未成熟な妻
好きになって、身体の関係を持てば、結婚しなければいけない…
そう思っていた。
僕は早く結婚したかった。誰かに、支えて欲しかった。
先の見えない道を走る為に…
君が支えてくれる
そう信じていた。
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…医大に入学して一月あまり僕は、その日は妙にはしゃぎたい気分だった。
売店で買った、人気のカレーパンの紙袋を抱えて 外で待ってる仲間の元へと足早に廊下を歩いていた。
春の日差しが
気分を高揚させていた。
田畑ばかりの田舎から、僕は夢と希望を抱えきれないくらい抱えて 上京して
見るもの 感じるものすべてが新鮮だった。
尚子は、僕が僕の力でもっても一生かかっても、手に入れられないものを
既にもっていた。
僕はそういう尚子に憧れ、尊重し、
医者という職業的な訓練を徹底的に自分に課したいと思うようになった。
彼女の存在感は僕の中で、大きくなっていった。
彼女の横にいて、恥ずかしくない自分になりたかった。
僕たちは2回生になり、尚子は8才歳上の若い研修中の医者と付き合いをしはじめた
僕は普段は手が届く距離にいながら、他の男の手で尚子が女として成熟していく様子を本当に指を加えてみていた。
尚子は恋をして さらに綺麗でかつ 妖艶さを感じさせるように なって行った。
尚子の相手の男は、尚子というそれは、素晴らしい女性を手に入れつつも、他の女性にも 声をかけるような、やつだ。
僕は尚子によく相談を受けた。
僕は冷静なふりをした。
幸せになる為に幼い頃から自分をコントロールしてきた彼女だ。理性を揺さ振られて苦しんでいた。
「上を見ている
君は妻としては最高の女だ。」
そんなプロポーズがあるもんだろうか…
尚子は医者になる。
彼の妻などになる必要性なんてない。
当の尚子はそのプロポーズを聞いて号泣し
彼と別れる決心をした。
21才の春失恋した尚子。少し痩せたがいつもと変わらずに少し無口になっただけ。僕以外だれも彼女の変化に気が付かないでいた。
秋になり、僕も尚子も学業に身が入りだした。
別れた後
尚子が少しづつ話してくれた内容は、鮮烈だった。
彼とは会うたびに身体の関係を持ったらしい。
デートらしいデートもあまりできなかったようだ。
彼の仕事の都合で呼び出し、夜昼なく
甘い言葉で引き寄せは、キスをし 尚子を抱く。
彼女が拒否すると、
好きな男を拒否する女は いい女じゃないと言われたそうだ。
彼女は彼のいうがまま
身体を自由にさせていたのに
他の女の影さえあった。
そして、プロポーズ。尚子は、聡明だから、彼を傷つくことがないように
自分が至らないと言って
別れたらしいが、
その男の傲慢さは僕は許せなかった。
尚子でさえ、惑わした男
どんな男なんだろうか…
尚子は彼を好きだったらしい。
僕にはまだ理解できず、尚子を不快に思ったりもした。
医者等過酷な職業の家族は大変だ、という話を授業の雑談を聞いて
尚子は「そうかもしれない」と言った。
僕は尚子が尚子の前の彼とのことでそう思ったのだと気が付いた
尚子の家は開業医であり
忙しいとは言え、勤務時間がムチャクチャな大学病院などの高度医療を取り扱う特定機能病院や救急指定をうけているような病院の勤務時間とはまるで違う。
僕は
「患者の命を守る為に自分の睡眠時間も家族との時間もないわけだ。」
と尚子に言った。
尚子は
「私も 両親の後を継ぐつもりでいるの。彼の大変さを見ていて、私家族がもてないと思った。遥陽君は どうしたい?君は優秀
大学病院に残るつもりなの?」
そう言い僕の目を見つめた。
「…… 尚子はどう思う?」
>> 15
「尚子さんはどう思う?…」
「遥陽君は大学病院に残って、上を目指して頑張ってみたらいいと思うな。」
「知ってる?医療ミスで東南病院の副院長が、患者さん遺族とトラブルになってるって…。
原因はすい臓のオペ
すい臓は難しいらしいの
アメリカじゃオペ自体避ける傾向があるくらい
でもそういう症例こそ、増やして行きたいわけじゃない?」
「遥陽君は 外科医になるの?体力も気力も頭脳も手先の器用さも必要だし、医療機器の操作も上手くできなきゃ
それに…遥陽君寒がりでしょ
オペ室は寒いらしいわ…」
「…じゃ僕は外科医は無理だな。まずはランニングでもしなきゃいけないなぁ。」
尚子は、僕の手先に触れて、
「外科医が、いいわ」
そう言ってくれた。
そんなある日、いつも行っていた、世田谷の家庭教師先の家でちょっとした出来事があった。12月の忙しい時期だったからか
家庭教師をしている女子高生の母親が、外出してしまい
広い家の中で
僕と女子高生が二人きりになってしまった。
ちょっと緊張した時間が続いていた。
「理沙ちゃん。この問題が終わったら、少し休憩しようか…」
「先生… 私… 」
なんだか、彼女が大人ぽく見える
「私先生のこと… 」
ああ、彼女は僕が好きなんだ。
僕は彼女の目をふせた
横顔が可愛いと思った。
「理沙ちゃん。ごめんね 今日はもう帰るね」
瞬間に身体が反応し
これはまずいと
僕は、立ち上がった。
>> 23
部屋のノブに手をかけた
「待って下さい。先生…私先生にずっと憧れていて、先生彼女いるんですか?」
僕は振り向くことができなかった。
彼女が後ろから、抱きついてきたからだ。
「ちょっ ちょっと待って…」
僕は彼女の腕をゆっくり外して
振り向いた。
彼女…理沙ちゃんは、すがるような目をして、僕に言った。
「最近できた、イタリアンのおいしいお店に先生と行きたい。」
僕はとにかく、この場所から早く帰らなければならない。
「わかった イタリアンね期末テストが終わったら、連れていくから ね。」
「本当~やった。理沙テスト頑張ります。」
「じゃあね 今日は帰りますよ…大丈夫?」
「はい!先生」
僕は、何か悪いことをした人みたいに、あたふたと 靴を履き 彼女の顔もみないで、外に飛び出した。
外の冷たい空気が、頬に気持ちよく、僕はブラブラと歩き、イルミネーションをみながら、駅に向かった。
ちょっと、びっくりはしたものの、可愛い女子高生の女の子に 憧れてたなんて言われて、やはり僕は嬉しかった。
友達として付き合って行こうと思ってた尚子に、「 君が好きだ」と言おう。
女子高生に勇気をもらった自分が、滑稽で、
部屋に戻って、布団をかぶっても、なかなか寝付けなくて、そわそわしていた。
部屋で勉強をはじめた
理沙ちゃんは、意外に黙々とシャーペンを動かしていた。集中できている。
テストも、よく出来ていた
僕は、理沙ちゃんとの イタリアンも悪くないかもと思った。
尚子といるときは、何か焦燥感みたいなものが、あって、常に少しだけ焦りみたいなものを感じていた…
理沙ちゃんとキスをして 尚子のことを考えている
理沙ちゃんの横顔は
キュートだ。
まつ毛が長く、鼻と頬のラインが綺麗だ。
少し厚めのぽってりした 唇は 赤く艶やかだ
イケナイ
また… 身体が反応してしまう
僕も勉強に集中しなくては…
青い表紙の本を開いた。 本質の研究という数学の参考書。
少し読んで 僕もゆっくり深呼吸した。
>> 34
「先生は…お付き合いしている人いるんですか?」
「僕はお付き合いしてる人はいないよ。」
罪悪感を感じながらも、当たり障りない返事をする。
「理沙ちゃんは、まだ誰か本当に好きか、よくわからないんだよな。 僕が恋人代わりに
デートしようか?」
「えっどうして、そう思うんですか? 理沙は先生が好き。そんなの、自分でわかります。」
- << 37 そう… よくわかってないのは僕だ… 理沙ちゃんにキスをしたり尚子に告白しようとしたり… [好き]という感情は、男の側から本音で語るなら 気持ちというより、欲に直結してる気がする。 視覚的なものや、感触というか、何か肉体的な記憶 が中心で、[好き]という言葉があまり、しっくりこない よく男同士で、交す情報として 「あの子 いいよね」 というのがあるが 正に、それが それに当たる気がする 尚子は、僕の中では そういう存在でなく 何か特別な存在なのは確かだ。 それなのに、僕は尚子には、積極的になれない。
>> 35
「先生は…お付き合いしている人いるんですか?」
「僕はお付き合いしてる人はいないよ。」
罪悪感を感じながらも、当たり障りない返事をす…
そう… よくわかってないのは僕だ…
理沙ちゃんにキスをしたり尚子に告白しようとしたり…
[好き]という感情は、男の側から本音で語るなら
気持ちというより、欲に直結してる気がする。
視覚的なものや、感触というか、何か肉体的な記憶 が中心で、[好き]という言葉があまり、しっくりこない
よく男同士で、交す情報として
「あの子 いいよね」
というのがあるが
正に、それが
それに当たる気がする
尚子は、僕の中では
そういう存在でなく 何か特別な存在なのは確かだ。
それなのに、僕は尚子には、積極的になれない。
理沙ちゃんは、そういうと
また、シャーペンを動かし始めた。
僕は、唐突に息継ぎができないぐらいの 長いキスを何度もしたくなった
尚子と年上の研修医との 想像もしたくない、淫らな光景がフラッシュバックみたいに、脳裏に浮かんでは消える。
あのころの尚子を思い出すと心を切なく締め上げられてしまう。
……
『 先生、何を考えているか、理沙が当ててあげましょうか…』
理沙ちゃんの視線を右側の頬のあたりに浴びて、でも僕はたじろがないで、
携帯で時間を見た。
『理沙ちゃん。僕もこう真面目そうに見えても 男なんだから、あまりからかったら、駄目だよな』
頑固に尚子を想い続けいた僕が心が
理沙ちゃんの 大胆な告白に 揺らぎはじめていた。
>> 42
デート当日
待ち合わせした、書店に
焦げ茶色の肌触りの良さそうなうさぎの毛をあしらった コートを着て、理沙ちゃんが現れた
約束のお店に二人で行き
予約席に座るまで、理沙ちゃんは、ほとんどうつむき加減で 何も話さなかった
緊張感を解きたくて
僕はイタリアの蒸留酒のグラッパを頼み、一気に飲み干した
- << 45 食事をしている間 少しずつお互いのことを話した。 僕が家庭教師になった1年前から僕のことが気になっていたこと もう家庭教師も終わりになるから、なんとか自分の想いを伝えたいと考えていたことを聞いた 僕は 田舎では、イタリア料理ななどは、ほとんど食べたことがなかったこと 東京に来て、可愛くて、綺麗な女の子達を、たくさん見て驚いたこと 医大は勉強が大変で、アルバイトも ままならず、家庭教師をしてること なんかを話した。 周りのカップルや女性グループも、クリスマス前で華やいだ雰囲気で楽しそうだった。 レストランは、見渡せる広さ、みな楽しそうで、華やいだ服装で、カップルがほとんどだった。
嫉妬は、女辺でなく、男辺のほうがいいのではないかと思う。
尚子に憧れたのも、恋人がほしくなったのも、
医大で必死に勉強したのも
急速に理沙ちゃんに僕がのめり込んだのも、
今思えば、嫉妬からくる感情に翻弄されていたのだと思う。
田舎の農家で生まれ育った僕は、何もかもが憧れの対象で、ことあるごとに、劣等感を感じていたんだと思う。 洗練された生活や仕事 生き方、すべてにおいて無知だった。何か幸せになるための方法があるのに僕だけが知らなかった。そんな気持ちになっていたんだと思う。
>> 43
デート当日
待ち合わせした、書店に
焦げ茶色の肌触りの良さそうなうさぎの毛をあしらった コートを着て、理沙ちゃんが現れた
約束のお店に…
食事をしている間
少しずつお互いのことを話した。
僕が家庭教師になった1年前から僕のことが気になっていたこと
もう家庭教師も終わりになるから、なんとか自分の想いを伝えたいと考えていたことを聞いた
僕は
田舎では、イタリア料理ななどは、ほとんど食べたことがなかったこと
東京に来て、可愛くて、綺麗な女の子達を、たくさん見て驚いたこと
医大は勉強が大変で、アルバイトも ままならず、家庭教師をしてること なんかを話した。
周りのカップルや女性グループも、クリスマス前で華やいだ雰囲気で楽しそうだった。
レストランは、見渡せる広さ、みな楽しそうで、華やいだ服装で、カップルがほとんどだった。
食事を終わらせ、外に出た 水族館の前にある観覧車に乗る為に、地下鉄の駅まで歩いた。 切符を買ってあげて 改札に入った。 理沙ちゃんとはぐれないように手をつないだ。 少し酔いもさめてきていた駅の構内の地下道を歩いていた時、右手に見覚えのある姿を見つけた。 同じ学部の友人の佐藤祐介だ。看護学部の恋人の唯といっしょだった。 二人はこちらに手をふって合図を送ってきた 「 遥陽誰なんだよ~紹介紹介 ムチャクチャ可愛いじゃない タレントかと思うくらい!僕は遥陽のトモダチ 佐藤です!遥陽の彼女さん? 」 「びっくりしたよ祐介に会うなんてな 僕が家庭教師をしてる理沙ちゃん高校3年生だよ。春から城南大学のフランス文学科に行くお嬢さん」 と紹介した。
>> 47
祐介は、理沙ちゃんに
「こいつね 理想が高いんだよ。」
と耳元で言った。
「じゃあな また!」
お互い手をふり、別れた。
僕は理沙ちゃんと
また 手を繋いだ。
なんだか、観覧車に乗りに行くのが、ツマラナイと思え、
「部屋に来る?」 と聞いた。
「うん。いいよ。行きたい。」
「じゃあ、変更 ごめんね口の悪い友人で。」
「大丈夫です。…………」
電車がホームに入って来る音が聞こえた。
僕は理沙ちゃんの手をもう一度握り直し
反対側に着いた電車に乗る為に 理沙ちゃんの腕を引っ張り、走った。
- << 50 駆け込み乗車して息がキレた。 理沙ちゃんの肩と胸が上下し続け、少し紅潮した頬がかわいらしい。 10分ほどの間 僕はずっと理沙ちゃんの肩を見ていた。 駅に着き僕の部屋まで歩く。 「あの角を曲がったら、僕の部屋だょ。」 理沙ちゃんはコックリとうなずいた。 「先生。お部屋に入ったら、理沙にキスしますよね。」 僕は返事しなかった。 コツコツと理沙ちゃんのブーツの踵の音が響き 僕の心臓の音と呼応してる。 「ここだよ。理沙ちゃん 寒かったよね。暖房は入れてきてるから。」 理沙ちゃんはまた うなずいた。 鍵をあけ、理沙ちゃんの肩を抱えるように中へ入るように促した。
>> 48
寒い冬がくると、家族で少しの間住んだ。北海道の冬を思い出す
東京育ちのお嬢さんだった彼女にとって、それは、楽しいだけでなく、辛く寂しい時もあったはず
手袋もマフラーも役目を果たさないぐらいの寒さ
吹雪の夜は、交通手段さえ途切れる
雪を踏みしめる時のサクッとなる小さな音だけを聞きながら、歩く。
突然現れた尚子の残像
単線の電車の音
尚子のあの時の声
妻の打ち拉がれた横顔…
結婚は、職業より人生に深く関わるんだ。
- << 63 転勤になることを尚子に話をしなければと、夜勤でないことを確認して 青山のリストに誘った。 約束の時間よりはやくにお互いにつき、 僕は尚子に、ことの経緯を説明した。 尚子はすぐに 『奥様はどうするの いっしょに連れて転勤するの?幼稚園に入園したばかりだし、住み慣れた東京を離れるよりは、単身で行ったほうがいいんじゃないかしら… 多分1年で戻るんだし、 遥陽君が行き来すればベストなんじゃないの?』 と言ってきた。 『それは…できないよ 理沙は僕が居ない夜は、 薬がないと眠れない それに息子の喘息もあるから、睡眠薬も飲めない。 連れて行くしかないよ。』 『奥様の大変さもわかるけど、遥陽だって、こんなに大変なのに… 』 『呼吸器内科のある救急病院の近くのマンションに引っ越すのはどう?母親が安心して安定すれば、症状が大変でも、精神的にはいいんだし。』
>> 48
祐介は、理沙ちゃんに
「こいつね 理想が高いんだよ。」
と耳元で言った。
「じゃあな また!」
お互い手をふり、別れた。 …
駆け込み乗車して息がキレた。
理沙ちゃんの肩と胸が上下し続け、少し紅潮した頬がかわいらしい。
10分ほどの間
僕はずっと理沙ちゃんの肩を見ていた。
駅に着き僕の部屋まで歩く。
「あの角を曲がったら、僕の部屋だょ。」
理沙ちゃんはコックリとうなずいた。
「先生。お部屋に入ったら、理沙にキスしますよね。」
僕は返事しなかった。
コツコツと理沙ちゃんのブーツの踵の音が響き
僕の心臓の音と呼応してる。
「ここだよ。理沙ちゃん
寒かったよね。暖房は入れてきてるから。」
理沙ちゃんはまた
うなずいた。
鍵をあけ、理沙ちゃんの肩を抱えるように中へ入るように促した。
理沙ちゃんは、座ってゆっくりブーツを脱いでいた。
僕は、理沙ちゃんの横に座ってキスをした。
理沙ちゃんは、まだ脱ぎかけのブーツのファスナーに手をかけたままだった
理沙ちゃんは小さな声で
「アッ」と言って少しだけ抵抗したけど、僕は 自分でも驚くぐらいに、激しいキスをした。
唇が離れると
「先生、靴…」と理沙ちゃんが言った。
僕はまたそのままキスをしてそのまま 理沙ちゃんのブーツを脱がし始めた。
僕のキスが、上手かどうかは別として
理沙ちゃんが出したちょっと色艶のある声が僕に自信と満足感を与えてくれた。
僕達は両手を重ねたまま ゆっくり 離れた。
急に気恥ずかしくなった僕は立ち上がった
『何か 飲むかい?コーヒー入れようか… 。』
『…はい。』
水色のホーローのケトルに勢い良く、水を入れて火にかけた。
沈黙が続く……
しばらくして お湯がわくシュンシュンという音がした。
理沙ちゃんがようやく立ち上がった。
『先生 理沙が入れます。コーヒーカップは…
え~と これかな?
わぁーウェッジウッドですね。』
『ウェッジウッドって何 うちの母親が荷物にいれたやつなんだけど…。』
『先生知らないんですか
高級なブランドの食器なんです 硬くて割れないし 綺麗でしょう』
そう言いながら
お湯を止めて 一旦カップにお湯を入れ暖めて
インスタントのコーヒーを入れてくれた。
その手際の良さが
一瞬 尚子に重なった。
>> 56
起こしても、両親が起きてくれない。
暗闇の中
息を吐けない辛さに耐えながら、僕はこんなところで、病院にさえ行けず死んでしまうのかと思った。
テレビで見た
綺麗な家、優しく微笑んで、身綺麗な母親
穏やかな生活
苦しい息に耐えながらずっと憧れの都会の生活を頭に浮かべていた。
僕はきっと将来
ここを出ていく
そう心に誓って 一晩耐えた。
車を運転できない祖母が起きてきてくれて、ずっと側で背中をさすってくれた。
今はもう すっかり丈夫な身体になったけれど…
あの夜の残像にまだ時折 苦しめられることがある
- << 59 『先生…さっき会ったの祐介さんあの…先生のお友達の人が言ってたけど…』 理沙ちゃんは、そう言って一口コーヒーを飲んだ。 『ん… 何か言ってた?』 『理想が高いって… 先生が理想が高いって、祐介さんが言ってました。 理想って、どんな人が理想なんですか?? 』 『理想は、お嬢さんで可愛くて、しっかりしてて 守ってくれそうな人かなぁ…』 『え~守ってくれそうな人って…逆に守ってあげたいような人じゃないんですか?』
>> 61
『Hな人が嫌なんじゃなくて、身体だけ目当てにされてるのが、なんだか嫌なんです。』
『理想はどんな人なのかな…
僕はきっとHだよ。
いやらしい雑誌も見るし 女の子とHしたいと
いつも思うし…』
『…… Hがしたいとは思わないですけど、先生とキスして 先生とデートして楽しかったです。』
『したいと思わないのは 残念だけどなぁ。彼女になるなら、Hはするんじゃないの?』
僕が理沙ちゃんの両腕を 優しくだいたら
顔を胸に埋めて
『そうですね。』
『先生だったら…』
- << 67 『私 先生といるとなんだか安心できるんです 他の男の子は、Hのことばかり考えてるから。』 『あはは。普通そうだって僕だって Hしたい 欲望を満たしたいって思ってるよ 』 『それだけですか。好きとか いっしょにいたいとか…そんなふうには思わないんですか。』
>> 49
寒い冬がくると、家族で少しの間住んだ。北海道の冬を思い出す
東京育ちのお嬢さんだった彼女にとって、それは、楽しいだけでなく、辛く寂し…
転勤になることを尚子に話をしなければと、夜勤でないことを確認して
青山のリストに誘った。
約束の時間よりはやくにお互いにつき、
僕は尚子に、ことの経緯を説明した。
尚子はすぐに
『奥様はどうするの
いっしょに連れて転勤するの?幼稚園に入園したばかりだし、住み慣れた東京を離れるよりは、単身で行ったほうがいいんじゃないかしら…
多分1年で戻るんだし、 遥陽君が行き来すればベストなんじゃないの?』
と言ってきた。
『それは…できないよ
理沙は僕が居ない夜は、
薬がないと眠れない
それに息子の喘息もあるから、睡眠薬も飲めない。 連れて行くしかないよ。』
『奥様の大変さもわかるけど、遥陽だって、こんなに大変なのに… 』
『呼吸器内科のある救急病院の近くのマンションに引っ越すのはどう?母親が安心して安定すれば、症状が大変でも、精神的にはいいんだし。』
>> 65
『僕はつい家でも、仕事のことばかりに気持ちが行ってしまう
妻のことばかりは考えてられないから。
悪循環だよね
今夜だって君に会ってるわけだし
早く帰ることができるのに
つくづく、僕は駄目なんだと思うよ。』
『それは…
それは違うと思う
遥陽君の妻ならそんなこと言ってられないのよ。
妻にだって守られるばかりでなく 責任も思いやりも必要よ。』
尚子はいつになく
僕に絡んだ。 さっき謝ったばかりなのに。
- << 120 『僕は理沙を転勤先に連れて行けば少しは安心して 眠れたり、育児ができたりすると思うんだ。』 『大げさな移動じゃないのよ、1年よ だから奥様は残るべきよ。』 『今日は随分はっきり 言うね。女性の目から見れば、理沙は甘えているように見える?』 『そうね…遥陽君はっきり言わしてもらえば そういうことよ。』
>> 68
『かわいいよ。最高だよ』
彼女の髪を束ねているゴムを外した。
髪を撫でて 上着のボタンを外そうとしたら
理沙ちゃんは、手で前を隠してしまう
『手を退けて、大丈夫だよ今日は最後までしないから。』
僕が手を掴んで、左右に開いた。
震えている理沙ちゃんが
可愛くて
『可愛いいよ。今日は僕にキスをさせて ゆっくり 君がどんな娘か 確認するしていい?。』
と聞いた。
『先生…
私が好きかどうか
わかるまでは 最後までしないと約束して下さい…。』
理沙ちゃんの
最後の抵抗を
僕は軽く聞き流し
『好きになったら
しても いいんだね。』
と返した。
彼女の身体の反応が僕に対してどうだかが
気になって
何度もキスをしては
切ない声をあげさせた。
>> 71
自分で言うと おかしいけれど理沙ちゃんが僕に夢中だった
僕が少し彼女を抱き寄せただけで
とても嬉しそうで
僕が自然に積極的になれる雰囲気があった。
拒絶されない。嫌われない安心感と
まだ好きと言ってないことの安心感。彼女を焦らして反応を見て こっそり楽しんでいた。
男はこんな状況がとても心地よいもので
性的には満たされてなくても、理沙ちゃんとの擬似恋愛は楽しくて
嫌ひょっとしたら、
本当に好きになったのかもしれない
そう思うこともあった。
理沙ちゃんは、優柔不断でとても狡い僕のことを
別に怒るでもなく
楽しそうにしていた。
- << 78 尚子は、祐介から 僕にガールフレンドが出来たことを聞いたらしい 僕には何も聞いてはこなかった。 姉のように僕を心配しては、 僕が大学に残って、研究を続けるなら 勉強や才能や努力だけでは、難しいことを暗に 遠回しに 何かの機会を捉えては 教えてくれた。 つまりは、人に嫉妬をかわないように そして、上には従順であることが 求められるということらしい。
- << 96 理沙ちゃんは、いつも 変わらずに デートの時は、元気で明るくて、それに屈託がない かわいい笑顔で僕の つまらない話にも 『そうなの~ 凄い~面白いわ』 とか 『理沙はそれは知らなかったわ。』 とか、言って聞いてくれていた。 一線は超えないまでも、 キスをしたり、僕の部屋で抱き合ったりした。 車がない僕は、遠くにデートする時間もあまりなく いつも、彼女と安いお店でおしゃべりを楽しんで 僕の部屋で、お茶を飲んで、キスをして… そして、尚子に僕が理沙ちゃんとのことを相談してからは、 僕は、理沙ちゃんときちんと付き合うと言う気持ちが、固まった。 尚子を諦める為にも 自らのめり込みたくて 理沙ちゃんを自分のものにしてしまいたくなった。
おはようございます。
読んで下さってるかた 本当にありがとうございます。
とても拙い文章ですが
『未成熟な妻』を通して
読んでくださってるかたが『理沙』であり『尚子』であり 『僕』だと重なりあう部分を共感頂けると
嬉しいなと思いながら
書いています。
はじめて書いていまして 読みづらい部分も多々あると思いますが
最後まで読んで下されば嬉しいです。
>> 80
将来の選択や生き方など、かなり、僕の内面まで踏み込んでくる尚子だったが、ガールフレンドのことは、知れているはずなのに、何も聞いてきてくれなかった。…もし、理沙ちゃんとのデートを見られてたりしたら
『ピザ』さえ食べたことのなかった僕が
『アーリオ・オーリオペペロンチーノやグラッパを イタリアンレストランで 注文している様子は
かなり、無理しているように感じただろう。
実際には尚子に見られたわけでは、ないけど
見透かされているような、僕のすべてを見られているような
怖さと安心感が交ざりあった複雑な不安定な気持ちだった。
何故尚子は僕に
『ガールフレンドができたの?聞いたわよ』
などと聞かないんだろう…
まさか、もしや… あのレストランに尚子が居たのか…
そんな現実味のない妄想のような考えが浮かぶことすらあった。
>> 81
五月晴れの日の午後
僕は、久しぶりに カレーパンを買って、大学の中庭に尚子を誘ってみた。
芝が敷き詰められて、小高くなった場所。ベンチがあり 桜の木が植えてある。
カレーパンの袋を見て尚子は少し嬉しそうにしてる
『ねぇねぇ覚えてる?大学に入学した春。遥陽君カレーパンをたくさん買って、みんなに配ってたでしょう…。
遥陽君が 素敵に見えたわ』
『もちろん覚えてるさ。でも…なんだよ、それ、食べ物に釣られて僕と仲良くなりたくなったんだ。』
『カレーパンを早く、ください』
そう言って笑って
尚子は、ベンチに座った。
紙袋の中から、カレーパンを渡そうとした僕は
唐突に 尚子に
とんでもないことを口にした。
『尚子、僕は今付き合ってる女の子がいるんだ。好きかどうかわからない。でも付き合ってる。』
尚子から笑顔が消えた。
ゆっくり僕に膝を向けて座り直して尚子はしばらく考えこんでいた。
『ごめんなさい。気分を害した?僕は…。』
自分で言っておきながら、動揺してる僕に尚子は畳み掛けるように返してきた
『遥陽君が私に告げるということは、本気だと言うことよ。好きなのよ。彼女には、好きだって言ってないのね…。』
『うん。言ってない。』
『遥陽君。カレーパンで恋の相談?。私がカレーパン好きだって、知ってて。』
違う…もしかしたら、尚子が僕を気に入ってくれているんじゃないかと、
僕が本当に好きなのはきっと尚子なんだ。
言ってみようとしても、言えない。
何で、理沙ちゃんのことを尚子に相談してるんだろう
『でもね それが、当たり前でなく
ずっと積み上げてきた努力の結果だって
私は、もう、知ってるの。
母も父も祖母も祖父も
病院を守る為に
それはお行儀よく、努力して、色んなものを犠牲にもしてきたと思う。』
>> 92
『私は、貴男に憧れてるの
自由で、強くて、利口で
身長も高くて、
近くにいるとドキドキするの
ワクワクするのかな
私を今の生活から
違う世界に連れて行ってくれるのは、
遥陽、きっと貴男だけよ。』
『そう カレーパンが食べたいの 下さい。
私は、ずっと遥陽を忘れないよ
同じ気持ちでずっといるから。
だから、はやく!カレーパンを頂戴。』
僕は、なんて言っていいかわからず、尚子におねだりされて、
それに抗うことは、できないと悟って
紙でカレーパンを包んで、彼女に手渡した。
尚子は、両手で
カレーパンを持って
少し早いスピードで
食べながら、
大粒の涙を
流した。
何度も涙が流れてくのに
尚子はカレーパンを食べ続けて
僕はそれを
ただ見つめていただけだった。
- << 95 尚子も僕を好きでいてくれた。それは、僕にとって、身体中の細胞が、満たされていくかのような感覚だった。 僕はそれだけで、とても満足した。 何がなんだか、よくわからなくて 女の子特有の感情の揺れできっと僕と前の彼を重ね合わせた ちょっとした好きの感情なんだろうとは思っていた。 それでも僕は嬉しかった。
>> 72
自分で言うと おかしいけれど理沙ちゃんが僕に夢中だった
僕が少し彼女を抱き寄せただけで
とても嬉しそうで
僕が自然に積極的になれ…
理沙ちゃんは、いつも
変わらずに
デートの時は、元気で明るくて、それに屈託がない
かわいい笑顔で僕の
つまらない話にも
『そうなの~ 凄い~面白いわ』
とか
『理沙はそれは知らなかったわ。』
とか、言って聞いてくれていた。
一線は超えないまでも、
キスをしたり、僕の部屋で抱き合ったりした。
車がない僕は、遠くにデートする時間もあまりなく
いつも、彼女と安いお店でおしゃべりを楽しんで
僕の部屋で、お茶を飲んで、キスをして…
そして、尚子に僕が理沙ちゃんとのことを相談してからは、
僕は、理沙ちゃんときちんと付き合うと言う気持ちが、固まった。
尚子を諦める為にも
自らのめり込みたくて
理沙ちゃんを自分のものにしてしまいたくなった。
>> 96
その日は、朝早くからのデートをしたいからと言って、7時半にマックで待ち合わせの約束をしていた。
約束の朝7時半
僕は、マックで待っていた。
コーヒーとホットドッグを頼み、ゆっくり寛いでいた。
理沙ちゃんは、15分ほど遅れて、薄い桜色のカーディガンにショートパンツ、それに肩にブランドショップの鞄をさげて
走ってきた。
硝子ごしに見える理沙ちゃんは、祐介が言ってたみたいに、タレント並みにかわいかった。
理沙ちゃんとドアごしに目があった。
遅れちゃたというような 表情で、眉尻が下がっていて とってもかわいかった。
今日は、連れて行きたいところがあるからね
と言ってあったから
きっと遠出をすると
思っているんだろう。
>> 98
『どこに、連れて行ってくれるの?遠くまで?
車、レンタカー屋さんで借りたんですか?』
マックを出て足早に歩く僕に小走りでついてきて
理沙ちゃんも必死の表情だった。
僕はいつもより、表情もかたかっただろうし
理沙ちゃんは少し不安そうだ。
『遅刻したから怒ってる?ごめんなさい。間に合うんですか?。』
『今日は遠くには行かないよ
予約してあるホテルに行くんだよ。』
理沙ちゃんの顔を見ないで、歩きながら言ったのは
恥ずかしいかったからなんだけど
理沙ちゃんは僕が怒ってるみたいに見えたらしい。
『えっ。』
『約束したよね。好きになったら、しよって。』
理沙ちゃんは少しの間
僕についてきて
急に立ち止まって
『遥陽さん。ゆっくり歩いて 。』
そう言って凄く嬉しそうな表情で僕の左腕にしがみついた。
- << 102 成城学園前から一駅、祖師ヶ谷大倉の駅で降りて、 レンタカー店まで 理沙ちゃんと歩いた。 レンタカー店で、手続きをして 予約してた水色のフィアットに乗り込んだ。 ジョージアローデザインのイタリア車 黒と水色のコントラストがとても綺麗な とても小さな車だ。 『外国製の冷蔵庫みたい。可愛い。』 『だろ。ずっとこれ狙ってたんだよ キャンパストップで、上も開く。』 少しエンジンはかかりにくかったけど この車にしてよかった。と僕は満足した。 『海沿いの可愛いホテル。に予約したから、行こうね。』 『うんわかった。 車、可愛い嬉しい。ありがとうございます。』 『お礼を言いたいのは僕の方。』 ハンドルを操作して、ドライブ。気分は高揚した。 僕には迷いはもうなかった。
最初から一気に読みました。タイトルからしてどんな話なんだろうと思って読んでみたら引き込まれてしまいました!あぁこんな恋愛もあるんだなと思いました。続きを楽しみにしてます。お忙しいでしょうが完走まで頑張って下さい♪
>> 99
『どこに、連れて行ってくれるの?遠くまで?
車、レンタカー屋さんで借りたんですか?』
マックを出て足早に歩く僕に小走りでついてきて…
成城学園前から一駅、祖師ヶ谷大倉の駅で降りて、 レンタカー店まで
理沙ちゃんと歩いた。
レンタカー店で、手続きをして 予約してた水色のフィアットに乗り込んだ。
ジョージアローデザインのイタリア車
黒と水色のコントラストがとても綺麗な
とても小さな車だ。
『外国製の冷蔵庫みたい。可愛い。』
『だろ。ずっとこれ狙ってたんだよ キャンパストップで、上も開く。』
少しエンジンはかかりにくかったけど
この車にしてよかった。と僕は満足した。
『海沿いの可愛いホテル。に予約したから、行こうね。』
『うんわかった。 車、可愛い嬉しい。ありがとうございます。』
『お礼を言いたいのは僕の方。』
ハンドルを操作して、ドライブ。気分は高揚した。
僕には迷いはもうなかった。
>> 102
小一時間かけて
フィアットを走らせ
目的のホテルに着いた。
白くて、冷たく艶のある床のエントランスは、吹き抜けの天井からの陽の光がさして、初夏になりかけている空気が充満していた。
一瞬目が眩むぐらい陽が反射した。 理沙ちゃんの肩にかかってるブランドのバックの金具が光ったんたと気がついた。
キラキラして
またそれが、光の輪になって何重にも反射をして壁に写った。
『理沙、見て綺麗だ。』
『本当。綺麗…。』
僕が理沙ちゃんの肩に手をかけて、
『理沙も綺麗 フィアットもこの白いエントランスも理沙を引き立てる 脇役だもんね。』
『綺麗に光ってる。遥陽と言う名前は、お母様がつけたの?』
『考えたのは。母親の妹、今は田舎を抜け出して、東京に一人で住んでるよ。』
『素敵な名前…。』
『理沙…行こうよ。』
うん
『フロントで鍵をもらってくるからここで待ってて。』
>> 103
フロントには、
もう一人、チェックインの手続きをしていた。
少し横に、細身の女性が立っていた。
白い麻のジャケットを羽織った女性が
尚子に少し似ていた。
僕は、
一瞬の懐かしさを感じたけれど でも、ただそれだけだった。…
手続きを済ませ、
急いで理沙ちゃんの元に戻った。
『行こう。』
『理沙はずっと遥陽さんを見てた。背が高くて、後ろ姿も素敵で…見惚れちゃった。』
『部屋は303号室
海が見えるらしいよ。』
『海 水色のフィアットで海までデートなんて…
素敵ね。』
『似合ってる。本当に理沙は可愛いな。』
お互いに照れて、ずっとお喋りをしながら、
エレベータでなく
ら旋階段をゆっくり上がり、
部屋にたどり着いた。
息を整え、鍵を回した。
- << 109 部屋に入って ベッドの端に理沙ちゃんを座るように促した 僕も横に座り 腕を背中にまわして キスをした 長いキス ベッドに彼女の身体を倒して さらにキスを続けた 息もきっと苦しいくらいだろう 理沙ちゃんが少し動いた 僕は彼女の片側の腕をとって腕を高い位置に上げさせて 押さえつけた 『ふぁゎ』 息が洩れた
>> 111
僕はおとなしくしていられなくなって、イタズラ心を出した
理沙ちゃが、バスルームからそろそろ、出て来る頃を見計らって
バスルームを覗いてみたくなった。
バスルームに近づくと
少しだけ曇った硝子ごしに理沙ちゃんの姿が見えた。
僕は思い切って中へ 入った
理沙ちゃんはビックリした顔をして
『どうして』
と聞いた。
『待てないから。』
自分の大胆さに驚きながらも止められない 欲望を感じた
僕は服を着たまま
シャワーを浴びている水浸しの理沙ちゃんに
キスをした
今度は腰にぐるっと腕をまわして 反対側の手首を掴み
もう一方の手で
理沙ちゃんの感じそうな場所を探した
胸をさわると
身体をネジって
『恥ずかしいよ』
と理沙ちゃんが言った
『綺麗だよ かわいい僕のものにするよ。』
そう言って胸を先をさわった
『ふぁゎっ』
理沙ちゃんの身体が左右に揺れた
>> 114
理沙は
しばらく動くことも
なく
ずっとうつ伏せのまま
時々『遥陽さん…。』と僕を呼んだ。
僕は理沙の頭をずっと
撫でていた。
『可愛いい好きだよ。理沙を僕のものにした。』
『うん…』
『理沙の身体は滑らかで艶やかかで触り心地がいいよ。』
『やだ。…』
『理沙 結婚を前提に正式に付き合ってね 。』
『…えっ…。』
『やだって言わないよね。』
理沙が横向きに身体をおこして
僕をみた。
『遥陽さん…嬉しい
理沙でいいの?本当に?』
『いいからしたんだよ。もっと ずっと好きになった
理沙は最高だった。』
『やだ…。』
『え僕じゃやだ?…』
僕は意地悪を言った
『いいえ 嬉しいです。』
と頬を赤らめた。
僕と理沙はまたキスをした
>> 115
僕らは
この日を境に
急速に親密になった
理沙の卒業を待って僕は結婚するつもりだった
早く結婚したかった
理沙なら、僕の全部をきっと許してくれる
僕を支えてくれる
そう信じてたから。
実際理沙と結ばれてからは僕が気分もよく理沙に夢中になった。
何も言わない優しい理沙に僕の全部を受け入れてもらった気がしていた。
週末は必ず二人で
食事をして
身体を重ねて
二人の未来について
語った
理沙は南フランスに行きたがった。
フランス文学を専攻していたし
世界でもっとも気候が良いとされている街に
以前から住んでみたいらしかった。
いつか旅行なら連れて行ってあげられる
新婚旅行でもいい
理沙はきっと喜ぶだろう
フランスでたくさん本を買う
英語が堪能な上に
フランス文学に傾倒してる彼女だから
きっと楽しい旅行になる
想像しているだけで楽しかった。
>> 117
国家試験を無事パスし卒業した僕は理沙と
1年後に結婚することになった。
もう少し先にと考えていたのは理沙の方だったが
僕の方が早く結婚したかった。
理沙は理想的な妻になってくれると思った。
優しくて、僕を理解してくれている
彼女と結婚すれば
僕の仕事が多少忙しくても
家庭は穏やかだろうし
彼女の好きな語学の勉強も続けさせてあげながらも
僕が幼さない頃に夢みていた理想の家庭を作れる。
農業を営んでいた
僕の家は
母親が家計の為に外でも働き
忙しくて、僕はいつも
寂しい思いをしていた。
テレビで見た
綺麗な家と整った環境で優しく微笑む母親と子供達を見て、羨ましいと思っていた。
理沙の生まれ育った家庭はそんな僕の夢見ていた家庭だった。
僕は理沙という素晴らしい伴侶を得たというのに、結婚してたった数年で
理沙を裏切った。
僕がどうして
尚子と恋愛関係になったか…
どうしようもなく
抑えようのない
嵐のような感情を
僕は抑えることができずに…
理沙を愛した分だけ
尚子も愛した。
そして、理沙を
深く傷つけてしまった。
>> 120
『私が遥陽君の家庭の事に口を出すのはおかしな話よ私わかってる。だけど
今夜は言わせて。
遥陽君もおかしいわ
きちんと奥様に言えないなんて。』
そこまで尚子に言われて僕は不安になった。
尚子はめったなことでそんな事を口にはしない。
僕はよほど、理沙を甘やかしているのだろうか…
家庭に口を出され僕自身を否定されたような気がして
少しイライラした。
尚子はさっきから
早いピッチでグラッパを飲んでいる。
まだ食事も済んでないのにそんなに飲んでは 酔ってしまう。
尚子らしくない。
僕の転勤は
ステップアップの為とは言え
決して喜んで行く条件ではないから
僕自身も少しは。混乱していた。
きちんと研究と臨床をこなしているはずだし
ミスもしてない
どうして僕がいかなければならないのかと言う
気持ちもあった。
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