アラサー・バツイチ女のリアルな物語
「いらっしゃいませ!」
「おっ!彩乃ちゃん!今日も元気いいね!」
私、伊藤彩乃。30歳。
バツイチの出戻り。
子供なし。
離婚して以来彼氏もなし。
昼間は旅行代理店でアルバイト。
夜は両親が営む小さな居酒屋を手伝っている。
声をかけてくれたのは常連客の中嶋さん。
父の古くからの友人でもある。
「いつものやつよろしく!」
「毎度どうも😄」
中嶋さんはいつも、焼酎の烏龍茶割りを頼む。
いつもは一人で来るが、今日はお連れ様も一緒だ。
会社の部下になるという中村さん。
「お飲み物は?」
「俺は生中で」
「かしこまりました!」
今日のお通しは、母特製の切り干し大根の煮物。
常連客には、なかなか評判が良い。
カウンター席に座る2人の元にお通しと焼酎、生中を運ぶ。
「お待たせしました~」
これが、中村さんとの出会いになった。
*人生初めての小説です。至らないところもありますが、読んで下さると嬉しいです😄
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「ねぇ、ねーちゃん!宮田さんが結婚してるの知らなかったの?」
由佳がねーちゃんに話し掛けた。
「知らないよ💢結婚してるの知ってたら付き合ってないし💢」
何故かキレてる😅
ねーちゃんはタバコを出しくわえたけど「あっ…妊婦がいるから吸えないか」とタバコをしまった。
そして「あたしバカだけどさ、不倫や浮気する男が一番嫌いなんだよ💢嫁がいるのに他の女に手を出す野郎って猿以下の下手物だね💢騙しやがって💢💢💢」
ねーちゃんは口は悪いけど常識はあるらしい。
「ねーちゃん!なかなか賢いじゃない!宮田さんは既婚者で、奥さんは今妊娠中なの!もう宮田さんとは会わないって約束出来る?」
由佳の問いかけにねーちゃんは「約束も何も、既婚者だとわかった今、もう気持ちは冷めたよ、気持ち悪い男💢ねぇ、言っとくけどあたし悪くないよ、あたしから誘った訳じゃないし!みやちゃんから誘われて結構タイプだし、今彼氏いないしいっかな~って感じで付き合っただけ!もう連絡もしないし会わないし!」
そして携帯を取り出し「みんなの前で今、みやちゃんの携帯番号とアドレス削除するから見てて!」
そう言ってねーちゃんは目の前で削除ボタンを押した。
「これであたしからは連絡出来ないから」
何かこのねーちゃん…すごいな💦
竹を割った性格って、こういう事を言うのかな😅
宮田さんは、ただただ黙っている。
「ねぇ、もうあたし関係ないから帰っていい?これ以上面倒くさいのは嫌だ!」
そう言って、カバンを持って立ち上がりあっという間に帰って行った。
と思ったらまた戻って来た。
「奥さん!元気な赤ちゃん生んでね!悪かったね…」
そして帰って行った。
ねーちゃんが帰ってから、まるで嵐が去って行ったみたい。
静かな空間になっていた。
「宮田、お前の仕事は俺と安田と木村くんとでやるから、まぁ…退勤までに戻って来いな😅」
佐田さんがそう言うと、安田さんは「ごゆっくり😅森川ちゃん!悪いけど俺ら仕事があるから戻るわ😅」と言って帰って行った。
一人残された宮田さん。
さっきから一言も話さず、ずっと携帯をいじっている。
「宮田さん、ねーちゃんも安田くん達も帰った事だし、詳しく話を聞かせてもらえないかなぁ?」
「…」
宮田さんは話し掛ける由佳を無視し、ひたすら携帯をいじる。
「不倫なんかして恥ずかしくないの?」
「…」
「友美ちゃんの気持ち、考えた事あんの⁉」
「…」
「ねぇ!宮田さん!聞いてるの⁉返事くらいしなさいよ💢」
「…」
相変わらず無言で携帯をいじる宮田さんに、由佳がぶち切れた😠
由佳は立ち上がり、宮田さんの携帯を取り上げて友美さんに渡した。
すると宮田さんは「何すんだよ💢黙ってりゃいきがってよ💢お前には関係ねーだろーよ💢コノヤロウ💢」
そう言って宮田さんは由佳の髪を掴んだ。
由佳は「女に手を出すなんて上等じゃねーか💢ほら!殴れ殴れ💢」
髪を掴まれたまま挑発する由佳。
その時に、個室のふすまが突然開いた。
「シン!お前は何をやってんだ!」
いきなり怒鳴り声が聞こえた。
「…兄貴」
えっ⁉
宮田さんのお兄さん⁉
作業着を着て、背が高く坊主頭でガタイが良い男性。
「友美ちゃんから連絡が来たんだよ💢お前、その女から手を離せ💢」
「…チッ」
舌打ちと共に宮田さんは、由佳から手を離した。
由佳は乱れた髪と服を直しながら「私、友美ちゃんの先輩になります森川と言います。こちらは私と友美ちゃんの友達の中村さんです」と挨拶。
「はじめまして」
宮田さんのお兄さんと簡単にご挨拶。
「友美ちゃんから連絡を受けたんだけど、仕事が終わらず遅くなってしまいました。来てみたら…森川さん、弟が失礼しました」
そう言って頭を下げた。
「いえ、私もカッとなってきつく言ってしまいましたから💦」
由佳も頭を下げた。
宮田さんはまた黙ってしまった。
ちょっとした騒動に男性店員が「どうなさいましたか⁉」と駆け付けた。
「あっ💦いえ💦ちょっとした痴話喧嘩で💦すみません😣」
入り口の近くにいた私は、咄嗟に言い訳をする。
男性店員さんは「すみません、他のお客様のご迷惑になりますので…」と丁寧だけど少しきつめに話す。
「すみません💦」
平謝りの私。
これ以上店にいずらくなり、会計を済ませてから友美さん夫婦のマンションへ向かう事になった。
宮田さんのお兄さんは仕事をこれ以上あけられないと言う事で、専業主婦である宮田さんの実姉さんが来てくれる事になった。
お兄さんとはお店でお別れし、由佳の軽自動車に4人乗り友美さんのマンションに着いた。
車内は無言。
宮田さん夫婦が後部座席に座っているけど、お互い窓の外を眺めている。
「車、何処に停めたらいい?」
由佳が友美さんに聞く。
「あっ、今旦那の車がないので202って書いてあるあそこに停めて大丈夫です」
「オッケー!」
由佳は指定された場所に車を停めた。
すると、マンションの裏から1歳くらいの子供を抱っこした、少しぽっちゃりとした女性が現れた。
友美さんが「お姉さん」と言いながら車を降りた。
宮田さんは「面倒くせーな」とボソッと呟き車を降りた。
「シン!兄ちゃんからさっき電話があったんだけど…あんたは何を考えてんの⁉💢」
「…」
また無言の宮田さん。
「とりあえず部屋に…」
友美さんはそう言うと、部屋を案内してくれた。
部屋は2LDKで、友美さんが好きなキャラクターのぬいぐるみがリビングに沢山並べられていた。
それ以外は必要最低限のものしかない、大変シンプルな部屋。
宮田さんのお姉さんの子供は、ぬいぐるみに興味を示し、ハイハイ選手権なる競技があるなら絶対優勝してるんじゃないか?と思わせるすごい早さのハイハイでぬいぐるみに近付き遊び出した。
それを見てお姉さんが「友美ちゃん!舐めるからヨダレでベロベロになっちゃうけど💦」と申し訳なさそうに言う。
「大丈夫です😄まーくん!いっぱい遊んでいいからね😄」と言って、ぬいぐるみをいっぱいまーくんの近くに持って来た。
まーくんは早速ぬいぐるみにかぶりつく。
「この子がおとなしいうちに…で、私は詳しくは知らないから誰か教えてくれないかしら?」
由佳が「ご挨拶遅れました」と先に簡単に挨拶をした後に、さっきの出来事を話す。
お姉さんはまーくんの様子を見ながら黙って由佳の話を聞いていた。
話が終わると、お姉さんは「シン!」と言って座っている宮田さんの前に行き顔をひっぱたいた。
叩かれても宮田さんのだんまりは続く。
その時、下半身の異変に気付く。
「ごめん友美ちゃん、トイレ貸して💦」
「あっ、はい😄」
トイレの場所を教えてもらいパンツを下ろすと、パンツ一面に真っ赤な血が😱
「ヤバい…どうしよう…慌てて来たから病院に行きたくても母子手帳は家だ😫帰れる雰囲気じゃないし…でも…どうしよう😱」
トイレで色々考える。
「いや、赤ちゃんに何かあったら大変!」
意を決して由佳に「こんな時にごめん、ちょっと…」
由佳を玄関に呼び出した。
「由佳あのね、今トイレに行ったら出血してて…」
「えっ?それってヤバいんじゃないの⁉呼び出してごめん!早く病院に行かなきゃ💦送ってくよ!」
「いや、タクシーで帰るよ💦こっからならしれてる距離だし」
「何かごめん…」
由佳は自分が無理矢理呼び出したから出血したと思っているみたい。
「由佳のせいじゃないから気にしないで!痛みは何にもないし😄友美さんの側にいてあげて!」
「彩乃…本当ごめん😫」
「大丈夫!私はこのまま帰るね😄」
「もしヤバかったらすぐに言って!すぐ行くから!」
「ありがとう😄」
ハンドバッグだけ取りにリビングに戻り、静かに部屋を出た。
タクシーはすぐにつかまり自分のアパートへ。
一応、拓実さんと親にも連絡するか。
病院に連絡をすると「今すぐ来て下さい」と言われたため、準備してあったお産入院セットを持ってタクシーで病院に向かう。
タクシーに乗っている間に拓実さんから連絡があった。
「彩乃ちゃん!大丈夫⁉痛みは⁉辛くない⁉中嶋さんに言ったらすぐに病院に行け!って言われたから、これからすぐに病院に向かうから!」
一気に話し、電話が切れた。
予定日はまだ先だから、のんびり構えてたけど、もしかしたら赤ちゃん生まれて来るのかな?
出血は「おしるし」ってやつなのかな?
結構な出血だったから、赤ちゃん大丈夫かな😞
色々考えていると病院に着いた。
時間外だったため、救急の入り口から入った。
「先程電話した中村と言いますけど…」
救急受付の人に名前を告げると「少しお待ち下さいね」と内線を押した。
すぐに看護師さんが来てくれて「痛みはありますか?歩けそうですか?」と聞かれて「痛みはないし歩けます」と答えると、看護師さんがお産入院セットを持ってくれて、ゆっくり診察室に向かう。
診察の結果は「お産始まってますね、このまま入院して下さい」
えっ?
お産が始まってる?
さっきから腰が何となく痛かったけど、これってもしかして陣痛⁉
いきなり過ぎてまだ心の準備が出来ていないけど…いよいよ赤ちゃんに会える時が来た!
看護師さんに用意されたワンピースのパジャマみたいなやつに着替えていると、拓実さんがすごい勢いで病室に入って来た。
「彩乃ちゃん!大丈夫⁉…あれ?以外に普通だね😅」
「あっ、拓実さん😄今のところは😅」
「お産が始まってるって言うから、陣痛で苦しんでるんじゃないかって思って急いで来たんだ💦」
「あはは😅何かまだ実感がない💧」
「これからだね😄」
腰に鈍く重い痛みはあるけど、まだ全然平気。
化粧してあるから洗面所で化粧を取り、一緒に歯磨きもする。
その時に、お父さんとお母さんが仕事着のまま息を切らして病室に来た。
「彩乃!生まれそうなんだって⁉」
お母さんが息を切らしながら話す。
「あっ、お父さんお母さん😄」
「あっ!じゃないわよ💦大丈夫なの⁉痛みは?」
「まだ大丈夫!でも、腰に鈍い痛みがあるからこれからかな」
「お産が始まってるって言うから心配で…」
やっぱりお産が始まってるって言われたら、そりゃ慌てるよな😅
まだ余裕な私を見て両親は「今日は店閉めて着替えて来るから」と一度帰る。
拓実さんはスーツ姿だけど「彩乃の両親が戻って来たら、一旦着替えに帰るから😄」と、それまで付き添ってくれた。
「中村さ~ん!お食事ありますけど食べれそうですか?」
看護師さんがご飯を持って来てくれた。
「はい😄頂きます😄」
「彩乃ちゃん、今のうちに食べておいた方かいいよ!いっぱい食べて😄」
「拓実さんは?」
「俺は着替えに帰った時に何か適当に食べるから大丈夫✌」
「ごめんね💦お先に💦」
私は晩御飯を食べる。
きちんと完食し、拓実さんが持って来てくれたせんべいも3枚食べた。
「これだけ食べたら、きっと出産に耐えれるね😁」
「そうだね😄」
「今日か明日には赤ちゃんと会えるね!」
「彩乃ちゃん!頑張ってよ!」
「ありがとう😄」
それから程なくして、着替え終わった両親が来た。
「彩乃!どうだ?」
「お父さん!まだ何でもなさそう💦」
「そうか…」
そう言って、近くにあった椅子に座る。
「お父さん!お母さん!あの俺、一回着替えに帰ります!また来ますから!」
拓実さんはそう言って病室を出た。
今のうちに由佳にも連絡しようかな…
まだ話してるかな…
メールなら大丈夫かな?
私は由佳に「間もなく出産😄」とメール。
すぐにメールが返って来た。
「マジで⁉」
それからすぐに由佳が来てくれた。
この病院は、陣痛室と分娩室は隣同士でカーテンみたいなので仕切られている。
陣痛室も分娩室も狭いけど一応個室。
ただ、壁が薄いのか隣の部屋の声が聞こえる。
「彩乃!大丈夫⁉」
「由佳、来てくれたんだ😄今のところはまだそんなに…」
「そっか😅」
お母さんが「由佳ちゃん!わざわざ来てくれてありがとう😄良かったら、ここに座って!」と隅っこに置いてあったパイプ椅子をずらして来た。
「おばさん💦すみません!」
由佳は軽く頭を下げて椅子に座った。
お父さん、お母さん、拓実さん、由佳の4人に見つめられ、ちょっと恥ずかしい😅
「赤ちゃんはどっち似でしょうね😄」
「元気に生まれて来てくれるといいですね!」
お父さん以外の3人は、赤ちゃんについて色々話している。
お父さんは椅子に腰掛け腕を組み、目をつぶっている。
私も会話に参加し「明日には会えるかな?」なんて話している余裕があった。
由佳が来て2時間。
腰の鈍痛はあるものの、生まれる気配は全くなし。
「赤ちゃん、恥ずかしがってるのかな😅」
なんて話していたその時!
突然突き上げられる様な痛みが体を突き抜ける。
「うおぉ~😲」
思わず唸る。
お母さんと由佳が同時に「彩乃⁉」と声を掛けてくれる。
「いよいよ来たかも…」
その声に目をつぶっていたお父さんが目を開けた。
いきなり激しく襲って来る陣痛の波。
「痛いよ💢」
キレる私。
「彩乃!キレたって仕方ないでしょ!頑張って!」
お母さんが腰をさすりながら励ましてくれる。
由佳も「彩乃!頑張って!」と手を握ってくれた。
「あ~痛い!痛~い!」
野生に還ったかの様に絶叫する私。
髪の毛がうっとうしい💦
汗で顔にくっつく。
お父さんも拓実さんも、絶叫している私を見てオロオロ。
「俺はどうしたらいいんだ💢」とキレるお父さん。
「お父さん!キレてないで彩乃の顔をタオルで拭いてあげて!」
「よし!」
お父さんはタオルでゴシゴシ私の顔を拭く。
お母さんはこのメンバーの中で唯一の出産経験者。
いざという時は頼りになる。
由佳は「彩乃!頑張って!」と手を握り、陣痛と闘っている私を見て目を真っ赤にして泣いていた。
陣痛が来る度に由佳の手をギュッと握るため、由佳の手は真っ赤になっていたけど、由佳はそれでもずっと離さず握ってくれている。
拓実さんは看護師さんと何やら話しているが、私の叫び声で会話は良く聞こえない。
「中村さん!子宮口は5センチまで開いてますから、もう少しで生まれますよ!」
「あとどのくらいですか⁉」
陣痛と闘いながら、看護師さんに聞く。
「明日になるかな?」
え~⁉
この痛みが明日まで続くの⁉😱
耐えられるかな😫
いつの間にか、日付が変わっていた。
「由佳、明日仕事じゃないの⁉」
陣痛の合間に由佳に話し掛ける。
お母さんも「由佳ちゃん!もう夜中だし…明日仕事ならもう帰った方が…」と話していると由佳が「おばさん!私、彩乃と一緒にいたいんです!彩乃がこんなに頑張ってるのに…」涙声で話す。
「彩乃!私、邪魔なら帰るけど、私はこんなに頑張っている彩乃をほっとけない!私の心配より、赤ちゃんと自分の事だけ頑張って!」
由佳は真っ赤な目で目一杯の笑顔で言ってくれた。
「由佳…ありがとう」
お母さんも「由佳ちゃん、ありがとう」と涙目になっていた。
みんなも疲れているのに、陣痛で苦しんでる私のために励まし応援してくれる。
お父さんはずっと無言だけど、たまに私の顔をタオルで拭いてくれたり、飲み物をストローで飲ませてくれたりしてくれる。
お母さんは、ずっと腰をさすったりお尻をぐっと押してくれる。
由佳は泣きながらも私の手をギュッと握ってくれたり「頑張って!」と声を掛けてくれる。
拓実さんは、拓実さんの実家に連絡したり様子を見に来る看護師さんや先生と話したりしている。
みんなみんなありがとう!
陣痛は辛いし苦しいけど、私頑張るから!
赤ちゃんも今、みんなに会おうと一生懸命なんだよね。
ママ頑張るから、どうか無事に生まれて来てね!
みんな待ってるからね!
看護師さんが様子を見に来る。
「中村さん!そろそろ分娩室に行きましょうか」
「という事は、もう生まれるんですか⁉」
由佳が話す。
「そうですね、もう赤ちゃんの頭が見えてますから、あと少しです!」
由佳はパァ~と顔が明るくなる。
ものの数メートルの距離だけど、看護師さんにつかまらないと歩けない。
陣痛の痛みでちょっと歩いては立ち止まる。
「中村さん!頑張って!もう少し!」
看護師さんがそう言って、陣痛で痛がる私を支えてくれる。
やっとの思いで分娩台に乗ると先生が来た。
「はい!いきんで!」
「うーん」
目一杯いきむ。
何度かいきむと、ふっと楽になった。
「ホギャ…フギャ…」
声が聞こえた。
「おめでとうございます!中村さん!元気な男の子が生まれましたよ!」
「フンギャ~!」
赤ちゃんの産声も聞こえた。
「生まれたーっっっ!!」
拓実さんの叫び声が聞こえた。
生まれたての赤ちゃんとご対面。
ちっちゃいなぁ❤
さっきまでお腹にいたなんて信じられない😲
恐る恐る抱っこをする。
ふにゃふにゃしている😄
さっきまでの苦しみが嘘みたい😆
お父さん、お母さん、由佳、拓実さんとも初対面。
「ヤバい😆可愛い❤初めまして~由佳おばちゃんだよ❤」
由佳はちっちゃい我が子を抱っこ。
お父さんもお母さんも拓実さんも覗き込んで孫を見ている。
お母さんは涙を流しながら「頑張ったね」と言いながら赤ちゃんを抱っこ。
お父さんも抱っこ。
黙って孫の顔をじっと見つめている。
そして「何か猿みたいだな」と呟く。
でも、口元がにやけていた。
拓実さんが持って来たデジカメで写真を取りまくる。
もう朝日が眩しくなっていた。
「彩乃!おめでとう!そしてお疲れ様だったね😄彩乃の出産に立ち会えて本当に嬉しかった!もっといたいけど、彩乃も少し休まないとね!私は仕事に行って来るわ~💦」
「全然寝てないじゃん💦大丈夫⁉」
私が聞くと「大丈夫!眠くなったら、外回り行って来ま~すって言ってサボって寝るから😁また来るね!」
「由佳、本当にありがとう😄」
「こっちこそありがとう!」
お父さん、お母さん、拓実さんにも挨拶をして由佳は帰って行った。
お父さんもお母さんも由佳が帰ってから、無事に生まれて安心したのか急に睡魔が襲って来たらしく「一旦帰るから」と言って帰って行った。
拓実さんも眠そう。
「少し休んだら?」
「うん…」
「今日仕事は?」
「休みもらった😄」
「そっか😄じゃあ、ゆっくり休めるね」
「彩乃ちゃん!ごめん、俺一回帰って寝る💦」
「うん😄」
拓実さんも帰った。
私も少し休みたいけど興奮しているのか、なかなか眠れない😞
でも、出された朝食を食べたら睡魔が襲って来て、それからしばらくは爆睡出来た。
夕方になり、拓実さんのお母さんと龍輝くんと小春ちゃんが来た。
「お母さん!赤ちゃんは?」
龍輝くんも小春ちゃんも、赤ちゃんに興味津々。
「今ね、赤ちゃんはね、他の赤ちゃんと一緒にねんねしてるから静かにしないと赤ちゃん起きちゃうからね😄」
そう言って、新生児室がある方向に指をさし「お母さんと一緒に赤ちゃん見ようか😄」と、一緒に新生児室のガラス越しに赤ちゃんを見る。
「お母さん見えないよ?どれ?」
龍輝くんからはちょうど影になって見えなかった。
「ん?どれどれ😄」
私は龍輝くんから赤ちゃんが見える位置にずれた。
「あっ!いた!」
龍輝くんはすぐに見つけて叫んだ。
「小春は見えないよ😫」
小春ちゃんは背が足りなくて見えなかった💦
「よし!よっこいしょ!」
そう言って小春ちゃんを抱っこした。
「見えるかい?弟だよ!小春ちゃん、お姉ちゃんになったんだよ!」
「あっ!見えるよ!おーい!お姉ちゃんだよ!」
小春ちゃんはそう言って赤ちゃんに手を降っている。
「可愛い❤」
赤ちゃんに釘付けの2人。
拓実さんのお母さんが「彩乃ちゃん!お疲れ様😄無事に生まれて良かったわね😄」と声を掛けてくれた。
「はい😄おかげさまで!」
「この子達も昨日から「赤ちゃんまだ?」ってずっとうるさくてね(笑)今日は赤ちゃんに会える!って張り切って保育園から帰って来てね😄楽しみだったみたいよ😄」
「そうなんですか😄」
お母さんと話してる間も2人は赤ちゃんから視線を話さない。
「あっ!お母さん!赤ちゃん泣いちゃったよ😫」
そう言って龍輝くんが私に駆け寄って来た。
「大丈夫だよ😄」
「お腹すいたんじゃないの?お母さん、ミルクあげなくていいの?」
「さっき飲んだから大丈夫😄」
「あっ…また寝ちゃった」
そう言って龍輝くんは、またさっきいた場所に戻った。
拓実さんのお母さんもニコニコしながら「可愛いね😄」と赤ちゃんを見ている。
龍輝くんも小春ちゃんも、きっとこうして元嫁から生まれて来たんだろうな。
私は2人を生んでないけど、こうして実際に子供を生んで出産の大変さというのがすごくわかった。
子供って、本当に「宝」だな😄
ますます龍輝くんも小春ちゃんもいとおしく感じる。
「龍!小春!そろそろ帰るよ!」
お母さんが2人を呼ぶ。
「彩乃ちゃん😄産後すぐで疲れてるだろうからもう帰るね!拓実来るんでしょ⁉」
「はい、来ると思います😄」
「じゃあ、拓実に後で電話ちょうだいって伝えておいてくれるかしら?😄」
「わかりました!」
抱っこしている小春ちゃんをおろし、龍輝くんと小春ちゃんは「赤ちゃんもお母さんもバイバイ😄✋」
そう言って帰って行った。
産後の経過も赤ちゃんも問題なし✨
無事に退院し、赤ちゃんにとっては初めての我が家についた。
赤ちゃんの名前が決まった。
いくつか候補にあがったけど、お兄ちゃんの「龍輝」の「輝」をとって「光輝」と名付けた。
退院後はしばらくは実家に帰るつもりだったけど、居酒屋のため夜はうるさく光輝がゆっくり出来ないんじゃないか?という事で、お母さんが昼間手伝いに来てくれる事になった。
いやいや、育児って大変💦
昼夜関係なく「腹減った!」と泣いて、やっと寝たと思っても私が眠れず、ウトウトしかけたらまた泣いて😅
だから、お母さんが来てくれている時に少し寝かせてもらって体力を養う。
だいぶ光輝との時間も慣れて来たある日。
由佳が「今日休みなんだ🎵光輝に会いに行っていい⁉」と連絡が来た。
「もちろん!」
由佳が光輝のおもちゃを買ってくれるというから、喜んで出かける事に(笑)
車で40分程離れた隣町にある大型ショッピングセンターに向かう。
途中、信号待ちをしていると拓実さんの車を見つけた。
おや?
隣に乗っている女性…誰⁉
何か楽しそうに笑ってるけど…💧
いや、拓実さんの会社に女性はたくさんいるし仕事中のはず。
きっと同僚だよ…
帰って来たら聞いてみよう。
「…聞いてる⁉」
「えっ?」
由佳の声で我に返った。
「さっきから呼んでるのに…どうしたの⁉」
「あ、いや…」
今見た事を話す。
由佳は「仕事中でしょ⁉私も男性社員と2人で回る事もあるし、1日中一緒にいたらそりゃ~会話もするだろうし、拓実さんに限ってそういう事はないと思うなぁ😄」
「そうだよね😅」
「考え過ぎ😁」
由佳のその言葉で少し安心はしたけど、何か変なモヤモヤが残った。
その後は由佳と光輝と色々見て回り、由佳にガラガラのおもちゃを買ってもらって光輝は嬉しそう🎵
夕方、由佳とお別れして家に帰る。
光輝にミルクをあげていると、拓実さんから帰るコール。
いつもの拓実さん。
やっぱり私の考え過ぎだったのかな😅
こんな誠実で真面目な拓実さんに限って…ないよね?
拓実さんが、いつも通りに帰宅。
「ただいま😄」
「おかえりなさい😄」
いつも、帰宅したら真っ直ぐスーツから部屋着に着替えに寝室に行く。
着替えたらすぐにお風呂に入り晩御飯。
いつも通りの拓実さん。
やっぱり考え過ぎだったのかな😅
晩御飯を食べながら拓実さんに聞いてみる。
「今日、由佳と隣町のショッピングセンターに行って来てね、光輝のガラガラのおもちゃ買ってくれたの😄」
「そうか!良かったな~光輝😄」
そう言ってねんねしている光輝に話しかける。
「その時に、拓実さん見たよ~!会社の人なのかな?女性が隣に乗ってたけど…」
「うん、そう…松村の事かな?まだ新人だから一緒に回っててね😄」
特におかしな様子はない。
やっぱり、ただの同僚なのかな💦
由佳も言ってたし、疑ったら拓実さんに悪いな😅
会社の事は、中嶋さんに聞いたらすぐにわかるし、嘘はないだろうな。
安心したら一気にお腹がすいて来た💦
全て完食し、後片付けをして光輝と3人で就寝。
夜中1時過ぎ、光輝が「腹減った!」とフニフニ泣き出したため、眠い目をこすりながら起きた。
あれ?
隣にいるはずの拓実さんがいない😱
トイレかな?
まずは先に光輝にミルクを飲ませなきゃ💦
ミルクを作り、光輝に飲ませる。
まだ拓実さんは戻らない。
拓実さんは、頑張っている時はトイレが長い。
「お腹痛いのかな…」
そう思っているうちに光輝のミルクタイムは終わり、光輝は再び夢の世界へ💤
哺乳瓶も洗い終わり、トイレに行ってみる。
あれ?
トイレの電気がついていない💦
トイレを開ける。
誰もいない💧
拓実さん、何処に行ったの⁉
急いで携帯を手に取り、拓実さんに電話をする。
「もしもし⁉」
「あっ…彩乃ちゃん…ごめん、兄貴から電話が来て光輝を起こしちゃ悪いと思って車の中で話してたんだ💦」
その言葉にベランダのカーテンの隙間から駐車場を見ると、確かに拓実さんの車の中に人影が見える。
「こんな時間にお兄さん、何の用事なの⁉急用⁉」
「うん、ちょっとね💦これキャッチだからまた後で」
そう言って拓実さんは電話を切った。
こんな夜中に何の用事だろう?
拓実さんの電話が鳴ったの全然知らなかった💦
うーん、ダメだ…眠い⤵
今日は何だか疲れちゃったな💦
そう思っているうちに眠ってしまった。
翌朝、「彩乃ちゃん!ヤバい!遅刻遅刻!」と慌てた拓実さんの声で目が覚めた。
私も飛び起き時計を見ると、もう会社の始業時間の10分前だった。
夫婦揃って寝坊してしまった😱
「彩乃ちゃん!俺、もう行くから!」
慌てて支度をして、起きてからものの5分で出勤して行った。
あちゃ~😫
昨日は何時まで電話をしていたか知らないけど、あの時点でもう夜中だったしな😅
怒られなきゃいいけど💧
なんて思いながら、拓実さんのスーツが入っているタンスを見ると、かなり慌ててたのかぐちゃぐちゃになっていた。
「あらまぁ」
そう言いながら直していたら、昨日着ていたスーツから財布が出て来た。
「大変!拓実さん、財布忘れてってる!」
慌てて拓実さんに電話をするけど、電話には出ない💧
困ったな😅
ところで、今どのくらい小遣いあるのかな?
そう思いながら財布を開けた。
ん?
なんだこれ…
知らないポイントカードと500円の割引券。
良く見てみても店名が書いていない。
何か怪しいぞ😒
ポイントカードと500円の割引券を財布から抜き取り、自分の財布にしまった。
疑い出したらキリがないのはわかっているんだけど…
あの時にすれ違った時、何故かわからないけどモヤモヤした😅
直感ってやつなのかな💧
真面目で誠実な拓実さんに限ってないとは思うけど…
そういえば最近、子供達の世話や色んな事に忙しくて拓実さんとちゃんとした時間を作ってなかったな。
夜の営みも、光輝が生まれてから何回もないや😅
いつも優しい拓実さんに甘えすぎてた💦
たまには、ゆっくり夫婦の時間を過ごすのもいいかも❤
あっ💡
今日は寒いから、拓実さんが好きな鍋にしよう🎵
野菜も愛情も栄養もたっぷり入れてあったまって、たまには一緒にお風呂に入っちゃおっかな😆
なんて考えてたら、拓実さんが財布を取りに帰って来た。
「ごめんね💦慌てて支度したら、財布忘れちゃった😅」
「怒られなかった?」
「大丈夫😁じゃ、行って来るね!」
「行ってらっしゃい😄」
玄関で拓実さんを見送る。
夕方くらいになり「今日、もしかしたら遅くなるかも💧」とメールが来た。
「晩御飯は?」
「うーん…いらないかな😅」
「そっか、わかったよ😄仕事頑張ってね!」
「ありがとう😄」
そっか…晩御飯いらないのか⤵
せっかく鍋にしようと思って材料買ってきたんだけど仕方ないや😢
よくよく考えてみると、最近残業が増えたな。
疑う訳じゃないけど…実家に行ってみようかな?
もし、中嶋さんが来ていたら…
残業って嘘って事になるよね。
いつも残業の時は、中嶋さんが一緒だから。
「あっ!もしもし?お母さん⁉今日、光輝連れて帰っていい?」
「いいけど…今日店あるわよ?」
「いいの😄中嶋さんにも光輝見せたいし!」
「そう😄いいわよ!」
「じゃあ、夜帰るね!」
電話を切ってから、早速支度をする。
スヤスヤねんねしている光輝。
思わず笑顔になる。
「パパ、大丈夫だよね?」
ねんねしている光輝に話しかける。
きっと、私の勝手な思い込みだよ。
浮気なんてしてないよね?
中嶋さんがいない事を願って実家に向かった。
「ただいま~😄」
「おかえり😄光輝~!」
お母さんが返事をする。
「私じゃなくて光輝かい😅」
お父さんもその声に厨房から戻って来た。
「お~光輝😄」
「お父さんも私じゃなく光輝かい😫」
一人で突っ込んで見る(笑)
じいじとばあばの顔になる。
光輝は首が座り、抱っこも楽になったからお父さんも怖がる事なく抱っこ。
すぐに店が開店する時間になり、お父さんが名残惜しそうに厨房に戻る。
お母さんが「ご飯は食べてくのかい?」と聞いて来た。
拓実さんは遅くなるから食べてくかな?
お父さんが適当にご飯を作ってくれた。
居間でテレビを見ながら早目の夕飯。
店が賑やかになって来た。
ご飯を食べ終わり店を覗く。
見た事がある常連さん達が早速飲んで談笑している。
ちょっと挨拶して来ようかな😄
光輝を抱っこして、常連さんに挨拶。
「おぉ~彩乃ちゃん!久し振りだったね!無事に赤ちゃん生まれたんだね~抱っこしてもいいかい?」
「はい😄」
常連さん達は、順番に光輝を抱っこ。
一回りして光輝が返って来た。
「育児忙しいと思うけど、たまには店に顔出してよ😄やっぱり彩乃ちゃんは看板娘だ!」
「ありがとうございます😆」
そう言ってくれるとすごく嬉しい✨
その時、中嶋さんが来た。
「おっ?彩乃ちゃん!久し振りだね😄」
「中嶋さん!ご無沙汰してました!出産祝い、ありがとうございます!」
「いやいや~おっ!赤ちゃんか!抱っこしてもいいかい?」
「はい😄」
中嶋さんも光輝を抱っこ。
「中村くんはいないのかい?今日は定時に急いで帰って行ったから、今日は彩乃ちゃんいないと思ってたから驚いたよ😄」
何ですと😱
遅くなるんじゃなかったのか💢
ひきつった顔の私を見て、中嶋さんは「どうした?」と声を掛けて来た。
「いや、何でもないです💦」
浮気…確定って事⁉
そんなぁ😫
夜11時過ぎ。
拓実さんが帰って来た。
光輝はねんねしていたけど、私はシャワーを浴びてパジャマ姿のまま、拓実さんを待っていた。
「彩乃ちゃん?起きてたの⁉寝てると思ったから連絡しなかったのに…😅」
「おかえりなさい😄遅くまでお疲れ様!」
とりあえず今日は深くは聞かない。
実家に帰って中嶋さんに会った事も話さない。
少し様子を見たかった。
拓実さんがいつもの様に着替えに寝室に向かう。
その時に、タバコは吸わない拓実さんからほのかにタバコの臭いがした。
そして…香水の香り。
今は、何も嗅いでないし知らない!
グッと目をつぶり、自分に必死に言い聞かせる。
いつもの彩乃を演じよう。
「ご飯は?」
「ごめん、軽く食べて来たんだ😅」
「明日は早いの?」
「うーん…わかんないや💦」
「もし遅くなる様なら連絡ちょうだいね😄」
「わかったよ!彩乃ちゃん、もう遅いし、光輝にいつ起こされるかわかんないから休んだ方がいいよ💦俺はビール一杯飲んだら寝るから😄」
「ありがとう!先に休ませてもらうね!お休み😄」
目一杯の笑顔で拓実さんと話す。
布団に入ってもなかなか寝付けず⤵
ドア越しに拓実さんの様子を見ると、右手で缶ビールを持ちながら左手で携帯をいじっていた。
「誰かとメールしてるのかな…もしかして浮気相手⁉」
嫉妬心に火がついた。
でも、今日は何にも聞かないって決めたんだから我慢しなきゃ😣
まだ拓実さんを信じたい気持ちもあるけど、怪しい行動が目立ち始めた今、どうしたらいいのかわからない自分もいる。
もし、本当に他に女がいるなら…我慢するか離婚するか。
でも、もし離婚したら龍輝と小春は?
いくら養子縁組をしてるとはいえ、離婚したらやっぱり実の父親に親権が行くんだよね?
嫌だ!
子供達と離れたくない!
せっかく「お母さん」になれたのに…。
色々考えていると、拓実さんがビールを飲み終えてトイレに向かった。
ヤバい💦
そろそろ布団に入らなきゃ💦
寝たフリをしていたら、拓実さんが寝室に来た。
私と光輝の様子を見てから布団に入り、そのまま拓実さんはすぐに寝息をたて始めた。
私も睡魔には勝てずに、そのまま眠ってしまった。
一つ気になりだしたら、全てが気になる😫
普通に帰って来る事もあったけど、遅く帰る時は決まってタバコと香水の臭いをスーツにつけてきた。
そんなある日、拓実さんが携帯を充電したまま忘れて出勤した。
…ちょっとだけならいいよね?
拓実さんの携帯を開いた。
拓実さんの携帯を見る事に罪悪感はあったけど、どうしても「証拠」が欲しかった。
まずは着信履歴を見てみる。
ソフィアという名前と友人の中野さんの名前が目立つ。
ソフィアって何⁉
番号は携帯みたいだけど…
後は、仕事の電話と思われる番号。
発信履歴も見てみる。
同じくソフィアと中野さんの番号が目立つ。
一体何だろう…?
発信も着信も夕方から夜に集中している。
メールも見てみる。
中野さんから「どうだった?」とか「また後で✋」の一言のメールが目立つ。
女じゃないの?
「どうだった?」ってどういう意味⁉
全然わかんない😲
浮気じゃない…?
仕事関係以外で登録されている怪しい女性はいない。
ソフィアというのが気になるけど…
その時!
私の携帯が鳴り、ビクン!となる。
拓実さんが会社の電話から掛けて来た。
「彩乃ちゃん!俺、携帯忘れてってるよね?」
「うん、充電したままだよ💦」
「携帯なきゃ仕事にならないから、これから取りに帰るから💦」
「うん、わかった!」
拓実さんが帰って来る前に、このソフィアの番号だけ控えておこう。
私の携帯に番号を登録。
拓実さん…一体夜な夜な何をしているの?
それからすぐに拓実さんが携帯を取りに帰って来た。
「今日は帰り早いよ😄」
「わかったよ!行ってらっしゃい😄」
拓実さんは再び仕事に戻って行った。
今日の晩御飯は鍋。
昼間、お母さんが持って来てくれた鶏モモ肉をいっぱい入れた特製鍋🎵
お父さん直伝のレシピだから、きっとうまいはず!
拓実さんが、いつも通りに帰宅。
「ただいま~😄あっ!今日は鍋なんだ🎵」
「うん、お父さんのレシピをマネして作った😄」
「じゃあ、絶対うまいじゃん!先にシャワー入って来る!」
その間にテーブルに鍋をセットし、いつでも食べれる様にしておいた。
「いただきます😆」
今日は久し振りにビール一本飲むかな?
1本くらいならいいよね?
「彩乃ちゃん!美味しいよ!」
「良かった😄」
拓実さんはモクモク食べている。
その時に拓実さんの携帯が鳴った。
でも、携帯を手に取るけど出ようとはしない。
「出ないの?」
「うん…今食事中だし後でかけなおす」
「別に気にしないで出ればいいじゃん」
話しているうちに電話が切れた。
「ねぇ、ひとつ聞いてもいい?」
「なに?」
鍋を食べながら返事をする。
「最近、帰りが遅い時にタバコや香水の臭いをつけて帰って来るけど…いったい何をしているの?」
ストレートに投げ掛けてみた。
本当はもっと様子を見ようと思ったんだけど、電話に出ようとしない拓実さんを見て、つい聞いてしまった。
一瞬、動きが止まった。
更に続けて聞いてみた。
「拓実さんが残業だって言ってた時も、仕事してるはずの時間帯に中嶋さんがうちの店に来たんだけど?中嶋さんが仕事サボって飲みに来てるの?」
拓実さんは無言のまま。
「いつかは聞かないといけない事だし、どういう事なのかきちんと説明をして欲しい…ストレートに聞くけど、浮気してるの?他に女がいるの?あと、このポイントカードと割引券は?」
拓実さんの財布から出しておいた、あのポイントカードと割引券を私の財布から出して見せた。
「それとも…またヘルス呼んでるの?」
拓実さんは黙ったまま。
「黙ってないで、ちゃんと説明してよ!」
つい口調が強くなる。
拓実さんは目をつぶり、観念したかの様に口を開いた。
「…彩乃ちゃん」
「なに?」
「…申し訳ないけど、先に鍋食べてもいい?」
「えっ?」
「せっかくの美味しい鍋も美味しくなくなっちゃうから」
「…」
「食事の時くらいは楽しい話をしようよ、光輝も寝てるしゆっくり食べれるんだし」
「…」
「ところで彩乃ちゃん!もうすぐ誕生日だよね?何か欲しいものある?」
「…話をすりかえないでよ💢」
「欲しいものあるなら言ってみて😄」
全然話を聞いてない上、話をすりかえられた😱
「それよりも…」
「あっ💡そういえば彩乃ちゃん、ハンドバッグが欲しいって言ってたよね?ほら!この間、ショッピングモールに行った時に「これいいなぁ~💕」ってしばらく見てたじゃん!」
「…可愛いけど高いし」
「あのハンドバッグ、絶対彩乃ちゃんに似合うと思うんだよな😄」
「でも高いからいらない」
「最近、子供達の面倒ばかりでなかなか自分の物買ってないでしょ?誕生日くらい好きなの買いなよ!」
「うん…」
すっかり話題が変わってしまい、これ以上言うに言えなくなってしまった😱
「今度の休みに、またショッピングモールに行ってみようか😄」
「でも…」
「じゃあ~決定という事で!ほら!彩乃ちゃん!鍋食べないと煮詰まってしょっぱくなるよ!食べよ食べよ!」
うまくごまかされて終わってしまった。
鍋も食べ終え、片付けをしていると光輝が起きた。
拓実さんが面倒をみてくれている。
今でいう「イクメン」な拓実さん。
家事はお世辞でも得意とは言わない拓実さん。
でも子供の面倒は、どんなに疲れていても文句ひとつ言わずにしてくれる。
本当にありがたい。
拓実さん。
パパとしても旦那としても本当に本当に大好きだし、頼りにしてるし、かけがえのない存在。
だからこそ、嘘を言ってまで帰りが遅い理由を知りたいの。
話をそらすって事は、やましい事があるから?
正直に話して欲しいよ…
茶碗を洗いながら、拓実さんを見る。
ご機嫌な光輝と笑顔で一緒に遊んでいる。
私の考え過ぎなのかな…
このモヤモヤ、何とかしたいよ😫
その日の夜は、光輝を寝かしつけていたら私も一緒に眠ってしまい、光輝の「腹減った!」のフニフニ泣く声で目が覚めた。
ふと隣を見ると、私に背中を向けた状態で爆睡中の拓実さん。
起こさない様にソーっと起き、光輝にミルクを作りに台所へ向かう。
「ふわぁぁぁ~」
大きなあくびをしていると寝室から「ゴトン!」という音がした。
慌てて寝室に行くと、拓実さんの携帯がベッドから落ちていた。
夜中で静まり返っているからか、すごく音が響いてびっくりしてしまい、あくびが途中でおさまった。
落ちた衝撃なのか、携帯がパカッと開いていて液晶部分が明るくなっている。
拓実さんは気付かずに爆睡中。
光輝にミルクをあげながら拓実さんの携帯をチラ見する。
ちょうどご飯の時にかかって来た電話は「ソフィア」だった。
だから出なかったのか💦
メール画面を見てみる。
私が寝てから中野さんから「今日は無理か?」と一言だけのメールが来ていた。
送信を見るとすぐに中野さんに「嫁にバレかけてる💦そのうちに嫁に話そうとは思ってるけど…今日は悪い😅」
…中野さんと何かやってるのかな。
いずれ私に話すって事は、浮気とかそういうのではないのかな。
考えれば考える程、訳がわからなくなる😖
「いつかは私に話してくれる」
この言葉を信じて、余り拓実さんを詮索しない様にしようかな?
いつかはわからないけど…
何も見なかった事にして、拓実さんの携帯を枕元に戻した。
いつもと変わらない朝。
「今日、ゴミの日だったよね?これとこれだけでいいのかな?」
「ありがとう💦うん、これだけ😄」
いつも拓実さんがゴミを収集場まで持って行ってくれる。
「じゃあ、行って来ます!光輝!バイバイ😄」
私は光輝を抱っこして玄関までお見送り。
まだバイバイが出来ない光輝の右手を持って、上下に動かしながら「パパ!仕事頑張ってね😄」と光輝の代わりに私が喋る。
拓実さんを見送り、光輝のおむつを取り替えようとしていた時に私の携帯が鳴る。
「もしもし⁉彩乃~!おは~😄」
由佳からだった。
「由佳!おはよう😄」
「今日さ~休みなんだけど暇なんだよね😁遊びに行ってもいい?」
「いいよ!光輝と待ってるわ😄」
由佳とはしばらく会っていなかったから、久し振りにゆっくり話すのもいいな💕
1時間後、由佳が紙袋を3つも下げてやって来た。
「こんなにどうしたの⁉」
「これは光輝へのプレゼントでしょ~😄これは彩乃へのプレゼントで~、これはこれから一緒に食べようぜ~😁」
テーブルの上に3つ並べられた紙袋。
「こんなにたくさん💦」
「たいしたもんじゃないんだけどさ😄」
早速開けて見ると、光輝のプレゼントは可愛い服と私へのプレゼントは可愛いマザーズバッグ。
「ありがとう💕何か申し訳ない💦こんなにたくさん買ってもらって😅」
「毎日彩乃が頑張っているごほうび😁私へのごほうびはこれ❤」
もう一つの紙袋はケーキだった。
「早速食べようか?由佳!コーヒーと麦茶しかないけど、どっち飲む?」
「じゃあ、コーヒーで😄」
「わかったよ!」
コーヒーをいれている時、由佳が「光輝!由佳おばちゃんだよ~😄」と光輝を抱っこ。
光輝もニコニコしていてご機嫌😄
早速、ケーキを頂きながら由佳と久し振りに話す。
「拓実さんの事も相談してみようかな?」
そう思い、由佳に拓実さんの怪しい行動や怪しい電話の存在を話す。
由佳はケーキを食べながら黙って聞いてくれた。
「うーん…彩乃の話を聞いていて思った事は…拓実さん、グレーだな😅」
「グレー⁉どういう意味⁉」
「相手は素人じゃなくて、風俗嬢じゃないかなぁ?」
「えっ?」
東京に行った時に一度だけヘルス嬢を部屋に呼んだ前科がある。
もしかしてまた風俗に…?
「ソフィアってもしかして風俗の店かもよ⁉」
そう言いながら由佳は携帯を開き、調べ始めた。
だって、あの時に「もう悲しませる事はしない!」って誓ったハズなのに…😫
私は風俗の世界は知らないけど、由佳の前の彼氏みたいにはまる人ははまるみたいだし、最近拓実さんともご無沙汰だし…💦
拓実さんも「男」だからムラムラ来る事もあるよね。
「あった!」
由佳が私に携帯を見せてくれた。
「デリバリーヘルス・ソフィア」
そこには顔にモザイクがかかり、エッチな格好をしているスタイルが良い女の子の写真があった。
「彩乃、拓実さん…ここに通ってるな、きっと」
「あっ!ねぇ、でもさ…こっちから電話を掛ける事はあっても、そういうお店から電話がかかって来る事はあるの⁉」
そう、発信履歴しかないのなら由佳の話を信じたかもしれないけど「ソフィア」から着信もある。
しかも、中野さんも関係しているみたいだし。
「そこなんだよね…」
由佳も不思議に思っているらしい。
「予約したけど来ないから店から電話したとか?」
由佳がそう話す。
「でも、予約って出来るの⁉」
「知らない😅」
「あっ!そうだ!」
私は、拓実さんの携帯に登録してあった「ソフィア」の番号と由佳が調べてくれた番号を照らし合わせる。
しかし、拓実さんが登録していた番号は何処にもなかった。
由佳と一緒に色々調べてみたけど、結局登録していた番号についてはわからず⤵
でも、ソフィアというのは風俗のお店っていうのはわかった。
そして、拓実さんの財布に入っていたポイントカードと割引券も由佳に見せた。
「これ、ラブホのやつじゃん!」
やっぱり😢
「ねぇ彩乃!今日、拓実さんに聞いてみようよ!このまま悶々としたままだったら精神的に参っちゃうよ!子供達もいるんだし、彩乃が何かあったらどうすんの⁉私が一緒にいるからさ、拓実さんから話し聞こっ!ただ、風俗に通っている事が事実なら…彩乃はどうしたい?」
「うーん…」
どうしたい?と聞かれてもどうしたらいいのかわからない。
ただ、真実が知りたい。
真実を知った上で、どうしていくか考える。
「彩乃!光輝が泣きやまないよ😫」
光輝が由佳に抱っこされながら泣いている。
「ミルクかな💦」
慌ててミルクを作る。
由佳が「今、ママがまんま作ってくれてまちゅよ~!」と言いながら光輝をあやしてくれる。
美味そうにミルクを飲む光輝。
その姿を見て、涙が出て来た。
みるみる光輝の顔が涙でにじむ。
「彩乃…」
由佳がそんな私を見て、どうしたらいいのかわからない様子。
「彩乃!今日ちゃんと拓実さんと話し合おう!ねっ!ほら、泣いてたら光輝が不安になるよ!ママは笑顔が一番!もうお昼過ぎたしピザでもとるか😄」
「でも…」
「彩乃、ピザ好きじゃん😄うまいもの食べて、元気だそうぜ~✌」
そう言って、由佳は早速宅配ピザに電話を掛けた。
光輝はミルクを完食し、ご機嫌の様子。
由佳は、拓実さんの話を避ける。
ピザを食べながら、バカ話しをして2人で盛り上がった。
由佳との楽しい時間。
でも、常に頭の中は「ソフィア」の事が占領していた。
その時に私の携帯が鳴る。
拓実さんからの帰るコール。
「拓実さん、帰って来るって」
「今日は…長い夜になりそうだね」
いよいよ「ソフィア」について拓実さんと話し合う時が来た。
「ただいま~😄あっ!森川さん、こんばんは😄」
何も知らない拓実さんが帰宅。
「こんばんは😄お邪魔してます😄」
「今日、由佳から光輝の服とかいっぱいもらったの!このケーキも😄」
「いやぁ…いつも申し訳ない💦」
拓実さんが由佳と話す。
「私が勝手にやってるんでお気になさらず✋」
今日の晩御飯は、この前うちの親からもらって冷凍していた焼き肉。
たくさんもらったから、今日はうちで焼き肉パーティーにしよう🎵
由佳もご飯支度を手伝ってくれる。
「焼き肉なら飲みたくなるね😁でも、車だから飲めないや⤵」と残念そう(笑)
由佳が私にボソッと「ご飯食べ終わったら…作戦実行ね」
そう、拓実さんが帰って来る前に由佳と「作戦」を考えていた。
たいした事ではないけど、それとなく聞き出す作戦。
ご飯支度も終わり、焼き肉パーティーが始まった。
拓実さんが「森川さんには申し訳ないけど、ちょっと失礼して」と缶ビールをプシュ!
「あー…うまいだろうな~いいなぁ~😫」
由佳が悔しそうにしている。
その姿を見て、私も拓実さんも爆笑(笑)
楽しい焼き肉パーティーになった。
お腹もいっぱいになり、拓実さんはほろ酔い。
由佳も後片付けを手伝ってくれた。
そして、落ち着いてから由佳が「そういえば拓実さん!この間さ~」と話を切り出した。
いよいよ作戦実行である。
「拓実さん!この間さ~拓実さんの車を南のコンビニの近くで見掛けたんだよね😄」
南のコンビニの裏が、属に言うラブホテル街。
「えっ?あっ…そうなんだ…声を掛けてくれれば良かったのに」
なんて言いながらも、少し動揺している拓実さん。
「拓実さんの会社って、あっちだっけ?」
「いや…俺も営業で色々回ってるからね😅」
「あんな時間に営業回るの?」
「えっ?」
「私が見掛けたのは夜10時過ぎだよ?そんなに遅くに営業回ってるんだぁ~」
「…」
由佳の話しに、黙ってしまった拓実さん。
そして、深いため息をついた。
「彩乃ちゃん…森川さんにも言わなきゃならないね」
拓実さんは、またため息をつき話し始めた。
「俺…」
話し始めた時に、拓実さんの携帯が鳴る。
由佳がすかさず拓実さんの携帯を手に取り、着信を見る。
そして鳴っている携帯を私に見せた。
そこには「ソフィア」と表示されていた。
「ソフィアってデリヘルなんでしょ⁉知ってるんだから!拓実さん、そこのお店のねーちゃんと残業だって嘘ついて楽しく遊んでるんでしょ⁉信じらんない!もう裏切らないって誓ったのに!これだけラブホに通ってたって事でしょ⁉」
私は耐えられずヒステリックに叫び、ラブホのポイントカードと割引券を拓実さんの前に突き付けた。
と同時に「ソフィア」からの電話が切れた。
「違うんだ!」
拓実さんが答える。
「違うのに、どうして風俗の店から電話が来るの⁉これだけ証拠が揃っているのに、まだすっとぼける気⁉ヘルスのねーちゃんとさぞかし楽しく過ごしてるんでしょうね💢」
私が半分泣きながらまたヒステリックに話をする。
由佳も「拓実さん、全部正直に話しなよ」と言ってくれた。
拓実さんは「だから違うんだ!」と強い口調で話す。
少しの沈黙の後、拓実さんはゆっくりと話し始めた。
「誤解されても仕方ない…俺、ここの店に通っている訳でもないし、お客さんでもないんだ」
言ってる意味がわからない。
「じゃあ、どうしてこの店から連絡があるのよ💢」
「中野からの紹介で…ここの店の女の子の送迎をしているんだ…お客さんが指定したホテルや自宅に女の子を送迎する仕事をしている…仕事が仕事だから、彩乃ちゃんが嫌がると思って黙ってた。会社に副業をしているのがバレたらヤバいし、中嶋さんにも内緒にしてる」
「副業…?どうして…?」
特に生活が困窮している訳ではない。
車のローンはあるけど、後は特にローンはない。
何とか今の拓実さんの給料だけでも、贅沢をしなければそれなりにやっていける。
私も、もう少ししたら旅行代理店に戻る予定だし、何故副業をするのか理解出来なかった。
確かに「あと2万円あれば違うかなぁ?」と家計簿をつけながらボソッと言った事はあったけど…💧
独り言のつもりだったけど、もしかしたら聞こえてた⁉😅
「どうしても彩乃ちゃんにあのバックを買ってあげたくて…今の小遣いじゃ、誕生日までに間に合わないし、この間中野と飲んだ時に中野が副業でこのヘルスの送迎をしているのを聞いて、たいした額ではないけど小遣い程度は稼げると言ってたから、中野にお願いしたんだ」
バックとは、メチャクチャ可愛いけど高くて手が出せなかったブランドのバック。
「余り物欲がないのか、余り自分の物を欲しがらない彩乃ちゃんがしばらくあのバックから離れなかったから、かなり欲しいんだと思って…本当は誕生日プレゼントで黙って買って驚かそうと思ってたんだけど、バレちゃったね💦」
恥ずかしそうに頭をかく拓実さん。
「じゃあ、このポイントカードと割引券は?」
由佳が拓実さんに聞く。
「あぁ…これはヘルスのねーちゃんにもらったんだよ」
「本当に?」
「本当だよ、車にチャイルドシートつけて指輪をしていたら誰でも家庭を持ってるってわかるじゃん!名前は知らないけど、若いねーちゃんに「今度奥さんとどうですか?」ってくれたんだ」
「…」
黙る由佳。
「他にも仕事あるじゃない!そんな疑われる様な仕事じゃなくても…」
由佳が少し怒った様に話す。
「そうなんだけど…中野の話を聞いていたら、もうそれしか頭になくて…いつかはちゃんと話そうと思ってたんだけど、仕事が仕事だからなかなか言えなくて😅」
それで、この間の中野さんとのメールで「いつかは嫁に話そうと思ってる」って言ってたんだな。
「もう辞めるよ…彩乃ちゃん、誤解させてごめん」
由佳が「おねーちゃんと送迎中によろしくやってたって事はないよね」と念をおす。
「そんな事する訳ないし、もし万が一そんな事をしてバレたらヤバいし💦」
どうやら店から「女の子には手をつけるな!」と言われていたのだろう。
「本当に裏切りはないのね?」
「ないない!本当にない!俺、彩乃ちゃん以外どうでもいいし!家族がいる一家の大黒柱があっちこっちとフラフラしてたら、中村家は崩壊してしまう!森川さん!俺、彩乃ちゃんを幸せにするって誓ったよね⁉裏切る事や悲しませる事はしないって!」
少しの沈黙の後「あっ…今回悲しませちゃったね」と申し訳なさそうに話す。
「拓実さん…」
「何?彩乃ちゃん…」
「私のためにありがとう…誤解してごめんなさい…でももう…その仕事は辞めて欲しい…」
涙をこらえながら声を震わせながら話す。
「もう辞める!ヘルス嬢の送迎って、良く考えたら誤解されても仕方ないよね💦俺が浅はかだった💦彩乃ちゃんの気持ちも考えず…本当に申し訳ない!」
拓実さんはそう言って土下座をした。
「拓実さん!顔をあげて💦」
私は慌てて拓実さんに駆け寄る。
由佳が「彩乃!拓実さんを信じようよ😄ちょっと選ぶ仕事を間違えたんだね💦」
「うん、そうだね😄」
「何だぁ~結局、あんた達夫婦のラブラブを見せ付けられただけかぁ~😫あー私も早く嫁に行きてーなぁ😱少し幸せ分けて~!」
そう言って、由佳が私に抱きついた。
さっきまでの雰囲気が一変。
爆笑に変わった。
拓実さん…そこまでして私を喜ばそうとしてくれたんだね。
なのに疑ってしまって😢
その日は久し振りに拓実さんと愛し合った。
久し振り過ぎて恥ずかしかったけど、拓実さんは何度も何度も「彩乃ちゃん!愛してるよ」と言いながら、私を愛してくれた。
私も愛してる…
その日で拓実さんは、ヘルスの送迎の仕事を辞めた。
それからは拓実さんがタバコや香水の臭いをつけて帰って来る事はなくなった。
精神的にも穏やかになり、拓実さんの携帯を見る事もなくなった。
そんなある日、由佳から「友美ちゃんに赤ちゃんが生まれた!」との連絡があった。
予定日より2週間程早い出産だったけど、母子共に元気だと言う事で赤ちゃんを見に行く事になった。
そういえば…あの後どうなったのか聞いてないや😅
「ねぇ、由佳⁉」
「ん~?」
運転している由佳は前を見ながら返事をする。
「友美さんと旦那さんってどうなったの?」
「あれ⁉彩乃、知らなかったっけ⁉」
「うん、あの後すぐに光輝が生まれてバタバタしてたし、この間もそんな話しなかったし💦」
「そうだったね💦旦那のお姉さんはかなりご立腹だったけど、友美ちゃんは浮気相手のあのいさぎよさに免じて執行猶予でって話しになった」
「執行猶予?」
「そう、今度また浮気したら離婚だって」
「という事は、今回の事は許すって事?」
「そうなるね😅」
「旦那さん、家族みんなに責められて自分がした事を反省したみたい。友美ちゃんに謝罪して、友美ちゃんが「今回は許すけど、次はないからね」という意味で執行猶予がついたらしいよ」
「そうだったんだ」
執行猶予か。
でも、あのねーちゃん口は悪かったけど潔かったな😅
友美さんと赤ちゃんが入院している病院に着いた。
「わぁ~彩乃さん!来てくれたんですか⁉赤ちゃんも!可愛い❤」
友美さんが光輝に「こんにちは😄」と挨拶。
光輝の代わりに「こんにちは😄」と私が挨拶(笑)
友美さんの赤ちゃんは女の子で「れな」ちゃんというらしい。
新生児室でれなちゃんを見つける。
懐かしい❤
可愛い赤ちゃんがねんねしている。
光輝も泣く事もなく、赤ちゃんを見ている。
少し、ふくよかになった友美さん。
「15キロも太っちゃいました😫れなを生んでから体重計ってもまだ8キロ増えたままで…💦」
「私も産後すぐ10キロ増えたままだったけど、今は妊娠前より3キロ増までになったから、きっと友美さんも大丈夫!」
「ホントですか⁉頑張って戻します!」
笑顔の友美さん。
「2人の会話に入れない」
ボソッと由佳が呟く。
「子供産んでないのに体重増えた私は、どう言い訳したらいいの😫」
由佳の呟きに私も友美さんも爆笑😄
友美さん、元気そうで良かった💕
「落ち着いたら、また女子会しましょ!あっ💦男子いるけど💦」
私が光輝を指差す。
光輝はタイミング良くニコっと笑った。
「彩乃ちゃん!悪いけど、そこの段ボールをこっちに持って来てくれるか?」
「はいはぁ~い😄」
「おい!龍輝!そこのカバンよけてくれ!」
「はぁ~い!」
「小春は…光輝と遊んでろ😄」
「うん!光輝!こっちで遊ぼっ❤」
今日は、龍輝と小春がうちにお引っ越し🎵
今までも、ちょいちょいうちに「お泊まり」と称してうちに来ていた。
前にも話したけど、拓実さんの両親が「いきなりだと彩乃ちゃんも子供達も戸惑うと思うから「お泊まり」として徐々に慣らしていけばいいよ😄」という言葉に甘えて、産後の私の体調も落ち着いた今、やっと家族5人で生活が出来る日が来た。
私も、2人の「お母さん」として何とか若葉マークがとれたかな?
「お母さん😄今日からみんなでここに暮らすんだよね?」
龍輝が嬉しそうに話して来る。
「そうだよ~😄」
龍輝はもう小学生。
うちから学校に通う事になる。
「でも、俺と小春がいなくなったら、じいじとばあば2人だけになっちゃうから寂しくなるね😢」
「大丈夫だよ!寂しくなったらじいじとばあばのところにいつでも行けるから!」
拓実さんの実家は近い。
「小春は寂しくないよ!パパもお母さんもずっと一緒にいるから😄」
「ありがとう😄そうだね!ずっと一緒だよ!」
今日からは、とても賑やかになりそう😆
優しくて甘えん坊なお兄ちゃん。
妹の前では威張っているし喧嘩もするけど、何かあったら体を張ってでも妹や弟をかばう。
でも泣き虫で、少し臆病。
マイペースな妹。
相変わらず人見知りをするけど、お兄ちゃんにライバル心を持っていて、負けず嫌いな一面も。
弟が泣くと「うるさ~い!😫」と言いながらも一生懸命面倒を見てくれる。
まだ赤ちゃんの弟。
赤ちゃんなりに自己主張がはっきりしている。
やっと寝返りをマスターし、たまに得意気に寝返りをする。
近いうちにはいはいもマスターするかな?
こんな3人の子供達との生活。
はしゃぎ疲れて眠る子供達。
すやすやと眠る顔を見ていると、思わず笑顔になる😄
私にはあなた達がいる!
まだまだ未熟なお母さんだけど、頑張るからね!
龍輝!
小春!
光輝!
愛しているからね❤
パパも❤
そんなある日、家族で食事をしていた時のこと。
今日は家族みんなが大好きなクリームシチュー😄
光輝も本格的に離乳食が始まり、じゃがいもを潰したやつをモグモグ食べていた。
その時に突然小春が「ねぇパパ!どうしてパパはママと別れたの⁉」と言い出した。
「小春!突然どうした😲」
びっくりした様子の拓実さん。
最近、小春は「何で」「どうして」と質問して来る事が多くなった。
「何でママいなくなったの?」
小春は少し、寂しそうに話す。
「うーん…参ったな💧」
拓実さんは困っている。
「…ママはいなくなったけど、お母さんがいるじゃないか!」
拓実さんはそう答えた。
「光輝は赤ちゃんの時にお母さんいるけど、小春が赤ちゃんの時はママいなかったよ?どうして?」
「どうしてって…」
拓実さんは、どう説明したらいいのかわからないみたい。
すると龍輝が「小春!ママはね、俺と小春を置いて出て行ったんだよ!俺と小春はママに捨てられたんだ!ママなんか死んじゃえばいいんだ!」と突然叫んだ。
「龍輝!何て事を言うの!」
私は思わず龍輝を怒った。
「死んじゃえばいいなんて言うもんじゃないでしょ⁉ママは今はいないけど、無事に健康にあなた達を産んでくれたんだから、こうしてみんなでご飯が食べれるんだよ?学校にも行けるんだよ?なのに、そんな風に言ったらダメ!」
私の話しに、龍輝も小春も静かになった。
拓実さんも黙ってしまった。
きっと、この子達に申し訳ない気持ちなんだろう。
龍輝も小春も、ママに甘えたい時にママがいなかったから寂しかったんだろう。
特に小春は、2歳の時にはママがいなかった。
この子達の気持ちを思うと辛くなる。
ママに甘えられなかった分、私に目一杯甘えて来る。
光輝を抱っこしてると、ヤキモチを妬く小春。
「小春も抱っこして~!」
私の足に抱きつく小春。
「小春は重たいなぁ😄」
そう言いながらも抱っこすると嬉しそうにしている。
それを羨ましそうに見ている龍輝。
「龍輝も抱っこするかい?」
聞くと「俺は重たいし、もう一年生だからいいよ」と遠慮する。
抱っこじゃなく抱き締めてあげると、恥ずかしそうな顔をしながら喜ぶ龍輝。
厳しい事も言うかもしれない。
時にはひっぱたく事もあるかもしれない。
それはね、あなた達が大好きだからなんだよ!
確かにきれいごとでは済ませられない事もあるけど、誰に何て言われようと、あなた達は大事な大事な我が子。
これからは…これからも寂しい思いはさせないし、ウザいと思われてもくっついてやる!
覚悟しとけよ!
「彩乃~!元気だった⁉」
久し振りに聞く由佳の声。
由佳は約3ヶ月、長野に出張に行っていた。
「やっと帰って来たよ~」
メールのやり取りはしていたけど、こうして話すのは久し振り。
「中村家にお土産があるんだ🎵向こうに行ってる時に一緒だった同僚と休みの時に高速バスに乗って、東京行ったりしてね~😄」
楽しそうに話す由佳。
「今日って時間ある?」
「あるよ😄」
「子供達は?」
「上の2人は日中はいないけど、光輝と私はずっと休みだからね😁」
「そっか💦そうだよね😄ちょっと顔出すわ!」
電話から1時間もしないうちに家に来た。
光輝はおすわりをマスターし、はいはいにチャレンジ中。
「いやぁ~❤しばらく見ないうちに成長したね❤おすわりしてる!😄」
由佳は光輝の成長ぶりに感激の様子。
そして嬉しい一言が🎵
「こんな私にも彼氏が出来ました😆」
「由佳!おめでとう❤」
話を聞くと、一緒に長野に出張に行っていた同じ会社の同僚。
2つ年下らしく、名前は西村さん。
写メを見せてもらったけどなかなかの男前。
「カッコいいでしょ❤」
「カッコいいけど…拓実さんには負けるな(笑)」
「いやいや😁私の彼氏の方がカッコいいって(笑)こんな私でも彼女にしてくれた奇特な人だよ~!大事にしないとね😄」
何か由佳は幸せそう😆
由佳は仕事一筋でしばらく来たから、親友の朗報に私も本当に嬉しかった。
「近いうちに彩乃に紹介するよ!」
「楽しみにしてる😄」
由佳は性格がはっきりしてるし、どちらかというと男性的な感じで姉御肌だけど、恋愛中の由佳はとても女の子らしくなる。
それがまた可愛い😍
年下の彼氏か😄
初めてじゃないかな、年下は。
良かったね!由佳✨
私も旅行代理店に復帰する日が来た。
産休中も、何度か光輝を連れて旅行代理店に顔を出しに行っていた。
「可愛い❤」
みんな光輝を抱っこ。
接客以外滅多に笑わないあの春美さんが、光輝を抱っこして「可愛いね😄」と微笑んでいた。
支店長は「可愛い!可愛い!」を連発。
支店長にも確か小学生になる息子さんがいた。
でも離婚して、元嫁さんが息子さんを引き取っているからなかなか会えなかったはず。
だからきっと、息子さんと重ね合わせいるのかもしれない。
赤ちゃんって周りを笑顔にする力を持っているのかな😄
どんな人でも、赤ちゃんを抱っこすると笑顔になる。
光輝も抱っこされて笑顔。
私まで笑顔になる😄
直哉と離婚して、この旅行代理店に勤務して支店長をはじめ、久美子さんや千絵さん、春美さんやひとみさん他、色んな人に迷惑をかけてしまった💧
産休中も、私の仕事を振り分けてやってもらった。
出産祝いも、みんなでお金を出しあって光輝の服と離乳食器セットと、引っ張ると音がなるジャングルジムみたいなおもちゃも頂いた。
復帰したらみんなに恩返ししていかなきゃ!
光輝はお姉ちゃんと同じ保育園に通う事に。
これから更に忙しくなるけど、彩乃かーちゃん頑張るよ✌
拓実さんも「いよいよ仕事復帰だね😄頑張って💕」とエールをくれた。
みんながいるから頑張れる✨
家族だもん😆
旅行代理店に復帰直後、久美子さんから「そういえば、手紙預かっているわよ!」と真っ白い封筒を手渡された。
差出人は書いていない。
住所は旅行代理店で、旧姓の「伊藤彩乃様」で届いていた。
この、特徴のある文字。
もしかして…直哉⁉
早速開封。
「お元気ですか?新しい苗字知らないので、旧姓の伊藤で手紙を送ります。仕事頑張ってますか?たまに旅行代理店の前を通りますが最近見掛けないね。辞めたのかな…」
そっか。
産休中だったから見掛ける訳ないか😅
「実は、俺も再婚する事になりました」
あら、良かったじゃん。
「相手は…理奈なんだ、ゆいと会ったら俺にそっくりでね、足の指の形まで俺に似ていて「この子は間違いなく俺の娘だ!」と思ったら、いとおしくなって。理奈は今、心療内科に通いながら心の病気を治している。前の理奈に戻り始めているし、お袋もゆいが可愛いみたいでさ、お袋と理奈とゆいと頑張って行くよ」
そっか。
直哉、理奈と再婚したのか。
直哉のお母さんは、孫を心待ちにしていたからな。
ゆいちゃん、直哉に似てるなら尚更可愛いだろうな。
お父さんもきっと、天国で見ていてくれているかな?
「彩乃には本当に色々迷惑をかけてしまった。彩乃も再婚し、きっと幸せに暮らしている事でしょう。俺が彩乃を幸せにしてあげられなかった分、今の旦那に幸せにしてもらえ!」
十分幸せです❤
「報告がてら、手紙を送ります。元気でな!本当にありがとう!」
結局、直哉と理奈は結婚したか。
手紙を読んで、今までの事が頭をよぎる。
色々あったけど…直哉も理奈もゆいちゃんもお幸せに😄
直哉はきっと、一つのけじめとして私に手紙を書いたんだろう。
もう関係ない相手だけど、たまにふと「直哉も理奈も何してんのかなぁ?」と思い出す事があった。
とりあえず…元気ならそれだけでも良かったよ😄
ん?
ちょっと待てよ…?
今まで何の音沙汰もなく、直哉と離婚してかなり経っているのに、今頃手紙って…😅
まぁ、旅行代理店という場所で働いているから、お客さんとして来店するのは仕方ないとして。
でも…まっ、いっか😄
直哉は直哉で理奈と結婚し、ゆいちゃんの父親として頑張って行く。
それで良かったじゃん。
私は私で、拓実さんと可愛い3人の子供達とこれからの人生を歩んで行く。
一時は将来を誓い合った仲だけど、今はお互い違う伴侶と共に生きていく。
直哉、もう迷わずに理奈とゆいちゃんとこれからの人生を共に歩んで行ってね!
私の時みたいに、理奈を悲しませたらダメだよ!
直哉はもうパパなんだから、フラフラしないで一家の大黒柱としてしっかりするんだよ!
理奈とゆいちゃんを守るんだよ!
ちょっと頼りなくて、優柔不断なところがあるから余り理奈をイライラさせたらダメだよ!
理奈も、しばらく会ってないけど元気みたいだね。
心療内科にちゃんと通って心の病気が少しでも良くなります様に。
ゆいちゃんのママ、ちゃんと頑張ってる?
私もママになったよ!
お互い子育て頑張ろうね😄
お客さんとして来た時には、いい旅館紹介してあげるし、素敵なツアーも案内してあげる😆
ゆいちゃんも一緒にね!
お子様向けのいい場所も教えてあげる!
正直、まだ理奈との溝はあるけど、またいつか会える日があれば…ねっ😄
心の中で返事をする。
あれから1年余りが過ぎた。
光輝も無事に1歳の誕生日を迎えてよちよち歩きを始め、いたずらして目が離せられなくなった。
小春も、春からピカピカの一年生✨
お兄ちゃんと同じ小学校に通う。
お兄ちゃんと机を並べて、じいじとばあばに買ってもらったランドセルを嬉しそうに背負っている。
保育園で仲が良かったはなちゃんとみくちゃんも同じ小学校に通うらしく「小学校でも、はなちゃんとみくちゃんと一緒だよ!」とまだ卒園もしていないのに、はしゃぐ毎日。
子供の成長って、本当に早いなぁ😄
今日はとても楽しみにしていた事がある。
何と今日は由佳の結婚式!
由佳もお嫁さんになる😄
相手はお付き合いをしていた西村さん。
拓実さんも一緒に披露宴に招待された。
会社関係や友人、親族等約60人程の披露宴。
友人代表でスピーチをする私。
由佳が私の結婚式の時に緊張した気持ちが良くわかる😱
カミカミな上、緊張の余り声が裏返った💦
久し振りに飲むお酒もいい感じに体に回る。
「由佳!おめでとう😄」
「彩乃!ありがとう!」
西村さんはお父さんが何年か前に亡くなられたそうで、親族席にはテーブルにはお父さんの写真が飾られていた。
由佳は2回お色直しをし、合間に2人の色んな写真がスクリーンに流れる。
あっ💡
これ、中学校の卒業式の写真だ💕
懐かしいな😄
私と理奈と3人で校門の前で笑顔でピース✌をして写っている。
ちょいちょい若かりし頃の私もスクリーンに流れるため、拓実さんが「彩乃ちゃんって、この頃はまだ痩せてたんだね😁」とからかう。
中学時代の友人も来ていて、プチ同窓会場にもなりとても楽しかった。
でも、理奈の姿はなかった。
新居は、うちのすぐ近く。
多分、ちょいちょい行き来する様になるな(笑)
結婚後も同じ会社で働くらしい。
由佳!本当におめでとう❤
それからは相変わらずの毎日。
「キムチチャーハンと焼き鳥の塩、お持ちしました~!」
「彩乃ちゃん!生ビール3つ追加ね!」
「はぁ~い😄ありがとうございます!」
「ねーちゃん!注文いいかい!」
「はぁ~い!今、行きまぁ~す😄」
今日も忙しく、狭い店内をあちこち動く。
「彩乃ちゃん!今日も忙しそうだね😄」
「あっ!中嶋さん😄こんばんは😆」
相変わらずの中嶋さん。
「中村くんは?」
「今日は子供3人の相手してます😄」
「そうか😄ちゃんとパパやってるんだな😁彩乃ちゃん!いつものやつね!」
「ありがとうございます!」
週末はおかげ様で満席。
お父さんもお母さんも汗だくになりながら忙しそう💦
お父さんもお母さんも、もう還暦を越えたし、いつまでこの居酒屋を構えていられるかわからないけど、この居酒屋がある限り「看板娘」は続けたい😄
たくさんの思い出がつまった居酒屋。
拓実さんと初めて会ったのもこの居酒屋。
小さいし、もう古くなってきちゃったけど、お父さんとお母さんが苦労して頑張って構えた居酒屋。
幸い、お父さんもお母さんも特に病気もなくいたって元気😄
最近は休みの日は孫と遊ぶのが楽しみになっているみたいで、休みには朝早くから起きて孫が来るのを待っている。
「いつかは孫を抱っこさせてあげたい」
大人になってからの私の夢が叶った✨
いっぱい苦労もかけたし、衝突する事もあったけど、孫と笑顔で遊んでいる姿を見ると嬉しい気持ちになる。
少しは親孝行出来たかな?
ありがとう❤
お父さん!
お母さん!
いつまでも元気でね!
拓実さん!
色々あったけど、私は拓実さんの奥さんになれて本当に良かったと思ってる😄
東京に行ってた時は、ヘルスのねーちゃん呼んだり、久保さんの登場とかでどうなるかと思ったけど、今はそんな心配もなくなり家族のために一生懸命頑張ってくれてるね。
拓実さんのおかげで、可愛い3人の子供にも恵まれました❤
家事は余り得意ではない拓実さんだけど、どんな時でも子供達の面倒をみてくれる素敵なパパ✨
怒ると怖いパパだけど、ちょっぴり面倒くさがりなパパだけど、みんなパパの事が大好きなんだよ❤
毎日、本当にお疲れ様!
感謝の気持ちでいっぱいです✨
由佳!
中学の時、同じクラスで後ろの席になり、由佳が私に「消しゴム貸して」から始まった付き合いだね(笑)
由佳のサバサバした性格と姉御肌で面倒見の良さに私が惚れたんだよね。
高校は全く違ったけど、いつも一緒にいたね😄
高校生の時に人生初めて告白し玉砕した時も、由佳は優しく慰めてくれたね。
成人式の夜に飲みに行き、飲み過ぎて吐いてトイレで爆睡してたね。
理奈との事も、直哉との事も迷惑かけっぱなしでも嫌がらずに話を聞いてくれたし、助けてくれたね。
光輝の出産の時もずっと一緒にいてくれて、とても心強かった😄
誰よりも私を思ってくれて誰よりも私を知ってる、大事な親友。
由佳のおかげで、今の私がいると言っても過言じゃない!
本当にありがとう!
そして、これからもよろしくね!
中嶋さん!
お父さんと仲良しで、お父さんがまだサラリーマンだった時には良く一緒に飲みに行ってましたね。
私が小さい頃は、お年玉をくれたりサンタさんになってくれたり、誕生日プレゼントをくれたりしましたね😄
小学生の時にプレゼントしてくれた大きなくまのぬいぐるみは、まだ大事にとってます✨
高校に合格した時にはお祝いで、バス通学になる私に可愛いパスケースをくれましたね😄
成人した時は、私に焼酎のボトル1本くれました。
このボトルが、飲んべえ彩乃の始まりです(笑)
娘の様に可愛がってくれて、時には叱ってくれるもう一人のお父さん。
そんな中嶋さんも、もうすぐ定年。
定年退職したら、趣味の野球観戦をしながら孫の和希くんと一緒にのんびりしたい、と言っていたな😄
少し糖尿気味だと言っていたから、一人暮らしだと難しいかもしれないけど食生活には気をつけて、いつまでも元気でいて下さい!
そして、拓実さんのお父さん!お母さん!
気さくな両親で、麻雀ゲームが好きなお父さん。
そんなお父さんに文句を言いながら、孫の龍輝がやっているマリオにはまるお母さん(笑)
編み物が得意で、孫達にセーターや帽子を編んでくれるお母さん。
昔、歌手を目指していただけあり歌がうまいお父さん。
定年退職した今は、近所のカラオケサークルの仲間と良く歌いに行っている。
こんな私でも、快く嫁として迎え入れてくれて感謝しています✨
ありがとうございます!
そして、龍輝と小春!
初めて会った時…覚えてる⁉
龍輝も小春も一番最初は、不安そうな顔をしていたね。
「あーちゃん」から恥ずかしそうに「お母さん」と呼んでくれた日の事は忘れないよ!!
血のつながりはないけど…周りで「大変ね」と好奇な目でいる人もいるけど、そんなのは関係ない!
接し方に悩む時もあった。
預かった母子手帳でお母さんの名前が「ママ」になっているのを見て「ママ」に嫉妬した事もあった。
「ママ」の事を思い出しながらママの話をする時、どうしたらいいのかわからない時もあったけど、ママがいたからあなた達が誕生した。
寂しい思いをさせてしまう事もあるけど、休みの日はまた大好きなトランプで遊ぼうね!
ただ、宿題はちゃんとやってからね😄
龍輝はゲームばかりしたらダメだよ!
小春は好き嫌いが多いから少しでも直そうね!
誰が何を言おうが思おうがあなた達はお母さんの我が子なんだから!
光輝!
元気に生まれてくれて来てくれてありがとう!
誕生した瞬間のあの感動は忘れないよ!
お腹にいた時の手術も良く頑張ったね✨
お兄ちゃん、お姉ちゃんの仲間に入りたくていたずらしてお兄ちゃんやお姉ちゃんに怒られては泣いて。
やっぱり兄弟。
お兄ちゃんの赤ちゃんだった時の写真と何となく似てるね😄
今はまだ何を話しているのか良くわからないけど、もう少ししたら言葉になって来るかな?
子供3人が並んで寝ている姿を見てると、自然と笑みが出る。
笑っている姿を見ると幸せだし頑張れる😆
これからも元気に成長してくれます様に✨
色んな人に助けてもらい、こうして家族で生活が出来る。
旅行代理店のみんなにもたくさん迷惑をかけてしまったけど、みんなに協力してもらい何とか頑張ってくれた。
小さな旅行会社だけど、だからこそ団結力が強いのかもしれない。
今、育児や家事、仕事の合間をみて「旅行業務取扱管理者」の資格をとろうと勉強中。
勉強は難しいけど、いつかは資格を取得したい!
「龍輝!今日は写生会でしょ⁉画板持ったの⁉ほら~忘れてる😫」
「小春!ま~たパンの耳だけ残して💢ちゃんと食べなさい!」
「ほらほら!遅刻するよ!はい😄行ってらっしゃい😄✋光輝も保育園に行くよ!はい!帽子かぶって!」
最初は保育園に預けると泣いていた光輝も、今は泣かなくなった。
「拓実さん!今日はミーティングの日だから、少し遅くなるかも💧」
「じゃあ、光輝の迎えは俺が行くよ😄」
「ありがとう✨行ってらっしゃい!」
「彩乃ちゃんも仕事頑張って!じゃあ、行って来ます✋」
いつもの朝の光景。
にぎやかで慌ただしいけど、幸せを感じる時間。
中村彩乃。
今日も一日頑張ります!
この幸せが、ずっとずっと続きます様に!
✒あとがき✒
こんな拙い小説に最後までお付き合い下さいまして、本当にありがとうございました✨
途中、体調不良や子供の都合等でなかなか更新が出来なかった事をお詫び致しますm(__)m
「結婚」「不倫」「離婚」「連れ子再婚」
という今までの経験を書いてみました。
文章で表現する難しさを知りました😫
直哉と離婚した時は、結構人生に絶望感たっぷりだったんですが、拓実さんとの出会いで人生が変わりました✨
連れ子再婚には正直戸惑いもありましたが、今はこの子達の笑顔に囲まれて幸せを感じています💕
今、きっと読んで下さっている方で色々悩んでる方も多いと思います。
でも、いつか必ず「出口」があるはずです!
今は辛くて悲しいかもしれません。
真っ暗かもしれません。
でも、いつか絶対光は見える!
そう思います😄
旦那と親友を失うというのは本当に辛かったし、苦しかったですが、今はこうして最高の幸せが訪れました。
苦労したからこそ、光がすごく輝いて見えると思います!
なんて、偉そうな事を言ってますが、気持ちがわかるからこそ…肩の力を抜いてリラックスですよ!
ミクルの場所でしか応援出来ませんが…
皆様に幸せが訪れます様に✨
あやの
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