一番になりたかったはずなのに
私は凛。
愛することとか愛されることとかよくわからないまま過ごす日常。
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「あや、ローター買った♪試していい?」
「はあ?自分で使えよ」
そういうあやを乱暴に押し倒す。
背は高いけど、丸みを帯びた身体。
綺麗な大きい胸。
形の整った乳首。
ヒダの揃った色もきれいなAV女優のような秘部。
「あやの身体、いつみても綺麗。」
「キモいわっ!」
あやにそう言われながらも手首を掴み、無理矢理ローターをあてる。
「ん…」
「濡れてきたよ、あや。」
ローターをあてながら指を入れる。
「…っァァッ…!」
声を塞ぐようにディープキス。
余計に興奮するあや。
「ハァハァッ…」
入れていた指の動きを早くする。
ローターの動きを強にする。
ブブブブブ…!
「んッ…ァァァぁぁ!」
身体が大きくビクっと動き痙攣する。
可愛いあや。
私の腕の中で、こんなにもよがるあや。すぐ果てるあや。
愛しくて愛しくてたまらない。
私しか知らないサイトー!!
あやを子供のように甘やかし、お母さんになりたい自分、だけど恋愛感情も捨てられず、見た目に中性的なかっこいいあやを彼氏としてみてしまう自分。
色々と複雑だった。
私はあやを愛撫するが、あやが私に愛撫することはなかった。
「私はレズじゃない」
どことなく一線をひくところが、あやにはあった。
それでもあやの可愛い顔がみたくて、あやを気持ちよくさせたくて、あやを愛撫する。
あやはかなりのマゾで、痛いことが好きみたい。
身体をしばり、目隠しをして、カミソリを身体にあてる。
あやの呼吸が荒くなる。
「あや、今カミソリの刃が身体にあたってるよ。このまま這わせたら、あや切れちゃうね」
意地悪をいい、爪をたて、あやの身体を引っ掻く。
「ぁぁッ…」
「あや、血が出てるよ。
気持ちいい?ほんとヘンタイだね」
そう言いながら思いきり爪をたてる。
「んん…」
感じるあや。
あやを苛めることに興奮する。
自分はかなりのサドだったようだ。
あやの身体が、引っ掻き傷で真っ赤になる。
「あや、綺麗だよ。」
クリを舐めながら指を二本いれてピストンする。
そうするとあやはすぐ果てる。
たまに自分の秘部とあやの秘部をこすりあわせたりしたが、それは、レズみたいで嫌とあやがいう。私はつながっている感じがしてとても気持ちがいいのに…
あやをいかすのが快感だった。
とても高校生のするようなことではなかった…。
あやと毎日一緒に過ごすようになり、気がついた。
ほんと~に、勉強なんて全くしてない‼
毎日学校帰りにカラオケに行ったり、買い物に行ったり、マックに行ってお喋りしたり。家でゴロゴロしたり。
なのにあやは相変わらず賢い。
今まで努力型の賢い子は何人かいたけど、天才だって思えるのはいまだにあや一人。
もったいないなあと、思う。
あやは、
「勉強ができたって何にもいいことなんてない、もっと大切なことは他にいっぱいある。りぃは良いところいっぱいあるよ、アホだけど」
いつもそう言ってた。
私は、あやのそんなところが好きだった。
異性だからとか同性だからとか、母性愛だとか、そういう煩わしい考えからくる好きではなく、
ただ、あやの人間性、才能に惹かれていた。
同性だなんて関係ない。私は、あやという一人の人間が好きだ。
性の壁を越え、人を好きになることができるなんて。
あやはとても大事な人。
「りぃ。」
「あや、どうした?」
サイトーは甘えた顔で私のスカートを引っ張る。
可愛くて仕方がない。
いつしか斎藤あやかをあやと呼ぶようになり、サイトーもりぃと呼ぶようになった。
完璧に、ただのクラスメートではなくなっていた。
学校ではいつも通りのあや。
二人きりのときは、甘い顔の、あや。
子供みたいなあや。
お母さん役の私。
お母さんになりたいと思った私だけど、恋愛感情がないわけではない。
私も甘えたいときがあったりするけど、甘えると、あやには嫌がられる。
「あやは別にレズじゃない。甘えられたくない。」
はたからみればレズな行為をしているが、彼女は違うという。
理解したいけどできない。でも好きだから、受け入れる。
彼女には彼女なりの考えがあるようだった。
その日から、サイトーとは一段と仲良くなった。
小さい頃、親に育ててもらえなかった自分。
母親が仕事一筋で、暴力的な祖母に育てられたサイトー。
共感しあう部分があったんだろう。
サイトーの母になりたい、そう思う自分がいた。
サイトーには、母性本能をくすぐられる何かがあった。
頭がおかしいと言われようが、当時の自分は本気でそう思っていた。
サイトーは満足したのかベッドに潜り込んだ。
私も一緒になって潜り込む。
二人で横になる。
なんとなく、サイトーが可愛く思えて肩枕をした。
甘えてくるサイトーの肩をトントンしながらいつの間にか眠ってしまった。
「じゃあまた明日ね」
駅までサイトーに送ってもらった。
田舎の夜の匂い。
少ない電車を待ち、憧れだったサイトーとの近くなった距離。帰るのが惜しかった。
ホームからサイトーが自転車に乗り走るのが見えた。
手を降る。
かっこいいサイトー。
すごく愛しく感じた。
「ママ…」
サイトーが言った。
ママ?
サイトーは、お母さんのおっぱいを飲んでる乳のみ子のように、胸を吸う。
甘えん坊の子供みたいに。
サイトーの派手な見た目からは想像もつかない優しい手つきと、優しい唇。
気持ちがよくて感じてしまうんだけど、何か違う…。
「ママ…」
サイトーが求めているのは恋愛ではない、母性愛なんだ…。
そう感じた。
そしたら、自分が感じていることに違和感がでてきた。
感じるのを抑え、サイトーの頭を優しく撫でた。
サイトーを見つめる。
サイトーも見つめ返してくれる。
顔が近くなって、キスをした。
女のコとキス。
サイトーとのキス。
「おっぱい触ってもいい❓」
「いいよ(笑)」
ブラを外され、服の上から触れられる。
そして、服の上から胸の先を吸われる。
感じていいのか悪いのか…
服が唾液でベタベタになる。
まくしあげられ直接吸われる。
「ん…」
机とベッドがあって至って普通の部屋。
備えつけの大きいガスストーブの上には、試験管とかメスフラスコとか、よくわからない実験道具が置いてある。インテリアだろうか?
雨戸が閉まったままで薄暗い。
電気をつけてもあまり明るくならない。
机の上はいろいろとちらかっていて、壁には中学生時代のサイトーの写真がたくさん貼られている。
「なんか…
陰気くさい部屋だね…サイトーの部屋は派手なイメージだったけど…」
「あんたはいちいちうるさいねぇ!サイトーはほんとは陰気くさいの。これが落ち着くの。地味が好きなの。」
「へぇ!すごいギャップだね。サイトーの見た目ぜんぜん地味じゃないけどね(笑)」
ベッドに座る。
なんか改めて…、気まづい。
線路沿いの道を走る。
用水路があって、のどかだ。
近くのスーパーに寄って、食べ物を買った。
民家が立ち並ぶ通り。
大きな一軒家についた。
庭は広くて、たくさんの綺麗な花が咲いている。
「お邪魔しま~す」
築何十年か経っているだろうが、掃除の行き届いた綺麗な家。
「サイトーんち綺麗だねぇ~」
「ばーチャン、掃除が趣味だからね。1日中掃除しかしてない(笑)」
サイトーの家は、サイトーが優等生なんだと納得できる雰囲気があった。
「はい。これ着なよ」
「え?」
サイトーにジャージを手渡される。
「サイトーも着替える。」
そういって彼女は着替えだした。
よくわからないまま、サイトーに従いジャージに着替えた。
育った環境が違うのか、文化が違うのか、あまりにもサイトーが自然すぎて、何故着替えるのか聞けなかった…。
この地域は着替えるのが普通なのだろうか??
「サイトーの部屋いこ~」
階段を上がってサイトーの部屋に入った。
腿から膝まで大胆に破れたクラッシュジーンズを腰ばきして、70年代風のシャツを着たサイトーがいた。
髪は某アニメのスーパーサイヤ人みたいにたてている。
サイトーは、個性的だけどすごくオシャレだ。
スタイルもよくて、かなり格好いい。モデルみたいだ。
女のコだけど、中性的な魅力がある。
ほんと~にその辺にいる男よりかっこいい。
みとれてしまった‼
「めちゃ田舎だね(笑)」
「バカにすんなよ~いいとこだよ~サイトーは住みやすい!そんなこと言うなら帰れよ~😁」
いつも通りの、テンションが高いサイトー。
自転車の荷台に乗って、サイトーと2ケツ。
「ちょーサイトー、あんた腰ばきしてるからTバック丸見えだよ」
「サイトーのパンツ見るなよ~」
サイトーは、男っぽいけど下着は正反対で、フリフリのTバック。
人って以外な一面があるもんだな。
昼ちょっと前に目が覚め、支度をする。
どんな格好にしようかな♪
「おはよ~サイトー!今起きたから準備して向かうね。どこで遊ぼう?」
~♪
「おは😃サイトーんちおいでよ~。駅まで来たら迎えにいくよ」
「まじ??行きたい!じゃあ着いたら連絡するよ👍」
サイトーんちかあ!どんな家なんだろ!楽しみ♪
ドキドキしながら、電車に乗る。
電車の外の景色は、普段見たことのない景色。
サイトーの住んでる街。
すごくすごく、興味深かった。
プシューっ
扉の開く音。
「着いたよ!」
ここがサイトーがいつも使ってる駅かぁー。まわりを見渡す。
~♪
「サイトーもういるよ」
改札をでて前に目をやると、自転車にまたがったサイトーがいた。
~♪
「サイトーも何するかわからないよ(笑)」
!
何この意味深なメール!
テンションが一気に上がった。
斎藤がりほちゃんを好きということで、女のコも恋愛対照であることはほぼクロだ。
確実かどうか探りをいれてみた。
「私、女のコもいけるよ♪そんなこと言ったらその気になっちゃうよ~(笑)」
どうかな?なんて来るかな?
~♪
「サイトーもだよ。」
!!!やっぱり!!!
そしてちょっと脈あるかも…と期待をしてしまった。
今日は金曜日。
遊ぶのは明日。
楽しみ!
何日か過ぎた日の夜、斎藤にメールをした。
「今度遊ぼうよ~!」
ワクワクして返信をまった。
なかなか返ってこない…
鳴ってもない携帯を何度もチェックする。
~♪
きた!
「あんた他に遊ぶ子いないの~?笑。」
!
そうじゃなくって~…
かわされたのかなんなのか…
「いないよ~(+_+)斎藤遊んでよ~!ちょっとくらいいいじゃん!けち」
~♪
「いいよー笑!でも高いよ。」
冗談混じりだけど約束できた♪
「何しようね!楽しみ♪今彼氏いなくて欲求不満だから斎藤襲っちゃうかもー(笑)」
なんて、下心満載のメールをした。
うすうす気づいてきた本心だった。
自分でも斎藤に対する気持ちが何なのかよくわからなかった。
何をしていても目で追ってしまう。用があるわけでもないのにメールをしてしまう。話しかけてしまう。
とにかく斎藤のことが気になって仕方なかった。
いつものようにぼーっと斎藤を見ていたら、あることに気がついた。
最初は偶然だと思ったが、人っていうのはすごいもので、興味があることに対しての観察力は半端ない。
斎藤が、よく見ている子がいた。
りほちゃん。
ショートカットでテニス部で笑顔がすごく爽やかな子だ。
斎藤は、りほちゃんが好きなんだ!!!
悔しいような、微笑ましいような、なんだか不思議な気分だった。
斎藤のその気持ちに気づいてから斎藤がりほちゃんを見つめるのを見る度に、私しか知らない秘密と、斎藤の弱みをにぎったような優越感と自分の観察力のすごさに浸っていた。
天才とバカは紙一重とはよく言うが、まさに斎藤のことだと思う。
彼女は運動神経も抜群。背が高く、男の子並みに運動ができる。いや、それ以上かもしれない。
授業は一回聞いただけで理解をして、常に一番。
休み時間に勉強をしてるとこなんて見たことない。
字も綺麗で…良いことをあげたらきりがない。
だけど発言はアホだ。
なにがアホなのか上手く説明ができないが、性格のアホさでみんなにからかわれていてムードメーカーだった。
耳には、後ろの景色が見えるくらいの巨大な穴が開いていて、ピアスだらけ。どちらかといえばパンクファッションだ。
そんな斎藤を何気なく授業中に見る。
女のコなのに、何故か気になる人になってしまったようだ。
「ねえ斎藤~、ここわかんない」
斎藤あやかに数学のわからなかった所をきいた。
「え~アンタが勉強とか珍しいね。雪降るんじゃない?(笑)そんなの適当だわ。」
笑い、バカにされながら斎藤にあしらわれた。
斎藤は性格も変わってた。そんな所もまた魅力的だった。
休み時間は斎藤をおちょくったりして過ごすようになった。
いつもと変わらない授業風景。
メールを打ったり手紙をまわしたりしていて適当に授業を受けている私とは対照的に、背筋をピンと伸ばしてノートをとっている子がいた。
名前は斎藤あやか。
ショートカットでやや襟足を伸ばしウルフに切ってあり、金と黒の二色に染めている奇抜な髪形。
セーラー服を着ていなければ男の子だ。
そんな見た目にも関わらず斎藤あやかは主席で合格し、入学式の代表にも選ばれていた。…らしい。
そんな斎藤に何故か目が行くようになった。
彼女の奇抜なファッションと、学校一の頭の良さとのギャップに、いつの間にか惹かれていた。
平凡な日常。
浩一郎と別れたことで、友達との仲を取り戻した。
部活も遅くまで練習することができるようになった。
同学年の部活仲間は、誰と二人きりになっても話が途切れることのないくらい仲がよかった。
しかし先輩からはあまりよくは思われていないのか、
「男漁りに来てんじゃねえよ。」
とか
「顔だけで生きていけると思うなよ。」
など中傷を浴びたりした。
こんなマイナー部に男漁りになんて来ねえよ!
なんて内心思いながら日々練習に勤しんだ。
大会にも出られたし、段をとることもでき、充実していった。
魔のループにはまる。
いつからなんだろうとか、あれは嘘だったのかなとか…
今までのこと全部が信じられなくなった。
それなのに…
浩一郎とはまだ会っていた。
性処理機のようになっていた。
ひたすら抱かれて、もう一度好きになってもらえるように、満足してもらえるように奉仕をした。
「今度さ、海芝の文化祭あるけど行く?」
沙世に誘われた。
その前にも、大分前に浩一郎に誘われまくっていた。
「そーいえばそんなのあったね。行こうかな」。
文化祭当日、沙世と海芝へ出かけた。
浩一郎に電話をかけたが出ない。
探してもどこにもいない。
避けられてるのかな…
そう思ったら、いた。女のコに囲まれていた。
浩一郎と目があったがそらされた。
あ、そう。
一人、女のコが近づいてくる。
「浩ちゃんの彼女?どこの学校なの?」
みんな制服を着ていたが、私は私服だった。
制服なんて着たくなかった。お嬢様にバカにされたくなかった。だから最大のオシャレをして出かけたんだ。
「学校なんて行ってない。働いてる。」
そう言って、海芝から出た。
あとから浩一郎に、なんであんなこと言ったの?とか聞かれた。
知らない!知るもんか!
自分でもわかんないよ!
とっさに言っちゃったんだよ!
小さなプライドと、母校を守りたかった。自分でも意味不明だよ。
ごめん。バカにしてごめん。
私が母校を一番バカにしてたんだね。
後から気づいた。
そして、浩一郎と連絡をとることも会うこともやめた。
私たちはやっと別れた。
名前はさきちゃん。
おしとやかで頭がよくて優しいらしい。
お嬢様学校のさきちゃんと、エリート学校の浩一郎。
お似合いだよ。
(浩一郎の中身は腐ってるけど。。)
初恋の人は、さきちゃんと同じ学校の子と付き合ったんだっけな。
浩一郎も。
偏差値は高くても所詮公立。柄も悪い。
アホなお嬢様学校にもかなわない。
どこか負い目があった。
裕福な家庭で育ったが、上には上がいる。
結局 私の方こそ遊びだったのかもしれない。
クリスマスプレゼントも最初から会う気もなく、もらうだけのつもりだったんだな。
一年半付き合った。つもり。
私だけが好きだったんだろうか。
何にも考えられなくて、ただ涙がでる。
私はただのアドレスを見ただけだ。
メールとかは見ていない。
浩一郎は何を見せたかったんだろう?
何を見たと思っているんだろう。
日曜礼拝に行った。
幼なじみの沙世に久しぶりに会い、お喋りをする。
「彼のプリクラ見せてよ~♪一回もみたことないっ」
気分は暗かったが、仕方なく見せた。
!
「えっ!蛇谷君?!」
沙世は知っていた。沙世の通う、お嬢様学校と海芝高は親密だ。
「え~…そうなんだ…。」
反応が微妙で、引っかかる。
「何かあるの?」
「ぅ~ん、あんまり言いたくないんだけど、蛇谷くん五股くらいしてるって噂だよ」
「五股?!」
二股はよくあるけど五股って…冗談?
「うちのクラスの子も何度か遊んでるし…、うちの学校で一番カワイイ子が、クリスマス、デートしたって言ってたよ」
「え?…クリスマス?」
「うん、でもその子は彼女いるから辛いって…、あっ…すごくいい子なんだよ、だから…えっと…。」
…。
何も言えなかった。
沙世には沙世の学校で築いた世界がある。
その子の叶わない恋を応援してたんだろう。
皮肉にも、私の彼氏だったってだけだ。
浩一郎と付き合って、わかったことがある。
それだけは学んだしよかったのかもしれない。
人を疑うこと。
私はそれをしたことがなかった。
表面上でしか物事を見ていなかったんだ。
小さい頃から教会で学んだことは、
信じること。
信じることが当たり前だった。刷り込みのように。
裏切られたと感じたのは初めてだった。
なんとも言えない吐き気と、ざわめく頭に過呼吸。
浩一郎はエッチをあまり求めなくなった。
なんで?なんで?
あんなに嫌だったのに、気になる。
エッチを誘う。
「舐めて。」
言われるがままにくわえ舐める。
挿入されることなくずっと。
私が浩一郎に口でしてイかしたことなんて一度もなかった。
下手なんだろうな。
「…パスタでも作るよ。ソファー座ってて。」
浩一郎がそう言ってキッチンに入る。
服を着てソファーに座る。
ソファーの前のガラスの机に、携帯が置いてある。
何気なく手に取った。
私は男のアドレス一件も入ってないけど浩一郎もちゃんと守ってるかな~と、軽い気持ちで。
見るんじゃなかった。
さき❤
そう登録されていた。ご丁寧に写メと、専用の着信音も設定されていた。
頭が真っ白になった。
アドレスをみただけでそれ以上は見れなかった。
とっさに浩一郎を見る。
パスタを炒めてて、携帯を見たことに気づいていない。
…。喉が乾く。頭がざわざわする。
「私、やっぱりそろそろ帰るよ」
「えっ?」
ソファーから腰をあげ、玄関に向かう。
ローファーを履く。浩一郎が玄関まできて、私に話しかけた。
「何しに来たの?」
精一杯笑顔を作りながら、
「遊びに…」
そういって玄関をでた。
急いでエレベーターに乗り、走って電車にむかった。
~♪
『わざと見せたんだよ。』
なんでそんなことするんだろう。
今でも理解できない。
クリスマスイブ☆
この日もデートすることになっていた。
~♪
『凛、ごめん!従兄弟が倒れちゃって病院行かなきゃ行けないから、今日は会えない。』
そんなメールがきた。
心配だった。
『大丈夫?辛いと思うけど、側についててあげてね。』
従兄弟も、浩一郎のことも心配だった。
そしてクリスマスイブも、クリスマスも家で過ごすことにした。
~♪
『なんとか大丈夫だったみたい。今は落ち着いて病棟にいるよ。』
クリスマスが過ぎてメールが入った。
よかった!
いや、よくなかった。
その日からなんとなく、浩一郎が素っ気なくなった。
クリスマス間近。
街は煌めいている。
手を繋いで浩一郎と歩く。
「プレゼントはポーターのカバンが欲しいな!」
無邪気に笑う浩一郎。
「これで学校通いたいよ~今流行ってて、お願い♪」
決して安いものではない。むしろバイトのしてない高校生には高いぐらい。
「いいよ。楽しみにしててね。」
普段はラブラブだったから、その時は喜ぶ顔が見たくて約束をした。
「じゃあさ、クリスマスまで待てないから、早めにちょうだいっ」
本人が早くほしいならいいかな、と、クリスマス前に買ってプレゼントした。
生理がくるたびに安心する。
だけど生理が終わると次の生理まで不安になる。
その繰り返し。
浩一郎は平気で中に出す。
言っても言ってもつけてくれない。
少しでも嫌がると不機嫌になり、ワガママだと言うようになる。
「俺のこと好きじゃないの?好きならできるでしょ?」
それが口癖になった。
別れたい。だけど初めての人と結婚したいし、浩一郎は私のことをすごく愛してくれている。そんな思いがどこかにあった。
女の友達と遊ぶことすら制限がかけられ、友達はいなくなりほとんど浩一郎と過ごすようになった。
それでも好きな気持ちはあったんだろう。
別れを考えたことがなかった。
浩一郎はお坊っちゃんだ。
根っからのワガママなお坊っちゃんだった。
ご飯を食べにいっても財布を出そうとはしない。
ファーストフード店では、あれ買っておいて。席で待ってるね。
と、払ったことがない。
「ごめんね、俺バイトできなくて小遣いもあんまりもらってないんだ。」
悲しい顔でそう言われると、私が払うしかない。
欲しいものを買ってあげて、したいときにさせてあげた。
自分でもわかっていた。
バカな女。
友達に愚痴を話していたら過呼吸になった。
浩一郎と会う度、エッチをするのが当たり前になっていた。
公園、マンションの階段、トイレ、色んなところで求められた。
ゴムも使ったことがなかった。
「スカートの下にズボン履けよ。」
「スカートが短い。」
「なんでメールも返せんの?」
「学校で男と喋んなよ。」
浩一郎の束縛が、ひどくなっていく。
「ゴムつけてよ…。」
「大丈夫だよ、子供なんて奇跡に近い確率でしか出来ないんだから。」
海芝に通う、医学部を目指す浩一郎が言うと、逆らえない。
私は共学で、浩一郎は男子校だ。
「男のアドレス全部消してよ」
「化粧はもっと薄くして」
毎日毎日束縛と、生理なんて関係ない避妊なしのエッチに、 私は疲れていった。
待ちに待った初体験はあっという間だった。
想像していたのとはちょっと違う。
気持ちよくもなかったし、ただ入れただけでピストン運動なんてしていない。
こんなもんかあ。
浩一郎は次会ったら今度はきちんとしよっと言ってきた。
少し期待をしていたが、生理になってしまった。
「生理でも俺は全然いいよ、凛が好きだから抱きたい。」
そう言われると断れない。
お腹も痛いし血も出て気持ち悪いけど、二回目をすることになった。
浩一郎の部屋。
出血してるからと、布団の上に新聞紙をひかれた。
特に前戯というものもなく、入れられた。
私の上に覆い被さり動く。
腰に新聞紙があたりクシャクシャと音がする。
何も感じない。
血が固まりかけパリパリとした中で出し入れをされる。
すごく惨めな気分だった。
「もう少し…っ」
私は必死にくわえる。
「ダメ、多分イけない、ねぇ入れていい?イけなかったら入れるって言ったよね」
「…うん…。」
セーラー服のスカートの中からパンツを下ろされた。
片方だけ足から外す。
浩一郎の上をまたぐように腕を引っ張られた。
浩一郎と向かい合い徐々にしゃがむ。
浩一郎は自分の物に手を添え、私の濡れている部分にあてた。
浩一郎の手が、私の肩に置かれる。
肩を押さえられ、ぐっと体を引き寄せられる。
ゆっくりと私の中に入ろうとするが、入らない。
「痛い…っ」
少し立ち上がり逃げてしまった。
無理もない。クリを触り一人でしたことはあるが、中に入れるということはしたことがなかった。
だが浩一郎は構わず私の肩に置いた手に力をかける。
そして…
「…!っっっっ!」
戸惑う暇もなく、痛みが走る。
強引にねじ込められた。
向き合って座る二人。
「はぁっ…はぁ…!」
息の荒い私…。
浩一郎が、
「痛いのは一瞬のほうがいいだろ、ゆっくりやっても痛いんだから。今日はそろそろ帰ろうか。」
浩一郎から降りパンツを履く。
すぐ後ろにいた浮浪者が、手を股間にそえ動かしていた。
何事もなかったかのようにその場を去る。
股に何か挟まっているような違和感を覚えながら家路についた。
~♪
「凛、大丈夫だった?!初めてだったんだね、シャツに血がついてた。親に気づかれたけど鼻血って言っておいたよ」
そんなメールがきていた。
オレンジの光が灯される夜の公園。周りにはビルが建ち並んでいて、両サイドには片側5車線ほどの道路がある。
道路の向こうの歩道には、仕事が終わり飲み屋に行き交う人たちやショッピングをしてる人たちが見える。
そんな場所で。。
少し木の繁ったところにある、大きな石の上に浩一郎は座りファスナーをあけた。
中からとり出される男性のもの。
生まれて初めて見た、固くなった後の姿。
浩一郎が私の後頭部に手をやり、頭をそこに持って行く。
口をあけるしか逃げ場がなかった。
浩一郎の手は力強く私の頭を固定していた。
上下に動かされる。
その動きに必死についていくように、動いた。
大きく口をあけないとふくみきれない。
浩一郎は、ぼーっと私をみている。
初めてみた変な顔。
目が、変だ。
そしてなかなかイかない。
「凛、イけない。入れていい?」
浩一郎との付き合いは順調だった。
海芝のイケメンが彼氏ってだけで鼻が高かった。
自分のことでもないのに、彼のことを自慢したりした。
1ヶ月位たっても浩一郎と体の関係はまだだった。
早く済ませたかった。
クラスメートには浩一郎とのエッチを絶対といっていいほど聞かれる。
浩一郎と会っては頭の中ではエッチのことばっかり考える。
そんなある日。
夜の繁華街の中の大きな公園。
手をつないでぶらぶらとしてた。
ベンチに座りキスをする。
舌を入れられる。激しくされる。
「…っはぁ、…ねぇ凛、エッチしたぃ…」
浩一郎が甘くささやく。
…あんなにしたいと思ってたのに、いざ実現されそうになると怖くなる。
だけど好奇心には勝てない。
「口でならいいよ…」
何を思ったかそんなことを言ってしまった。
盛り上がっている浩一郎をことわることができなかったんだろう。
「口じゃやだ、入れたい。」
思いもよらない浩一郎の発言。
「え~まだダメだよ、口でするから…ね?ガマンして」
少し必死だった。
多分ほんとに怖かったんだろう。
「じゃあ口でしていけなかったら入れていい?」
今までみたビデオや漫画は口でして絶対イってた。だから簡単だと思ってた。
「いいよ。」
私は了承した。
長いまつ毛を眺める。
浩一郎が照れくさそうに話す。
「俺、この前待ち合わせしたとき遅かったじゃん。ほんとは凛より早く来てたんだよ」
「え?そうなの?どうして?」
「どんな子か気になってさ。思ってたより可愛いけど派手だな~って思ってたら、凛がメガネかけだして。実は真面目な子なんだなって思った!俺、そういう子好きなんだ。凛と付き合いたい」
ただ目が悪くて人だかりから浩一郎を探そうとかけただけなのに…。
だけど嬉しかった。真面目が好きな人なんているんだ。
浩一郎は、専門学校も持ってるほどの大きな病院の一人息子。
お坊っちゃんだ。そんな彼からしたら、ただ派手な女子高生よりは真面目な要素もある私を好んだのだろう。
瓜田君には申し訳なかったけど、浩一郎と天秤にかけた結果、浩一郎に乗り換えることになった。
家に帰って、考えるのはキスのこと。
思い出してはニヤけてしまう。
~♪
メールだ。瓜田君かな?!
「今何してる~?この前めちゃ楽しかった!凛は楽しかった?明日会おうよ。」
浩一郎だ。
「楽しかったよ。部活終わったあとならいいよ~☆」
軽く返事をかえした。
瓜田君には全然罪悪感なんてなかった。
放課後。
美しさに惹かれ入った弓道部。
基本的な練習だけ出て、いち早く上がった。
心ここにあらず。
初めて彼氏という名の人と一緒に帰宅。
ドキドキした。
「部活終わった?瓜田君早かったね!」
自転車をひいて歩く。
瓜田君の家は反対方向だけど駅まで一緒に来てくれるみたいだ。
通りすがりの同級生に冷やかされる。
こういうのも悪くないな。。
たわいもない話をしながら駅まではあっという間だった。
駐輪場につく。
なんだか寂しいなあと…話していると、
「キスしたいな。」
瓜田君が言った。
展開の早さにびっくりしながらも、すごく嬉しかった。
男の子とキスなんてしたことない。
心臓が破裂しそうなくらいドキドキしている。
初めてするキスにドキドキしているのか、瓜田君に対する恋心なのかよくわからなかったが、うなずき目をつむった。
瓜田君の唇が軽く口に触れた。
息が出来ないほどの苦しさで、とっさに顔を離してしまう。
瓜田君の顔が赤い。
私もきっとすごく照れた顔をしていただろう。
お互いににやけながら、バイバイした。
「凛、今日一緒に帰ろう(^o^)」
瓜田君からのメール。
3日前くらいに瓜田君とメアド交換をして、ノリで付き合いを始めていた。
瓜田君は学年の男子の中で、結構かっこいい部類に入る。
知り合って数日でよく知りもしないのに、人気があるから…ただそれだけの理由で付き合ってしまった。
初めての恋人。
私は、高校生になったんだから早く彼氏というものが欲しかったし、エッチもしたかった。クラスメートの誰よりも早く経験をして、自慢したかった。
人より遅れていると思われたくなかった。
派手なクラスメートの輪に入れるように下ネタなんかも知ったかぶりしていた。
瓜田君と付き合うことは第一歩だ。
ウキウキしながらツマラナイ授業をやり過ごした。
ファーストフード店を出て、ショップの集まるビルへ入った。
「凛、これお揃いで買おうよ」
「可愛いね、いいよ」
お揃いのぬいぐるみのキーホルダーを買った。
「じゃあ俺今から塾だからこの辺で。また会おうな。」
「うん、またね。」
こうして、浩一郎とは別れた。
思ったより感じのいい人だったな。
海芝であの顔なら結構人気もあるのかな~。そう思いながら帰宅した。
学校が終わり、ガーネット広場に向かう。
綺麗に髪が巻いてあるかとか、グロスはオッケーかなとか、一応身なりはきちんとした。
ガーネット広場はいつも人で溢れかえっている。
こんな場所で初対面の人を探すのは困難だ。健太にもらったプリクラ。ちょっとぽっちゃりした、海芝の制服を着た浩一郎が写っている。
はっきり言って好みではなかった。
プリクラを見ながら浩一郎を探す。
遅い。
待ち合わせ時間はかなり過ぎている。
帰るか。
すると、肩に手をやられた。
「凛?遅くなってごめんね、浩一郎だよ」
浩一郎だ。
「どうも。遅いね。来ないかと思ったよ。どこか行く?」
「うん、適当にぶらぶらしよっ」
無邪気に浩一郎がいう。
プリクラとは少し違う。
ぽっちゃりというか筋肉質な感じで、目鼻立ちがくっきりしている。まつ毛がすごく長い。
声は思ったより低いな。
冷静に分析する。
何気ない会話をしながら、近くのショップをぶらぶらする。
疲れたのでファーストフード店に入る。
向き合って座る。
大きな瞳から目が離せなくなった。
なんなのだろうか。
恋をしたとかではない。かっこいいと思ったわけではない。
ただ、目が離せなかった。
二重のラインと長いまつ毛が綺麗だった。
それだけをずっと見ていた。
~♪
『会ってみたけど、あんまり俺の好みじゃなかった~残念…、誰か他にいない~?』
浩一郎からだ。いい加減うっとうしくなってきた。
紹介しろばっかりはさすがにめんどくさいし勝手にやってろとさえ思えてきた。
『いろいろ探してるんだけどね~…みんな彼氏持ちとかで。ごめんね~』
ちょっと流そうと思ったら、すぐ返事がきた。
~♪
『じゃあさ、凛会おうよ。今日ひま?』
はあ?何いってんのこいつ。
誰でもいいんか。
『まあ暇だからいいよ。』
~♪
『5時にガーネット広場に待ち合わせね』
『オッケー』
しょうがない。まいっか。
「凛、こいつ女のコ紹介してってうるさくてさ、誰かいい子紹介してあげてよ。」
クラスメートの健太がいう。
「まじで?じゃあ適当に探しとくわ。メールすればいい?」
こうして、浩一郎とメールをすることになった。
『可愛い子だれかいない~?俺は浩一郎。海芝高だよ』
海芝って言ったら、私立のお坊っちゃんがいく賢い高校だ。お金と知性がないと入れない。スゴいじゃん。とりあえず仲良くしとくか。
そんな気持ちでメールを返した。
『凛です。初めまして。可愛い子かぁ~。私の友達みんな可愛いよ(笑)。どんな子がいい?』
浩一郎にはいろいろと紹介をしてあげた。
新しい学校。
電車通学。
高校生になった。
この学校は自由な校風がウリだった。
勉強さえしていれば何も言われない。
髪を染めてても、ピアスをしてても、スカートが短くても、たとえ制服を着ていなくても、何も言われない。
授業にでなくても何を言われることもない。
だけど偏差値は高かった。
私にしては天国のような学校だった。
毎日学校帰りや途中で繁華街に出かけた。
絵なんて全く描くこともなくなり、遊ぶのに忙しい女子高生 だった。
「お母さん、私光が丘に行きたい。」
進路について母に語った。
光が丘は、絵画の特進クラスがあった。地元でも一、二を争う進学校だった。
自慢ではないが、絵画では何度か賞をもらったり、習っていた絵画教室の先生にアトリエに誘われていたりした。
才能があると小さい頃からもてはやされていたし自分でもそう思っていた。
母も賛成してくれると思っていた。
私には絵しかないと思っていた。
「何言ってるの?普通科にしなさい。絵で食べていけると思ってるの、やめなさい」
あっさりと道は閉ざされた。
私は普通科の進学校に通うことになった。
この時に無理にでも進んでいたら今では違う人生を歩んでいたのだろうか。
まだ、誰とも付き合ったことがなかった。
里菜の話は激しい。
すごく興味があった。アダルトビデオを一緒に見たりした。メル友を作って卑猥な会話をしたりもした。
そんなことをしてる一方で、絵描き友達と地味に遊んだりもした。
外面と内面のギャップが苦しい。
絵とか漫画とかクラシックが好きな私。根は真面目で塾にも通いクラスで一桁をとる私。
見た目が派手な私。言動がきつくリーダーシップをとる私。
一年間で8人位に告白されたが、内面と外面のギャップに自分で戸惑い結局付き合うことはなかった。
あんたが好きなのはどっちなの?どうせ見た目なんでしょ。
そう思っていた。
自惚れだとも思うが。
里菜と、その周りの子とつるむこともあった。
だけど私はヤンキーではない。両親は厳しい。
身なりはそれなりに気にするようになったけど、内面は絵を描くことが好きな暗い人間だ。
だけど周りはそうは思わない。
背が高く細身の体型や、綺麗なものが好きでネイルをしていたり、流行りもの好きな両親の影響で誰よりも早く携帯やブランド物を使っていたりした。きっと派手な中学生だったのだろう。
スカートも短くしたりして、先輩に呼び出しされたこともあった。
段々、絵を描くことが恥ずかしくなっていった。
中学生になった私。
「凛、部活どうする?やっぱりブラスバンド入る?」
小学校で同じ器楽部だった美紀がいう。
「私はサックスも打楽器も好きだけどクラシックが好きだからなあ…。美術部に入るよ」
そうして美術部に入ったが、のちに宏明君がブラスバンドに入ったことをしり、後悔した。
私と同じ学年の子と付き合ったことも噂できいた。
美術部にはあまり行くことはなかった。
美術部で知り合った暗めの里菜は、途中から学年イチのヤンキーになってしまったからだ。
彼女の噂はすごかった。
子供ができた、中絶しただとか。
そんな子じゃなかったのに。
ある日、遊具で遊んでいた男の子に、一目惚れをした。
衝撃的な瞬間。
その子のことが知りたい。みたい。
今で言うストーカーのように彼のことを調べ尽くした。
名前は宏明君。学年は一つ下。
住んでるとこや、お姉ちゃんがいること。
彼を観察しては、宏明君ノートに書きこんでいった。
ただ、その恋が実ることはなかった。
告白なんてもちろん、彼を目の前に隠れてしまうほど。
喋ったことなんて一度もなかった。
4年間の片想いをして、私は卒業した。
同級生と同じ学校に行きたくなくて国立市立を受けたが、全て落ちてそのまま公立中学に上がることになった。
小学校に上がった。
忘れ物が多くて、字が下手でよく母に叱られた。
学校では背が他の子よりも倍高くて馴染めなかった。
朝も起きられず、決められた分団登校も6年間で数回しかしたことない。
小学生のくせに毎日一人で歩く通学が暇で、当時流行っていたたまごっちをやりながら登校していた。
「先生、凛さんがたまごっちを持ってました」
帰りの会にクラスメートが発言をした。それにつづいて
「先生、凛さんが打楽器を倒したのに見て見ぬふりで直しませんでした。」
私はクラスメートには好かれていなかったのだろう。
たまごっちは仕方ないとして、身に覚えのないことをよく言われ、担任からどしかられることはしょっちゅうだった。
「凛は生まれてすぐおばあちゃんに預かってもらってたんだよ」
母がいう。
「少し大きくなって、隣の団地のお友達にも預かってもらってたんだよ」
違和感があった。三人兄妹の末っ子に生まれた私。
何故私だけが両親に育ててもらえなかったのか。
出産したあとすぐの母の手術。
仕方のないことだとわかっていても、どうしてもそれだけがずっと引っかかっていた。
サイレントベビーだったと両親に笑い話にされるたび、複雑だった。
初恋は、通っている幼稚園の牧師さんの子だった。
日本人だけど日本人離れした、ハンサムな一つ年下の男の子。
やんちゃでませてて、人気者だった。
卒園してからも教会で絵画を習っていたので会う機会が何度かあった。
だけど両思いになることはなく、違う小学校、中学生に通って、さらに彼は沖縄に引越してしまい存在を忘れていた。
高校生になるころ沖縄から帰って来たことを知り、久しぶりに教会の日曜礼拝にでたが…来ていた私立のクリスチャンの子と付き合ってるのが発覚して、あっけなくひっそりとあきらめた。
私に彼氏はいたが、特別な存在だった。
今彼はどう過ごしているのだろう。
小さい頃から女性の裸が好きだった。
絵に描いたり、母のブラをつけたり、歯科助手さんの胸元をこっそり見たり。
心の奥底では、女性が好きなのかもしれないが、ただ単純に、綺麗なものが好きだったんだと思う。
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