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あいつと私

レス5 HIT数 2628 あ+ あ-

ローズマリー( ♀ ZozGnb )
12/03/04 06:17(更新日時)

こんな男、絶対に嫌だと思ったのに…

友達に誘われた合コン。
隅の席で暗〜い雰囲気のあいつを見た時は、無理、絶対に無理と思った。

あいつが一瞬だけ顔をあげて私を見た。

八方美人の癖が災いして、つい微笑んでしまう。

あいつは、微笑み返さずうつむいた。

なんだよ…人がせっかく笑いかけてやったのに。
私は、あいつの態度に憮然とした。

そつなく一次会が終わり二次会のカラオケに移動中、メンバーの一人があいつに言った。

「あれ?お前帰るって言ってなかった?」
「行ったらダメかな?」

今にも消え入りそうな声であいつが言う。

「いや、別にいいけど」

あいつは、友達に遠慮しながらも着いてきた。

それが、あいつと私の出会いだった…

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No.1754182 12/02/24 23:14(スレ作成日時)

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No.1 12/02/24 23:29
ローズマリー ( ♀ ZozGnb )

カラオケの部屋に入るといつのまにかあいつは私の隣をキープしていた。

あれ?と思ったが、斜め前に座ってる男性がタイプだったので、あいつの事はそのままにしといた。

隣にいるのに何も話さないあいつ。
気を使いみんな話題を振るが頷くだけ。

途中のトイレタイムで女友達がすりよってきた。

「ねぇねぇ、誰タイプ?」
「私は前田君かな」
「わかるー元カレに似てない?」
「そうかな?」

私はグロスを引き直してから鏡で自分の顔を見た。

自分で言うのもなんだが、なかなかイケてる方だと思う。

社会人デビューしたせいか浮かれ方が半端なくて、チャラい男に引っ掛かっては泣きをみてきた。

いっその事、ぶす子に産まれればこんな悩みをしなくて済んだかなと複雑な思いでメイクを終わらせる。

「でも、マリーの横に座ってるあれさー」

もはや、あれ呼ばわりですか…

「マリーに気があるんじゃない?」
「え?まさか」
「いやいや絶対」

友達は面白そうに目を細める。

「やめてよ」
「だよね、マリーがあれを相手にするわけないか」
「もう戻ろう」

私は化粧ポーチをバックにしまいながら、なぜかあいつの悪口は聞きたくないと思った。

No.2 12/02/24 23:46
ローズマリー ( ♀ ZozGnb )

カラオケも終わり間近、幹事が全員でアド交換しようと持ちかける。

その時、私は気づいた。
あいつがいない…

あちこちで交換が始まった時にあいつがトイレから帰ってきた。

入りづらそうにガラス戸の前でウロウロしている。

私は立ち上がりガラス戸を開けた。

「どうしたんですか?」
「…いや、アド交換してるから」
「浜田さんもしたら?」
「え…でも、僕がいたら嫌なんでしょ?」

自分が席を外した隙に交換してると勘違いしたようだ。

「偶然ですよ」
「…そうかな」

あーもうっなんてネガティブなんだと思いつつ努めて笑顔で部屋に引っ張りこむ。

「あっ浜ちゃん交換しよー」

ベロベロに酔った女性メンバーが絡んできた。

「ほらっ大丈夫でしょ」

私は、あいつに囁いた。

「う…うん」

あいつは、酔った女性メンバーと交換してから私に向き合った。

「あの…マリーさんもいいですか?」
「ん?あっいいよー」

私は軽いノリであいつとアド交換をした。

結局あいつは、酔った子と私のアドレスだけ聞いて帰った。

No.3 12/02/25 00:12
ローズマリー ( ♀ ZozGnb )

合コンの熱も冷めた頃、一通のメールがきた。

ベロベロに酔ってあいつとアド交換した子(絵美子)だった。

「週末ひま?」
「今のとこは」
「飲みに行かん?」
「いいよ、二人で?」
「メンバーはお楽しみ〜」
「怖いな〜(笑)」

金曜日がきて、待ち合わせの駅で絵美子と会った。

「他の人は?」
「先に行ってる」
「ふーん…」

駅前のお洒落な居酒屋に着くと個室に通された。

ドキドキしながら入ると、あいつと前田君が座っていた。

「待ってたよ〜」

手前に座っていた前田君が満面の笑みで迎えてくれる。

あいつは窓際に座りゴニョゴニョと何か言った。

「まぁまぁまぁ」

絵美子がヤリ手ババアのような口調で私を窓際に座らせる。

あいつと私は向かい合った。

「久しぶり」
「うん…」
「もーテンション低いよ」

少し茶化すと、あいつは軽く笑った。

No.4 12/02/26 10:19
ローズマリー ( ♀ ZozGnb )

あいつは、身長低め、専門卒、PC関係の下請け、黒髪、メガネ、見るからにモテない君。
でも、いい人なんだと思った。

いい人だと思ってはいたけど、それだけ。

飲み会が終わった次の日前田君からメール。

「今度二人だけで遊びませんか?😄」

断る理由などなくOKした。

1週間ほど経ち、花見しない?と友達からメールが回ってきた。
メンバーは、あの日合コンしたメンバーだった。

もちろん、絵美子、前田君、私、あいつも入ってる。

夕方前田君からメール。

「花見のメールきた?」
「きたよ」
「マリーさんはどうするの?」
「暇だから行くかな」
「そうか〜」
「なんで?」
「よかったら二人で会わない?」
「いいけど」
「じゃあ、近くなったらまたメールするね」

前田君のメールを終わらせてから、私は絵美子にメールをした。

「花見の日用事あるから行けない💦」
「そうなの?浜ちゃん寂しがるよ😉」
「行けたら行くね」

少しお茶を濁して花見を断った。

No.5 12/03/04 06:17
ローズマリー ( ♀ ZozGnb )

花見を蹴って前田君とデートをした。

「今頃みんな騒いでるかな?」
「たぶんね」
「なんか背徳感ない?」

前田君は、目を見開いて覗き込むように私を見る。

「そうだね…」

なんかこの人違うかなって思いがよぎる。
みんなを出し抜いた事を楽しんでる感じがした。

「それより…」
「うん?」
「ぶっちゃけ、マリーさんと付き合いたいんだけど」
「はぁ…」

これまた随分、ぶっちゃけた。

「まだよくわかんないし…」
「付き合ってく途中でわかりあえばいいよ」

前田君は強引に話しを進める。

困っていると前田君の携帯にメールがきた。
前田君は携帯をいじると、困ったような顔をした。

「浜田からメール」
「なんて?」
「酔ってるみたい、今から来いって」
「浜田君のキャラじゃないね」
「かなり酔ってるな」
「合流したら?」
「一緒に行かない?」
「私はいい。用事って言っちゃったし」
「そっか〜二人で登場したら面白かったのに」

やっぱりこの人は、このシチュエーションを楽しんでいるんだと確信した。

「行っといでよ、後で様子教えて」
「わかった〜なんかあったらメールするわ」

デートを切り上げ私は帰宅した。

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