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父の日のプレゼントまだ決まってない…
不倫相手を忘れらず、家庭に向き合えません
友人に裏切られ、どう対応して良いのか分かりません。

返信待ちの女

レス37 HIT数 9679 あ+ あ-

もも( ♀ ZnPK )
10/12/17 17:48(更新日時)

ステラには、好きな人がいる。


その人とメール出来る様になり、とても嬉しかった。


彼には何気ない一言でも、ステラにとっては幸せな気持ちになる。


所が‐‐


ある日、突如として


彼からのメールが途絶えた。



忙しいの?



体調不良?



怪我でもした?


そんな思いを抱えながらも、返事を待った。



だけど‥返っては来ない。



どうして?



どうして‥!?



そんな不安が膨らみ続けそれは、彼女を立ち上がらせた。



目には涙を。



心には‐ 凶器 ‐を潜ませて。

No.1458935 10/11/06 21:46(スレ作成日時)

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No.1 10/11/06 22:09
もも ( ♀ ZnPK )

ステラは、決して孤独な人間で無かった。


相談出来たり、バカ騒ぎしてみたり・笑い合える友達も、そこそこに居る。


恋愛経験は少ないけれど、それでも人並みの付き合いはしていたのだ。



ほんの数ヶ月前まで、交際していた人が居たものの、相手は優柔不断で煮え切らないタイプで有り ステラは、会う度に嫌気を差していた。


また、その相手も彼女のペースに着いて行けなくなり‥


2人は別れたのだ。



その後、ステラは女友達と楽しく過ごしていた。


そんな中、ちょっとした切っ掛けで知り合った男性と仲良くなる。



名前はハワード。


ステラよりも年上で、
大人な印象。



交流を重ねてく内に、彼女はハワードへの想いが大きくなった。

No.2 10/11/06 22:31
もも ( ♀ ZnPK )

>> 1 ‥一番、仲が良い友達に相談する。


その結果‐‐


勇気を出し気持ちを伝える事となった。



胸が爆発しそうな位に。

周囲に心臓の音が聞こえそうな位に。


“緊張”
と言う言葉だけでは済まない程の心境だった。



ステラが携帯を手に取った時の事‐‐。


メールの着信が鳴り響く。


ハワードからだ。



取り敢えず、彼女は受信ボタンを押して中身を読む。



そこには
思っても無かった言葉が綴られていた。



《 昨日はメールありがとう。
ステラと知り合えて、良かったと思える程 楽しい!

これからも仲良くして行きたい位、好きになってるよ。》



本心なのか‥


社交辞令なのか‥


分からない。



それでも、ステラは嬉しかった。


自分が想ってる人からのメッセージ。


心に温かみが広がる様な気持ち。



本当に
本当に‥


幸せな気分になる。

No.3 10/11/06 22:49
もも ( ♀ ZnPK )

>> 2 ‥ ハワードは、どちらかと言えばマメな方かも知れない。


それとも、今まで付き合って来た男の人がメールよりも電話。


メールは必要な時だけの連絡手段。


そこ迄の考えは無くても、メール自体が苦手。


‐‐と言う人ばかりだったから、そう思えるのか‐‐


とにかく よくメールをくれた。


たまに期間が空く時も有ったが、せいぜい3日か4日程度だったし


お互いに送り合う回数も 頻繁では無く、まぁまぁそれぞれが負担にならない程度のもの。


ステラがメールを出せば、必ず返してくれる。


ちょっとした悩みを打ち明ければ、優しい言葉と共にアドバイスもしてくれる。


時には、下系の話も冗談と軽いノリで互いに楽しく交わし合っていた。


毎回とは行かないが、ハワードは大概のメールに

“好き”
“愛してる”


そう入れてくれていた。

No.4 10/11/06 23:14
もも ( ♀ ZnPK )

>> 3 ‥ 最初は、大好きなハワードとメール出来るだけでも充分だと思っていた。


住んでいる所も、お互い遠く離れている事。


彼は仕事を持っていて、ステラ自身も働いていた事。


つまり会いたくても、そう簡単には会える訳じゃない。


コミュニケーション・ツールはメールが主となっていたのだ。



遣り取りして行く内に、ハワードを好きになって行くステラ。



こうして月日が経つ毎に、気持ちにも変化が出始める。



(ハワードは本当に、私を好きで居てくれてるのかな。

私の気持ちは、本物だけど‥彼は実際の所どうなんだろう?)


知りたくて。
知りたくて。



でも聞けない。


聞くのが怖い。


もしもハワードの言葉が、表面的なものだったら‥
気持ちを確かめた事で、引かれてしまうかも知れないから。

No.5 10/11/06 23:45
もも ( ♀ ZnPK )

>> 4 ‥ そんな不確かな心を持っていても、やっぱり ハワードからメールが届くだけで嬉しくなってしまう。


ステラは、素直に自分の気持ちを書いて送る。



《ハワードがメールを、くれる度に嬉しくなるし“好き”って言われると 幸せな気分になれる!


私もね、ハワードの事が大好きだから》



そう‥。


表面的な気持ちでは無くて


【 素直に 】
想いを書いて。



ハワードから返信が来た。


《ありがとう!
俺もステラからのメールは嬉しい。
仕事も頑張れるんだ。

大好きだよ》


相変わらず彼女は、大喜び。


人から見れば滑稽だろうがステラは、またまた幸せ気分に浸ってしまう。


だけど肝心な事。
その言葉が本心かどうか迄、読み取れない。



そこでステラは、再び携帯を取り画面を開く。



そして‐検索‐



恋愛に関するサイトを探し、自分に合ってる(知りたい事が)より多く載っている占いを見付けた。

No.6 10/11/07 02:32
もも ( ♀ ZnPK )

>> 5 ‥ 相手の生年月日と自分の生年月日を入力。

血液型に出生地も。


先ず、2人の相性を占ってみた。


結果‐
普通で有ったが、悪くは無いと書かれてた為に
ステラは少し安堵感を覚える。



次に“相手の本心”を、見る事にした。


本心なんて、彼自身にしか分からないものなのに‥。


だけどステラには、そんな単純で簡単な事にすら気付かない。


もう取り留め無い不安や思いが、胸を占め過ぎていたからだ。


*******



その占い項目をクリック。


すると怪し気なイラストが描かれたカードが登場。


適当な場所または直感で決めた位置にカーソルを合わせて、決定ボタンを押す。


(一体どんな結果が出るのだろう)


期待半分・不安半分。


占い結果は僅か数秒で、答えが出る。



ドキドキしながら、それに目を向けた‥。

No.7 10/11/07 21:11
もも ( ♀ ZnPK )

>> 6 ‥ ‐結果‐
彼が貴女に、好意を持っている事は確かでしょう。但し それが本心から来るものとは限りません。
もっと貴女と連絡を取り合い、自然な形で親しくなって行きたいと感じている様です。



‐本心とは限らない‐


結果内に書かれて有り、少々ガッカリしてしまったステラだったが、それ以外の内容に元気を取り戻す。



‐好意を持っている‐


‐連絡を取り合いたい‐

‐親しくなって行きたい‐


(そうよ。嫌われてる訳じゃ無いんだ。
これから又、交流を深めてけば良いだけ)


と考えた。



そして、もう一度ハワードからのメールを読み直す。


応援メッセージでも無いのに‥



(明日から又がんばろう!)


と言う前向きな気持ちにもなれた。



(本当に‥
ずっとずっと、こんな風にして仲良くして行きたいな)


そう願う。



強く



強く



強く‥。

No.8 10/11/08 10:58
もも ( ♀ ZnPK )

>> 7 ‥ 翌朝、ステラは時間通りに起きる。


(あぁ~。もう少し寝ていたい)


(このまま時間が止まって、好きなだけ眠れたら良いのに)


(今日が休日だったらなぁ‐)


なんて‥考えるだけ無駄な思いを持ちつつ、着替えてキッチンへ向かった。


一人で暮らしているから、食事も簡単な物だ。


トーストにサラダ、コーヒー。


テレビを見ながら口に運ぶ。


人気アーティストのアルバムが発売されると流れて来た。


ステラも好きなので、ちょっと嬉しくなる。


(〇日に発売なら‥会社帰りに買って帰ろうかな。でも人気あるし、直ぐ売り切れそうだから予約しておこう)


と思い、天気予報のチェックをして食器の後片付け・洗顔・メイク。


これも、普段と変わらぬ行動。


慌ただしく出勤するのが嫌なので、少し時間に余裕を持たせていた。

No.9 10/11/08 11:25
もも ( ♀ ZnPK )

>> 8 ‥ メイクも終了。洗濯物も干し終わってから、また ちょっと一息。


時計を見て


(そろそろ行かなきゃ)

そう思いソファーから立ち上がり掛けた時に、メール着信。


ハワードから。


(この時間に?
何だろ?珍しいな)


携帯の画面を開いた。



《おはよう!
朝早くに御免。


この間
“週明けの仕事は必ず残業になる”
ってメールくれてたよね。


ステラの事だから、頑張ると思うけど無理ない様 程々に。


俺は、いつも応援したい気持ちで居るから❤
今日も愛してるよ!》



毎週月曜日‥一週間の中で、一番キライな曜日。気分的に憂鬱な曜日。



別に、何か言って欲しくて週明けの仕事の話をしてた訳じゃない。


確か取り留めない内容のメールをしていた時、
会話の流れで伝えたもの。


送ったステラ本人でさえ、忘れかけてた位だ。

No.10 10/11/08 11:32
もも ( ♀ ZnPK )

>> 9 ‥ (私の話を覚えててくれたんだ!)


そんな気持ちと共に、ハワードからの励ましメッセージ。



何とも言えない幸福感に満たされる。



大っ嫌いな月曜。


好きになれる程でも無かったけれど、気分は明るくなり‥


昨夜よりも頑張ろうと言う心。
元気になれる思い。


ステラは喜ばしい気持ちで、会社へ向かう事が出来た。

No.11 10/11/09 14:13
もも ( ♀ ZnPK )

>> 10 ‥職場に着いて、周囲と挨拶を交わす。


自分のデスクへ向かう時に、距離は離れていたが上司の姿が見えた。


何が遭ったのか知らないけど、朝から御機嫌ななめムードを漂わせている。


(うわ~!最悪)


心の中で思う。


この上司は、自分の機嫌が悪いと そこら中で八つ当たりを炸裂させるのだ。


それでも全員同じ様に、当たり散らすので無くて 気に入ってる人には、普通の態度か優しく接する。


しかし、そうでも無い者には とことん追い詰めるかの様に八つ当たりをするのだ。



ステラは後者だった。


会社で波風を立てたく無くて、余計な事を言わぬ様に‥と言う考え方で、出来る限り 大人しくしていたのが仇になったのと、単に上司の好みのタイプじゃ無いと言った理由が原因。



だからと言って、何かの意見を求められ言葉遣いに気を付けて、話しても嫌味が返って来る。


そんな上司の好みのタイプになろう!努力しょう!

‥なんて思えない。
ステラも、上司が嫌いだった。

No.12 10/11/09 17:47
もも ( ♀ ZnPK )

>> 11 ‥案の定、彼女は上司に散々・八つ当たりをされた。


それを見て喜んでいる者も居れば、優しく声を掛けてくれる者もいる。
だけど内心は
“あぁ!自分じゃ無くて良かった‐”
と思ってる事ぐらい、相手の表情や目を見れば良く分かる。



しかし、まだ‥と言って良いのか判断出来ないが ステラと同じ境遇‐‐八つ当たりされる側‐
に立たされてる人も何人か居て、その者たちと
気持ちを共感し合える。

それだけでも気の持ち様が違うし、マシだと思っていた。

No.13 10/11/11 16:42
もも ( ♀ ZnPK )

>> 12 ‥しかし、今日は運が悪かったのか・・その仲間は外回りに出ていたり、違う部署から応援依頼が来た為、そちらへ1日だけ行く事になってた人も居れば、風邪で休んだ者‥‥他にも様々な事情で、ステラがいる職場(部署)から離れていたのだ。


つまり、彼女の味方となってくれる者や共感者達が居ない中で今日1日、働かないとならない訳だ。


(今日だけ‥。
今日だけの話だもの。


明日には皆、戻って来るんだから!)


と自分で自分を励ます様、心に言い聞かせた。


(此処には、仕事をしに来てるんだから精一杯がんばろう)


そんな風にも考えて、ミスの無い様に。

なるべく早く・的確に!


懸命に働いた。



しかし、上司はステラの やる事・なす事、全てにケチを付けて“努力”を、ことごとく踏みにじる。


お気に入りの子が、大きなミスをしても


『間違いは誰でも有るからな』


笑顔で済ます。
なのに一つのミスも無し。無駄口すらしないステラには粗を探してでも嫌味を言う。

No.14 10/11/12 07:25
もも ( ♀ ZnPK )

>> 13 ‥(こんなの今に始まった事じゃない。
落ち込む時間が勿体無い位よ!)


また自分に言い聞かせる。

しかし、仕事上とは違う話題で
“無神経な発言”
“暴言”
“嫌味”


それらを、自分1人にだけ言われ続けると胸が痛んで来た。


黙って無いで、言葉を返したって余計反撃され、また何かの折に それを持ち出されるであろう。相手に、今後の八つ当たり材料を与えるだけ。


だから、グッと堪える。でもステラは聖人で無い。
ここ迄 当たられて、穏やかな気持ちで受け止められず‥


(男のくせにネチネチ‥。自分が居ないと、私が困るとでも言いた気な事ばっかり言うんだから!


困惑するどころか、アンタが1日会社に来ないだけで、どれだけ平和な事か!)


と本気で思っていたのだ。

No.15 10/11/12 17:07
もも ( ♀ ZnPK )

>> 14 ‥やっと残業が終わり、会社を出ると開放感に満たされる。


家に帰り、ソファーに身を投げ出し鞄から携帯を取り出した。


仲良しの友達からのメールを読み、返信。
‥‥

いつもだったら、その子に理不尽な怒りや愚痴を聞いて貰ってるし 友達も又ステラに愚痴を零す時が有るのだ。


だけど今日は、会社で起きた事を伝え無かった。


ハワードに聞いて貰いたくなったのだ。


上司も男。
男の心は、やっぱり同じ男が一番よく理解するものだろう。


ひょっとしたら、ターゲットを決めて八つ当たりをする心境も彼なら、分かるかも知れない。


時計に目を向ける。


(22時か‥。
ちょっと、悩みや愚痴を聞いて貰うにしては遅い時間かな。


明日は早目に帰れるし、その時に送ろう)


携帯を閉じて、体を起こしバスルームへと向かった。

No.16 10/11/12 17:24
もも ( ♀ ZnPK )

>> 15 ‥一時間ほどして、ステラはナイトウェアーに着替えて、また携帯を手にする。


(充電しなきゃ‥)


今日は、精神的に疲れて夕食も食べて無い。
食べたいとも思わなかった。


だから、髪を乾かし肌の手入れを済ませれば寝るつもりでいたのだ。


(あれ?メールだわ)


入浴中に来ていたのだろう。


メールのアイコン表示を確認して、それを開く。

《 残業お疲れ!
もう帰ってるのかな?

無理するなよ。
今夜は、ゆっくり休んで。》


(ハワード!!!)


今朝も、そうだったけど今も この時間に連絡が来るなんて思わなかった。


仕事は、本当に疲れていたけれど それが飛んで行く様な気分だ。


明日する筈だったメールに返信した。


でも、時間を考えて短めに。


《朝も今もメールありがとう。
嬉しくって仕方ないよ!


残業‥と言うより、今日はね1日中・辛かった。

けど、また明日から頑張ろうと思ってるの》


と書いて。

No.17 10/11/12 20:26
もも ( ♀ ZnPK )

>> 16 ‥翌日。
いつもの様に起きて、朝食・後片付け・身支度をする。


今日は雨。
洗濯物を干さずに会社へ出勤。



職場までは、最寄りの駅から2駅+バスで1区間と、近からず遠からずの場所にある。


車も持っているが、道が混んでしまうので公共機関を利用していた。



‐電車待ち‐。


(今日は、奴〈上司〉の機嫌どうだろう‥。

あ~あ!
何で、あんなのが
“部長”になれたんだろ?

就任させた輩が、先ず理解出来ない)


朝から考えたくも無いけど、どうしても嫌悪感で一杯になって行く。



そんな時に鳴るメール着信音。


この曲は‥!


そう。ハワードから。


直ぐに携帯を開く。


《おはよう!
ステラ。昨夜のメール、今見たんだけど。
何か遭った!?


俺で良かったら話してみて。
力になりたいんだ》



優しい


優しい言葉。


涙が出そうになる。



大好きなハワード‥。

No.18 10/11/13 21:05
もも ( ♀ ZnPK )

>> 17 ‥直ぐに返信するステラ。


《おはよう!
気にしてくれて有り難うね。
仕事が終わったらメールするので、その時にでも良かったら聞いて(読んで)ね》


送信。


******


その日は、特に問題も無く無事に仕事を済ませる事が出来た。


しかし、朝から降り続いていた雨は時間が経つ毎に激しさを増して、帰る頃にはドシャ降りになっていたのだ。


『ステラ。
私の車に乗って良いよ!
送ってあげる』


職場仲間の1人からの言葉。


『いいの?じゃあ、そうさせて貰うね。
どうも有り難う』


御礼を言い、車に乗り込む。


車内では、上司への不平不満トークで盛り上がった。


お互いに口が堅いので、安心して話せる。



その途中でメール着信。

No.19 10/11/13 21:28
もも ( ♀ ZnPK )

>> 18 ‥これは、友達からのメールだ。


(後でユックリ読もう)

と思っていると、仲間が こう言った。


『私の事なら、気にしなくて良いのよ。
メールでしょ?
読んでくれても構わないわよ』


会話中だった事も有り、ステラが、携帯を開いて返信するのを遠慮していると思った様だ。


『いいの。
私ね、電車やバスは大丈夫なんだけど‥車の中で、メールや本を読むと酔ってしまうから』


と答えた。
嘘じゃ無い。



『そうなんだ。
じゃあ仕方ないね‐。


所で、今 入って来たメールは・ひょっとして


“旦那さん”から?』



仲間からの何気ない質問。


‥‥。

No.20 10/11/16 09:42
もも ( ♀ ZnPK )

>> 19 ‥『ううん。違うよ。
友達から。


ビリー(旦那の名前)は 私から連絡しないと、返して来ない。


自分から送って来たとしても、用事が無いと出して来る事ないわ。
電話も似た様なもんね』

とステラ。



『あ‐!
分かる。分かる!!
私は、まだ結婚して無いけど 彼がそんな感じ。


メールを出しても、なかなか返って来ないしさ。

頭に来る位、待った時も有るの。


“忙しい”のは分かる。でも、メールを打つのなんて5分あれば充分でしょ。


つい、そんな怒りをぶつけた事も有るんだ。


そしたら‐

オレにとっては、用件以外の話しに文章を考えたり、打ったりするのは時間が掛かるんだよ。


大体、もっとメール欲しいって言うけど、直ぐに出さないとならない事
(話し)でも無いだろ


‥とか言われてね。
喧嘩になった事あるよ。

一回じゃ無く、何度か繰り返してる内に段々と
分かって来た事はね

No.21 10/11/16 10:02
もも ( ♀ ZnPK )

>> 20 ‥彼にメールの返事を、期待しない事!


忙しい時は、ほんの数分でも別の事に手が付けられない!


って思う様にしたの。


本心は、今でもメールぐらい たった一言だったら打てる筈だって気持ちあるんだけどね。


“待つ”のが、どれだけモヤモヤするのか‥
理解し難いみたいだし』

メイ(会社仲間の名前)が、運転しながら話した。


『そうよね。
気が付いたら、こっちばかりメールを送ったり
電話したり。


たまには、向こうからも連絡して欲しいよね。


用件だけじゃ無くて。


でも男の人には、その気持ちが分からないって所が、理解できないな。
私は。』


と答える。


ついさっき迄は、上司の話題が満載だったのに、今は“メール”“電話”“連絡”“する”“しない(して来ない)”の話しに花が咲いていた。



ステラは、メイにハワードの事を伝えて居ない。

どんなに仲良しでも、職場の人間には何処か一線を引いてしまうから。



彼との事を知っているのは、ステラの親友だけ。

No.22 10/11/16 10:37
もも ( ♀ ZnPK )

>> 21 ‥やがて、彼女の家の前に車が到着した。


『送ってくれて有り難う。色々、話せて楽しかった』


御礼を言い、メイと別れた。



*******



家に入り、寛ぎながら
またハワードの事を考える。


夫・ビリーとの比較。



(ハワードは、メールを自分からも送ってくれる。
話しも聞いてくれるし、用件以外の話題も有るわ。)


そして
‥過去‥
他の人との恋愛も思い出して行った。


(みんな、みんな連絡は私からばっかりだったな‥)


ますます、ハワードに好印象を持つ。



‐ビリーが居ながら、違う人へ想いを寄せる。


でも、彼だけじゃ無く
他の人とも体の関係は一切もたなかった。


いや・・ステラの性格上・持て無かったのだ。




彼女は、携帯を手にした。


昨日あった上司からの八つ当たり。


上司への気持ち。


会社自体への事や仲間の事。



簡潔に書くつもりだったのに、感情が入り込み長くなっていく。



(ハワードなら‥
ハワードなら


私の気持ちを分かってくれる)

No.23 10/11/16 23:30
もも ( ♀ ZnPK )

>> 22 ‥メールを打ち終えて、部屋を何気なく見渡す。

そして、漠然と思いを起こした。


結婚する前から、ビリーの仕事は出張が多くて
時に海外への勤務も有る事は承知済みだったのだ。

でも好きだったから、一緒に暮らしたいと思ったし、ビリーも


『仕事先・出張先から戻った時には、自分の両親や兄弟がいるよりも・一人暮らしの味気ない部屋へ帰るよりも‥‥ステラが居てくれる方がいい』

と言って、キスしてくれた。


今、思えば あの頃が一番の幸せだったのかも知れない。


まだ結婚に対する
“憧れ”“夢”“希望”が、心を支えてくれてた気がする。


式を挙げて、ハネムーンに行き そして新居へ。


夫婦となり、些細な喧嘩もしたが 大きな問題になる程じゃない。
よく有る事。


ビリーも出張が多いとは言え、仕事が終われば直ぐにステラの元へ帰って来る。


その日の夜は、必ず夫婦の営みを交わし愛情を感じて‥。


ビリーは浮気も不倫も、しない男。そして優しい。


生活費も入れてくれるし 家計もステラが握る。


悪くない家庭。


世間から見れば‥。

No.24 10/11/17 18:55
もも ( ♀ ZnPK )

>> 23 ‥出張が多いビリーでも、365日どこかへ行ってるのでは無い。


仕事によって、一般家庭の様に会社で働き帰宅する時も有る。



今日が、その日だ。

出張先から会社へ向かい、仕事して帰って来る。

新婚当初は、寂しい思いをした時も有るけれど
自分も働いてる事や、他の男性と電話で話したり、お茶だけでもしたり‥で気を紛らわしていた。

勿論、女友達との付き合いも放っておかず良好だ。

結婚後‥
1年‥
2年‥
そして3年目。


もうステラには、ビリーに対して “寂しい”
感情が薄れていた。


“慣れ”の様なものかも知れない。



今、彼女が楽しみにして待っているのは・・


夫の帰宅じゃない。



ハワードからの返信。

No.25 10/11/19 19:02
もも ( ♀ ZnPK )

>> 24 ‥ステラは立ち上がり、冷蔵庫を開けて夕飯の支度に取り掛かる。


結婚して間もない時期は、短期・長期に関わらず出張からビリーから帰って来るのが、楽しみだったりしたものである。


また出張が無く、会社へ行き・その日の内に帰宅する時も‥ごくごく当たり前の事なのに嬉しく思った時期だって有った。


しかし、月日・年月(と言っても3年だが)経つ現在(いま)となれば、ほぼ一人暮らしをしている様な状態が続いていたせいか、その“気楽さ”を日々 味わい・ビリーの帰宅を少々 億劫に思う様になっていたのだ。

(私、一人だったら食事も簡単に済ませられるのにな‥)


鶏肉を取り出しながら思う。


別に、料理に手が込んでないからと言って、ビリーは文句も言わないし
特に何も思わないだろう。
夫は、そんな人間だから。


でも‥それで、本当に
お惣菜とかインスタントの様な簡単すぎる物を出すのは、何故だか気が引けてしまう。

No.26 10/11/20 10:53
もも ( ♀ ZnPK )

>> 25 ‥料理を作りながら、今度は又ハワードの事を考えていた。


彼も結婚をしていて、家庭を持っている。


メールの遣り取りの中で 滅多にハワードが自分の家族の話題をする事は無い。


最初の頃、奥さんと子供さんを連れて遊園地に行って来た‐‐とか言う様な内容の話が有った位だ。


夫婦仲の事‥
家庭内の事‥


“気にならない”と言えば嘘になる。


でも、会った事も無くて 電話番号の交換もして居ない・当然、付き合ってる訳でも無い自分が、アレコレ聞くのも良く無いから、黙っていた。



メールだけの交流。


他人から見れば、ちっぽけな・・薄い付き合い。

しかしステラには、大切な絆で壊したくないものだ。



(隣の芝生は‥って言うし、家庭なんて中に入ってみなきゃ分からない事も有るけど・・


ハワードの奥さんが羨ましいなぁ。


いいな!
幸せだろうな)


そんな風に思っていた。

No.27 10/11/20 11:17
もも ( ♀ ZnPK )

>> 26 ‥これ迄の遣り取りで、彼はハッキリと言って来ないが、大体の内容・話しの流れで ステラは、こう見受けていた。



仕事に精を出していて、収入も沢山ある。


家の大きさ迄は分からないけど、一戸建てに暮らしている様だ。


休日は、家族サービスをしている様子。


優しくって頼り甲斐が有ってマメ。



(‥その上、子供にまで恵まれて。
ハワードの奥さんは、贅沢だな。
いいなぁ。
いいなぁ)


と羨む。


だが、別に嫉妬心は無いのだ。


彼と不倫に走っていない為なのか‥分からないけれど。



*********


全ての話しが嘘とまで、行かなくとも‐


メールだけなら、誰だって何とでも言える。


だから、そう言う付き合いならば・話題も半々にして受け止めておく位で、丁度いいのに。



いつしか、ステラは
ハワードの言葉を全て信じ始めていて‥



心が壊れて行く。

No.28 10/11/20 18:44
もも ( ♀ ZnPK )

>> 27 ‥‐数時間後‐


ビリーが帰って来た。


(もう少し、ユックリして来れば良いのに‥)


なんて気持ちを隠し、笑顔で出迎える。


ビリーは、そんな事を思われてるとは予想もしておらず



『お帰りなさ‐い。
今夜は、一緒に過ごせるのが嬉しくて楽しみに待ってたのよ』


と笑顔で話すステラの言葉を、そのまんま真に受けていた。

No.29 10/11/25 07:27
もも ( ♀ ZnPK )

>> 28 ‥夕食時


会話の中、ビリーが一週間ほど 会社勤務で出張は無いと言った。


そして、その後に続いた言葉。


『今週末、実家へ帰ろうと思うからステラも一緒にな』





『え?
そう‥。そうね』


と答えたものの、彼女の心は暗雲が立ち込めて
嫌な‐‐
嫌な気持ちになった。


“実家”は、ビリーの生まれ育った家。

夫にしてみれば、そこに行って寝ようが転がろうが自由きまま。


だけど、ステラにとっては

“他人の家”


ビリーと同じ様には出来ない。


気を遣う。


気疲れ。


気の張り


しんどい‥。



(あ‐!
嫌だ。嫌だ!!!
行きたくない!)


彼女は胸中で、叫び声を上げる。



まだ、ビリーがステラの実家へ同じ様な頻度で、顔を出してるなら 話しは違うけど、そうじゃない。

No.30 10/11/25 07:48
もも ( ♀ ZnPK )

>> 29 ‥ビリーが、ステラの実家へ行くのは年に一度。

でも、ステラが夫の実家へ連行されるのはビリーの出張が一段落する度。

どう計算してみても、


月に一度‥


(出張が長引いたとしたって)

2ヶ月に一度‥


は確実。



とっても理不尽な気がする。


以前、ステラも同じ様に同じ頻度でビリーを自分の実家に連れてこう‥と考えた時がある。


そうすれば、夫だって
相手側の実家は どんなに“負担”に感じるか分かるだろう。


そう思ったから。



しかし、そんなに甘くなかった。


ビリーの両親は、2人が来ると‥


少しでも長く、長く、長く家に引き止めるのだ。


お昼前から夕食時・・
後片付けの手伝いを含めて、1日の大半 夫の実家で過ごす嫁の心境。


どんなに苦痛で長い事か!!


世間には、義理の実家でも 自分の家族の様に気兼ね無く過ごす妻もいるが、ステラは そんな風に出来ない方だった。



正直な所、ビリーの実家が有る地域へ入っただけで、大きな溜め息が出てしまいそうになる位だったのだ。

No.31 10/11/29 22:59
もも ( ♀ ZnPK )

>> 30 ‥話しが逸れてしまったが、本当ならビリーの実家へ行った後 その帰りにステラの実家に向かう予定だった。


しかし、相手の両親が長々と引き止める為、その分 彼女の実家に帰る時間も遅くなる。


ビリーは、そんな状況でもヘラヘラ笑ってるか、何も言わない。


ステラの立場(嫁)から

『もう帰ろう』


なんて言える筈も無く。


‥やっと、ビリーが腰を上げて実家から出る時は 夜も少々おそく、ステラの実家に着いても お茶をして一時間内には、自宅へ帰る。


そんな事が、数回あった為・次第に彼女の実家へ行く時は、年に一度。


その日ぐらい、ゆっくりする‥程度だ。


それでも昼食を一緒に取り、ほんの一時間弱 滞在するだけで帰宅。


ビリーも、ステラの実家には気を遣うのだろう。

それは分かる。


でも、自分の実家には
彼女を1日の大半・一緒に居させといて、何で
此方の実家には ほんの数時間で帰ろうとするのか。



身勝手としか思えない。

(ハワードなら、きっと こんな事しないわ)


そう“思い込んだ”
何の確信も無いのに。

No.32 10/12/02 19:22
もも ( ♀ ZnPK )

>> 31 ‥食事を終えて、後片付けをする。


その間にビリーはバスルームへ。



‐‐メールの着信音が鳴った。


ステラは、直ぐに携帯へ駆け寄る。



ハワードから貰ったメールの内容は、上司の事で悩んでいたステラに、対しての気持ちを汲み取った上で対処法も書かれてあった。



そして最後には、こんなメッセージが加えられていたのだ。


《いつも力になりたいと思ってるよ。
ステラを、心から愛してるからね》



この言葉だけで、抱えている様々な重荷が軽くなってしまう

‥‥様な気持ちになる。

あくまでも
“そんな気がするだけ”

しかしステラ自身は、その事に気付かない。



心に根強く残っている、‐根本的な問題‐から
ハワードが伝える優しい言葉に逃げてるだけなのに‥。



*****


早速、御礼のメールを送信して再びキッチンへ向かう。


食器を全部、洗い終えて シンクの周りを拭いているとビリーが バスルームから出て来た。

No.33 10/12/02 19:34
もも ( ♀ ZnPK )

>> 32 ‥背中から胸へ、手が回って来る。


ビリーはステラの服の中へ、その手を滑り込ませた。


「こんな所でなんか嫌だわ」


と彼女が言って、そっと腕を払いのける。


「じゃあ続きは、寝る時に楽しもうな」


ビリーは、ステラの下半身に触れつつ そう答えた。

No.34 10/12/08 19:16
もも ( ♀ ZnPK )

>> 33 ‥「セクシーな下着が有ったろ?
それを着てる姿を見たい」


「ん‥。分かった」


そう受け答えをし、ステラは一旦 二階にある部屋に行った。


クローゼットからランジェリーを取り出す。



仕事やプライベート等では、動き易くシンプルだけど可愛い物を身に着ける事が多い。



だけど、今 彼女が手にしている下着は それらとは 全くイメージが違うものだ。



艶っぽい‥


‐大人の女‐


の様なイメージ。



そしてナイトウェアーも取り出した。


こちらは、真っ白で清楚な感じだ。

ワンピース型で前にジッパーが付いてある。



‐‐大人しそうで、控えめに見えていて‐‐‐


その内面‐気性‐は異なる。



ステラの“性質”そのものを表したかの様な‥


‐ 夜の姿 ‐





‐‐‐‐‐。

No.35 10/12/13 18:41
もも ( ♀ ZnPK )

>> 34 ‥シャワーを浴び終えて、ランジェリーに着替える。


ベアトップの様な形の、それは胸元部分が黒のレースになっていて花柄が散りばめられていた。


その模様とレースから、形も大きさも丁度いいバストが顔をチラホラと覗かせる。


そして、胴の所も同じく黒色で有ったが 薄い生地になっている為、体の線が透けて見えるのだ。


ショーツも履き、ナイトウェアーを身に着けた。


ジッパーを胸の下まで下げて。

No.36 10/12/17 17:39
もも ( ♀ ZnPK )

>> 35 ‥ビリーが好きな姿。


長くてサラサラの、ブロンドヘアーを揺らし‥
ビリーが好きな飲み物を手にして、

ビリーが好きな演出をして‥


寝室へ向かう。



扉を開けて、ベットまで行くとビリーが眠っていたので、ステラは少し揺り起こした。



「う~ん。
やっぱり、今夜は疲れたから寝るよ」


彼はステラの姿や演出など、ロクに見もせず 再びベットに潜り込んだ。



(何それ?)


(何なの!?)


(自分から誘っておいて!!)


彼女は


“ビリーが好きな事”


を全て行った。


(私だって仕事と家事で疲れてるのに)

そんな気持ちにもなる。


しかし、その反面


(‥誘われたからと言っても、ビリーは出張帰り。
だから、こうなっても仕方ない。


断らなかった、私にも思いやりが無かったな‥)


とも感じていたものの‐‐‐
やっぱり心の何処かでは納得出来ない自分も居た。



(この寒い中、こんな格好までして!
こんな演出までしたのに!!


私バカみたい‥!)

何とも言えぬ心境が渦を巻き、寝室を出る。

No.37 10/12/17 17:48
もも ( ♀ ZnPK )

>> 36 ‥感情に任せて、選び抜いた物を脱ぎ捨て、代わりに暖かいナイトウェアーに着替えた。


用意した飲み物も、流し捨てる。



(私の気持ちも、こんな風に消し去る事が出来れば、楽になるの?)


排水溝に消え行くドリンクを見送りながら、自問自答。


だけど答えは出ない。


彼女に残ったもの。


悲しみ。辛さ。
自分がバカだと思う気持ち。



拭い去る事も‥
消える事も無い想いだけ。



‐‐‐‐。

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