山頑張ってきたんだか 受かったらお正月に会う時 沢山キスしてあげるよ」

私も、釣られてエロモードに入りかけ つい自重してしまった。

8月もあと 10日となり ハロワに行く最中 携帯を見れば着信。
留守電を確認すれば会社の総務 面接担当の人からの書類審査合格です。明日 面接に来て下さい。

No.134

嬉しさのあまり何回も留守電を聞き返した。
プリンちゃん 今は仕事中だけどメールと留守電に結果を報告。

夜は、その話題で盛り上がった。
そして翌朝 何時以来の緊張だろうか?
スーツに袖を通すのもリストラされて以来だ。
堅苦しい面接のイメージがあったけど それに反して女性の担当は物腰柔らかく 終始笑いながらの面接であった。

全てが終わるり外へ出ると 今までの9連敗が嘘の様に肩が軽い。
ただ 油断は出来ない。まだ採用と決まった訳じゃない

No.135

そして翌日 適正試験を受け その日の内に採用が決定。ただ、正社員じゃなくフルタイムパートだった。
嬉しさが半減 どこで見落としたのか?求人票には確かにフルタイムパートと書いてある。
それも、三年経たないとボーナスは出ない
まだ三ヶ月ほど給付金の期限が残っているなら 断り別を探す方法もあるが・・・さて どうしたものか?

仕事が終わり プリンちゃんから電話が来た。
「浩之さん 良かったね。働ける場所が見つかって本当に良かった。心配してたよ 来月9月半ばには失業保険切れちゃうから」

「いや~プリンちゃん それがすんなりと喜べないんだよ。俺 てっきり正社員と思ってたら フルタイムパートだって どうしようか・・・」

No.136

働いても給料が出るのは10月半ば 貯金もゼロ 給付日数が沢山残っていれば一時金もあるけど まさにギリギリじゃそれも当てに出来ない。

家族は、俺が貸すほどだから余裕が無い。クレジットも訳ありで駄目。
採用されればされたで新たな悩みが出来た。

「浩之さん 10万とか20万貸してと言う話なら無理だけど 6~7万なら即金で貸せるよ。給料貰ったらでいいから 少しづつ返してくれる?」

きっと俺が、言い出しにくいのを知ってて救いの手を出してくれたのだろう。
我ながら情けない男と自分でも思う。
ここで見栄や意地を張っても、俺がこの先 生きていられるかすら判らない。
「プリンちゃん 恥を忍んでお願いするよ。定収入になるけど 毎月 返していくから ごめんね。いや!本当にごめんなさい。申し訳ないです」

No.137

俺には、勿体ないほどの女性だと感じている。正社員だからとかフルタイムパートだからとか・・・

現状の俺は、稼ぐ事を第一に考えないと駄目なのに 変なプライドがあったに違いない。

プリンちゃんが当面の資金を貸してくれる事で所持金と合わせたら 家賃 光熱費 携帯代 食費 なんとか給料まで保ちそう

彼女と電話が終え 家族や近藤に就職が決まり9月から働く事が決まったと連絡する。
正直なところ 餓死せず済んだ最悪は区役所の福祉課で相談も視野に入れた。
9月まで残り 3日。体が軽い いや気持ちが軽いと言うべきか?
働ける場所がある。今まで こんな事で感謝なんて思いもしなかった。
働いて 給料を貰う。好きな物を買う 当然だと思っていたから・・・

No.138

9月になったばかりだが、暑さは持続していた。初出勤の時に感じた事 それは、自分が思っている以上に体力が落ちている。二階三階への階段 ちょっとした作業 そして失業期間が長かったゆえ 頭を使う事の大変さ

体と頭が馴れるまで2週間ほどかかったが、名が通る企業らしく ブラック企業にありがちな 極端な人種はいない。

ただ、コンプライアンス 個人情報 グローバル 俺には無縁だった物が沢山ある。女性にしても男性にしてもどこかしら 距離を置いて接してくる。

人間関係が希薄で それは年数が経った今も変わらない。

No.139

ハロワに通っていた時と今では、プリンちゃん声のトーンが違う気がする。
無職より働いて収入がある方が良いに決まってはいるが、働き出して希薄な人間関係ながらも 熟女陣と仲良くやっている事をうっかり喋ってしまった。

「浩之さん 会社の女性とあまり仲良くしないでよ!パンチラとか絶対にダメ。サイトや掲示板で拾う分には構わないけど 仲良く成りすぎて 勢いあまってなんて駄目だからね」

「約束するよ プリンちゃん。浮気なんか絶対にしない パンチラも当然貰わない。大体40代 50代の独身のおばちゃんばかりだから 色気なんかないさ」

9月終わりから毎日こんな調子の電話。

遠距離恋愛がゆえの不安なのだろう
近くに居れば状況も確認できる。

No.140

翌朝 出勤前のプリンちゃんから パンチラの写メを送ってきた。(そんなに飢えている様に感じるのだろうか?)

おはようやただいまのメールは毎日欠かさないが、前日の電話の内容が朝のメールに反映される事は多々ある。

帰省するまで100日を切り 予定プランを説明し さぁこれから準備だ!と意気込んでたとこに これから帰省を遮断する事が舞い降りた。

会社で実施している健康診断に引っかかり それは雇用問題にまで発展した。

No.141

健康診断で血糖値が200を超え A1も12の数字を計測。産業医からの連絡で会社側も慌てて側面談。

何時からこんな状態なのか?前の職場では引っかからなかったのか?等 事細かに聞かれ

前職では健康診断で一度も引っかかっていない事を告げると 今一度 総合病院で血液検査と今後をどうするか決めると話になった。

俺自身 最初は軽く考えていた。だけど 会社が大きければ大きいほど 血圧が高いあるいは 心臓に疾患を抱えている。もしくはてんかんやしょっちゅう過呼吸になる人物を職場に置いていると 何かと問題があるみたいだ。

No.142

ようやく決まった働き場所。給与も目の前だというのに 流石に次を見つける元気は無い。

プリンちゃんと日課の電話をしていた時事情を説明。彼女もやはり 次がすぐに見つからなかった時の心配をしている。

「浩之さん 春から夏にかけて 炭酸やポカリ毎日ガブガブ飲んでいたのが要因なのかな?」

「確かに水中毒だと思う位 1日8リットル近くは水分補給していたかな。それに加え 炭水化物や野菜を取らず部屋に居た日々が長かったし 自分でもひょっとして・・・の感じはしていたよ」

ともかく次のアクションをおこすも、今のとこに何とか踏ん張って仕事を続けようと話がまとまったが・・・
さて 産業医になんと説明しようか?

会社では、まだ確たる戦力になりきってないうちに雇用をなんとか考え直したいようだった。

No.143

11月になり産業医との話し合いで ひとまず総合病院の専門医がなんと言うか意見を聞きたい。それに産業医の意見を考査する。

大きな 病院へ行けば入院と言われるのは判っている。
しかし、今の俺には入院費且つ 次の月の生活費まではとてもじゃないが無理。

当日 病院で検査と結果
思った通りだった。医師は入院しろと段々声のトーンを上げてくる。

俺が、金銭的な理由で拒否する。
更に医者がわめき散らす。

月曜日に産業医へありのまま土曜日に診断された事を説明する。
俺と部長と課長 産業医
重たい空気が部屋を包む。

No.144

打開策を出しのは、他でも無い産業医だった。推薦状を書くから指定の病院に行く。

12月の半ばの結果が変わらないと入院。数値が改善できる見込みを出したなら 通院しながら仕事をする。
誰も、反対は出来なかった。なぜならば 他の案が誰も浮かばない。

そこから1ヶ月死に物狂いで食生活を改善した。
プリンちゃんにも、解雇は無いけど 12月中旬の結果では帰省でない あるいはあまりに遅いと ホテルの予約も取れない。新幹線の切符も予約出来ない状況だとも説明
彼女からのメールでは
「1年に一回しか会えないけど 今の状況を考えたら 健康を優先すべきたよね。コミュニケーションは毎日のメールや電話で取れてるし 心配ないよ」

メールを読み終わった後
つぶやいた
「良く出来た彼女だ」

No.145

帰省先の家族と親友の小林に電話で帰省でない事を告げる。
プリンちゃんと出会う前 二年連続で帰ってなかった事を思えば 帰れない事で寂しいとまでの思いは不思議と無い。

帰れるか帰れないかなどのあやふやさを捨て 悪い数値を下げる。それに専念する。
プリンちゃんも、ネットや本等で数値を下げる為の勉強をしてくれた。

そして12月半ば、厳密にはほぼクリスマスに近い日。
病院へ行き 血液検査の結果を聞く
数値は下がっている。だけど俺は医者じゃないから その数値がどれたけのものか判らない。
会社には、部長と産業医が待っていた。まるで死刑宣告を待つ囚人の気分。

No.146

病院の検査結果を産業医に渡した時 部長も不安な顔になる。
どうなんだろうか・・・

産業医が検査表を見る目が開く。
同時に部長が俺を睨む
ヤバい やっぱり1ヶ月じゃ無理か?
なんて言い訳しようと思っていた時に 産業医から

「いや~1ヶ月でやれるものなんですね。もちろんまだまだ良いと言えませんが、これなら十分に通院、投薬で行けるでしょう」

それを聞いた時 体の力が抜けた。部長は急にニコニコ顔になる(こんな人間が一番人間として嫌だ)

俺がどれだけ苦労したか 今後の指導の為に聞かせて欲しいと産業医に言われ 努力が実った事をプリンちゃんに伝えたかった。

解雇は無いものの 通院後は産業医が居る本社まで必ず報告する事。
来年の三月までは経過観察になり やれやれだと言ったとこ。

No.147

首が繋がった・・・その安心が本音であった。プリンちゃんから夜に結果報告の催促が来る。
「プリンちゃん 通院はしないといけないけど なんとかセーフだったよ。でも、今回の騒ぎで帰省できず 会えなくてごめんね」

「最後じゃないんだし また次会えるまで お楽しみは取っておこうよ。それに私の方も、今度のお正月休み また短くなりそうだから 別の意味で結果オーライだよ」

この女性は、俺にとって 単なる恋人じゃなくて 希望そのものなんだと悟った。

色んな経験を積ませて貰った年だったが、よもや入院騒ぎで帰省できないとは思わなかった。来年はどんな月日を過ごすのだろうか?

No.148

会社が冬休みに入り 年末に近藤から忘年会をやろうと言ってきたが!入社して この年末までに起きた事を教える。

「浩之さんも、とうとう俺と一緒になったな!」

「俺と一緒?近藤 それはどう言う意味なんだ?」

彼から前会社の時 糖尿病を指摘され 以来通院&一時期入院した事を初めて聞いた。

「浩之の状況を聞いたけど まだまだ!俺は血糖値319 ヘモグロビンが14あったぞ。もう笑うしかなかった」

そんな状況の中で笑える アイツがうらやましい。

No.149

部屋の中でくつろぐ年末。
2年ばかり この時期になるとそわそわしていたけど 今年は部屋の中で大晦日と正月を迎えそう。

ダウンタウンの笑ってはいけないシリーズをみながらスーパーで買ってきた 年越しそばを食べる。

平日のみたいな過ごし方 起きたのは元旦の昼1時。
あけおめのメールを数十件返信し

新年一発目の電話は実家じゃなく やはりプリンちゃん。

「プリンちゃん 賀正~ 正月は続けて会っていたから 変な感じだね。プリンちゃん ゆっくり出来てる?」
「なんか賀正を口に出して言う人なんて初めてだから うける~めっちゃうける」

No.150

笑う角には福きたる。新年から笑いに包まれた時を過ごせるなんて 本当に楽しい。
来年も再来年もなんて言わず ずっと続けば良いと本心から思う。

三が日も過ぎ 初出勤が翌日って時に 色ボケの近藤から GREE熟女といちゃつく動画が送られてきた。
(くそ~帰省してない今年に限って こんなのを送りやがって)

腹ただしさとは別に 下半身の方は、しっかりと反応する 猿みたいな俺。

プリンちゃんにおねだりメールをするとモロは無いけど 柄パンが良い感じで撮れた写メをくれた。

しかし、俺の如意棒は更にはちきれんばかり。 新年早々 ゲオのアダルトコーナーにお世話になってしまう。

No.151

せっかくの冬休みもダラダラと過ごし 初めて寝正月を体験。
初出勤 こんなものかなぁ・・・忙しくもなく 暇でもなく
1月半ばの病院検査結果までは、気がぬけない。

プリンちゃん 近藤 博子ちゃんと相変わらず連絡を取り合っているものの ゆきえちゃんだけはメールの返信が無い。

数週間が過ぎ 病院の検査結果は、格段に良くなっていると主治医から
これで大きな顔して本社の産業医のとこへ行ける。

忘年会や焼き肉 お菓子をストップしただけの効果があるのは喜ばしい。

No.152

お邪魔しまーす

更新と思われた方、すみません!!

いつも楽しく見てます。
更新が楽しみ!

素朴な疑問なんだけど
プリンちゃんは
ひろゆきさんの所には
どうしてこないのぉ?

No.153

>> 152 まだ 途中。
その家庭には家庭の事情があるので

No.154

産業医の居る部屋に入り結果報告をする。
入院 休職が回避出来た事を告げられ それと同時に来月次第の結果では、本社までの報告はいらないと。

まったくもって一安心。そのまま帰宅し プリンちゃんの電話が待ち遠しい
夜になると プリンちゃんからの電話で起きた。

いつの間にか寝てしまってたみたいだ。

「浩之さん 生きてる~メールの返信も無いし どうしたのか焦ったよ。今日の病院どうだった?」

すかさず謝ると同時に良好だった事を教えた。
「上手く行けば来月の結果次第で本社の産業医への報告が終わるかもしれない。食生活で かなり制限をかけていたから そのリバウンドが怖いよ」

No.155

人間 生きている限り欲からの解放は無いそうだ。取り分け今の俺は、食欲と性欲か?

「今年の正月 プリンちゃんと会って無いし ゲオのアダルトDVDばっかりだよ」
何か知らんが、この日の俺 欲情が掻き立てる。

「浩之さん ムラムラしてるの?私のパンチラや胸の写真じゃ我慢出来ないかな? 後でムービー送ってあげる。だから会社の熟女さん達と仲良くしないでね。約束だよ」
会社の40代半ば50代半ばの女性とエッチな関係は想像すらした事は無いが、それよりもプリンちゃんが電話で話してたムービーが気になるとこである。
「ムービーって・・・プリンちゃん どんなムービー?」

彼女曰く 後でのお楽しみとの事。

No.156

そんなプリンちゃんからのムービー写メが来たのは、翌日が通院日って時だった。

半分当てにして無く どんな感じかな?的な程度であったが・・・
15秒のが2本携帯に専用イヤホンを付けて ボリュームマックスで聞いた。
(これは!女性は、ここまで淫らになれるのだろうか?)
1本目は、ピンクのパンティを上からワレメをなぞるように

2本目は、下着を脱いで直に指を・・・ピチャッ ピチャッの音がリアル感を押し上げる。

時間は30秒だけど きっと1本目はやり始めて 2本目はイク寸前なのだと理解したが・・・

プリンちゃんにありがとうのメールをし 寝る前にオイラのドールのバナナが火を吹いた。
(病みつきになりそう)

No.157

朝 起きて時計を見て心臓が破裂するかと
ヤバい 9時だ。遅刻だ!
昨日 寝る前に張り切りすぎたか!

携帯を見たら メール受信
「おはよう 浩之さん 検査の結果が良い事を期待してます」
そうだった 病院の日だから 慌てる必要がなかった。それが判ると シャワーを浴びゆっくりと支度する。
病院の検査結果を主治医から聞き 意気揚々で本社へ
もちろん 良好だった。

産業医との約束で 通院はしなくてはいけないが、本社に来ての報告はいらない この話がまとまった。

プリンちゃんに電話で昨日のお礼と検査の報告を
「プリンちゃん なんか入院騒ぎが何だったのか?今にしてみれば笑い話だね。それとムービーありがとう。思いっきり興奮したよ。」

「なんか恥ずかしい イク時に浩之さんの名前呼んだりして 家族がたまたま外出していたから 良いけど普通なら聞こえる大きさだよね」
調子こいて 今はいてるパンティ姿の写メ欲しいと言ってみた。
(エロおやじMAX どすけべと言われても仕方ない)

返事はあっさりとOK。
データフォルダーにまた1つコレクションが増えた。

翌朝 前日の二の舞にならぬ為に 2個アラームをかけ寝た。
何かの大会に優勝した感じで胸を張っての出社。血糖値での頑張りは評価してくれだが、今度は歯科の方が会社へ ぜひ通わせてあげて欲しいと電話。

グループ内に病院が有るの考えものだ。どうせなら飲食店やホテルを経営し割引を・・・

No.158

今の給与だと 他に削れるところも無く・・・羞恥心がありながらも、プリンちゃんに相談した。

「プリンちゃん 今度は歯科に行けだって この調子で生活すれば きっと生活費が足りなくなる。 また悪いけど1万ほど貸して欲しい」
「医療費 バカにならないよね。無駄遣いしてる訳じゃないし 良いよ。明日銀行で振り込んでくるから」

内科に歯科に まさかこれから先 他になんてないよな!とつぶやいた。

2月になり 歯科に通い 担当の先生を見たら これがなかなかの美女。
歯科医曰く「今年めいいっぱいかかります。気合い入れてじっくりと行きましょう」

美人なのは嬉しいが、また出費が増えた。

No.159

バレンタイン ホワイトデー 互いの誕生日イベントをこなして 毎日の電話やメール。本当に良く続いていると思う。

難点なのは、プリンちゃんにお金を借りては返す 2ヶ月に一回はそんな感じで1年を通してしまう(不甲斐ない)

9月終わりなのに残暑が何時までも続いてた時期に ゆきえちゃんからメールが来た。

「元気にしてましたかぁ~外人さんとは別れて 20も上のオジサンと付き合い始めした。またみんなで集まりたいね」

誰が誰と付き合おうと 個人の事なのだから良いのだけど
毎度 ゆきえちゃんのカミングアウトには驚かされる。

No.160

産業医への報告が無いのも影響してか?
あるいは解雇の危機が無いからか?
食事制限をしなくなり 体重も増えてしまい数値がそこそこ上昇した。

主治医曰く 眼底出血の可能性もあるから 眼科に一度見て貰って・・・
話が後半 頭に入って来なかった。
とてもじゃないが、これ以上 一ヶ月の医療費が増えてたまるか!

俺の不摂生でこんな結果になったのは判るが・・・まいった。
11月から眼科に行っては見たものの 余計な金額が出る事に未だに納得はできない。

眼科の事は会社に報告しなくてもいいとしても プリンちゃんには言わないなぁ

No.161

プリンちゃんからの援助も 俺自身のやりきれない態度も、根負けしそうな時も、彼女は支え続けてくれる。
そんな思いが自暴自棄にならず なんとか働き続けてこれる。
秋も深まる中 電話で帰省の話をした。

「今年も、あんまり良い年じゃなかったけど 働き始めて1年早かったよ」

「ここまで頑張っているよ。浩之さんの頑張りは、私も励みになってるよ。それは、そうと今回は帰省出来るのかな?」

気になって当然だと思う。前回は会えなかったのだから

「帰省の計画は立ててるよ。実は、ホテルもじゃらんで探している」
この話が出た瞬間に プリンちゃんの声が明るくなった。

「プリンちゃん 会ったら沢山抱きしめたいよ。いっぱいイチャイチャしたい」

「うん 私も同じ。一緒にお風呂に入って洗いっこしたい 濃厚なキスもしたい」

まったく異論が無い。

No.162

今年は秋を感じる期間が短く 12月にもなれば会社の忙しさも拍車が懸かり 帰省までのカウントダウンが、1日1日と減っていく

1年を通して歯科も、まったく変な話は無く(プリンちゃん 若干疑っていたが) 無事に終わり来年も眼科と内科通院する事だけは確定している。

血糖値も、この位の数字なら そんなには言われない または、どうすれば抑えられかも把握し始めた。

会社も、俺が通院している事を合意して 更に役職も納得してくれてるので まったく何にも言わなくなった。

No.163

熱さも喉元過ぎれば~の言葉がある。解雇危機も持さない態度を取られていた昨年の俺。

それが今では、昔ほどの強い意志が感じられず、炭水化物摂取や極度の運動不足。

それにもまして 数年ぶりに みんなで集まり忘年会をしようと幹事まで買って出た。

昔行きつけの焼き肉屋で忘年会「浩之さん みんなを集めてくれてありがとう 博子ちゃんも 近藤も元気だった?」

「俺だけ呼び捨てかよ 元彼氏だぞ 敬意があってもいいはずなんだけどなぁ」

すかさず博子ちゃんが
「あんたが、浮気して熟女に走ったのでしょ!! あれからゆきえちゃん 大変だったんだよ」
近藤も、うつむき反省している様子は見せる。

No.164

とはいえ 15分もしたら 昔の仲間みたいな感じが戻ってきた。

時間制限を気にしての焼き肉と違い 今まで会えなかった分の話をしたり

今年一番のビックリを話そうと流れになり
博子ちゃんから始まった。

「今の会社まだ居るけどさ 実は不倫しちゃってね。こんな男に惹かれるなんて考えもしなかったけど 誰かさんが、私の事ちっとも相手にしてくれないからね~」

流し目で俺をチラッと見る。
俺も近藤も、ゆきえちゃんも、博子ちゃんが不倫するタイプに見えなかったから一応に驚いた。

近藤の番になると 皆が話を聞かず再び焼き肉を食べ始め
「おいおいおいおいっ!俺は上島竜兵か!どんな扱われ方なんだよ。俺の話も聞けっ」

みんな予想はついていた。熟女絡みの話だろうと思っていたら 期待を裏切らずやっぱり。

それも、公園の身障者用トイレでGREE熟女とエッチをしていたらカギをかけたつもりが、してなく 掃除のおばさんに開けられ 怒鳴りちらされた。

No.165

そりゃ 近藤でなくてもビックリするよ。
2人の慌てぶりが目に浮かぶ。
残るは俺とゆきえちゃん。じゃんけんで 先に俺が話 ゆきえちゃんがラスト。

しかしだ・・・平凡な俺に ビックリの話など・・・あれしかないか!だが、下ネタ連発になるが・・・

「あのさ 今年の正月は入院騒ぎもあり プリンちゃんと会わなかったんだよね。そしたら 写メで・・・」
話をここで止めた。意図的にじゃなく 女2人が聞いても、面白くないだろうし 喜ぶのは近藤だけだと思っていたから

そこに女性2人が食いついてきた。
「気になる~エロ話でもいいから聞きたい」

予想外の反応であった。

「うん じゃあ続きを話すね。その 会えなかったストレスと 近藤が熟女とイチャイチャしてるのを聞いたから 思わず愚痴と嘆きの話してしまったんだ」

三人共 箸を止め 俺を食い入る様に見ている。

「電話で話していたけど ムラムラはプリンちゃんも同様だったらしく 後でムービー送るねって言うから待ってたら 送ってきたのがこの2本」

No.166

それを見せたら 近藤じゃなく女性2人が反応。

「エロ~い 女の私が見てもドキドキする。なんか濡れてきたかも」

博子ちゃんに釣られゆきえちゃんまでが
「ヤバい これヤバ過ぎる。浩之さん これで抜いたでしょう?」

即答でYES。

自分ではつまらない話と思っていたのが、想像以上の反応。
80点は付けてもいいか?
自画自賛である。

トリのゆきえちゃん 話のはきっと・・・

ゆきえちゃんがアイコンタクトで素知らぬ顔をと合図。

「私ね、外人さんと付き合っていて それから別れて新しい彼氏が出来たのよ」
内心来た~と。

No.167

近藤がフライングし
「ゆきえちゃん まさか次はアフリカの人ってオチじゃないよね?」

俺は、そんな安易に予測できるかよ!と口に出かけた。

「あ~もう あんた昔から変わらないね。私の話を黙って聞いてよ。まったく近藤のくせに」
これには、俺も博子ちゃんも爆笑した。

「私ね、年の差交際って 大体±3 よく離れていても5だったのね。だけど 今度付き合い始めた人は・・・オジサン しかも、20以上離れていて」

博子ちゃん 近藤も開いた口が塞がらない。そして脳に理解した事を伝えるまでのタイムラグ。

2人が漫才みたいに声を合わせ「うそ~」

そりゃそうだ 俺も聞いた時 まさか50代のオッサンとゆきえちゃんが付き合うなんて 想像も出来ない。

No.168

そうなると 俺を含めた三人が気になる事と言えば1つ。

博子ちゃんが口火を切り
「ねぇねぇ あっちの方はどうなのよ?ノーマルな人なの?」
こんな時 女って立場はズバズバ聞けるのだろうか?俺も、近藤も、矢継ぎ早に浴びせられる博子ちゃんの質問を黙って聞くしかなかった。
「博子ちゃん 攻めが凄いね。オジサンと知り合ったのは今の会社で 二種免許やリフトの免許取りたがっていたのを覚えている? 浩之さんも近藤くんも次々辞めちゃうし 会社自体が楽しくなくて 辞めたら時間も出来て 二種免許は学校に行けばよかったけど リフトの方は伝手を頼ったわ」

「ゆきえちゃん 俺や浩之 博子ちゃんが知りたいのは、ゆきえちゃんが辞めどうだとかじゃなく オジサンとの・・・」

ゆきえちゃん しらけた顔で「あんたさ~さっき私が最後まで聞けって言ったよね。ハイヒールでまたグリグリ踏んでやろうか!!」

近藤のとんだ性癖に博子ちゃん ドン引き。
近藤のせっかちな性格も悪いけど 元とはいえ 公衆の面前で男の性癖を言っちゃあ駄目だろう。

と思いつつ 俺は笑いが止まらなかった。

No.169

ゆきえちゃんの話が嘘だとか本当だとか どうでもいい。

聞いているだけで十分に楽しめる。

「そのオジサンとは同じ商社ってだけで 接点なんかなかったのよ。それが、あちらから通勤時間で何時も会いますねって 声を掛けられたのがきっかけで話すようになって 年齢聞いた時 多分恋愛には発展しないなと直感したけど・・・ 飲み会の時 なんかわざわざ私の隣に来てくれて」

近藤じゃないが俺は、悩みを話す様になってとか有りがちなパターン化?と言いかけ 口を閉じた。

「その後 カラオケに行きませんか?と誘われて スケベ根性丸出しか?と思ったら その日は何にもしなくて 車で送ってくれたの。週が明けて 次に私からカラオケのお礼もあるし 食事しましょうって。それからかな?気になり始めて 連絡先を交換し 何回かデートをこなして 男と女の関係になり スッゴいエッチしてくれるのよ」

No.170

そう みんなが聞きたかったのは、スゴいエッチの後だよ!
話は更に続き

「ローターやバイブを装着したまま外を歩かされたり ゲーセンのプリクラの中でバックから突かれたり 平日の昼前だったから良かったけど ヒヤヒヤしたよ」

俺は、話を聞いただけで頭の中で想像し御神体はMAX。恐らく近藤もであろう。

「ゆきえちゃん 変な事は仕込まれなかったの? 私の不倫相手ロリが好きだから そっち系のパンツはけってうるさいのよ」

博子ちゃんの不倫相手に興味を示しつつ ゆきえちゃんの話は続く

「仕込まれるって 変なSMとかはアナルは無いよ。そっちは絶対に嫌だから どうしてもってなら別れるとキッパリ言ってるし ただね・・・」

みんな ゆきえちゃんの次の言葉を待つ。

「露出は仕込まれたかな?人が沢山いるとこじゃなく 深夜の国道とか 朝一の公園とか もうねドキドキを通り越して 病みつきになりそう。彼の携帯には、私の裸 写メで沢山入ってると思う。男って多分 みんなそうなんじゃない?彼女のアソコやパンティ姿写したかったり」

いやいや その点については、俺も近藤も否定が出来ない。

No.171

近藤と目が合う。きっと お前もか!なんて思っているのだろう 奴の顔を見て変な笑みを浮かべてしまう。
「体力的には、一回出すと なかなか連射が効かないけど 量より質って感じだよ。舌だけでクリちゃん刺激し それだけでイった事もある。彼 バツイチで 女性の体は久しぶりだったみたい。初めての時は、私の口だけで終わったから」

焼き肉屋で話す内容じゃないかもしれないが、ゆきえちゃんの本質は、俺達と同じエロだった事に親近感を覚えた。

全員の話が、終わった時 二次会が無く その場でお開き。

店を出た時 ほっぺたが、やや紅潮していたのは、何も店内が暖かかったからだけじゃないと思う。

みんな それなりに興奮したからだと思う。

No.172

帰り道に近藤に話しかける。

「ゆきえちゃん 少しは、勿体無いと思うか?」

近藤 遠くを見ながら
「熟女に走ったのは、俺だからね。今更 勿体無いと言っても始まらないし 彼女は今が楽しければ それで良いと思う。ただ、話を聞いてたと 勃起がハンパない。俺 このまま熟女のとこ行ってくるよ。お前も、あと2日したら プリンちゃんと会えのだから その時は、出して出して出しまくれ~じゃあな」

アイツは直ぐに会える場所に彼女が居て羨ましい。
リストラが無かったら 本当なら昨年同棲が始まっていたのに・・・

帰省する時までの我慢か・・・

No.173

正月に向けての2日間なんて ダラダラしているだけで過ぎ去った。

前日 プリンちゃんに電話とメールで予定を確認。集合場所と時間 2人共簡易式の携帯充電とバッテリーパックの予備。

意識して溜めていた訳では無いが、この日の為に自然とAVの禁欲をしていた。

そして当日。何時もの場所で何時もの時間 会うのが何回目になろうとも変わらない。

「あれっ?プリンちゃんの姿が無い まだかな?」
と思っていたとこに後ろから抱きつかれ

「へへへ♪ 隠れてたよ。浩之さん。先ずはコインロッカーに荷物を置いて 改装改築で新しくなった駅構内を散歩して それから食事しよう」

今年のプリンちゃん 何時になく積極的だ。
駅内をウロウロするだけでも楽しく プリンちゃんと手を繋いでいる時 本当に恋人気分を味わえる。

食事が終わり ホテルへチェックイン。このホテルも、もう毎年決まっている。ビジネスホテルなのに 2人で入れるほど お風呂が広く 且つ機動性に富んだ場所にあるから

チェックインすると お決まりと言うべきなのか 熱いキス。 彼女が舌を絡めてくる。

如意棒が痛い位反応。彼女の手がそこへ伸びて さすってくる。

No.174

前戯も、まともにして無かったが、ベッドに彼女を寝かせ スカートを捲り ストッキングとパンツを脱がせると いきなりぶち込んでしまった。

キスのおかげだろう 濡れていて 俺は、腰を激しく振りプリンちゃんがグッタリし絶頂にたっしてしまう。
まるで2人共 狂った獣の如く。性器と性器の摩擦さえ楽しみ 俺は、プリンちゃんの中で果てた。

「浩之さん 凄すぎ。どれだけ溜めてたの?精子ってよりは、せんたく糊みたいだよ」
彼女の笑いが部屋の中に響いた。

プリンちゃんを抱きしめ キスをする。彼女の乳首を愛撫すると 彼女の喘ぎ声で また俺の御神体がウズウズと

だが、性行為ばかりに時間を割くわけにはいかず 適度なとこで止め 続きは帰ってきてからと言う事に

外へで初詣し 街中へ向かう。プリンちゃんの幸せそうな顔が真横で見れる。それだけで 俺は満足だった。
「浩之さん 私ね、1人で外食はまったくしないの だからどうしても行きたいとこがあるんだ。浩之さん地元に帰ってきたからご当地料理を食べたいよね。でも、今回は私に譲って」

話を聞くと 俺が電話やメールでサイゼリヤに行く事を度々聞いて ぜひ行きたいと思ってたらしく

そうなると 地下鉄で大急ぎ戻らないと 数年前みたいに夜8時には閉まるなんて また赤っ恥だ。

No.175

地下鉄に乗り サイゼリヤへ向かう瞬間ですら 俺の隣にプリンちゃんが居る事で満足(本当に好きなんだとつくづく思う)
サイゼリヤに着いて閉店時間を見れば夜10時。
他のお客さん 行くとこが無いのか?店内は混雑気味。

「プリンちゃん なんとかすんなり座れて良かったね。好きな物なんでも頼んでね。俺も、食べちゃうから」
メニューを見ている彼女の目 輝いて見える。初サイゼリヤと言うのも変だけど 選ぶだけで気持ちが高ぶっているのだろうと推測。

「本当に食べちゃうよ。ブタさんになっちゃうけど良いかな? もうどれから頼めばいいか迷うよ」

料理が運ばれて 2人は会話を楽しみながらも食べる事を止めない。
全部食べ終えたのは入店して80分も経っていた。

ホテルへ戻ればどちらからともなく抱きしめあう。

そのまま お風呂に入り彼女から全身を洗ってもらう。

俺も、洗ってあげようと言ったが恥ずかしがって洗わせて貰えない。

No.176

仕方なく 先に上がり彼女が出てくるのを待った。

俺の頭の中にあったのは、忘年会でゆきえちゃんが話してくれた内容。
舌だけでイカせる奴なん・・・
何を思ったのか?俺もやってみたい衝動にかられ プリンちゃんと会う楽しみの1つであった。

プリンちゃんが、風呂から上がり
「今日ね、如何にも清純派って感じの薄い水色のパンツ持ってきたんだ。浩之さん写して 色っぽいポーズ沢山するから」

無我夢中で写し 一通り写し終えたら キスをしながらベッドに倒れ込む2人。

そして プリンちゃんのパンツを取り(履いたばかりだが) 股間に顔をつけて クリを重点に舌で転がす。
彼女の体がビクッと反応。次に激しく舐め 性器に吸い付くと 体をのけぞりイクっと小さく呟くと同時に ノックアウトを喰らったボクサーみたいにダウンした。

「浩之さん 何かあった? もうビックリ。AVの見すぎじゃないの・・・」笑う彼女の目は酔った感じで虚ろな目だった。

No.177

今度は、私がと言わんばかりに プリンちゃんがフェラを始める。
昼間に一回出してはいるが、年齢的に萎える様なモノでは無く この先2回は射精できる元気は残っている。
フェラの成り行きから プリンちゃんが上に乗り 激しく腰を振る。そのまま抱っこし正常位へ

膣へ向けて突けば突くほど 蜜があふれ出て バックで入れ直した時 プリンちゃん去年の教訓なのか?枕で顔を塞ぎ 出来るだけ喘ぎ声が洩れない様に気を使っていた。
そんなプリンちゃんのお尻に手を充て 高速ピストン。そして正常位に戻し キスをしながら中出しでフィニッシュ。

俺もプリンちゃんも満足したのだろう。抱きしめたまま寝てしまい朝になっていた。

No.178

ベッドで2人並んで 何時までも温もりを感じていたかったが、今日は昼から親友と会い そのまま実家に戻る。かなりハードな日程。

プリンちゃんにおはようのキスをする。チェックアウトまでは2時間あるが、早めに起こさないと・・・

ところが、爆睡モードのプリンちゃん なかなか起きない。
イタズラで乳首を触ったり お尻を撫でたりするが、起きる気配無し

アソコに指を入れゆっくり出し入れすると ん~と感じている模様。
するとプリンちゃんを起こすつもりが、俺の如意棒が起きてしまった。

寝たまま 後ろから入るものだろうか?と好奇心が出て 実践して見ると すんなりとはいかない。

俺が下手なんだろう イマイチなので正常位でやるとすんなりと根元までズブっと

その瞬間にあんっの声から遅れて プリンちゃんが起きる。

「浩之さん もう~夢かと思ってたら 実際に入れてるじゃん。普通に起こしてよ~」

拗ね気味のプリンちゃんも可愛い。
昨日 久しぶりとは言え何回か射精しておきながら 今朝は今朝で勃起する自分に苦笑い。これが若さなのだろう。

No.179

立ちバックでやりたと言う 俺のリクエストに プリンちゃん寝ぼけながらも トイレ前のドアに手をつく

これが終わると また暫くはヤレないと思えば 更に興奮が高まり自然と力がこもる。バックのまま終わると 2人きりになれるのは、この部屋が最後と知っている。

チェックアウトの用意だけして その時間が来る30分間。黙って抱き合い 静かに時を待った。

No.180

毎回思う事だが、このまま時間が止まって欲しい きっと全国で遠距離恋愛している者は誰しも思うのだと

ホテルチェックアウトし 親友と待ち合わせの場所へ

久しぶりに見る小林の顔も、老けたのか?それとも親父が板に付いてきたのか? 俺よりも、五才ほど上に見えた。

食事をしながら 毎度のバカ話にプリンちゃんも笑いながら聞いている。

「なぁ 浩之。もう、お前達夫婦みたいだな。恋人と言うよりは、長年連れ添っている夫婦のオーラが出てるぜ」

どんなオーラだよっとツッコミたくなる(笑)

「俺も、実際結婚は真剣に考えている。だけど 今の俺の収入じゃね・・・それにプリンちゃんの家庭の方も色々あるから・・・」

そう言い終わらないうちに 大体を察してくれた。幼少の頃からの付き合いだ。俺も彼も 互いの事は十分すぎるほど理解している。

話に夢中になり 予定の時間を1時間オーバーしたが、小林が車で送ってくれる事になった。本当に良い奴だ。

No.181

実家まで送ってくれた小林にお礼を言い また来年と告げる。到着する前に 妹にはメールで報告。

ドアを開けると 何時もの感じで小悪魔2人が飛び出してくると思いきや1人だけ

お兄ちゃんの方は、10才を過ぎて ややハニカミになっていた。恥じらいが出てきたのだろう 2年前みたいなハチャメチャは無い。

母と妹 子供2人に俺とプリンちゃんが挨拶をする。母と妹が作ってくれた料理を堪能する。
到着して すぐに母親には、夕方には、プリンちゃんを待ち合わせの駅まで送る。俺は、そのまま残り ここへ泊まる。それを告げた。

楽しい時間を過ごすと小悪魔2人が
「お姉ちゃん もうこのまま 此処に残って ここで生活すれば良いさ」

思ったままを吐露できる子供2人を俺は見ながら

「お姉ちゃんにはお姉ちゃんなりの都合もあるんだよ。俺も、早く一緒にはなりたいけどね」
小悪魔2人 イマイチ納得してない感じで「ふ~ん」と

No.182

プリンちゃんが、俺の家族と普通に溶け込む。正月に一緒に過ごす事が当然の様に・・・この楽しい時間は、何もしなくても過ぎ去る。

「もう夕方になるのか!子供達の台詞じゃないけど このまま此処に残りたい・・・」

プリンちゃんの台詞を聞く瞬間 やはり切なさがこみ上げる。
「じゃあ そろそろ送るよ。また来年 此処に来るからそれまでの辛抱だね」
家族総出に見送られながら 俺とプリンちゃんが実家を出る。
昨日 今日と楽しかった反面 帰りはブルーになる。

「プリンちゃん 俺がだらしないから 何時までも一緒になれずごめんね」

プリンちゃんが無理に笑顔になろうとしている。

「そんな事無い だったら私だって・・・押し掛け女房になり浩之さんのとこに転がりこめば、良いけど それもなかなか環境がね・・・」

No.183

世間では、まだお正月に浮かれている。それなのに もう俺とプリンちゃんの2日間は終わろうとしていた。
「浩之さんと待ち合わせした駅まで所要時間どれくらい?」

「プリンちゃんのとこ夕方6時に迎えに来るのだよね?だとしたら 此処からだと40分かな? まだ5時前15分 あちらに着いても30分は余裕あるかな?」

その時 俺はプリンちゃんの頭の中がまったく予測出来なかった。

手をいきなり引っ張られ 明らかに人がいなさそうな場所へ

車と車の後ろに隠れる様に入り いきなりキスをしてきた。
思わず 俺の手がプリンちゃんのスカートをめくりパンツの中に入りかけた時
「ダメ キスだけよ!」

なんだか お預けを食らった犬みたいに 不満顔になる俺。

それ見て にこやかになるプリンちゃん。
口をつけたまま数分 納得したのかプリンちゃんが

「スッキリした。これで また一年間がんばろうね」

俺の如意棒はMAXになって良いのか?非常に半端な状態であったが、ここはプリンちゃんの気持ちを大事にしようと すんなりと引き下がる。

No.184

正月の朝、待ち合わせだった場所に到着。
昨日の朝に会うまではウキウキの1日。

送り出す 今は、ため息ばかり。お土産を買い しばらくしたら彼女の両親が来た。

「プリンちゃんと付き合ってます。浩之です。明けましておめでとうございます。休みが少ないのなに 何時もこちらの都合に合わせてもらい感謝してます」

プリンちゃんの両親 ニコニコしながら頷く。母親が口を開き
「うちの娘 本当にあなたと付き合いだして 明るくなったし オバサンっぽいとこも減ったのよ。此方こそ感謝してます。いつまでも仲良くして下さいね」

父親からも似た挨拶を貰い 新年の挨拶が済むとプリンちゃんとの しばしの別れがやってきた。

本当ならキスでもするが、主要な駅でこれだけ人がいるし ましてやプリンちゃんの両親も目の前にいる。

あっ!! そうか!!!
あのキスは、ここで出来ない為のキスだったと初めて悟り プリンちゃんを見れば目で合図していた。

プリンちゃんを見送った後 駅の中をブラブラして ゲームしたり100均に寄ったりして 実家に戻ると夜9時を過ぎていた。

No.185

帰宅少し前に プリンちゃんからメールが来た。帰り道にそれを読みながら 楽しかった2日間を思い出す。
「もうお母さんちついたかな❓途中寝てないかな😨
さっきはいきなりお母さんたちがいてびっくりして言うの忘れてたけど お母さんと妹さんによろしく言ってね😃 お雑煮もおいしかったとお礼をいっといて☺

浩之さんも短い短い2日だったけどありがとう☺ 一年のうちに本当に僅かしか会えないけどこれからも仲良くしてね🙋
」(原文のまま)

俺が帰宅するまで心配だったらしく 無事に帰宅したよのメールを返信。
安堵したみたいで明日に備えて早めに寝るとメールが来た。

帰宅して 母が遅めの夕食を出してくれるまでテレビを見ていた。見ていたが、頭の中はプリンちゃんとの事だらけ

テーブルに手料理が出ても、ぼ~っとしていた俺に母が一言。
「本当に良い子だよね。あんた あの人を放したら 今後、結婚から遠のくよ」

俺も、本当にそう思う。
食事が終わり 23時には寝た。起きたのが、昼の12時

実家は、本当にリラックス出来る。それも、起きた時には 母親の朝昼兼用の食事が出来ていた。

プリンちゃんに日課のおはようメールをしようと携帯を見れば、既にプリンちゃんからメールが来ていた。

昨日は、楽しかった様子が長文に渡り書かれている。

No.186

食事を終えた後 帰る準備をやって それから子供2人と遊ぶ約束を果たすために気合いを入れ直す。

彼等からのリクエストでゲーセンに連れて行く。妹は1人の時間が出来た事に喜ぶ

ショッピングモール内にあるゲーセン。正直 子供の相手なんか楽勝と思っていたが・・・甘かった。

1人を見ていたら もう1人がいない。走り回り ようやく見つけると またいなくなる。

じっとしてない はぁはぁ息を切らしながら プリンちゃんとエッチしてた時すら こんなにはぁはぁ言わなかったのに

ビデオゲームよりもメダルやマリオカートが好きみたいで 子供を交えて勝負した。

本気を出すのも大人気ないと感じながらも アイツ等2人
上手すぎる(-_-#)

太鼓の達人でなんとか小さい方を撃破。
しかし、お兄ちゃんの方は話に成らない。

俺もゲーム慣れはしていたはずなのにバチを叩く腕が上がらなくなり惨敗。

No.187

楽しい時間は、その経過が特に早く感じる。

俺も、そろそろ戻らなければならない。
ちびっ子2人は、満足だったのか?すんなりと妹の元へ連れて来た時
「また 来年も沢山遊んでよ~」と言いつつマンションの中に入って行く。

妹が扉を開けて「お兄ちゃん 疲れてるのに御免ね。あの2人 お兄ちゃんが帰省する3日前から まだ?まだ来ないの?とうるさくて・・・ とにかくありがとう。気をつけて帰ってね」

母のとこに荷物を取りに戻り 挨拶をし実家を出る。
プリンちゃんを見送って 早くも1日が経つんだ。俺も、戻って1日経てば仕事。

帰りの道中も楽しかった事ばかり繰り返し思い出す。

No.188

今から帰省元を離れ 帰るからねのメールをプリンちゃんにする。
それと同時に 会っていた時の写メも添付して 2人で笑いながら並んでいる写メなんか まさにベストショットだ。

新幹線の中でウトウトしながら 目的地に到着。普段なら帰宅するまで そこそこの時間がかかるはずが、在来線 バスと上手く乗り継ぎができ 僅か40分でコーポに到着出来た。

暗い部屋に戻ると一気に寂しさと疲れが押し寄せ 寝てしまっていた。
クシャミで起き 時計を見れば深夜2時 熟睡感があるのだろうか?時間の割には、たっぷり寝た感じだ。

携帯を何気に見るとプリンちゃんから「無事帰宅出来たの?」
心配のメールに返信。まぁ こんな時間だから寝ているだろうがと思った瞬間に 即返信がある。

「心配したのよ 今から帰ると写メが来てから 到着したよのメールが無いから 無事に帰宅できたのか?凄く心配した。でも良かった おやすみ」

なんと 俺からの連絡があるまで起きててくれたのだろうか?

No.189

深夜に二度寝の表現が正しいか判らないが、そこから朝まで再び寝てしまう。
それも、夢の中で正月の行為まんまが出てくる。夢というよりは再現フィルムの方が適度かも?

夢とはいえ プリンちゃんとのエッチなシーンは実際の行為なのだから 俺の如意棒はやや大きくなっている。

新年明けて 4日経つが、この楽しかった2日間の興奮が治まらない。

必然的に右手が下半身に伸びる。困った性欲だ。

No.190

年明け 初出勤も、毎度の抱負の話で幕を明ける。

平素からだけど 基本的には、起きて→出社→帰宅→プリンちゃんとの電話で1日が終わる。
日付が一月中旬になり 病院で眼科に通っていると 担当医から
「眼底出血が思っていた以上に 酷いです。治療できる今のうちにレーザーで出血個所を焼いた方がいいでしょう」

内心 そんな事言われても、一括で払える治療費なんて無いよ。

「ねぇ 先生。放置しておくと失明になるくらいは、ネットで調べて判る。実際に幾らいるの?」

先生は淡々と11万円です。と言う。

「分割ならやれるが、一括じゃ無理 一回一万円の分割なら レーザーしても良いよ」

No.191

助手の人が医務局へ走る。
5分ほどで戻り
「分割OKだそうです」

思わずうそ~と大きな声で言ってしまった。
低収入の俺に1万5千円を超す医療費はあまりに痛かった。

そして 担当医の甘い言葉に乗せられ
「年間 医療費が10万を超えたら 来年税務署で申告すれば 超した分が戻ってきますよ」
その後 まさか医者から教えて貰った事が、実は正しい情報では無いと後悔するのであった。
まずは、病院の結果をプリンちゃんに伝えて それからの行動だ。

内科に歯科 次は眼科で金を絞り取るのかよ!同じグループ内なんだから 従業員割引しろよ!

No.192

帰宅しプリンちゃんとの電話で報告

「プリンちゃん 泣きたくなったよ。眼科で目にレーザーを当てないといけないって 手術費は分割出来るけど 月の医療費がかなりの額に・・・10万超えたら その分が高額医療で戻るって説明を受けたけど」

「わ~歯科がやっと終わったと思ったら眼科が来たかぁ う~ん 流石に私も11万をポンとは無いなぁ」

去年から 生活面で助けて貰っていた。借りては返す。今年も続くのだろう

男として情けない限り。

「分割だから 月々の払いになるけど この給与からだと ダブルワークしないとね。去年は仕事に馴れるまで と思っていたから・・・」

「頑張って見つけてね。私が、お金持ちだったら 良かったけど我が家もかなり大変は大変なんだ」

No.193

2月になり病院に行く。
すると即 困窮状態が露見した。どう考えても3月の給与まで10日間ほどは生活費が足りなくなる。

それをその時点でプリンちゃんに相談すると

「プリンちゃんごめん 多分3月入って少ししたら 足りなくなる。また貸して欲しい」

「いいよ~その時になったら またメールしてね」

*この年も、昨年同様に助けて貰う。
特に結果を見れば、昨年よりも更に今年が最悪になっている。
それでも、根気よく助けてくれるプリンちゃんには、感謝の気持ちは忘れてない。

それぞれの誕生日やバレンタイン ホワイトデーの時には、必ず宅急便を使い 楽しみの一つではあるが、彼女への負担が増えるのではないか?の心苦しい思いもあった。

No.194

半ば騙された気分で眼科に通う。レーザーで焼くのは、思いの他 激痛が走る。
治療は一回では終わらない。この激痛をあと何回やらなければならないのか不安だ。

有休を使っているが、目の治療は瞳を開く点滴の為 数時間は外の日差しが眩しい。

プリンちゃんとの毎日のメールも4年になれば返信も単調なものになりがち 電話も、月に5回ほどしない時も出てきた。

それでも、不仲になったとは思わず エッチな写メにも応えてくれる。

No.195

会社も新人の頃に比べたら まるっきり扱いが違う。完全にコアだ。だけど それに反して給与も伸びず

やはり プリンちゃんを当てにする月が続く。
8月から9月過ぎた頃だろうか? 電話をする時間が30分になる。それでも楽しくやれていた。

付き合いが3年を過ぎた頃から プリンちゃんが、仕事終わりで「疲れた」を連発する様になり そして、俺が言うのもなんだけど おばさんに拍車が懸かったと思う。

その事自体 彼女も否定しない。
老化は、俺にも来ていた。疲れている時は素直に先に寝るからのメールをした。

4年も経てば マンネリ化も当然なんだろうか?電話をし始めた頃は、どんなに疲れていても 深夜になっても 双方が待っていたのに・・・

No.196

それでも誕生日プレゼントは、仕送りか!!と思うほど 大きな箱の中に食料や冬物靴下 ネックウォーマー等の衣類。

それらを見ると やはり俺の健康を気遣ってくれているのだとつくづく思う。
秋から冬に近づけば またプリンちゃんと会える日が近づく。
電話の内容も それに関する話が多い。
お互いラブラブを強調する時もある。まるで何かの不安を払拭するかの如く。
本当は今の時期 ダブルワークでもして プリンちゃんからの金銭的な協力から脱したいとこではあった。

これは、多分だが、この年月から いざとなればプリンちゃんがいるさ のお気楽モードが出ていたのだろう。

No.197

冬に入ろうかとしていた ある日曜日の夕方。
博子ちゃんからメールが来た。「お元気~ 暇なら相手して~」

時間を持て余していたから 即時電話をかけた。

「浩之さん 聞きたい事があるんだけど プリンちゃんと1年に一回しか会わなくて 欲求不満にならないの?」

いきなりと言うか 前振り無しに慌てる俺だが
「まぁ その変は来年でまるっと5年になるし 慣れもあるさ。エッチな写メをくれるから それでやったり それに去年の忘年会の時にオナのムービー見せたよね。 何とか自分で処理してるよ」

ふ~ん の声があると同時に

「ねぇ~電話でエッチした事ある?それぞれが指示を出して 想像しながら するんだけど 私と・・・どう?私も、今 エッチな写メ送ろうか?」

No.198

武者震いなのだろうか?携帯を持つ手が震えている。
その反面 如意棒はすっかり反応していた。

自分で自分を
「落ち着け 博子ちゃんの気の迷いだ」と言い聞かせる。

「博子ちゃん まさか酒でも飲んでいる?なんか可笑しいぞ 博子ちゃんらしくない。何かあるの?話なら聞くよ」

すると いきなり泣き出した。不倫とか年齢が離れている異性とかじゃなく 普通の恋人が欲しいと。

1時間ほど 話を聞いてあげ それで安心したのか いつもの声にもどり お礼を言って電話を切った。

それから 3分もしないうちに メールが来た。俺は、てっきり 再度ありがとうのメールと思いきや

パンチラ写メが二枚。さて これをどうしたものか・・・消去するには 勿体無いし 普通にデータフォルダーに入れておくのは危険すぎる。

だが、今の俺はエロガッパ。
サイトで落としたパンチラの中に保存し 木を隠すなら森の中
博子ちゃんのパンチラ(アップだからチラでは無いかも)を捨てる事は無かった。

No.199

ゆきえちゃん、近藤も、それぞれのパートナーと上手くやっている様だ。近藤から珍しく 忘年会パスのメールが来た。

ゆきえちゃんに忘年会パスを回し ゆきえちゃんが博子ちゃんに
一種の連絡網だ。

まぁ 俺の方も、エロ写メ以来 博子ちゃんを意識していたわけで ある意味顔を会わせない事に安堵を覚えた。

それは、そうとプリンちゃんにホテルの予約の件と予定を今日伝えて 相手のリクエストも聞いておかないと・・・

No.200

電話をする時間や回数が減っても、メールだけはこまめにする。だが、俺の方が雑な返信をプリンちゃんをイラッとさせてしまう事もある。
今夜は忙しい中プリンちゃんの方が時間を作ってくれ(昔なら違和感ある書き方だが)

電話がかかて来た瞬間
「なんかさぁ ここ数ヶ月の浩之さん冷たく感じる。メールにしても短文が多くなったし」

最近の不機嫌はそれが理由?

「プリンちゃんだって 今年になって 疲れたを連発して 電話をしなくなったじゃん」

「だって本当に疲れて電話をする気分じゃないんだもん」

なんとかなだめて 帰省する時の予定とホテルの予約を話すと 今までのハイテンションでは無い事だけは確かだ。

No.201

何だろうな? やっぱり付き合い始めた時みたいに 熱いモノは無くなっていくのだろうか?
俺とプリンちゃんとの間に初めて亀裂を感じた瞬間。

電話をする日が少なくなる。建前上は、お互いの生活を優先し 疲れている時は休む。

のはずだが・・・ 電話で自分の考えを発信する事が少ないプリンちゃんだけに 俺も頭を悩ませる。

俺は、博子ちゃんやゆきえちゃんにでは無く あえて経験豊富な会社のお局様に聞いた。

入社し 2年が過ぎそれなりに人を見てきたつもり 年上の女性でも、この人ならと思う人に胸の内を明かす。

「お局様 俺、お局様ともっと仲良くなりたい だからメルアド教えて欲しい」

一瞬身構えられたが、なんとかゲット。

「私を口説くつもりなの?新手なナンパかな?浩之さんには、私も興味があったし だけど恋愛に発展したり」

少なくとも 今の俺はそんな気すら無い意思表示をした。

No.202

翌日が、今年最後の勤務。今回は忘年会も予定らしきものも無い。

仮に何らかの不都合でお局様の怒りに触れたとしても、9日も冬休みがあるから 何とかなるだろうと安易な考え。

夜にプリンちゃんとのやりとりを早めに切り上げ お局様との連絡する事を悟られぬ為に 半分サラッと流す感じで終えた。
お局様にメールした時 反応が無いから寝てしまったか?と諦め掛けた時にリターンが来る。
「ごめんごめん お風呂に入っていたよ。メール面倒だね。電話番号教えるから ・・・」

時計を見れば、夜の10時。
1時間話したとしても 明日はラストの勤務だしと思っていたら 指が勝手に携帯番号をクリックしていた。

No.203

指が勝手に・・・ メールが携帯番号が書いているとこを押してしまった。
思考とは、別に指が (-_-#)

「もしもし 由美だよ。浩之さん ハート強いね。メールに電話番号を載せて ダイレクトに来たのはキミが初めてだよ」

相手の会話よりも『由美』の方が鮮烈すぎて
普通電話に出る時って 名字だろう・・・
名前で出たぞ。
「お局様 由美って名前なんですね。初めて知りましたよ」

「浩之さん 名前を呼ぶ敬称はともかく 普段の会話は、もっと気楽でいいぞ~」

会社では美人で知的な感じの経理。それが、実は開放的なざっくばらんな人だったとは

「じゃあ 由美さんの指示通りにするね。でも、電話だと イメージが違う。もっとガチガチの真面目かと思っていたし」

携帯の向こうでは、由美さんが爆笑。

「経理してると ただでさえ堅苦しいイメージがあるからね。キミのファーストインパクトも違うよ」

No.204

俺にまつわる話を聞いたら 入社当時同じ課の女性陣から チャラ男と思われてたそうだ。

それが、2年目中盤から 率先してみんなを引っ張り 更に3年目からは、完全にリーダーシップを発揮。

話をしても、優しくて面白くて博識だと(あくまで お局様発言だから)

「由美さん それプラス エロも付け加えて」調子こいて言ってしまった。

「そうか キミは、エロなのか あはははは。ムッツリスケベより 健全なエロの方が、私は好きだぞ。 さて本題にはいろうか」

先程のノリで聞いてくれるかと思いきや 相談は相談として真面目に捉えてくれる。多分 俺にとっても、今までに出会った事が無いタイプ。

「由美さん 正直なとこ 今ね彼女とやや険悪なムードなんだよ。しかも、4日後には、帰省先で落ち合う事になってるし」
人に相談するのだから 今更隠し事をするのも変だ。
出会いから 肉体関係 俺が今の会社に入社するまでのほとんどを話した。

No.205

由美さんから 先に忠告があった。これから話す事は他言しない お局様に相談した事すら他言しない。

「ズバズバ言わせて貰うけど 気分悪くしないでね。私の経験上二つあると思う。一つは、付き合っている年数が長いゆえにある倦怠期。 もう一つは、経済的な不安だね」

とてもではないが、言い返せない 黙って聞くしか無い。

「女性が長く付き合えば、極端な事を言えば、ハゲでもデブでも構わない。そりゃあ イケメンにこした事はないけど 全てを兼ね揃えた男は、SNSで女を見つけなくても、相手から寄ってくるものだよ。だったら何が重要か!! 経済力だよ。 キミは転職する前 話を聞く限りでは、貯金も少しはあった。そして何よりも 給料が少なくて困窮する事がなかった」

俺は、相談をしておきながら 少々怖くなった。的確に 俺が心のどこかで 負い目を感じていた事を見透かしたから

「倦怠期の方は、2人の絆を強くする何かや 少し変わった場所でのエッチで刺激を受け また新たな気持ちってのもある。 だけど経済の方は、キミが プランを立てて 例えば後2年待ってくれや ダブルワークして 少なくとも彼女から借りては返すパターンを止めるしか無いと思うよ」

No.206

まったくの正論だった。俺が、押し黙っていると

「まだ 別れた訳じゃない。回復の余地はあると思うよ。ただ、すでに彼女の中で覚悟が決まっていたのなら・・・ちょっとヤバいかな? 副業を探していたのに どうして探すの止めたの?

「由美さん 恥ずかしい話 リストラされて 何回も採用を断られると麻痺してくる。今の会社に決まって 最初の年 次の年までは10件近くバイトを見つけ申し込みと やっぱり時間の調節やシフトの関係で断られて そうすると今の生活に馴れてしまった」

その発言から 彼女の応答が
「その話だけを聞くと まだ60%は大丈夫かな?残りの40%は、あきらめに似た状況 これが愛想を尽かされると終わりだね」

今日の話を頭に入れて プリンちゃんと会わなければならないなんて ブルーだ。

No.207

由美さんは続けて
「今の神妙な面持ちは、なんだか浩之さんらしくないな。振られたら振られたで こんなおばさんでも、良ければ慰めてあげるよ」

「由美さんは、綺麗で知的なのに なんで彼氏いないの?結婚とか・・・」

ちょっとプライベートに踏み込みすぎるかな?と思ったけど

「結婚はした事が無いよ。付き合った男性の数も、3人だけ それも、20年前だよ。3人目と別れた時 なんか彼氏なんて面倒だと思ってね。回りは次々に結婚しては、離婚。そんなのを何回も見てくると 独り身が気楽。だからと言って 一夜限りの関係なんて人はいない。元はキミと同じでスケベなんだろうけどさ」

俺からしてみれば 性格も悪くないのに勿体ない。年齢がある程度上になると そんな物なんだろうか?

No.208

吐露出来たおかげで 気持ちは楽になった(その日だけでも)
時計を見れば あと30分で24時。予定を大幅に超え
ありがとうと言う踏ん切りをどこで付けようか 迷っていた時に

「浩之さん 唐突かもしれないけど 彼女のパンチラや裸体の 写メあるの?」

付き合い始めた1年目は、まったく無かった事を強調し

「結構撮らせてくれたから・・・大事にSDカードにも入れてるよ。 ひょっとして 由美さんのパンチラ送ってくれるの?」

「コラッ!私は、そんなに安い女じゃない まぁ キミが、彼氏にでもなってくれたら パンチラどころか毎日・・・大変だぞ あはははは。言いたい事は、仮にこの先 別れたからといって 彼女のパンチラや裸を掲示板やエッチなサイトに貼るのだけは、止めるのだよ。男を下げるぞ 大事に自分だけの秘密にしておかないとね。 それを言いたかった。じゃあ また明日 おやすみ」         
最後のコメントを聞いた後は嵐が去ったかの様な感じだ。


No.209

帰省する1日前に近藤から食事の誘いがあった。ファミレスで待ち合わせしていたが、来たのが1人じゃなかった。

そう 彼等が付き合い始めて4年ちょっと 初めての彼女同伴である。

「いやいや 待ったかな?今日は彼女も連れて来ちゃったよ~ん」

お前は、どこのオヤジなんだ!デレデレして いや!寧ろよく付き合っていると言うべきか?
だが、GREE熟女 とても50過ぎとは思えない。麻木久仁子って芸能人に似ている。つまり第一印象はGREEに貼ってあった写真よりも数倍可愛く 近藤には勿体無いが感想。

No.210

「気前よく 食事を驕るからと来てみれば、見せつける為に 呼んだのかよ」
近藤のニヤケた顔とは別に 熟女の方は、落ち着いている。

「初めまして 浩之さんの事 たくさん聞いてます。私と彼 浩之さんとプリンちゃんが付き合いだした時期も近いって 浩之さんから見て 私ってどうですか?」


「もう めっちゃ綺麗です。近藤には勿体無いです」

その発言で場が和む。
そっかぁ 近藤はこの熟女と・・・如意棒が反応しかけた。

12345・・・気を沈める為に数字を数えて見た。
されど GREE熟女のまなざしが、なんともエロい。

ヤバい このままでは・・・違う事を考えるんだ。進化論を唱えたのはダーウィン 鎌倉幕府が成立したのは・・・漢文の絶句 古文 あるとあらゆる事を頭に浮かべ 何とか如意棒が静まった。

食事を楽しみながら 俺と近藤の出会いや 2人揃ってリストラの話。GREE熟女と近藤の話を聞いて 楽しい時間を過ごす。

No.211

近藤を見ていると 年上の女性も、良いもんだなぁ なんてセンチメンタルになる。

「浩之 明日には、プリンちゃんと会えるんだよな? 遠距離恋愛 良く続くよな? 1年に1回しか会えないのに 長続きしていると思うぜ」

その点に関しては、信頼としか言いようが無い。価値観も合うけど それぞれを思いやる気持ちが無くなった時 終わりを迎えるだろう。

「俺達 これから買い物して帰るよ。浩之はどうする?俺達と一緒に行くか?」

せっかくの誘いだが、目の前でイチャイチャされるのも ちょっとな・・・
丁重に断りを入れ その場を後にした。

帰宅し再度荷物のチェックをして 早めの就寝を取った。

No.212

正月の朝 駅に向かう。俺の心境 少しだけ違うのは、最初の頃のドキドキ感が、やや低くなった。もちろん 会える事で嬉しいのは、変わらない。

しかし・・・マンネリなんだろうか?ただのマンネリだと良いが・・・

何時もの場所で待ち合わせ 早めに着いた俺は、駅周辺を探索。しばらくして プリンちゃんからの着いたよメールが来た。
何時もだと 可愛い絵文字やデコレーションメールなのに 険悪になっていらい 本当に短文もしくは絵文字の無い文章だけ
それは、俺にも言えたかもしれないが、プリンちゃんが待っている場所に到着し
プリンちゃんの顔を見ると 自然と笑みがこぼれる。俺の笑い顔を見て プリンちゃんも微笑みになる。

内心 この笑顔を見れた時 ホッとした。
それは、5年前プリンちゃんと付き合う前の彼女とのデート。
出発する前に 会うのが最後になるかも?別れの予感みたいなものを感じたから

No.213

だけど 心の片隅にある不安はなんだろう・・・

「浩之さん なんか暗いよ?私と会えて楽しくない? 険悪なムードまだ引きずっているの?」

無理に作り笑いが出来ない。それを誤魔化すように 抱きしめ顔を見られない様にした。

「そんな事無いよ 12月のいざこざは、ちっちゃい事だよ。 会えて嬉しい。コインロッカーに荷物を置いて プリンちゃんの大好きなあの料理を食べに行こう」

彼女が、安堵の表情を浮かべる。
俺は、妙な気持ちを察知されたくがないゆえ 明るく振る舞う。

帰省すると 真っ先に行く飲食店。混雑する駅構内をかき分け ようやく目的地の建物に入る。

エスカレーターに乗り 5階へ着くと 見慣れない光景が目に入ってくる。

「あれ?なんか違う!あの店が無い!しかも、フロア全体が変わっている。ありゃあ プリンちゃん最悪な状態を予定しててね」

「毎回楽しみにしていたとこが無くなると焦るよね。でも・・・えへっ」

プリンちゃんの顔を見れば本当に楽しそう。

「何?どうしたのプリンちゃん?」

「この後 きっと浩之さんが慌てながら食べる店を探す姿を想像したら・・・初めて 会った時の事を思い出して」

No.214

そっか・・・付き合ってからは4年半だけど 初めて会ってからは4年になるんだね。

俺も、当時の事を思い出し笑いがこみ上げてくる。だが、少なくとも初めて会った時みたいに 施設全体が改装している訳じゃない

その辺り 強気になれる。問題は、何を食べるか?俺も、プリンちゃんも空腹は間違いない。
「プリンちゃん 何でも良い?その土地ならでは、とかじゃなくても良い?」
「もちろんだよ。今は、空腹を満たすのが先 あそこのとんかつ専門の店でも良いよ」

指さす先にその店がある。迷うことなく入店する。2人で笑いながらメニューを見る。朝のモヤモヤムードが何処かに行ってしまった。

料理が運ばれて来た。このボリュームに男の俺もアップ気味。女性であるプリンちゃんは、食べきれない分を 俺の皿に移し
「あ~暫く動けないかも 浩之さんは、時間かけてゆっくり食べてね」

No.215

何も、時間を掛けてと言われたから ゆっくり食べたのではなく 本当にてんこ盛り状態なのだ。

それでも、なんとか平らげると プリンちゃんも満面の笑みを浮かべ 小さい声で

「ホテルにチェックインしたら ご褒美の熱いキスしてあげるね」

俺のやった~の声よりも如意棒が先に反応した。新年早々 食欲も性欲も旺盛だ。

食事を終え チェックイン時間も間近。コインロッカーに向かう途中 一つだけ気になる事があった。

昨年 まで手を繋いで歩く事が普通だったのに・・・気に掛ければ色んなとこが気になる。

今日を楽しむ為には、余計な事を考えるのは止めようと思う。

No.216

ホテルへ向かう途中で本日のスケジュールをどうしようか?と悩む。
例年だと 2人共昼寝をしてしまい 会っている時間を無駄に過ごしていたと言えない事も無い

ホテルに着き 部屋に入って開口一番 2人同時に
「寒いね」

俺が、プリンちゃんの手を引き抱きしめると
本当に冷たい。
この状況でキスする選択が正しいのかは判らない。

だけど プリンちゃんの顔を見れば それを求めているのは明白だった。

彼女の唇と俺の唇を合わせる。柔らかいよりも やっぱり冷たいが先に来た。
荷物を片づけ 暫くしたら暖房も効いてきた。2人でベッドに腰掛ける

「プリンちゃん とんかつ屋で言った ご褒美は?」

彼女が俺を押さえ込む。腰掛けていたとはいえ 両肩を抑え 仰向けになった状態で プリンちゃんが覆い被せる。

No.217

「忘れる訳がないじゃない。 でも、押さえつけて 顔をこんなにも近づけると 私が攻めてるみたいだよ」
その状態から 体をサッと入れ替え 今度は俺が上になる。

「逆転しちゃったね。さぁ どこを触ってやろうかな?」

ちょっとした おふざけだったのに 彼女は静かに目を閉じ キスを待つ。

俺は、熱いキスを期待していたが、想像以上にプリンちゃんのキスは激しかった。

舌を絡めて 俺の右手は彼女のパンストの上から秘部を触っていた。

パンストを脱がしたい思いがあるのに プリンちゃん なかなかキスを止めない。

ならばと 強引に下着の中に手を入れ 中指で刺激すると

「ずる~い もうちょっとキスしたいのに 指でそんな事されたら 我慢出来なくなるよ」
彼女の言葉を遮り これでは毎年同じシチュエーションになる事を伝えるが・・・

「少しだけ 少しだけでもいいから欲しい。浩之さんが出さなくても それで我慢するから」

No.218

毎月会える訳じゃない もちろん遠距離恋愛している人達が、全て 会うと直ぐにこんな事をしている訳じゃないのは百も承知。

そんな下手ないいわけが頭に巡る。プリンちゃんは既に濡れている。
俺の如意棒も口でしてもわらなくても 激しく膨張。

ヌルッとした感覚後 激しく突いた。ものの数分 それだけなのにプリンちゃんは満足したみたい。

「浩之さん 不完全燃焼で辛い?私の方は取りあえずは満足だよ」

「事を始める前の約束だからね。最後まで出さなくても 後のお楽しみ。プリンちゃん まずは身なりを整えたら 初詣に行こうよ」

その台詞から15分後にホテルを出て神社に向かう。

No.219

毎月会える訳じゃない もちろん遠距離恋愛している人達が、全て 会うと直ぐにこんな事をしている訳じゃないのは百も承知。

そんな下手ないいわけが頭に巡る。プリンちゃんは既に濡れている。
俺の如意棒も口でしてもわらなくても 激しく膨張。

ヌルッとした感覚後 激しく突いた。ものの数分 それだけなのにプリンちゃんは満足したみたい。

「浩之さん 不完全燃焼で辛い?私の方は取りあえずは満足だよ」

「事を始める前の約束だからね。最後まで出さなくても 後のお楽しみ。プリンちゃん まずは身なりを整えたら 初詣に行こうよ」

その台詞から15分後にビジネスホテルを出て神社に向かう。

No.220

この神社に2人で来るのは何回目だろう?ずっとこのまま2人で初詣に来たいと願う。

駅で手を繋ぐ事が無かった それを気にかけて 俺の方からプリンちゃんの手を握った。

こちらを見て微笑むプリンちゃん。俺の考え過ぎだったのだろう・・・

「さぁ 何をお願いしようかな?浩之さんは何を願うの?」

俺の願いは、ただ一つだけ
しかし、それを叶えるには、まだまだ乗り越えなければいけないモノばかり

「生活が安定し 早くプリンちゃんとの新しい生活がスタートできます様にだよ」

彼女は、私もだよと頷く。
どこで調べてきたのか?プリンちゃんが商店街の中にぜんざいを食べさせてくれる場所があると言ってきた。
「テレビで見てたら ケンミンショーで流れてたんだよ。それを見たら もう絶対に食べたいと思ってて」

俺は、きっと彼処だろうと 推測し プリンちゃんの手を引く。

No.221

記憶を辿りながら店に到着。中は狭いながらも大繁盛 俺達は、辛うじて相席をする事なく座れた。

「プリンちゃん 激狭っだね。関取が来たら まず座れないよ。このテーブルも年期が入っているし 未知なる体験だね」

「逆に今風じゃないから良いのかも 浩之さんは、こんな感じの店は嫌なの?」

そんな会話をしながら運ばれてきたぜんざい。定食についているお吸い物の小さいお碗に入ってきたのだが、正直な感想が、これ一杯で500円もするのか?と思う量だった。

ただ老人と女性は別みたい

「美味しい 浩之さんこれ美味しいよ。テレビの中で紹介される理由も理解出来るね。もう一杯食べようかな~」

昼に食事をしてから三時間。女性が良く言う 甘いものは別腹 これはどうやら本当みたい。
甘い物が好きな俺でも、一杯で十分。プリンちゃんが2杯目に移った時 俺は静かに顔を背けた。

店内に長居したつもりじゃないけど 窓から行列が出来ている様子が伺え

プリンちゃんが3杯目を言わないうちに
「プリンちゃん そろそろ食べて出ないと 店の外に行列ができているよ」

それを見て お碗の中をかきまぜながら冷まし 口の中へ慌てて放り込むプリンちゃん。

No.222

料金を払い 外へ出れば冷たいはずの風が心地よい。

「浩之さんの言う通り かなり行列ができてるよね。あんなにしてまで 食べたいのだろうか?たかが ぜんざいなのに・・・ねっ!」

自分は2杯も食べておきながら よく言うよ。
手を繋ぎ 商店街の中をブラブラ そのまま繁華街に出て見る。会える日数が限られているから 予定を最小限に絞ったスケジュールが逆に裏目となった。
どうしようかと悩んでいたら 目の前にドン・キホーテ。

「プリンちゃん ドン・キホーテ行ってみよう。買わなくても、変わった物を見るだけでも楽しいと思うよ」
彼女が住んでいる地域にはドン・キホーテが無いらしく 初ドン・キホーテに目移りを繰り返す。

そのキョロキョロした仕草をみているだけでも楽しくなる。

意図的に下着を売っていた場所に連れてくる。そのリアクションを見る為に

「何~こんな下着があるんだね。アソコのとこがパックリ割れてるパンツなんて どんな時な履くんだろうね?」

No.223

それは、誰が考えても普通じゃない時に履く。パートナーを楽しませる為の趣向だろうけど 天然ボケなのか? 或いは、こちらから何らかの言葉を引き出したいのだろうか?

「プリンちゃん 買ってあげようか? あれだったらホテルへ戻って履いてみるってのも・・・へへへ」

「なぁに?そのやらしい笑い方は?私 こんなの履かないもん。こっちのフリフリが付いたロリ系のなら履いてみたい。浩之さん、どうせ買ってくれるなら こっちのがいいなぁ」

会計を済ませ プリンちゃんに渡すと
「浩之さんが、これ履いて 私が写メ撮るね」
断固として拒否した。一生涯 汚点になる。
何が悲しくて 女性のパンティーを!
女性のパンティーは女性が履いてこそ意味がある。

ドン・キホーテの中は、一時間ほど?と思っていたら 2時間を超してしまい 外は夕方六時半なのに もう暗い。

真冬だから 当然と言えば当然だろう。

No.224

「店舗内に入る時はまだ明るかったのに 冬の夜ってなんかあんまり好きじゃない・・・浩之さん 実はね お願いがあるの」

どんな願いか予測する前に彼女から
「じゃらんで見た クレープ屋にどうしても行きたくて 何時もは、スケジュールを浩之さんに丸投げしてるけど ぜんざいとクレープ これはぜひコンプリートしたい」
まぁ ボチボチ晩御飯の時間だし クレープを食べたから その後の食事が出来なくなる事は無いだろう

「よし!プリンちゃんどこら辺りか教えて そこでクレープを食べて それから夕飯にしよう」

聞けば、昨年遊びに行った あの施設の中。あの時 確かに甘い香りがしていたかも?クレープの話を切り出され そんな気がしてきた。

地下鉄を乗り クレープ屋に到着すれば 席に座って食べている人全員女性。
ちょっとだく気が引けた。それを察し プリンちゃんが俺の手をグイグイ引っ張る。

No.225

スイーツには、正月なんて関係ないのだろう。これだけ繁盛していれば・・・
「うわ~あれもこれも食べたい。浩之さんは何にするの?私は、チョコバナナとプリンのパフェにするよ」

クレープはどれを食べても甘いのだろう。要するにトッピングの違いだけであって

面倒そうに選ぶ俺見て

「チョコバナナプリンとイチゴ練乳下さい」

俺はプリンちゃんを見た。まさか!ここでも2個食いなのか?
「浩之さんはイチゴ練乳ね。食べきれなかったら 私に頂戴ね」

なんの事は無い 自分が食べたい物を 俺に押しつけただけだ。
しかし、これが一口食べると実に上手い。なるほど どれも一緒的な考えは撤回する。

自分のを早々と食べたプリンちゃん。俺を見ていた いや正しくは、俺が食べているクレープを見ていた。
「何を見てるの プリンちゃん。ひょっとして まさか・・・一口頂戴なんて言わないよね?」

上目遣いで 俺を見て

「私の浩之さんは、そんな意地悪言わないもん 黙って 私に食べてみるかい?そんな感じでくれるもん」

それは・・・まぁ いいだろう。

「プリンちゃん はい あ~ん」

No.226

彼女の口は、右手に持つスプーンじゃなく 左手に持つクレープ本体へ。

あっという間の出来事で 左手を見ればクレープ3分の1が無くなっていた。
「プリンちゃん!! 何をするんだよ~」

彼女は笑うが、虚を突かれた感じの俺は、あまりいい気はしなかった。

「ごめんごめん そんなにムッとしないでよ。もう一つ 注文しようね」

頭の中にあるイタズラがよぎった。

「プリンちゃん 俺が注文した物をもう一つ食べるってのは どうかな?」

プリンちゃん 何かを予感したらしく
首を横に振る。

「残念だなぁ さっきメニューを見たら 納豆クレープってのがあったから それを食べさせようと思ったんだけどね」

No.227

実際にどんな味なのだろう?程度の興味はあったが、自分で食べてみたいとは思わず 人の反応を見たかったのだが・・・

プリンちゃんがとんでもない事を発言し 周囲の女性客が、俺を顰蹙の目で見た。

「浩之さん それは嫌 納豆はパスだよ。納豆プレイは嫌!」
「ちょっ!プリンちゃん 納豆プレイって そんな事しないよ」

ヒソヒソと女性客達からの声が耳に入る。

隣に座る 化粧の濃い女2人は「聞いた!納豆プレイだって 納豆使って どんな事するんだろうね。なんか臭ってきそう 体に塗りたくるのかな?」

プリンちゃんの余計な一言で 赤っ恥だ。

「もう 勘弁してよ。プリンちゃん 俺そんなアブノーマルな事はしたことがないじゃん。」
してやったりのプリンちゃん。あの笑顔が、若干憎たらしいく思える。

クレープ屋での 恥かきを後にして そのまま夕食をしようと思ったが!!
しまった!!!
正月営業で早めの閉店だった。急いで探すも、店じまいしているところばかり
ようやく見つけたとこが、リンガーハット。

No.228

明らかに不服な顔のプリンちゃん。そうだろうと思う。リンガーハットなんて どこで食べても同じ味だし わざわざ遠出までして リンガーハットを食べないといけないなんて もし、俺が女性の立場なら必ず文句を言うだろう

「プリンちゃん 他に無いんだよ。店が開いてないんだよ。ここだって21時に閉めますって書いてるじゃん」


「だからって 何で此処へ来てまでリンガーハットなのよ~ 私の住んでいるとこ 頻繁に見るし 正月からチャンポンだなんて・・・ 帰りにコンビニでロールケーキとプリンを買って どか食いしてやる!」


なんとか宥め 店に入る。
俺としては、腹が減ってるし そりゃ帰省してから郷土料理をまったく食べてないけど・・・

「プリンちゃん なんだかんだと 皿うどんのセット 俺より先に平らげるのが早いじゃない」


「だって 浩之さんに負けたくなかったもん。 負けた方が、コンビニで買うデザート 奢るって事だし」


おっ~~~ 何時そんな約束になったのだろう?初耳だ。

No.229

2人で手を繋いで 繁華街を後にする。遠くに見えるネオンが、よりロマンチックにさせる。
繁華街からホテルへ戻る途中の地下鉄。平日ならまだしも 正月も夜 9時を超していると人もまばら。

目的の駅着くと コンビニめがけ突進するプリンちゃん。

女性だし デザートどか食いと言ったところで・・・そう思いたかった。カゴの中にはプリンとロールケーキがそれぞれ四個づつ 計八個。

「私は、これだけでいいよ。後は浩之さんの好きなものを買えばいいよ」

シュークリームと黒烏龍茶を買った俺だが、まさか本当に八個 今夜に食べてしまうのだろうか?

会計を済ませ ホテルへ戻る途中 プリンちゃんからのキスが待っていた。

「ありがとう 浩之さん 続きは部屋に戻ってね」

これでプリンちゃんの思惑へまんまと乗せられ 如意棒はすでに臨戦態勢であった。

No.230

部屋に入ると 即イスに座り デザートを食べる彼女。
顔を見ていると至福の一時って感じだろうか?

早々と三個目に手をかけた時 思いだした様にプリンちゃんが横にやってきた。

「幸せ~こんなに食べれて幸せだよ。浩之さん ケーキ食べたばかりだから キスしたら絶対に甘いよ」

彼女を抱き寄せキスをすると 確かに・・・甘い。
キスは徐々に激しさを増し ついにはディープキスにまで

「プリンちゃん 昼の続きだね。いっぱいいっぱいラブラブしようね」

彼女の目が潤んでいるのに気が付く。時間にしてどれくらいか判らないが、キスだけで かなり時間を使用したと思う。

No.231

キス自体は、問題ないのだが・・・彼女が甘い物を食べていたから こちらの口の回りまでベタベタになる。
「プリンちゃん ちょっとストップ! お互いうがいして口の回りをタオルで拭いて 仕切り直ししようよ」

プリンちゃんの一言「だねっ!」で大笑いする。

だけど一端テンションが下がると その気になれない。

それを見越してのプリンちゃん
「浩之さん 変態って思わないでね。せっかく口の回り拭いてすっきりしたけど ロールケーキのクリームをアソコに塗ってペロペロされたら・・・」

「プリンちゃん 俺はバター犬じゃないんだよ。そんなアソコペロペロなんて・・・ やってみよう。何事も挑戦が大切(笑)だよね」

No.232

人生初の挑戦である。自然と笑いを堪えきれなくなるのを たんとか下唇を噛みながら 人差し指にクリームを塗る。

真っ先にクリへ指を進め 優しく丁寧に それが余計に刺激を高めた様だ。

「浩之さん マジヤバ その触り加減が良すぎる。どうにかなっちゃうよ」

プリンちゃんがイク前に更に入り口 若干中にもクリームを

「なんか こんなの俺も初めてだから妙に興奮するよ。プリンちゃん じゃあ口でしてみるからね」

舌先を使い 塗った場所を舐めると プリンちゃんのよがり声が加速する。

No.233

彼女は喘ぎ声を出すまいと自分の手で口を塞ぐ。その 恥じらう姿が可愛かった。

女性の性器を見るのは初めてじゃないはずなのに 何か神秘的な物を感じる。
舌の先端を尖らせ 大〇部をまるで親猫が、子猫を舐めるが如く優しく優しく
クリームを舐め終わると 思いっきり吸い付いた。
前回 これでプリンちゃんが失神しかけたのだが、今回は如何に?

「もう もうダメ 本当に気が狂いそうだよ。浩之さん」

そう言い終わると前回同様に グッタリと完走したマラソンランナーみたいにベッドの上で固まった。

そんな彼女を見ていたら 何時しか睡魔が・・・ されどこの気持ちよさは夢なのだろうか?
目を覚まし 仰向け状態の俺に プリンちゃんが事もあろうか 如意棒にクリームを塗ってくわえている。

No.234

クリームを塗ったからなのか?この滑らかさ ヌルッとした感触。自制心を保前にプリンちゃんの口の中で発射してしまう。
「プリンちゃんも、今 俺が感じた気持ちと同じだったのかな?挿入の前に出してごめんね」
彼女の顔は不服よりも満足げに「そんな事無いよ。気持ちよくなってくれて良かった。テレビでも見て 休憩をしてれば回復するさ」

そう言うと彼女はテレビのリモコンに手をやり 無造作にチャンネルを変えた。
三が日 この時間帯は、バラエティーか映画しかやってなく それでも彼女とベッドに並び 楽しく時間を過ごした。

ベッドの上で フォルダーに入れてある プリンちゃんの写真を見ると 結構な数を撮影したいたのだと 我ながら感心。アルバムに貼れば一冊は出来てしまうだろう。

「浩之さん 私のエッチ写メ たくさん保存しているね。最初の出会った時こそ撮らなかったけど 毎年会う度に増えていくね。撮ったの見ると 浩之さんは、こんなアングルが好きなんだなぁ・・・なんて思うよ」


確かに 似たアングルが多い。それも、サイトで拾ったパンチラにも共通している。苦笑してしまう

あと15分で、1月2日になろうとしていた時
「プリンちゃん 俺、ホテルの自販機コーナーに行ってみるよ。ちょっとした探検に」

面倒くさがり屋の彼女 てっきり部屋に残ると思いきや着いてくるとの事。

No.235

ホテルの建物の中は、外ほどの寒さじゃない。当然ながらコートを着る事も無い 無いはずなのにプリンちゃんは着てきた。
「プリンちゃん 寒がり?違うよね」

彼女は意味深な笑みをこぼし
「さぁ 行こう」とだけ発する。

俺がトイレから出てきたら 既にプリンちゃんは準備を整えていた。
こんなに早くに・・・素早く用意できる理由が後から判ったけど。

「深夜のホテルって なんか不気味よね。私 1人じゃとてもじゃないけど 出歩けないよ。浩之さんは、ワクワクしているの?」

声のトーンを落としながら 彼女に返答した。案内を見てみれば、エレベーターで4階への移動。

上は9階だから俺達が泊まっている5階からだと 普通に4階へ行くはずなのに

エレベーターに乗るとプリンちゃんが9のボタンを押す。
まぁ どちらでも構わないが・・・

その階に着くとエレベーターの到着音が館内に響く。
一番端の かなり窪んだとこに8台も自販機があった。

「俺は、ビジネスホテルには何回も泊まっているけど プリンちゃん 此処のホテルの自販機はかなり充実しているよ」

自販機コーナーの隣には、コインランドリーも兼ね備え さすがにこの時間に洗濯している者はいないけど
「ひげ剃りや整髪剤 パンツに靴下も売っている自販機は、初めて見たよ。コーヒーでも買って長いすに座ろうか」

No.236

今年は、珍しくその土地ならでは!の食べ物に接して無く 明日、親友に会う時もGASUTOに行くのが決まっている。

長いすに座りながら まったりと
「プリンちゃん なんかごめんね。いつもだったら もっと美味しい食事を楽しみにしていたのだろうけど」

彼女は首を横に振る。

「一緒に居れるだけで幸せなんだもん だから気にしちゃダメ」

そう言うと プリンちゃんは口を突きだして キスをしての合図を示す。

フロアの一番端 奥まっているとはいえ 偶然にも泊まり客が、何かを買いに来たらアウトなんだけど

簡単なキスに終わらず やはり舌を絡めた激しいものになる。
「浩之さん 携帯持ってきてるでしょう 写メ撮ってよ。コートボタン外して全開にしてあげるから」

コートの下は・・・まさかの全裸。サイト等の露出の貼りでは見た事があるが、目の前で見ると興奮が瞬時に頂点になる。

「プリンちゃん これが理由だったんだね。なんでコート着てるかなぁ?と思ってたよ。コートの下から見える足は素足だし そっかぁ ちょっとしたサプライズだね」

そう思うと 携帯のシャッターを夢中で押した。コートの全裸だけで20回もシャッターを押し ポーズも変え 一通り終わると・・・

再度 フロアを見渡し 耳を凝らし人がいない事を確認した。
「浩之さん しっかりと回復してるじゃない 綿パンの真ん中が盛り上がっているよ」

No.237

彼女の右手が、如意棒をさする。更に固くなるのが、自分でも判る。

俺も指で応戦する。プリンちゃんを長いすに座らせ 股に頭を突っ込み 優しく 次第に力任せに愛撫する。
プリンちゃんの息遣いが激しくなり あっ あっと声が洩れ始める。

俺の方も準備万端

「プリンちゃん 自販機のとこ手をついて 足を開いて 後ろから挿入するからね。こんな場面に人が来たら なんも言い訳できないよね」

如意棒の先端部分をプリンちゃんの秘部に当て少しだけ挿入し 止める。

「浩之さん そんな嫌がらせせずに 早く!お願い!」

如意棒 全てを入れた時 温かいと思わず口に出してしまった。

後ろから突き お互い向かい合わせになり 俺はプリンちゃんの片足を持ち上げ 再度挿入する。

「もう どうなっても良い 見つかってもいい 声が出ちゃうよ。気持ちいい もっと激しく あぁぁ」

プリンちゃんの締まり具合に 中で果てる。俺は、なんとか息を整えようとしたが、あれだけ激しくやっては なかなかバクバクの心臓も落ち着かない。
プリンちゃんがコートを着直し 2人で長いすに座って肩を抱き合って しばらくしてから 熟年のカップルがやってきた。
2人共 内心ホッとしたのだろう

「浩之さん 後 10分遅かったら ヤバかったね。見つかってたよ。あれだったら 熟年カップルを混ぜてスワッピングでもする?」

笑いながら 言うプリンちゃんが可愛かった。
部屋に戻り 2人で風呂に入るが、さすがに ついさっきやったばかりなので 普通に洗って タイマーをチェックアウト二時間前にセットし
プリンちゃんと抱き合って寝た。

No.238

ベッドの温もりと隣にプリンちゃんが、寝ている顔を見れる。
そんな心地良い朝に目覚めた。たっぷりと睡眠した気分なのに 実際には普段と差ほど変わらない7時間の睡眠。

横で寝ているプリンちゃんに軽くキスをし トイレに行く。

寝る前にコーヒーを2本飲んだからだろう 長いなぁ~と寝ぼけながら立って やや的を外し慌ててこぼした分を拭いて流す。

用を足して出てきたが、プリンちゃんは以前爆睡中?
髪を優しく撫でて この光景が何時までも続くとその時は信じていた。

まだゆっくり出来るが、歯を磨き準備に入ると テレビがつき音声が聞こえる。

プリンちゃん、起床したんだ。口を濯いで おはようと声をかければ エンジンが掛かってないプリンちゃん
「おひゃよ~」
はっきりとしない口調に笑いが出てしまう。

数分後 トイレと洗顔を済ませてきたプリンちゃんが、俺の横に座り 俺が感じたまんまを発言した。

「10時間以上寝たつもりなのに まだ9時にすらなってない 浩之さんはゆっくり寝れた?」

俺もプリンちゃんと同じだよと言えば にこやかに腕を組んでくる。

「プリンちゃん 朝食いる?昼間で待てる?」
 「寝る前に運動したから お腹空いてる」

そうか プリンちゃんにとってはアレは運動なのか(笑)

2人と着替え ホテルのビッフェコーナーへ向かった。

No.239

広いホール 1月2日の朝。前日にこんなにも宿泊客が居たのか?と思うほどの盛況ぶり。

席も、窓側は満席状態。真ん中の席は、比較的空いていた。

しばらく待てば ひょっとしたら空くやもしれないが、プリンちゃんのお腹がグゥ~っと GOサインを出す。
真ん中しか空いては無かったが、結果だけを見れば 各料理を取りやすくベストな位置取りになる。

「あ~もう 沢山食べたい カリカリねベーコンもスクランブルも ハッシュッドポテトも 和食も、ぜ~んぶ食べるよ。浩之さんはどうする?」

昼の食事も考えないとダメなのだが・・・彼女につられてしまい ボイルした粗挽きソーセージや ミニオムレツ サラダにクリームコロッケ それプラス和食。

とどめは、イチゴムースとぜんざい。部屋に戻った時は、2人と黙ってしまうほど 腹の膨れ具合が大変な事になっていた。
「あと1時間10分は部屋で休めるよ。プリンちゃん 大丈夫?横になる?」

「浩之さん 今 横になったら即爆睡モードになるよ。30分もすれば 普通に会話はできるかな?チェックアウトまでテレビを見よう」

No.240

20分程経ってだろうか?互いに喋れ つい先ほどのお腹がパンパンは無くなりつつある。

そんな時 プリンちゃんが突如として

「あっ!大事に事を忘れてたよ。浩之さん大変大変 思い出して良かった~」

「うっ~???何 どうしたのプリンちゃん 何を思い出したの?」


彼女の話を聞けば、昨日ドン・キホーテで買ったフリフリのパンティー 履いてたから写メを撮れって・・・

普通は、男の方から言うものだけど・・・決して反対はしない
いや!寧ろよくぞ思い出してくれたプリンちゃん。昨日 買ってあげた事すら忘れてた。

頭の中にロリ系だし そんなに期待してもと思っていたが、黒のストッキングと白のパンティーがこんなにもベストマッチだなんて思いもしなかった。

M字や下からのアングル パンスト越しの接写 パンストを膝まで下げて・・・思いつくかぎり携帯のシャッターを押した。
写メはもう十分に取り終えると 今度は直に触りたくなるのが性。

「プリンちゃん パンスト超しに アソコ触ってもいい?」

「良いけど 入れたりしていたら チェックアウト 時間をオーバーしちゃうから 指だけって約束してね」

No.241

時計に目をやるとAM11時までに30分。
行ける!!(何をと聞かれると困るが)

プリンちゃんのムチムチの太股から お尻にかけて撫で回し パンスト越しに指で触ると 適度な弾力。

お互い 立ったまんまというシチュエーションがまた興奮する。 プリンちゃんの吐息がまた色っぽい

パンティーの中に手を突っ込み 秘部を触れば 予想した通りの濡れ具合。

中指をゆっくりと入れ チョコチョコっと動かせば プリンちゃんが腰を引く。

「浩之さん 私が我慢出来なくなるから もうこの辺で・・・あんっ ダメ お願いだから この辺りでストップ」

彼女の下着が汚れてしまっては、気の毒。
トイレに入り ペーパーを取ってきてあげた。
念入りに 愛液を拭いてプリンちゃん。
「残念だなぁ もっと時間があれば良かったのに なんか不完全燃焼かな?」

それはこちらも同じだが、ともかくチェックアウトしないと オーバータイムの料金を取られてしまう。

手荷物をあらかじめ準備していたので ギリギリってほどの事もなく 無事にチェックアウトを済ませた。

No.242

地下鉄に乗り 親友が待つ駅裏に急ぐ。小林も、俺も ほぼ同時刻に着いたみたいで 小林からの電話が鳴った時には、目と鼻の先。


「相変わらず 親父顔だな。パパってのが板に付いているよ。嫁さんの方はいいのか?」


「お前だって 差ほど代わり映えしないじゃん。プリンちゃん 浩之ってエッチだろ?スケベのオリンピックがあったら 間違いなく金メダルだぜ」


プリンちゃん ケラケラと笑い
「今日は、GASUTOなんですよね? 2人共 久しぶりに会った訳だし 話したい事沢山ありますよね」


プリンちゃん 俺にはタメ口なのに 親友にはかしこまった喋り。

まだ馴れてないのだろう
彼の車に乗り GASUTOへ入る。正月2日目 店も暇なのか?と思いきや 午後10分前になると 団体客がぞろぞろ

料理が出てくるタイミングが遅れると嫌なので さっさと呼びボタンを押し 注文する俺達。

「浩之 注文が相変わらず大物って感じだよな お前ら朝食は食べて来なかったのか?」

愚問である。


「否! 俺も、プリンちゃんも朝からバイキング。ホテルだからビッフェをたらふく食べたぞ」


「それなのに この食欲か?あきれた奴だ。プリンちゃんを見てみろよ デザートのみじゃないか お前はミックスグリルに山盛りポテトフライ 大ライスに 唐揚げ バターコーンに ピザ」


この食欲に我ながら笑うしかない。
俺達2人の昔話に嫌がる事なくプリンちゃんも付き合う。しかし、なんだかモジモジ

「プリンちゃん どうしたの? トイレ?」

コクリと頷くと トイレへダッシュする。
その時は、単なる生理現象にしか思えなかった。

俺は、小林との話が楽しく 食べては話をするの繰り返し。
だけど 小林はプリンちゃんが遅いのを気にしていた。

「大丈夫か?彼女 腹でも下したのか? 浩之 ちょっと見て来た方がいいんじゃない?」

No.243

俺は、女のトイレは長いと思っているから もう少し待てばと考えていたが、流石に20分を超えた時 オイオイまさか!となり

トイレへ向かう。トイレへ向かう扉を開けた時 丁度、女子側からプリンちゃんが出てきた。ホッペが紅潮しているが、風邪でも引いたのだろうか?


「プリンちゃん 心配になって様子を見に来たよ。どう?体調悪いの?」


「ごめんね 浩之さん 理由は、お母さんのとこに着いてから教えてあげるよ。体調が悪いとかじゃないから 心配はご無用だよ」

笑顔で席に着くプリンちゃんを見て 親友も安堵の表情を浮かべる。

「なぁ 小林。かしこまったとこで食べるのも良いけど ファミレスで心行くまで喋るってのも良いな」


「浩之の事だから わざわざファミレスを指定する そこに何か意味があると思っていたぜ」
楽しい時間ではあったが、妹からの催促の電話が来た。

「お兄ちゃん まだ時間がかかる?2時までに来れる?息子たちが、お腹空いたってうるさくて・・・」

催促の電話で 改めて13時を軽く回っているのに気がつく。
彼の好意で 実家近くのコンビニまで送って貰い そこから到着したよの電話を入れる。

すると ちびっ子と言うには、およそ似合わない 成長した子供達が迎えに来てくれた。

「おじちゃ~ん 遅いよ~ お腹が空きすぎて もうフラフラ」

子供達に何でも好きな物を買って上げるからと言えば
すんなりと大人しくなってくれた。

彼らが、お菓子を選んでいる時に 俺は、ファミレスでのプリンちゃんのトイレの件が気になり 改めて聞いた。

No.244

「プリンちゃん 体調優れないなら 早めに切り上げようか?」

彼女が首を横に振り

「だから ファミレスで言ったよね。体調不良とかじゃないってば。実はね・・・朝のムラムラが体に残っていて 浩之さんの親友の車に乗っていた時 多分だけどボールペンか何かを下にしたまま着席したから 車の振動でボールペンが微妙な位置に当たり まぁ それでトイレで・・・ その・・・ 指で・・・」

鈍感な俺も そこまで言われたら理解出来た。
それでホッペの紅潮に繋がるのだろう。

「だけど プリンちゃん 声は出なかったの?ヒヤヒヤするよね?」


「クリちゃんを触ってる時も口を手で塞いでたよ。でも、指を出し入れするピチャピチャは 耳を凝らせば聞こえたかかも?」

続け様に「イった後に 別の人が入ってきたみたい それまでは私1人だったよ」

理由を聞けたは良かったが、結構興奮してしまった。

「浩之さん お母さんのとこ 少し早めに出て どこかでエッチする?」

俺としては、思考する前に首が縦に動いていた。

子供達のお菓子選びが終わり 俺も、お茶とカフェオーレを買い 実家へ向かう。

No.245

帰省する度に何時も思うのだが、帰る場所があるって事は有り難い。昨年の疲れが取れ また今年も頑張ろうとなる。

俺と彼女が着席すれば 母と妹の料理が出てくる。そして味を堪能する。

今日は、朝から食べっぱなしだけど それでも家庭料理に飢えていた俺は、ビッフェやファミレスで食べた事を無かったと 言い聞かせ食べまくった。

談笑もある程度済むと 子供2人が、これも毎年の事ながら遊んでとせがむ。
「じゃあ 外へ行こうか!プリンちゃんはどうする?」


「私、もうおばちゃんの年齢に入りかけてるし 体力も無いから ここでお母さん達と話をしてる」

子供達の「さぁ 行ってみよう~」の合図で外へ出る。

コンビニでボールを買い 三人でキャッチボール 鬼ごっこと30分もしたら 俺の体力が100から55ほどに

子供達の体力に驚きながらも ボチボチと家へ向かう。
帰宅すれば、部屋の中から笑い声

こちらは、こちらで楽しくやっていたのだろう。子供達 お待ちかねのお年玉を渡し 実家でやれる行事は、全てこなしたかな?

「やったぁ お年玉の額が増えてる。浩之おじちゃん 僕たちの年齢が増えたから?」

子供は、本当に思ったままを口にする。

「それもあるよ。二人が、お母さんやおばあちゃんを助けているのを聞いた。だから 倍にアップ」

飛び跳ねるほど 嬉しく その姿を見ているだけで 部屋の中が賑やかになる。

No.246

こたつでくつろいでいると プリンちゃんが目で合図。
はて?何の?

それから10数秒後に ハッと気がつく。時計を見れば 4時半

思いついた様にプリンちゃんを駅まで送ると 口にする。

母親と子供二人は「え~ もう帰るの?」と

色々都合があるし 俺は、明日まで残るから。と言っても宿泊して 昼の新幹線で帰る予定も告げた。

母と妹達にお礼を言って 出発の準備をする。プリンちゃんと子供二人は先にドアを開け 外に出る。

母はトイレを我慢していたので 速攻でトイレへ向かう。

そんな時 妹から
「お兄ちゃん プリンちゃんと喧嘩したの?」

あまりに唐突で
「いや? 昨年の12月に不穏な空気は、あったけど もう解消してるよ」

何かを言いたそうな妹。
「お兄ちゃん達が外へ出かけて お母さんが、キッチンに居た時にね 私、プリンちゃんから明日まで休みって聞いてたの だからてっきり 明日の夕方まで ゆっくりできるのかな?なんて思っていたから」

あらっ! プリンちゃんは、どうして 俺に内緒にしているのだろうか?
ん~ 考えても判らない。

妹には、母と子供二人には黙っておく様にとお願いする。

俺も、準備を済ませると プリンちゃんと子供二人が手を繋いで待っている。玄関で見送られ プリンちゃんと最寄りの駅へ向かってはいるが、モヤモヤが取れない。

No.247

考え事をしていたから 自然に無口になる。悩めば悩むほど どうしてプリンちゃんは、休みが増えた事を言わないのだろう?

「浩之さん 何かエッチな事でも考えているのかな? 昨年みたいに車の影にでも隠れて・・・」

ふっと 思い立ったのだろうか? プリンちゃんに真剣な顔をして言った。

「プリンちゃん 帰るまでに時間は?」

彼女は「えっ?」 絶句している。


「浩之さん どうして時間を聞くの?」

本当の事が言えなく

「まだ ゆとりがあるならさ ほらあの神社のベンチにでも腰掛けて 話でもと思ったんだ」

それを発言した時に プリンちゃんの顔に険しさが取れ どこか安堵を浮かべた。その表情を俺は見逃さなかった。

「プリンちゃん 今日は、毎年の寒さが感じられず 結構温かいよね」

ベンチに座り 周囲を見渡せば やや薄暗くはなっているものの まだまだ5時ちょい。

「うん 昨日の寒さが嘘みたい。浩之さん 周りに誰もいないねっ ふふふっ」

さぁ ここからが理性と欲望の戦いだ。

「プリンちゃん 本質的にエッチだよね。俺も嫌いじゃないけど あそこトイレがさ 気になって気になって」


彼女もウンウンと顔を縦に振る。

「いざとなればさ あそこのトイレですれば 良いかなぁ なんてね」

No.248

彼女の大胆発言をすんなりと受け入れる 俺も俺だけど。

だが、ここでは理性が辛うじて勝利を掴む。

「プリンちゃん ずばり聞くね。休みが増えたのに なぜ黙ってたの?本来なら少しでも長く一緒にと思うのが普通だよね?」

プリンちゃんの顔が、やっぱりか!と諦め顔になる。

「ごめんなさい黙っていて でも、浩之さんと一緒に居たくないって訳じゃないの それは信じて欲しい。会社が年末の追い込みに入ってた時 今回の休みは1日長くするからと 急に社長から言われて・・・」

プリンちゃんの目に涙が溜まる。

「あと5日で休みに入るけど もうスケジュールも決まっているし 今更ホテルの予約も取れないだろうし 言いだしにくかった。本当にごめんなさい」

浮気とか それ類の物では無いと判断でき 正直なところ ホッとした。
その言動が、プリンちゃんを抱き寄せ 強く抱きしめる。

「変な勘ぐり ごめんな。プリンちゃんはプリンちゃんで悩んだんだよね。 でも、吐露出来て安心した?」

涙顔の彼女も、精一杯の笑顔を作る。
その時 愛おしい感情から 再び抱き寄せ口づけを交わす。

「浩之さん あっちのトイレに行こう」

誘われるがままに・・・
平日ならまだ通行人も居るだろう
しかし、こんな時 大きな神社ならともかく 歓楽街や中心地から離れた小さな神社に 男と女が居ても まったく目に付かない。

「身障者用のトイレもあるんだね。中も綺麗だし これが駅周辺のトイレならホームレスが住み着きそうだよ」

プリンちゃんがコンビニで買った新聞を広げ そこに座る。
最初はヒンヤリとしたが、時間が経てば 差ほど気にもならなくなる。

「ロックすると 自動で電気が付く いいなぁ これ家にも欲しい。浩之さん買ってよ」

プリンちゃんの甘えた声 室内に響く。

まぁ だけど いざとなれば ここで仮眠が出来るだろうと言いたくなる作り。
バリアフリーは身障者用だから 当たり前だとしても トイレトペーパーの予備 今年1年ののカレンダーまである。

俺の横でプリンちゃんが電話する。

「お母さん 今ね まだ浩之さんと一緒。駅に21時半頃に来れる? うん うん じゃあ その時間帯にお願いね」

心配事が無くなったプリンちゃん。

「浩之さん 去年の例で行けば 私達が乗ろうとしている駅から 待ち合わせした駅まで40分もあれば着いたんだよね?」

No.249

確かに プリンちゃんの言う通りなんだが、時間を計算して 予定を立てるなんて プリンちゃんが出来るんだ・・・ とやや感心。

「移動時間の40分を除けば 数字だけで見れば、3時間半はまだ ラブラブの時間があるって事だよね」


「プリンちゃん どうしたの?何時ものプリンちゃんじゃないみたい(笑) 計算すれば 確かにそうなるね。ただ ここの時間をどれくらいに設定するかただよ」

「ここは扉を閉めたら 激寒ってほどじゃないし 浩之さんと2人だから 1時間居ても苦痛じゃないよ。時間が余るだろうし その時は、迎えが来るまでお土産買ったり ブラブラする。 浩之さんも帰るまで一緒に居てくれるよね?」

彼女の口をキスして塞ぐ。もちろんだよのサインと エッチしようの合図でもあった。

プリンちゃんがストッキングを脱ぐからと 立ち上がると 俺も立ち そのままで良いからと
優しくしていたキスも プリンちゃんリクエストの舌を吸って欲しいと 舌をいやらしく絡め キスだけで俺はイキそうになる。

No.250

ラブホと違うとこは、全裸になれない 暖房が効いてない 腰掛ける場所が無い 行為そのものなら別段なんて事はない。

プリンちゃんの服を捲り上げ 胸を触ると

「浩之さん ブラ外して ゆっくりと揉んだら乳首を軽く噛んで」

言われるがまま ブラを外し胸を揉む。プリンちゃん やはり寒さがあるのだろう 鳥肌が立っている。

後ろから 中指と薬指で乳首を挟み 弾力のある胸を触り続ける。プリンちゃんの喘ぎ声がトイレ内に響く。
首筋から段々と胸にキスを プリンちゃんの乳首は、完全に立っているのが判る。

前歯で軽く噛むと プリンちゃんが俺の頭を抱きしめ耳元で もっと強く噛んでもとせがむ。
「プリンちゃん ここでの事 写メにしていいかな?」

彼女は拒む事無く頷き キスをしながら如意棒に手をやる。

「ほら もう浩之さんもこんなになってるよ。私もだけどね」
プリンちゃんの秘部を触ると 濡れているよりは洪水の言葉が適切。
パンティーにもシミができ 洋式トイレに片足を上げてもらい
指で激しく出し入れを繰り返す。

No.251

横に脱ぎ捨ててあるドン・キホーテで買ったパンティーとストッキングを横目で見ながら 発情した男と女が今生の別れと言わんばかり愛し合う。

「浩之さん ごめん もう行きそう アソコ変になるよ」

中指を更に高速振動した時に プリンちゃんは潮を噴いた。
恥ずかしかったのであろう ハァハァと息は荒く 俺の顔を見ないふりをしてる。

「浩之さん ちょっと便座に座らせて もう足がガクガク。下着を脱いでて良かった 帰りはノーパンで帰るとこだったよ」

潮を吹く瞬間は撮れなかったけど 恥じらうプリンちゃんの顔はしっかりと撮れた。

「浩之さんばかり 攻めてずるいよ。今度は私がしてあげる」
男が潮を吹くことは無いが、何があるか判らないので下半身のみ裸になる。

化粧台の鏡を見ると そのバカげた格好がなんとも可笑しく 上半身は服を着て 下半身丸出し。

No.252

笑いすぎて如意棒が萎えると プリンちゃんは やや膨れっ面になり

「もう~ (>_<) 浩之さん!」
プリンちゃんが口にくわえ 高速フェラ。即、回復した。

「プリンちゃん そんなに激しくした 口の中で出てしまうよ」

口と手のコンビネーション。このまま射精してしまうか?と思った時に

「ダメよ 浩之さん。もう少しこらえて 新聞轢いたとこに横になって」

ズボンも充て 横になると プリンちゃんが跨る。ヌプッとした感じで入り プリンちゃんが腰を振る。

仰向けになり プリンちゃんの感じている顔を見ながら

「プリンちゃん 途中でごめん 初めてのハメ撮り いいかな?」

彼女はAV女優になったみたいと言いつつも 嫌いじゃなく 自ら表情を作ってくれた。

俺が下から突くと ダメっと小さくつぶやき 俺にもたれ掛かり 絶頂を迎えた。

No.253

彼女を抱き抱え乳房を激しく吸いつく 意図的にキスマークを付けたいからする。

便座付近にある身障者用のステンレスの手すりに両手を
お尻をこちらに向け 後ろからゆっくりと挿入 半分までじらしながら入れ あとは、一気に突く。

彼女が足を内股にする度に締まる。

「プリンちゃん 意識して締めてるの? そんなにしたら出ちゃうよ」


「浩之さん そうじゃないの もう意識も飛びそうだし 足が震え踏ん張るから 自然と・・・ でも、いいよ。いっぱい中で出して」

ラストスパート 思いっきり突いたと同時に 発射してしまった。
数秒そのままで 2人共息が上がり ゆっくりと如意棒を抜けば、ドロッとした物が出てきた。

プリンちゃんの秘部を拭いてあげて 俺もトランクスとズボンを履く。

「今 何時かな? 浩之さんは満足してくれたかな? 私は大満足。ベッドの上も良いけど 初めてこんなとこでするのもエキサイティングだよね」

プリンちゃんが微笑む。その微笑みが愛おしく 抱きしめたまま ずっと固まった。

携帯を開くとPM18時半 思った以上に時間の経過が早く感じた。

「この中に1時間もいるんだね。1人なら 用を済ませたら さっさと出るけど こんな場所のエッチも プリンちゃんも言ったけど 興奮するよね」

No.254

まだまだ時間に余裕があるとはいえ駅に向かう。

身支度(笑)を済ませ 出ようかとした時 プリンちゃんが俺の手を引っ張る。
「浩之さん 駅に着いたらお母さん達が来てるかもしれない それに人だって沢山いるだろうから ここでもう一度熱いキスして」

キスも行為も、いっぱいやったけど 女性からしてみれば性欲じゃない哀愁のキスといったところだろうか?

女性は哀愁でも、俺は・・・キスをしているとどうしても 手が・・・プリンちゃんの秘部に行ってしまう。
だからと言って プリンちゃんは拒否する事無く 俺の好きな様に触らせてくれる。

満足するキスをし 扉を横にスライドさせれば 真っ暗な夜。 まだ 19時前だというのに

手を繋ぎ 在来線に乗る為 駅に向かい 俺もプリンちゃんも楽しかった2日間の余韻を楽しんでいた。

1月2日 帰省先に向かうのか?あるいは帰ってきたのか? そこそこ人はいる。切符を買おうと財布を出すと・・・

「あれ? なんで?」

プリンちゃんが俺の顔を覗き込む。

「どうしたの?浩之さん。私 出すよ」

確か まだ三万円入っていたはず。次の給与までなんとか繋げると安心していたのに・・・五千円札が3枚って・・・

「可笑しいな 三万円あるからと 安心していたのに ヤバいなぁ・・・」

「浩之さん ホテル代やコンビニ 食事にデザートの時 たくさん使ったから 勘違いしたの? 私 貸そうか? 私が帰ってから苦しくなるなら 今ここで貸しても同じだけど・・・」

No.255

帰省する前に お局様から注意を受けていたにも関わらず 借りてしまった。
この時は、俺から貸してくれと言った訳じゃない 邪心が芽生える。

しかし、そこはやはり本音では無くありがとうとごめんねを伝えた。毎年 会うと借りる 早く脱却したいが腐った俺の心と慣れが体中に蔓延していた。

だからだろうか?いつものお金を貸す時のプリンちゃんじゃない様に見え 何を喋れば良いのか?電車が来るまで2人共無言だった。

この気まずい雰囲気を打破したのはプリンちゃんからの一言。
「自分で1日休みが延びた事を言って無い私が言うのも変だけど やっぱりこうして見送られるのは 何回経験しても寂しい。 浩之さんともっと居たかった。信じてね 本心だよ」

プリンちゃんの髪を優しく撫でて 俺も頷く。
「何時になったら 一緒に住めるのかな? こんな生活 男として情けないよ」

愚痴が先に出てしまうと

「浩之さんが単身赴任してると思えば気も晴れるよ。だから 落ち込まないで」

2人の握る手に力が入る。
来年こそは、なんとか今よりは いい感じなればと・・・

No.256

プリンちゃんを見送る駅に到着した時には、19時半を回り 駅構内はそんなに思ったほど混雑してはいなかった。

彼女の家族が迎えに来るまで お土産を買ったり 施設内を散策して時間を潰す。

「あ~ぁ また一年間 辛抱しないといけないんだ。」
プリンちゃん自身が発した言葉 とっさに気まずくなると感じたのだろう

「ごめん 浩之さんも辛いはずなのに 本当にごめんなさい」

この事で 決してプリンちゃんを責めようとは思わない。
ただ、あのリストラさえ無かったら 今頃はプリンちゃんを妻に迎え 一緒に住んでいたのだろうと悲観はあった。

「プリンちゃん 俺さ まだあのパンの事覚えているよ。もう3年も経つけどさ 涙を潤ませながら新幹線の中で食べたあのパン。あれは、どんな事があっても忘れない」

「そっかぁ もう3年も前の事なんだね。だけど 今の浩之さんは働いている。ハローワーク通いをして苦しんでいた事は、もう昔の話だよ」

その言葉を言い終わった丁度その時 プリンちゃんの携帯に着信音が鳴る。


「あと20分で着くって。じゃあ 待ち合わせの場所に移動しようか・・・」

No.257

手を繋ぎ うつむきながら歩く2人に会話は無かった。せめて後 半日いや!数時間で良い 1月2日が!時の刻みが止まってくれたら・・・

プリンちゃんを家族が待つ 駅前のロータリーが近づく。


俺は繋いでいた手を引っ張り 柱の影に隠れ プリンちゃんにキスをした。この時ばかりは、パンティーの中に手を入れたいや胸を揉みたい等の邪な考えではなく また来年元気で会おうね。気をつけて帰宅してね の思いが強かった。

軽くキスし 離れた瞬間プリンちゃんが両手で俺の顔を挟み 再度 キスをしてきた。21時にもなれば さすがに人もまばら

例え 人が居たとしても 俺かプリンちゃんのどちらかがキスをしていただろう。

彼女の迎えに来た車を見つける。そして 家族が俺達2人を見つける。

「今回は休みが急に変更になって あなたもスケジュール大変だったでしょう。 でも、プリンは、あなたに会うのを本当に楽しみにしていたのよ」

彼女の母親が俺に微笑む。
お父さんとは、ちょっと顔を合わせにくかったが、新年の挨拶は、やはりきちんとして 良いイメージを持って貰いたく 俺自身を鼓舞した。

「あけましておめでとうございます。何時も何時 こちらにばかり来て頂いて 恐縮です。今度は、こちらがプリンちゃんの実家へ行ける様に努力します」

プリンちゃんのお父さんは「待っているからね」と言葉短くではあったが、笑顔が本心だと思う様にした。

「じゃあ 浩之さん。もう浩之さんもお母さん達のとこに戻らないと 着いちゃう時は23時になってしまうよ。心配だから 気をつけて帰宅してね」

俺は、プリンちゃんが乗った車がロータリーを離れるまで見送った。

帰宅途中の在来線の中で どうして楽しい時間は早く過ぎ 辛い時間は長く感じるのか・・・考えても仕方が無い事なんだが・・・

No.258

電車の中で今回携帯で撮影した物を見ると 毎年 1回で撮る量が確実に増えていた。

エッチなモノもだけど 2人で並んで写しているモノも多く 我ながらベストショットと思えるでき。

急行列車が心地よい揺れ 眠気を誘うが、俺が降りようとする駅から先に行った事がない。不足の事態だけは避けなければと 到着するまで耐えた。

駅に到着し 改札口を出る。俺と二十歳前後だろうか?若い女性が降りただけで タクシーすら客待ちしていない静けさであった。

正月休みで ただでさえ寂しい商店街をぬけ 帰路を急ぐ。

途中コンビニへ寄り お茶とサンドイッチを買い店を出る。
すぐ近くの神社が目に入ると
つい五時間前は、プリンちゃんと あそこのトイレで愛し合っていたのかとため息が出た。

深夜に近づくにつれ 寒さも夕方とは比べものにならないほど強烈に

実家に戻った時 俺の体はすっかり冷え切っていた。

No.259

帰宅すれば、母が起きて待っていた。

「夕飯は?食べて来ないかもしれないといけないから 作ってはいたけど 食べる?」

平素なら帰宅しても誰もいない部屋でテレビを見ながら 味を堪能するってよりは空腹を満たすだけ

なのに 誰かが料理を作って 且つ部屋が温かい。独身なら誰でも求める安堵であろう。

プリンちゃんに無事実家に帰宅した事をメールする。彼女からは一時間弱で帰宅できそうと返信があり 今度は俺が安心。

1年に1度のビッグイベント なんとか2日間平穏に迎え ゆっくりと元旦 2日を再度振り返る。

部屋の中で充電していると 近藤から電話しないか?とメールが入る。楽しかった2日間 やつには、申し訳ないが、存在すら頭に浮かばなかった(笑)

かなり遅めの食事を済ませ 準備ができた事をメールした瞬間に俺の携帯が鳴る。

「年末年始 元気にしていたか?食べ過ぎて太っていないよな?」

「近藤 お前にだけは、太ったなんて言われたくないぜ。数時間前にプリンちゃんを見送ったとこだよ。お前 どんな年末年始だった?」

彼の声のトーンを聞けば おおよそ想像はできるが、きっとスルーすれば 催促してくるだろう。ゆえに こちらから話題をふってあげる 友達思いの俺であった(笑)

No.260

「相変わらず GREE熟の部屋に入り浸りだったのか? 年末に会わせてもらって お前が彼女にハマる理由が判ったよ。あれだけ プリティーだと 一緒に街を歩いても自慢できるからね」

きっと 携帯の向こうでは、にやけた近藤が居るのだろう。

「お前がプリンちゃんと付き合い始めて ほぼ同時だったから 俺もGREE熟も4回目の年末年始を2人で迎えたよ。テレビ見て 年越しそば食べて 普通にエッチして」

俺とプリンちゃん同様 アイツ等も部屋の中でイチャイチャし 近藤がGREE熟に除夜の鐘を突いたと想像すると 下手なエロDVDより 十分に興奮する。

「浩之の方は、楽しめたか?お前も、俺と同じでスケベだから 何にも無かったなんて言わないよな?」

元旦 2日の事を話すと「写メは?写メ撮っただろうな?」と食いついてくる。

「あぁ お前の想像通りだよ。プリンちゃんと今までに無い絶頂だった。官能小説でも書いたら 間違いなく大ヒットだぜ」 
「浩之 GREE熟が大切だから浮気する気持ちは無いけど 正直お前が羨ましい 写メ見せて貰えるか?」

お局由美様の警告じゃないけど
「近藤 なんかな!2人のエッチを誰かに見せるってさ プリンちゃんに対して裏切り行為かな?なんて改心してさ」

俺がまったく違う答えを出したから 奴は絶句し

「プリンちゃんに対しては裏切りかもしれない だけど俺と浩之の仲だぜ 何も携帯に転送してくれなんて言わん 会った時でいい 1度だけ もう1度見せろとか言わないし 博子ちゃんやゆきえちゃんにも内緒にしてるから 頼むよ」

No.261

彼の頑なに貫くエロへの執念が勝ったとでも 言うべきだろうか?(押し問答しても コイツは下がらないだろうと根負け)
プリンちゃんに確認し 彼女の承諾を得たら 戻った時に見せるって事で強制的に納得させた。


「浩之 唐突だけどさ それだけ長い間遠距離恋愛していて喧嘩になった事無いのか? 俺の方は相手が大人だからな 相手が一歩下がってくれる」


「無くは無いよ。事実 去年当たりから小競り合いみたいなモノは、記憶にあるだけで5回はあるし 一方的にあちらから何かを言うパターンが、多いけどな。 近藤に前から聞きたかったけど GREE熟って実際何歳なの?」

惜しげも無く あっさりと
「53歳」の返事が

「見えないね 40代半ばって言っても通ると思う。一回り以上離れて 先の不安とか無いのか?」

この答えにも
「無いね。寧ろあっちの方が不安なんじゃないのかな?半年に1回 好きな人や別れたいと思ったら 黙って目の前から消えるのだけは止めて欲しい 決してすがったり 泣きついたりしないとまで言われたから」

No.262

俺の付き合った女性達 黙りでいなくなったのは、幸いにもいない。きっととてつもないダメージが残るのだろう・・・

近藤の彼女も年齢から来る 1人になった時の寂しさを容易に想像できるからこその台詞なのだろう

話を続けていたら 1時近く。いくら 正月休みとはいえ 睡魔には勝てず、一応 彼にも断りを入れて電話を切った。

その直後に母から布団の用意ができたからいつでも寝れる事を告げられる。

「お母さん 明日起きたら昼近くだと思う。昼ご飯は、家で食べて 2時には此処を出るからね」

俺の1月2日が布団に入る事で まもなく終わろうとしていた。

No.263

心地よい布団の温もりの中 携帯が鳴っている。何時もの癖で 無意識にアラームを懸けたのだろう もう一眠りと思っているのに 何時までも止まないアラーム。

携帯を見ればアラームじゃなく着信。プリンちゃんからの着信だった。

「こんにちは~浩之。朝 メールしたけど返事が無いから電話したよ。実家だと安心して寝れたのかな?我が家は、これから親戚回り もう面倒くさいよ」

こんにちは?携帯を耳から離し 時間を確認すると12時半を過ぎていた。

「プリンちゃん まったくもって爆睡だったよ。しかも、プリンちゃんからの電話が無かったら 昼は何時に起きたか?判らない。近藤と深夜まで携帯で話していて 後半の話しは良く覚えていないよ」
「寝坊して 新幹線に乗り遅れたら大変だもの 浩之さんが起きて良かった。新幹線は何時の?」

頭が、稼働しきれて無いのだろう チケットを慌てて確認した。

「夕方の4時ジャストだね。今から昼ご飯を食べて 2時ちょいには出発したい。駅に着いたらお土産も買う時間も確保しようと思うから」

電話の最中に母から昼ご飯が出来ているからと 声が掛かる。

「プリンちゃん 昼ご飯が出来たって連絡があったからさ 今から食べてくるよ。新幹線に乗る直前とアパートに着いてからとメールするからね。それとさ・・・プリンちゃんにお願いがあるんだ。実は、近藤と互いのパートナー 初エッチの話題になって 奴がどうしても写メを1度だけで良いから 見せて欲しいって・・・」

沈黙が続いた。

「絶対に転送はダメ 見せるのは1度きり 浩之さんも交換条件として 近藤さんの彼女の写メを見せてもらう その感想を私にメールする。どう? この条件で」

No.264

俺にとって不服の無い好条件。近藤にNOを言わせない プリンちゃんらしからぬ作戦だ。

リビングに移動すれば 母渾身の料理がテーブルに並んでいる。

テレビを見ていると Uタンラッシュは四日から それを横目に食べる。ひたすら食べる。

この手料理も、また次の年末年始までのお楽しみ

誰かが、自分の為に料理を作ってくれる。俺にも そんな安らぎが本当に来るのだろうか?

プリンちゃんに今から出発するよとメール。家族にも挨拶を済ませると 子供2人が妹と駅まで見送りに来てくれた。

「お兄ちゃん 私、プリンちゃんの言動が気になってさ 本当に休みが1日延びた事を言いづらかっただけなのかな?」

俺の方も完全に払拭出来た訳じゃなかったが、まさか妹に プリンちゃんを駅まで送る途中でエッチしたなんて言えず

「まぁ 俺は、プリンちゃんの言葉 まんまに受け止めるよ。遠距離恋愛って 互いの信頼が崩れた時 終焉を迎えるからな」

妹は妹なりに 俺を心配してくれたのだろう。

No.265

お土産を買い 新幹線に乗車。プリンちゃんに新幹線に乗った事をメール。
ついでに 近藤にも明日 予定が開いているかのメールもした。

列車内の暖房が眠気を呼ぶ。携帯にバイブ兼用でアラームを設定。年末年始 緊張の糸が切れたみたいに ハァ~とため息。気がつけば寝てしまっていた。

夢の中では、プリンちゃんや博子ちゃん ゆきえちゃんにGREE熟達に囲まれながら 高笑いしている俺。
どうしてみんな裸なんだろう?1人1人の胸を揉みながら笑う俺。
そんな時 誰かが俺の体を揺する。誰だ こんなハーレムを邪魔するのは!!
薄目を開けると車掌が「切符を拝見できますか?」
ハーフコートのポケットから切符を出し確認して貰う・
内心 もう少し後に検閲してくれたら 夢の中に出て来た人達と ひょっとしたら如意棒大活躍のシーンがあったのかも・・・

あと30分ほどで駅に到着。携帯を見ればプリンちゃんからの返信は無し
今日は親戚回りするって言ってたから忙しいのかな?

近藤からのリターンメールは確実に来るのは分かっていた。
短文でOKのみ 明日 彼はどんな表情を浮かべるのか楽しみだ。

こちらに戻って来てまず思う事。寒い 夜の8時近くだからとはいえ 実家のある場所と此方では2℃ほどの違いがあるのやも?なんて考えながら駅の改札口を出た。

No.266

在来線を乗り換え幸運にもバスがすぐ来て 繋がりがスムーズに

3日前に出発した 寒く寂しい部屋に帰ってきた。
夕飯の時間にしては21時ってのは やや遅い。しかし、健康優良児である俺の腹は、腹を鳴らす事で抗う
3日の夜 明日ならまだしも 三が日に店が早く閉まるのは想定している。
しかたなく コンビニでおでんとおにぎりを買い帰宅する。

空腹を満たし 風呂に入って寝ようか? このまま寝ようか? と考えていた時にプリンちゃんから 電話がかかってきた。


「浩之さん まだ起きてた?私は、さっき帰ってきたとこだよ。せっかく休みが1日あったのに 台無しだよ。 やっぱり浩之さんに休みが延びたのを黙ってた罰が当たったのかな・・・」


眠気が来ていたが、浩之 ここが男の見せ所だ! 目を覚ませ!

「プリンちゃん 罰とかじゃなくてさ 運が悪かったんだよ。 お父さん お母さんにしてみれば せっかくの休みだから親族の挨拶をとでも思ったのかな?」

No.267

俺の発言に気を許してくれたのだろう

「そう言って貰えれば 明日の仕事も頑張れるよ。浩之さんから 送って貰った写メを改めて見ると 自分自身で恥ずかしさと興奮を覚えるよ。特に騎乗位なんて 私の顔 乱れてる~」


「プリンちゃんを見送って データフォルダーをゆっくりと確認してないから 後で楽しみに見てみるよ。プリンちゃん電話10分くらいしか話して無いけど 実は睡魔がかなり来ていて・・・眠ってもいいかな?」

彼女が笑いながら電話を切ったと思う。実のところ 即座に寝てしまい記憶が曖昧。

そのまま朝になり プリンちゃんからは、おはよう行ってきますのメール 博子ちゃんとゆきえちゃんからは、あけおめの返信。そして 近藤からは 夕方に焼き肉屋へ集合メール。

正月休みラストの日 軽く部屋の掃除をして のんびりしていたら 近藤と待ち合わせる時間になった。

「浩之 あけおめ。例の物は持ってきただろうな!」


「近藤 お前ドラマの見すぎだろう?例の物って何だよ(笑) 確かに他人に進んで見せるものじゃないけど 俺達は薬や密輸の売人じゃないんだから 普通に話そうぜ。それよりも 奢るって言ったから 俺 本当に数百円しか持ってきてないぜ」

「当たったんだよ。こんな俺でもよ! 浩之」

まさか!1億?

「近藤 いや近藤様 1億で御座いますか?


「そんな訳無いだろう 10万だよ。だから 去年 結構奢ってくれた 浩之に焼き肉でもと思って ところで早速だけど プリンちゃんの見せてくれよ」

No.268

テーブルには、毎度の事ながらカルビやロース ホルモンが並ぶ。彼に携帯を渡し プリンちゃんとの秘め事を見せる。

プリンちゃんに許可は得ているとはいえ やはり自分の彼女の裸を第三者が見るって事に違和感があった。

「うむ~ 浩之。よもやこれほどまでとは思わなかった。パンスト越しのM字もいいし 下からのアングルもなかなか でも俺がベストショットを決めるなら 騎乗位か?下からプリンちゃんのイク顔 喘ぎ顔がナイスだね」


何十枚もある中から それを選ぶキミのスケベ心にも恐れ入るよ。


「それは帰る間際のだな。深夜 ホテルの自販機コーナーでエッチをした時 あの時は誰か来るのではとドキドキしたぜ。実際に 少ししてから熟年カップルが来たけど プリンちゃんの喘ぎ声が大きくなるし 濡れ方も大量の愛液が出てさ・・・」

「俺が選んだベストショットはどこで撮った?帰り際って言ったけど ラブホに寄ったのか?」


「実は、2日目の朝にプリンちゃんが発情し 親友と食事をしていた時 トイレからなかなか出て来なかったから 親友と2人で心配していた時 出てきて 大丈夫心配ないよしか言わなくて 後から聞いたらオナニーしてたって それを聞いた俺がムラムラッと 帰りに神社のトイレで・・・」


近藤が頷きながら聞いている。何に対して頷いているのか 俺には不明だが

「プリンちゃんのコート下の裸体も捨てがたい 浩之 うらやましいぜ 気持ちの良い正月を迎えたんだな」

No.269

奴の気持ちいいは、精神心的なものを指しているのだろうか?肉体的なものだろうか?

「何回も会ってはいるけど 確かに変わった場所でのエッチ 興奮はしたよ。プリンちゃんにせがまれて 彼女単体でアソコやバストアップしてシーンを携帯のカメラで撮った事はあるが、ハメ撮りは初めてだった。だから 要領も判らないままの撮影だったよ」


「愛液がさ これだけ上手く撮れてるのも そうそうないぜ 俺のGREE熟だって 綺麗に撮れるかどうか・・・」


俺達の会話を仮に女性のお客が聞いたら きっと男と付き合う事を躊躇してしまうだろう。

「近藤 満足したんだろう?次は俺にも見せてくれよ。プリンちゃんに感想を言わないといけないし」


近藤が不適な笑みを浮かべた。

「浩之くん モーマンタイだよ」


「なぁ 近藤 普通に喋ってくれないか?なんだその モーマンタイって?」


「シャレが通じないねぇ 問題無いって事だよ。気に入ったのがあったら一枚送信してやるよ。ただし 顔無しのな」


彼の携帯を貰い見てみると 実に綺麗に整理され いかにもプロって感じのデーター管理だ。
感心しながら 見ていると あの美熟女が こんな格好するのだろうか?と ただ ただ驚くばかり

No.270

実際に会わせて貰ったから 余計に写メの中と実物のギャップが・・・

「何回見ても お前のGREE熟 麻木久仁子に似ているよな。本人も意識しているのか?」

次の近藤が吐く台詞にびっくりもした。

「俺から 言わせたら元旦那はバカだぜ!これだけ綺麗な熟女 そうはいないのに 浩之が言った麻木久仁子は、本人からも聞いた事があるな。写メの中の彼女 淫乱とまでは行かなくとも かなりエロいだろう」


年の差のギャップが会話で支障をきたさないのだろうか?
エロ写メをみながら つい他の事も考えてしまう。

俺は、似たポーズやアングルが一緒の写メが多いが、彼の場合 GREE熟の素材を引き出している。ある種 プロのカメラマンなのだろう。


千差万別 色んなスタイルのエロ写があった。そんなエロ写メの中でも 近藤お気に入りは、こたつの中から見たパンチラとカッターシャツを着せて写したモノ。

俺も確かに コタツの中のパンチラには興奮した。ほのかな明かりの向こうに見える 一見無防備にも見える写メ。


これをぜひと やつにねだってみた。
思った抵抗もなく 2枚くれた。

No.271

「近藤 お前は、多分だけど 365日繁殖期だよな? GREE熟は拒否した事は無いのか? 女性って男と比べたらデリケートだろう 今日はしたくない 勘弁してよ!って時があってもいいはずなのに」


「浩之 お前なぁ!俺は性のプランクトンか?無限に繁殖でもすると? 俺だって気分が乗らない時はあるさ それは、相手も同じ。付き合い始めは、俺が求めるがままだったけどな そんなお前はプリンちゃんとは、どうなんだよ その辺が聞きたいね」

俺は、思ったままを話した。

「プリンちゃん ある意味 俺よりもスケベだからな。ましてや1年に1回しか会えないから 日常のパンチラ写メもくれるけど・・・気になる事といえば 電話の回数 話す時間が短くなった事かな?」

「おい! まさか別れる前兆じゃないよな?浩之 お前の泣いているとこ 俺は見たくないぜ」

No.272

彼の言葉が突き刺さる。これが、仮に同じ会社の男性から言われたとしても、差ほど気にもしないだろう。


しかし、彼とは親友であり ましてやそれぞれの女性と交際を始めた時期も近い。


俺は、彼の言葉に強く否定したが、実は・・・恋愛の熱が冷めてきているのを実感していた。

「泣き顔を見せないように努力しないとな。俺も、お前みたいに会えたい時に会える距離だったらとつくづく思う。毎回 会う度に時間に縛られて・・・」

プリンちゃんとの交際で 彼に愚痴をこぼしたのは、これが初めてかもしれない。


「なぁ 浩之。お前 もしもしプリンちゃんとダメになったら 次は年上と付き合う気はあるか?」

今 目の前の事が必死なのに先の事は判らない だけど 本音は、遠距離恋愛はもういい 次に恋愛が始まるなら 時間に縛られない恋愛をしてみたい。

No.273

新年早々ブルーな気持ちになってしまった。
それを察してくれたのだろう 彼は彼なりに笑い話をして なんとか場を作ろうとしていた。
「そう言えばさ ゆきえちゃん 年の差がかなりあった彼氏と別れたって 博子ちゃんも不倫から解放され 4人の中で 恋愛戦線が上手く 行っているのは、浩之と俺だけになったな」


自虐的に 俺もプリンちゃんと何時どうなるか判らないと発言すれば、奴が余計に励ましてくれる。


「近藤 GREE熟と結婚なんて考えているのかな?」

奴がしばらく沈黙する。


「最初はさ エッチが出来ればそれで良かった。だけど あまりにも彼女が献身的だから 俺も・・・何時しか 情だけじゃないかが芽生えてな・・・半同棲みたいになり 式は挙げなくても 入籍するのも有りかな?って思っている」


おちゃらけている彼の本音を聞き 俺は何をやっているんだ!五年近くもダラダラとプリンちゃんを待たせてしまい・・・

No.274

俺は何時から卑屈な気持ちを抱くのだろう?
プリンちゃんと付き合い始めた2年は、こんな 感じでは無かったと思う。


「浩之 考えすぎるなよ。なんか別れる前って気分が漂ってるぜ。今年 帰省した時には、プリンちゃんと何回もエッチしたんだろう?だったら大丈夫だよ。彼女にも愛情があるから写メまで撮らせてくれたのだから」

彼の励みを受けながら 肉を食べに食べた。

店を出て 俺は独り言をつぶやく

「今度は、4人で焼き肉したいな 博子ちゃんとゆきえちゃんの話をゆっくり聞いて」

小さい声で言ったつもりが 彼にも聞こえて 頷いてくれた。

帰宅して 明日の初出勤に備えるねとプリンちゃんにメールして就寝した。

翌朝 プリンちゃんからは元気なメールが来ていた。彼女にしてみれば 普通のメールだったかもしれない

「浩之さん おはよう~私も焼き肉連れて行ってよ ずるいよ2人だけで 夜に近藤さんの彼女の写メ 感想聞かせてね」

これだけのメールなのに 俺は何をビクついている。根拠の無い不安を抱えながら出勤した。

No.275

同じ部署の人達用にお土産 それとは別に相談に乗ってくれた由美さんへのお土産を持って会社へ到着する。

「やぁ 浩之さん。新年明けましておめでとう 今年は、昨年にも増して仲良くしてね。帰省楽しかった?」

連休でだるい人もいる中 テンション高めの由美さんがスキップしながらやってきた。

何か楽しい事でもあったのだろうか?それを見ているだけで こちらも笑顔になる。不思議な人だ。

「明けましておめでとうございます。どうしたの由美さん?なんかウキウキして見えるよ。
帰省は、それなりに楽しめたよ これ 由美さんにお土産ね。年末話を聞いて貰ったから」

由美さんの笑顔が更にアップした。

「申し訳ないね。そんなつもりは、まったくなかったのに 帰宅してありがたく食べさせてもらうね。あのさ~どうだった?彼女」

俺とプリンちゃんの仲を心配?
「うん 出始めは緊張もあったのだろうけど 仲よく出来たよ」

由美さんが首をかしげる。

「浩之さん やっぱりキミは少し天然が入っているのかな?出発前にあれだけ話したじゃない 私が聞きたいのは・・・エッチ系だよ。それしかないじゃん」


なるほど 微笑みの半分は、それが理由だったのか・・・

No.276

居酒屋なら まだ話しも進むが、さすがに会社ではね・・・まして 俺とお局様がヒソヒソ話しているのを誰かが見て 良からぬ話が広がっても・・・

「由美さん 会社でエロ話ってのは不味くない?しらふで話せない事も無いけどさ・・・俺にも恥じらいがあって」

由美さんが 爆笑する。そんなに可笑しい事を言ったかな?

「何が恥じらいだよ~私もキミも、スケベなくせに。ヨシっ!2人で新年会だ。先輩である私が奢るよ。その時に話すってのはどうかな?」

まさか女性から誘いを受け それも奢って貰えるのを拒否したら 今後 会社で何を言われるか・・・ちょっぴり打算的になりながらもOKをした。

初仕事 他は暇だと言いつつ なぜか?俺のとこだけは激務。今日の夕方に新年会があるのすら忘れ 仕事が落ち着いた時は、すでに退社30分前だった。
由美さんからのメールが来ていて 会社から少し離れた場所を指定され 先に行って席を確保してくれとの内容。

俺は、自分で場所を決めたなら 電話予約しておけばいいじゃんと思いながらも、ちょっとお洒落な(正確に言うと やや高そうな)店に到着した。

No.277

店の前で待っていると 清掃をしていた従業員から 当店のお客様でしょうか?と話しかけられ 中でお待ちに・・・

何分 俺とはまったく釣り合いのとれない店だけに躊躇があったが、寒さには勝てず 予約をしていた由美さんの名前を出したら 席へ案内された。

「こんな店とてもじゃないが、俺では思いつかないよ。メニューを見れば ファミレス慣れしていた俺には別世界。質より量の俺で満腹になるんだろうか?」なんて独り言を言いながら待っていると 由美さん登場。

「ごめんね 今日の後半 異常なまでに忙しくなかった? パソコンに入力するだけで戸惑ってしまったよ。キミの方も大変だったみたいだね」


まだ、着席もしてないのに 途切れの無い話しに苦笑した。

「年末はともかく 初仕事でここまで忙しいのは この会社に来てからは初めて。由美さん まぁ まずは着席してさ 何か飲もう」

奢りとはいえ マナーは必要だからな・・・このメニューの中で なるべく由美さんに負担をかけない金額の料理って・・・」

メニューを手に取り無言の由美さんが先に口を開く。

No.278

「あのさ~私の方で勝手に決めさせて貰ったんだけど・・・別に何か頼む?キミが、きっと沢山食べるだろうと予測したからさ 2時間のしゃぶしゃぶ食べ放題 ドリンク飲み放題にしたんだけど まずかった?」

俺の耳が正常なら 今、由美さんはしゃぶしゃぶと言ったよな? マジか?

「由美さん しゃぶしゃぶって言ったよね?しゃぶしゃぶってあのしゃぶしゃぶ?」

熟女特有の手を叩きながら笑う。その光景が目の前にあった。

「キミが、言うしゃぶしゃぶを聞かせてよ。私が知る限りしゃぶしゃぶは1つなんだけどね。本当に面白いね キミは」

しばらく貧乏人だった俺には(今でも貧乏は変わらないが)誕生日のプレゼントかと思うサプライズ。

さりげなく メニューに目を通せば 1人5000円。マジすっか? 1回の外食で 1人にかかるお金が5000円って・・・

人生を振り返っても1度か2度程度。

「あの~由美さん 何時もこんな感じの店に来るの?俺はどうしても場違いな人間に見えて」

「恐縮する事ないよ。浩之さんのそんなとこが初々しいね。会社の女子会で月1程度に使うかな? ちゃんと食事も出来る それでいて 見ようによってはショットバーのお洒落な飲み物もある。ところで 浩之さん何を飲む?私は酎ハイ」

そのしゃべり方 大人の女を十分に漂わせていた。
アルコールは、そんなに強くないけど 烏龍茶を頼んで 片方だけに酒を飲ませて 俺だけ飲まないってのも・・・(>_<)


「じゃあ 俺は、カンパリソーダを頼んで下さい」

別に酎ハイでも良かったが、せっかく食べたしゃぶしゃぶをリバースしては勿体ない。

ドリンクとしゃぶしゃぶを手際よく従業員の方が用意する。

「まずは、乾杯だね。この店には、私が先に来て待っているつもりだったんだよ。きっと キミはあたふたしていると思ってさ」

No.279

心の中を見透かされている。 まったくもってその通りです。

「だってさ 由美さん。こんな大人が来るお店って 経験無いから 友人と忘年会で酒は飲んでも 大衆居酒屋しかないからね。今日は、お招き頂き感謝してます」

彼女の豪快な笑いに緊張をほぐされ 箸は肉を鍋の中でゆらゆらさせていた。

「ところでキミ 帰省先の話どうなった? 仕事をしつつも この私を興奮させるネタは有るのかな?」

由美さんに実際にあったままを話した。ニヤケる顔は黙って 俺の話を聞き続けた。

「ねぇ 浩之さん!私を喜ばそうと話を盛ってない?その手には乗らないよ。 可笑しいって 普通に考えてご覧よ。深夜とはいえさ ビジネスホテルの自販機コーナーや 神社のトイレでさ」

自分から話を振っておいて 俺を疑うなんて・・・どうしてくれようか!

「由美さん 奢って貰って言うのもなんだけど 由美さんから話題を振ったんだからね。疑うなんて 本当だと立証出来たらどうする? 由美さんのパンチラくれる?」」

「前に言ったけど 今キミに彼女が居るのだから パンチラはダメだよ。代わりにホッペに軽くチュウをしてあげよう。さぁ その立証できるというのを見せてくれ」

ここぞとばかりに携帯の写メを見せる。口が半開きで 由美さんが頬に手をあてる。

ほっぺたが紅潮しているのは、アルコールと興奮と両方だろと思った。

「レディースコミックより激しいね。いや~そっか そっか うんうん。紛れもない証拠だね。それにこのアングルは・・・彼女のよがり声が伝わってきそうだよ」

由美さんが選んだのは、俺と近藤がベストショットと言った 騎乗位の下からなアングル写メだった。

No.280

スケベな人間ってのは、感覚も似てくるのだろうか? よもや由美さんまで この写メを選ぶのかと驚嘆 いや親近感を覚える。


「由美さん 感想とかどう?」
俺の言葉が聞こえているのか?肉を食べる由美さんが頭を立てに振る。

口の中でモゴモゴさせながらも
「まさか本当に写メがあるなんて いや~リアルなだけに興奮も倍だね。約束は約束だからね。フレンチキッスしてあげるよ 今年1年運が上がるよ あはははっ」

照れ隠しなんだろうか 写メを見た後の由美さん 喋る喋る。
それはそうと、とにかく今は、俺も由美さんも しゃぶしゃぶ→飲む→しゃぶしゃぶ→飲むの繰り返し。

散々エロ話しを済ませ お腹いっぱいに飲み食いする。
出てきたデザートを終え 外に出る。


「由美さん 今日は御馳走様でした。まさか しゃぶしゃぶが食べれるなんて思ってなくて」

彼女は、写メを見れた それで満足した。その時には、そんな程度にしか考えていなかった。

「浩之さんは、まだ時間ある?こんな時間だから 喫茶店にってわけいかないけど ファミレスで軽くお茶しない?」

思いがけない誘いに びっくりはしたが、まったく断ろうとも思わなかった。

No.281

デニーズに向かう事になったのだが、俺は途中でプリンちゃんに今日は 新年会で帰りが遅くなるからとメールする。

リターンが即来たって事は、きっと電話を待っていたのだろう
まもなく21時になる。それからファミレスで話して帰宅すれば 確実に23時になると思っての配慮だった。


リターンが早い分「判った」の短文のみ。これも2年前だと考えられないほど 味気ない。

俺の考えがまんま 顔に出ていた? 由美さんがコートのポケットに両手を入れ 背中を丸めながら俺を見て

「なんかまずかった? しゃぶしゃぶだけの方が良かった? 考え事してますって顔してるよ」


心の中を見透かされた時の反応は、どうして微笑んでみたり おどけたりするのだろう。俺も、例外では無かった。

「ううん 由美さん心配ないよ。ただね 彼女に今日は電話が出来ないから 先に寝て良いよってメールしただけだから」


少し雑談をしながらデニーズに入った。 新年も四日目になれば、みな日常の生活に戻るのだろう かなりの席が空いていた。


「さぶっ 浩之さん 寒すぎない?手袋していても効果が有るのか 無いのか 温かいココアでも飲みたいよ」

「由美さん 俺の手 手袋してないけど温かいよ。カイロにしてみる?」


すかさず由美さんは、俺の両手を握ると

「温かい 気持ちいい なんで?なんでこんなに温かいの?」

握った両手はやがてほっぺた 彼女の両耳にあてられ(ここまでは予測出来たが)

次の瞬間 その手は由美さん自身の胸に

これは、俺も驚き声を出してしまった。

No.282

「おわっ・・・」

目を大きく開く俺とは対照的に 由美さんは、澄ました顔をして


「夏が暑いと次に来る冬は寒いって言うけれど 本当なんだね。浩之さんの手は何時も温かいの?」

これがもし、計算で上の発言なら 俺が太刀打ちできる相手じゃない。相当したたかで 異性をコロッとその気にさせてしまう女だ。

何も無かったという事にして俺は空気を変えたくて先に会話をした。

「今夜は、由美さんと朝まで討論だね。まず 最初の議題は、中韓に対する防衛と日米の同盟についてで良いかな?」

由美さんがココアとケーキプリンのセットを口に運ぼうとした時 吹きかけた。


「あぶな~い 口に入れかけたケーキを口から出すとこだったよ。何それ?日米がどうしたって? キミは人を笑わせる事に対しては天才だね。まぁ その話を乗ってあげてもいいけどさ 出来れば私の話を聞いて貰えたらって・・・ね」


そのやや寂しげな表情と普段の顔を知っているがゆえ 目の前に座っている女性が由美さんでは無く 憧れのタレントに見えた。


「由美さん その表情 良い!実に良い。願いを聞いて貰えるなら 写メを撮って良いかな?お願いっ」

彼女はしょうがないとは言っても 2枚だけねと

なぜ 2枚なんだろう?

それはともかく 気分が変わらないうちに 微笑んでいるところを1枚 次にやや頭を横に傾けた感じのを1枚。


けっしてエッチな写メを撮らせて貰ったのでは無いが、嬉しかった。


No.283

店内の暖房が心地よく リラックス出来るムードだった。

「今日は、本当に良いモノを見せて貰ったよ。キミは、不思議男性だね。食事をするのが、今日初めてなのに もう何度も飲み会をやってると錯覚させる。それほど 安心を与えてくれるよ。前にキミは言ったよね どうして結婚してないの?彼氏はいないのって」

「それは前に 周囲でそれを見続けて来たからって・・・由美さん 自分で教えてくれたよね」


何かを言いたそうな彼女。遮ってしまった悪いって気持ちもあり それ以上は閉口した。


「確かにそれも発言したけど 一番の大きな原因は、結婚寸前まで行った相手に暴力を振るわれてね。段々と日常化して 親と相談して警察に被害届を出して 以来男の人と親しくなっても またいずれ殴られる 蹴られるんじゃないかと 心の奥深く刻まれたモノはなかなか消えない。それが25歳の時だった」

口を挟んで良いのかタイミングを計りながら

「前に言った 20年以上も恋愛をしてないって・・・ん? すると今は、由美さん何歳?」

「私は、もう46歳だよ。何歳に見えた?」


働く女性は私生活が充実していれからか?はたまた 由美さんの日頃の手入れが良いから?とても 46歳には見えない。

「40は超えていると思っていたけど まさか46なんて思わなかった。よくいって42かな?と考えていたから これはお世辞じゃなくて 見たままを話しているんだけどね」


由美さんが軽くおじぎする。きっとありがとうの意味なんだろう。

No.284

それにしても 女性に暴力を振るう男性が増えた事に憤慨だ。
記憶しているだけでも プリンちゃんの前の彼 近藤の彼女GREE熟の元旦那 そして目の前にいる由美さん。


「由美さん 俺ね!! 男がどんな理由があれとも 自分より力の劣る女性に手を挙げる人間は大嫌い。聞いてるだけでムカムカするよ。 側にいたら 代わりに俺がぶちのめしてやるよ」

「ありがとう キミは喧嘩が強いとか 格闘技やっていたとかの部類かな?」

まかせてと胸を叩き俺は、由美さんに言った。このミクルの小説 最初の方に書いてあるからと
無論 由美さんは何の事が判らず 俺の顔をみつめる(笑)


まぁ それはさて置いといて
人には人の歴史がある。
しかし、由美さんにこんな歴史があったとは・・・

2度と男性と付き合いたくないとまで思わせる暴行って・・・
知的に見えようが、いくら綺麗だろうが、まったくもって 話を聞くまでは、判らないものであった。

「由美さん なんで俺に話してくれたの?」

彼女は首を振った。

「私にも判らないよ。なぜって言われても 今夜は、そんな気分になったから いままで女子会ですら こんな話しは無かった。キミの安心させてくれるフェロモンが、そうさせたと言っておくよ」

No.285

そう言って貰えるのならそうしておこう。だけどな~由美さんが46歳だったってのが、インパクトが大きすぎて 次にどんな話題を振ったらいいのやら・・・

「由美さん 今日初仕事だったよね。それでまた明日 土曜 日曜と連休。どうせなら 7日の月曜日から仕事始めにしてくれたら良かったのにね。そしたら もっとゆっくりできるのに」

俺が話題を変えようと流れを読んでくれたのだろう(こんな時 大人の女性は助かる)

「私は、キミと違い何処かに故郷があるって訳じゃないからね。地元の人間だし 友達だって家庭持ちだから 呼び出して何処かに行くって計画も無い。部屋でゴロゴロしてるだけだから そんなに休みは要らないかな? ちょっと話の途中だけど トイレに行ってくるね」


内心 まさか由美さんもオナニーか?と邪推してみた。目の前テーブルに携帯を置きっぱなし
他人の携帯ってなんでか秘密のおもちゃ箱に似て 好奇心がそそられる。
でも、由美さんが他の人に話した事も無い 事を俺に打ち明けてくれた。

それなのに 携帯を忘れていったとはいえ 由美さんを裏切る行為は出来なかった。しなかった。


俺は自分の携帯を改めて見た。内心 プリンちゃんから何かしらのメールが来てないかと思っていたが、残念な結果で 気をつけて帰って来てね のメールする無かった。

No.286

トイレから戻ってきた由美さん       
「もう時間も22時を回っているし そろそろこの辺りでお開きにしよう。その前に もう1回あの写メを見せて」


携帯を開きデーターフォルダーのとこをクリックし 由美さんに渡す。


「なんか夢に出てきそう。浩之さんが遠距離恋愛じゃなく 側に彼女が居たら 冬休みは毎日・・・フッフッフ」


色んな意味を含んだ笑いだ。
このファミレスも、彼女の奢りになり 俺は今日1日 本当に御馳走になった感謝を伝え 2人で外へ出た。
店内が温かかったから余計に寒さを感じる。

「由美さん 俺バスだけど 地下鉄方向まで一緒に帰ろうよ。その間だけでも ボディーガードできるし」

「いいねぇ こんな男性が横にいたら まず絡まれる心配も無いし 心強いよ」

10分ほど歩くと地下鉄へ降りる入り口が見えて来た。改札口まで 送るつもりでいたから 2人で階段を降りた時

由美さんが立ち止まった。当然の事ながら 俺も立ち止まる。

「由美さんどうしたの? 辺りを見回して」

その発言をした時 キスが待っていた。しゃぶしゃぶを食べていた時 確かにキスの約束はあった。でも、それは軽いキスであり 頬にというはずだったのに・・・


驚いた俺を見て       
「あれ?写メ見せてくれた約束のキス 口じゃなかったかな?あ~ぁ 勘違いしていたよ。ゴメンゴメン ほっぺただったよね。 さっ 夜も遅くなったし キミも気をつけて帰るんだよ。 じゃあまた月曜日に」


しゃぶしゃぶを食べて外へ出た時までは覚えていたが、何にもないから 洒落だったと解釈していたのに

No.287

数分間 地下鉄の階段で呆然としていた。プリンちゃんの時と違い 唇の感触を楽しむ余裕すら無くて

これ明日が出勤日だったらどうなっていただろう?由美さんの顔を直視出来ただろうか?疑問が頭に浮かんでは答えが無いまま脳内をさまよう。


バスに乗り部屋に着いた時には、大体予測した時間だった。プリンちゃんに帰宅した事をメール。


その後は着替えもせず 携帯を持ったまま寝てしまい 土曜日の朝を迎えた。朝 起きて プリンちゃんの仕事に行ってくるメール以外にも 一通来ていた。

由美さんからだった。

「昨日は、帰る直前にびっくりさせてごめんね。無事に帰宅出来たかな? 自分でアクションしておきながら 言うのも変だけど キスの件は、絶対に誰にも黙ってね。信じてるよ」

そのメールを何回も何回も読み返した。 ひょっとして由美さんは、俺と新年会をすると決めた時から・・・

色んなこじつけをして キスをしてあげると 由美さんにしたら 精一杯の行動だったのかな?


なんて思いながら デニーズで撮った写メを見ていた。

来週には給料が出るし そんなに切り詰めてやらなくても なんとかなるだろうと 脳天気な俺はゲオへ向かう。

適当にレンタルして店を出ようとした時に 偶然にもゆきえちゃんに会った。

「ゆきえちゃん ゲオで会うなんて初めてだね。住んでいるとこ この辺だった?」

防寒対策バッチリのファッションに身を包まれたゆきえちゃん

「昨年の秋に この区に引っ越してきたんだよ。前のとこは、TSUTAYAはあったけど それ以外不便だったから」

No.288

ゆきえちゃんが何気なく 俺がレンタルした物を見る。何か言い訳がましく 黒い袋を見せる。


「ホラーとサスペンス物だよ。ゆきえちゃんは何を借りたの?」


別にやましい事は無いけど この時ばかりは、偶然にもアダルトを借りていなかった。

「私は、ガキ使いの笑ってはいけないシリーズだよ。あれは、何度見てもじわっとこみ上げてくる 笑いがすきだから。浩之さん 正常な男性なんだから AVを借りてても普通だよ。説明しなくても大丈夫 それに浩之さんも近藤さんもスケベなのは知っているから」


やはり 俺は顔に出てしまうのだろうな(笑)
喫茶店に入り 話をしようって事になった。
それぞれの年末年始を話し合う

「ゆきえちゃん 近藤から聞いたんだけどさ 年上の彼氏と別れたって・・・」


ゆきえちゃん言葉を探しているみたいだったが、最初に出た言葉が

「やっぱ年齢が離れすぎているとね。極端に物の考えが違うし 当然ながら価値観も違い過ぎる。休みの時は、手を繋いで何処かに出かけたいと思っても疲れた~疲れた~って」

俺とプリンちゃんに当てはまらないか 深く考えながら聞いていた。5コ程の年齢差ならなんとでもなるだろうが 12以上離れるとやはり厳しい。

当然ながら 今の俺とプリンちゃんにも当てはまる。


「浩之さん 話を強引にねじ曲げて悪いけどさ 博子ちゃんの事どう思っている? もう気づいているよね?彼女の思い」


どうって言われても なんて答えれば・・・

No.289

俺が前会社に居る時には、何のモーションも無かった。最初は、まったく意識すら無かった事を伝えると

「浩之さん 過去がどうとか 以前がどうとかじゃないの!! 大切なのは今の気持ちじゃない それを言い訳ばかりしてさ 博子ちゃんも、きっと待っているんだから パクッと食べちゃいなよ」


プリンちゃんと付き合う前 フリーの状態の時になぜ今のシチュエーションが無かったのだろう。


タイミングが悪いと言うのか 今の俺にはプリンちゃんが居る。


「ゆきえちゃん 俺には二股なんか出来ないよ。博子ちゃんやゆきえちゃんには、前の会社の時から仲良くしてくれてたから 無碍に出来ない。でもね プリンちゃんは俺が本当に苦しい時支えてくれてたんだよ。今 現在も! 自分の生活が好転し出したからや 他に良い女が側にいるからで浮気なんて俺には無理」


言ってしまった・・・もっと優しい言い方もあるはずなのに
思っているがまま 話すと自然と語尾が強くなって


プリンちゃんに黙ってればバレないのに なんてほんの僅かも考えなかった。

ゆきえちゃんは自分が何を言ったのか気が付いたようで


「ごめん 私って最低だよね。博子ちゃんがさ はっきりと私に手伝ってと言わないのは、今 浩之さんが話した事を理解していたからだろうね。ごめん 本当にごめん」

ゆきえちゃんが博子ちゃんの事をなんとかしてあげたい その気持ちも判ってあげたいが・・・

俺の向かいに座っている女性が涙ぐんでいる。非常にヤバい画だと思う。


他のお客は、こちらをちら見する。

No.290

泣くな 泣くんじゃねぇ~よ お前が自分で勝手に言った言葉。俺は、それに反論しただけだろうが・・・ なんて とても言えなかった。

「ゆきえちゃん お願いだから 涙を拭いてよ。もう みんな見てるじゃない ねっ ねっ お願いだから」

児童が仲間から 泣くなよ 泣いたらダメだからなと言われ 余計に泣いてしまうパターンがある。


まさにそれが今だ!


「だって 博子ちゃんも浩之さんも仲良くして貰いたい。その為に私が出来る事って・・・でも、ごめんなさい。本当にごめんなさい」

うわ~頬から涙が落ちてるよ。まいったなぁ・・・

「とにかく泣きやんで 給料が入ったら ゆきえちゃんと博子ちゃん カラオケに連れて行くからさ」

その言葉が終わると まさか・・・ピタッと泣きやんだ。おいっ!作戦だったのか!

「絶対だよ!嘘ついたら 浩之さんの会社まで出向いて 会社の前で泣くからね。浩之さんの名前出しながら 泣くからね」

「ゆきえちゃん 俺の会社の前って 俺の会社がどこにあるのか知らないじゃん」


ニヤッと笑うゆきえちゃんが不気味だった。

「忘れた?私の前の彼氏は誰だった?浩之さんと とっても仲が良い人だよね?その人から聞いてたよ」

近藤・・・お前に例え悪気が無く ゆきえちゃんに教えていたとしてもだ! まったくアイツ 思ってもみないとこで足をすくわれた。

No.291

なんとかその場を切り抜け帰宅する。夜にはプリンちゃんと電話するつもりだが さてプリンちゃんの方の都合は如何に?

夕方すぎに忙し過ぎるから電話をパスしたいとメールが来る。今まで それぞれの仕事が忙しく 何度となく電話出来ない事はあった。

その事に不平不満は言った事が無い。土曜日の夜 寝ようと思ってもなかなか寝れず

本当に久しぶりGREEにアクセスした。日記の更新も、足跡の数も無い。自分が管理しているコミュニティーも過疎化が激しい。


俺の方から みんなのとこに足跡を残して行った。友達リンクしていたとこに次々と足跡を残す。 最後にプリンちゃんのとこに行けば・・・アクセスが2時間前。

なぜ?2時間前って 21時半じゃないか!
夕方には今日電話が出来ないとメールが来た。忙しくて電話出来ないのにGREEには来ていたんだ。

俺の体の中にモヤモヤが浮かんできた。気分が優れないまま 日曜日の朝を迎え もし、立場が逆ならプリンちゃんどうしていたのだろうか?


日曜日の夜は、絶対に電話しようと自身に喝を入れる。
ゲームしていても 映画を見ていても楽しい気持ちは半分だった。


プリンちゃんと付き合い始めて朝のおはよう 昼休み 仕事が終わったよ ただいま 最低4往復のメールが1日にあるわけだが、これに馴れてしまっているから メールが来ないと逆に 病気かな?事故にでもあったのかな?と不安になる。

No.292

今日は、俺の方から先手を打ちメールした。

「今日は電話 何時くらいにしようか?」

昨日のGREEの件をズバリ聞くわけにも行かず ややイヤらしい感じではあるが・・・

彼女の昼休み(と言っても2時過ぎだが)に20時でお願いと返信があった。

努めて冷静に プリンちゃんを追いつめる事無く さりげなく電話出来なかった 本当の理由があるのならば聞きたい。

電話の時間になり こちらからかけたのだが 最初に出てきた言葉が 疲れただった。


「プリンちゃん 仕事お疲れさま。初仕事から忙しい日々だね。ちゃんと食事と睡眠は取れているかな?」

本当なら 俺とは電話せず GREEには行くんだね?と嫌みの一つでも言ってやりたかった。


「もうね 職場に立っているだけでイライラするよ。そう言えば、浩之さん 昨日は珍しくGREEに来てたね。何かあったの?」


何かあった?
(`ヘ´) 何にも無いが!!!寝れなかったからGREEに行っただけなのに 俺がプリンちゃんに対して探りを入れてるとでも思ったのだろうか?

「プリンちゃん 何にも無いよ。寝れないから GREEに行っただけ プリンちゃん昨日GREEに来てたね?夜は時間が出来たの?」


「21時過ぎにね。だけど 浩之さんも疲れているだろうし 寝ていると思ってメールはしなかったんだよ。電話した方が良かったかな?」

今 こうしてプリンちゃんと電話している時にも、微妙なズレを感じてしまっている。

No.293

かけた方が良かった?等聞かないと駄目なんだろうか?

好きって気持ちが強ければ強いほど それを聞かずともかけてしまうと思うんだが、それを言葉に出して険悪なムードを回避したい 根性無しの俺。

「メールは毎日しているけど 元気なプリンちゃんの声を聞くと 嬉しくなるしさ 電話出来る状態なら なるべくならしたいよ」

俺が、リストラされる前の会社に居た時に勤務が忙しく 電話が出来なかった その時にプリンちゃんが俺に言った台詞を転用したけど


「忙しい時には、お互い無理しない方が良いからね。それよりも 浩之さん 確定申告は何時?」


「ネットで調べたら医療控除の還付金申請は、確定申告の2月から3月じゃなくても良いみたい だから病院に行き その後に行こうと考えているよ。どうせ 1日有給を使ってだから 時間も気にしなくていいし 眼科の先生から聞いた高額医療控除 七万ちょいは戻ると思うから プリンちゃんに借りた分 それに今月の給料は少ないから 残りをそれに回そうと思っているよ」

数日ぶりに話 思いの他 盛り上がり最初に持っていた懸念もどこかへ吹き飛んだ?

「毎回 次のお正月まで長いな~と思っても、実際は早く感じるよね。浩之さんと写した写メ 見ながら仕事を頑張っているよ」


その発言は、まったく同意だった。俺も、プリンちゃんを駅で見送った時に まず思うのが、次の1年まで頑張らないといけない・・・であった。

No.294

今日は彼女に一つ報告があった。近藤が、彼女を撮った写メの話


「プリンちゃん こちらに帰ってきて さっそく近藤と会ったんだよね。写メを見せるから会った訳だけど その時にプリンちゃんのエッチなところを見せる代わりに 近藤の彼女の写メを見せて貰うって言ってたの覚えてる?」

プリンちゃんの食いつきが早く

「どんなだった? 浩之さんから見てエッチだなぁと思えた?」

やはり気にはなっていたのだろう。去年 帰省前に会わせて貰った事 高得点で麻木久仁子に似て可愛いって事を前置きして俺は、話を続ける。


「結論を言えば、エロ写メだけを見れば 秀作だね。きっと長年 その腕を磨いてきた彼だからこそ写せるテクニックだよ。 特にこたつの中で警戒して無い時のパンチラは、ドキドキした。プリンちゃんを撮影した写メ 一部だけど近藤は誉めてくれたよ」


「いいなぁ 私も見て見たかった。近藤さんの彼女何歳? 麻木久仁子って良くクイズ番組に出てた人ね。ねぇ 浩之さんは友達から聞かれたら 私を誰に例えているのかな?」


その時は、頭に浮かんで来なかった。即座に表現できる著名人が出て来なく


「な~んだ 私は、その程度なんだ・・・つまんない 今日は、疲れたから もう切るね」


日頃から意識が無く どのタレントなんて思わなかったから 口に出せなかったけど

たったそれだけなのに まだ1月も中旬すら行ってないのに モヤモヤが1年続くのだろうか? 考えても仕方ないけど 突っかかるプリンちゃんの対応には苦慮する。

No.295

翌朝の月曜日 何時ものおはようメールが来ていたが、365日メールしていると やはり書く事ってのは、無くなるものだ。

付き合って3年半くらいまでは、意識して長文のメールを心がけていたが、出勤途中のバスの中 振り絞って見ても書けないものは書けない。

だから返信は「おはよう 今日は寒いね。気をつけて出勤してね」程度になる事が多々あった。

今日から 本格的な出勤だが、俺としては仕事よりも、やはり由美さんの顔を見づらい。

あの時 まだ俺の方からキスをし 由美さんが困惑する。そんな場面なら おどけて由美さんにスリスリしながら謝れば どうにかなったはず


どうしようと考えもまとまらない時に 由美さんが俺の肩を叩き

「おはよう 一週間が始まったね。さぁ 気合い入れて行こう!(^O^) 」

の台詞を言ったかと思えば、軽いステップを踏みながら通り過ぎた。

俺は、由美さんを完全に判った分けでは無い。知らない事の方が多すぎる。
しかし、 今の挨拶はきっと照れ隠しの為に オーバーアクションをしたと見た。


昼休みにそれを確認する。


「キミも、段々私を判ってきたのかな? そうだよ 恥ずかしいからこそ 先に声をかけ その場を立ち去りたかった。う~ん だけどそれを見破るとは おぬしなかなかやるな」


由美さんとの会話 本当に楽しい。どれだけのバリエーションを持っているのだろうか?

No.296

年末にコンタクトを取り出して 1月の半ばまで由美さんとメールをする機会がかなり増えた。大半が、業務連絡絡みではあったが、メールが来る事が喜びには変わらなかった。


それは、由美さんも同様だったみたい。しかし、電話に関しては苦手だから 月に1回程度でお願いと釘をさされた(会って会話をするのには、抵抗無いというのに)


そう言えばプリンちゃんも、最初に電話で話すのが苦手と言ってた気がする。
世間は、今週から本格的に動き始めたのだろう 年末程では無いにしろ かなり忙しい。

勤務をしてる最中 体がフワフワとした感覚になる。腰回りが重たく 夕方になるにつれ 喉が痛くなり やがて体全体が熱を帯び 気だるさが全身を覆う

おそらく風邪だろう
帰宅し プリンちゃんに体調不良で今夜は電話出来ないとメールする。

翌朝 起きて体温計で見ると37.5℃ 薬を飲み熟睡したとはいえ やはり1日で治るものではなかった。

プリンちゃんにおはようのメールをバスの中で送信。
メールでは無く 電話が鳴り

バス停に着いたら折り返しかけるからと手短に切る。

此方からかけ直すと

「浩之さん 大丈夫なの?心配してたよ。薬飲んだ?寒くない格好してる? こんな時 遠距離恋愛は辛いね。せめて同じ県内なら 直ぐに飛んで行くのに」


昨年から小競り合いが続き 年末には、こじれかけた関係であったが、この時ばかりは俺に彼女が居る事の有り難さを味わった。

No.297

出勤しても、体調が上向く事は無く 気のせいか昨日より背中がゾクゾクとする。

昼食を取らず社用車中で休んでいた。暖房をかけているのに寒いだなんて これは、本格的な風邪に間違いない。なんでかなぁ?どこかで移されたかな?

頭がややガンガンしているとこに ドアをノックする音が・・・目を開け 外を見れば由美さんだった。

「昼休みになってるのに食堂に居なかったよね? 仕事が忙しくて昼食取れないのかな?と思っていたら 課長から浩之さんが、ダウンしかけている どこかで休憩しているんじゃないか?と聞いたから 探したんだよ。 きついなら早退した方が良いよ。事務所の薬箱からパブロン持ってきたから これを飲んでね」


俺だけじゃない 体が弱っている人なら誰しも経験があると思うが、こんな状態での言葉は何時もより数倍 優しく体にとけ込む。


「昨日の帰りから 可笑しい可笑しいと思っていたんだけど 由美さんが、こうして来てくれたんだから 頑張らないとね。薬ありがとう 俺の側に居ると 由美さんまで風邪が移ると不味いから 俺から離れた方が良いよ」


由美さんは、うなずきながらも その場を離れない。


「由美さんにまで風邪になると 俺が責任を感じてしまうから だから・・・」


その言葉でようやく離れたが、俺を心配してくれる由美さんには感謝の思いでいっぱいだった。

No.298

風邪薬を飲んだ 大丈夫 絶対に大丈夫(己に言い聞かせる) その思いと逆にきつくなって

プリンちゃんにただいまのメールをしたところで力尽き寝てしまう。 風邪をひいて三日目の朝 食欲は無い。何かを食べ燃焼させる物が無いと回復もままならない。

プリンちゃんは、水曜日の早朝も心配で 長文のメールをくれた。

それに短文で返信するのがやっとの俺だった。重い足取り
「今日くらい 本当に休めば良かった」と独り言。

こんな早朝から 誰も出てきてないし ブツブツと愚痴をこぼしながらロッカールームを出れば そこには由美さんが立ってた。


「体調少しでも上向いた? 私には、何にも出来ないけどさ これ良かったら」


渡された袋の中は、栄養ドリンクとゼリーの中にみかんが入っている物とLGのヨーグルト。

「由美さん ありがとう。幾らだった? 細かいのが無いから後でもいいかな?」


由美さんは首を横に振りながら「いいから いいから」の台詞を告げ 立ち去った。

食欲が無かった俺にユンケル 喉が痛いのを見越しての? ゼリーとヨーグルト。喉越しが冷たく気持ちよかった。

1日の仕事が終わり 帰宅したよのメールをする。それから50分後にプリンちゃんも帰宅。

数日 電話しなかっただけなのに 何ヶ月ぶりかの電話に感じた。


「浩之さん あんまり無理しないでね。きつかったら寝ていいんだから 今は風邪を治すのに専念してね」


金曜日に病院の後に税務署で高額医療控除の手続きをしてくるからと告げ そのまま寝てしまった。

No.299

木曜日の朝 ここ数日とは違い気だるさは無い。体温計も37℃丁度 今日1日頑張れば 明日は有休。

会社に着き まず由美さんを探す。もちろん差し入れのお礼を言う為だけど 探してもいない。


何処へ行ったのだろう?まさか女性のロッカールームに入る訳にもいかず 携帯をならしてみた。


「おはようございます。由美さん 今はどこに居ますか?」

電話に反応があるというのは、俺の風邪が移って 会社を休んではいなかった。それだけでも安心だった。

「おはよう 浩之さん。私もだけどキミも早い出勤だよね。私は、食堂に居るよ。朝 早いと誰も居ないし 1人でテレビ見ながらコンビニで買ったパンを食べてるよ。おいでよ」

エレベーターに乗り 食堂に着くと温かい。

「浩之さん 体調が良くなったみたいだね。月曜日から辛い日が続いたね。サンドイッチ半分食べる? あと40分もすれば この食堂もパラパラと人が増えるけど それまでは私専用の貸し切りみたいな感じがする」

なるほど!俺も早朝出勤するが、寒い部署に居なくても ここにくれば温かいし朝礼までゆっくりはできる。

「由美さん 差し入れありがとう。あのユンケル高かったでしょう?ゼリーとヨーグルトも美味しかったよ」

No.300

「キミは相変わらず律儀だね。体調が上向いて何よりだよ。 独身の私が今更ながらに言うのも変だけど 病気した時 一人暮らしってのは、寂しいよね。明日は有休だったよね? 月曜日は成人の日だから4連休 いいなぁ」

この会社に入って他社よりも優れているとこ それは、有給休暇が取りやすい。一般的には冠婚葬祭や病欠による取得だが、この会社 実に下らない理由でも有給が取れる。その点だけは、自慢できる。

「由美さんも、今日1日頑張れば三連休だよ。のんびり過ごせば1日なんて あっという間に終わるからさ。それにしても、この食堂が早朝から解放されていたなんて 知らなかったよ。由美さんは、何時に此処へ来ているの?」

干渉する訳じゃないが、俺が七時ちょい前に来る。当然ながらそれよりも早い出勤になるのだが・・・

「会社には、朝6:30に到着しているよ。年を取ってくると睡眠も浅くなるのよ フッフフ」

最後の笑いは何だ?

「キミはどうして早いの?勤務までかなり時間か開いてるよね?」


「ただ単に 混雑するバスが嫌なだけ 始発から五本目までのバスはゆったりと出来るし 変な奴もいないから 何よりもバタバタしながらの出勤は1日が疲れるよ」

No.301

彼女と食堂で話していたら 他の社員が1人 また1人。

なるほどね。由美さんが話してくれた通り 朝は8時を過ぎたら集まってくるのだと認識した。


「由美さん、朝が早ければ早いほど 2人っきりで話が出来るね。ここは、一日中開放しているの? 由美さんは何時から 食堂でゆっくりとしてるの?」

「五年前かな? キミが入社するほんの僅か 1~2年前に気が付いたよ。それまで防犯上 不味いから閉めていたけど 残業する人達から不満が出たみたい 会社側も、だったらずっと開放しようとなってね。私も、早朝に出勤したら昔は、キミと同じで事務所にいたけど 冬は寒く 夏は暑いよね。そのくせ節電節電とうるさいし グローバル化を目指している会社としては、パフォーマンスもあるのだろうけど・・・ 資料室に用事が有り 扉が開いている食堂を見つけ ん?ってなんたよ」

「これだけの空間 キッチンのとこは囲いがしてある。おまけに早い時間なら 人も来ないって・・・」

由美さんの顔がニヤケてる。

「ピーッ イエローカード。 浩之さん・・・ここはあえて浩之さんと呼ぶよ。今 エロい事を考えたでしょう?頭の中に描いた物を お姉さんに話してご覧」

朝礼までには、まだ時間もあるし 乗ってやるとするか(笑)

No.302

オフィスラブの類はエロ系だろうと そうでなかろうと誰もが、頭に浮かんだ事はあると思う。


「由美さん まずは、そのしまりの無い顔を引き締めて(笑) この場所は、俺がそうであった様に感心の無い人にとっては、ただの食堂だよ。でも利便性を心得ている人にとっては、密会するにはniceな場所だよ。俺と由美さんが、話している時だって 事実40分は誰も来なかったし 食堂前の通路すら 誰も通ってない。おまけに鍵は中からかけられる キッチンのとこは、入り口から完全に見えなく囲いまでしてある。もう こうなるとね」



「キミの洞察力には参るね。そうだと思うよ。本当にね ここでイチャイチャしようと思えば 予め時間を打ち合わせしておき 落ち合えばいいのだからね。もっとも そんな危険を犯したくないなら 仕事が終わってラブホに行けば それで事は済む。ちょこっとだけスキンシップ図りたい人には、打ってつけの場所」


やはり 由美さんも以前から思っていたのだろう。
それは、さておき 俺も来週からは早く来た時には、ここで朝食なり 居眠りなりさせて貰おう。

朝礼を終え 仕事に取りかかった時に 近藤から今日 焼き肉に行こうとメールが来た。


明日は病院の日 血液検査前なのに よくもそんな恐ろしい事が言えるものだ。俺の答えは、当然ながらNO。

不思議なのは、アイツは俺よりも血糖値が高いはず・・・なのに今年は既に アイツと1回行ったのに

まだ1月半分だぞ! ひと月に何回も焼き肉屋に行けるアイツのタフネスには負けた。

No.303

勤務時間 残り30分に由美さんからメールが来た。
当然ながら4連休の話なんだが、それを読んで苦笑。

朝から まだ言うんだ。本当に羨ましいと思っているのだろう。

バスに乗り帰宅しプリンちゃんにメール。折り返し「今日は9時半で電話ね」
アンビリバボーを見終わり そろそろ 頃合い良しかな?と思うと同時に電話がかかってきた。


「浩之さん 正月休み以降の仕事 今週から本格的だったよね。鈍ってなかった? 私の方は鈍るほど休みが無いけど それでも5日間は、休み欲しかったよ」


「今週は酷い目にあったよ。でもね プリンちゃんインフルエンザじゃなくて助かったよ。三年前の1月 覚えている? あの時は、完治までに1ヶ月ちょいかかったからね」


「うん あの時は心配したよ。私は、大きな風邪は無いけど チョコチョコと風邪ひいてるから」

今日は、いつも思っていた事を聞いてみた。長年思っていた事 ある意味封印を解く思い。


「プリンちゃん あの~答え難い事かも知れないけど 教えて欲しい事があるんだ。あのさぁ プリンちゃんと何回もエッチしたよね。その度に中出ししてるけどさ・・・」


「来たか!いつか聞かれるのだろうなって思っていたよ。本当は付き合い始めて すぐに言えば良かったけど・・・浩之さんと付き合うずっと前 生理が来たり来なかったりで病院に行き ホルモンの注射を何回も打ったんだよね。その甲斐もあって 生理は、来ない時もあるけど 以前みたいに酷くなくて ホッとしたんだけど」

No.304

「生理が来ないのは、病気なのか?神経的なものか?私にも判らない。でも、高校の時からなんだよね。ホルモンの注射をすれば生理が来る。だけど また暫くしたら来なくなる。病院の先生からは、次に来る時には、お母さんも一緒に連れてきて下さいと告げられ そして、お母さんと一緒に聞いた説明では、妊娠がしにくい 生理がここまで不順なのは、ホルモンのバランス以外に考えられ おそらくは妊娠しない事もあり得るって・・・私は、あまり子供が好きじゃないから 別にいいや!って思ったけど お母さんは、頭の中が真っ白になってたみたい。ごめんね 浩之さん 最初に言ってれば良かったけど・・・」


なる程 だから中出しを何回しても妊娠しなかったんだ。聞いてみれば当人は、サラッと説明する。
続けてプリンちゃんは言う


「それでもね 浩之さんと付き合いだしてからは、毎月 生理が来る様になり お母さんも喜んでいた。だけど 浩之さんと何回もエッチしたのに受精なくて あぁ 私の体は欠陥品なんだ。なんか浩之さんに申し訳ないと 付き合いながらもずっと その事が頭にあったよ。言いにくい事でも、最初に話さないと いずれ説明しないといけない時期が来るのは判っていても・・・ 浩之さんは、ローン組めない理由やカード作れない事 ちゃんと言ってくれたのにね。それに それは浩之さん個人じゃなく 浩之さんが腐れ外道と言ってた 父親が原因を作って 全部浩之さんに被せた。でも、私が妊娠出来ないのは、私個人の問題だから・・・なかなか言えなくて」

No.305

この話を聞く事に悔やみは無かった。しかし、プリンちゃんに発言させたのは、後悔した。


誰よりも悩んでいたのは、当のプリンちゃんなのに 性行為の時は快楽を求め 彼女を気遣ってやれなかった。


「俺は、プリンちゃんが仮に妊娠しても絶対に責任を取るつもりでエッチしたんだけどね。 聞いた俺よりも、今はプリンちゃんの方が辛いくない?」


彼女の虚しさからなのだろうか?それとも 本当になんとも思ってないからなんだろうか?


「辛くは、無いよ。だけど 話すタイミングが無くて。お正月 何回も浩之さんのお宅にお邪魔して 甥っ子や妹さん お母さん達と楽しそうにしている浩之さんを見た時は、私と結婚しても 子供が授からないのでは、きっと 浩之さんのお母さんもがっかりだろうくらいは、頭によぎったよ」

仕事が終わった後でこんなにも真面目な話をするのは、久しぶりだった。


「プリンちゃん これで内緒にしている事が無くなったから 後は、如何に早く一緒になれるか それだけを目指して努力しよう。明日は、病院に行った後 税務署に行き医療控除の手続きをしてくるよ。眼科の先生に聞いた話しそれプラス、ネットで調べたら プリンちゃんに借りていたお金全部返しても まだ4万は残ると思うから」


「眼科に内科に大変だったもんね。私の方も助かるよ。お父さんもアルバイトがリストラされて 今や私が大黒柱だからね」
彼女が、俺のとこに来れない理由の一つに プリンちゃん家の家庭の事情も絡んでいた。

だからこそ 4年前の同棲の話が出た時は、俺の方が移動する準備をしていたのだが・・・あのリストラが、仮に無く 無事に同棲出来てたとしても、その生活が上手く行く保証は無いにしろ 今とは環境がまったく違っていたと思う。

No.306

プリンちゃんも、長年胸につかえていた物が取れたからだろう その後の話はまるで付き合い始めた4年3ヶ月前と同じ気持ち 初々しい感じだった。

1時間以上喋るなんて 何時に話したか思い出せないほど 時間が短く 充実した電話だった。

電話を切り 翌朝に備える。
病院で診察と血液検査 それに薬を貰い会計をを済ませると 毎度の事ながら六千円オーバー。単純に計算したら1年で7万5千円近くそこそこの支払い。
ただ 今回は、医療控除があるし 2月に生活で苦しむ事は無いだろう。
意気揚々と税務署に行く。


確定申告関係のものは、ややこしく時間が半日も費やされると 勝手な想像があった。

それが、良い意味で予想が外れてくれる。
初めての人には、マンツーマンで女性が着いてくれて パソコンを使って教えてくれる。


交通費と一年間の医療費を計算して貰い 金額に間違いない事を確認させられる。17万超しているから やっぱり7万か・・・

係の女性が、還付金の数字を言う。それを聞いた俺は・・・再度聞き直した。

「今 幾ら戻ってくると言いました?」


「あなたの資料を元に その数字を打ち込むと画面の下に金額が出てますよね。 4千円戻ります」


4千円・・・4万円ならまだしも なんだよこの金額は!

「眼科の先生から一年間10万超えた その差額が戻るって聞いたよ。ネットでも10万円の差額って・・・」


「みなさん勘違いされるんですよ。大切なのは、源泉徴収票に記載されている 社会保険控除の部分なんです。つまり ここの金額が多ければ多いほど 還付金も戻ってきます。低ければ当然 それに見合う金額に」

相手は税金のプロ。説明通りに算出すれば やはり数千円になる。全身から力が抜けた。バスに乗って帰ってくると コンビニへ大急ぎ

本を立ち読みする。年収200万以下は・・・う~ん ネットで高額医療控除と検索しても・・・ 駄目だ。

何回見ても どう見ても10万を超えた物が帰ってくると書かれていた。

No.307

あまりにもショックが大き過ぎて失意のままアパートへ戻る。税務署であったままの事をプリンちゃんにメールした。

その夜の電話は、大半が還付金関係の話題だった。


「メール見たよ 浩之さんショックだったよね。大丈夫?」

「税務署の人から説明を受ける前は、プリンちゃんに返しても まだ四万も残るし 2月分の給与は少ないから そちらに回そうと思っていただけに もう抜け殻だよ。とはいえ最低でも1万は返済と思い プリンちゃんの口座に振り込んだけど 医者の言葉を鵜呑みにした俺の責任。でも、本とネットで調べても、やっぱり年間医療費10万円を超えた分(年収200以下の人は5%)は戻るって書いてある。納得いかないよ」

プリンちゃんは黙って聞いてくれてるが、内心穏やかじゃないだろう。

「なんとか頑張らないといけないってのは判っていても、流石に凹むね。もし叶うなら 目にレーザーを当てる前日に日にちを戻して欲しい」


「浩之さん 月曜日まで休みなんだし ゲオにでも行って DVDを借りてきて ゆっくりと体と心を落ち着けるといいよ」

俺は、プリンちゃんの言葉に従った。ゲオで借りてきた猿旅を見ながら 俺も、プリンちゃんを気軽に旅行へ連れて行ってあげたい されど軍資金もだけど これからの生活費も考えないと 予定が全て狂ってしまった。


今は、薄給ながらも出たばかり 普通に暮らしていても 差ほどの問題がない

だけど 2月に入り 給与近くになるとマズい展開になりそうだ。

No.308

土曜日 日曜日は、何時もと例外なくダラダラと過ごす。プリンちゃんとメールして夜には電話をする。会話そのものは、世間話。大体30分のおきまりコースではあったが! 彼氏や彼女が居ない人からすれば きっと羨ましくなるだろうと思う。
月曜日の早朝に ゆきえちゃんからメールが来ていた。それを読んだのが昼近く 内容は給料が出たら奢る件はどうなりましたか?だった。

すっかり忘れていた。先週の事なのに・・・
金銭的にも苦しいが、多少ゆとりがある内に約束を果たそう。

返信に夕方六時に居酒屋で待ち合わせする事になったのだが、そこに近藤と博子ちゃんも来ていた。

「みんな暫くだったな 元気にしてた? 近藤 会ったばかりだが、今 俺の生活がキツいから 奢るゆとりが無いぞ!」


「ゆきえちゃんから聞いたよ。喫茶店で泣かれて 奢る約束したんだろう? ゆきえちゃんからメールが回ってきて今回は、1人2千円出して ワイワイやろうって事なんだけど お前聞いてないの?」

博子ちゃんも、近藤の話に相づちをうつ。


「浩之さん 私が2人を誘ったの 浩之さんに奢らせるのが悪いと思って みんなで出し合えば浩之さんの負担も減るかな?と考えて」

ゆきえちゃんには最初から約束を果たすつもりでいたけど 近藤と博子ちゃんの分も負担となれば 結構キツイと考えていた己に恥ずかしくなる。

前職で一緒だった俺たちも、もう全員が40近いのに誰一人として結婚してないのは、偶然なんだろうか?

No.309

4人でのバカ話も、盛り上がり ゆきえちゃんが、俺と同じ区に引っ越しした事や 冬休みに帰省した話し 近藤のGREE熟が、めっちゃ綺麗な話しで時が過ぎた。


俺は、昨年末に近藤の彼女と食事をしたから 実際にどんな人か知っていたが、博子ちゃんとゆきえちゃんは、写メを見せてと近藤にすがる。


彼も、まんざらじゃなく 口で嫌だと良いながらも、顔は笑っていた。近藤から携帯を奪い取る感じで 2人が画面を見つめる。


「ねぇ ゆきえちゃん。この写メ誰かに似てない?」


ゆきえちゃんも名前が出て来ない様で
「Qさまに出てた 結構頭の良い人 誰だっけ? 喉まで出ているのになぁ」

2人が、その人物名をなかなか出せない
俺が、麻木久仁子の名前を言うと 手を叩きながら それそれを連呼。

近藤は、どや顔していた。
その流れでまさか 俺の方に来ないだろう・・・と思いきや

「博子ちゃん もう1度 浩之さんのも見たいよね? エロ写メじゃなくてもさ」


「え~ ゆきえちゃん!私はエロ写メの方がいいなぁ」


フォルダー分けしていたから 余計なものまで見せたく無く
昨年 見せた同一の物を見せた。


「何度見ても エロいよね~」2人が声を揃えての発言。

次に普通の写メを見せる為に 別のフォルダーを開き 適当にアップしたのを渡した。


2人の反応が可笑しい。
携帯をじっとみつめて 次の発言に驚いた。


「ねぇ 浩之さん。これ!誰?」


ゆきえちゃんも「さっきと顔が違う!」


馬鹿なハズは無い。顔が違うだなんて 携帯を返して貰い 開いていた写メを見た瞬間 絶句した。

No.310

ヤバい! これ由美さんだよ。また とんでも無い物を見せてしまった。食いついてこない事を願ったが、虚しい願望に終わった。


「浩之 この女性誰だよ!」


近藤が横から食いついてきた。余計な詮索をかわす為に サラッと同じ会社の人だと説明する。


普通なら 普通ならそこで終わるはずだったが、近藤が更に幅を広げる。


「この写り方 絶対に意識してるよな!場所は、ファミレスと推定。お前 さては・・・もう ヤったな! 何歳なんだ! ネタは上がっているんだ。白状して楽になれ」


「近藤 お前さ 今時そんな台詞言わないよ。ゆきえちゃんと博子ちゃん見ろよ 白けているじゃないか」


さり気なく 2人を見たら興味津々。目が輝いている。

どこまで 話したらいいか・・・不意にキスされた事は伏せておいた方がよさそうだ。


「いいか!説明するけど 余計な勘ぐりは、止めてくれよ。近藤みたいなセックスが~なんて言い出すと 話を止めるからな! まず年齢は46歳だ エッチはしてないからな 絶対にしてないから信じろよ 会社の先輩になる人で 職歴が長いから当然 色んな事を知っている。新年会でしゃぶしゃぶを奢ってもらい 帰りにファミレスに行った時に写した。以上だ」


それぞれが、突っ込む場所が違った。
博子ちゃんは「2人だけで!」
ゆきえちゃんは「しゃぶしゃぶ~」


近藤は、不適な笑みを・・・
(ToT) (ToT)

早く この場から立ち去りたい。余計な突っ込みをされる前に

No.311

ゆきえちゃんは、可愛いものだった。終始 しゃぶしゃぶと言いはなってたが、近藤と博子ちゃんの顔が、明らかにエロ系を期待していた。

「浩之 お前も熟女に目覚めたか! しかし ま~良いよな46歳。この写メ・・・ この顔で眼鏡かけたら・・・ ヒィィィ これは! この顔は!」

近藤が、博子ちゃんに耳打ちする。頷く博子ちゃん。

「パッと見も雰囲気はあるよ。だけど 近藤さんが言う通りだね。眼鏡かけたら まさしく・・・」


なんだ!何がどうしたのだ?
まさしくって 何だよ! こいつら2人で興味をそそる話をしやがって

「お前等 2人で何を話しているんだ。イヤラシいぞ! ゆきえちゃんみたいに しゃぶしゃぶの方に話題を逸らせ まったく・・・ 眼鏡をかけたらどうだと言うんだ?」


俺は、正直想像もできない。きっと誰かに似ているのだろうが、由美さんが誰に似ているのか・・・ まったく判らない。


だけど 博子ちゃんの発言にヒントがあるのか? パッと見 雰囲気・・・ダメだ。思い浮かばない。


「博子ちゃん 浩之も、ゆきえちゃんも判ってないみたいだから 教えてあげよう お前がもっている写メ それさ年齢はさて置いといて 誰かに似てるだろう? よ~く見て見ろ 眼鏡かけるとさ・・・国仲涼子に似ているだろう」

あぁ なるほど・・・とはいかない。


「どの辺りが?今の国仲涼子か?」


じれったいと思った博子ちゃんが
「電車男見た事あるよね 映画の方。 あれに看護婦役で眼鏡かけた可愛い子出てたじゃない あれ国仲涼子だよ」


めかね メガネ 眼鏡をかけると そこまで言われたら鈍感な俺ですら

「そうだね 2人が言う通りだよ。目から頬 口元似ている 間違いない」

No.312

会社に出勤したら さっそく聞いてみよう。
由美さんとの会話ネタを提供してくれた2人にも感謝だ。

でも、近藤の46歳が良い 発言は・・・何が良いんだろうか?

ゆきえちゃんが、俺の携帯を見ながら 可愛い系の熟女と独り言なのか?口の中でモゴモゴと

「ねえ 近藤さん 熟女てそんなに良いものなの? 何が良いの?私さ あなたが、なんで熟女に走ったか ちゃんとした理由聞いてないよね。年上で好きな人が出来たとしか・・・判らないよ。肌の張りだって おっぱいだって 絶対に私の方が、勝っているはずなのに どうしてあなたに捨てられたか・・・」

ゆきえちゃん ずっとずっと胸に引っかかりがあったのだろう。
こんな場所だから言える事もある。
近藤が静かに口を開く


「初めて みんなで忘年会した時の事覚えている? 浩之は博子ちゃんを 俺は、ゆきえちゃんを送って行ったよな。その時は、エッチが出来れば良かった。その次にゆきえちゃんを好きになればと ゆきえちゃんとは、年齢も近いから考え方も似ている。でも 付き合って行く上で大切な物は何だろうって考えた。ゆきえちゃんは、俺にとっては勿体ない。ゆきえちゃんが荒れた人だったら 俺も適当に付き合い エッチしたくなった時だけ会う。そんな関係で良いと思ってた。 でも、ゆきえちゃんは可愛いし 俺なんかよりきっと良い人がいるって 自分で悩みすぎていた。そんな時にGREEに行き 熟女と知り合い 最初はメールだけだったけど色んな事を教えて貰い 会えば会ったでその日が楽しかった。 ゆきえちゃんと一緒にいる俺は堅苦しく 熟女と一緒居る俺は、自然体だった。今だから言えるけどね。決定的な物はそこなんだよ」

No.313

彼の話が終えた時 俺も、博子ちゃんも、ゆきえちゃんの顔を見るのが辛かった。きっと目に涙を浮かべうつむいて・・・

いない うつむいていない。それどこか やや笑っている。
俺と博子ちゃんは、顔を見合わせる。きっと同じ考えだったからだろう。


「そっか 私が知らないうちに 近藤さんにプレッシャーをかけていたんだね。 私は、てっきり嫌われて その腹いせで熟女と付き合っていたからと考えていたよ。 その熟女さんと長年上手く行っているのなら もう一緒になり幸せになるしかないね。 博子ちゃんも、そう思うよね?」


博子ちゃんがすかさず ゆきえちゃんの思いを汲み取る。


「ゆきえと別れた直後の近藤さん 正直好きじゃなかった。落ち度の無い ゆきえを振ったってのが一番の理由だったけど ゆきえも許した事だし 私も近藤さんの幸せを願うよ」

なんか ドラマみたいな展開だが、俺も台詞の1つでも言った方が良いのか?

「今日は、集まって良かったな。また みんなで集まりたいな 次、集まる時は各々エロ写メを持参って事で解散」


おいっ! 近藤!何勝手に解散しているんだよ。俺の台詞は?俺にも、何か言わせろ

そう思っていた時に 博子ちゃんが会計で お金を集め出した。

何なんだ この最後の消化不良は・・・ 今日は、俺が上島竜兵役かょ(笑)


帰宅して 夜にプリンちゃんと電話する。
何時もなら 何気ない話で終わる内容が この日だけは違い それが最後まで尾を引く展開になるとは、考えもしなかった。

No.314

今日みんなで 集まって近藤の彼女の話しになった事を伝えると


「あの人達 まだ付き合っていたの? 私は、そんなに長くつき合えない 上手くいかないと思ってたよ」


「プリンちゃん そんな言い方は、無いんじゃない。近藤は、俺の親友でもある訳なんだし」
吐き捨てる言い方に ムカッとしたのは事実だ。


「だってさ 年齢は一回り以上離れている 相手はおばちゃん 早く別れるって思うのが普通だよ」

今日のプリンちゃん 昨年の12月イライラモードだった事を彷彿させる。


「そう思うのがなんで普通。プリンちゃん 俺と付き合っているけど もし、プリンちゃんの友達から あんた達すぐに別れるよ。なんて言われたらどんな気分になる?良い気はしないよね。ましてや男と女の仲なんて本人達にしか 分からない事が多いのに」

それを告げると しばらく無言が続き そして電話が切れた。俺は、てっきり電波が切れたと思ったのだが、しばらく待っても プリンちゃんから電話がかかって来ないとこをみると 意図的に彼女が電話を切ったのだろう。

今夜の電話での態度 さすがイライラしてしまった。近藤とプリンちゃんは接点がまったく無い 俺と近藤が親友と知っていたのに・・・どう考えても理解できない夜だった。

No.315

次の朝 起床してもイライラは治まらなかった。なんで電話を切ったのか?
俺の方からかけ直せば それで事が済んだやも知れぬが、妙に意地を張ってしまい 今朝に至。

マズいムードになった時も、朝のおはようメールは来ていたが、今朝はまだ来ていない。

俺の方から おはようのメールをする事は、プリンちゃんに尻尾を振った負け犬だと ますます意固地になる。


バスの中でメールする事無く 会社に到着する。その間 何回も何回も携帯を見るがメールの着信は無し

社員食堂に入り缶コーヒーを買い 溜め息と同時に着席した。
メールが来ないなぁ まさかこのままって事は・・・

1人でブツブツ言っていたら 俺の肩を叩く手がある。顔を向ければ 由美さんだった。

「なんかあった? ちょっと声を掛けるのに 戸惑ったよ。溜息も、独り言もさ イライラと不安が混ざっていた感じがしたから」


プリンちゃんの事を話したい でも、話したくない。中途半端な俺。

No.316

普段は、扉を開けたら 入り口に近い席に座っていたが、意を決した感じで 由美さんの手を引っ張り 室内奥へ


「何? 何? どうしたの?浩之さん どうしたの? まだ 私心の準備が出来てないし 会社でのエッチってドキドキすると思うよ。思うけど いきなりすぎるよ。」


「むむっ?むむっ? 由美さん 何を言ってるの?そんな事しないよ。プリンちゃんとの事が、怪しい雰囲気になってるから 話しだけでも聞いて貰おうかと いきなり手を引っ張ってごめん。 それだけ切羽詰まっていたから」

彼女は苦笑い。
「だよねっ! もういきなりなんだから~って 私も馬鹿だな わはははは」

息を整え 昨日の事をはなした。由美さんも、う~んと腕を組みながら唸る。
「結構 重症のとこまで来ているのかもね。何時もあるメールが来ない。それは、ただ単に険悪なムードになったからじゃなく プリンさんが、キミに対する根深い 何かがある様な気がするよ」

第三者は、クールに判断出来る。イライラしている俺とは違い 客観的に流れを感じ取れ その中から 多少でも得られる事があればと思っての相談ではあった。

No.317

帰省して会っていた時は、不安が飛んでしまってた。
それなのに 離れて過ごすと妙な空気になるのは・・・


「由美さん 俺の親友が、実はGREEで熟女を見つけて 最初は体を求めるだけの関係だったのに 何時しか真剣な恋愛に発展し 俺の親友も、式は挙げなくても入籍はしたい。そこまでの覚悟があって 今 俺が付き合っている彼女と ほぼ同時に交際が始まり そんな関係も有り親友として 彼に上手く行って欲しい事を昨日の電話で彼女に話したんだ。そしたら 彼女が否定し始めて・・・」


由美さん一呼吸 そして溜息を 俺は、今もだが その溜息がなんだったのか判らない。


「私も、熟女の部類に入るから 偉そうな事は言えないけど 人の恋路なんて 放置しておけばいいんだよ。第三者がとやかく言う必要は無い。だけど そのとやかくを言うのが、キミの彼女なんだから始末が悪いね。親友と熟女さん 何歳離れているのかな?」


GREE熟女と近藤の年齢を伝えた。


「一回り以上離れているのか・・・キミの彼女の言う事も当たっている部分もあるよ。話がかみ合わないってのも判る。だけどさ 本人達がラブラブなんでしょう。夫婦で良くありがちなセックスレとかじゃないんでしょう? 上手く行って欲しいのはキミの親友を思い気持ち。キミの彼女にしてみれば、口は滑ったかもしれないが 頭に浮かんだ事を発しただけ そこにキミが噛み付いた。キミの彼女も言い返し 煮え切らない気持ちになり電話を切った。それが、そのまま今朝も引きずっている。今は、ムカムカしているだろうけど 昼にでもメールしてごらん」

No.318

話をして 由美さんから言われて見ればその通りかもしれない
やや 俺が過剰反応し プリンちゃんも引くに引けない状態になったのだろうか? 昼にメールして もし返信が無かったら・・・

「浩之さん 彼女からメール来なかったどうしようなんて 考えたら駄目だよ!」


その発言には、まったくもって驚いた。超能力?


「由美さん 今から俺が、頭の中で描いているものを当てて見て」


由美さんパンツは白 由美さんのパンツは白


「由美さん 今の俺の頭の中は、何が浮かんでいたと思う?」

彼女は笑う。手を顔の前でヒラヒラとさせ

「しゃぶしゃぶが食べたいかな?」


わざと外したのかは知らないが、超能力は無い様で安心はした。


「俺さ さっき由美さんに頭の中 見られたのかと思ったよ。 ズバッと当たったから 何で判ったのかなって・・・」


「キミは、浮気になんかしないだろうけど 仮に浮気したらすぐにバレるタイプだよ。顔を見れば判るから 彼女からメールが来なかったらは、私じゃなくても 他の人でも簡単に予測されたと思う」

兎にも角にも、由美さんからアドバイスを受けた昼にメール これを忘れずにしよう。


「由美さん やや暗めの話から話は変わるけど 由美さんは、芸能人で誰かに似ているって言われた事はある?」


「中学 高校 短大と芸能人に似ているとは無いけど 十数年前ならチラホラと」

No.319

「由美さん 良かったらさ 次 メガネ掛けたところを写メ撮らせて欲しい」

・・・・・

「キミ 何か企んでいる?言動が怪しいぞ!正直に言ってみて 場合によっては写メ協力しようじゃないか」

これは! ここまで来たら80%はOKを貰ったと同じ。

「仲間内で集まった時に 前の会社で一緒だった女性達から プリンちゃんの普通バージョンの写メを見せる時に 手違いで由美さんの写メを見せてしまった。その時に 電車男に出てきた国仲涼子に 似ているじゃないかと・・・」

実際 帰宅して電車男のDVDを確認はしたが、なるほどと思うほど似てはいた。


「そうかぁ バレたか・・・そうか しょうがないね。実はさ 私、国仲涼子の姉なんだ。・・・」


嘘だろう 本当に姉妹なんだろうか?当社に 芸能人関係の人がいるなんて!!


「由美さん サ サイン下さい」

途端に 手を叩きおばちゃん笑いをする由美さん。


「そんな訳ないじゃん 浩之さん純粋なんだね。駄目よ 騙されたら 私が、国仲涼子さんのお姉ちゃんって無い 絶対に無いよ。キミをおちょくっただけだよ」

朝から社員食堂に 由美さんの爆笑が木霊した。

No.320

おのれ~純情な青年のウブな気持ちを・・・どうしてくれようか? 普段ならイタズラの1つは、浮かぶのに 由美さんのペースに乱され なんとかもがけばもがく程 ドツボにハマっていく

経験の差ってやつなんだろう。何をやっても由美さんの手の上で転ばされていた。

今日のとこは、俺の負けだ。覚えていろよっ!とセリフは言わなかったが、そんな気分である。


昼になり プリンちゃんにメールをする。彼女の昼休みは時間帯が不規則ゆえ その時間にリターンが無くても毎度の事。


それなのに 俺が仕事をしている間に返信があれば あって欲しいと願った。

休み明けなのは理解出来るが、以後 トイレに行く時間すらなく 仕事を終える。昼間はプリンちゃんからのメールが来る事を切に願っていたのに 忙しいとはいえ その事が頭から離れている俺。 冷めてきたと指摘されると返す言葉も無い。


着替えてロッカールームから出る。私服のポケットに入れた携帯を取り出す。
たたんだままのガラケーがチカチカ光っている。少なくとも 誰かからは、メールが来ている証拠

やや祈る思いで携帯を開く
受信指定フォルダーのとこに
プリンちゃん 1の数字がある。

まずは、ホッとしたのが素直な感想。そしてメールを開く

「昼間はメールありがとう。朝 私もメールしなかったけど 何時も来ていたメールが無かったから 正直寂しかった。夜は電話出来るかな?出来るなら 9時にお願い それと ごめんなさい」

メールを読み終えた時 良かった。それが真っ先に口から出てきた。

No.321

約束の時間まで 落ち着かない。何から喋ればスムーズに流れに乗れるのだろうか? 見たいテレビも無く 約束の21時を待っていた。

1つだけ言えるのは、プリンちゃんは、俺からのメールを待っていた。だけど 朝に何時ものメールを送信しなかった俺にショックを受けたとリターンメールで判ったが・・・

落ち着いて冷静に ゆっくりと喋る事を心掛けたい
やがて 21時がやってきた。
プリンちゃんからの着信。意地悪してじらす事無く 早く電話に出た。


「もしもし 浩之さん。昨日は電話切ったりして ごめんね。浩之さんの親友の事を決して けなしたりしたのでは無く あくまで私の浅はかな考えが、浩之さんを嫌な気分にさせて」

声のトーン 話の出だしを聞く限りでは、思い詰めているのが感じ取れた。


「俺も、プリンちゃんも、ちょっとイライラがあっただけで 本心じゃないって思ってるよね。4年半近く付き合っているんだから 考えている事で衝突もあるさ それは、それで踏まえて楽しい話をしよう」


プリンちゃんも、納得してくれたのだろう それから2時間の電話で切る時は、笑い声で また明日ね。・・・・と


仲直りと表現する程 喧嘩したつもりは無いが、以前みたいに気軽にメールや電話が出来るのは、有り難い事だと思った。

No.322

朝 出勤してみれば 由美さんは既に社員食堂に着席していた。


「おはよう 浩之さん。 上手く彼女さんと話が出来たかな? 今朝は、その結果が楽しみでね」


もちろん 由美さんからアドバイスを受けたのだから どうなったかは、言うつもりだ。


「由美さんのアドバイスがあったからこそだよ。 まずは、昨日の報告ね。日経株価は、大ききく反発し 前日よりも100円以上 円高で・・・政府の景気対策もジワジワと出てくるんじゃないかな?」


「そうなんだ。浩之さんは、他に気になるモノある? 私は、日韓のスワップが、韓国主導で行くのが納得出来なくて・・・」


乗ってきた なんだこのダブルボケは(笑) どちらかが突っ込みやらないと 終わらないだろうが・・・
ようし こうなったらとことんボケ倒してやる。


次の発言をしようと思っていた時に 由美さんが

「参った 私が悪かった。キミの事だから 私がボケに乗った時 意地でも貫き通す覚悟が見えた。 ここは、すんなり謝って キミと彼女の話を聞き出そうと思う。さぁ 語りたまえ」


笑いに関しては、俺の方が上だな(変なとこで意地を張る 俺も馬鹿だが)

No.323

由美さんとの夫婦漫才みたいな駆け引きは、結構好きだ。

「由美さん 乗って来てくれるね。 本当に話がしやすいよ。 俺の彼女 自分で話していたけど 変な思いが頭に巡り それが口に思わず出てしまったと謝罪があったよ。 謝った以上は、俺も意地を張る事無く受け入れ そこから2時間も話せた。昼にメールしてみたらのアドバイスを由美さんが言ってくれたからのおかげだよ」


「じゃあ コーヒー1杯 奢ってもらおうかな?」


イタズラな弟が、姉から優しく諭され 弟が素直に従う そんな気分だった。

「コーヒー1杯なんて言わず 10杯でも 20杯でも 奢るよ。ところで 昨日の早朝は、いきなり手を引っ張ってごめんね。びっくりしたよね?」


彼女にブラックコーヒーのカップを渡す。それを手にしながら

「そんなにコーヒー飲むと寒さと年齢的なものでトイレが近いのに 大変な事になるよ (笑) 昨日の朝は、ちょっぴり刺激的だったよ。前もって予測していたのならともかく 早朝、キミに会ったら おはようも無くどんどん室内の奥へ連れて行かれたからね」

俺と由美さんが、結構仲が良いから 妙な大事までに発展しなかったが、単なる会社での顔見知りだったら 大きな声を出されていただろう。


まぁ 大きな声を出したとこで あの時間 付近に人は居ないけど

No.324

一つの問題を解決し 日常の生活に戻った。その日も、勤務が終わりとメール 帰ってくるとメール。

プリンちゃんも仕事が終わるとメール 帰宅したらメール。夜になれば電話。
今の職場になってからは、電話をする時間も、早まった。
彼女と付き合い始めて メールと電話のパターンは毎回同じだった。

平穏な日が過ぎ 2月に入ると 寒さの為にプリンちゃんが体調を崩す。それに伴い メールや電話の回数は減ったが、復調すれば普通に戻る。


会社の方も、忙しくてのイライラはあっても 人間関係の不具合は無い。

そんな2月も、5日を過ぎた時に近藤から 国仲涼子の写メどうなった?とメールが来る


おちょくるつもりで サイトで拾った国仲涼子本人の画像をメールに添付したら 頼むから違うバージョンもくれと来た。

奴は、ゆきえちゃんや博子ちゃんに 浩之の会社の国仲涼子だ!と転送。

さすがに博子ちゃんも、ゆきえちゃんも騙されず 近藤1人が、はしゃいでいた。本人 その事が後で判り 半分拗ねて 本物をよこせ 代わりにGREE熟のコスプレ写メを渡すからと

バレたらしょうがない。明日にでも 由美さんに交渉してみるから しばらく待てと返信。

利害関係が絡むと奴は、計算高くすんなりと こちらの案に乗る。

由美さん 眼鏡かけて写させてくれるのだろうか・・・

No.325

翌朝 100均で買ったメガネをポケットにしのばせて 社員食堂で由美さんを待つ。

ドアノブがガチャっと回り扉が開く・・・しかし、誰も入ってこない 再度 扉が開く

やはり 誰も入ってこない。社員食堂に幽霊が出るなんて聞いてないし ポルターガイスト現象?


いや!だけど こんな時間にこの場所に居るのは、俺か由美さんしか居ない。

意を決して 扉に向かう!!
扉が、開いた瞬間にこちらから思いっきり 押してみた。

「きゃあぁ」の悲鳴と共に扉の向こうでしりもちしていたのは、由美さんであった。


「あいたたたっ ちょっとイタズラがすぎたかな? おはよう浩之さん」


M字でしゃがんでいる由美さんに手を差し出す。
見るつもりは無いと言えば嘘になるが、ピンクの・・・下着・・・見えてしまった。


「今 私の生パン見たなぁ~ 高くつくぞ~ なんで扉を押したの?」


「生パン? まぁ それは置いといて 扉は、ビビってしまってね。幽霊か?と本気で驚いたよ。どうしようとか思ったし」

痛がる 腰からお尻にかけて 優しく撫でてあげた。まったく抵抗もしない


これは・・・いかん!スケベな気持ちを抑え 由美さんを着席させた。

No.326

由美さんにしてみれば、単なるイタズラだったのかも知れないが、そのおかげて早朝からは、とてもラッキーなものを見れた。


「まだお尻痛い? まさかひっくり返るとは思わなかったから 不可抗力って事で 笑って許してよ。 由美さん 実はね、今日メガネを持ってきたんだ。 それで これをかけて写メを撮らせて欲しい。ねっ! お願いします」


由美さん え~っと言いながらも拒否はしない。本当に不思議な人だ。


「モデル料は、とんとん亭のお好み焼きね! それで手を打ちましょう。可愛く撮ってよ。それとキミに借りていた電車男のDVD明日持ってくるから。 あれ見たけど あの役の国仲涼子さん 雰囲気が私に似ているよね。なんか他人じゃない気分だった」


「じゃあ さっそく写メ撮って良い?」


由美さんが、頷き 俺は、写メをデータフォルダーに入れた。

「ねぇ それさ 私にも送ってよ。自分で撮るよりも 写メって他人から撮られた方が、綺麗に取れるんでしょう?」


その場で さっそく送信した。送信の最中も、実は 先程のパンチラが頭から離れず されど由美さんに言えない。しりもちをついて 腰からお尻にかけて 痛みを取ってあげたいが為に撫でてあげた。痛みが勝ったのか?あるいは・・・気がついていても あえて触らせてくれたのだろうか?

No.327

そんな邪推を完全に見透かされていた。

「キミ 顔がエロいぞ! さっきのパンチラが脳裏を掠めたか?」


俺の脳が首を立てに振れと指令を出す。ニヤニヤしながら その通りって事を伝えた・・・が、 あっさりスルー。次があるのか?と期待したのだが・・・

仕事が終わり プリンちゃんと電話をした。

「プリンちゃん もうすぐバレンタインだね。デパートやスーパー コンビニもイベント一色だよ」


「あぁ そうだったね。忘れてた 何か送らないといけないね。何か要るものある?」

例年でいけば プリンちゃんの方から話題を振り 何を買おうか楽しみと言ってくれてたのだが、2月に入っても、まったくバレンタインの話題する無かった。


だから こちらから話を降ったのだけど 随分とトゲのある返事が返ってきたものだ。


その日は、適当に話を切り上げた。電話を切った後の不快感 なんだろうな?ただの友達関係なら ギブを求めるのは可笑しいよと言われても仕方ない。

彼氏 彼女の関係なのに 同棲の話が出ている仲なのに
俺とプリンちゃんの立場が逆だったら プリンちゃんは何も感じないのだろうか?


今年になり溝が広がる一方。
俺の中 プリンちゃんの中に 面倒の二文字が芽生え 大きくなりつつあるのかも・・・

No.328

三連休を目の前にして 本来なら楽しく過ごせるはずだったのに・・・プリンちゃんとの会話が楽しくない。電話で話をしていても、以前だと軽く乗ってきていたのに
「訳が分からん」「つまんない」の二言で片付けられる。

メールの返信はあるが、俺も来たメールに脳が反応し 短文でのリターンが増えた。そして何よりも、電話をしない方がイライラしなくて済む。


疲れている時は、体を休める事に専念しようね と一見するとお互いの身体を労っているとも取れるが、体の良い断り文句でもある。

退屈な連休前の夜 近藤に電話してみた。
先月に会ったばかりなのに もう随分前の気がした。


「浩之 珍しいな お前から事前のメールも無しに電話が来るなんて 寂しくて思わずかけてしまったか?」
「おぅ!悔しいが、少しは当たっている。とはいえ 俺は、ホモでも、ゲイでも無いけどな。 近藤勘違いするなよ」

笑いながら会話に入れた 奴に感謝しなくては・・・

「実話な!念願の写メ撮らせて貰った。ついでに言うと 俺が、持っていた電車男のDVDを由美さんに貸してあげ それを見た本人も、結構な反応で 綺麗に撮らせて貰った。でもな 近藤・・・その写メを撮る前 ちょっとした事があってさ」


近藤は、何かを食べながらの電話なんだろう ムシャムシャと音が聞こえてくる。


「浩之 何を勿体ぶってるんだよ。早朝の会社だろう? どんな嬉しい事があったんだ?」

俺の話には、食いついてくれる 頼もしい相棒だ。

No.329

俺が先に出勤して 誰も居ない社員食堂の話から始め 由美さんのイタズラ心から アクシデントに発展するまでを話した。

「浩之! 早朝からおいしい思いしやがって しりもちついたら そりゃ自然にM字開脚になるよな! カァ~俺が居たらシャッターチャンスだったのに でも、その女性も見られた事を分かっていたんだろう? そこから発展は無かったのか?」


話をふったが、スルーされた事を伝える。


「浩之 まさか! それで終わったと想ってはいないよな? これは、この近藤様の読みだが あるぞ きっとそのチャンスが」


スルーされた!って話したのに コイツは・・・ エロに懸けける魂。キング・オブ・ エロに相応しい。


「さて 写メだがどうしよう?まさか転送って訳にもいかないだろう? お前のGREE熟が、勘違いして 揉めるのも本意じゃないし」

「浩之 だったら11日の月曜日にGASUTOでどうだ?」

まぁ GASUTOだったら金額も知れてるし OKする事にした。

来週の給料日まで なんとか踏ん張らないといけない。

No.330

11日の昼過ぎ 財布の中を確認し 4日後の給料までの生活費を確保してGASUTOへ向かう。
懐が暖かいならまだしも そうじゃないから 余計に2月の寒さが身に染みる。


GASUTOに着くと近藤は既に来ていたが、そのファッションを見て笑いが出てしまう。俺も、人の事は言えないが、奴は、ゆきだるまと同じ体型。それだ着込むと動きにくくないのだろうか?


「近藤 何だよその格好。寒いけど その服装 息苦しくないのか?」


「浩之 俺は、デリケートなんだよ。この寒さで風邪でもひいたら 俺は、きっと入院してしまうぜ! そよりもさっさと注文して 写メ見せてくれよ」

腹が減っているのは、同感。
テーブルの呼びボタンを押し 注文する。

「約束だから 見せるよ。由美さんの写り具合を評価してくれ それを本人に伝えるからさ」

俺は、データーフォルダーを開き 奴に渡す。

携帯を見ていた近藤が眉毛をピクッと動かす。

「かなりの力作だと思う。だけど メガネをかけて澄ました顔をすると 本当に良く似ているよな。浩之 これは、ダイヤの原石だぞ」

俺は、最後の言葉の意味がさっぱり判らないが、近藤には 何か思うところがあったのだろう。

奴と話していると テーブルに次々と料理が運ばれてくる。
いくら 安いからといっても この量を頼んだ俺達 2人に周囲は驚いていた。

No.331

テーブル一杯に皿が並び 次から次へと片付けていく。

「浩之 ぶっちゃけ会社のお局様とはどうなんだよ? お前の話を聞く限りでは、良好だと感じるが・・・プリンちゃんと別れたら くっつくのか?」

こいつは、答えにくい事をズバズバ聞いてくる。由美さんと俺が付き合う・・・考えもしなかった。それを近藤は、切り込んできた。

「まだ 俺にはプリンちゃんが居るからな。二股なんて出来ないし 俺がリストラされた時に 支えてくれてたのは、間違いなくプリンちゃん。恩を仇で返す事は出来ないよ」


近藤が何かを言い掛けて止めた。多分 今後の道筋をはっきりさせた方が良いと 言いたかったのだろう。

料理を平らげた時には夕方ってよりは、夜と錯覚する程 外は暗い。
奴にアパートまで送って来てもらい 満腹が眠気を誘った。

その日の電話は、パスするからとメールした。そして連休明けの勤務を終え 帰宅してみれば クロネコヤマトからの不在票。


送り主はプリンちゃんだった。再配を頼み その日の内に宅急便を手にする。
最近の電話では、バレンタインの話題をあえて避けていた観があったのに

ちゃんと 送って来た。それなのに 俺は拗ねて 年齢は俺の方が遙か上なのに どっちが子供なのか判らない。

まずは、プリンちゃんにメールをする。仕事が終わったと即座にメールがきた。

今日の電話で プリンちゃんに謝らないといけない。そんな感情が体を覆い尽くした。

No.332

プリンちゃんと電話の時間になり 開口一番謝罪した。

「バレンタインが近づくと何時もは、プリンちゃんから話題を振ってくる。それなのに今年は、冷たい態度だったから 諦めていたよ。だけど現物を目の前にすると やっぱりテンション上がるね。 沢山のチョコレートと食料品 ありがとう」


「時間が無いってのが本音。浩之さんを忘れたつもりは無いけど 仕事が忙しくて 何より私も、年を取ったから なかなか昔ほどの体力も無くてね。浩之さんと出会った頃は、仕事が終わって それから深夜にGREEへ行ける元気があったけど・・・」



プリンちゃんが奥歯に物が挟まった言い方が気になった。


「プリンちゃん 年を取るのは、俺も同じだよ。今年の誕生日が来れば 良いおっさんだし」
テンションが上がっているだろうと調子こいて
「プリンちゃんのパンチラ写メ 久しぶりに送ってよ」

ところが、意に反して帰ってきた言葉が「面倒くさい」だった。

よもや そんな答えが返ってくるとは思わなく アタフタする。
なんとか話題を切り替え 楽しく話をしようとすればするほど 虚しさを感じた。

電話の終了は、俺から切り出した。
プリンちゃんから 送って来てもらった宅配便。中身を見ると ただ1つだけ違い点があった。

何時もなら 手紙も一緒に入っているのに どこを見渡しても無い。それが、今のプリンちゃんが俺に対する思いなんだろうか?

No.333

思いは、複雑なまま水曜日を迎え ここでも普通にプリンちゃんとメールや電話をこなす。そう 楽しむのでは無く義務を果たす様に・・・
1度 はっきりと聞くべきか?悩んだまま次の朝の出勤となる。

早朝の社員食堂に行けば 由美さんは着席していた。コーヒーカップを手に俺は挨拶を済ませた。

由美さんは、俺の顔を見たまま

「浩之さん 今日木曜日は、何の日か知ってる?」

ボケの一つでも言ってやりたいとこだが、不調なのか?それすら出てこず

「バレンタインデーだよね。どこかの年上の女性 俺にチョコレートくれないかなぁ・・・」
彼女得意のスルーか?聞こえているはずなのに まったくその話題には触れず。
自分から 何の日?と聞いておきながら またスルーかよ  (-_-#)

他愛も無い会話をしていた時に由美さんが、バックから 何かを取り出した。
それが何かは、今日の日を考えれば 一目瞭然。


「本当は、サプライ的に渡そうと思ったのに キミが催促するんだもん。ちょっとイジワルしたくなっちゃった。はい チョコレート。味わって食べるんだよ~ 義理チョコか本命かは・・・わはははっ ねっ」

最後のそれは、なんなんだろう?

No.334

今回のバレンタインデー 義理チョコ2に 本命プリンちゃんから1個。由美さんのはどっちに・・・計4個の収穫。

金曜日 久しぶりにプリンちゃんとゆっくり電話が出来た。不穏な空気も無く 帰省した話で盛り上がる。

「1ヶ月と2週間 早いよね。何にもしなくても日にちは過ぎて 浩之さんと色んなエッチしたのが今年の1月だなんて 一緒に居る日数が少ないからあれだけど 五泊なんてしたら・・・毎日がウキウキしちゃう」


今夜のプリンちゃん どうしたんだろう? 付き合い始めた時のフレッシュさがある。何よりも声のトーンが違う。


「やっぱり 電話やメールと違い 実物を目の前にするとテンションが上がるよね。プリンちゃんと会える直前のドキドキも良いけど やっぱり会ってイチャイチャしている時の嬉しさには、かなわないよ」

会話が弾んだ事も有り 大切な何かを聞かなければならなかった・・・のに 何かを思い出せなかった。

No.335

プリンちゃんとの電話を切った時 近藤からの電話が来た。


「浩之 明日 お前のとこに遊びに行っていいか? 今更なんだがプレステ2のゲームがしたくなって 俺のは、起動しなくてさ 良かったら遊ばせてくれないか?」

明日の土曜日はゆっくりしようと思っていた。だけど 勝手に遊ぶ分には構わないだろう

「良いよ。だけど 俺は、疲れて寝るからもしれないぜ それでOKなら 昼過ぎに遊びにくればいいよ」

手短に用件だけを伝え電話を切る。プリンちゃんが年を取ったから疲れやすいってのは、俺自身にも言えてる。


極力 プリンちゃんとのコミュニケーションを取る様にはしているが、昨年に増して 今年も、電話をしない日が増えた感じがする。

以前 使っていた携帯を開く。そこには、四年数ヶ月前 初々しい俺とプリンちゃんのメールのやり取りが残っていた。

何時から こんな風になってしまったのだろう? そんな事を考えながら深い睡眠へと落ちていった。

2月中旬の寒さから ほんわかした布団の温かさは、心地よく次の行動へなかなか移行しにくい。 その気持ちいい温もりを 俺の携帯が遮るような鳴る。

着信歴を見たら 近藤からだった。時計を見て 昼を過ぎていた事に驚き 慌ててプリンちゃんへの挨拶メール 矢継ぎ早に近藤へ電話する。

No.336

携帯に電話するが・・・トイレなんだろうか? 呼び出しは、しているが、まったく電話にでない。

再度 掛け直そうとした時に 着信。

「悪い悪い 今、コンビニで買い物していた。お菓子と飲み物をたくさん買ったから それと浩之食事はしたか?」

起きたばかりだという事 当然ながら朝も昼も食べてない。その事を伝えるとサンドイッチとおにぎりを買ってきてくれる事になった。

俺の方も給料が入ったから 彼にご馳走と考えていたが、気分良く奢ってくれる彼に甘える事にした。

電話があり 15分もしないうちに インターフォンが鳴る。
「2月も半分過ぎたけど まだまだ寒いよな。浩之 今日は、TSUTAYAで借りたDVDもある。エロじゃないけど スプラッター系の映画 さっそくだが、ゲームさせてくれよ。ある時 急にガンダムSEEDがやりたくなってな 家にあるのをセットしプレイしようとしたけど機動しないんだよ。やれないと思うと無性に遊びたくなって・・・ん? んん?」

彼が、ある一点を見つめる。

「おい あれは! まさか?」

ガン見して視点を外さない。


「あぁ 昨日バレンタインデーだったろう。プリンちゃんからは宅配便で送って来た その他3個は会社関係だよ」


「浩之 プリンちゃんのチョコは本命だとしても 残り3個は義理チョコか? 義理にしては、一際目立つチョコがあるじゃないか」

総務の女性から1個 あと2個は、同じ部署から その中に由美さんからのチョコもある訳だが・・・

No.337

テーブルの上に置いてあったチョコを手に取り 彼が口の中でボソボソと発する。


「近藤 お前も麻木久仁子似の熟から大本命のチョコ貰ったんだよな?」

俺の言葉が耳に入らないのか?一際目立つと言っていたチョコを手に取り 彼は俺に言う。

「浩之 由美さんから貰ったチョコ義理じゃねえぞ これ見てみろジャン=ポール・エヴァンだぜ!すげぇな これだけ大きいと2千円は行ってるんじゃないか? 義理で2千円は無いだろう 普通に考えてもさ!」


ジャン=ポール・エヴァン? なんだろうそれ?俺には、聞いた事が無い言葉。まったくの初耳だ。俺が、反応しないでいると

「浩之 まさか・・・ おまえ・・・ ジャン=ポール・エヴァン知らないの? ゴバディとか聞いた事ない?」

彼の勝ち誇った言い方も ちょっとカチンときたが、それにしても ゴバディ?


「あれか?その~GUCCIとかダンヒルみたいなブランドって訳か?」


近藤のたるみきった顔がウンウンと頷く。
由美さんから貰ったチョコ 義理じゃなかった・・・のか?

渡される時 妙な発言があったのを思い出した!

彼に誘われるまま 封を切る。 チョコレートブランドに無頓着な俺でも、豪華さが分かる。

一口食べると気品が漂う そんな錯覚さえしてしまう。

No.338

箱の中は、綺麗に並べられたチョコレートが、ぎっしりとある。勢い余って 他の3個も封を開けた。

開けたが・・・プリンちゃんからのチョコはおいといて 他のチョコレートは、明らかに義理と判る量ではあった。

「浩之 そう言えばさ 今年は博子ちゃんからは貰ってないのか? 毎年貰っていたじゃないか?」


気が付いてなかったが、確かに今年は貰えなかった。と言うより 近藤から突っ込まれるまで思いもしなかった。

無ければ無いで気になる。う~ん・・・。

考えている最中 人が貰ったチョコレートをムシャムシャと食べつくしている近藤に気がつき
慌てて奴から チョコレートを奪い取った。
その奪い取ったチョコレート・・・

「そっかぁ 浩之 なんだかんだと言っても 俺から取り返したチョコレート それが本心なんだろう?」

ニヤケながら言う奴に 思わずムキになり言い訳をする俺。

俺が無意識で取り返したチョコレート これが潜在意識の中にある 俺の答えなのだろうか・・・

No.339

彼に悟られぬ様になんて手遅れなのは知っていたが

「バカやろ プリンちゃんからのチョコレートが一番に決まってるぜ! 近藤 ゲームで俺に勝てないからって イチャモンは良くないね。 お前 GREE熟以外は何個ある?」

彼はしたたかに笑う。まさか4個以上貰って 勝利宣言でも?

「浩之よ 今の俺には、GREE熟からの本命チョコで充分。負け惜しみとかじゃないぞ 食べ足りないならコンビニで買えば済む事。へへへっ 本当に悔しくないぞ まったく悔しくないぞ」


「近藤 俺が悪かったよ。もうよせ なんかお前が可哀想に見える。悔しくない 近藤は悔しがってない・・・な! それでいいよな」

彼が小さい声で 来年を見てろよと発言したのを俺は見逃さなかった。

ゲームとDVDで時間の経過が早く 夜にはプリンちゃんと電話する時間になってきた。

「俺 プリンちゃんとそろそろ電話する時間だから お前帰れよ」

普通なら 自分の存在が邪魔をしてはいけないと思い 帰るのだが、奴は、聞こえて無いフリをする。


「お~い こ ん ど う 君。もう帰れよ!聞こえているのだろう 帰れよ」

すると彼から

「いや残って お前がどんな会話で盛り上がっているのか聞いている。あっ!浩之 お前さプリンちゃんとテレフォンセックスしろ 俺の前でやってみてくれ」


普通の友達同士なら 笑って済ませても、長年の付き合いがあるコイツは、今冗談ではなく 本気だと知っていたから 余計に笑えなかった。

No.340

彼の事は無視してプリンちゃんに電話をした。メールで事前に打ち合わせをしていたから かける時間も判っていたけど

まさか 近藤がこのまま残るとは思いもしなかった。

プリンちゃんとの会話もぎこちない。異変を感じ取った彼女から

「なんか今夜の浩之は、変だよ。どこがって言われると 決定打があるわけじゃないけど・・・」

側に居る近藤が、俺にちょっかいを出す。

「浩之さん 近くに誰かいるの?」


「実は、今日 近藤が遊びに来ていて 帰らず今も居るんだよ。プリンちゃんとの電話があるから帰れって言ったのに 横で俺の体を指でツンツンして まったくコイツは!」


プリンちゃん 差ほど驚きもせず 次に発した言葉に俺が驚いた。

「私 話してみたいなぁ 以前からずっと浩之さんの会話の中に出てくる彼。どんな人か興味はあるよ」

その事を近藤に話すと 目が泳いで真っ赤な顔になっていた。
これは、これで面白い。もっとけしかけてやろう (笑)

No.341

彼に携帯を渡す。拒否する近藤 もう1度携帯を押しつける。上目使いで俺を睨む。


「もしもし~ 近藤さん聞こえてますか?プリンです。こんな形で話すことになっちゃいましたね」

・・・・・
近藤が固まっている。携帯を耳に当てたまま動かない。それを間近で見ていて 可笑しくなり 大声で笑ってしまった。

「近藤 なんか言ってやれよ プリンちゃん 待ってるぜ」

彼が深呼吸をする。出てきた最初の言葉が!


「は 初めまして・・・あの・・・ 今日 はいているパンツ何色ですか?」

発言している近藤よりも 側で聞いていた俺の方が焦った。
慌てて 携帯を奪い プリンちゃんに謝った。
「ゴメン プリンちゃん。極度に緊張しているから アイツとんでもない事を口走って 軽いジョークのつもりなんだよ。本当にゴメン」

焦る俺に反して携帯の向こうではプリンちゃんが笑っていた。

「良い!良いよ近藤さん。傑作だね 彼氏が横に居るのに その恋人にパンツの色を聞くなんて なかなか普通じゃ無いよね」


俺とプリンが付き合って数年。プリンの恋人発言が妙に嬉しかった。付き合っているのだから 恋人と言うのは、当たり前のはずなのに

「俺もビックリだよ。プリンちゃんが笑ってくれたから事なきを得たけど 洒落の通じない相手なら軽蔑されても仕方が無いよ。後で近藤に説教をしておくから」

横に居る彼を見れば プリンちゃんからの電話 解放されたからか?笑顔が戻っていた。

No.342

昨年から義務的になっていた電話と違い。今夜は40分が本当に早かった。
もちろん 招かざるゲストが居たからこそなんだけど

電話そろそろ切ろうとした瞬間にプリンちゃんが慌てて

「あっ!? 浩之さん。近藤さんに伝言ね 今日のパンツは黒だよ・・・って伝えて じゃあ また明日ね」


電話を切り 近藤へ一言


「黒な」

たったそれだけなのに 彼は全てを理解してくれる。そして右手を握り 上へ突き上げた。


「ヨッシャ~」

彼は、時々理解を超えるリアクションを取る。突っ込めない なぜ黒なら ヨッシャ~なのか?
彼の頭の中でパンツの色がランキングされているのだろうと無理に解釈した。
夜も10時を過ぎた。しかしながら 近藤は、帰る素振りを見せない。


「なぁ 近藤。お前 確か家族と暮らしていたよな? 帰らないと心配するぞ!」


「浩之 何言ってんだよ。俺 今日は帰らないぞ お前のとこに泊まるつもりで遊びに来ているから だからこそのDVDと大量の食料だろ?」


まさかの展開ってのはテレビで耳にするが、これこそ予測もしていない事態だった。


「お菓子で腹は膨れないぜ それに暖房が効いているからと言っても お前はGパンのまま寝るのか?」


ここまで 言えば流石の近藤も引き下がるだろう・・・と思った。思いたかった。

No.343

「浩之は、優しいな。そんな事を心配してたのか? 俺に構わなくていいぞ ほら なっ! ちゃんとスウェット持ってきてるから」


なるほどね。用意周到って訳だ。


「だったら 遅くなったけど何か食べに行く?近くだとGASUTOか吉牛 松屋になるけど」

近藤のリクエストで松屋へ直行。満腹になり帰宅すればゲーム。そして オカルトのDVD


近藤は、恐がりの癖に見たがる。俺は、ホラー慣れしすぎて 多少の事では驚かない。

つもりだったがホステル この映画グロ過ぎた。惨殺もだけど 見ていただけで こちらも体が痛くなる。

時計を見て深夜1時を過ぎているのを確認 あくびの回数も増える。


「近藤 俺先に寝るけど 変な事するなよ。男の体に興味は無いんだから」


「大丈夫だ 俺は両刀使いじゃねぇから」


彼の言葉を信じる信じないの前に自然と瞼が閉じてきた。出勤の心配が無い 日曜日だ ゆっくりと寝よう。

眠たい体を揺すられる 目を開ければ 近藤が目の前に

あぁ 昨日から泊まりに来ていたんだ。


「浩之 映画を見ていたら怖くなって一睡も出来なかった。 俺今から帰って寝るから 鍵しめてくれ」

寝ぼけながら 近藤を送り出し二度寝に入った。

No.344

普通の生活をこなしていても いなくても勝手に日にちは過ぎて行く。3月は、年度末を迎える会社が多く

当社も例外なく忙しい。プリンちゃんとは、そこそこの距離を保っている。

きっと 俺の方がビビっていて最悪な関係になるのを恐れていた。由美さんとの仲は、昨年末からの接触になるが、今年になり親密度が増した。


だからと言ってそれが即肉体関係になるかと言えば そうでは無い。近藤の方も、GREE熟と上手くいっている様。

ゆきえちゃんと博子ちゃんからの連絡が途絶え気味なのが気にはなった。

3月中旬に差し掛かると やはりホワイトデーの話題が出てくる。4個のお返しどうしよう・・・


2個は、明らかに義理と判るから悩むまでは無い。貰ったものに似合うお返しをすれば良いだけの話。

プリンちゃんも、毎年の事だから メインのチョコと駄菓子やつまみ 珍しいカップめんを宅配で送れば それで完了。

由美さんが・・・ 正直 ブランド物のチョコレートを貰うなんて初めてだから 何をお返しにしたら良いのか悩む。

本人に何が良いのか聞くのも、無粋だし ネットを見てもピンと来ない。
そう考えた時 近藤のGREE熟なら何が欲しがるだろう?瞬間のひらめきだった。

No.345

10日の日曜日は、何時もぐうたらに寝ているのだが!この日だけは、やや早起き。

目的は、一つだ。GREEに行き 近藤の彼女にアクセスする。最初は、近藤経由で話を持って行く事も考えたが、短時間で済ませたい 話を脱線させたくない そんな思いからの行動。

GREEへ来るのも数ヶ月ぶり 元を正せば 本来ならとっくに退会しているところ

近藤とこから GREE熟へジャンプする。残念ながら オンラインにはなってない だけどアクセス歴を見れば1時間前。ひょっとしたら 日曜日だしまた来るかも?

そんな期待をしながら GREE経由のメールで事情を説明し返信を待つ。

昼過ぎにメールが来た。しかし、GREE熟では無く 近藤からだった。

「浩之 いかんな~人の彼女にちょっかい出すつもりか?いくら親友のお前でも、穴兄弟にはなりたくないぜ」


まったくもって卑猥な奴だ(笑)彼女が可愛いのは認めるが、他人の恋人を強奪する気はないと強く返信した。

No.346

「昼近くまで寝ているお前が珍しいじゃないか 彼女に催促されたのか? 近藤 今週の木曜日にはホワイトデーなんだ。 お前と遊んでいる暇は無いから GREE熟が近くに居るなら メールするかお前が、俺の電話番号を教えてかけるようにしてくれ」

焦りから多少 口元がきつくなったメールをした。返信メールでは無く電話がかかってきた。

「浩之 自分の立場が判ってないな~ 今のお前は藁にもすがる思いなんだろう? つまり由美さんに好かれるも、呆れられるも、俺が鍵を握っている訳だよ。 良いんだよ 今トイレに行ってるけど 直ぐに繋いでやっても・・・ただなぁ そのお前の誠意ってのを見せてもバチは当たらないと思うが・・・」

しっかりと足下を見られている。


「単刀直入に聞こう お前の誠意って何だ?」

「ビッグボーイで 何か食わせろ」

・・・やはり そう来たか!!

「混雑を避けたいから 昼の三時に直行 待ち合わせでどうだ?」


奴の声のトーンが上がる。

「隊長 近藤は任務を了解しました!! 必ずや同伴で参ります」


はぁ~・・・GREEですんなりと繋がれば こんなややこしいやり取りをしなくてもいいのに

今月は、プリンちゃんへの返済をしてもなおかつ 金銭的な余裕があるから 場を凌げたものの 金欠だったらどうなっていたのだろう?

No.347

昼過ぎにビッグボーイへ向かう足取りは、やや重たかった。近藤達に奢るのが悩みでは無く

近年に無いほど ホワイトデーに悩んでいる自分に

実のところ プリンちゃんへの分と明らかな義理チョコ2個分の用意は済んでいる。由美さんへのホワイトデー GREE熟の意見を聞いてからでも遅くないだろうと思っていた。

店の入り口には、既に彼等が待っていた。

「さすが浩之 時間にぴったりだな」

奢りあう仲だから 彼の発言に悪意が無いのは知っている。
近藤の性格を知らない者は、嫌みに聞こえるかも知れないが・・・

奴は、俺やGREE熟を放置してさっさと店の中に入りかけた。その時 GREE熟から俺に

「今日 本当に良かったのですか? 私は、明日浩之さんが奢ってやるから 食べに行くよ としか聞いてないんです。彼とあなただけならまだしも 私も、誘ってくれてありがとう」

私も? いえいえメインは、あなたですから・・・と心の中でつぶやく。

No.348

GREE熟の話を自分なりに解釈すると どうも近藤が話をやや盛っている感もある。

店内は、時間を2時間ずらしただけなのに閑散していた。
当然ながら その方が、俺としては都合が良いのだが・・・

近藤はサラダバーに向かう。メイン料理が来る前にGREE熟へ手短に事の流れを話す。

「なんか変だなぁと思ってました。GREEに行けば あなたの足跡があるし 珍しい私のとこに何か用事かな?と思っていたら・・・全ての流れに理由があったのですね」


このGREE熟 近藤と違い飲み込みが早い。助かるの一言

料理が運ばれ まずはそちらを片づけてから 話をしようとなった。

しかし 彼の食いっぷりを見てると 胸焼けしてきた。

「近藤 お前食欲不振になった事あるか?」

「ない!」

呆気ない返事である。

「じゃあさ聞くけど 食欲と性欲どっちが大切?」


「浩之 言いたい事があるなら はっきり言ってくれ 俺の中で食欲>性欲 性欲<食欲じゃない 性欲=食欲なんだ」

なるほど・・・近藤はまだまだ食べる気だ。俺とGREE熟はデザートとコーヒーを持ってきて 本題に入る事になった。


「チョコレートのブランドとか よく知らなくてね。それらを貰った事も無いから お返しがまったく思いつかなくて・・・近藤から見透かされたけど 藁をも掴む思いでGREEにアクセス そしてあなたのとこにジャンプしたんだよ。自分の彼女に聞くわけにはいかないし 揉める元だからね」


GREE熟は神妙な面もちで 俺の話を聞いてくれた。

No.349

一通り 俺の話を聞いたGREE熟は、しばらく下を向いて やがて顔を上げる。


「浩之さん その由美さんって人 あなたにとってどんな存在? ただの義理チョコなら悩む事無く サッと決めれるよね?あなたの存在意識の中で特別になりかけているんじゃないの?」


「俺には、プリンちゃんが居るんだよ。浮気なんかしないよ」

「だからね 浮気とか浮気じゃないとか そんなのでは無く 知らず知らずに その由美さんって人 浩之さんが惹かれていってるのかな?と思ったのよ」

近藤が席を立つ ようやくデザートに取りかかる。放置しておこう


「まさかさ 由美さんって人と もうエッチしちゃった? それとも何かあった?」

女性には、男性には無い 恐ろしく鋭い直感があると聞いた事がある。まさに 今 それを俺が体験している。

不可抗力で由美さんとキスした事は、近藤にすら言ってない。GREE熟が、知る由も無い。なのに カマをかけてきているとは、思えない迫力。

一瞬返事に遅れた俺に

「判った その辺はブーちゃんの手前もあるから すんなりと言えないよね。彼が席に戻ったら 由美さんとの肉体云々は言わないから 安心して」

年齢が10以上離れているだけでは無く 人間としても優しさと経験を兼ね備えたGREE熟だった。

近藤が、ゼリーやプリン フルーツ類を皿にてんこ盛りにして戻る。 着席して開口一番

「近藤 お前さ! 自分の彼女からブーちゃんって呼ばれてるの? 見たまんまじゃないか・・・」

No.350

普通なら顔をしかめて彼女を睨むとこなのだろうが、彼は否定する事無く うん と頷く。

今の近藤は、俺の話よりも、食べる事の方が大切なんだろう。相談も口を挟まないでくれた方がスムーズに行く。


「浩之さん 由美さんって方 洒落は通じる方なの? ある程度の信頼が出来ているのなら お菓子と一緒に笑いが取れる品物を送るとかはどうかな?」
俺には、ピンと来なかった。シャレが判るってとこまでは理解できた。ただ 笑いが取れる物って具体的になんだろう?

「近藤から どんなお返しを貰った。洒落があるとか 笑ってしまう送り物あった?」


「下着とかは、すぐに浮かぶよね。エッチな下着じゃなく 中学生 高校生が履きそうなバックプリントが入ったパンツ どんなリアクションするのか見たいと思わない? 私が、ブーちゃんから貰ったホワイトデー 箱を開けて笑った物があったよ。なんだと思う?」


まったく予測出来ない。近藤が洒落の効いた物って パンツだろうって考えていたから それが違うとなるとなんだろう?

考えていたが浮かばず 逆に話を聞いていた近藤がじれったく
「浩之 独身の女性にシャレが効いた物って あれしかないじゃないか なんで判らない?」

あれしかって言われたら 余計に混乱する。くやしいがギブアップ。


GREE熟が含み笑いをしながら俺に言った。

「箱を開けて出てきた物 それはね・・・ピンクローターだったの。私 それを見た時 爆笑してね。そんなの普通は思いつく?呆れたよりも、やるな!って真っ先に浮かんだよ」

彼女は手を叩きながら笑う。俺も笑ったが内心 ピンクローターなんていくら独身の女性だからと・・・普通 贈るかよ!

No.351

この彼氏にして この彼女有りってとこだろうか?2人の笑いはまだ止まらない。これが、満席のファミレスだったら・・・

ピンクローターなんて単語 普通の声の大きさでは言えない。

「ねぇ 余談として聞かせて欲しい まさか近藤から貰ったピンクローター使用した? 今 してきてるよ~なんてオチは無いよね?」

GREE熟が両手でスカートを持ち上げる仕草をする。マジで!! いやいや いくらなんでもピンクローターを仕込んでの会話は、無いだろう=

次の瞬間 GREE熟が笑う

「冗談よ 中に入れてくる訳無いじゃない。もう 浩之さんウブなんだから だけどプレゼントされたピンクローターは、使用したよ。使いすぎて電池がすぐに無くなっちゃったけどね」
ホッとした様な 残念の様な・・・(≧∇≦)


「由美さんにピンクローターは、ちょっと贈れないよ 下着ならまだ笑ってすませてくれると仮定しても オナニーグッズはちょっと・・・俺の方が抵抗ある」

横に座っていた近藤が、出番だなとばかりに

「浩之 頭が固いって シャレだからさ 1年に1回のホワイトデーだぞ 陽気に行きたいじゃないか」

説得力0の近藤は置いといて
GREE熟に三度アドバイスを求める。

「ピンクローターとかは無しで 無しで他のアイデアを頼むよ。年齢が年齢だけに・・・」


「浩之さん 由美さんって今年で何歳?」


改めて聞かれると思い出すのに う~んと口に出てしまう。

「昨年が46歳だから 今年で47だよ。多分 本人の自己申告をまんま信じているから」

No.352

GREE熟から出た一言

「私も、言えないけど そこそこ年齢が行ってるね。本人の性格 全部じゃないけど聞く限りでは、明るく やや姉御肌なのかな?って推測する。物を贈るのに悩むなら 映画やコンサートとかに招待するってのも有りかもよ」

下着やピンクローターの話を出して その事だけが頭の中に残っていたが、ふと視点を変えれば 物として相手に渡すだけでは無く 楽しい時間を過ごさせるって考えもあった。

1月のしゃぶしゃぶのお礼も兼ねて どこか食事へ誘う。


あと4日でなんとか判断しないと GREE熟に相談した事で 前の道が開けた。この事は収穫だった。


近藤達にお礼を行ってアパートへ向かう。
途中のイオンモールに立ち寄りホワイトデー特設場に寄る。


毎度思うが、バレンタインに対して ホワイトデーの売場や品数って どうしてどこも規模が小さいんだろう?

一昔前なら マシュマロ キャンデー クッキーが定番なのに今は、チョコレートのお返しにチョコレート。余りにも 短絡的すぎ

義理チョコと思うと500円でいいさ と悩む事なく買えたのに う~ん何にしようかな?

大きく見栄えが良い物 持って帰る時に邪魔にならない感じで 量より質の 小さいけど高い物
悩みながら 次の施設へ向かう。

No.353

地下鉄を使い 高島屋までやってきた。普段なら近場で済ませていた俺に 何の変化があったというのだろう。


大きい施設でも、バレンタインほどの賑わいは感じられず。一回りして 得るものが無く落胆していた時に ふとある売場が目に入る。

ケーキか・・・色んな種類があった。店頭にいる女性に聞くと ここ10年ほどでお返しする人のタイプも、何かこれ!と固持せず クッキーに他の物が混載されたり ロールケーキだったりと変化しているそうだ。

その中でも、一口サイズのブランデーが入ったケーキに目が移り これなら!と直感した。

しかし、渡すのが木曜日で平日今日 買っても数日は此方で保管をしなけれ・・・

悩んでいた俺を見かねて 店員さんが
「前日に買って 後はドライアイスの発泡スチロールに入れておけば 1日は余裕で持ちますよ。貰って帰るまで 冷蔵庫に入れておく事が前提ですが」

その発言を聞いた時に これにしよう!と決めた。渡す物は決まった。そうなるとコンサートや映画の観点が外れる。

なんの為に 食事を奢り アドバイスを受けたのか・・・
映画やコンサートのチケット 今では時間が足りない

自身に変ないいわけをつけ 再度下着が頭の中でラジオ体操を始めた。

No.354

思いついた感じでひらめき ドン・キホーテへ向かう。コミカルな下着ならあそこしかない。
由美さんへ 渡す直前に聞いて要るってなら渡せば良い。要らないと言われたら・・・ いかん考えるな!今は行動だ。

店内に入れば 誰も居ないと思っていた売場。カップルや高校生か?が目立つ。 早く 買ってどこかへ行ってくれないだろうか?


そんな思いでいっぱいだった。チャンスが来たのは、それから10分後。以前は、プリンちゃんが横に居たから 他から見られても 彼女に買ってあげるという大義名分があった。

今 会社の誰かにあったら 博子ちゃんやゆきえちゃんに会ったら・・・下着を選んでいる俺は不審者に見られたくないが為に ミッションをこなして そこから早く立ち去りたかった。

しかしだ・・・下着を選んでいると顔がニヤケてしまう。意識すればするほど 笑いが出てしまう。

唇をギュッと噛んでも・・・ 何だよ 選ぶだけじゃないか!変態さんの考えは無いぞ 俺が履くのじゃないからな・・・

俺は、何に言い訳しているんだ。カップルが、俺を見てヒソヒソ話す。そりゃそうだろう 女性の下着が売っているとこで オッサンが1人ニヤニヤしているんだから

ヤバい ここから一刻も早く立ち去りたい。その場から逃げようとして振り向いた時に 女性店員が声をかけてきた。

「贈り物用ですか?」

内心 助かったこれで変質者と間違われ無くてすむ。店員さんの助けに 思わずハグしたくなった。

No.355

女性の下着売場 隣に女性が居るだけで こんなにも心強いなんて・・・

「奥様 彼女さんにプレゼントですか?年齢にも寄りますが、サイズは幾つのを探してますか?」


ここは、奥さんって設定にしておいた方が良さそうだ。

「妻へのホワイトデー お返しに受けねらいで下着でもと思ってね。ただ 年齢が40代後半だから あまり派手なものよりは クスッと笑いがこみ上げてくる下着でもあればと見ていたんだよ。サイズはM」

多分だけど・・・

店員さん お薦めが、フワフワした毛みたいなのが付いている下着。白色でサテンか?シルクか?生地がツルツルしていた。
もう一つのは・・・帰省した時 プリンちゃんに買って上げた下着に似ている。


ドン・キホーテは地域が変わっても 取り扱う品物は、そんなに変わらないのだろ

流石にロリ系を買うなら 最初に見せてくれた コートやジャケットの首もとについているフワフワした物が付着しているパンツの方が・・・良いのかな?

ラッピングをしてもらい ケーキの段取りも決めた時 あれだけ憂鬱だった3月14日が待ちどおしくなる。

帰宅して 夜にプリンちゃんと電話。

「プリンちゃん 宅配便で送ったから 楽しみにしていてね。今日は色々忙しかったよ」


「忙しい?どこか行ったの? 私の方も仕事が忙しかった。連休が欲しいなぁ 浩之さん どこに行ったの?」

危うく ホワイトデーのお返しを買うために 散策していたと言い掛けた。

No.356

やましい事が無いなら 全部話せとなるだろうが、俺としては余計な火種なら 最初から伏せるべきだと考えた。

「昼に近藤達と食事してきたよ。あの2人を見ていると 羨ましいと思ったね。姉さん女房って空気が、近藤を支えていると思う」

数秒 空白があった。てっきり電波途中で途切れたのか?そう思い始めた時

「良かったね。浩之さんも姉さん女房が欲しいのでしょう?誰か捜してみる?」


「俺 何か気に触る事 言った?」

何だろう急に突っかかって来て 昨年から理不尽な突っかかりが多くはなってきたが・・・

「別に 浩之さんがどうとかじゃないの 忙しいからイラッとしているだけ」

たまには、俺も本気でブチ切れた方が良いのか? 当人がイライラしているかと 此方にまで当たらなくても・・・

会話を続ける気力も無くなり 適当な理由をつけて 電話を切った。それから2日後の火曜日にプリンちゃんから まるで何事も無かったみたいにメールが来てた。


「宅配便ありがとう 昼過ぎに来たよ。休みの日に来る感じで日にちを指定してくれたんだね。開けて見たら 沢山のお菓子とホワイトデーのクッキー 味わいながら食べるね」


ハートマークが文章の間に多々ある。日曜日の夜 あれは、一時的な迷いだったのか? 昨年よりも更に今年は、プリンちゃんが理解出来なくなってきた。
男女の付き合いは、年数を得れば それなりに理解が深まる。それが、俺とプリンちゃんは逆。

No.357

プリンちゃんの考えを聞くべきなのだろう。それがどの様な方向へ行こうとも。

13日の水曜日は勤務が終わると地下鉄に乗り高島屋に向かった。日曜日に接客してくれた 店員さんを探す。平日の夜 周囲の店舗もそんなに お客はいなかった。

店員さんを見つけ 色んな種類のケーキが入ってるのを買う。予め話をしていたから 説明しなくてもスムーズに買えた。

ホワイトデーのお返しだからプレゼントになる訳だが、何時もにまして 慎重に優しく持って帰り 冷蔵庫に入れて 初めて緊張感から解放された。

帰宅した時は、プリンちゃんと日課である電話の時間。

今夜は、ちょっとある事を確認する為に 挑発してみる事に


電話をかけ 待ち歌が流れてる あれ?長いな? しばらく待ってみたが やはり出ない。

何時も電話が出来ない時は、メールでパスと意思表示があるのに・・・ 携帯を置いて風呂に入るかと思っていた時にプリンちゃんからかかってきた。

「ゴメン トイレだったよ。昨日のホワイトデーありがとう。さっそく食べたよ~ あと焼きタラの珍味 あれは最高だね。食べてる時は、本当に幸せ。 浩之さんは、どんな時が幸せ?」


こちらからトラップをかけなくても プリンちゃん自身が、あたかも 俺を試すように話題を振ってきた。


「プリンちゃんと会っている時が幸せだよ。あとエロ写メ撮ったのを見ている時」

さて なんと返事が来るか・・・

「えっち~ 浩之さん私とエッチしたいのね? このまま携帯を使ってやってみる? それとも私のパンチラ送信してあげようか?」

No.358

予想外であった。何時もの如く 面倒くさ~いの返事が来ると予感していたから 俺の考えすぎか?

この流れをどうするべきか? もう1度カマかけてみる。

「え~プリンちゃんもエッチじゃん 電話でしようなんて。ひょっとして 今はベッドの上かな? 電話でした事は無いけどドキドキするね。パンチラはパンチラで欲しいよ」


「うん ベッドの上 トレーナーにパジャマのズボンだよ。指でアソコ触っちゃおうかな?うふっ」

う~ん 拒否する事なく乗ってきたぞ・・・この展開も考えていなかった。

だとしたら 険悪な関係になっていたと思っていたのは、俺だけか?

その後 思惑を悟られぬように 敢えて明るく振る舞い楽しく電話を終えた。

それから五分後にプリンちゃんからのパンチラは送信されてきた。

俺は、彼女を試した。その答えは、俺の考えすぎ・・・自分に嫌悪感が駆け巡る。気持ちを知りたいからと プリンちゃんの事を疑った。そんな馬鹿な自分に

翌朝 日課のおはようメールがプリンちゃんから来ていた。
昨日の電話が凄く楽しかったと
バスの中で返信し 会社へ向かう。 守衛さんに挨拶をし中に入りかけた時

「ホワイトデーですか?」と声をかけられた。手荷物を見ての事だろうが、根掘り葉掘り聞かれるのも嫌だ。意図的にスルーし更衣室へ向かう。

明らかな義理チョコは、タイミングを計らずとも 直ぐに渡せる。

だけど 由美さんのはちょっと違った。義理チョコ2個をロッカーに置いて 由美さん宛ての物だけ手に取り 食堂へ向かった。

No.359

まだ AM6:45。流石に誰も居ない 居なくて当然の時間由美さんは、ともかく 他の人が入ってくるであろう時間まで80分は楽にある。

コーヒーを買い席に着く。70円で買える 幸せな一時。

ホワイトデーの渡すものを確認。さり気なく さり気なく・・・

その時 後ろから両肩を叩かれ驚かされる。振り向くと由美さんだった。

「挨拶したのに どうしたの?ブツブツ言って 近寄って来てたのが気づかなかった?」

「びっくりしたよ~由美さん おはよう。考え事していたからね。 由美さんにホワイトデーだよ。はいっ これ 気に入って貰えると嬉しい ブランデーが入っている一口サイズのケーキだよ」


由美さんの目が大きく開く。

「キミにこんなセンスがあったとはね。良い意味で驚きだよ。こんなに沢山入っていたら 値段も結構したんじゃないの?かえって気を使わせちゃったね。ドライアイスまで用意してくれて」


由美さんの笑顔を見る限り 一発目は大成功と言えるだろう。

さて この下着だが・・・

「由美さん 実はね もう一つあるんだ。悩んで 他の人からのアドバイスなんだけど 由美さんが、シャレの分かる人として 聞くのだけど・・・ その~ あの~ 」

なかなか踏み込めない。

No.360

「何? 言いたい事は、はっきりと 全然構わないよ」


「じゃあ言うね。 一口サイズのケーキ 箱も開けてないのに 何で結構入っていると思ったの?」

首をひねりながら


「そこ? そこなの? もっと違う事を発言するのかと・・・」


「あっ いや!本当はそうなんだ。由美さんの勘の良さには負けるよ。あのね 下着を・・・ウケ狙いで買ったんだよね。普通のパンツとは、ちょっとだけ違うんだけど・・・」

俺を微笑みながら 両手を出し頂戴のポーズをする。


「キミの事だから 照れながら買ったのでしょうね。そんなプレゼントを断れないよ 一生懸命にありがとう。ここで開けるほどの勇気は無いけど 帰宅して開封するのを楽しみにしてるからね」

両方を渡した時 義理チョコのお返し2個は、まだ渡して無いけど 今年のホワイトデーのイベントが終わった気分だった。

ふぅ 一安心。 ちょっと記憶に無い程のホワイトデーだった。下着を由美さんが履く履かないは自由にすればいい

受け取ってくれた。 その事だけで 今までの苦労が報われた。

映画や催し物の誘いは、また別の日があるさ
3月中旬の出来事であった。

No.361

4月に入るとプリンちゃんも、俺も、忙しさに拍車が懸かり 電話も週に2回しか出来なかった。


その事が、1つだけ良い方に動く。2日或いは3日おきの電話が、気持ち的に縛られる物が無いから 会話も弾む。


今年の9月で付き合い始めて丸5年 電話嫌いなプリンちゃんも 今では、免疫ができている。


由美さんも苦手とは 発言していたが、俺の周りには電話が嫌な人が多い 単なる偶然だとは思うけど・・・
4月の中旬 先月奢って貰ったから そのお礼で居酒屋に行こうと誘いを受けた。何やら 怪しい匂いがする。

指定された居酒屋に行けば そこには、GREE熟と近藤が待っていた。 近藤1人ならまだしも 熟が一緒なら 何か企みがあるのか?
(°□°;)


「近藤 何を企んでいる? 先月のお返しなら お前1人でもいいはずなのに・・・怪しいなぁ」


彼は高笑いしかしない。GREE熟も含み笑い
間違いない無い 何かあるな!

No.362

GREE熟は、生中 俺と近藤は酎ハイ。つまみと食事を兼ねているから テーブルにかなりの量の料理がある。


「で、さっそく魂胆を聞かせて貰おうか? 奢る理由があっての誘いなんだろう?」

近藤が愛想笑いしながら

「何言ってんだよ~決して 深い理由なんて ただ~」

近藤の横からGREE熟が口を挟んでくる。

「駄目よ ブーちゃん。やっぱりちゃんと言わないと。あのね 浩之さん 私達ずっとホワイトデーの事が聞きたかったのよ。 いずれ話してくれるのかな?と思っていたけど 1ヶ月近くなっても 何の素振りもない。ブーちゃんは、どうなった?どうなった?とばかり そんなに気になるなら浩之さんを食事でも誘えばいいじゃないって私が言い出したの」

GREE熟 早くも生中2杯目。ピッチが早いけど この後大丈夫だよな・・・

近藤の顔は、反省するどころか、たこわさ以外俺の顔を見ようとしない

「なんかあるだろうとは感じてたよ。先月 相談に乗ってくれた事には、本当に感謝しているよ。2人とビッグボーイで食事した その後に高島屋に行って何を買うのか決め その次にドン・キホーテでユニークな下着を買って渡したよ。下着を渡す前に状況を話し それで受け取ってくれたのだから イベント的には成功と言えるよ」

下着の話が出てきたら 食べる手を休め 近藤が俺を見つめる
「浩之 どんな下着だ!エロ系か?ロリ系か? まさか年齢にあわせたヘソのとこまで生地があるパンツか?」


奴は、今の今まで たこわさや唐揚げを食べながら こちらに見向きもしなかったのに 下着の話が出た途端にこれか(笑)

No.363

近藤くんの出番と言うべきか?今の今まで ガッツリと食べていたのだから そのまま 食欲に集中すればいいものを・・・


「特別にエロい下着ってのじゃないし 近藤の期待に答えれないが、ロリ系のパンツでもない。そもそも 年齢にあわせて ヘソのとこまで生地があるパンツ・・・ 肉体関係を結んだ女性達を思い出してもいないぞ! 近藤 まさかお前 彼女にヘソのとこまであるパンツプレゼントしたのかな?」


奴は首を横に振る。間髪入れずGREE熟が口を挟む。

「あなた達男性には、判らないだろうけど おへそのとこまで伸びるパンツって 冬は重宝するのよ。お腹が冷えないし 色気はないけど」

近藤達にどの様な下着を買ってプレゼントしたかを話すと GREE熟は、素敵と言う それに反して近藤は芸が無いと

意見はあれど 2人共 下着をプレゼントとした事には賞賛してくれた。

食事が終わり 外へ出た時には、GREE熟 すっかりと出来上がっていた。

「浩之 悪い ちょっと肩貸してくれないか? ここまで酔った彼女を見たのは 久しぶりだ。今日は、余程楽しかったんだろうなぁ。 やっぱお前は、話術の天才だよ」

そう発言していた近藤もほろ酔いしていた(笑)

No.364

日曜日の夜 運良く流しのタクシーが拾えた。近藤の自宅に向かい 彼が料金を払っている時 GREE熟をなんとか外へ出す。その間 ずっと俺にもたれ掛かった状態だった。

さして 重そうにも感じない 近藤の体力が無いのは、知っているが 俺ならひょっとして1人で抱っこ出来たりして・・・

半分冗談で抱え上げてみた。なんと!すんなりと こりゃ50キロ無いな!

それを横で見ていた近藤

「よっ!さすが馬鹿力 頼もしいね。そのままんま俺の部屋に抱っこして ついでに俺もおんぶしてくれ」


「近藤 部屋に入ったら ローキックするぞ! まったく! お前 親はどうしたんだ? てっきりGREE熟のマンションへ向かうのだと思っていたけど」

「両親は居ないぜ 親父の定年退職前の旅行に 母ちゃんも着いていった。昨日から 今週の土曜日に帰ってくる予定だ。それにしても浩之 どうやったらそんな腕力を養える? 彼女が酔った時 これから頼むよ。何時も、俺がふぅふぅ言いながら 彼女を部屋まで送っていた。 だけど これからはお前がいるからな!」

勝ってな妄想で 人を頼るな! 彼の部屋までGREE熟を運ぶには運んだが、振り向くと 近藤が居ない・・・

No.365

扉を開けた 入った瞬間に何かにつまずいた。GREE熟を庇いながら倒れたおかげで 俺は両膝を思いっきり痛打。

明かりを点けてみたら 雑誌が・・・ アイツ! マガジンをこんなとこに置いて置くなよ!
明るくなった 奴の部屋。改めてGREE熟を見れば お約束の様な展開。
スカートがめくれ パンツが丸見え。

こんなの時 近藤が入ってきたら どんな言いがかりをつけられるか スカートを戻そうと手を延ばした時に・・・

「浩之 それは流石に俺も見過ごせんぞ!親友のお前でも それは遺憾だろう!」


心のなかで 叫んだ。待て待て 俺がそんな事するかよ!

言い訳めいた事を言い掛けた時に

「ブーちゃんどこへ行ってたのよ! 浩之さんは、私を抱っこし ドアを開けたら転けたのよ。入り口に雑誌があるし 部屋が明るいならまだしも 何であんなとこに放置してるの! だから2人共 こけたのよ。多分だけど その時スカートが捲れた? ブーちゃん 浩之さんに謝りなさいよ!」


「判ってるよ 俺だって浩之がそんな事をしないのは 冗談だって・・・」

近藤 お前の身の振り方の早さには、感服するよ。俺を疑った癖に まったく・・・

あれだけの衝撃があれば 寝ていても そりゃあ起きて当然だろうな

GREE熟 居酒屋で飲んでるにも関わらず 近藤に冷蔵庫から発泡酒を持ってきてとねだる。


俺は、幸い酎ハイ一杯だけだから 酔いはとっくに覚めているが、腹が減った。

No.366

奴の部屋を見渡せば 部屋の隅に大きなダンボール。それを見つめていたら

「あれね ブーちゃんの非常食のカップ麺よ。一つ貰おうか!」


近藤に食べて良いか聞き ダンボールを覗くと 多種多様のカップ麺があった。20までは、数えたが それ以上バカらしくてやめた。

赤いきつねを食べながら 3人でしょうもないエロ話に花が咲いた。

間もなく23時になろかとしていた時に

「浩之 そろそろ帰るだろう? 俺 玄関まで見送るよ」

まったくそんな気がなかったから


「いや まだ帰らないよ。まだ話をしようぜ」

近藤が眉間に皺を寄せ 早く帰れとばかりに せかせる。

なぜにまた?
・・・・・
ハッ! そうか!あれか?あれしかないな


「近藤 ちょっとこっちに来てくれ」
廊下まで誘い出すと

「お前さ もしかして俺が帰った後 GREE熟とエッチな事するつもりなんだろう?」


「そうだよ だから早く帰れって言ってるのに 何が、イヤ まだ話そうだ! 彼女も良い気分になってるし 親は居ないし この状況どう考えても それしか無いだろう? それとも何か?3Pでもしたいのか?」

冗談じゃない 仲は良くても 何が悲しくて近藤のチン〇を見なければならない!激しく断る。

GREE熟に帰る事を伝えると ヘラヘラ笑っていた。完全に酔っ払いだ。在来線の駅まで 近藤に送ってもらう

「GREE熟 完全に酔っ払ってたな。 お前も張り切り過ぎるなよ。あっ!! まさかタクシーでお前の家に行ったのは最初から・・・」

近藤は何も言わないが、にやけた顔が全てを物語っていた。

No.367

電車で僅か3区間だから 寝る暇も無いほど 早く着く。

今頃 お楽しみの最中かな?いいなぁ 羨ましい。会いたい時に会える それがベストなんだろうけど 俺の遠距離恋愛 何時になったらハッピーエンドになるんだろう。

くそっ!! GREE熟のパンチラなんか見てしまったから 悶々とした思いが、頭から離れない。


もっと早い時間なら プリンちゃんも起きていただろうが、25分で翌月曜日になろうかとしているのだから それは無理。


駅から徒歩で帰宅すれば、寒い部屋。友人の幸せは、長く続いて欲しいものの 目の前で見せつけられると 拗ねたくもなる。


月曜日の朝 何時も乗るバスを寸前のとこで通過され乗れなかった。 朝から変なイライラがあった。俺も、欲求不満なんだろう・・・

プリンちゃんに朝の挨拶メールをした。プリンちゃんを抱きしめたい と書いた内容だったが、朝の返信 此処数ヶ月では珍しく

「私も、キスいっぱいしたい 抱きしめてほしい 優しく胸を揉んで欲しい 浩之さんとエッチな事したい」

この返信メールを読んだだけなのに興奮が治まらなくなりかけた。 会社に行き着替えて 食堂に行ったら 由美さんは、既に到着していた。


「私が来た時 何時もコーヒー飲んでいるのに 今日は、着席してなかったから休みかと心配したよ~ 寝過ごしたのかな?」


昨日 あった事をまんま話したら良いのだろうか? GREE熟のパンチラ&近藤達のエッチ 話して変態なんて思われないだろうか?

No.368

「由美さん 今から話す事 他言しないで それと素直な気持ちを話すから変態と思わないで」


俺が、余りにも真剣に熱く話すから圧倒され


「私 キミが話してくれた事 誰にも言った事無いよ。それだけ前置きしてるんだから 絶対に変態とも 思わない 安心して話してごらん」


最初から 事の成り行きを話した。由美さんにホワイトデーのお返しをした アドバイスをしてくれた人から その後どうなったか教えてくれと催促された。


居酒屋で話を進め 親友の家に行った そこでパンチラを見てしまった。そして 親友からエッチしたいから さっさと帰れと言われた。

悶々とした思いで帰宅した。寝過ごしてバスを1本乗り遅れた。勢いのまま喋ってしまう。


「正常な男性だもんね。そんな状況に出くわしたなら 仕方ないよ。でもさ・・・実際 親友の彼女さんのパンチラ見たんでしょ? どう?興奮した?」


由美さん 俺の反応を絶対に楽しんでいる。こうなればヤケクソだ。


「由美さん ムラっと来たよ。正直なとこね。相手が50過ぎ人でも 結構可愛いし でもね! パンチラよりも その後 あの2人が求め合っているんだと思うと・・・だからといって アダルトを見て抜いたりはしなかったよ。虚しくなるだけだから」


喧嘩に負けて帰ってきた弟を 姉が優しく諭す感じで

「そっか そっか ねっ! もう~あれだよねっ! なんか聞いてる私が興奮してきた。ヤバいな ちょっとアイスコーヒーでも買ってくるよ」


席を離れる由美さんのお尻辺り どうしても目が行ってしまう。

No.369

見ては。いけないと思えば思うほど 視線が行ってしまう。GREE熟も良い線いってるけど 由美さんだってまったく劣ってない。

調子こいて デカパンの事を聞いてみるか?いや~流石にそれは嫌われるか?
コーヒーカップを手にした由美さんが着席すると同時に 禁断とも呼べる質問をした。

「由美さん それでね。 その親友と彼女にどんな下着を贈ったのか?と聞かれたんだよ。あちらは、矢継ぎ早にセクシー系やロリ系 ヘソのとこまで生地があるパンツを贈ったのか?と話題を膨らませたから フワフワした毛があるパンツって教えたんだ」


コーヒーカップを持つ手が震える。俺 何を言ってんだろう・・・

「セクシーやロリは、判るけどデカパンと呼ばれる綿のパンツは持ってないなぁ キミ私にプレゼントしてくれるかい? 意識して下着を買うなんて もう記憶に無いからね。バックプリントのロリ系は無いかな?あとTバックも無いね。ごく普通のが多いよ。レースが付いてたり 小さいリボンがあったりと」
マジか!インプットインプット。由美さん ひょっとして 清純派か? 朝から誰も来ない事は知っているのに 気がつけばヒソヒソと小声で話していた。
「今度は、こちらから聞くけど キミはブリーフ派? トランクス派?」

聞かれると思ってなかった。なかったからドキドキしてしまう。

「中学の時からトランクスだよ。一時期トランクスの収集に凝って 母からいい加減にしなさいと注意を受ける事もあったけど 由美さん プレゼントしてくれるの?」

内心 さっきのお返しだ!返答に困るだろうと思いきや あっさりと

「良いよ じゃあ今度の誕生日にトランクスプレゼントしてあげるよ」

嘘~ 頭の中に 嘘~が木霊する。

No.370

それぞれの勤務に就き 楽しかった1時間強が過ぎ去る。
今朝のプリンちゃんの返信からすると ひょっとして何かあるか?1人 妄想を膨らます。


今年初めてかもしれない こんなにプリンちゃんとの電話が待ち遠しいのは!

夜の9時になるかならないか 待ちきれず電話をかけてしまう。反応良く返事がある。


「浩之さん 今朝のメールどうしたの?側に居たらヤバかったよ。なんかね 胸がキュンって・・・」

昨日のGREE熟のパンチラ 近藤達の性行為 今朝の由美さんの件は、話したら話したで揉めると思い それを伏せたまま

「俺 きっと欲求不満なんだよ。だから 思いあまってプリンちゃんに あんな感じのメールをしてしまった。でも 即来た返信に 今度は俺がびっくりしたけどね。 プリンちゃんこそ どうしたの?」


「私 夢を見たんだ。浩之さんとビジネスホテルの自販機コーナーでエッチしたのは実際あった事なんだけど エレベーターの中でお互い触りっこしたり 新幹線の中 私達2人で誰もいないの それで私が浩之さんの上にまたがり 座ったままエッチしてるの 朝起きた時大変だったんだよ。夢とはいえ 起きたら アソコが濡れていた。その事があっての出勤だったから それで浩之さんからメールが来た。感情のまま返信したのよ」


うわ~プリンちゃんはプリンちゃんで またエッチな夢を・・・新幹線の中でなんて 閑散としている平日の昼間ならひょっとして・・・

その夢 現実になって欲しい
(≧∇≦)


No.371

2人共 電話で話をしているだけなのに ただそれだけなのに 互いの興奮が伝わってくる。

今週の20日水曜日の休みが 仮に月曜とか金曜とかだったら 衝動的にプリンちゃんのとこへ行ってた その位の高ぶりはあった。


電話が終わり つくづく思うこと。それは 去年前半までは、毎日が楽しい電話だった。それが普通だと思っていた

昨日は楽しくなかった 今日は楽しかった。そんな考えすら浮かばなかった。毎日が楽しくて だからこそ 3月も4月も5月も ずっとずっと楽しく電話をしたいと本心から願った。

プリンちゃんと帰省して早くも4ヶ月が経つ。エープリルフールは、とっくに過ぎたのに 近藤からメールで驚かされた。


短文で「ゆきえちゃんが結婚する」 たったこれだけだった。
現在 上手くいってると思われたカップルは、俺とプリンちゃん 近藤とGREE熟。まさか まさかゆきえちゃんが後方から追い抜くなんて思いもしなかった。


帰宅して さっそく近藤に電話する。


「近藤 お前 この情報をどこで手に入れた?まさかエープリルフールなんてオチは無いよな?」


携帯の向こうで 奴がどこかを叩いているのだろう パチパチ音がする。

「なぁ!なぁ浩之 超怒級の爆弾だろう?俺もビックリだったよ。確認のメールしたから それから お前指定受信にメール設定してないか? ゆきえちゃんがお前にメールしたけど フィルターかけられたって凹んでたぜ」


まさか!アドレス変えたのか?しまった!消去した可能性が高いな


「じゃあ お前と博子ちゃんは既に ゆきえちゃんが結婚する事を知っていたんだ? それで何時結婚?」


「どうも2ヶ月後らしいぞ 博子ちゃんスピーチ頼まれて困っていたから」

No.372

余計なお世話なんだろうが、ゆきえちゃん いつの間に彼氏を作って そしていつの間に そこまで話を持っていたんだろう?


近藤との電話を終え 仕事も一段落した10日過ぎに 博子ちゃんに電話をした。


「博子ちゃん 久しぶり元気だった? 近藤から聞いたよ。ビックリだよね」

以前 博子ちゃんと気まずい仲になってた事すら忘れていて電話をしてしまった。


「そうなのよ あの子の男性遍歴には毎度 驚かされるわ でも、今度の彼氏普通の公務員みたいよ。なんかがっかり どんなぶっ飛んだ人かと 楽しみにしていたのに」


「結婚するってだけで 俺にはぶっ飛んだ話題だよ。博子ちゃん 気をつけてよ。ゆきえちゃんの新郎の前で外人と付き合っていたや 中年のオッサンと付き合っていた事を言わない様にね」


博子ちゃん 余程 ウケたのだろう笑いが暫く止まらなかった。俺も博子ちゃんも 近況報告をして切ろうとした時

「浩之さん なんか こないだゴメンネ。正直 連絡取り辛かった。だけど こうして 昔仲良くしていた感じで 連絡が来ると嫌われてなかったと安心したよ」


そこまで思いこんでいたなんて・・・ 俺は、もっと気を使わないと駄目だなぁ

近藤→博子ちゃんとくれば 次はゆきえちゃん本人に確認。

アドレスだけだろうか?電話その物が新規契約だったら・・・そんな事を思いながら メモリーから電話番号をクリックする。

No.373

プップップップッと鳴っている。つまり この番号は生きている。

「浩之さん おそ~い 遅いよ。何時連絡来るかと思っていたら メールしたんだけど返ってきたよ?私の事フィルターかけてたの?」

そんな訳あるか こっちが聞きたいよ。指定受信していた事を説明 アドレスが変わる時には事前に知らせて それを登録するからと伝えた。


「近藤から話が来て 博子ちゃんに話をして 今 4月下旬だもんな。 そりゃ 遅いと言われても反論出来ないよ。ごめんな 機嫌直してくれ。 でもさ 三人共驚いたよ。付き合って そんなに長く無いよね?それで結婚だなんて また凄いね」


「だって もう30代半ばだよ。浩之さんだって四十路 リーチしてるじゃん。浩之さんも近藤くんも 博子も四人で同じ職場に居た時は、みんな若かったのにね」

時の流れは、早い。今の会社に勤めて もうすぐで丸っと3年だし 俺達4人のうち ゆきえちゃんが一番に結婚するなんて・・・

「だけど 良く式場を抑えられたね。女の人って6月の結婚憧れるのかな?」


「式場は、彼氏の親のコネ。じゃなければ 無理だよ こんな急な結婚は 急ではあるけど私のお母さんも お父さんも喜んでくれて 親戚には早々と連絡済み。私は、どうしても3人に来て欲しかったから 後の人は、どうでもいいや」


ゆきえちゃんらしい無邪気さではあるが、親が聞いたら腰を抜かすだろう 後は、どうでもいいなんて・・・

No.374

ゆきえちゃんの結婚話にびっくりさせられたが、俺や近藤 博子ちゃんを取り巻く環境の変化は特に無い。

4月も26日なれば 当社は、毎度の事ながら連休の浮かれモード。金曜日で出勤なのに 有給を出し 大型連休にする輩が続出

それを咎めない会社も会社だが、中小企業なら大問題だ!

連休がある人も居れば 連休中は地獄の超繁忙期となるプリンちゃんのところもある。

この時期 触らぬ神に祟り無しで 下手に電話したと言うよりは、当たり障りの無いメールをしておくのが一番だ。

仕事が終わり カードをアウトへ押す人の手が軽く見える。当社 ICchipが入った身分証のカードをinとoutの場所にかざすだけで 勤務状態を把握している。

連休中 やる事も無いし ダラダラ過ごすだけと歩いて帰っていたら 後ろから聞き覚えがある声が 振り向けば由美さんが手を振っていた。


「いよいよゴールデンウイークだね キミは予定あるの?」

見栄も無い俺は普通に

「ま~~~~~~~ったく無し 何の予定も無し あ~つまんねぇ」

まったくその通りだ。ダラダラしているが故に 疲れる事もある。メリハリが大事なのは、判っているが連休中 なるべくお金を使わない様にと考えると

やはりダラダラになる。

「ねぇ 浩之さん・・・バイトしない? 私ね 母の引っ越し手伝ってと言われてるのよ。朝9時から夕方5時まで1万円で 昼と夕飯も奢るからどうかな?」


頭の中は一万円札がヒラヒラ どうかな?というよりは、ぜひ! 私にやらせて下さい。

No.375

土曜日いつもならグタグタで朝もずっと寝ている事の方が多い。それが、今日はシャキッと起きた。

上下のスウェット 暑くなる事を予測し 下は肌着一枚。携帯と簡易電池式の充電器 財布 タオルとイボイボ付きの軍手を持参し 待ち合わせ場所へ。


「おはよう 浩之さん。随分 下準備が良いんだね。気合いも入ってるし キミには、運転と重たい物 借りた軽トラックで運搬して貰えるかな?」

体力には、絶大な自信があるから 無言で頷き胸を叩く

「由美さん お母さん何処へ引っ越すの?」


「此処は知ってる人も少ないし 私もちょくちょく来れる訳じゃない だったら数軒先が親戚や近くに妹さん達が住んでいるとこの方が良いだろうってなってね。引っ越すのは構わないけど うちの家系 女ばかりだから 男のアルバイト 誰か居ないだろうか?と打診されてたの 浩之さんどうかな?って すぐに頭に浮かんだわ」


到着して見れば 確かに女ばかり4人。由美さんのお母さん 由美自身を入れ6人が女性 男性は俺1人だった。


しまったなぁ 近藤も、誘えば良かったかな? でも アイツは非力だしな・・・ 引っ越しの手伝いやらず 由美さんの妹やお姉さん達ばかり見てるかもしれないから やっぱり要らないか!

午前中 やや寒かったものの 11時近くになると 体を動かした分 暑くなった。

元々 由美さんのお母さんとその女性一族が 予め準備していたから 当日になってバタバタする事はなかった。


1つを除き ダンボールに入っていた本類もそんなに重くなかった。

No.376

由美さんを隣に乗せ お母さんの新居に荷物を運んでいたが 通常の引っ越しと比べたら 物足りないと感じていた。

しかし・・・3往復目 冷蔵庫が待っていた。由美さんのお母さんを初め 女性一族は黙って俺を見る。

由美さんは小声で 無理しなくて良いよと言うが、気合いを入れ 重たい冷蔵庫を荷台に乗せる。 そこに居た女性陣がみんな拍手した。

これが男の力だ!と格好つけたが 正直ヤバかった。ギリギリで持ち上がって良かった。ツードアのくせして 重たすぎるんだよ。

お母さん宅へ向かう車の中で由美さんは俺の横顔を見て笑っていた。


「もう 無理しないでって言ったじゃない。キミは、見栄っ張りなとこがあるよね? でも、またそこもキミの魅力かな?」        
俺も、由美さんをちら見していた。当然 別の理由で・・・
由美さん Tシャツになっていたから 脇からブラジャーがチラチラと

本人気がついていないのか?窓を全開にし風を気持ちよく受けていた。

ピンク色が頭から抜けない 下とお揃いだろうか?
       ・・・ダメだ 今は運転に集中。 冷蔵庫をなんとか降ろし終えた俺達に 由美さんの携帯が鳴る。

「お母さん達が、そろそろお昼にしましょうって あちらに戻れば沢山のおにぎりと玉子焼き 粗挽きウインナーや唐揚げがあるってさ 食料までもう少し 浩之さんしっかりと運転しようね」

お母さん宅に着けば 俺達を待っててくれた。これが、近藤ならまず間違いなく 先に食べているだろう。

No.377

おにぎりを片手に部屋を見渡すと あと三回ほどで完了するかな?と自己判断

段取りがテキパキしている分 こちらも、リズム良く運べた。由美さんのお母さんを除いて 他の人(俺を含め) 食べる食べる。


もっとも 一番食べたのは俺だけど。食べると各々 寝ころんだりしている。
暑いといきなりジャージを脱ぎパンティ姿になる人や タオルを濡らし体を拭くものも

小声でつい 言ってしまった。

「俺 男なんだけどなぁ 眼中に無しか?」

その言葉で意識しはじめる。しまった 余計な事を言わなければ もう少し見れたかも知れないのに

そこへ 由美さんがジュースとお茶を買って来た。


「由美さん さっきね。他の人がいきなり 俺の横でジャージを脱いでパンツだけになったり シャツを脱いでブラを外して タオルで体を拭き始めたんだよ。もう、びっくりだよ」


「女性ばかりの家庭だからね きっと普段やっていた事が無意識にやってしまったんだろうね。 興奮した?」


「興奮よりも、目のやり場に困ったよ。まったく」

こちらは、さも意識してませんよとばかりに言ってみせたが・・・

「な~に言ってんの 軽トラの中で私の事 チラチラ見ていたくせに~」


バレていた。ブラジャーのちら見は、今日頑張っている 俺へのご褒美だ! なんて決して口に出して言えなかった。

No.378

休憩が終わると なんとか夕方までに終わらせたい そんな思いが個々の動きを加速させた。
最後の荷物を軽トラックに乗せた時。母親1人で住んでいた割には、かなりの荷物があるのだと感心した。

「お母さん 今日でこの借家も、お別れだね」
姉妹のうちの1人が母親に言う

「ここはさ 色んな思いでがあるよ。あんた達が、独立してからは 私にとっては広すぎたけどね。次は、兄さんから譲り受けた家だから 家賃の心配もいらないし 小さいながらも庭もあるから のんびりと菜園でもやるよ」


こんなやりとりを見てると 故郷の母を思い出す。帰省する時はプリンちゃんとの予定を優先し ゆっくり喋る時間がないなぁと


由美さんのお姉さんだろうか?
「今日は、由美が彼氏を連れてきて良かったよ。男性1人がいるだけで こんなにも違うのだね。本当にありがとう」

今 目の前に居る人は・・・彼氏と言った?
確認しようにも 俺しか居ないし 相手に今の台詞をもう一度なんて言えないし・・・

車を親戚に帰した帰り道

「はい バイト代 今日は、朝から本当にご苦労様。筋肉痛にならなあ様にね。 夕食も奢る約束だったけど 何が食べたい?」

食べたいよりも、聞きたい言葉があるのだが・・・ それは聞かない方がいいのだろうか?


「もう お腹が空いてるからね。沢山食べれるなら 何でも良いけど 会社の近くに出来た焼き肉屋知ってる? 110分 食べ放題のとこ。あそこが気になるんだよなぁ 由美さん 焼き肉は嫌? 時間制限はあるけど 普通に食べるよりは、お財布に優しいと思うけどなぁ」

由美さんも依存無しの声をあげ店へ向かった。

No.379

新しく出来た それ+土曜日で店内は混みに混んでいた。待ち時間30分の表示が入り口に

「由美さん どうする?自分で勧めておきながら 混雑は、頭から離れていたよ」


「今から他へ行くのも何だし 私も今日は、焼き肉を食べたい気分だから 世間話でもしていれば30分なんて すぐだから待ちましょう」

彼女が発言した通り 店内の様子 メニューを見ていただけなのに30分がすぐにやってきた。


タッチパネルで 選ぶタイプ。たくさんの食べ放題を経験してきたから およその感覚で操作できた。

無造作に焼き 箸が動きを止める事は無かった。


「浩之さん 体を動かした後の焼き肉は、また格別だね。さっきからソフトドリンクばかりだけど アルコールが欲しければ じゃんじゃん飲んでね。それと・・・ 野菜も食べるのよ~」


こんな幸せな時 まったく反抗する気は無かった。言われるがまま サラダとサンチェ オニオンスライスを摂取。


「由美さんも一安心だね。近くに親戚や兄弟が住んでいれば お母さんも、心が休まるだろうし」


子なら 年老いた親の心配をして当然。だからこそ 由美姉妹達は力を合わせ 引っ越しの手伝いをしていたのだろう。


「最近 彼女とはどう 上手く行ってるかな?昨年末は、雲行きが怪しかったみたいだけど?」


この会話 これを聞いた時点では、普通の会話としか聞いて無かった。深い意味があるとも知らずに・・・

No.380

「今は、そこそこ上手くいっていると思う・・・かな? 判らなくなる時もあるんだよね。そのバロメーターがエッチな話。 機嫌が良いときは、乗ってくるんだよ。電話越しだけど エッチしたい気分が会話の所々で出るから それで別の日に 俺が調子こいて エッチな話題を振ると不機嫌になり 面倒くさいや 訳が判らないとかを連発し 会話が途切れる」


「彼女さん 情緒不安定なのかな? キミも戸惑うよね。でもさ キミは実際彼女一筋でエライよ。遠距離恋愛をして それが長引けば どちらかに浮気が走るのもあるだろうけど キミは浮気はしないから凄いと思うよ。彼女さんの最近の態度 ちょっと気になるけどね」

俺は、由美さんが何を言いたいのか理解してなかった。ゆえにチヂミを食べながら首を傾けた。


「何の事?って感じだね。キミは浮気をしても きっとバレるタイプだと思う。でもね 女は全てじゃないけど 私を含めしたたかだよ。中にはパッと手のひらを返すタイプもいるし 純愛は素晴らしい事だけどね」


プリンちゃんの行動を考えた上での発言?

俺自身 プリンちゃんと付き合いだして 浮気の2文字は、頭の中に無かった。人から言われて 初めて意識する言葉。

2時間弱が短く感じた。デザートが来て タッチパネルはありがとうございましたを表示。触っても 何の反応も無かった。

もっとも これ以上は食べれないが・・・

No.381

食べるだけ食べると 次は睡魔が忍び寄る。ぐっと堪えていても 口が開いてしまう。何時もの土曜日にしては、早起きをしたし 帰宅したらぐっすり寝れるだろう

由美さんに挨拶をして帰宅を急ぐ。時計に目が行く 9時ちょい過ぎ プリンちゃんに今夜の電話をパスしたいとメール。

それと同時に寝てしまう。翌 日曜日 起床しようとした時 体が・・・ 日頃の運動不足が祟ったのだろう?


由美さん 予言の通り筋肉痛。携帯を手に取り プリンちゃんに今 起きたよのメールをする。


今の会社に入ってから あれだけ体力を使うなんて久しい


臨時収入が、嬉しく 五千円を別の場所に隠し 残り五千円は、食費にするつもり


プリンちゃんの誕生日プレゼントも宅配で送り 次のイベント事は2ヶ月後 ゆきえちゃんの結婚しを待つのみであった。

5月の連休 やっぱりダラダラであった。博子ちゃんのメールでは、ゆきえちゃんのエステ通いに付き合わされたり

買い物に付き合わされたりと近況報告が来た。近藤は、GREE→ゲーム→熟女→のパターン。


基本的に俺も近藤も 仕事が無いとつまらない退屈な日と言うのが改めて分かった。

No.382

5月の連休が終わった頃に ゆきえちゃんからの招待状が届いた。それを見るといよいよ何だと こちらまで緊張してくる。
喫茶店の中で泣かれたのが つい先週くらいにしか思えない
4人で初めて 忘年会をして 7年にもなるだ・・・

携帯で写したデーター みんな笑っている。4人の中で 一番最初に結婚するゆきえちゃん

まさか 近藤は泣いたりしないよな・・・俺もだけど 近藤も涙もろいとこがあるから

会社が終わって 日々の日課である プリンちゃんとの電話で友人の結婚式に招待された事を話すと

「ふ~~~ん」たったそれだけ。もっと反応があっても良いはずなのに まるで興味無し

となれば 以後 結婚式の話はしない方が無難だ。何かにつけ 揉める元になるから

各週でプリンちゃんの出方を伺う そんな感じで電話をする日が増えた。それが後々 苦痛になるとも知らず。

5月終わりに 近藤と式に出る為の買い物に出かけた。

「浩之と食事関連の為に外で行動を共にする事は、多々あったが、 ショッピングの為だけに2人で出かけるって 年に2回程度だよな?」

近藤に言われ 記憶を辿るが、思い出せないって事は 彼の主張通りなんだろう

「お前が礼服を持ってないと言うから 一緒に来たけど GREE熟から 社会人として 何にも言われなかったのか? 近藤 スーツだけじゃなくて白のネクタイもいるんだからな 忘れるなよ」


「礼服を持っているからって 先輩風 吹かさなくてもいいじゃん お前 何回か結婚式に出てるんだろう 色々教えてくれよ」

No.383

「ところでさ浩之 なんで6月9日に結婚式なんだろうな?他の日じゃなくてさ」


「深く悩むな ゆきえちゃんと その彼氏が相談して決めた それでいいじゃないか」


「浩之 違うぜ! 6と9だろ? つまりシックスナインだぜ! エロ~い なっ! なっ!エロいだろう」

人の冠婚葬祭までダジャレにしたいのか?こいつは・・・
ゆきえちゃんの彼氏はともかく

ゆきえちゃんは、仲間だろうが! もし 俺が結婚する事になり 彼を呼ぶとする。今 みたいな事を言ってみろ 着ている服を全部脱がして 繁華街のど真ん中に放置してやる。


紳士服店に入って 近藤のサイズを探すが、これがまた見つからない


「近藤 礼服の予算はどれくらいだ?」

奴がニンマリとして 指2本を立てた。

嘘だろう?たった二万? しかも普通のサイズならまだしも

彼の価値観には 到底並ぶ事は無いだろう。

「浩之 お前はいくらの買ったんだよ」

俺もスマートじゃないが それでも葬式や結婚式にリクルートスーツで行くのはマズいと知っている。二十歳なりたてなら 紺のスーツでも通じるだろうが 三十 四十近くになると 常識ってのがついて回る。


「俺のは5万5千円だよ。故郷の親友の時 スピーチも頼まれていたし 俺みたいに背中が広いと 作って売っている物もあんまりないから 辛うじて見つかったのがその値段なんだよ」

「近藤 嫌みじゃないから 良く聞いてな! せめてさ 後 1万上乗せしないか? 3万ならまぁまぁのスーツがあると思うからさ 青山 はるやま コナカ トコトン付き合うからさ」

俺の説得には応じてくれた。

No.384

俺は、心の何処かで 近藤を擁護していた。スーツとネクタイ それに靴も買えば、結構な値段になる。 それプラスご祝儀ともなれば・・・


人事では無い!無いと思っていたのに 奴の財布には・・・


「近藤 お前!金持っているじゃないか! それだけ財布に入っていれば 悩む事ないだろうが・・・イヤらしい奴だな」

照れ笑いじゃなく 明らかに勝ち誇った笑いであった。


「だってさ 彼女が、恥かくといけないから 10万あればなんとでもなるって だから取りあえず10万を財布に入れてきた」


白のネクタイや 革靴は簡単に買えたが、問題は やはり彼のサイズが無い。
仮にオーダーメイドしても 来月の9日 大物芸能人なら我が儘を通し 金に糸目はつけず 無理に作らせる事も可能だが、一般人の近藤では 絶対に無理。


結婚式の出席が俺も近藤も別の日なら 俺のダブルのスーツを貸して上げてもいいが、運悪く2人そろっての招待。


「近藤 お前GREE熟に連絡取って見ろよ。 どこか知ってる店は無いか 俺も、会社の同僚に連絡取ってみるから とにかく今日買わないと 6月に入ってからとか寝ぼけてると 後悔する事になる」


彼も事が進まない それは把握していた。
俺が、電話をかける相手 それは由美さんしか居なかったが、メンツとかプライドとか言ってられない

由美さんに連絡しようとした時に 近藤からGREE熟に繋がり 店を教えて貰ったと 張り切った声で俺に言う。

「今さ 聞いた店に行こうぜ そこならある可能性が高いって」


彼にその店を詳しく聞くと・・・ダメだこりゃ 目の前にある 出てきたばかりの紳士服店だった。

No.385

絶望的になっていた。その時 俺の携帯が鳴る。相手は由美さんだった

「メールに至急連絡下さいとあったけど どうしたの?」


掻い摘んで 事の流れを伝える。暫く 考え出てきた答え

「なくなは無いけど 隣の市だよ。閉店が確か9時だから 今からバスに乗り換え 私鉄に乗っても・・・」
由美さんが危惧するのも分かるが、俺達は、そこの店に懸けるしかなかった。

「近藤 お前GREE熟に頼んで 此処まで車で来て貰う事出来るか? 車なら乗り換えや待ち時間がいらい分 買う時間にもゆとりが持てるはずなんだ」

何時もの彼なら なんだかんだと文句を垂れるが、この時ばかりは行動が早かった。

「由美さん メールにGPS付けて場所を教えて そのまま移動するから」

携帯を切り 五分もしない内にメールが来る。そらから20分もかからず GREE熟が近藤の車を運転してきた。


「悪いね!隣の市まで買い物になって 俺が運転するから 2人共 後ろに乗って」

GPSを確認した時 間違いなければ 国道と高速が併走している あの場所に違いない。 何にも無かった更地に 店が出来ていたなんて知らなかった。

予想はピッタリ 閉店の1時間前に着いた。これで ゆっくりと選ぶ時間もあるだろう

俺は、車の中で待ち GREE熟と近藤が店内で買っていた。30分すると出てきた。手に何も持っていない? 合うサイズが無かったのか?

No.386

笑いながら帰ってきた二人。

「近藤 無かったのか?ここまで来たのにダメだったのか?」

俺が、近藤に詰め寄る。

「浩之 何を興奮してるんだ。服を買うのは、俺だぜ! 服はあったよ。5着もあった。その中からGREE熟が選んでくれたんだ。裾合わせは、もう時間的に出来ないから 2日後に取りに来るよ。3万ちょいで買えた。 浩之色々と迷惑かけたな 助かったよ」


その言葉を聞けただけで 気が緩んでしまった。その日 夕飯はかなり遅れ 9時を過ぎたが、近藤が俺とGREE熟にご馳走してくれた。

満腹になり 店内でくつろいでいると GREE熟が考え深く

「結婚式かぁ・・・ 30年前どんな気分だったかな? 愛し合って結婚して それがまさか離婚するなんて思いもしなかったなぁ。 でも離婚したから ブーちゃんと半同棲生活が出来てるんだけどね」


最初の出だしが しんみりとしていたから どんな展開になるのかと思えば おのろけかよ・・・(笑)


「浩之さんは、プリンちゃんと結婚しないの?」


GREE熟が、俺に素朴な疑問を投げた。返事には困らなかったが、近藤が気を利かせてくれ GREE熟に合図を送る。

GREE熟も聞いては いけなかったと思い 頭をぺこりと下げた。


「謝る必要は無いよ。 本当にそうだと思うよ。長年付き合っているんだからね 付き合いだして3年目までは、同棲の具体的な話や その後どうするかまで詰めていたけど やっぱりリストラ後の生活がね・・・ そのままダラダラと付き合っている感じは否めない」


近藤は、それを知っていたから GREE熟の前で 俺とプリンちゃんの結婚話はしなかった。

No.387

俺がまだ20代前半なら 若さの任せて 愛があれば 絆があればとモチベーションも上がるけど この年齢になると相手と結婚するには 如何に経済力が大切なのか知っている。

帰りの車の中 近藤が運転して俺は窓の外をみながら そんな事を考えていた。


27日の月曜日は、会社に到着と同時に土砂降りになる。
ヤバかった~とつぶやきながら 着替え食堂へ向かう。


ドアを開け 見渡せば ゆみさんがタオルで濡れていたとこを拭いている。

「あっ! 丁度良かった。髪の後ろの方 拭いてくれる? 傘さしてたのに強風で壊れちゃうんだもん なんでこんなに濡れないといけないんだろう はいタオル!」


後ろへ周り込み 髪を優しく拭く。ふわぁ~と 良い香りがした。なんのシャンプーだろう?

「拭いたけど かなり乾いているね。 俺はギリギリ濡れずにすんだよ。今年はゲリラ豪雨が多いよね。これだけ激しく降ると 靴下や下着の替えとみんな持っているのかな?」


「夏なら 汗をかいた時の為にってあるけど 豪雨を想定しての着替え 持ってる人少ないんじゃないかな? キミ 持ってるの?」

用意周到 パンツと肌着 靴下の替えはロッカーの中に 常に入れてある事を告げると

「いや~感心感心。 そこまで準備しているなら いざって時は安心だね。私 ブラやパンティの替えは置いてないけど ストッキングなら置いてあるよ。でんせんしたら 直ぐに履き替える為に」


ストッキング・・・由美さん スタイル良いから・・・ どんな感じなんだろう・・・

No.388

「ねぇ・・・ねぇってば!私の話聞こえてる?」

そこで改めて 由美さんを見る。いかんいかん 妄想の世界へ行ってた。

「なるほどね パンティやブラ ストッキングの話が出た時に エロモードになっていたんでしょう? まったく朝から 私もスケベだけど キミのテリトリーには入れないね」


返す言葉も無い 話題を探して強制的に言葉を探した。


「由美さん 最初に言うべきだったけど 昨日はありがとう。助かったよ あの店知っていたの?」


由美さんがエロの話は、終わるのか?と俺に顔を近づけ また離した。


「お母さんの引っ越しは手伝って貰ったから知ってるよね。お兄さんから中古の一軒家を譲ってもらう前 物件を探してたのよ。手広く 周辺の市町を含め。 その時に何回か前を通過して こんな所に紳士服店が出来るんだぁと記憶してた。それで キミに服をプレゼントする時が もし来たら・・・ 情報の一つとして頭の中に入れてたよ。だってさ 垂れ幕見て笑ったのよ。大きいサイズ有りますなら判るけど 力士の方がご来店しても対応しますって (^O^) 面白いよね」


そうだったのか・・・それでサイズが大きい物を売っているとこを知っていたんだ。

ん? 俺にプレゼント?

・・・・・

気のせいか?

「お店を教えたんだから コーヒー一杯 奢ってくれても 良いと思うけどなぁ」


その言葉に反応し コーヒーを渡した。その後の会話は、毎度のくだらない笑い話であった。

No.389

6月に入り 最初の日曜日。博子ちゃんがスピーチをする内容を確認して欲しいとメールで連絡があり

俺と近藤はロイヤルホストへ向かった。

「ゆきえちゃん 来週に式を控えているから 流石に忙しくて来れないみたいだな」

俺と博子ちゃんが先に着席しているとこへ 近藤がやってきた。

「浩之さんも 近藤くんも、ご祝儀 いくらにするつもりなの?」


「浩之 前に親友の結婚式に出たって 言ったよな? その時はいくら包んだ?金額によっては偶数 奇数はなんたらってあるのか?」


会社の同僚なら1万で普通なんだろうが・・・

「俺の場合 幼少からの親友だったからな ほぼ兄弟みたいに過ごしたから 5万はご祝儀として包んだよ」

近藤と博子ちゃん 2人声を合わせ「5万!」

「あくまで親友だったからね。ただの友達なら せいぜい2万がいいとこ それと近藤が言ってた金額の数字 2だったら二つに割れて縁起が悪い そんな感じの事を聞きたいんだろう? 昔の人なら習わしを重んじるだろうが 平成になってから そんなの気にしない 思いつきのままの金額をご祝儀としているみたい」


ここでも また2人声を合わせ「なるほど~」
今まで仲良くしていた事 少なくとも3人は、ゆきえちゃんに対して ただの友達より更に上の関係だと思っていた。


「じゃあ 3万くらいでどう?私 5万はちょっときついよ。 ドレスや靴はあるけど 美容院にも行きたいし そちらのお二人さんはどう?」


3万 きっと俺が出せるギリギリのとこだろう

「その辺が妥当かもね」

近藤の台詞で一応の落としどころが決まった。

No.390

月曜日から土曜日まで ゆきえちゃんと蜜に連絡を取り合った。招待状に書いてあるのだから 時間だって分かるのに それすら確認した。

当日は、開始時刻の一時間半も前にホール中央に集合。俺も、近藤も、ソワソワして落ち着かない。

博子ちゃんは、何度も何度もスピーチをするレポートに目を通す。開始30分前には、席に着いていた。

「浩之 何で俺達右端の一番前なんだ?中央の方が目立って良かったよな?」

「近藤くん アンタ馬鹿?此方側はゆきえちゃんの招待客 あちらは新郎側の招待客 更に言うなら 私達がこの席に居るのは光栄な事なんだよ。ゆきえの同僚見てごらん みんな私達より後ろの席」


「じゃあなんで 両親は一番後ろなんだよ」

またも食い下がる近藤。

「近藤 式たりと思ってくれ。このテーブル座る席に全て意味があるんだ。新郎新婦の横 親が居るか?違うよな あれは仲人だ! 理屈じゃなく こんなもんなんだと思ってくれ 以上近藤くんの質問コーナー終わり」


司会者による 披露宴の始まりが告げられる。博子ちゃんデジカメ 俺と近藤は携帯のカメラで撮影。

花婿に目は行かないが、ゆきえちゃんは凄く綺麗だった。近藤は口を開けたまま 輝かしい光を放つゆきえちゃんに見とれる。


やがて 博子ちゃんにより友人代表のスピーチが始まる。文章の出だしはマニュアル的な物だったが、 後半になると四人で遊んだ事や ゆきえちゃんに対する 博子ちゃんからの思いに
俺も近藤も涙が溢れる。スピーチが終わった時 ゆきえちゃんは号泣していた。大役を勤め上げた博子ちゃんが席に戻ってきて ふぅ~とため息を一つ。

No.391

「大きな責任を果たした気分だよ。こみ上げて来るものを 堪えてスピーチするのは、大変だった」


その言葉に 近藤の悪い癖が出る。


「俺なら もっと爆笑の渦にしてみせるよ。博子ちゃんのは、感激度は高いけど お笑いとしては、まだまだだね」


こいつは、スピーチを何だと思っているんだ。反論しようとした時に 博子ちゃんから 近藤の苦い体験が発せられた。

「ウケる話? 近藤くんの時 私が、ウケるスピーチしてあげるよ。みんなが居る前で ゆきえちゃんにハイヒールで踏まれて 喜んでいた事をさ」


思い出した。何年前の忘年会だったか? 横やりを入れる近藤に ゆきえちゃんが暴露したな。


近藤は、真っ赤な顔して下を向く。触れて欲しくない過去なんだろう

キャンドルサービス 近づいて来た時 俺も近藤も携帯を前に突きだし これでもかと言うくらい 撮った。
進行が進む 俺と博子ちゃんは、頭の中 きっと自分達ならと 妄想していたに違いない

一名は、テーブルに乗った料理に夢中だったけど・・・

式が無事に終わり 俺達三人は、わざと一番最後に会場を後にした。ゆきえちゃんと新郎が、出口で来賓に挨拶をしていた。

「今日 3人が来てくれた事が一番嬉しかった。旦那さんにお願いして 二次会は、私達4人だけでお願いしたの 夕方5時から お店を押さえてるから来てくれるよね?」


「ゆきえちゃん 俺も浩之も 食べ物があるとこなら 何処へでも行くぜ!任せてくれ!」


「近藤 食べ物の為じゃなくて ゆきえちゃんとの二次会だから行くんだろうが・・・まったくお前は」

No.392

ゆきえちゃんは、本日宿泊予定のホテルへ一旦帰り 俺達三人もそれぞれの場所に帰宅して着替えてきた。


電車の中 礼服だと どうしても見られている感じがする。
コーポへ帰宅した瞬間 博子ちゃんの真似じゃないが、一仕事してきた気分。
ラフな格好に着替え 再び集合場所へ向かった。バスの中で 撮った写真を見て やっぱり結婚って良いもんなんだろうか?と思った。

4人が揃い向かった場所 そこは、いつも忘年会をしていた焼き肉屋だった。
「みんな主人から軍資金は貰ってるからね。二次会の会費以内なんて気にせず じゃんじゃ食べてね」

ゆきえちゃんの合図で 俺と近藤が無造作に注文する。ドリンクバーで乾杯をして 結婚式を振り返った。


「ゆきえちゃん 俺達何回も ここに来ているのに こんな個室みたいなとこがあるなんて知らなかったよ。 テーブル 6人掛けで やや広め焼く場所も2カ所あるのが良いね」


「浩之 知らなかったのか? 遅れてるな! 大体こんな場所には、個室が付き物だ」

本当かよ・・・ いや~記憶を紐解いても思い出せないなぁ


「ダメよ 近藤くん嘘ついたら。 浩之さん この個室ね お客さんからの要望が多くて4部屋 今年の4月に作ったって 予約する時 店長さんが教えてくれたの」

俺は、横にいた近藤を睨むが、まったく意に介さず 焼き肉をひたすら食べていた。

No.393

「結婚式って 特別な物よね。私 ゆきえちゃんのウェディングドレス姿見てジーンと来たよ。私も、何時か着るが来ればなぁ・・・」

俺は、博子ちゃんと目を合わせない・・・つもりだったが、近藤が俺の太もも辺りを叩く 何か言ってやれと言わんばかりに

「今日は・・・今日はさ ゆきえちゃんの言葉をまんま繰り返すけど じゃんじゃん食べよう なっ!」


「な~に それっ!つまんない」

博子ちゃんがふくれっ面で俺を見る。ゆきえちゃんも近藤も、思惑を知っていたから笑い続ける。


「浩之 こんな時に真面目か?気の利いたコメント言えよ」


「近藤 俺に手ほどきしろよ。お前ならなんて切り返すんだ?」


「例えばな! 博子ちゃん今日はどんなパンツで来たの? ゆきえちゃん ウェディングドレスの下のパンツはどんな感じ?って具合だよ」

お前は、めでたい日まで頭の中はパンツか?
それに触発されたのか?


博子ちゃんまでが

「ゆきえちゃん ホテルに戻ると初夜? 初夜よね。きゃ~ 浩之さん初夜よ初夜」

何回 初夜と言えば気がすむんだろう(笑)

No.394

今の時代 初夜にどれだけの意味があるのだろう?大方のカップルは、交際期間中に性行為はしているはず


「彼 かなりおくてで大学のサークルで勢いのまま ソープランドに行ったきり 素人童貞だって自分でも言ってた。初めての時も緊張でガチガチなのが伝わるくらいだし」


ゆきえちゃん なんとかしたい そんな思いが、みんなに伝わる会話だった。

「俺も、近藤も遊ぶほど人数をこなしてきた訳じゃないけど ゆきえちゃんの旦那さん きっと結ばれた時 感動したと思うよ。近藤 お前もそう思うよな!!」


「マジで話したら良いのか?ボケたら良いのか?迷うとこだけど セックスって自分が相手に出来る表現なんだと思う 自分だけ気持ちよく さっさと終われば寝る奴なんて自己中だろうし 相手にも気持ちよくなって欲しいとなれば 思いやりがある奴だろうし」

今の近藤 彼にしては至極まともな事を言っていた。会話と食事が終わると 名残惜しく 外で解散となる。

「明日が休みだったら3次会もあるだろうけど 私も、浩之さんも 近藤くんも仕事があるからね。ゆきえちゃん ごめんね」

ゆきえちゃんは笑いながら頷く。今日 朝からの行動が終わる 早い1日だった。


帰りの方角から 俺がゆきえちゃんを 近藤が博子ちゃんを途中まで送ることになった。


「浩之 新妻に手を出すなよ。ムラっとしたからと行って 人気の無いとこで 立ちバックなんてダメだぞ!」


「馬鹿やろう お前にだけは言われたくない。近藤こそ 博子ちゃんをつまみ食いするんじゃないぞ GREE熟に言うからな!」


冗談を言いながら それぞれ帰路に向かった。

No.395

月曜日の夜 電話で珍しくプリンちゃんが結婚式の事に触れてきた。此方が話すと良い感触は無いから メールでも わざと話をしなかったのに

「浩之さん お嫁さん綺麗だった? 料理美味しかった?」


「ゆきえちゃんは前の職場で一緒だったんだ。ウェディングドレスを着ると なんか違う星のお姫様に見えたよ。結婚式は三回くらいしか出てないから 評価に迷うけど 悪くは無かったかな? 料理よりも、ゆきえちゃんの晴れの姿に胸が一杯で」

「いいなぁ 私には、そんな時来るのだろうか? 浩之さん!!」


結婚式の話をプリンちゃんから始めたのは、俺にプレッシャーをかける為?


「プリンちゃん もちろん来るさ とは言え現在の生活をなんとか変えないと プリンちゃんにも迷惑掛けっぱなしだから・・・」

「来賓は?特に女性の服装はどう? 浩之さんムラムラしてパンチラとか撮ってないよね?犯罪してないよね?」

プリンちゃんも、近藤に似てきたのかな?

「そんなパンチラなん撮影しないよ。何年か前にプリンちゃん 会社の人の結婚式に出たって パンチラと一緒に写メくれたよね。あんな感じのワンピースっぽい服装か リクルートスーツっぽい感じの人が目についたよ。男性は黒の礼服だったけど」


「それとね 結婚式の間 まったくパンチラは、頭に浮かばなかったよ。だから安心して」


「浩之さんがそんな事しないのは、知ってる。おちょくっただけだよ。引き出物は何だったの?」


今夜のプリンちゃん 質問責め (-.-;)

No.396

「2人の写真立てやスープ皿もあったけど メインはカタログの中から好きな物を一つ選んで貰う 今は、これが流行しているのかな?親友の時も、そうだった。だけど金額で行けば ゆきえちゃんの方が上だね。三千円相当の中から選べるから 親友の時は二千円だったよ。選んで送られて来た時計 まだ未使用のはず。実家にあると思うんだけど・・・」
もう十年以上前 自分で片付けたなら記憶もしっかりしているけど 母から聞いた話だから・・・

「プリンちゃんは、俺の嫁同然だからね。みんな 何時結婚するのかなぁって 思っているさ」


予想外の答えが返ってきた。


「何それ?意味が分からん」

俺としては、おふざけだったのに 冗談で言ったつもりなのに
なんだろう この虚しさは!
ほんの2年前は、乗ってきて そこから話題も膨らんだのに

「浩之さん 今からお風呂に入るから 電話は、ここで終わりね」

プーッ プーッ プーップーッ ため息と同時に俺も携帯の電源を落とした。


布団に入り目を閉じるが寝付けない 理由は、分かっている。
それから6月の終わりまで 微妙な距離を置く事になる。

No.397

俺の嫌いな夏到来。7月初日なのに もう暑いねが挨拶になっている。

会社も先月から夏服着用なのだが、男性はズボンの生地が薄くなる 半袖になる。まぁ ごく普通の制服


女性の夏服 これがかなりエロい この会社に入って初めて知ったのだが ボタンとボタンの間がある為に 通り 正面からやや斜めに位置を保と ブラが見えたりする。

ベテランになると そこらを承知しているからタンクトップを着用してる人が多い

中には挑発する輩も居るには居るが・・・

7月 早く出勤しても、食堂に向かう行動は変わらない 2つだけ違うのは、冷房を入れておく これは由美さんからのリクエスト。

もう一つは、自販機で買うコーヒーがホットからアイスに変わった事


「冷えてるね~悪いね悪いね。キミに妙な お仕事を押し付けて 私が来てクーラーのスイッチを入れても20分程しないと 涼しくないからね。助かるよ」


「由美さん スイッチを入れる事は、わけないさ たださ!ひと月に1回 俺有給使って病院行くけど その時はどうするの?」


「その時はストリップだよ。人間 生まれてきた時は裸なんだから 全部脱ぎ捨て解放感を味わうんだよ」


は だ か !!

マジか?だったら 俺は、有休を取り消しても良い 見に来る。


「由美さん 冗談だよね?」


彼女は満面の笑みで「もちろん」と答える。


くそ~また、おちょくられた。純情な男性の心をもて遊んで・・・なんて事は思わないが、いつか おちょくり返してやる。

No.398

さり気なく 由美さんの斜め向かい座り 顔を見ながらチラッと胸周辺を見た。


「あっ!ごめんね。私もインナー着てるんだよ。期待に応えられなくてごめんね。フフフッ」

完全に読まれてる 恥ずかしい。俺の行動が見透かされていた。


バレたんじゃ しょうがない。由美さんの胸を鷲掴み。嫌がる彼女を押し倒し 無理やりパンツを脱がして・・・

「お~い 浩之さん。お~い どこの世界に行ってるんだ~ 帰っておいでよ~ 」


この暑さで妄想してしまった。それにしては、なんとリアルな!下着の色まで覚えている。

ダメだ 犯罪者になる前にゲオのアダルトコーナーへ 帰りにでも寄るとしよう (┳◇┳)


7月の中旬 電気会社 ガス会社から支払いの請求&止めの知らせが来た。

6月の結婚式の3万円 ここに来てのしかかってきた。なんとか騙し騙しやってきたが。停止の督促がきてしまったのなら 振込用紙を持ってコンビニへ


振込用紙で払えば 約1ヶ月近く先延ばし出来る事をハローワークに通っていた時に知る。


それですら遅れるとアウトなんだが・・・全部払えば8月頭から給料まで持たない。

悩んでいても 日にちが過ぎるばかり
早朝、思い切ってプリンちゃんにメールをする。おはようのメールで始まり 次の給料まで 2万貸して欲しいと


以前だと おはようのメールと共に 今日振り込みに行くねと返信があるのだが、この日はバス停を降りてからも返信が無かった。

No.399

朝と昼のパンを買う為にコンビニへ向かう。やはり返信は無い
もうダメなのか?と思った時にプリンちゃんからのメール

「おはよう 浩之さん。ごめんね 朝からお腹が痛くてトイレに行ってたよ。昼に銀行へ行ってくるからね。気をつけて仕事してね」

この返信を見た時 体から力が抜けた。良かった これでなんとかなる。
この時 拳銃の引き金を引いていた事に気づきもしないで


プリンちゃんからのメールで 生き返った気分。それは、会社に着いてもアゲアゲ調子だった。


昼の2時過ぎ 休憩中に銀行へ行ってきたよとメールが来た。ここまでは、従来通り しかし、今回だけは プリンちゃん自身の口座もお父さんやローン関係で残高が余りない だから出来るだけ節約してねとメールが来ていた。

仕事が終わり 帰宅してプリンちゃんとの電話で今回の件をまず謝った。


「今年は、プリンちゃんにお金を借りる月が少なくて 良かったと思っていたのにゴメンね。 給料が出たらすぐに振り込むから」

嫌みの一つでも言われても仕方が無い状況なのに

「浩之さん 此方こそごめんね。もう 大分前からアップアップだったんだけど ここ数ヶ月浩之さんから貸してと無いから 安堵はしていたの それなの安堵の裏で電化製品が一気に壊れるし 一番最悪なのは車が壊れた事。もうね ローンだけで月に七万は軽く飛んでる。だけど 浩之さんが助けを求めてきたんだからね。なんとかやりくりして 振り込めて良かったよ」


プリンちゃんに何度助けられたのだろうか?借りた瞬間は その事で一杯になるのに 脳天気な俺は、プリンちゃんの言葉の裏をまったく理解していなかった。

No.400

プリンちゃんから借りた2万円を生活費に回し ため込んでいた光熱費を全部払った。

これで風呂に入れないや クーラー無しで過ごさなくてもなんて心配は無くなった。


7月の終わりから8月に入ると暑さが加速する。日本全国が亜熱帯。熱中症で死人が出たと ニュースも連日報道。


風呂はともかく 熱中症だけは気をつけないと プリンちゃんとのメールでも安否確認のメールや電話が増えた。


会社も熱中症対策で飲料水を配ったりしているが、焼け石に水。

日中の暑さでクーラーもなかなか効かない。しっかりとした食事 熟睡できる睡眠時間を努めて確保した。


唸るような暑い土曜日。近藤から 冷や麦を食べに来ないかと連絡が入った。


「浩之 生きてるか?彼女がさ 冷や麦を沢山作るから 浩之も呼んだらどうだ?ってさ 一人暮らしだと食生活も適当だろう? クーラーガンガン入れておくから 遊びに来いよ」


「いいね これだけ暑いと食欲も低下するし 冷や麦なんて一人じゃやらないからな ぜひ おじゃまするよ」

意気揚々と近藤の家へ向かった。そこへ行くと GREE熟が出迎えすっかり近藤家の中にとけ込んで見えた。


「近藤 ありがとう。こんな時の冷や麦はありがたいよ 一人だとそんな事しないからね」

GREE熟は、何束も湯がき 俺と近藤が、瞬く間に平らげて行く。

No.401

GREE熟が、近藤宅の台所で炊事をしている姿を見ると 家庭の温もりが、こんな俺でも実感できた。


後ろ姿をスケベな気持ちで見るのでは無く どこかしら安心が日頃の疲れを癒す。


「博子ちゃんから 送られてきた写真見ただろう? 浩之は結婚式の写真見てどう感じた?」

「最初に思ったのは、博子ちゃんが、デジカメで撮影してくれて良かったと 俺とお前の携帯 近くだとはっきり撮影出来ても 新郎新婦の席から俺達の席まで 距離があるから写してもイマイチだよな。 4人で写ったのが 俺的にはお気に入り。ゆきえちゃんの笑顔 幸せそう。もう一つ気になったのは、ゆきえちゃんとのツーショット 俺達緊張して写っているのが分かるな」

近藤が、部屋の奥から写真を持って来る。あれから2ヶ月になるんだ。新婚のゆきえちゃん 毎日どんな生活をしているんだろう?


炊事を終えたGREE熟も加わる。

「2人共 気持ちが良いくらい食べたね。そんな人が側にいると こちらまで食が進むよ」

GREE熟の言う事は当たっていると思う。
一人よりも 誰かとだったら・・・

ゆきえちゃんと俺のツーショット。俺とプリンちゃんに重ね合わせ 写真を見ていたがイメージが湧かない。

どうしてなんだろう?8月に入り不穏な空気が漂っていた。

No.402

8月に入ってから 度々嫌な夢を見る。プリンちゃんが突然遊びに来て 俺がコンビニへ飲み物を買いに行く。


帰ってきてドアを開けようとした時 中から喘ぎ声が聞こえる。ドアを開ければ 布団の上でプリンちゃんが知らない男の上にまたがり 腰を振っていた夢。


プリンちゃんとようやく結婚し幸せ一杯のはずが 早朝に目覚めると隣で寝ているはずのプリンちゃんがどこにも居なくなる夢。


最悪だったのが、楽しいデートの途中 行方不明になり ようやく見つけたと思ったら また俺の袂から離れ 最後には誰の子か分からないまま妊娠して 俺が責任を取らされ 一生それに悩まされ生きて行く夢。


それが、順序が変わりながら 夢に出てくる。8月は、毎年プリンちゃん側が忙しくて電話が出来ない日が続いた。


そんな夢をみなければ なんとも思わずにいたのに 不安は高まるばかり お盆休みは、胃が痛くなり それと睡眠不足でダウン。


俺の異変に気づいたのは、プリンちゃんじゃなく・・・由美さんだった。


「8月に入ってから休み前に気が付いたけど 情緒不安定なのかな? いつもはメールの返信だって早く ちょっとしたおふざけも書いてあるのに・・・ 思いつめてます。そんなオーラが感じ取れるよ」


短文でありがとうが、精一杯だった。返信すると そのまんま電話がかかってきた。


「かなり重症なの?夏バテなら睡眠と食事が一番だけど 何か悩み事でもある? 解決できる できないは別として 胸のうちを話せば楽にはなるよ」


思い悩んだ挙げ句 全部ぶちまける事にした。

No.403

度々 不吉な夢を見て 気にしないでおこうとするのだけど 日を変え内容を変え プリンちゃんの夢を見ていると教えた。

「私は、夢占いとか信じないし その夢の判断がどうとかは言えない。だけど・・・キミ 予知夢って聞いた事ある? まだこれから先の事なのに それを夢に暗示て見てしまう。先行きが、怖いだろうけど 彼女にぶつけてみたらどうかな? 今 不安なんだけど こんな夢を見て 何か言葉をくれないか?って」


「由美さん 1年に1回 こんな感じの夢を見ていたなら あぁ またか!と思えるけど プリンちゃんと付き合いだして来月で丸五年 別れなんて思った事も無いのに・・・ こんな夢を見てさ」


それから 由美さんはひたすら聞き役に徹してくれた。たった1時間話しただけなのに 電話が終わった時には、気持ちが軽かった。


次の日 昼過ぎまで寝たのは きっと電話のおかげなんだろう。


プリンちゃんに おはようのメールをして 今夜電話をする時間が作れるか聞いてみた。


昼に返信は無くとも 夕方に九時すぎに30分なら出来ると

今まで 付き合っていて 電話を何分までならOKと 気にもかけなかったけど
電話が出来る それだけで 俺は満足だった。
夜が待ち遠しくて その時間が来た時 妙な緊張感に包まれた。

No.404

プリンちゃんからの着信が鳴る。大きく深呼吸して電話に出た。


「プリンちゃん 毎日忙しくてご苦労様。連休が欲しいよね。日本全体が暑いけど 熱中症に気をつけてるかな?」

俺としては 出来るだけ明るく 直球を投げるのでは無く やんわりと外堀から埋める そんな感じで話をした(俺らしくないが)


「本当だよ 浩之さん。100連休くらい欲しい。毎年毎年 なんで 8月と12月は急激に忙しくなるのか! 出勤する度にイライラだよ。浩之さんと電話が出来ない事 私も意識してるよ。ごめんね だけど今は 体力温存できるだけ 帰ってきたら寝て次に備えたいんだ。もう 年だし・・・」


三十半ばで年取ったと言ってしまったら 俺はどうなるんだ!
「プリンちゃんは熟睡出来てるの? 俺は連休になり体調がいまいち 変な夢も見てるし・・・」


あえて 含みを残したしゃべり方にしてみた。スルーされたら 俺の体調など 気にかける価値も無いと思っているのかも?


「浩之さん 具合でも悪いの?食事取れてるの?」

プリンちゃんから返ってきた言葉に安堵し 変な夢の全容を話した。

それが 8月に入って何回も 似た夢を見る。悲観めいた物があったのか?なかったのか?

「気にしすぎだよ。私 浩之さんの事好きよ。だから そんな夢を見たからと 考えすぎちゃダメよ」

そうは 言われても心に真っ直ぐ届かない。響く音では無く 鈍く曇った音が言葉になって 俺に届く・・・

No.405

自分で心が、蝕まれていくのが判る。プリンちゃんが慰めようとしている言葉が・・・

不思議と反対の意味に聞こえる。時計を見ると約束の時間
30分って こんなにも早かったのか?恋人同士なのに時間制限の電話

遠距離恋愛だからこそ よりコミュニケーションが必要だと思う俺の考えは、古いのか?

「浩之さん どこかでリフレッシュしてくるといいよ」

その言葉で電話が終了した。何をプリンちゃんに期待していたのか?どんな言葉なら満足したのか?

明確な答えが出ないまま 部屋の明かりも点けず 呆然としていた。

その日の深夜 GREE経由でメールが来る。誰かの誕生日?お知らせメールか?

相手はプリンちゃんの天敵でもあるAさんからだった。


「浩之さん またGREEに来なくなったね。たまには 絡んでくれないと寂しいぞ~」

このAさんも GREEで仲良くなった女性の1人。履歴だけで言うなら プリンちゃんとほぼ同じくらいの付き合いになる。


直メできるのに GREE経由でのメール。何か隠された意図があるのだろうか?

GREEにアクセスしたが、いちいち謁見監査をされるのが面倒 直メでどうしたのか?聞いてみた。


「こんな時間にどうしたの?珍しいね。GREE なんかあんまり面白くないし 私生活がちょっとゴタゴタしていて」


「これと言った用事じゃないけど 浩之さん・・・プリンちゃんが、mixiやモバゲーに行ってるの知ってる?」


知らないが・・・それがどうかしたのだろうか?


「Aさん 意図が読み取れないよ。ズバッと言って欲しい」

No.406

こちらの問いにものらりくらりと 核心に触れさせたくないのか? やや強い口調のメールで 彼女が本来言いたかった事を聞かされる。


「自分の彼氏に黙ってmixiやモバゲーに行くのって どうなのかな? 」


「ゲームしたいだけじゃないの? プリンちゃんが誰とメールや連絡しようと そこまでの干渉はしないよ。 俺だって プリンちゃん以外の異性とメールしてるし もっとも その事はプリンちゃんも知ってるけどさ」

「じゃあ プリンちゃんが男漁りしていたとしても?」

Aさんの性格なのか!なぜ言いたい事を小出ししてくるのだろう?


「確たる証拠でもあるの? Aさんは、どうして プリンちゃんがモバゲーやmixiに居るのを知ってるの?」

少しの沈黙があり

「2年前にGREEとmixiに行ったら プリンちゃんがGREEと同じ名前のまんま登録 書いてある事を見ても GREEのまんまだし ひょっとしてプリンちゃん?と聞いたら あちらもびっくりして 時々mixiで交流させてもらってたの」

2年前? それをなぜ今更 俺に話すのだろう・・・ きな臭い物が立ち上がってきた。

メールが終わり 翌日ラスト一日のお盆休みを楽しむはずが・・・こんな気分では寝れない

寝ても またあの夢を見るのだろうか?

No.407

15日 木曜日の朝 近藤がGREE熟を連れて遊びに来た。睡眠のサイクルがおかしく あまり寝れないからだろう


近藤は、俺の顔を見た瞬間

「浩之 あんまり寝てないのか? 目のとこ くまみたいに 肌色が可笑しいぞ」


GREE熟も 心配そうに俺を見ていた。


「悪い 体調があまり良くないんだ。今から もう1回寝てみるよ」

2人は、そのまま帰って行った。
明日から出勤なのに 苛つく。

まずは起きた事をプリンちゃんにメールする。朝の行ってきますの他 昨日のやり取りで その続きが書かれていた。

「おはよう 浩之さん。昨日のどん底からは回復したのかな?明日の出勤に備えて 体調を整えてね」

携帯を握って そのまま寝る事は多々あるが、今日に限って言えば それも無い気配

眠いのに寝れない 2年前から・・・ mixiやモバゲーに行ってたから 誰かと交流があったから・・・


考えたくない事が頭の中を巡る。

誰とも交流を持ちたくない そんな時には、高確率で誰かが近寄ってくる。

No.408

ウトウトしている。少し寝れるのかな?と思っていたのに 携帯が鳴る。無視していても鳴り止まない。

誰からの着信か見ないまま電話にでたのだが・・・

「浩之さん 生きてる~ 体調は上向いてきたかな?」

声を聞いただけで 由美さんと判ったが ぶっきらぼうに

「体調上向かないよ ご飯も食欲無いし ご飯ご馳走してくれ~」

自分で何を行ってるんだと 自身に突っ込みを入れ やけくそとも取れる 言葉を由美さんに投げてみた。


「外食も良いけど 家庭の味も大切だからね。よし おじやでも作って持って行ってあげるよ。住所教えて」

なんの抵抗もなく あっさりと聞いてくるものだ。感心するよ。
住所を教える事は問題ないが、この万年床がある部屋 ちょっと女性を招くには 俺でも恥ずかしかった。


「由美さん 俺の部屋に招待してもいいけど 布団は引きっぱなし 部屋も汚れているから・・・ 羞恥心が残る俺としては・・・抵抗あるよ」


「うむ~ 公園でおじや 他の料理を食べる陽気じゃにいしね。 むしろ暑さで料理が傷む方が嫌だな じゃあさ 私の住所送るよ。オートロックのマンションだから 着いたら連絡してよ ロック外すから」


甘えれる時には とことん甘えればいい だだをこねる子供みたいに

「迎えに来てよ。せっかくご馳走してくれるんだよ だったら迎えに来てくれても良いじゃないか!」


我ながら馬鹿だと思う。そんな事を言えば せっかくの優しさを断る様なものだ。

No.409

ところがだ!!! 今の俺はラッキーと言うラッキーをかき集め 信じられない強運を今に限って言えば 持ち合わせていた。


「乗りかかった船だ。愛車で迎えに行ってあげよう だから安心したまえ 大きな僕ちゃん」

今の俺は 何を言われても許せる。言ってみるもんだ 断られたら冗談だと逃げるつもりでいたのに

メールで住所を教えたら 隣区に住んでいた。わずか15分で到着する。その間 俺は、パンツと下着を新しい物に着替えていた。

別に何も期待していない 汚れたままだと・・・嫌な思い・・・ 下着を見せる様な事はしない しないつもり しないだろう・・・


携帯がワンコール鳴る。ドアを開けると 車の中から 由美さんが手を振っている。


「由美さん ファンカーゴ乗ってるんだね。なんかぴったりのイメージ。ベンツやクラウンで迎えに来られたら どうしようかと思ってたよ」


「今日は、特別だぞ~ おちゃめに楽しみたいとこだが、キミの顔を見ると お盆休み中 辛い日が続いたんだね。 あんまり寝てないよね? 明日 休めば三連休になるよ。私 有給休暇の届け 代筆しておこうか?」

その通りなんだよな 金曜日出勤したら また土曜日 日曜日と休み。どうせなら金曜日も休みにしてくれたらいいのに なんて外を見ながら考えていたら到着した。


そりゃそうだろう 車で15分なんすぐだ。

車を駐車するとこから玄関まで 玄関からエレベーター フロア全体に防犯カメラがある。


「由美さん 初めて来たから気になるけど カメラの数凄いよね」


「セコムは当たり前だけど 防犯に力を入れてるマンションだからね。 それが売りでもあり 賃貸には珍しく 全体的に女性の借りてが多いよ」

No.410

こんなにカメラがあったのでは、カップルや新婚さん イチャイチャなんて うっかり出来やしない。


部屋に入る時 無意識にお邪魔しますと出てしまう。なんか礼儀正しくしなければいけない部屋 そんな気分にさせる。

「スリッパがさ 1つしかないんだよね。悪いけど 靴下のままでいいよね? 今から 作るから大人しくしておくんだよ」

由美さんが準備している間 部屋の中を見渡す。1人で3DKって 広くないのかな? 夜 心細くなったりしないのかな?

キッチンで 料理している由美さんの後ろ姿。包丁がトントン音を立てる。なんで安心するんだろう?

体がふぁ~と 心地よい温かさに包まれる。
フッと目を覚ますと 料理は出来ていた。


「40分だけど 気持ちよさそうに寝てたよ。起こすのも気の毒だし 料理が出来るまで寝かせておこうと だから起こさなかった」


40分 たった40分? もっと何時間も寝た感じがする。俺は病人じゃないけど せっかくおじやを作ってくれるから それは黙って食べた。他にもサラダや野菜に煮物が並んでた。


パッと見1つだけ言えること 油物が無い 見事までに野菜を中心とした料理が並んでいる。

これを 俺が作ったなら いや俺じゃなくても きっと手のかかる料理だと思った。

もう8月中旬だが それまでの食欲不振が嘘みたいに だされた料理を全部平らげた。


「キミの食べっぷりは、何時見ても 気持ちがいいよね。多少 元気が出たとみた。少しは感謝してるのかな?」


「由美さん 少しなんてものじゃないよ。美味しかった おじやも良かったけど 野菜の煮物も良かった。ありがとう」

No.411

それから 二時間話 外が暗くなる前には帰宅できた。

帰り際 由美さんから 今度来る時はスリッパも持参でね。と言われたから 深く考えもせず はいは~いと答えたが、真に受けて良かったのか?

金曜日 由美さんの料理パワーのおかげだろうか? 普通に仕事をこなし 土曜日 日曜日には復調していた。


あとは気持ちの問題だけど どうもプリンちゃんと電話したい様な したく無い様な はっきりと定まらない。

それなのに 8月下旬になると プリンちゃんも繁忙期が終わり 電話出来る日が増えた。

「浩之さん 忙しいと 八つ当たりみたいになってごめんね。 夢の方 まだ見るの? 私 何時までも浩之さんの側にいるから 安心してね」

8月 疎遠気味だったけど プリンちゃんから この言葉を貰うと 素直に喜んだ。


プリンちゃんと電話の数が増えるにしたがい 夢も見なくなった。


近藤達にも メールで元気になりつつあるから また お互い日を見て 会おうとメールする。
今 1つだけ心配なのは・・・給与の残りが少なく 祝日がある月は特に 生活も ままならない程。

借りた物は返すのが当然。プリンちゃんから 借りたお金を全部振り込むと余計に心細くなってくる。

そして 忘れられない9月がやってきた。

No.412

9月に入って初めての月曜日。俺も、プリンちゃんも不安なんて無いを 強調するが如く

努めて明るい電話をした。

「プリンちゃん とうとう丸5年の付き合いになったね。この5年早かった。プリンちゃんは?」


「私も、GREEで彼氏を見つけた話を聞くと 今まで馬鹿にしていたけど まさか自分に彼氏ができるなんて 思わなかった。付き合いだした時にも言ったけど 私には浩之さんみたい感じの人じゃないと きっとお嫁に行けないと思う」


結婚の話題が久々に出た。2年目 3年目は、月1で出ていたのに ここ数年は、遠ざかっていた。


内心 無茶を承知で 何回もプリンちゃんの地元に引っ越しをし そちらで再就職をと考えた事もあるが やはり先立つものが・・・


「浩之さん 苛立ちもあるだろうけど 気長に行こう」

この時 プリンちゃんの言葉に嘘偽りは無いと信じる。

翌朝も、おはようのメールから 始まり それに返信する。

1日を終え 電話を何時にするか? そのやりとりで時間の調節に入る。

今日は、情けないけど プリンちゃんに借金を頼まないと もういよいよやばくなってきた。

夜7時に電話する事になったが、付き合いだして 7時台の電話は初めて。

最初に言っておけば良かったのだろう。ハイテンションのプリンちゃんに ついこちらも 同じテンションで会話をしてしまう。

No.413

「今日は高校の時 クラスメートだった人と遊んだよ。休みの日が重なって 駅前で待ち合わせして 美味しい物を食べ 彼女は旦那さんの のろけ話をしてくるから 私も、浩之さんの話をしたんだよそれでね・・・」


今日のプリンちゃん 話が途切れない。友達と遊んだ事によって ストレスが発散されたのかも?


「それでね。旦那さんがエロなんだって 私 彼も同じだよって言ったら そこで2人 大笑いしちゃってね」

「プリンちゃん 男も女も、個人差はあれど みんなエロの部分を多少なり持ち合わせているよ。度合いが、どれくらいかなんだよ」


「浩之さんが言ってる事 当たってる。私も、自分の事 エッチだと思うよ。友達の旦那さん ただいまと帰ってきたら 直ぐにキスするんだって! 浩之さん 私もキスしたいよ! いっぱいチュウして!」


なんだろう このハイテンション。本当にプリンちゃんか?


「・・・ もうぼちぼち帰省した時の計画を立てても良いのかも・・・ プリンちゃんあった時にいっぱいキスしてあげるから 今は我慢だよ」


「キスだけじゃ嫌! もうね ホテルのドアを閉めたら 私を抱きしめて いっぱいいっぱいキスをして そして後ろから 沢山突いて欲しい あぁ!もう!自分でこんな事言ってたら ムラムラしてきた」


ハイテンションの理由は、欲求不満か? 今日に限って言えば プリンちゃんが一方的に喋り 俺が聞き役になっていた。

そして 今年に入り珍しく2時間も話していた。


プリンちゃんの勢いに圧倒され 電話を切った時に 肝心な事を話せなかった。

No.414

4日の水曜日。昨日の電話でのテンションが今朝のメールにも表れていた。

バスの中で振り込みの件を以来しようと思いつつ やはり躊躇してしまう。

会社での朝礼で本日の台風対策を長々と課長が話す。テレビでも騒いでいたな・・・

昼近くには、近年記憶にない程の風量と雨を目の前に プリンちゃんへメールする事を忘れていた。

昼にメールした時は、昼休みが終わり なんとか五千円を貸して下さいと懇願する内容のメールを送信。

我ながら情けないが、たった五千円で給与まで綱がないといけない現状

メールを送信し それ以降 プリンちゃんからの返信が気になって 何度も携帯をチラ見する。

そして2時過ぎにメールが来る。内容は?拒否されたら?
祈る思いでメールを開く


「浩之さん 天候大丈夫?ニュース見ているけど そっち大変みたいだね。気をつけて帰宅してね。 今日は銀行に寄る時間が無いから 明日で良いなら 振り込むからね」


そのメールを見た時 断られずに済んだ。安心して プリンちゃんの気持ちすら考えもしなかった。


1日の仕事を終えて 帰宅寸前に台風は去りかけていたが、それまでの交通網が大混乱し 俺も帰宅できたのが何時もの倍時間がかかった。

プリンちゃんに無事帰宅出来た事をメールし 後はプリンちゃんとの電話を待つばかりであった。


PM18:43発信のメールが1時間遅れで俺の元へ

「浩之さん 今日は社長がみんなを連れて 食事に行くって 泣きたいよ。ありがた迷惑 先に寝ててね」
このメールにも まったく変わった様子は無かった・・・

No.415

今夜は、どうしても電話がしたかった・・・が、プリンちゃん側の事情がそれを許さず プリンちゃんが帰ってきた時は夜の10時を過ぎていた。


「ただいま~もうバテバテ 明日起きれるかな? 浩之さんも無事に帰宅できたみたいだね。今から 大急ぎでお風呂に入り寝るね。おやすみ」


こちらに電話をさせない為の伏線を張ったメールが返信として来た。プリンちゃんが疲れているのなら仕方がない。


だけど この胸騒ぎは、何だろう・・・
そう 思いつつ俺も今日の疲れで深い睡眠へと落ちていく。


翌朝 俺が起床した時には、プリンちゃんからのメールが来ていた。


「おはよう浩之さん。昨日 無駄に疲れたよ 食事とかいいから 早く帰らせて欲しかった。 そちらは、昨日の余波で 今日も忙しいのかな? お仕事頑張ってね」

それ対して 俺は即リターン 3往復ほどメールのやりとりをして勤務についた。


昨日の胸騒ぎは、俺の考えすぎだったのか?今朝のやり取りを見る限りでは、そう取れた。

だが!! 青天の霹靂は、その日のうちにやってきた。


昼2時過ぎに 資材室で調達品の在庫を確認していたら プリンちゃんからメールが来た。


出だしが、明らかに可笑しい 全て読み終えないうちに 心臓がバクバクしはじめた。


「浩之さん 希望通り振り込んだよ。 今までは仕方ないと思っていた 元々が少ないとこへ 色んな事があったからね。でもね 私は、もう浩之さんとつき合えない だから以後はメールも電話もしてこないでね」

No.416

読み終えた時 体から力が抜けた。とてつもない虚脱感が襲い メールも電話もしないでとあったのに・・・

無我夢中でメールをする。フィルターをかけられていた。当然ながら電話も
「この電話は、お受けできません」のガイダンスが虚しく流れる。


資材室で1人だったから まだ狼狽えた姿をさらす事は無かったが・・・

プリンちゃんのメールを見ると やはり相当前から我慢していた事が伝わる。五千円という金額じゃない 俺が今まで取ってきた全ての行動に問題があった。


繋がらない電話に何回もかけ 戻ってくるメールに何回も送信。馬鹿な行動に悔いても遅すぎる。


こんなメールが来るなんて・・・ お金を貸してとメールして3日間 普通に対応していたのに 普通に接してくれてたのに・・・ それは何だったのだろう?


その日 プリンちゃんからのメール以後 集中しきれない どこか上の空だった。周りに悟られたく無いから 普通に振る舞うが、由美さんだけは騙せなかった。


「浩之さん 朝の時と今 顔が違うよ。何かあったのね!私でよければ力になるから 今夜でも電話してね」

何かあったの?疑問文じゃなく 何かあったのね 確定してしまう由美さんの顔を とてもでは無いが見れなかった。

No.417

5日木曜日の勤務が終わった。条件反射で 仕事が終わると癖で 今 仕事が終わったよ~のメールをしようとしていた俺がいる。


そっか・・・毎日していた このメールも・・・もう出来ないんだ。

どうやって帰ってきたか 良く覚えてない。きっと無表情のまま 知ってる人から声をかけられても 耳に入らないだろう


帰宅して 部屋の中で何をする事も無く 1時間 2時間と過ぎた。プリンちゃんからのラストメールを何回も何回も読み返し


前回時 借金した時にプリンちゃんからの注意 あれは最後の警告だったんだ。


布団に横たわり天井を見ていると携帯が鳴ってる。九時過ぎ!プリンちゃんから?

着信相手を見ると由美さんからだった。

「はい 浩之です・・・」


「キミ ひょっとして?」


「うん その ひょっとしてだよ。年末 あれだけ由美さんに注意されていたのに 馴れてしまってたから プリンちゃんに甘えてしまって・・・ 今日の昼過ぎにラストメールが来た。 今月に入ってから 別れの素振りすら無かったから・・・ メールを見た時は、どうして!なんで急に!って思ったけど メールの内容を見たら 随分前から我慢していたんだって・・・由美さん 俺の5年間が終わったよ。なんの為の5年間だったのか? 今は、何を言っても取り返しがつかないからね」


「浩之さん 今から そっちに行ってもいいかな? キミの顔を見たら直ぐに帰るから」

20分後にインターホンが俺を呼ぶ。

No.418

ドアを開けると 努めて明るく由美さんが入って来た。

「ふ~ん 男の人の部屋って汚いイメージが勝手にあったけど 綺麗に整理されてるんだね。 其処のソファーに座っても良いかな?」


冷蔵庫を開け 烏龍茶のペットボトルを2本出す。自分から何も喋る気がしない。由美さんはペットボトルをじっと見ている。俺は・・・俺はどこを見ているのだろう。

2人の間の静寂を由美さんが、取り払った。


「苦しい時に助けてくれた人って 色んな情が深まるよね。彼女との別れ 普通の別れよりも辛いと思う。今からキミが悪いからとか私は言わないよ。寧ろ 彼女と付き合っていた5年間 よく浮気せず 彼女一筋でやってこれたなぁと感心する。彼女も きっと辛い選択だったと思うんだよね。一緒になろうとした人だもん 考えに考え抜いた結果だと 私は思う。キミがバイトが見つかったと喜んで これから上手く行くのかな?と思ってたら バイト先潰れちゃうし 何故なんだろうね・・・ 彼女も疲れちゃったのかな?」

「俺が・・・俺が男としてだらしなかった。だから愛想尽きたんだよ。プリンちゃんは、間違ってない 正しい選択をしたんだよ」

由美さんと会話している時も、思い出が頭に浮かぶ。その1つ1つが強く刻まれ 堪えようとしているのに涙が溢れる。

由美さんは、俺の手を強く引っ張り 優しく抱きしめてくれた。それはダムの決壊を意味するもので 彼女の胸の中で激しく泣いた。


「在り来たりだけど 時間が痛みを和らげてくれるよ。それでも泣きたくなったら 私に電話して この胸貸して上げるよ。1回百円で」


イタズラ少女の眼差しに似た感じの由美さんに俺は、思わず微笑んでしまった。

No.419

由美さんが帰宅した後 ドラマみたいに すぐに元気が出る訳でもなく 寂しさと戦いながら就寝となる。

6日の金曜日 目覚めてなんの躊躇も無く プリンちゃんにおはようのメールをしかけて止める。習慣って・・・ 直ぐには無くならないんだ。


着替えて バスに乗り 癖で携帯を見てしまう。来ない おはようメールを


会社に到着し急いで着替え食堂へ向かう。もちろん 昨日のお礼を言う為だ。

ところが、何時もの時間になっても由美さんはやって来ない。ついには8時を回った。まさか!昨日の帰りに事故でも? どうしたら良いだろうか・・・ 悩むと同時に 携帯に電話をしていた。


「もしもし 浩之さん ごめんね。心配かけて 風邪引いちゃったみたい さっき総務に電話入れたら課長が出て 今日1日休む事にしたよ」


「由美さん 心配したよ。病欠で良かったと言うのも変だけど 昨日の夜 帰りに事故に遭遇したかと かなりドキドキだった。今日 1日 ゆっくり休んだ方が良いよ。 有給も沢山残っているんだよね? ビタミンと水分補給に気を配って ゆっくり休んでね」

事故じゃなく ひとまずは、安心。


昼過ぎに 忙しく 昨日本当に別れがあったのだろうか?と思うくらい プリンちゃんの事が頭から離れていた。

しかし、仕事が一段落すると 急に悲しみがやってくる。

No.420

プリンちゃんと別れて初めての週末が来た。なんとも味気ない 朝を迎えた。

部屋の中で何かをする訳でも無し 過去にプリンちゃんから貰ったメールと写メを見ながら 涙が溢れかけるのを必死に耐える。


毎日メールや電話して それなりに満喫していたのに・・・
今度帰省した時 母や妹達にどんな顔して会えば良いのだろう?


親友と毎年楽しみにしていた 会食。俺は、1人になってしまった その事のみが現実としてあった。


親友に今年は帰れないかもしれないとメール。夜に電話がかかってきた。

「浩之 馬鹿な行動だけはするなよ!俺も、お前の家族も悲しむからな!」


「なぁ 俺は、今年帰省出来ないかもしれないとメールしただけだぜ・・・」

「お前と俺 もう何十年交友があると思っているんだ! 彼女と別れたんだろう? 違うのか? まだ9月なのに 帰れないかもしれないって 何かあったからだろう? お前はさ 昔から女性との交際 真面目すぎると思う。もっとフランクになっても良いんじゃないか? 俺さ 今の嫁さんと付き合ってた時 お前と一緒で 価値観が一番だと思っていた。でも 結婚となるとそれだけじゃダメなんだ」

彼の言葉を聞くと とても同じ年齢の発言だとは・・・彼は、大人だ。俺は、彼女がいる 恋人がいる それだけに満足していたのかもしれない


「浩之 言い方が悪く聞こえたなら先に謝る。 プリンちゃんだけが女じゃないんだ。世の中には、お前と相性バッチリの女性が絶対にいる。今は、そんな気になれないだろうが、しばらくしたら 俺が誰か紹介してやるからさ 落ち込んだら 後は這い上がるだけさ 夜誰かと話したくなったら俺に電話してくれ 昔みたい朝まで付き合うぞ」

No.421

親友の言葉に勇気付けられ なんとか前を向く努力をし始めた。まず最初にやるべき事 GREEにアクセスする。

友達リンクにプリンちゃんの名前は無かった。コミュニティーの方も 足跡を見てみると別れた その日にプリンちゃんとAさんの足跡がある。


プリンちゃんと2人で作り上げたコミュニティー 思い出や2人で撮った写メ 2人の出会いがそこにはあった。


コミュニティーに入っていた十数人に閉鎖する事を軽く説明。
それから友達リンクしていた人にもGREE経由のメールで感謝の言葉と退会する事を告げる。


翌日が日曜日だからか? 23時になってるのに 友達リンクしていた人達から次々とメールが舞い込む。

詳しい説明はしてないが・・・黙って去る事は出来なかった。ラスト プリンちゃんのとこに行くと アクセス1時間前。


思えば GREEは直ぐに辞めるつもりだったのに6年間も・・・ 感慨深いものはあったが、俺は土曜日の深夜にGREEを去った。


去った後 Aさんから直メが来て 寂しげに俺を気遣ってくれた。


「プリンちゃんから聞いていたけど まさか 浩之さんがGREEを退会するなんて思わなかった」


GREEを辞めても直メ出来るのは 後々助かるが、今はそっとしておいて 欲しかった。


「Aさん プリンちゃんがどんな風に聞いてたの? 俺はフィルターかけられてるから 最後の言い訳すら言えなかったよ」

ワン・ツーリターンが早かったのに 今 俺が送ったメールに返信が来るまで時間がかかった。

No.422

「プリンちゃんの考えを言ってしまえば あなたの味方をする事になる。だからあえて伏せておくよ。でも 相当悩んでいたよ。それよりもさ 浩之さん フリーになった訳だし 私どうかな? 会おうと思えば電車で1時間かかるけど プリンちゃんの時と違って 年に1回じゃなくて 週に何回も会えるよ」

この人は、人の気持ちが分かると思っていたのに・・・

「プリンちゃんがAさんに胸の内を吐いた その意味を良く理解できるよ。プリンちゃんAさんの事 苦手にしていたから 苦手にしていた相手に色々話すんだから やっぱり覚悟があったのだろうと思う。 Aさん あなたは人妻だよ。俺は過去の過ちから 何があろうと不倫はしないと決めてるんだ」


「浩之さん 結構固いのね。男と女が快楽を求めて何が悪いの? そんな感じだからプリンちゃんにも捨てられるのよ」

メールは、そこで途切れた。

プリンちゃん あなたはAさんに 何を訴えたの?俺には言えなかった事なの?

日曜日の朝 最近には珍しく 8時に起きてしまった。

風呂に入り 通勤では、およそ着ない服を出して 靴下も新しい物を履く。

外へ出て コンビニでポカリやプリン みかんが入ったゼリー 栄養ドリンクを買い とある場所へ向かった。


まだ10時前 もう起きてるかな?インターホンを鳴らすと応答があった。


「由美さん 気分はどう?見舞いに来たよ」

オートロックが外され エレベーター前の防犯カメラに向かいVサイン。なんでこんな行動を取ったかは俺にも判らない。

No.423

エレベーターが到着すると フロアから由美さんの部屋に向かった。扉の前に立ち 再度インターホンを押す。


パジャマ姿の由美さんが、ややだるそうにしながらも、微笑みかける。


「ごめんね 金曜日に心配の電話をかけて貰って クーラー ドライしか入れてないけど 外よりは涼しいと思うから 入って」


「由美さん 休んで まだ動くと辛いでしょう。コンビニで色々買ってきたから 喉が痛くならないようにプリンやゼリーも買ってきたよ」

「浩之さん・・・キミも傷心しているのに ゴメンネ。買ってきてくれた物 ありがたく食べさせて貰うね。 今日はどうするの? 私が元気だったら 何か作ってあげれるけど・・・」

「由美さん 今日は見舞いに来ただけだから ゆっくり寝て 明日 また元気に出勤して 俺は、それでいいからさ じゃあ 俺は繁華街でもブラブラして 1日を過ごすよ」


マンションを出た後 しばらく歩き 地下鉄で繁華街へ向かった。
日曜日の昼 地下鉄の中は、家族連れやカップルがどうしても目に入ってくる。俺も、何時の日にかプリンちゃんと幸せな家庭を作りたかった・・・

人混みのとこへ行けば 気分も晴れるのかな?なんて・・・思ったけど・・・
ショッピングしながら手を繋いでいるカップルを見ると羨ましく感じた。

No.424

5年間の交際というダメージは、想像よりも遥かに重くのしかかる。外食しても、味があまり はっきりしない。病気では無いが、堪能できない自分がいる。


ゲーセンに行っても同じだった。外出先から 近藤に夕方暇なら会おうとメールした。

「浩之 夕方俺の家に来ないか? GREE熟が手料理を作るから 一緒に夕食しようぜ」


給与までカツカツだった俺には、嬉しい誘いだ。1日 千円でなんとかプリンちゃんから借りたお金で間に合う予定ではいた。


彼の家の前に着き 呼び出しの電話をするが、出ない。ドアをノックするが反応も無い 冗談でドアノブを回すと開いた。

なんて不用心なんだ! ドアは開けたものの 勝手に上がるには気が引ける。近藤の名前を大きな声で呼ぼうとした時 何かすすり泣く?声が聞こえた。


耳を凝らすと それはすすり泣きじゃなく 喘ぎ声。 近藤・・・俺を夕飯に誘っておいて・・・ GREE熟とエッチな事してるのだろう。


「こ・ん・ど・う・く~~~ん 本日は、お招きありがとうございます。浩之 ただいま到着しました」

とてつもなく 大きな声で呼んだ。


「よっ よっ 浩之 上がれよ。今 用意してるからさ」

明らかに挙動不審だ。半分は夫婦みたいなものだから 良いって言えば 良いのだろうけど

テーブルで座って待っていると ホワイトシチューが出来上がる。まだ 暑さが残るのに ホワイトシチュー?


近藤になぜホワイトシチューなのか?聞けば 月に1回はカレーの日 シチューの日があるらしい


普段は手の込んだ料理をしないから 俺にとってはご馳走だ。

No.425

近藤に少し意地悪な質問をする。


「携帯や扉をノックしたんだけど 何時も即反応するのに 今日は時間がかかるんだね? 俺を見た時も不審者みたいにオドオドしていたし どうした?」

「うん まぁな・・・」

コイツ サラッと流そうとしているな(笑)

「近藤 まぁ 何だよ? 興味あるよ。教えてくれ 俺とお前の中じゃないか」

近藤は、GREE熟が居るキッチンの方をチラチラと見て

「彼女が料理している後ろ姿を見て ちょっと・・・」


「近藤 核心を突いてくれないとさ ちょっとなんだよ」


「だからな 浩之。男なら分かるよな! なんとも悩ましい姿だから ムラっとして その~後ろから 抱きしめて アソコを・・・」


俺が到着した まさにその時 やろうとしていた寸前だった訳だ。

料理が出来上がり 3人で食事を始めるが、かなりの腕前なのだろう 美味しい。

「このクリームシチュー 美味しいね。 近藤は、こんな手料理を何時も味わえるのだから 羨ましいよ」

GREE熟は、謙遜していたが、コーンやベビーホタテが入ってるあたり 彼女のオリジナル?


「浩之 お前だって そのうちプリンちゃんから作って貰えるさ 彼女料理は、出来るんだよな?」


その問いに答えられなかった。

「プリンちゃんの手料理 もう食べれる事は無いよ。ついこないだ別れたから・・・」


近藤も、GREE熟もスプーンを持つ手が止まる。

No.426

最初に口を開いたのは、近藤じゃなく GREE熟。

「話を聞いていた限りでは、あんなに上手く行ってたじゃない どうしてまた・・・」

どうしてと言われたら 俺の不甲斐なさとしか言えず・・・
兎に角 最初から説明し 先週の木曜日に最後のメールが来た事を教えたのだが!


近藤の顔が真っ赤になり やや目に涙を浮かべて

「ゆきえちゃんが結婚して 次は俺達か?浩之達か?って話していたんだ。 まさかこんな展開になるなんて 思わなかったから 不用意な発言して悪かったな」


俺だって 近藤がどんな気持ちで さっきの言葉を言ったのか 理解していた。


楽しいはずの夕食が、暗めの夕食になった。

食事が終わり 近藤が来るまで送ってくれたのだが、3人いれば会話も出来る。帰宅した 部屋の中が静かで より孤独感を醸し出す。

帰宅すれば プリンちゃんに帰ったよ~とメールしてたのが ちょっと前なのに もうかなり前の出来事に思う。


何時まで感傷に浸るのかなぁ と思いきや多忙を極める9月になった。逆にその事がプリンちゃんへの思いを断ち切るきっかけにもなったのは事実であった。

No.427

「浩之さん 10月に入ったのに ちっとも涼しくならないね。インナー着ていても 会社の夏制服 生地に問題あるのかな? べたつく。男性はいいわよね。会社のTシャツならOKなんだから」

「由美さんも、Tシャツ貰ったよね。着ればいいじゃん 俺は、この会社の夏の制服 男性はともかく 女性は気にいってるよ」


由美さんの顔が、薄笑いした。
「それ 絶対にエロ目線だよね。浩之さんがエロビーム出してますって 社内に言いふらそうかなぁ」

「だぁ~~~っ また そんな事を言って 俺をいじめる」

エロ目線は、否定出来ない事実だが(笑)

10月初旬 確かに暑さを感じる日が続いたが、中旬にもなれば和らぎ 過ごしやすくなった。

プリンちゃんから貰った過去のメールや写メ 先月みたいに悲しむ事無く むしろ思い出になっていた。

これも時の経過がなせる技とでも言うのだろうか?

陽が暮れる時間が短くなった10月下旬 博子ちゃんからメールが来た。


「浩之さん ゆきえちゃんの結婚以来だけど 元気にしてた?最近 ようやく涼しくなってきたね。また みんなで集まる事が出来たらいいね」


会社が終わり 部屋の中でゆっくり返信する。

「写真の郵送ありがとう やっぱりデジカメで撮ると しっかりと綺麗に写せるね」

今更 6月の結婚式を持ち出すのも何だけど 久しぶりメールをしてくれたのだから 素っ気ない態度だけはしたくなかった。

No.428

博子ちゃんと会話は、普通に楽しかった。ところが、彼女が本来聞きたかった事の話題になると どうもギクシャクし始める。


「浩之さん あのさぁ・・・私・・・近藤くんから聞いたけど 浩之さん 彼女と別れたって本当?」


それは確定が欲しいのか? 近藤から聞いているなら 別れた事は知っているはずなのに なぜにわざわざ確認がいるのだろう?


「一口で言えば縁が無かった。そんな感じさ だからといって 一ヶ月以上もたったのだから 傷口もかさぶたくらいはできるさ」


「そっか・・・」


何かを言いたい でも言い出せない それが伝わってくる。俺から予防線を張ろうと動きかけたら

「浩之さん 私とどうかな? 私じゃダメかな? お互いまったく知らない仲じゃないし 付き合いやすいと思うんだけど どうかな?」


久しぶりのコンタクト おそらくこれが本題だったのだろう。

予測は出来たものの 改めて告白されると 言葉に詰まる。


「博子ちゃん 俺さプリンちゃんと別れてつくづく思うんだけど 誰か女性と付き合うなら 俺の事を余程理解してくれてるか あるいは、俺自身にもっと経済的に余裕ができてからと思ってるんだよね」


「それは金銭的に困ったら 俺を助けろって事? それなら私出来るよ。浩之さんが困ったら 何時でも助けるよ」


「博子ちゃん そうじゃないよ。 俺ね プリンちゃんに何回も何回も助けられた。もちろん返すのが当たり前なんだけど いつの間にか日常化して プリンちゃんを嫌な気持ちにさせてしまった その繰り返しをしたくない。でも、今の俺は低所得なのも事実なんだ。つまり 俺自身にしっかりとした安定が無いと また二の舞に成りかねない だから 今は・・・誰が交際を申し込んでもつき合えないんだ」

No.429

返事が来ない。理解してくれたのだろうか?ひょっとして 会いたいなんて・・・あるかも

あれこれ考えていたら返事が来た。


「浩之さん 相変わらず優しい断り方だね。大丈夫 私も強くなったから そのうち絶対 良い男をみつけてやる。今日は、ごめんね。また みんなで会おうね」


博子ちゃんが身を引いてくれたおかげで 友達としては、また仲良く会えそうだ。


あくどい男なら やり目的で博子ちゃんを嵌める事だって可能だろう。今は、俺を求めている。


だけど 俺は鬼畜にはなれない。博子ちゃんを傷つけたくない。だから 今俺の考えを聞いて貰い それで博子ちゃんがどう判断するか任せるだけだった。
やがて11月になろうとした時に 俺は近藤に電話をかけた。

「おっ! 浩之。意外に電話が遅かったな お前が言いたい事判ってるぜ ただな!言い訳させてくれ。 お前 きっと寂しがっているんだろうと考えたから 俺は・・・」


「博子ちゃん 近藤から聞いたって言ってたから タイミング的にも、ふっかけられたと直感したぜ やっぱりだったか・・・ 俺の事を心配してくれての事だろうから 怒りはしないけどさ まずい関係になったらどうするつもりだった?」


「まずい関係・・・ 浩之 まさか博子ちゃんふったのか?」

「ふったになるのかな?付き合って下さいと はっきり言われはしないけど 俺から断った形になるね 」

ゆきえちゃんや近藤がバックアップしてくれたが、博子には、あやふやなまま付き合うよりは 態度をはっきりさせて 今も良かったと思ってる。

No.430

長袖だけでは 厳しくなってきた11月中旬に事件は起きた。
事の発端は、近藤のスケベ心からであった。

「浩之 お前のデーターフォルダー パンチラかなりの枚数があるだろう?プリンちゃんのは、番外だとしても 俺がやった博子ちゃんやGREE熟の他はサイトで落とした物ばかりなのか?」


「当たり前だろう!実際に盗撮やると犯罪だぜ! プリンちゃんにしても GREE熟にしても、本人達から許可を得て 尚且つ個室や他の目が無いから まだ趣味の範囲で済ませられるんだ。 お前 まさかとんでもない事を考えてないか?」

近藤の奴 スマホに変えて アプリで手に入れたシャッター音が鳴らないのを試したいらしく

それなら家の中で GREE熟を相手にすれば良い物を どうもGREE熟を駅で盗撮風にしたいと言い出した。


GREE熟も、近藤の性癖にストップをかけたいらしく 今回1度だけ 自分以外に街中で盗撮したら 即別れると告げた。
これが、まさか俺も巻き込まれる事件へと発展するなんて・・・


23日の土曜日夕方 某駅構内。GREE熟がエスカレーターに乗り その後ろを近藤 更にその後ろに俺が乗り込む計画だったのだが・・・


「お前さ GREE熟はお前の彼女だから良いだろうけど なんで俺まで 着いて来ないといけないんだよ!お前が、勝手にやれば良いじゃないか!」


「撮ったら 浩之にもやるからさ 頼むよ協力してくれよ。ヤラセだけど 盗撮と思うとドキドキするし 彼女にも下着をリクエストして 前準備してるんだからさ」

No.431

嫌な予感が有りつつも、彼の勢いに口を閉ざす。実際に撮影しようとしている近藤よりも 俺の方が緊張していた。


GREE熟がエスカレーターに乗り 背後に近藤が着き 画像を撮影する。 後ろから見ている俺からは、近藤のスマホが GREE熟のスカートの中に入っているのが、まともに見えた。


こんなところ 誰かに見られたら 何の言い訳も出来ない
それに反して 2回目の盗撮も決行される。

撮影を終えた 近藤が画像を確認 GREE熟も近藤も 打ち合わせしての撮影だから niceショットなのは、当然の事だった。


俺としては 問題無く終えたのが何より それなのに近藤は 動画も撮りたいとぬかしやがる。


俺は、呆れてエレベーター上に居るから お前が勝手にやれと 1抜け。

GREE熟と近藤が撮影し エレベーターを上がりきったとこで 近藤の後ろに立っていた男が近藤の右手を掴む。

驚いた表情で男を見る近藤。
そうだろう 俺もGREE熟も、何があったのか一瞬把握出来なかった。

近藤は捕まれた右手をふりほどこうと必死。
そこに俺が、駆けつけ 男の胸ぐらを掴む。

「お前 公務執行妨害で 検挙されたいのか?こいの仲間か?」


男が言っていた事を直ぐに理解し手を離す。

「おっさん あんた ひょっとして警察なの?」


俺の言葉に咳をしながら答えた男。


「とにかく そこの太った男 私と一緒に駅の交番まで来なさい ご婦人とあなたもね」

夕方 混雑した人の目は、俺達に注がれていた。交番に着くと GREE熟 近藤 俺と別々に調書を取られ その間 俺とGREE熟は、成り行きを説明した。


近藤も、説明をしているとは思うが、なにせスマホには、GREE熟のパンチラ画像と動画がある。

私服警察と交番のおまわりが、所轄に連行するか話していた。

No.432

近藤が、1人遅れて 俺とGREE熟の元にやってきた。

「まいったなぁ 浩之 とんだ事に巻き込んでしまって悪いな 説明したんだけど 証拠がバッチリあるから・・・」

時計に目をやれば まもなく22時。所轄に連れて行かれたら さすがに日曜日になるのは 免れない。

俺は、公防だけど過去に犯罪歴無いし 必死に謝れば送検は免れるかも? だけど近藤の場合は・・・


そう思いかけた時 GREE熟が巡査長と呼ばれている人に落ち着いた口調で話しかけた。


「何回も説明しているけど 私は盗撮されたと思ってないのよ! なんで判ってくれないかなぁ」


「ご婦人の言い分は解りません。この男性に脅されて 盗撮させられたんでしょう? 我々警察を信じて下さい きっと守りますから」


ダメだな・・・馬鹿警察 頭が悪すぎる。

「主人とふざけてただけなんです。夫が悪ふざけで 私のパンチラを・・・夫から撮らせて欲しいと言われ 私は許可をしました」


警察官三人が声を合わせ

「夫・・・?」

GREE熟と近藤 確かに半同棲には違いないが、俺は自分が喋る事で混乱を招くといけないので黙っていた。


「確認しますよ 間違いなくあなたのご主人なんですか?名字が違いますよ?」


GREE熟 光が見えたのか 饒舌になる。

「厳密には、婚約者で 来年結婚するつもりなんです。刺激が足りないね~と私から主人に話を振り 今回のパンチラに繋がる訳でして」

警察の1人が、近藤を睨み

「この女性が言ってる事に間違いは無いの?」
青い顔した近藤が、懸命に頷く。


私服警官はバツの悪そうに

「夫婦間のイタズラだと両者が言ってると 所轄に連れて行くだけ無駄ですね」

No.433

それから10分後 散々説教され紛らわしい事は、2度としないと 近藤が始末書的な物を書いて 俺達3人は解放された。
土曜日とはいえ 夜も深まって来た。駅構内は、盗撮した時とは違い閑散としている。


「近藤!今回の件 絶対にお前が悪い!画像が撮れたのだから 本来なら終了だったはずだろう! 調子こいて動画まで撮るから・・・彼女が、機転を利かせてくれたから 俺達は解放されたんだ 反省しろよ!」


下を向いたまま 顔を上げようとしない近藤を見て GREE熟が救いに入る。


「部屋とかホテルとかの撮影ならまだ・・・ねっ 趣味で抑えられるけど やっぱり駅とか ゲーセンは、良くないよ。私とあなたは、お互いの関係を知ってるから良いけど 事情を知らない人から見れば やっぱり盗撮をしていると 思われてもしょうがない」

近藤は、ごめんなさいと言うしかなかった。普段の反発する彼ではなく 心底マズい状態だったと反省しているのだろう。

「ところで 浩之さん 遅くなったけど夕飯どう? どこかで食べる?」

GREE熟の誘いだが、電車のある時間も 残り少し 今日は疲れた。

「うちで食べないか?24時間のスーパーで食材買って 帰りは俺が車で浩之のとこまで送るからさ」

今夜の近藤 まったくらしく無いが・・・ せっかくの誘いだから受ける事にした。

No.434

スーパーに入り 手を繋ぎ先行く近藤達を後ろから見てると 10ヶ月前の事を思い出してしまう。

俺も、プリンちゃんとラブラブで買い物してたのに 俺には、もうそんな楽しみを味わう事は無いのだろうか?


近藤が出来合いの総菜を手にした時 GREE熟が、それでは手料理にならないからと却下。

「浩之 お前何か食べたい物ある?今日さ 本当に迷惑かけたと思っているんだ だからその詫びに・・・手料理するのは、彼女だけど なんか食べたい物があるなら遠慮なく言って欲しい」


腹はとてつもなく空腹。あんな事があった後でも 空腹なものは空腹なのだ。

「じゃあ 焼き魚とかいいかな? 1人だと 魚とか焼かないからさ それに豚汁があれば ご飯が美味しくなると思う」

なんでも良いと言われても やはり多少の遠慮はするべきで ましてや 俺と近藤がGREE熟の料理を手伝うなんて無い せいぜい皿を出したり片づけたりが、いいとこだ。


30分後に食卓へ出された 塩サバやミリンの銀ダラ それに豚汁の匂いが食欲をそそる。

No.435

三人共空腹だったのが、良く分かる。暫くは、誰も喋らない

焼き魚は、帰省した時ならともかく 自分で焼いた魚の記憶を辿れば 約20年ぶり?

GREE熟 魚の焼き加減も上手く自然に美味しいと口に出た。


「豚汁も焼き魚も、本当に美味しい それにご飯もなかなか・・・ 近藤 食べ終わったら 俺達で茶碗でも洗わないと申し訳ないよな」

近藤見ると まだふさぎ込んでいた。

「俺 つくづく馬鹿な事をしたと思ってる。こんな美味しい物も食べれなかったかもしれない 何より彼女と浩之に迷惑をかけてしまって 浩之は何度も止めてくれたし 彼女は、交番で俺を庇う発言をして 2人共 本当にごめんなさい」

こんなに反省しているのだし このままだと つまんない週末になる。GREE熟の目を見たらなにがしら訴えるものあった様に感じた。


「近藤 反省は反省。ちょっとくらい元気だしても 問題ないさ。パンチラの画像見せてくれよ なぁ パンチラの巨匠」

俺の発言にGREE熟も乗ってきて

「そうよ~ せっかく撮ったのだもの 鑑賞会と行きましょうよ 私はちょっと恥ずかしいけどね」

近藤の死んでいた目が、段々と輝きを取り戻してきた。

「巨匠! 鑑賞会! まったく あなた達2人 なんだかんだ言ってもスケベじゃん。仕方ないね じゃあスマホ見せてあげるよ」


まったくノリやすい性格だ。教師に乗らせると暴走するが・・・

No.436

「自分で自分のパンチラを見るのって・・・恥ずかしさと興奮があるね。浩之 言っておくけど 私はMじゃないからね」


本人を目の前にしての画像 ドキッとするのは、俺も同じだった。俺は、ガラケーオンリーだからスマホのカメラ機能を知らないが、まったくブレずに写せるのだと感心した。


日付が変わり日曜日に突入していたが、会話も弾み 深夜三時を回っていた。会社は、休みだが眠くて・・・

「近藤 そろそろ送ってくれないか?帰宅したら昼まで寝ていそうな気分だし お前もゆっくり休むといいよ」

実際 帰宅し 起きたら昼の2時。そんな自分に苦笑いしてしまう


あのまま 所轄に連れていかれてたら・・・盗撮の共犯という濡れ衣を免れ 思い返しても ブルーな気分になった。

近藤 まさかとは思うが、自ら博子ちゃんやゆきえちゃんに暴露しないだろうか? そんな不安を抱いたまま 11月は過ぎて行く。

12月 昨年までなら プリンちゃんと会えるまでのカウントダウン それと仕事が繁忙になり 気がつけば年末。毎年そんな感じだった。

だが、今年は帰省しないと早々と決め まったくの予定が無い。


その割には、会社の同僚が、他の支店へ転勤になり 送別会や記念品でお金は飛んで行った。

No.437

七日の土曜日 暇を持て余していた昼過ぎに電話がかかってきた。


「浩之 来週辺り 忘年会どうだ? メンバーは、ゆきえちゃんと博子ちゃん それにGREE熟。出来れば お前の会社の人も 一緒にどうだ?」

ノリノリの近藤だが、由美さんも一緒に・・・

「俺は、ともかく他の人 都合つくのか? 来週って結構いきなりだぞ! 月曜日 出社したら話してはみるけど ゆきえちゃんは主婦だし 博子の都合も聞いておかないと 近藤くれぐれも詰めを誤るなよ」

メンバーを見れば楽しめそうなのは予測出来る。女性が4人 男性は、俺と近藤だけ(笑)

「浩之 まかせてくれよ。ところでさ・・・あの~・・・」

奴にしては、口の中でモゴモゴと・・・


「近藤 どうした? 盗撮の件が、博子ちゃんかゆきえちゃんにでもバレたか?」


それは、それで驚きはするが!近藤の発言の後 しばらく無言状態になる俺。

「浩之 正直な 喋ろうかどうしようか? 迷ってたんだ。お前 GREEを辞めた後 1回もアクセスしてないの?」

彼の言う意味が最初は、さっぱり理解出来なかった。辞めてから1度も行って無いが・・・


「俺な 自分が書いた日記を見ていたんだ。昔の含め 浩之とプリンちゃんの書き込みもある。だけど お前は退会しているからアバターがしょぼく初期設定のアバター。 プリンちゃんはデコレーションされたアバター あぁ プリンちゃんはまだGREEに居たんだと 名前からジャンプしたんだよ。そしたら プリンちゃん日記書いていて・・・」

No.438

言われた時 焦点が何か意味不明だったが、近藤が日付を入れて再度 発言した時に詳細が判った。

「プリンちゃんの日記にさ 彼氏だって人が、書き込みしてるんだ。その日付が9月2日なんだ。浩之 別れる前に お前二股かけられてたの知ってるのか? 俺 文句言ってきてやろうか?」


まずは、近藤に先走りだけはしない様に注意し それから頭の中で一生懸命に整理した。

俺と別れたのが9月5日だったはず・・・
9月に入った時に 別の男がいたのか? それとも、もっと前から?

GREEのAさんから 以前プリンちゃんがmixiやモバゲーに居るのを思いだした。その時か?


「近藤 俺、考えたんだけど もう別れて何ヶ月にもなる。今更ってより 俺の不甲斐なさで振られたんだ。 だから プリンちゃんが新しい彼氏が出来たのなら それで良かったんじゃないかな プリンちゃんは新しい彼氏と上手くやるべきだよ」

近藤は、それ以上何も言わなかった。来週の忘年会よろしくとだけ

近藤には、あぁ言ったものの ショックは少なからずある。だけど 別れた後の事だと 自分に言い聞かせる。


月曜日の早朝 出社し 食堂へ向かった。由美さんが軽く手を挙げる。これは、自販機でカプチーノを買い 由美さんの向へ座る。

No.439

「おはよう浩之さん。早朝に起きると まだ外が暗くて 出勤するのが辛くなってくるね。寒さも増してきてるし お互い風邪をひかないまま年を越したいね」

外が暗いのは、常々 俺も思う。朝 5時に起きてもまだ外は真っ暗。その暗さが寒さをより感じさせる。

「由美さん 来週の土曜日 何か予定ある?」

「何々 デートの誘い?いや~ん じゃあ勝負パンツ履いてこないと・・・」
1人で舞い上がってる。どう 突っ込もうか?パンツは好きなのを履けば良い ただ、デートじゃなく忘年会の誘いなんだけどなぁ

暫くは黙って見ていると

「キミ!何時になったらツッコミを入れるの?放置プレイはダメよ。朝から疲れるなぁ」


「由美さん 1人漫才 笑わせて貰ったよ。忘年会のね 誘いをしようと思ってさ 親友の近藤から ぜひ由美さんも参加させたらどうだろう?の問い合わせがあって 知らない人ばかりで面白くないかも だけど由美さんと年齢も近い人だっているよ。当日は、好きなパンツ履いてきていいから」


「私と年齢が近いって言葉が引っかかるな!だけど誘ってくれるし 来週どころか 予定なんてずっと無いし OKだよ」

彼女を何かに誘う時は、他の女性みたいに下準備がいらない 寧ろ下手な工作をするよりは直球を投げた方が、反応は良いものが返ってくる。


その日の昼には、近藤へ由美さん出席OKのメールをした。
すかさず 彼からも、メールが来て そこで全員出席の確認が取れたのは良かった。

No.440

12月10日 この日は、今後 俺の生活を左右させるであろう ある出来事が待っていた。

朝は、由美さんと漫才のやりとりをし(他人から見ればきっとそう思うだろう) それぞれの勤務に向かった。

給与まで なんとかやりくりしていた。財布を見ると侘びしくなり プリンちゃんと付き合っていたのならば
高確率でお金を借りていただろう。別れた後 苦しかったが、なんとかやってこれたものの・・・

俺自身 流石に疲れてきた。そんな時 幸運の女神が俺の元へやってきた。

「浩之さん 後で事務所まで判子を持って来てね。明細を渡すから」

給与までは、まだ日にがあるぞ? この時期外れにクビ?
何をしたか さっぱり心当たりが無く 由美さんの知らせてくれた通りに事務所にやってきた。


事務所内は、彼女1人だった。そこでズバリ聞いてみた。

「由美さん こんな時期に給与の明細って ひょっとして 俺はクビ?」

彼女が顔を立てに振る。
マジかよ!こんなに働いてきたのに・・・

俺の落ち込む姿を見て 由美さんが、手を叩きおばさん笑いする。

「冗談よ。キミみたいな優秀な人 会社が手放す訳ないじゃない 今日はボーナスの日。ボーナスの明細だよ 良かったね」

人生には予想外って事が多々あると思う。その大半が悪い方への予想外に当たると思うが、今日の俺にとっては、まさに良い方への予想外だった。

No.441

明細を1人で見ると そこには、確かに口座に振り込んだと 本来なら 来年の6月が初めてのボーナスに当たる日と認知していたけど

懐が寂しい 俺にとっては、少し早いクリスマスプレゼントになった。

秋にボーナスなんて会社めったに無いと思うが、この賞与が後 3ヶ月早かったら・・・ 俺とプリンちゃん それでもダメだったのかな?
プリンちゃん あなたなら なんて声をかけてくれた? やっぱり俺じゃダメだったのかな?そんな事を思いながら1日の仕事をこなした。
翌朝 由美さんとの話題は終始ボーナスの話だった。

「良かったね ボーナスが出て なんか私まで嬉しくなったよ。何か買いたいものある? 給料も近いし 今週は、忘年会もあるし 本年最後の月に 幸せがやってきたね」


盆と正月が一緒にやってきた なんて事を聞いた事がある。まさにそれ

「由美さん これでなんとか生活が安定するよ。2~3万の寸志なら喜びも 少しだけど 普段が低収入だけに これを6ヶ月分に振り分け 不足していた分を補える。この会社に入って数年 ようやくここに来て 生活の目処は立った。でもね 少しの贅沢が許されるなら もう四年同じ布団で いい加減背中が痛いから 布団を買い換えたい それと靴とズボン 今はそれが欲しい物かな?」

由美さんと喋っていると 喜んでいるのが俺にも伝わる。お金が手元にあるというのは、気持ちにもゆとりが生まれるのだと その時知った。

No.442

木曜日 部長に社用車使用のお願いをしてみた。私用だけに却下されても文句は言えないけど・・・

「部長 ちょっとお願いがありまして・・・私用で車を借りたいのですが・・・」

理由を聞かれたら正直に言うしか無いが、これも予測に反して

「いいよ~事故だけには気をつけてね~」

俺が管理してハイエース 黙って乗って行ってもバレはしないが、良心の呵責ってやつが・・・

別の支社への帰り デパートで4980円の敷き布団を買った。前職の時なら たかだか5000円の買い物。今の俺は、ボーナスが出るまでは、その5000円は高額商品にあたる。

帰社する前に 買った敷き布団を部屋に置き 再び会社に戻る。由美さんにしゃぶしゃぶを奢って貰った以来の気分の高鳴り

会社に戻ると 事務所から出てきた由美さんを見つけ 敷き布団を買った事を教えた(一々報告する事では無いが 興奮のあまり)

帰宅途中でホームセンターにより敷き布団カバーを買い 部屋でセットして 寝ころんだ。

何という快感 新しい敷き布団に体を預けると ゆっくり体が沈む気分だ。このペッタンコの敷き布団も四年間 良く頑張ってくれた。

その夜は、言うまでもなく熟睡し 気分爽快朝を迎える。 ボーナスのおかげで 兎に角 機嫌が良かった。

残業を頼まれても 断らず いや~な人にも、自ら積極的に挨拶をする。

この週は、土曜日の忘年会まで 時間の経過が早く時間にまったくのゆとりを見いだせなかった。

No.443

土曜日の昼過ぎに事前確認をしたいからと 由美さんから電話。


「こんにちは ゆっくり寝れたかな? 確認の為の連絡ね。時間は夕方の5時から 場所はキミ達が良く行く焼き肉屋さんで良かったよね? 土曜日は何時までドンチャン騒ぎするのかな? その三点を教えて」

忙しかった一週間。土曜日にやるからと それ以外の情報を由美さんに教えていなかった。 明らかに 俺のミス。


「由美さん ごめんね。時間と場所はそれで良いよ。あれだったら俺が迎えに行っても良いけど 結構辺鄙な場所にあるから 公共交通機関なら 少し時間がかかるよ。だから 由美さんのとこ3時半には到着しないといけないかな? それと忘年会自体はコースじゃないから時間制限無し 多分3時間程で終わるかな? その後は・・・ひょっとしたら カラオケに行くのかも? 行ったら帰りは深夜になるかな?どうする由美さん?」


「最近 女子会も無いし 久しぶりに飲みたいから忘年会は、良いとして 辺鄙な場所なら私の車で行くと良いけど 飲酒が・・・」


「それだったら 俺が行きも帰りも運転するよ。俺は、飲まないし食べる専門だから」

その事を伝えると 重荷が降りたからだろう より由美さんの口は滑らかになる。話に夢中になり 時間的に由美さんのとこへ向かわないと あたふたしてしまう。

「由美さんもう2時過ぎだし 今からそちらへ向かう段取りするよ じゃあ後で」

電話を切り 大急ぎでシャワーを浴びる。俺の場合 大急ぎでも15分はかかる。シャワーだけでも 風呂となれば30分はかかっていた。

3年前にバーゲンで買っていたトレーナーとポロシャツ ズボンに着替え 新しく買った靴も この日がデビューだった。

No.444

服を着て由美さんのとこへ向かうのだが、この格好 流行が3年遅れてやってきた感じ。せっかくみんなが集まるのだから ちょっとは良いとこ見せたい 器のちっちゃな男の見栄だった。


これは、自慢じゃ無いが、俺が持っている服 5年超え 10年超えは当たり前 外で切れなくなった袖がボロボロのは部屋着として16年目を迎える(笑)
元々がお洒落に疎く 会社の通勤着も悩むのが嫌だから 毎回同じ物。シーズンが変わろうとも 着ている服の生地が厚くなるか薄くなるか 大した差は無かった。

由美さんが住んでいるマンション 賃貸料いくらなんだろう?
オートロックを外してもらう為に インターホンを鳴らす 扉が開き中に入ると 前回来た時には居なかった受付にじいさんとばあさんが座っていた。

ばあさんが、こんにちはと声をかけ どちらの階にご用ですか?と訪ねる。部屋の番号を告げ向かう。じいさんは、エレベーターに乗っても、俺を見ていた。

エレベーターを降り 再度部屋の前でインターホンを鳴らす

「いらっしゃい 部屋に入って待ってて 3時半に出ないと間に合わないんだよね。大急ぎで支度するから」

「由美さん 由美さん!3時半ってのは、公共交通機関を使った場合だよ。車で直に行くなら30分で済むよ だから時間には余裕があるから 慌てないでいいよ」

彼女が溜息を1つ はいは~いと奥の部屋に消えて行った。
2回目だけど 女性が1人で住んでいるとこに おじゃまする。馴れないなぁ・・・

5分経つと 部屋を見渡すのも飽きてくる。
するといやらしい考えがチラホラと。 ドアの向こう側 由美さんが下着姿何だろうか?想像していたら 如意棒が・・・暴れちゃう?と俺に問いかけて・・・

そんな訳は無いが、興奮したのは事実。15分もしたら 着替えて由美さん登場。

No.445

その登場した姿を見て・・・
本人を目の前にして決して口が裂けても言えないが、その若々しいファッションに驚いた。

大体 冬なのにGジャンって寒くないのだろうか? スカートも、ミニでは無いけど膝が見えている。

ストッキングとそのスカートが、これまた 良くマッチしていて ファッションセンス0の俺にだって 由美さんの姿に好感が持てた。

「お待たせ 内心覗きに来たらどうしようと考えたけど お座りして待っているなんて健気だね。ヨシヨシ はいっ!お手」
俺は、犬じゃないんだから お手なんて言われて・・・危うくするとこだった。時間的に余裕も有り 由美さんのと部屋で雑談。


「由美さん ここに上がって来る時 1回のロビーみたいなとこに じいさんとばあさんが居たよ?前 来た時 居なかったよね?」


「前回来た時には、たまたま夫婦揃って休み。普段は、朝 九時から夕方まで居るよ。管理会社から来ているパートさんだから 心配は無いよ」


ばあさんの方は、ともかく じいさんの鋭い視線が気にはなった。

由美さんと談笑していると近藤から 焼き肉屋到着のメール。予定よりもかなり早い。ここを四時半に出れば 車だから十分に間に合うのに
近藤に急かせられる形でマンションを出る。エレベーターが一階に到着し 扉が開くと じいさんばあさんが、こちらを見ていた。

なるほど 無言の監視を含めての存在か

由美さんが、ばあさんのとこに駆け寄り 何やらゴニョゴニョと話している。内容は、まったく聞こえない。

老夫婦に 行ってきまーす だけは、ちゃんと聞こえた。

No.446

車に乗った俺達2人。 由美さんが運転をして 俺が助手席で道案内 早めに出たのが功を奏して着いた時には、5分前だった。


「浩之 遅いぞ~ もうみんな来てるぜ」

今日の忘年会を楽しみにしていたのは、俺もだが、近藤の張り切りすぎは、何か思惑があってなのだろうか?

店内に入ると ゆきえちゃんが結婚式の二次会で使用した個室に通された。

由美さんが、少しだけ驚いた感じだった。当然だろう 大体のとこが、テーブルで4人~6人 もしくは大部屋。完全に仕切られた個室がある場所は、そこらじゅうにあるとは思えない。

個々が着席し 飲み物を頼む。俺と近藤は、リバースを避けたいから酎ハイすら飲まず ソフトドリンクバー 他は、梅酒や焼酎のお湯割り。 やっぱりと言うか・・・ 由美さんとGREE熟だけは 生大 目の前に置かれたジョッキにまったく抵抗感が無い。

「今日は待ちに待った忘年会 乾杯してから それぞれ自己紹介でも では、かんぱ~い」

大した事では無いが、とりあえず俺の大役は終わった(笑)

注文した料理が次々にくる。俺と近藤は肉に目が行ってる。しかし、他の面々は由美さんに

初対面の人もいるし興味が湧くのが普通だろう。ゆきえちゃんがいきなり 由美さんへ向けての突破口を開く

「由美さんは、浩之さんとどんな関係なんですかぁ~」

また なんとも返事に困る質問を・・・俺が困惑するのと反対に 由美さんは、楽しんでいた。やがて・・・みんなの視線が俺に集まる自己紹介を由美さんがやった。

No.447

え~ あ~~あ~ んっ んっ(由美さん喉の調子を整える)

「私と浩之さんは、同じ会社の先輩後輩になります。2人共 朝早く出勤するから 食堂で楽しい一時を過ごす間柄です。ある時 お酒の勢いで そのまま抱かれ それ以来の彼氏彼女です。これからも宜しくお願いしま~す」

みんな手を叩いて盛り上がるが、近藤だけは違う意味で笑ってた。

「浩之 熟仲間おめでとう なんだかんだと言っても 由美さんとちゃっかり やってんじゃん」


このままでは 酔って無抵抗な女性に手を出した ワルオになってしまう。


「ちょっと 由美さん。前半の説明は、その通りだけど エッチはしてないよ。エッチどころかおっぱいすら触ってないよ」
女性陣は、皆 判ってるよと声に出してくれたが、若干一名 必要以上に食いついてくるコバンザメがいた。
その名を近藤!

「おっぱい触ってなくても パンツの中に手は入れたんだよな? それとも何かい まったく何にも無いのに 由美さんがあんな自己紹介をしたと? その辺 はっきりさせ様じゃないか」


その何にも無いのか?は 流石にキスの件があるから まったくの否定が出来ないけど その場をどう切り抜けようと考えていたら 見る見るタンやロースが運ばれてくる

「近藤 肉だ 肉がくるぞ。ここで 俺達の存在価値を出さないと 男としてのメンツが立たないぞ」

俺自身 何を言ってるのか意味が判らない。
それでも 肉を目の前にした近藤 先程 自分が発言した事を忘れ 食べに食べまくる。

ゆきえちゃんと博子ちゃん GREE熟と由美さんが、会話に花を咲かせ 俺達2人は指命を受けた戦士の如く 次々と肉を平らげていった。

No.448

人間は、自分が触れて欲しくない話題は、敏感に反応したり 意図的に無視したりする。

今夜の俺は、敏感の方だった。ゆきえちゃんや博子ちゃん GREE熟が由美さんへ 余計な話題を持って行かないか注意していた。

それなのに まさか由美さんからGREE熟へエサを撒く事をするなんて

「近藤さんと彼女さんの話 何回か聞いてるんですよ。素敵なカップルだなぁって」

「由美さんと浩之さんだって 良い雰囲気ですよ。もう どんなきっかけで 付き合う様になったのですか?」


ここまでの会話は、耳に聞こえていた。肝心なとこで2人ヒソヒソと また会話が聞こえたと思えば

「近藤さんも浩之さんも 良いコンビ 且つスケベよね~」

GREE熟の一言にカルビクッパを喉に詰まらせそうになった。
トイレに行った時 何時もの癖で携帯を見ると『非通知着信』つい30分前に 誰からだろう? その時は、まったく心当たりが無かったし 今日の楽しい忘年会あったから 気にもならなかった。

部屋に戻ると女性陣4人で 何の話題なのか?盛り上がる中 食べ過ぎた近藤が、ダウン状態。時間も頃合いなのでPM20:30に解散となる。

店を出て 博子ちゃんとゆきえちゃんは一緒に帰ったが、GREE熟からカラオケに行こうと誘い。

どうしようかと悩んでまだ答えを出してないうちに 由美さんが、絶対に行きますと・・・この2人 妙に意気投合していた。


幸いにも、俺と近藤は酒を飲んでいなかったから それぞれ車でカラオケ店まで運転。それにしても 由美さんのテンションが高い どれだけ飲んだのだろう?

カラオケ店に着いた時 由美さんは、見た目で判るフラフラ GREE熟も近藤の肩に持たれながらの入店。

GREE熟がトイレへ向かい 由美さんはソファーに倒れ込む。その反動でスカートがめくれ パンツが丸見えだった。

No.449

黄色というのか?クリーム色と言うべきか!! 久しぶりに見る 生の太もも&パンツ。興奮したのは、俺だじゃなく近藤もだった。

「良い 凄く良いね。記念に1枚」

スマホを取り出す近藤に 俺が慌てて止めに入る。

「浩之 おまえGREE熟の時パンツを見ただろう 俺にもお裾分けくれよ。大体 焼き肉屋で彼氏じゃ無いって発言したじゃないか 彼氏でも無いのに なぜ止める?」
その通りなんだが、由美さんのパンツを近藤に見られてしまった。更にスマホで撮影しようと・・・どうしても許せなかった。


「近藤 良く聞けよ!実はな! 彼氏なんだよ。由美さんは、俺の彼女 判ったか!判ったならさっさとスマホをポケットに入れろよ 無駄な抵抗するなら GREE熟に言うぞ 盗撮の件忘れて無いよな!」

口からでまかせと言うのは、一端勢いがつくと こんなにも虚勢を張れるのだろうか?

「浩之 そこまで言わなくても 俺は、お前の彼女に手を出したりしないよ。ただ 由美さんの許可が得られるなら お前が撮影した物を見てみたいなぁ」

奴の発言が終わったと同時にGREE熟がトイレから戻ってきた。

「何の話してたの?」

近藤が下を向く やましい時に彼が取る態度。GREE熟が、近藤のお腹をつねる。バレバレってやつか?

ソファーにダウンしていた由美さんが、ガバッと起きて GREE熟にピンクレディを歌おうと言いだした。
普通なら え~となっていいはずなのに 2人共 UFOを歌い出す。それも振り付けで

何十年も前の曲 それなのに2人共ノリノリだった。俺も近藤も ここぞとばかり弾けた。

俺と近藤がKinKi Kidsを歌っていると 由美さんとGREE熟 あれだけ飲んだのに ここで生中をクビっと

飲み比べでは、絶対に勝てない。それを悟った土曜日の夜

No.450

夕方5時から始まった忘年会 二次会のカラオケも眠りを誘う時間に

「楽しかった~ また来年も忘年会したいね。 明日は日曜日とはいえ ここらでおひらきにしましょう」

ここに来て3時間も経つのか・・・
近藤達と別れ 俺の運転で由美さんのマンションまで送った。

送ったまでは 良かったが、問題はどうやって俺が帰ればいいのか? 電車もバスもとっくに終わっている。

悩んでいても 今はとにかく 由美さんを部屋まで 届けないと・・・ こんな時こそ 管理人のじいさん ばあさんの力を貸りたいとこなのに こんな時間じゃすれ違う人すらいなかった。


「由美さん しっかり歩いてよ。 酔いも 覚めかけているかな? まだ まだ?」


「らいじょうぶ~~~ 普通に歩けるから」

明らかに 足下がふらついている。くそ力を出し 由美さんの部屋の中まで 着いた時には、さすがに 俺もフラフラだった。


予定外のお姫様抱っこで送れと 由美さんをソファーに座らせると 即座に水頂戴と ドラマや映画で こんなシーンは良く見るが、本当にあるんだなぁ・・・

水を飲み30分程した時 まったくでは無いが、ある程度酔いが覚めてきたのが分かった。

「由美さん 車貸してくれない? でないと帰れないし 明日の昼には、戻しにこれるから お願い」

「ムフフフッ ダメ~ 車なんか貸さない 此処に泊まっていけばいいじゃん。だってさ~私の彼氏なんだも~ん」

「由美さん 何言ってるの? 告白なんてなかったじゃない 何時告白した?」


そう肝心なのは お互いに恋人同士と認識する事。どちらか一方の思いれだけではなく

「今 少し酔っているからとか 関係なしだよ。私が、焼き肉屋で彼氏ですと言った。 キミは、カラオケやで由美さんは俺の彼女だと言った。成立でしょう? それに私のパンツまで見ちゃって 責任取ってよ~」

No.451

うわ~ カラオケ屋で近藤との会話聞かれていたんだ。言い逃れするつもりは無いけど・・・ こんな形での交際って有りなのか?

「由美さん 聞こえていたんだ! まいったなぁ あれは・・・あの場合は・・・ 」

「キミさ 正直に答えて ダメなら諦めるから。 私の事嫌い? 女として見れない? 私は、去年キミと連絡を取る様になって ずっと気になったよ。だけど キミは、彼女が居たし 私が告白しても 本気にとって貰えないと 自我を抑えていたんだよ。彼女と別れ フリーになったキミにその気があるんだよと 動作したのに ちっとも気が付いてくれなくて 私 誰よりもあなたが好き こんなおばちゃんだけど 真剣に交際して欲しい」

ひょうきんな由美さんが 何時になく目にやや涙を溜めて 俺に訴えていた。
プリンちゃんと別れ ずっと支えて来てくれたのは、由美さんだと その事は紛れもない事実。声にこそ出さないが 俺だって由美さんの事・・・ 好きなんだと

「由美さん 本当に俺で良いの? 知ってるよね?俺の事 かなり喋ったから 理由はどうであれ 過去に不倫してたんだよ! 付き合っていた彼女から 生活費借りていたんだよ!クレジットカードすら持てない身なんだよ! 付き合いだしてから やっぱりごめんなさいなら 俺は、今のままの方が良い。だって 俺は、由美さんを失いたくないから もう1人は嫌なんだ。プリンちゃんと別れた時 発狂しそうになった もう人生どうにでもなれって」

もらい泣きなのだろう 俺も目から涙がこぼれていた。

「私は、全部受け止めるよ。キミの全てを受け止める。だから こんな私で良かった 付き合って・・・くだ・・・さい」

由美さんが、俺に接近したと思ったら そのまま口づけを これが2度目のキス。
12月14日の夜 俺達の交際がスタートした瞬間だった。

No.452

付き合う事になったのだから キスされた事を前の様に バレない気遣いをする事が無くなった。心の負担が軽くはなるが、1つだけ 会社での振る舞いには お互い注意しようと話し合った。

「由美さん 泊まる件は、やっぱりヤバいよ。由美さんの事 襲ってしまいそう キスされた時 久しぶりだったから 即座に反応してしまい だから車貸して」

「今日 何がなんでも挿入したい? 口や手とかじゃダメ? 恥ずかしい話だけど異性と20年近く性行為が無いから ほとんど処女と変わらないと思うのね。だから ゆっくりと時間がある時に出来たらと思うんだけど・・・」

「由美さん それって 入れるのは我慢して でも、私へのボディタッチはOKだよって事なのかな?」

由美さんは、はにかみながら頷く。今日は、彼女の気持ちを大切にしたい だからキスだけに集中した。

俺が我慢しているのを悟った由美さん

「やっぱり 口か手でだそうか?辛いでしょう? 良いよ 私の胸や他を触っても」

彼女の言葉に流され キスをしながらお尻を鷲掴みに ゆっくりと揉んだ。

「由美さん 舌を少し出してみて ゆっくりと絡めてみよう」
由美さんは、恐る恐る舌を出し 俺が先に絡めると 彼女もリミッターが外れたのか?激しくキスを求めてきた。

上とスカートを脱ぐと ブラジャーとパンツ ストッキング姿の由美さんが目の前に立っていた。

ブラジャーを外した由美さんの胸が、直に俺の体に当たる。ストッキングの上から指で由美さんの秘部を刺激すると 悩ましい声が聞こえる。


十分な愛撫をしたつもりで 秘部の中に指を入れると 由美さんが、やや苦悶の表情を浮かべた。


やはり 痛みがあるのか?濡れ具合もイマイチ

「由美さん 今日は、ここまでにして 次の楽しみにって事にしよう」

彼女は黙って笑みを浮かべた。

No.453

「浩之さん 1つお願いがあるの・・・女性なら腕枕を1度はして貰いたいと思うの だから私も例外にもれず 腕枕して欲しい」

忘年会があった日 俺と由美さんには大切な 一歩を踏み出した。 朝(正確には11時近く)起きた時 キッチンで料理する 由美さんの姿があった。

それを眺めながら 『良いもんだなぁ この光景』 そんな事が頭に浮かんでいた。

「おはよう 腕痛くなかった?途中トイレで起きたから 後は普通に寝たよ。 キミが横にいると 本当に安心できる。 ごはん出来てるよ。食べよう」

自分が愛する人に おはようと声をかけられ 尚且つ朝食が出来ている。どれだけ幸せな光景だろう

由美さんの微笑みながら スクランブルエッグを食べているのを見た時 ひょっとして由美さんも同じなのかな? なんて思ったりして

サラダを食べている最中 近藤から電話が鳴った。


「浩之 昨日は楽しかったな デジカメで撮影したのプリントするから 由美さんにも要るか昼にでも連絡取ってくれないか?」


「おぅ 楽しかったな! あの後無事に帰れたかい? 由美さんに聞くんだな ちょっと待ってくれ聞いてみる」


「浩之 焦らなくていいよ メールか電話 昼にすればさ」


「焦ってないよ 目の前にいるから すぐ聞けるよ」


・・・・・・・・ 近藤の思考回路が止まった。 彼は、今どんな答えを出そうとしているのだろうか?

「浩之・・・ 目の前に居るってのは・・・ つまり・・・そのまま お泊まりしたって事か? なぁ?」


「近藤くん ファイナルアンサー?」

「もちろん ファイナルアンサー」


「近藤くん 大正解 次会った時に賞金の20円をあげるよ。じゃあ そう言う事で」

携帯を耳元から離すと 近藤のわめき声が聞こえる。

「待て待て お~い 浩之!感じな事があるだろう! 由美さんと良い事したのか?」

相変わらず下郎ぶり

No.454

「近藤 一つだけ正確な事を伝える。そこからは妄想を膨らませろ。お前が、カラオケ屋で指摘した時 本当は、まだ彼氏彼女の間じゃなかった。カラオケ屋でお前と別れ 由美さんのマンションまで送った。そこで 色々あって 俺が由美さんのマンションにそのまま泊まり 今 2人で朝食って訳だ」

この流れだけは、飲み込みが早かった。

「生か?コンドーム使ったのか? 色々ってとこが肝心なんだろう そこを教えないと 肉の入って無い 肉まんみたいな物じゃないか!」

例えが、良く分からんが、そこそこ理解してくれたのなら それでいい。多分 近藤経由で ゆきえちゃんや博子ちゃんに伝わるだろう。

「朝から けたたましいね。近藤さん エッチ系になるとテンションが上がるよね。だけど 近藤さんの彼女がしっかりとコントロールして感が伝わる」

由美さんの相変わらずの洞察力には頭が下がる。この人と一緒になったら 俺も、コントロールされたりして・・・

帰り際 恋人同士になった事を実感させるある物があった。

キスだった。最初に軽く 回数を増えていくにつれ 激しさを増し 昔見たAVと似ているのを思い出した。

月曜日に出社しても 今までと変わりなく 他人に気づかれる事なく仕事をこなしていたのに 由美さんのイタズラの虫が時折ドキッとさせられる。

俺が資料室に居ると どこで嗅ぎつけてきたのか?彼女もやってくる。

如何にも、仕事をしに来ましたとばかり 資料を探すふりをして 俺にボディタッチをしてくる。男が女にしかけるケースは、聞く話だが、女からお色気攻撃をするなんて けっして迷惑じゃないけど ちょっぴりドキドキの日が続く。

No.455

12月中旬 あと2日で三連休って時にゴタゴタが起きてしまった。

由美さんのリクエストで返事が無くても良いから おはようのメールをしたいと

付き合って以来 メールしない日は無かった。早朝に来るメールにも、心を込めて返信する。
昼過ぎに携帯を見ると また『非通知着信』 先週末といい 誰かまったく予測がつかない。由美さんや近藤が、こんな感じのイタズラをした事も無く 疑念が勝手に一人歩きしていた。

そして それが誰だったのか・・・ 夕方に判明する。勤務を終えバスの中でバイブが鳴る。携帯のバイブ着信なんてしてなかったのに どこかを触り知らない内に設定したのか?

そんな事を思いながら ランプがチカチカしている携帯を見つめた。
Eメール1件 メールフォルダーを見れば そこには、プリンちゃん1の記載がある。

内心やったぁ もしくは嬉しい等は無く なぜ今更?が先行していた。その場で読まず 帰宅してメールを開くのだが・・・


「浩之さん 元気でしたか?別れた後どうしてましたか?私は、他の人と付き合ったけどダメでした。私には、やっぱり浩之さんしかいないんだと 改めて思いました。もう1回 私と付き合ってくれませんか?」


メールを読み終えると同時に溜め息しかでない 俺が、由美さんと付き合う前だったとしても 俺の返事は、きっぱりと断っていたと思う。

問題は、この件を由美さんに言うべきか!! それとも黙っているべきか・・・返信しないまま三連休前日の金曜日に事はおきてしまった。

仕事が終わり 俺は、そのまま由美さんと一緒に彼女のマンションへ向かう これから修羅場が待っているとも知らずに・・・

No.456

マンション近くの中華料理店で腹を満たし コンビニで買い物して部屋の中に入ったら すでに20時を過ぎていた。

今夜は、最初から泊まるつもりで着替えを持ってきたのだけど 恋人同士となって 肉体関係になるのが、早すぎ?

その事だけが気にかかっていた。由美さんの好意で先に 風呂へ入り その後由美さんも風呂から上がってきた。


普段があまり 化粧をしていないから すっぴんと差ほど変わらず だけどお色気は割り増し。


「浩之さん 何だか不思議な感じね。何時もだと1人で食事して テレビを見て 面白くない週末を迎えていたのに キミが側に居るだけで生活に張りが出てくるよ」


「由美さん 俺も同じだよ。金曜日の深夜までテレビ見て 土曜日は遅く起きて それが会いたい時に会える 時間の制限を受けない。待ち望んでいたよ」

気分も盛り上がっていたとこにプリンちゃんからのメール着信。


思わず『プリンちゃん』と声に出してしまった!! 同時に由美さんの顔が曇る。


「浩之さん まだ プリンちゃんと連絡取ってたの? どういう事なの?」

どういう事かは、俺が聞きたいよ。プリンちゃんのメールを見ようとしているのに 由美さん 声のトーンが高くなる。

もう 何が何だか訳が判らない。


「浩之さん 私と本気だったんだよね? 信じて良かったんだよね?」

当然だ 今の俺は由美さんだけを愛している。本人を目の前にして なかなか声には出せないが・・・

プリンちゃんからのメールは、今から電話するね だった。

もうパニックだった。心の準備なんて まったく無い。

No.457

なんとか落ち着きを取り戻そうと踏ん張ってみたが、由美さんの顔つきが、今まで見た事が無い顔になっている。


携帯が部屋中にけたたましく鳴る。テーブルに置いてある携帯を呆然と眺めていた。

放置していると伝言に切り替わり 一時の安堵感が漂うが!! すぐにまた着信音が・・・


「浩之さん 今から私が言う事に答えて 正直に答えて 私の事心から好き? 愛している?将来 一緒になりたい そのくらい真剣?」


「由美さん、実は数日前に プリンちゃんからメールが来ていた。困惑していたし 下手に返信するとまたメールが来ると思い放置していたんだ。その事を伝えていなかった事は謝る。それとこないだからの 非通知着信はどうも プリンちゃんの様な気がする。質問の答え 全てYESだよ。プリンちゃんへの思いは完全に断ち切れているから 由美さんと付き合っているんだ。由美さんと一緒になりたい気持ちも強い。絶対に信じて欲しい この気持ちに嘘偽りは無いから」

「浩之さん じゃあ 私に任せて まずは電話に出てみて」

携帯を握り直しボタンを押す。

「浩之さん 久しぶり元気にしてた?メールの返事が来ないから 突撃電話をしちゃいました」


まだ、3ヶ月ちょっと前なのに プリンちゃんの声を聞くのは、随分昔の感じがした。

「非通知でかけて来たのは、プリンちゃんなの?」


「うん なかなか勇気が出なくて それよりも交際の返事は?」


女性や男性 気持ちの切り替え その人の性格による所が大半を占めているのだろうが、前の彼氏がダメだったから では次。 こんなにも割り切れるものなのだろうか?


「プリンちゃん 交際って・・・」

その言葉を発した時に 由美さんが、俺から携帯を強奪した。

No.458

「あなたね!自らメールも電話も拒否して 良くもまぁ 恥ずかしく無く連絡なんか取ってこれますね! 主人にちょっかいかけるの 止めて頂戴。2度と連絡して来ないで」


『切る』のボタンを押して にっこり笑いながら携帯を俺に返す。
圧巻だった。一方的に言いたい事を話す。相手の言い分は聞かない

先に我に返ったのは由美さん。

「ご ごめんね。なんか差し出がましい事をして・・・主人って 言っちゃった・・・」

「由美さん 俺が、きっちり対応していれば 由美さんに嫌な思いさせなくて済んだのに ごめんね」

これから先 プリンちゃんの突撃は予測出来ないが、目の前の嵐は過ぎ去った。盛り上がっていたムードも削がれ


とてもでは無いが、性行為なん気分にはなれない

「由美さん 今夜 ある程度の予感はあったよね?俺も、そのつもりだったんだ。月曜日まで3連休だし 時間もたっぷりあるから 今夜はどうかな?って」


「私も、浩之さんと考えが同じだよ。元彼女に勢いのまま電話したけど 興醒めしちゃったのか? 三連休の内のどれかに結ばれたらいいかなぁ・・・」

俺も、由美さんもやる気マンマンだった。それが、ハプニングで無くなったけど 焦らずじっくりと行こう そんな話で締めくくり 夜は、『フレンズもののけ島のナキ』を見ながら 就寝を迎え ベッドで体を寄せ合いながら寝た。

その朝 ファミレスで朝食を取り 俺はそのまま帰宅。本音を言えば エッチ出来なくて悶々としていた。


帰宅してテレビを見ていると 旅番組の中に激安丼ものが放映され 無性に食べたくなるが、叶わない願いを余所に テレビに釘付けにされてしまう。

No.459

空腹をコンビニで買ったおにぎりとカップ麺でごまかすが、テレビに出てきた 料理の鮮やかじゃには 到底勝てない。

テレビを見ていた時に 由美さんから電話が入る(最初は電話が苦手と言っていたはずなのに・・・)


「浩之さん 今ね 私テレビを見ていたの そこに出て来た料理が美味しそうで 絶対に食べたいと思って 隣の県だけど ちょっと行ってみない?今から行けば 夕方前には着くと思うから どう?」

「多分 同じテレビを見てたんだね。あの海鮮丼 美味しそうだったし ステーキ丼も食べてみたい 由美さん あちらでビジネスホテルでも探して 泊まりがけってのは・・・甘いかな?」


「いいわよ 今そちらに向かうから一泊の用意して待ってて そちらに着いたら運転は代わってね。キミと比べたら 明らかに下手だから」

仕切り直し 金曜の夜リターンズ。由美さんと車に乗ったら 携帯の電源を落とさないと 楽しい一泊旅行が台無しになる」

記憶していた店名と大体の場所を携帯ナビに入れると すぐにヒットした。夜の八時まで 休みが日・祝日

今日が、土曜日で良かった。12月と言う月 何かと縁があるけど 相性がいいのかも?

下着 靴下 スウェットのズボンをバッグに詰め込むと 10分もしないのに由美さんからの到着メール。


「朝まで ずっと一緒だったのに また会えると嬉しくなるよ。この初々しさ 長く持続して欲しい 電話した時 まさか同じテレビを見ていたなんて 思わなかったから 少しだけびっくりしたよ」


「携帯ナビで調べてるから 由美さん助手席で寝てても良いよ。着いたら起こすから」


「そんな勿体無い事しないよ。キミが運転してくれるんだから 安心して外の景色を楽しむよ」


多少の渋滞も 2人で会話をしていれば気も紛れ 全く苦痛すらならなかった。

No.460

俺は廃車にして以来 数年車を持たなかった。別に必要とも思わなかったし 不便な場所に住んでないから 公共交通機関で賄える。

ただ 遠出をした時には、やはり車の有り難さを十分に知っていたから これから先 自分の生活をしっかりと確率して ゆとりが出来たら 中古車なら買ってもいいかな?(かなり先になるだろうけど)


まだ開店30分前なのに もう行列が出来ている。俺達も、車を停めて 並んだ。順番的には、前の方だし 待つ 座れない なんて事はなさそうだ。

「由美さん 来たね。あぁ 海鮮丼が待ち遠しいよ ステーキ丼を併せて食べても1300円 絶対に得だよね」


「キミの食に対しての探求心 驚くばかりだよ。でも まさか同じ番組を見て 2人共 食をそそられるなんて思いもしなかった。私が、言い出した事なのに ガソリン代や高速代 半分出してくれるなんて 何処までも律儀なんだね」
店内に入ると 驚く程広い。注文をする時に その店ならではの 暗黙の了解があるみたいだった。

それは、着席と同時に注文する。テーブルに座って ゆっくりと考えるのでは無く 前もって何を食べるのか決めておき それを注文する。

この事により 無駄なロスタイムを無くし 客の回転率をあげるそうだ。

「俺は、帆立と生エビの丼 それとステーキ丼 由美さんは何にするの?」


「私は、テレビを見た時から 絶対にマグロ丼 これが、たった650円で食べれるなんて幸せ 味噌汁も付いてくるんだから 絶対にお得だよね」

周りを見れば 会話をせず 一心不乱に黙々と食べてる人ばかり 食べ終わるとサッと席を立ち 店員が即座に片付ける。


安くて 高回転率だからこそ 人気があるのだろう。

No.461

俺達2人も、他を見習い食べる事に集中 車に戻ってから 2人で声をあわせ『美味しかったね』を連発。

まだ夕方6時にもなってない 先に宿泊先を確保しようと携帯で探すが、なぜか 満室のとこばかり

「あっ!浩之さん 肝心な事を忘れてたよ。今日から三連休 観光ホテルもビジネスホテルも 随分前から予約でいっぱいだったんじゃないのかな?」

食べる事を第一考えていたから・・・失態であった。店から車を飛ばし 駅周辺や繁華街のホテルを探して見ても全滅だった。せっかく一泊の用意までしてきたのに

そんな愚痴を言い掛けた俺だったが、一つ閃いた。


「由美さん ある思いつきが頭に浮かんだよ。ホテルさ・・・ラブホじゃダメかな? 普通のホテルは予約とかで直ぐに埋まるだろうけど ラブホって その建物に行ってみないと判らないよね? もちろん 地元じゃないから この場所のどこにラブホがあるのか探す必要があるけどさ」


由美さんのおばちゃん笑いが久しぶりに出た。手を前に出し 叩きながら笑う

「それ良いよね。うん ラブホなんて微かに記憶にあるくらい まだ昭和だったかな? 平成になってからは、未体験だったと思う。ラブホ ラブホにしよう」


絶対に探すを心に決め コンビニで食料とドリンクを買い 藁をもすがる思いでラブホを探した。


ところが、県外者だから なかなかピンポイントで見つからない 焦りもあったけど 助手席に座っていた由美さんが、端に停めてと言い残し 前方にいる女性めがけ 猛ダッシュをする。


俺は、てっきり知っている人かな?と思ったが、息を切らして戻って来た由美さんの一言に爆笑した。


「浩之さん あの先に高速道路が見えているよね? あその信号を左 直ぐに右へ曲がれば ラブホが5、6件あるみたい さっきの女性に聞いたから」

由美さんの行動力に感謝だ。

No.462

指示通りに運転すれば確かに 普通では無い建物(笑)が並んでいた。


「もう 間もなく21時 知らない県にやってきて なんか冒険心がくすぐられるよね。浩之さん そう思わない?」

由美さんの本質は、楽観主義かな?俺は、泊まるとこがあるのか不安だったけど


3件目までは、満室だった 4件目のラブホ・・・少し入るのにためらう外見。由美さんも、同じだったのだろう お互いに顔を見合わせ パッと見 ラブホとは判らない 作りのとこに希望を託した。

「由美さん ルーム案内 壁のランプが消えているから満室だね。さっきのとこに戻ろうか?車の中で夜を明かすよりはマシだと思うけど」
仕方ないと引き返した時 中から1台の車が出てきた。もしかして!限りなく0に近い光に 俺は引き返す。

「由美さん ちょっと待ってて 俺 聞いてくるから」

車から颯爽?と降りた。そして受付で確認すると!!! 清掃時間があるから30分程度かかる それからで良いならと 返事をもらい 由美さんの元へ

「由美さん なんとかなりそう 清掃すらから 待って欲しいって 寝床とったど~」

よゐこ濱口の真似をすれば、由美さんもとったど~を口にする。愉快な人だ。
プリンちゃんと帰省先で泊まったラブホ その時は怒りたくなる金額だったが、ここは近くに複数のラブホがあり競争も激しいのだろう 平日の1.5倍 1万ちょっとで俺にしてみれば 良心的な金額に思えた。

「やれやれだね。今時の作りは こんな風になってるんだね。 回転ベッドとか無いのかな?」


「由美さん 何時の時代の話? 探せばどこかにあるかもしれないけど 普通に回転ベッドなんて無いと思うよ」


2人で声を合わせて笑う。会話が途切れると 改めて お互いを意識し始める。

No.463

静まりかえる室内。俺は、童貞では無いが、この展開に どう対処して良いのか・・・ だけど俺がリードしないと

緊張を解く為にも まずテレビを付け ソファに座り直す。2人用のソファ 俺の横を 由美さんここにおいでとばかりに ポンポンと叩き 彼女もやってくる。

「由美さん 昨日からハプニング続きで 今日も行き当たりばったりのとこがあったけど 由美さんと一緒にいると 時間が早く過ぎて行ったよ。今夜 また1つ思い出ができるね」

由美さんはニッコリとするだけ 多くを語らずとも今の気持ちは、知っているでしょう? そんなとこだろう


優しく肩を抱き寄せると そのまま体を俺に預ける。少しの時間そのままの状態で・・・やがて『グゥ~』 不覚にもいびきをかいて 居眠り


これには、せっかくのムードもぶち壊し。由美さんは、大笑いするし 俺は面目ない恥ずかしさから慌てて言い訳をする。

「そっかそっか 高速道路もずっと運転しているのだから そりゃあ疲れよね。このまま 何もせずゆっくりと朝まで寝た方が良いのかな?」


笑いながら立つとトイレに行ってくるね と言い残し 俺は、呆然としていた。まさかの居眠り ベッドで横になっていたのならまだしも、肩を寄せ合って ムードもへったくれもない。

再び戻って来た彼女の手を取り引き寄せ 仕切り直しの口づけをする。キスをし離す 彼女は照れているのか? 顔を合わせようとしない


「由美さん ちゃんとこっち見てよ」


「恥ずかしいよ キミ 真面目な顔をしてキスするんだもん 前に言ったよね。異性とキスなんて 今年の1月キミとしたのが何十年ぶりかの出来事 でも・・・ 勇気を振り絞って アプローチするからリードしてね」

No.464

ベッドが横にあるのに お互い立ったまま きつく抱き合い キスしては、頬を寄せ合う。それは、長年出会う事を夢みた2人 そんな感じだった。

トレーナーの上から由美さんの胸を優しく揉む。ンッと悩ましい声が発せられ 上半身を裸にすると 由美さんの胸が俺の視界に飛び込む。


軽く右胸を吸うと段々乳首が固くなって 徐々に由美さんの興奮度は上昇 後ろに回り中指と薬指の間に乳首を挟み ゆっくりゆっくりと 快楽を与える。

口や手でやってもらわずとも 如意棒が久しぶりの出番を待機するが、俺は、心の中で落ち着け まだお前は早いと諭す。

キスをしながら 由美さんの下着の中に手を入れ もじゃもじゃをかき分けながら指を滑らそうとしたその時


「浩之さん さっきトイレ行ったから汚いよ。先にお風呂に入らせて欲しい あれだった私が先に 後から浩之さんが入って来てもいいからさ お願い」

恥ずかしい思いがあるのは、誰しも同じ。時間はまだまだある 由美さんと初めて交わる。だからこそ 彼女の機嫌を損ねたくは無い。

「由美さん じゃあ少ししてから 俺もそちらに行くね」

数年前 プリンちゃんの時とは違い 落ち着いていた。思えば あの時は、時間を気にしながらの性行為。

由美さんとは、同じ会社で隣の区にすむ 言い換えれば、会いたい時には、何時でも会えた。

由美さんが入浴中に 俺は部屋の中を見渡し スロットや下着やローション、大人のオモチャが売っている自販機を見ながら苦笑した。

コンドームまで売っている・・・ そこでベッドを改めて見る。2個 ベッドの棚に置いてあった。内心 コンドームを自販機で買わないといけないのか? 小心者の俺自身に笑いが出てしまった。

服を脱いで 浴場に行くと 丁度由美さんが髪を洗い終わって俺は軽くシャワーで体を流し 浴槽に入った。
「由美さんの体って 綺麗だよね。出てるとこは出て 腰はくびれて どうやったら維持できるの?」

No.465

スポンジタオルで足を洗う 由美さんを見ながら素朴な疑問をぶつけた。


「美容って事に限れば 食べる時間や時間帯 ビタミンや炭水化物のバランスに気をつけてるよ。月に数回弾ける時があるけどね それが今日であったり 女子会やこないだの忘年会だったり」


由美さんが体を洗いながら 俺の前で普通に話す。数ヶ月前には予想すら出来なかった光景が 今、目の前にあった。


アソコと胸を恥ずかしそうに隠しながら浴槽に入ってくる。彼女が膝を伸ばした上に跨って 俺の肩に両手を乗せ そのまま顔を近づけてキスをする。

如意棒がまだか!まだか! そろそろ出番だろう?とフル勃起 俺の指が由美さんの秘部を触る。


風呂の中に入っていても、彼女秘部から蜜が出てきているのが分かる。わざと由美さんの前にその指を出してみて

「由美さん これ凄いね ネチャッとしているよ ほら 由美さんのそこから」

そこへ浴槽のお湯をすくって 俺の指にかける

「もぅ~ エッチなんだから それを見せられたら恥ずかしいでしょう キミだって下半身ガチガチじゃない ニギってしてあげるよ」

言うが早いか 由美さんの手が如意棒に伸びた。すると 由美さん 慌てて手を引っ込め

「なんか ちょっと見た事も無い 物体に手が触れたんだけど・・・」

由美さんより先に湯船に浸かっていた俺は、暑さに我慢出来ず


「由美さん 厚いから ここから出るよ 体洗うから先に上がってていいよ」

その言葉を言うと 湯船から立ち上がる。由美さんはしゃがんだままであったから 俺が立ち上がると 由美さんの丁度顔辺りに 如意棒が現れ『ごきげんさ~ん』と挨拶。


由美さんは、如意棒に釘付け 焦点が如意棒から離れず 次に出てききた言葉が びっくりしただった。

No.466

浴槽から出た 俺が、体を洗い始めると 由美さんが洗ってあげると その洗い方自分の体にボディシャンプーをつけ 体をこすりつける。

彼女は、手にシャンプーを乗せ 如意棒を上下に動かす。気持ちよすぎる ヤバい(≧∇≦)

このままでは、発射してしまう。何か別の事を考えて 射精を遅らせないと こんな事で出してしまうのは、勿体ない。


「ゆ 由美さん ちょっとストップ でちゃうでちゃう。普通に背中洗って それでベッドの上で楽しもうよ」

面白がって止めない 由美さんをなんとか説得し お風呂タイムを無事に?終えた。

互いに着替え 俺は持参した物 由美さんはホテルにある物を着る。これから その行為をしようかって時に 改めて着衣する必要も無いと言えば無いが・・・


ベッドの上でちょこんと正座をしている由美さんの元へ フライングボディアタックと ややふざけて近寄る。


「きゃあ もうプロレス技をするなら 私だってくすぐりの刑をしちゃうよ」

もつれながらベッドの上でいちゃつく2人。俺は、由美さんの耳元から首にキスをした。そして そのまま舌を絡ませながら 同時に胸を揉む。


彼女の スローペースな喘ぎ声がやがて激しくなる。指で由美さんの秘部をゆっくゆっくり 優しく触る。ワレメを丁寧に 上から下に 下から上に 次第に蜜は中だけではなく 外にまで溢れてきた。
そこに口を付け 下をで刺激を与える。由美さんは体をねじる。やめて~と口では言うが、両手は、俺の頭を掴み 自分の秘部に押しつける。


下を高速に出し入れ そして吸いつく 由美さんは1回目の絶頂を迎えた。

「浩之さん 電気が体中を走るよ。恥ずかしい声がたくさん出て 私 エッチになってしまうよ。今度は私がしてあげる」

俺の如意棒を手でしごきはじめる。馴れてないのだろう やや力任せ 由美さんに包み込む感じで握る 強弱をつけて動かす この事を教えた。

No.467

回数なんて覚えてないが、由美さんの手が上下運動をしているのだが、射精の気配が無い

「ん~~ よしっ!」

その言葉の後に 由美さんが如意棒を口にした。虚を突かれた形になったけれど 口にくわえて目を瞑って一生懸命な彼女を見ていると 実に健気。

ぎこちなさが、かえって俺にとっては良かったのだろう ヤバいと感じる前に出してしまった。


急いでティッシュを手に取り 由美さんに渡す。


「やった~ 全然気持ちよくないの? 射精しないから どうしようか?と思ったよ。下手は下手なりに キミに気持ちよくなって欲しくてさ」


由美さんの頭を優しく撫でながら 数分回復の時を待った。それから お互いの性器を舐めあい 如意棒が復活した時に 無言で由美さんをみつめた。


「由美さん いよいよ繋がるよ。痛かったら言ってね 時間をかけてゆっくり挿入するから」

由美さんは、無言のまま うんと頷き 再度 彼女の性器を刺激する。 正常位で由美さんの秘部に如意棒を そっと当てる。それを秘部に擦り付けると『あっ あ~ん』を連呼する。


時間をかけ ゆっくりと先端部分までは すんなりと入ったが、そこからは 抜いては入れてを繰り返し やっと三分の二ほど入れる事に成功。

更に時間をかけ 全部入った時には メリメリと何かが剥がれ 割けている感覚があった。

全部 挿入した時に 由美さんは、フ~~っと一呼吸。

「由美さん きついかな? 暫く休憩してからやる?」


「浩之さん このままで良い。やっと繋がれたね。ゆっくりなら動いても大丈夫だから ゆっくりね!」

俺は、抜く時にはサッと 入れる時にはジワジワ~っとを心がけ それを続けた。秘部から蜜が溢れた頃を見計らい 普通の動きに変え

結合したままキスをし そして絶頂を迎える。
少しの間 抱き合ったまま喜びを噛みしめ 再度 彼女の顔を見れば その瞳は潤んでいた。

No.468

一戦を終えた 俺達は、スマステを見ながら コンビニで買ってきたサンドイッチやおにぎりを食べた。 由美さんが突然口移しに カフェオーレを 飲ませてきた。それをすんなりと受け入れる俺


「女として目覚めたね。スキン もう1個あるけど 使っちゃう?」


「由美さん さっき2回出したんだよ? もう少し待って欲しいな 何時間かすれば 何とかなると思うから・・・」

その会話が終わると どちらからともなく笑い出す。

「ねぇ パンチラの話、覚えている?キミが、欲しい欲しいを連呼してた時 私が彼女になったら 撮らせてあげるって 言ったよね。柄パンで色気無いかもしれないけどさ」


携帯をさっそく手に持ち ベッドの上でポーズを取る彼女。数枚撮影したが、今夜ばかりはパンチラよりも 由美さんの方に気持ちが集中している。

「これは、これで嬉しいけれど 今夜は由美さんと愛し合えた事の方が大切だと思うよ。時間も時間だし 朝まで寝よう」


興奮状態の由美さんは、今しばらくテレビを見ていると 俺は、ベッドに横たわるといつの間にか寝てしまった。


携帯のアラームで起きたが、横に由美さんが寝ている。その寝顔を見ながら 幸せを感じていた。


由美さんの額にそっとキスをする。彼女が、うっすらと目をあけ


「浩之さん おはよう。キミの隣は、とっても居心地が良い ずっと腕を組んで寝ていたいけど 今は何時?チェックアウト大丈夫?」


「おはよう由美さん 今は九時だよ チェックアウトまで まだ数時間あるから 帰り支度はゆっくり出来るよ。ホテルのパンフレットを見たら モーニングがサービスで付いてくるよ。頼もうか?」

ホットコーヒー ゆで卵 サラダにトースト。トッピングは別料金だったが、スーパーで売っている総菜と変わらない値段だった。

No.469

ホテルで用意された軽食を済ませる。ベッドの上でくつろぐ俺にくっついてきた。


「さっきね トイレ行く時に思ったんだけど アソコが変な感じなの まだキミの御神体が入ってるみたいで くすぐったい 物が挟まった そんな感じ」


「感じている時の由美さん 可愛い顔してたよ。体力も回復した事だし 2回戦と行きますか?」


やだ~と 笑いながら俺の肩を叩くが拒否ではなく照れ笑い。抱き寄せてキスをすると 今度は、由美さんの方から舌を絡ませてきた。


「この舌を絡ませてのキスって なんか凄くエッチだよね。普通のキスよりもムラムラって着ちゃう。ひょっとして濡れていたりして・・・」


座って足を延ばした状態だと確認できず M字開脚してもらい パンツの上から触る。ん~?濡れている そんな感じはしないけど・・・


パンツ中に指を入れる。中指は、確かな感触を捉えた。ネチャッとした物が、指に付く。中指をコチョコチョと動かすと 由美さんが眉間をしかめる。


「指をそんな動きされたら 我慢しきれず悶えちゃうよ。でも 止めないで いっぱい指を動かして」


由美さんのリクエストに応え 秘部の中で指を巧みに動かせば 声のトーンが高くなり 蜜が目視できる状態に


俺は、由美さんの下着を脱がし 秘部に口をつけて舌先でクリを刺激した。

「気が変になるよ。キミさえ準備できてるなら 入れて欲しい」


とはいえ 如意棒は七分立ちってとこ やはり由美さんに口でして欲しくお願いした。

昨日よりはコツをつかんだのだろう 試行錯誤しながらのフェラで完全に反り立ち 由美さんの秘部に充て ジュポッジュポッと音を立てながら 中まで挿入。


性行為をしばらく断っていたから やはり入れた時には『キツい』そう感じた。

No.470

まだ完全に馴れてないとは思うが、由美さんも少しずつ腰を動かす。まだ 他の体位を試してはないものの 今は正常位で十分。


俺は首筋にキスをしながら 腰をじっくりと動かした。由美さんは、潤んだ目で俺を見て 気持ちいいと連呼

俺も、誠意を込めて如意棒の出し入れをする。ピストンを早め いきそうになる。その時 何気なくテーブルに目が行き 瞬間的血の気が引いた。

「由美さん ごめん」


「どうしたの?私は気持ちいいよ?全然 悪い気はしないよ どうして謝るの?」


喋りながらも腰は動きを止めない。


「テーブルの上にコンドームがあるよ。由美さんに口でして貰った後 装着するのを忘れてて アッ やばい ちょっと お腹の上に出すね」

抜きかけた時に精子が・・・お腹の上に出したが、ひょっとしたら 中で漏らした可能性もある。


「ありゃ~ まっ しょうがないか! この年齢になると生理不順で閉経に近づいているから 妊娠の可能性は低いと思うけど 万が一・・・」


それは女性なら当然の心配だろう。


「由美さん 気休めになるけど もし! もしも妊娠なんてなったら逃げる事なく 絶対に責任は取るから」


「妊娠は妊娠 これはこれ。私だって スキン着けたか確認しなかったのは、自己責任だから でも、その言葉嬉しいよ。私との事 真剣に考えてくれてるのが判ったから」


ベッドで愛撫しあい 互いの鼓動を感じながら チェックアウトの準備をした。フロントに電話をして鍵を開けてもらおうと 受話器に手を伸ばした時


「浩之さん もう1個 キスしよう それから電話すればいいよ」

後で聞いた話によれば、由美さんは俺とのキス 凄く気に入ってるそうだ。

No.471

22日 3連休の真ん中。支度が完了しラブホを後にする。天気は、良いものの風が冷たく 12月だと実感させる気温に 2人とブルブルッと震えた。


「昨日 ホテルを探し回って考えるゆとりが無かったけど 俺達が住んでいる場所と 同じ感覚で探してはダメだったんだ。食欲に負け 行き当たりばったりだと 怖いなぁ」


「私は、キミがあたふたしているのを見て楽しかったよ。無計画は時と場合によっては、嫌な出来事を引き出すだろうけど」       
睡眠が取れているおかげで 体も軽く頭もスッキリ 由美さんも同様 良く喋る。


「あっ!あの店昨日食べた所!初めて来た時は、なんで こんなに駐車場が広いのかな?と思ったけど 理由があった訳なんだね。また 食べに来たいね。 今度は、私もステーキ丼食べよっと」

独り言なのか?俺に向かって喋っているのか?外を眺めながら口を開く由美さん


高速に乗って SAに寄りそこで昼食とお土産を買った。
連休中もあり そこそこ混雑はしていたが、迷子になるといけない だからと俺の手を握る。

手を繋ぎたいと言えばいいのに そこはやはり・・・ 女性の可愛い部分でもある。


レストランに入ると そこで目にしたのは、猛烈な勢いで食事をする由美さんの姿


「由美さん モーニング2人で取ったじゃん それなのに 食べっぷりが良いね」


カツカレーとシーフードサラダ 地元野菜の天ぷら

そんな俺も、中華丼とざるそばを食べているから 人の事は言えないが・・・

「キミね!! 朝の たったあれだけの物で満たせる訳ないじゃない 今 こうやって食べてる分は 夜を抑え目にするし ウォーキングでなんとかするつもり キミも一緒にウォーキングやるかい?」

俺は、丁重にお断りした。

No.472

高速道路を走り 夕方になる前に地元に帰ってきた。一般道になると由美さんが自ら運転すると申告。


「浩之さん 今夜と明日どうしようか?」


「由美さん どうしようって・・・エッチ? 嬉しいけど 少し休暇が欲しいよ。20代なら ヨシ!今夜もってなるけど」

「性に目覚めたのは確かだよ。でも、違うわよ セックスをする しないは別にして 部屋に来ますか?一緒にいますか?の意味だよ。もう~キミの頭の中を開いて見てみたいよ」


今日 明日は、個々の時間を過ごし 今度は計画を立てて(笑) どこかに行く そんな話をしながら俺が住むコーポまで 送って貰った。

トイレに入り 着替えて30分した頃だろうか? 由美さんからメールが来た。


「運転ご苦労様 それと優しくしてくれて嬉しかった。浩之さんは、気持ち良かった?私で満足出来た? また優しくキスしてくれる日を待ってるからね」

そう こんな感じのやりとりメールをずっと待ちわびてた。

瞬時にリターンメール。それから 結局夜の7時までメールをした。

さて 風呂にでも入ってカレーハウスCoCo壱番屋にでも行こうと段取りしていた時 ドアを叩く音が


覗き穴から見れば 近藤が立っている。別に会う約束はしてなかったが、金曜日から今日の日曜日まで 彼の存在が頭には無かった。

「浩之 お土産持ってきたぞ 赤福やるよ。名古屋のお土産だ」


「赤福って 三重県じゃないのか? あれは名古屋の名産だったのか?」


近藤も首を傾げながら

「でも 名古屋駅に売ってたぞ それより連休中お前は 何にも無しなの?」

俺は、胸を張り 人差し指を横に振り 満面の笑みを浮かべた。

No.473

余裕がある笑みに近藤も眉をひそめる。

「俺の話は後からするとして お前は、名古屋に何をしに行ったの?観光?」

「名古屋は直接関係無いんだ。彼女が、ひこにゃんを見たいと言い出して じゃあ滋賀県まで行こうとなり その帰りに名古屋に寄った。それもな!本を見ていて 味噌煮込みうどが掲載されて それを食べたいからだって テレビや本を見てわざわざ遠出するのも 暇人だよな!」


くそ~ こいつどこかで 由美さんと俺を見ていたのか? しょうがない暇人の話をしてやろう。


「近藤 その暇人の中に俺と彼女も入るんだよ。金曜日 会社が終わって 2人でそのまま 由美さんのマンションに・・・もう その日は、最初から着替えも持ってきていたから 2人共 あれをするつもりだったんだ。 そしたら そこでプリンちゃんから電話がかかってきて 寄りを戻したいって! 由美さんが俺の携帯を取り一喝。時間は、数分だったけど心臓がバクバクだった。それで白けた俺達は、無理にその日じゃなくてもって事になり せっかくの初体験もお預け。そのまま帰宅し テレビでグルメ番組を見て 食べたくなり由美さんと高速を使い行ってきたって訳」


「せっかく期待のエッチが台無しだな プリンちゃんも、何だろうなぁ?GREEやモバゲーで彼氏を見つけるのは自由だけど 見つけた彼氏がダメになったからって元の彼氏に連絡取るかよ! それで何食べたか知らないが、高速まで使って食べに行って 美味かった?」


「安くて美味しかった。ステーキ丼 近藤ならきっと気に入るぜ。俺はどんぶり物2つ食べたけど それでも1500円行かなかったから 由美さんはマクロ丼を食べたよ」


ちらっと近藤を見れば やはり食いつきそうな顔をしていた。

「浩之 俺達親友だよな! 俺にも堪能させてくれよ ちくしょう 味噌煮込みじゃなく 俺もステーキ丼が食べたかった」

そこから 30分 その店の場所や店内情報で盛り上がった。

No.474

「近藤 お前夕飯は食べた?俺 シャワー浴びたら行こうと思っているけど お土産持って来てくれた事だし カレー奢るよ。一緒に行かないか?」


返事は、判っていた。これで食べないなんて 返事が来たら そっちの方が驚く。

20分程 部屋に近藤を待たせ 浴室に向かう。


「なぁ!俺がシャワー浴びている間 1人で赤福食べるなよ」


近藤が赤福に手をかけていたが 笑いながら手を引っ込めた。俺なりに急いだが、やっはり15分も経過していた。


「準備も出来たし 行くか?」


「浩之 何か話忘れているよな? 高速に乗って美味しい物を食べた・・・ 連休中なのに それだけじゃあるまい? そのまま帰ってきたなんて 余程体調が悪くないと 否!むしろ体調が悪ければ余計 宿泊になるはずだが・・・」


「お前 俺がシャワーを浴びている時 そんな事を考えていたのか? まったくエロ系になると テレパシーが使えるのか?カレー屋に着いたらゆっくり話してやるよ」


この時ばかりは、のんびり歩く近藤のスピードがMAXに(笑)

店内は、時間がズレているから 客数もパラパラ 昨日の影響なのだろう?着席すると クリームコロッケカレー400gを店員に告げたら 慌てて端末をポケットからだしていた。


「浩之 いくら何でも早すぎるだろう・・・じゃあ 俺は、ビーフカツカレー チーズトッピングで600g 店員さん びっくりしてるぞ」

昨日食べに行った店の暗黙のルールってのを彼に話した。つい反射的に 言ってしまったが、当然ながら 他店では改めないといけない。


一連の流れを近藤に話すと 興奮しながらカレーを食べる姿が実に滑稽で 鼻の穴を広げ 右手はカレー 顔は俺を凝視していた。


「浩之 良かったな エッチの気持ちよさもだろうけど 一緒に居てくれる人が出来た。お前のお母さんもきっと喜ぶはずだ」


「いや~ まだプリンちゃんと別れた事は教えてないんだ。やっぱり言えなくてな 由美さんもだけど 俺には近藤が居てくれて本当に嬉しいよ」

No.475

年齢的には2個程 俺が上なんだが、出会った20年近く前は敬語だったものの いつの間にかそれもなくなり お互い気のあう存在ではあった。


近藤の近くにいる事で何度も助けられた。これは、きっとこれからも変わらないだろう。

連休が終わり 出社する。早朝に由美さんと社員食堂で楽しい会話 帰宅するとメール ワンパターンだが 俺にとっては十分な日常。

今年の帰省は9月に帰らないと決めていた。それゆえ年末年始は暇で 由美さんと大晦日を一緒に それから正月を迎えたいなど 身勝手極まりない考えがあった(数年前の近藤の行動まんまである)


「由美さん ラストの勤務が終わったね。これからは、正月休みに向けて みんな楽しみが待ってるんだよね。 由美さんは、年末に予定とかあるの?」

短く『うん』だけだった。

「だよね 予定あるよね。へへへ しょうがないよね」


「どうした? ひょっとして 私と一緒に年明けしたかったの? マンションに来る?」


いや~言ってみるものだ。年末 一緒にテレビを見ながら年越しそばを食べて それから・・・ ( ̄∀ ̄)


「ただね・・・母と妹達が来るのよ 毎年恒例と言うのか、大晦日は家族で年越しそばを食べるのが・・・ イチャイチャしたかたったでしょう?ごめんね それでよければ、まったく知らない仲じゃないし 母達も喜ぶと思うよ ぜひ来て欲しい」

イチャイチャって 心の中を読まれてた。
それでも 1人で寂しく年末年始を迎えるよりはと おじゃまする事にした。

No.476

28日の土曜日は、連日の疲れもあり 爆睡状態。由美さんからのおはようメールが来ていた.


それに返信。それが終わると部屋の中で何をする訳でもなく 布団の上で、ボ~ってしていた。

仕事納めが終わると毎年帰省の準備で気持ちはウキウキなのに・・・ プリンちゃんと別れた事は済んだ事だとしても、早々と帰省しない事を決めたのは、やはり不味かったと反省。

ゆきえちゃんや博子ちゃん 近藤達はどんな年末年始を迎えているんだろう?

部屋に居ると なんだか孤独を感じる。食料を買いに外出 スーパーの食料品売場は、すっかりお正月モード

それらの商品を見たら見たで また孤独感が・・・ 今の俺には、由美さんが居ると言うのに なんでこんな気持ちが湧き上がるのか不思議。


飲み物や保存食品類 パンを買う。今日は、このまま帰りにどこかで外食しようと店を出た時に 後ろから声をかけられた。

GREE熟だった。


「あら?由美さんと一緒じゃないの? ここで会うなんて初めてね。私は、今日が仕事納め 会社がこの近くだから 帰りに買い物したのよ。今から お昼ご飯?」


近藤の家とこのスーパーでは、まったく方向違いだから よもや此処で会うなんて思ってもいなかった。

「俺は、てっきりパートかな?と思っていたけど 会社員だったの?」


「旦那から貰った慰謝料には手をつけてないけど ブーちゃんと暮らす事を視野に入れた時 パートしてたのよ。でも、不安定でね せっかく簿記も持っている事だし 事務系を探してたら 此処から近くの会社に運良く採用されたの」


もし 俺が主婦だったら 間違いなく慰謝料をすぐに使っていただろうと思う。GREE熟の強さを見た気がする。

No.477

車で来ていたGREE熟。その助手席に乗りガストへ向かう。到着と同時に電話していた。おそらく近藤にだろう。

「ブーちゃんから聞いたわよ。由美さんとついにエッチしたって 初めての泊まり楽しかった? いいなぁ~私も頼んで どこかに連れて行ってもらおうかなぁ」


「初めての止まりって訳じゃないんだ。正確に言うと2回目 初めての泊まりで2人共 準備は出来てたけど いざエッチって時に・・・プリンちゃんからメールと電話が入り 場が白けて そこから色々あって 予定外のグルメ旅みたいになって それで 上手く合体できた ゆっくりと時間をかけて 感動すらあったよ」

GREE熟は感慨深く聞いている。ひょっとしたら自分と近藤を重ね合わせているのかな?


「普通の会社は昨日仕事納めよね。だから あなたをスーパーで見た時 てっきり由美さんも一緒なのかと それでさっきの台詞が出たのよ。年末年始はどう過ごすの? 暇でやる事が無いなら遊びに来る? ブーちゃんも喜ぶと思うけど」

そんな話をしていたら 近藤がやって来た。

「浩之 お前には由美さんがいるだろう 俺の彼女をナンパしないでくれよ~」



「あんた なんて事言うのよ 彼がまだお昼を食べてないと言うから 私が誘ったのよ。このままデートするつもりなら ブーちゃんをわざわざ電話で呼んだりしないよ」


まったくだ。近藤の嫌みな台詞をスルーしつつも 彼の予定を聞いた。


「浩之 今年は帰らないんだろう? 俺んとこ遊びに来いよ。年末 年越しそば一緒に食べようぜ」


こいつは優しいのか嫌み屋なのか たまに判らなくなる。

No.478

「誘ってくれてありがとう。その優しさで十分 最初は、1人で迎える年末と正月が侘びしいと思っていたけど 由美さんに連絡取ったら 年越しそば食べにおいでよって」


近藤の顔がにやけた。またろくでも無い事を想像したのかもしれない

「浩之 そのパターンって まさか・・・ お前が由美さんに向けて除夜の鐘を突くのか?」

下品だ。やっぱり近藤は下品だ。俺も、頭に浮かんだが口には出さない。それを事もあろうか GREE熟が居る前で


「近藤 それがな! 思い通りになかなか行かないんだよ。なぜなら 由美さんの親 姉妹が集まるらしい それも毎年の恒例と だからエッチはお預け。でも 家庭の温かさを味わえるだけでも 俺にとっては感謝だよ」


「浩之 だったらな!トイレはどうだ 由美さんのマンションのトイレ そこで除夜の鐘を突けば」


GREE熟が、軽く 近藤の頭を叩く。


「あんたみたいにさ 何がなんでもセックスて訳じゃないんだよ。浩之さんには、理性があるんだから 大体2人揃ってトイレに入れば 誰か気づくでしょう・・・まったくエロ大魔王には疲れる。浩之さん 年越しそばって事は、由美さんの部屋でカウントダウンかな? 私 さっき由美さんにメールして一緒に初詣行きませんか?ってメールしたんだ。浩之さんからもプッシュして欲しい 4人で行こうよ」


近藤もウンウンと頷く。
由美さんに直接電話をかけ 現在 近藤達とガストで食事している事を告げる。


「由美さん 近藤の彼女さんからメール来たでしょう? 初詣一緒にどう?」


「今 返事しようとしたとこ。元旦の朝はちょっとまずいけど 昼以降は夜中まで空いてるよ。ねぇ 別件になるけど年末の火曜日 昼から手が空いてるなら買い物に付き合って欲しいけど」


大晦日 元旦 両方共 退屈しなくて済みそうだ。

No.479

やや大げさにGREE熟へ報告する。

「初詣 午前中は予定があるみたい。でも昼以降なら 夜中までどんちゃん騒ぎが、出来るって」


「じゃあ 初詣の後 みんなで鍋しよう。私、ブーちゃんと2人で材料用意しておくから ちゃんこ鍋でもいいかな?」

初詣 現地で落ち合う それと時間を決めて 近藤の車でアパートまで送って貰った。

別にガストだけ限った事では無いが、近藤とGREE熟のやりとりを見ていると 既に夫婦。それが、俺にとっては羨ましくもあり 彼等には何時までもナイスパートナーであり続けて欲しいと思った。

「近藤 ゲスな質問させて欲しい。GREE熟と付き合って 5年以上だけど・・・エッチの方は・・・」

照れる様子も無く淡々と応える。


「付き合い出して三年くらいまでは、頻繁にやってたよ。今年になって回数は減ったかな?月の平均だと5回程度 前に比べたら半分以上は減ったね。でも、俺はそれで良いと思っているんだ。相手の年齢もあるし セックスって自己欲だけを優先すると 絶対に揉めるよ」


相手を思いながらの行為。1回 2回ならともかく毎回となれば 俺にはできるのだろうか?

「回数が減ると どちらが誘う? お前が行くのか?」

「浩之と由美さんは、どうなんだ? 無性にヤりたくなる時って これから先出てくると思うんだ。そんな時 雰囲気で判るはずなんだ 答えとしては、どちらからも誘う。俺の彼女もイチャイチャするのが、年の割には好きだし 俺も嫌じゃないし」


そこまでの考えに至るまで 近藤もGREE熟も沢山の経験を踏まえている。だからこその答えだと思った。

No.480

休みの間SDカードを整理した。携帯のデーターフォルダーも一杯になり 移せるものは移し いらない物は削除し空きを作る。


一通り 作業が終わり確認のチェック。SDカードの中には、プリンちゃんとの思い出が入っている。

改めて消したいとも とっておきたいとも思わない。自分が過ごしてきた過去を否定したくない。その思いだけだった。

これからは由美さんとの写メも沢山撮り 思い出も増えて行くだろう。

(プリンちゃん 5年間 本当にありがとう。付き合いだして数年は、彼氏らしい事を十分にしてあげたと思っているけど 後半の数年は、苦労させてしまった。ごめんね 別れた時 俺自身を責めたよ。何を言っても 言い訳にしかならないけど 俺も、プリンちゃんも お互いに違う道を歩みながら 幸せに向かい進んで行こう。かなり寒いけど 風邪をひかないようにね 元気でね さようなら)


もう、プリンちゃんからメールが来ても 電話が来ても絶対にコンタクトする事は無い そう思いながら携帯を閉じた。


31日の火曜日は昼から 由美さんの買い物に付き合う。どこへ行っても 人の波が途切れない。

俺は両手いっぱいに荷物を持ち 横に居る由美さんは、次の品物を見定めている。混雑している中の買い物 近藤と2人ならきっと文句の一つも出ていただろう。

今の俺は荷物係だけど 由美さんと一緒に買い物が出来る事に喜びを味わっていた。

「何時もは、姉か妹達が買い物してくれるのに み~んな家庭持ち 独身の私が自由になる時間が多いって理由で 買い出し隊長を任されて 少々心細かったから ボディーガード兼 運転手兼 便利係として使って 本当に悪いと思ってるのよ」

やや伏せがちな顔が、由美さんの心情を物語っている。

No.481

一昔前の日本なら正月休みの間商店やデパートは軒並み休業する。だからこその買い出しなんだけど

俺は、てっきり鍋をする分の材料を買うだけと思っていたが、この量!

「由美さん これ・・・」


「うん。 浩之さんを買い物に連れて行くって話したら・・・せっかく男の人がいるのだからって色々 予定外の物まで頼まれてしまって 荷物を車に置いたら どこかで食事しよう」

イオンモールの中を歩き 由美さんが止まった店先『ポムの樹』 オムライス専門の店

「ここでもいいかな?」

苦笑いを堪えていたが由美さんが見逃さなかった。

「店の前に止まって名前を見た時に うっすらとニヤ笑いしたよね?ここの店来た事があるの?」

「由美さん 過去の彼女と食事する時にね このポムの樹って場所 それぞれ違う県で複数回食べてる。プリンちゃんと初めて会い その時に入ったのも ポムの樹。そして今回また 由美さんと・・・よっぽど縁があるのだろうと そう考えたら笑いがこみ上げてきて でも、今日は・・・いや これから先も俺の隣には由美さんが居るのだから 此処はオムライスを味わおう そして鍋も楽しみ」

笑いながら 2人でオムライスを平らげる。由美さんに聞いた本日の流れ 夕方にみんなで鍋をし 23時くらいに年越しそばを食べる予定みたい。

一端 俺はアパートまで送ってもらい 3時間後にまた迎えに来ると

ゲームをしながら時間を潰していたが、あまりにのめり込み 15分前に 大急ぎで支度を整えた。

No.482

なんとな~くだが、今日 火曜日が大晦日って感じはしない。きっと 何時間も外に出回っていたからだろうと思う。

扉をノックする音で玄関まで行くと やはり由美さん。時間通りだ。玄関を開け 俺を見た瞬間に


「おっ! 余所行きの格好だね。我が家に来るだけなんだから そんなにオシャレにしなくてもいいのに」


「由美さんファミリーが揃うからね。とは言え これもボーナスが出たおかげなんだけど さて 車に行こうか」


靴を履きかけた時に 由美さんが静止する。年末だし 道路は、そんなに混んでなかった。まだまだ時間はあるよ」


上目遣いで俺を見て 視線が合うと逸らす。これは・・・もしや これは・・・やはりそうなのか?

「由美さん 確認してもいいかな?」


「そんな事一々聞かなくても、私とキミは恋人同士 玄関で押し倒されても今の私は拒否なんてしないよ」

彼女の言葉があれど 俺のアパートの玄関では ちょっと・・・狭すぎる。

由美さんの手を引っ張り 部屋の中に入り直す 見つめ合い 唇を重ねた。1回目のキスが終わると 彼女が溜め息を漏らす。

「ふぅ~ マンションに着いちゃうとイチャイチャ出来ないからね。車でこちらに向かっている最中 なんかするならキミのとこに着いてからと そんな事考えながら 運転してたよ」

服の上から胸を揉むと 部屋の中に由美さんのいやらしい声が木霊する。今度は俺が発情 彼女のスカートを捲ると ピンク色の下着が目に入る。


ストッキングは無し 素足と下着が興奮を掻き立てる。パンティを膝のとこまで下げると 由美さんを後ろ向きにし お尻からかぶりつく

そこから 秘部を念入りに舌で舐める。
如意棒を手で添えて ぐっと腰に力をいれ挿入した。

本棚に手を着く由美さんは、恥ずかしげも無く 喘ぎ声をだした。

「こないだの時よりも体が慣れたのかな? 今 凄く気持ちいいよ。もっと突いて 全身全霊で突き上げて」

No.483

この時ばかりは、俺も隣の部屋 上の部屋 そこに住んで居る人の事は考えなかった。

後ろから突いていたのを止め 正面を向き 片足を椅子の上に乗せ そこから入れ直す。突けば突くほど 由美さんの秘部から蜜が滴り落ちる。

息が荒くなってるとこへ 俺の顔を手で挟み 自ら舌を出しキスを求めてくる。チュパチュパと音を立てながら キスを止めて口を離すと糸が延びる。


「コンドーム使った?なんて言わないよ。ありったけの キミの熱いアレを 私の中でぶちまけて 一緒に行こう。そう もっともっと早く」


神経を集中し 有らん限りの力で突いた。
由美さんの『あぁ~ん~』の声と同時に液を放った。


大晦日 まさか自分の部屋でエッチができるなんて思いもしなかった。

「由美さん 良かったよ。俺 興奮が今も続いてる。俺 由美さんが大好きだ。これから たくさんキスしようね。エッチもしようね」


「そうだよ キミが私を女として目覚めさせたんだから ちゃんと責任とって貰うわよ~ じゃあ ズボン履いて服を整えて。私も、パンツ履いて 帰宅してもバレない様にするから 浩之さん お互いを尊重し会い 出来れば何歳になってイチャイチャしたい。例え キミが年齢的に勃起しなくなって 触って欲しい 私を感じて欲しい。浩之さんを心の底から愛しているから」


俺達は、部屋の中で抱き締めあった。そのラブラブな2人を離したのは、由美さんのお母さんからの電話。


「もしも~し、ついさっき浩之さんのとこに到着したよ。これから連れて行くね」

数分前、俺とエッチしていたのに この変わり様。俺の前に居る女性 ひょっとしたら女優なの?

ある意味 演じる事に関しては、プロだと痛感した。

No.484

車に乗り由美さんのマンションに到着すると ファミリーが一階ホールで待っていた。

「お姉ちゃん スペアキー持っているよね?先に入ってれば良かったのに」

(引っ越しの時に全裸になりかけた この人が由美さんのお姉さん って事は、由美さんは次女?)

「お母さんが待ちましょうと言うし 妹たちは、いきなり部屋に突撃して あんた等がエッチな事していると悪いからさ どうしようかって・・・」


「お姉ちゃん 今からみんなで食事をする その準備もある。それなのにエッチな事をする時間なんて無いよ。ねっ!浩之さん」


嘘つきだ 女は魔物だ! にこやかな顔をして姉と会話して それを俺に振る。返事が出来ない俺はフリーズしていた。


それを見た 妹の1人が、俺を見て

「あらまっ!判りやすい人ね」(こいつ!こいつは引っ越しの時 俺の前でパンツ姿でうろちょろしてた人だ!)


「ほらほら ここで立ち話しなくて さっさと由美ちゃんの部屋に行きましょう」


俺は、未来の?お母さんに手を合わせ フォローありがとうと感謝の気持ちを表す。

俺のアパートに来る前 下準備は済ませていたみたい 材料を鍋に入れるだけの状態。

それも、この人数を見越して 鍋は二つ。具材は海鮮が目につく ご飯と鍋それだけでも嬉しいのに 由美さんのお母さんが、立ち上がりキッチンに向かう。


「鍋だけじゃ おかずとして足りないといけないから 冷蔵庫の余り物で 野菜のかきあげでも作ってあげるから 食べなさい」


ドラマ等では、こんな場面 みんなが立ち上がり『私がやるから』『お母さん私も手伝うよ』のセリフが聞けるのに お姉さんと由美さんだけが声をだし 妹たちは、当たり前の様に着席したまんま。

その家族のルールでもあるのだろうと 俺が改めて何かを言う事はなかった。

No.485

帰省すればこそだが、平素が1人食事の俺には、今の状況には憧れていた物がある。鍋ゆえ ワイワイやりながらの食事。


準備が整うと 妹達3名はひたすら食べる。由美さんとお姉さんは食べ物の補充 お母さんは皿を下げる。

性格が、そのまんま出ているのだろう。卓上コンロが二つあるから仲良く食べれるが、鍋一つに7人だと戦争すらおきそう。

お客である 俺が一番食べてるのは言う間でも無いが・・・

「チクショ~ やっぱ姉ちゃんの彼氏には勝てない。浩之さん どか食いのコツを教えてよ」

「当たり前でしょう 浩之さんは男 アンタは女。我が家系がいくら 痩せの大食いだからと言っても 元々の馬力が違いすぎるわよ」

お母さんの一言で より場が和む。夕方始まった食事も雑炊で閉める。日本全国 このスタイルは、そんなに激変しないのだと悟った。

無言のまま雑炊を食べている 妹の1人が放った言葉に雑炊を吹き出しそうになる。


「浩之さん 姉ちゃんとは、もうエッチしたの? 月 どれくらいのペースなの?」


慌てて口を押さえた。辛うじて雑炊は出なかったが危なかった。


「ちょっと 何聞くのよ!まったく 浩之さん そんなのに答えなくて良いからね。まったく馬鹿じゃないの!」


「由美姉さん そんなにムキにならなくても良いじゃない・・・それと そこのアホ面 浩之さんに質問の時は挙手する様に」


女性だけの家族 各家庭を持っているのだろうが、食卓を囲むと こんな日が多いのだろうか?

春の引っ越しの時とは違い 食べ終わったからと 下着姿で休む人はいなかった。(別に期待はしてなかったけど)


テレビを見る人や散歩に行ってくる人 スマホに熱中する人。由美姉さんとお母さんが後片付けをやり始めると 俺も参戦。
恐縮するお母さんを休ませ 由美さんと2人でキッチンに立つ。未来図か?なんて・・・

No.486

「本当は、キミにゆっくりと食事を取らせたかったのに ごめんね。女ばかり集まると 毎回下品に話が盛り上がって まだ年越しそばがあるけど これに懲りずまた誘ったら来て欲しい。 母も姉も、キミに話しかけた妹も 気に入ってみたいだから」


「由美さんが謝る事は無いよ 謝られる事を言われたとも思ってないから たまの集まり 賑やかで良かった。エッチの話が出た時には口の中の食べ物がヤバかったけど 今 並んでキッチンに立っている この時 この瞬間 ずっと続いて欲しいと思ってる」

由美さんと会話をしていたら お母さんが少し話をしたいから 外に出ない?の誘いを受けた。


マンションのエントランスは静かで 普通に話をしているだけなのに 声が響く。


「浩之さん 由美の事 本当にお願いしますね。あの子 本当だったら・・・もっと早く結婚・・・」

俺はお母さんの発言を途中で遮った。

「お母さん 由美さんから聞いてます。何があって その結果がどうなのか 俺 あんまり人に自慢できる物がないけど 1人の女性を愛する事だけは誓ってお母さんに言えます。本当だったら格好良くプロポーズ出来ればいいけど ようやく自分の生活がなんとか なりかけて・・・ 俺 前の彼女にお金を借りたりしてたんです。生活費が足りなくて 一万とか二万とか 元カノに対して借金は全部返したからありません。だけど こんな情けない男でも 由美さんは全部受け止めると言ってくれました。お母さん 俺は俺なりに真剣です。由美さんを絶対に放したくない 俺の方から 言います。由美さんと付き合っています。将来の事も考えて だからどうか 宜しくお願いします」

No.487

自分で何を言ってるのか!俺自身分からなくなってきた。
とにかく自分の思いを聞いて欲しい。だから必死だった。

由美さんのお母さんは、うっすらと涙を浮かべている。

「由美は、やっと素敵な人を見つけたんだね。今年に入り 会社で気になる人が居ると教えてくれて そして4月の引っ越しで 由美が連れてきた人が、あなただった。ちょっと冷やかすと 照れながらも 会社の同僚だからと強調して あの子は、本当に浩之さんの事が好きなんだな・・・そう思っていましたよ。だから あなたにまた会えるのを楽しみにしてました」

子は親の背中を見て育つ。娘がniceなら 母親もniceだ。

建物の中とは言っても暖房が効いているはずも無く 話が終わると 由美さん達が待つ部屋に戻った。


それから ボードゲームで遊ぶ。そして 年越しそばの時間がやってくる。鍋が終わって3時間ちょい みんなソバを食べれるのかな?

ガキ使いの笑ってはいけない24時を見ながら ゲラゲラ笑い テーブルに出て来たソバを食べた。


「由美さん このソバ自家製なの? ダシが深いね。汁の色自体は、やや薄いのに 味わいある汁だよ。ほうれん草と油揚げを刻んで 上に乗せて見栄えも良いし こりゃ 来年もぜひ食べたいね」


「浩之さん 由美と結婚すれば来年と言わず 毎年食べれるよ。姉の私からもお願い。仲良くしてあげてね」

ここの家族は、フォローしあう そんなとこが好感を持てた。
テレビの左上の時報が新年を教えてくれる。すると 一斉にあけましておめでとうの挨拶が広がった。

これも、この家族の恒例なのだろう。賑やかな新年を迎えられた。明日は初詣もある事だし そろそろ 由美さんに頼んでアパートへ送って貰う事にした。

No.488

「今年の大晦日はどうだった?毎年 プリンちゃんと会う前日はソワソワしてたの? 私の大晦日は、毎年あんな感じだよ。母は、みんなが集まるから 1年で一番楽しみって言ってる」

「由美さんから まさかプリンちゃんの名前が出るなんて思わなかったなぁ。前日は、会える楽しみからウキウキしてたね。話し方が、過去形になるけど でも、今回のみたいに昼から外出して 楽しい日が高点のまま終わるってのは、初めてだった。本当に楽しい1日ありがとう。由美さんのお母さんとも話せたし」

途中で車を停め 由美さんが手をパンっと叩いた。

「それを聞こうと思ってたのよ。キッチンにいたら 母とキミが、2人で部屋を出て行くから 何か話す事でもあるの? それが年越しそばを食べてる時も、頭の中がグルグルって駆けめぐってたよ」

一言一句正確に伝えた訳では無いが、大体の内容を伝えると 笑顔になる彼女がいた。

「新年になったけど 深夜だから車も、めったにすれ違わないね。明日 昼の1時に迎え来てもいいのかな?」


「近藤達には、俺の方からメールしておくね。多分 車で行くと大渋滞するだろうから 公共交通機関を使っての移動となるだろうけど」

コーポ付近の公園に停めてもらい そこで降ろしてもらう事にした。
ドアに手をかけた時 由美さんが目を瞑り 口を突き出す。

「由美さん キスしても良いけどさ・・・チラッとスカート捲って貰うと 嬉しいなぁ」

こんな時に交換条件を出すなんて 我ながら悪人である。

「駆け引きが上手くなったね。じゃあ 見せちゃおうかな?」

昼間にパンチラどころか 行為そのものをやっているのだが、由美さんが運転席でゆっくりとスカートを上げると ピンクのパンツが・・・・・

スカート上げ見えたパンツは、黒のパンツだった。


No.489

ピンクが見えて当然だと思っていた。昼にエッチをした時 確かにピンクだった。なのに黒!座席のレバーを引いてもらい 足を開脚して貰う。


何度見ても黒。それも開脚して貰ったがゆえ レースの刺繍まで見えた。手が伸びて触ろうとした時


「せっかく履き替えたのに 触ったら大変な事になるでしょう。トイレでパンツを見た時 真ん中のとこがシミになってて 履き替えたよ。ピンクじゃないからびっくりしたのかな?」


「うん 絶対にピンクだと思っていたから 黒の下着が見えた時は、そんな馬鹿な?って 心の中で1人ツッコミしたよ。黒も、なかなか良いね。由美さん スタイルが良いからだろうけど」


車中で軽くキス 顔を離した時に 再度キス。
結局 3回のキスで由美さんは俺を解放してくれた。


部屋に到着 すぐ様 明日の予定を近藤にメールする。『了解』とだけ返信。何時もなら 今日1日何をしていた?と突っ込んで来るのに 怪しい。

近藤のスマホに突撃電話 出ると明らかに不機嫌だった。

「浩之 わざとだろう?意図的に電話してきたな!」


「お客様 何をおっしゃいます。わたくし共は、お客様の様子が、いささか奇妙なので 御連絡した次第で御座います」


「浩之 お前な・・・頼むから 早く切ってくれよ。もう分かってんだろう!俺と彼女が今から 何をしようとしているのか!」


「悪りぃ~な 冗談だよ。お前のメールが単調だから きっとGREE熟とお楽しみか!とチャチャを入れたんだ。実は・・・ 俺 除夜の鐘突いてきたよ。昼だけどな!」

「だったら 今の俺の気持ちを汲んでくれよ。俺も108回 鐘を突きたいんだ。浩之と由美さんは気持ちいい思いをした。俺も、彼女と気持ちいい事をしたい!頼むぜ まったく」


近藤がマジ切れしない内に 電話を切った。

No.490

水曜日の朝 部屋の中に居るとそれ程正月になった気分じゃないが(多分 帰省してないから)テレビを点けると 元旦だと意識できる。

初詣が終わるとどこかで外食するのか?それとも、近藤やGREE熟が鍋を作ってくれるのか?


とにかく確認のメールをした。

「近藤 昼ご飯どうするんだ?」


するとやけに早いリターンが来た。近藤かと思いきや 由美さんからだった。

「こちらの用事は終わったから 何時でも初詣行けるよ。それと昼は何処かで食べるの?」

由美さんも、俺と同じ考え。近藤達 鍋って言ってたけど昼なのか?夜にやるのか?聞くのを忘れた。


困ったな みんなきっと朝ご飯を食べているだろうけど 俺はこんな時間に起きて コンビニへ行こうかどうしようか?


悩んでいた時に 由美さんから 後10分で到着するからと
それと同時に近藤からも

「浩之 材料は買ってるんだ。初詣でが終わってから鍋をしたいけど どうかな?」


腹ぺこの俺に拒否をする道理が無い。願わくば 由美さんが来るのが、もう少し遅ければ コンビニへ向かうのだが・・・

携帯が冬の華を鳴らす。由美さんが到着したみたい。ドアを開けると 寒いと言いながら抱きついてきた。

「由美さん 近藤から 初詣が終わってから ちゃんこ鍋をするってメールが来たよ。ほら 何抱きついたまま固まってるの 行くよ。地下鉄に乗ればすぐだから 離して。抱きついたまんまじゃ行けないよ」

由美さんが顔を上げる。顔がやけに赤いが、まさか!熱? それで足下がふらつき俺に抱きついたのか?

「由美さん 大丈夫?具合悪いの?」


「へへへ♪ 甘酒飲み過ぎちゃった。このままチュウしよっ ねっ チュウ」
色気よりも 酔っぱらいに絡まれた俺(>_<)

No.491

由美さんがいくら甘酒を飲み過ぎたからって ジョッキでガブ飲みする人が・・・

「由美さん 本当はシラフでしょう?大体 酔ってたら車を運転出来ないよ。作戦 考えたんだね」


「チッ バレたか! ここまで妹に送ってもらったの それよりも キスしてくれないの?」

会社の人が、もしこの状況を見たら きっと由美さんに対するイメージも変わるだろう。事実 俺も経理の由美さんは、男性社員を近づけないオーラを出していたから てっきり超真面目な人だと思っていた。

その場は、さっさとキスをして 近藤と待ち合わせの場所へ急いだ。車は駐車場が混む だから公共交通機関という考えは、皆同じであった。


「浩之さん こんな人がいっぱいで 近藤さん達見つかるのかな? 地下鉄の中 おしくらまんじゅう状態だったね。私 お尻触られたかもしれない なんか変な感じがしてた・・・」


「なに! どこのどいつだ。俺の彼女の尻を触る奴は!帰りは、俺がガードしてみせるから」

1人息巻いていると GREE熟に手を引っ張られながらやってきた近藤。

「この神社 毎年新聞に来訪者なんとか~って載るだけはあるな さっさとお参りして帰ろうぜ 屋台もロクなものが無い。大体 たこやき一皿500円ってなんだよ。大阪じゃあるまいし」

どうやら 俺と由美さんが来る前に 近藤は付近を偵察していたらしい

「もうね 勝手にどこかに行くから はぐれちゃうのよ。だから 手を強く握って 逆に私が引っ張る様にしてたの」

この人波を見て 俺も由美さんの手を急いで握った。牛歩だが、確実に前に進む。そして 俺達は賽銭を入れる番が回ってきた。


俺は、プリンちゃんの事があったから 今度こそ 由美さんと上手く行く様にと願った。
横に居た近藤は,まだ手を揃えて願掛けをしている。

そんなに大事な願いがあるのだろうか?

No.492

「なぁ 近藤!近藤ってば! 何をお願いしてたの? 凄く真剣だったぞ! 体調でも悪いのか? 何時ものお前らしくないぞ!!」


「浩之 俺だって真剣な時があるさ ちょっとこっちに来てくれ 真後ろに彼女と由美さんがいるから聞こえてしまう」

俺達は、女性2人にトイレに行くからと告げ 迷子になってもいけないし 信号の向こうにあるコンビニで落ち合おうと言った。


トイレには,本当に行ったのだけど 近藤の口から普通に考えれば『あぁ そうか』と祈願の内容を教えて貰った。

「浩之 俺 自分でもクズ男だと思っている。スケベ度は,お前よりも上だし デブで髪の毛もやや薄くなりかけてる 浩之みたいに女性を守れるほど喧嘩強くないし だけど彼女は、俺の事を本当に愛してくれてる。しかも昨年の11月 盗撮で警察まで行った時に 必死に俺を庇ってくれ 俺の事を夫と発言した。そんな俺に出来る事は・・・彼女と結婚して ちゃんと籍を入れてあげる事 それが上手く行くようにお願いしてたんだ」


なんだろうな この展開。そこまで距離を詰めている。先の事を考えている 彼をとても応援したい。


「そっか・・・俺は、近藤を応援するよ。殆ど一緒に住んでいるから 今更ながらに新婚って気分は少ないだろうけど GREE熟と良く話し合って どうなるか決まったら また改めて教えてくれ 俺も、今の近藤から勇気を貰えた気分だよ。頑張れよ!」


信号まで 近藤と2人でスキップ。その様子を見ていた女性陣が大笑い。特に 由美さんのおばちゃん笑いに GREE熟も釣られて 手を前に出してパチパチと叩きながら笑っていた。

「何やってんの2人共 浩之さん良いことでもあった? 近藤さんも笑顔でスキップしてたよ。なんかあったの?」


「由美さん 何かあったの?じゃなくて これから何か興るんだよ」


それ言い終わると 慌て近藤が、俺の口を塞いだ。


No.493

コンビニ前で合流し 2区間だけ地下鉄で移動。降りて5分程歩いた公営駐車場に 近藤の車があった。

「あの神社付近の駐車場 1時間800円も取りやがる。だったら頭を使って 少し離れた場所に停める。ここだと1時間200円。なかなか賢いだろう?」


近藤は胸を張って自慢するが、GREE熟のアドバイスだった事が、鍋を囲んでいた時に判明。


「このコタツで温まり鍋を囲むってのは、アメリカやフランスその他の諸外国では なかなか味わえないよね。浩之さんも、由美さんも 今日は沢山食べてね」


GREE熟の言葉に甘えて ちゃんこ鍋を堪能 昼の2時からだけど 俺は朝食を取っていなかったから いつもより余計に食べまくる。

すると 由美さんがおもむろに俺の取り皿を奪い 野菜を乗せ始めた。


「野菜も食べないとダメよ。肉も魚類もバランス良く食べないと 偏りすぎ」

GREE熟も近藤に対して

「あはは じゃないわよ。ブーちゃんもだよ 野菜を入れてあげるから取り皿を貸してごらん」


女性2人共 姉さん女房と言ったとこだろう。急激に満腹となれば 眠気が漂う。俺も近藤も2時間ちょい爆睡。


その間 由美さんとGREE熟が、何をしていたかは不明。

仮眠したおかげで頭の中も すっきりとなり 俺としては、即座に夕飯でも構わないのだが、由美さん達からは、あと2時間は時間を空けて欲しいと懇願される。


そこで 時間潰しの為 4人でゲーセンへ向かう。ゲーセンと言っても、家族向けのアミューズメントだから
本格的なゲーマーの俺と近藤には、やや物足りない。エアーホッケーやスロットで遊ぶ。由美さんポップンミュージックで対戦したが、あっさりと惨敗。

ゲームが終わり 後ろを見れば 居るはずの近藤とGREE熟がいない。


「さっき プリクラを撮るって言ってたから あっちに居るんじゃないの?」
由美さんからの伝言を聞き そちらへ向かうが、何台もあるプリクラ。5台目で ようやく見つけたが・・・

No.494

こんなとこに来てもか? こんなとこだからこそか? プリクラの中で GREE熟のお尻を撫で回している近藤。

GREE熟は、くすぐったいのか? 嫌なのか? 腰をクネクネさせていた。俺が隙間から見ているとも知らず スカートをたくり上げ 本格的に触りだしてる。

するとGREE熟も やや股を広げ そこへ奴の手が・・・見ているだけで興奮した。無論 あちらはまったく気が付いていない。

まさか パンツの中に手を入れたりしないよな?と期待してた時に 耳元で由美さんがささやく


「何してるの~覗き見なんて趣味悪いよ。あっ! 近藤さんが・・・彼女の・・・ うわ~股間に手が行ってる。浩之さん 彼女のパンツ見たらダメ。他の女性の下着は、見て欲しくないよ」


「由美さん 不可抗力だよ。最初からあんな感じじゃなかった。段々ヒートアップして 近藤がお尻をさわり始めたんだ。やばいな 如意棒が完全に反応してしまってる」

別に意図は無かったが、由美さんをチラッと すると由美さんからの提案。

「私達も、あっちのプリクラで撮る?キスしながら撮って見る?」


「由美さん キスは撮る前か 撮った後にした方が良いよ。写している時にキスすると 本体にデーターが残り 従業員にバレるよ。 ほら芸能人とかのプリクラがたまに出回るでしょう?あれね データーが何日か分残るから それで再プリントのテストボタンを押せば 何回でもプリクラが出来上がる仕組みなんだよ」

由美さんが、良く そんな事を知っているねと言わんばかり 目を大きく見開く


携帯のカメラで2人撮るのも良いが、プリクラで遊び心が沢山あるのも悪くない。


プリクラは普通のバージョンと おちゃらけバージョンを撮る。 中で落書きをし終わると 由美さんが、こちらに顔を向け 目を瞑っている。

ゲーセンの中で さすがに激しいキスは・・・フレンチキスを2回程して プリクラが出来上がるのを待った。

出来上がったプリクラを2人で見て納得の出来映え 近藤達もプリクラが終わり 俺達と合流。 そして 再び近藤の家を目指す。

No.495

昨日 由美さんのマンションで鍋 今日、近藤宅で鍋。俺と近藤は、文句は無かったのだが!由美さんはうんざりした様子。

「私、出来ればカレーが食べたいなぁ」

由美さんの発言にGREE熟も賛成。俺と近藤は食べれる物は、何でも受け入れる。

「じゃあ せっかくだし ブーちゃんと浩之さん買い出しに行ってきて」

すかさず近藤が反論するものの カレーの具となる材料が無いと一喝。渋々外へ出た。

「浩之 正月の夜7時に開いてる店ってあるんだろうか?」

近藤の不安な気持ちは、俺も、帰省した時に煮え湯を飲まされたから十分に理解できる。

「イオンモールに行ってみようぜ 上手く行けばまだ開いているかもしれない」


そんな僅かな願いを胸に行けば 燦々と明かりが建物を照らす。正直 助かった 他の店は思いつく物の きっと夕方6時とか7時までで閉店してたと思う。

材料を買えたおかげで 意気揚々と帰れる。近藤は、GREE熟にメールで材料をゲットした事を教え 俺は、由美さんに今から そちらに向かうからとメール。

帰宅途中 俺は近藤にある事を聞いた。

「近藤 初詣の結婚話あったよな 何月頃一緒になるつもりなんだ?ゆきえちゃんや博子ちゃんに教えても良いか?」


「式はちょっと 彼女が乗る気じゃないかも?半年前 それらしき事を話したら 50代になって ウェディングドレスはちょっと・・・と発言したからな 籍を入れる予定は来月の14日にしようかと思う」

来月!!!

「近藤 バレンタインデーに結婚なんて お前ロマンチストだな。来月か・・・ この話 まだGREE熟に言ってないなら 2月まで黙っておいた方がいいな」


いよいよ 彼も独身にさよなら 俺は・・・俺も 由美さんと一緒なる日が来て欲しい。

No.496

材料を持って帰ると 勢いのまま俺と近藤がカレーを作る事になった。40分程待って貰い 出来上がったカレーを女性2人が試食。

お互いに顔を見合わせる。不味いのか?
その時に

「浩之さんも、近藤さんも やるじゃん」

「ブーちゃん見直したよ」

鼻息荒い 俺と近藤だが、ほとんど俺が作った。むきエビを入れる案も ヨーグルトを入れる事も

近藤にはたまねぎ にんじん じゃがいもを剥いてもらったが・・・ 自分達で作ったカレー こりゃあ マジウマってやつだね。

4人で雑談しながらの食事は、食欲も話も盛り上がる。

「私さ 浩之さんと由美さんが プリクラの中でチュッとしたの見ちゃった」
近藤も人差し指で俺も見たと

「実はさ 俺と由美さんも、2人が何をしてたか 知ってるんだなぁ ヒヒヒっ」

「浩之 どこから どこまで見た?」

「近藤 最初から お前がエキサイトするまでだよ」

4人が4人共照れ笑い。一つ違ったのは、俺と由美さんは普通に体を密着しながら撮った。

近藤達は、キスしているところが、バッチリと(恥ずかしくないのかな?)

楽しかった元旦 ずっと思い出に残るだろう。近藤に地下鉄の近くまで送ってもらい 由美さんと一緒に帰る事となる。

「由美さん 楽しかったね。正月だと言うのに 夜の十時まで出歩くなんて あまり経験が無いけど ずっと一緒に居れて嬉しかった」


「浩之さん 本音を言えば、このまま あなたの部屋に行きたい。私だって女よなんて言わないけど やっぱり近藤さん達のプリクラでの行為が頭に残っている。でも、マンションでは母も姉も残っているだろうし・・・どうしたらいいかな?私・・・どうしたら」

今夜は帰った方が良いと諭した。由美さんは、違う答えを待っていたのだろうけど 俺は、敢えて由美さんをマンションまで送る事にした。

駅に着き エスカレーターを上がると寒さが直撃。互いに体をくっつけ歩いたが、途中で缶コーヒーを買い それを飲むと なんとなく温まった気がした。

No.497

由美さんのプリクラ発言 触発されたのは、いくら言葉で否定しても 俺の如意棒は、反応しかけていた。

我慢我慢 せっかく由美さんをマンションまで送るのだから・・・ だが 由美さんは違った。

「浩之さん あのね・・・エッチな女と思われても仕方ないけど 私も、近藤さんの彼女みたいに アソコを触られたい。ダメかな? そしたら 悶々とした気持ちも多少は、和らぐはずなんだけど」

夜だし 人通りも無い 死角になる場所は沢山ある。必死に堪えていた理性も、由美さんからのアプローチで、吹っ飛んだ。

正月休みの会社 倉庫なのか?雑に空箱が積まれている。それが五列も並んでいるのだから 大人2人くらい楽に隠れる。

俺は、由美さんの秘部に直接 指で触った。そして耳からうなじにキスをし 上半身胸を出して貰い かぶりついた。  
       彼女の悩ましい声が、段々とテンポも上がってくる。クリを刺激しながら 最初に一本 次に二本指を入れ ゆっくりじっくりと動かした。

「待って 浩之さん待って。ちょっと やり辛いでしょう? パンツを脱ぐから・・・」

脱いだパンツには、はっきりと濡れている事が分かった。
俺は、チャックを開け 如意棒を出すと 由美さんは、瞬時に食らいつく。

ジュポッジュポッと音を立てながら 上目遣いで

「浩之さん 来て。激しく突いて欲しい」   
その合図を待っていた!
プレハブのドアに手を付かせ ややお尻を突きだして貰った。
先に口をつけ蜜の溢れ具合を確認。由美さんの秘部は、パックリと割れていた。右手で如意棒を添え 秘部へ進入。

ハァ ハァ ハァと由美さんの息遣いも荒く パンパンパンっと 突き上げる音が、響く。

先にオルガズムへ達したのは、由美さん。その次に俺の番。

「由美さん 俺イキそうなんだけど 最後 口で良いかな?」

数回突いた時 素早く抜いた。由美さんが、如意棒をくわえ液を全て吸い取ってくれた。

地下鉄を降りた時は、2人共寒いを連発していたのに 今は熱気が2人を包む。


「ごめんね 無理言って。でも、初秘め事できて良かった。マンションまでもう少しだから ここで良いよ」        
マンションまで もう少しだからこそ ここでは無く 最後まで送り届けた。

No.498

地下鉄がある時間に帰宅でき そこから由美さんに帰ってきたメールをする。帰省した時 それはそれで弾丸ツアーっぽくあるのだが、今年ほど 昼少し前から深夜まで動き回ったのも ここ十数年記憶に無かった。

4人で撮ったデジカメとカップル別に撮ったプリクラを眺めながら深い睡眠へと落ちていった。


2日 3日とゴロゴロしていたが、4日になり近藤からゆきえちゃんや博子ちゃんに教えてもいいからとメールが来る。

その間にGREE熟への思いを告げ 良い返事を貰ったのだろうと予測する。
さっそく2人へメールをする。余程 暇だったのか?ゆきえちゃんも博子ちゃんもリターンが早い。

博子ちゃんからは、食事会の予定を組もうと話が来る。俺は、ゆきえちゃんに電話をして 作戦会議となった。


「浩之さん マジビックリだね。近藤さんから何時聞いたの?」


「俺の彼女と近藤の彼女四人で初詣に行った時だよ。昨年 11月に色々あって その時から近藤は、気持ちを固めていたみたいだよ。博子ちゃんからは食事会をと提案があったよ。何分 2月14日に籍を入れるって言ってるから 悠長にどうしようか?なんて時間はあまり無いよ。式は挙げないとも言ってたから・・・」

この後 各スケジュールをまとめ 結局は、俺が進行司会の役となった(予想はしていたけど)


まぁ 俺には天才軍師 由美さんが付いてはいるけど

由美さんに電話したら 気のせいか呼び出し音が、割と近くで聞こえる。

「由美さん 今 時間ある?どこに居るの?」

「今のキミの部屋の前に到着したばかりだよ。暇だから 来ちゃった」

ドアを開けると確かに由美さんが笑いながら立ってた。こちらが由美さんの存在を必要としている時 かなりの高確率で現れる。

以心伝心ってやつか?

「ここで立ち話も寒いよ。チュウはしないけど 部屋に入って」


「え~っ (-_-#) チュウしないの? チュウしないなら 私帰る」

喜び半分 困惑半分。会う度にキスをねだる由美さん。素早くキスをし 本題に入りかけたら 本人にもの凄く不満らしく 今のは、キスじゃないと言い出した。

由美さん自身 最初からスケベ他だと言ってたし 機嫌を損ねないうちに 熱い熱いキスをした。

No.499

来月になってから予定を組めばどうなるか!判っていたから 今日にでも、大筋を決めたい。
「由美さん 黙っていた事があるんだ。ビッグニュースだよ。驚いて腰を抜かさないでね」

由美さんの瞳は大きく開き ワクワク顔になっている。

「何々 何かあったの? 近藤さん達結婚する事なら知ってるけど 他に何かあったの?」

驚いたのは、俺だった(笑)
俺は、由美さんに質問した なぜ知っていたのか?誰から聞いたのか?

「私ね 初顔合わせの忘年会で 近藤さんの彼女とアドレスを交換してたの そこから日常もメールして 気がし 友達になったのよ。知らないだろうけど 休みの日 2人でショッピングしたりしてるのよ」

時折 俺と近藤の行動が由美さんに漏れるから 妙だとは、思っていたが まさかGREE熟と由美さんが繋がっていたとは青天の霹靂だった。

だったら 話は早い。日にちと時間と場所 どんな感じで進行するのか?由美さんからアドバイスを貰おうとしたのだが・・・

「ゆきえさんも博子さんも、あなたに任せるって言ったんだよね。それは、キミに任せておけば万事めでたしだからこそだよ。私も、そう思うから 親友を祝う気持ちを全面に出せば良いさ」

それから構想を練るが 今年初出勤を終え 1月下旬になり やっと考えがまとまった。

いつもの焼き肉屋が頭にあったが、1人予算5000円で多国籍料理のレストランを押さえた。

その予算から 主役の近藤達にプレゼントと花を贈ることにした。

★★★ 2月12日 近藤くんとその彼女の結婚前祝いを 某所19時より開催します。皆様 お忙しいとは思いますが、ぜひ都合をつけ 参加をお待ちしております。★★★

プレゼントと花を用意して 尚且つコース料理をこんなにも低価格で出来たのは、ひとえに部長のコネと会社の看板。

俺は、もう一つサプライズで由美さんに協力を仰ぎ15日に一泊二日の温泉旅行を近藤達に用意していた。

「後は本番を待つだけだね。やっぱりキミの行動力は凄いよ。普通 レストランの段取りをしたら そこで終わりと思うからね。キミのそういうとこ好きだよ」

俺だけの財力では、正直 温泉旅行は難しい。そこで由美さんに半分出してもらい 近藤達へささやかな新婚旅行を味わって欲しかった。

No.500

☆ラストエピソード☆

近藤達の披露宴(少しおおげさかもしれないが) 誰1人欠ける事無く 6人みんな揃った。
主賓の近藤も、みんなからの祝って貰い 涙を堪えているのが分かる。GREE熟は終始笑顔。博子ちゃんも、ゆきえちゃんも盛り上げ役を買って出てくれた。

由美さんは、遠くを見ているかの眼差しで2人を見ていた。由美さんは今 何を思っているのだろう?

由美さん 待っててね。次は、俺達が祝って貰う番だからね。
店内では、オーナーからの差し入れでワインが・・・カメラで何度も何度も写し 盛り上がったまま宴は終わる。

博子ちゃんはゆきえちゃんの旦那さんが迎えに来た その車で一緒に乗せて貰う。

俺達四人は地下鉄まで トボトボと歩きながら会話をした。

「浩之さん 由美さん今日は、ありがとう こんなにも素敵な披露宴を ほら!ブーちゃんも、お礼を言って」


GREE熟が促されていたが、まだ涙が止まらず ウンウンと首を振るだけだった。

「浩之さん 温泉旅行楽しむけど そこのホテル昼間にビッフェをやるのね。それを 私とブーちゃんで あなた達2人を招待したいの」

返事は・・・俺がする前に由美さんが絶対に行くからと

その週の金曜日に籍を入れたよと近藤からメールが来た。式はしないから写真だけでもと 言ってた通り タキシードの近藤(髭男爵っぽい)と ウエディングドレスの彼女が写し出された写真をくれた。


15日の土曜日ホテルで昼食を楽しみ 俺と由美さんは、県外の在来線に揺られて帰る事になる。

2月で寒いはずなのに 日差しが心地よく 由美さんは、頭を 俺の肩に寄せて気持ち良く寝ていた。

俺は、由美さんの・・・由美の髪を撫でながら 心からこの『大切な平凡』が何時までも何時までも続きますようにと 心から願った。

---終わり---

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