生きる意味2

レス117 HIT数 103767 あ+ あ-


2016/04/19 00:03(更新日時)

生きる意味の続きです。


更新も遅くダラダラと書いてる文章ですが良かった前回に続きよろしくお願いします🙇


いつも読んでくれてる皆様へ✨

生きる意味2になりました。長くてごめんなさい💦なるべく更新頑張って早く完結頑張りますので最後までお付き頂ければ嬉しいです😃
また感想レスにもコメント頂ければ嬉しいです✨

No.1450926 (スレ作成日時)

投稿制限
スレ作成ユーザーのみ投稿可
投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.51

うつむき涙を堪えていると名前を呼ばれた。




顔を上げると気が付いてくれた看護師さんが優しい笑顔で診察室に案内してくれた。






診察室に入ると優しそうな先生が笑顔で座っていた。






『おはようございます。どうぞ座って。』






『おはようございます…よろしくお願いします。』






あたしは先生の前に座った。





どうしていいか分からず、うつむくと




『よく来てくれたわね。ゆっくりで良いから話してみて?』






あたしは自分の今の状況を少しずつ話し出した。

No.52

話し終えてから先生は



『眠れない事や不安感にはお薬を出すけど、一回カウンセリング受けてみない?薬だけで眠るのじゃなく心の奥底にある不安な気持ちや複雑な気持ちをカウンセラーにぶつけていって取り除けたら良いと思うんだけど、どうかな?』






あたしはカウンセラーが女性と聞きカウンセリングを受ける事にした。






また別室に連れて行かれしばらく待たされた。






また不安や緊張で手が震えた。

No.53

しばらく待っていると女性が部屋にやってきた。





『こんにちわ。お待たせしてすみません。カウンセラーの荻です。よろしくお願いします。』





荻さんは小柄で優しそうな人であたしは安心した。





『こちらこそ、よろしくお願いします。』






さっそく荻さんから話を聞かれた。






今の状況の根本にあるあたしは幼い頃の辛い思い出を話した。






荻さんはメモを取りながらあたしの話を聞いた。






時々言葉に詰まり、涙を堪えるあたしに優しく微笑みながら…

No.54

『ゆっくりでいいからね。落ち着いてから話してくれてもいいのよ。』





手が震え、唇が震え…




それでもあたしは話し続けた。






過去からの呪縛から解き放たれたい一心で…





全てを話終えた時に机に顔を伏せて大声をあげて泣いた。







泣き止むまで荻さんは待ってくれた。

No.55

泣き止み顔をあげると


『辛かったですね。よく今まで頑張りましたね。』





そう言ってくれた。






今の不安な気持ちや母や子供に対する気持ちなど一つ一つに共感し頷き聞いてくれた。





ただそれだけの事なのに嬉しかった。







この日は過去の自分の話をして終わったが次のカウンセリングの予約を入れ、この日から毎週通う事になった。

No.56

帰りに出された薬は3種類。




不安感が強くなる夕方に飲む安定剤が2種類。






寝る前に飲む眠剤が1種類。






あたしはこの薬を毎日服用したが効き目はあまり感じられなかった。






寝る前の眠剤はなかなか効かず病院に行くと先生にお願いして何回か変えてもらっていた。






カウンセリングも話をしたり絵を書いたり色々な事をした。

No.57

あたしが書いた絵を見た先生は





『ストレスが溜まると自分に攻撃を向ける。そしてそのストレスを吐き出す出口が狭くなかなか出せない。人に嫌われるのを恐れていつもニコニコ笑ってるいるが本当は周りを寄せ付けたくない気持ちが強い。それが絵に表れてるね。』






当たっている事ばかりで凄く驚いた。






『信頼出来る人や自分を分かってくれる人には自分の気持ちをぶつけてみたらいいと思うの。周りの人全てに好かれる必要はないんだよ。あなたが気持ちをぶつけても本当に分かってくれる人は離れていかないから。いい子でばかりいる必要ないよ。』







いい子…






荻さんの言葉はあたしの心に突き刺さった。

No.58

自分の人生振り返ると確かにいい子だったかも知れない…





泣きたいのを我慢した子供の頃。
弟の為にあたしは頑張った。
物分かりのいい子だった。






あいつに虐められた時も母を捨てきれず犠牲になった。

【お母さん、あたしが守るから…だからあたしを見て…】

そんな思いでいい子を演じてた。






良太の時も…

大好きだった。あたしを理解し、守り、愛してくれた。
そんな良太や家族を苦しめたく無くて別れを選んだ。


愛してるからこそいい子になれた。






ハルの時も…

温かい家庭を夢見て、信じて、義母の酷い仕打ちにも耐えた。

最後は我慢しきれず離婚を選んだが結婚生活でもいい子を演じていた。

No.59

荻さんとのカウンセリングで自分自身を見つめる事が出来た。






でもなかなか自分を変える事は出来なかった…






幼い頃に母の顔色ばかり見ていた。
辛い生活の中でせめて周りに嫌われないようにするのが幼いあたしが身につけた生きていく術だった。






でもそれが自分自身を苦しめてるとは…





とことん自分はついてないな…

そう思えた。

No.60

カウンセリングを受け薬を服用しながら普段通りの生活をしていたがあまり変化は無かった。






夜、子供達が寝た後に薬を飲み酒を飲んだ。




絶対に一緒に飲んだらダメだと言われていたが良く寝れるので毎晩そうした。






涙が止まらなくなり、気分はかなり落ち込み気を失うように毎晩眠りについた。






こんな自分が嫌で嫌で仕方なかった。

No.61

そんな毎日を過ごしていたあたしに一つの出会いがあった。





会社に荷物を配達する運送会社の人だった。





顔に優しさがにじみ出ているような人だった。





物腰の優しい静かな彼は会社にくる度に

『元気ですか?』



『毎日暑いですね。』

『今日は雨ですね。』


などの本当にたわいのない一言、二言の言葉を必ずあたしに掛けていった。





食事に誘われた訳でも無く、気があるような素振りをされた訳でもないのにあたしの心の奥で何故か彼が気になっていた。

No.62

でも特にあたしも彼に何かする事も無く、忙しい毎日の中で不安定な自分をカウンセリングや薬で誤魔化して過ごしていた。





不安に襲われる度に相変わらず繰り返しているリストカットを隠す為にいつも手にはリストバンドを身につけていた。





自分の殻に綴じ込み忙しさを理由にメールや電話のみでしばらく会っていなかった美月に久しぶりに会った時の美月の反応に驚いた。





『優…?どうしたん?』





何故美月がそんな事聞いたのか分からなかった。

No.63

『どうしたって何が?』




『何がじゃないよ!そんなに痩せて、顔色も悪いしそれにこれは何!?』






リストバンドをしている手を美月に捕まれた。





『………あたし痩せたかな?ダイエット頑張ってるんだ……。』






『違うよ!あたしを誤魔化そうとしても無駄だよ!こんな優初めて見たよ!この手首はリストカットでしょ!?』





美月はリストバンドをずらした。






びっしりついた無数の傷を目にした美月の目から涙が溢れた。








『何でこんなになるまで我慢するの!?何で言ってくれなかったのよ!』






美月に怒られあたしも涙が溢れた。

No.64

病院に通ってる事や




不安になるとお酒や薬を飲み手首に傷をつくる事




何でこんな気持ちになったかを美月に話した。





美月は静かに話を聞いてくれた。





『優…もっと頼って来てよ。あたし何のために近くに住んでるんよ。』






『ずっと…美月には…迷惑かけっぱなしで…これ以上…情けない自分を見せるのが…恥ずかしかった…ごめん…』





泣きながら謝るあたしを抱きしめ



『一人だと思うから余計に精神的に不安定になるんだよ。一人で優心達抱えてるんだから頼れる人がいるなら頼ればいいの!甘えれる人がいれば甘えればいいの!じゃなきゃ優だけじゃない、優心達も可哀想なんだよ!』





久しぶりに人に甘えて泣いた気がした。

No.65

その日は美月の家に泊まる事にした。



一緒にご飯を食べ、飲みながら色々な話をした。





久しぶりに薬を飲まなくてもグッスリ眠れた。





朝食を食べながら美月にグッスリ眠れた事を話すと




『優には支えてくれる人が必要なんだよ。誰かいい人居ないの?』



そう聞かれた。





もちろん彼氏など居なかったあたしは居ないよと答えた。





『誰か紹介しようか?でも、優や子供達を大切にしてくれそうなあたしの眼鏡にかなった人じゃなきゃしないけどねっ』





そう言われ笑ったけど何故かその時に運送会社の彼が頭に浮かんだ。

No.66

美月と辛い時などは連絡する事を約束して自宅に戻った。





でもこの美月と過ごした1日で凄く気持ちに変化が表れた。





前ほど意味も無く落ち込む事が少なくなった。





リストカットの傷も増えなかった。





病院に通い、美月に助けてもらいながら乗り越えようと強い気持ちも持てるようになった。





いつもピンチの時にあたしを助けてくれる美月に心から感謝していた。

No.67

何ヶ月間か病院に通い診察やカウンセリングを受け続けた。




時間をかけてやっと診断された病名は



PTSD【心的外傷後ストレス障害】



と診断された。




今苦しんでる事は過去に負った心の傷から引き出された色々な症状だった。




例えば不眠…




寝ている時に暗闇で殴られた過去を心が忘れられない。



だから暗闇が怖い、夜が怖い、眠れない…






大きな声や音を聞くと動悸が激しくなり呼吸がしにくくなる…





怒鳴り声や物が壊れる音…幼い頃の恐怖が今も残って起こる症状。




他にもいくつか先生は話をしてくれた。





今はまだパニック障害までには至っていないが症状が進むとそうなる可能性もあると…





そうならないようにこれ以上ストレスを溜めない、頼れる人がいるなら話を聞いてもらい甘えられる事は甘えるなどの改善策を教えてもらった。

No.68

先生と自分を傷つけない事なども約束した。



貴方は悪くない。
自分を否定しないでいいの。今苦しいのは貴方のせいじゃない。





先生にそう言われいつかはこの病気から克服出来る。




そんな強い気持ちを持てた。





一歩前に進めた気がした。

No.69

気持ち的に少し楽になってからは前のように明るさを取り戻せた。




休日は美月と優心達を連れて公園やバーベキューに出掛けた。






自分の殻に綴じ込もっていた時はどんどん落ち込み外出も必要最低限で優心達にも笑顔を見せなかった。





母親失格だったと思う。



でもそんなあたしでも優心達は必要としてくれ『ママだいすき』と笑顔をいっぱいくれた。





そんな優心達の為にも殻を破れて良かった…まだまだ精神的に安定したとは言えないけれど自分が悪くてこうなったんじゃない…
必ず克服出来る…



そう信じていた。

No.70

ある日の休日、美月と優心達と河原にバーベキューに出かけた。




あたし達の他にもたくさんの人で賑わっていた。





その賑やかさに優心達は興奮し、あたし達はバーベキューの準備に取り掛かったけどなかなか思うようにいかなかった。





まず炭に火が点かない…





意外と不器用な二人(笑)





悪戦苦闘してると誰かが声をかけてくれた。




『どうしたんですか?』




声をかけてくれた男の人に炭に火が点かない事を話した。





『着火材持ってないの??俺達あるから点けてあげるよ。』




そういい近くで大人数でバーベキューしてる方に向けて叫んだ。





『おーい!ヨシ!そこにある着火材持ってきてくれよ!』





一人の男の人が着火材を持って近づいてきた。




その人の顔を見てあたしは驚いた。




『かっ…香取さん!?』




いつも会社で声をかけてくれた運送会社の香取さんだった。

No.71

話をすると香取さんは運送会社のバーベキューに参加していたようで偶然の出会いに驚いた。



『え?ヨシ知り合いなの??』




始めに声をかけてくれた男の人が香取さんに尋ねた。





『俺がいつも行ってる会社の人だよ。』




口数少なく説明してる彼を見て仕事で会社に来てる時と同じだと思い裏表のない人なんだなぁと何だか嬉しかった。




『じゃあ俺達の所で一緒にしようよ。女の子二人だったら片付けも大変だよ。』





『いえっ!そんなご迷惑な事出来ません。火だけ点けてもらえれば後は大丈夫です!』





そう言ったけどあんまり大丈夫な自信は無かった…(笑)




『そう言わないで!ヤローばっかで面白くなかったんよ。ほら!ヨシからも言えよ~』





『女の子だけじゃ片付け意外と大変だから嫌じゃ無かったら一緒に…。』





彼の同僚と比べ対象的に控えめな彼が何だか可愛かった。




あたしがそんな事を思ってると


『じゃあ…お言葉に甘えてご一緒していいですか?』



いきなり返事した美月に驚いていると




『オッケー!じゃあ行こう!』




あたし達の荷物を持ち彼達は先に歩いた。

No.72

『ちょっと…美月!どういうつもりよ。』



優心達の手を引きコソコソ美月に話しかけた。




『いーじゃない♪片付け大変なの嫌だしあの人達…特に香取さん!いい人そうだしね♪あたしの勘だけど…あの人、優の事好きだね♪』





美月の予想外の言葉に驚き




『な…っ、何言ってんのよ!!』





かなりの大声で叫んでしまった…





周りの視線が恥ずかしかった…(笑)




あたしは美月の腕を掴み小声で


『ちょっと美月!変な事言うの止めてよぉ…』




『ただの勘だから気にしないでっ♪』




イタズラっぽく笑う美月。




その日、美月のせいで変に香取さんを意識してしまった。

No.73

バーベキューは予想以上に楽しかった。



香取さんを始め運送会社の人達が優心達を凄く遊んでくれた。




普段男の人となかなか接する機会のない優心達は初めはかなり人見知りをし戸惑っていたがやっぱりそこは男の子。





男の人のダイナミックな遊び方にすっかり喜び遊んで貰っていた。




美月も持ち前の明るさや可愛らしさですっかり人気者だった。





優心達にもあたしにも充実した休日を美月や香取さん達のおかげで過ごせ嬉しかった。

No.74

その日あたしは香取さんと
美月は初めに声を掛けてくれた西山さんとそれぞれ連絡先を交換した。





連絡先を交換してる時に香取さんから思いもよらない事を言われた。





『実は俺メールした事無くて分からないから番号だけでいいかな?』





え…?





これだけ日常生活に浸透しているメールをした事ないとか嘘でしょ…?





『メールした事ないんですか?一回も?アドレスとか分かります?』





『一回もないです。アドレスって…??』





メール出来ない事に驚いたけど真面目で口数少ない彼らしいな…と思った。

No.75

香取さん達に挨拶をしてあたし達は美月の家に帰った。





たっぷり遊んでもらい疲れた優心達を昼寝さしあたし達は今日の話で盛り上がった。





美月は意外と西山さんに好感を持っていた。




『西山さんって何かチャラそうに見えるけど凄い気つくし話してみたら意外と真面目でギャップに驚いたわぁ~』




嬉しそうに話す美月にあたしも嬉しくなった。




『優は?香取さんどう?』





『うーん。実は香取さん無口だからあんま話してないだよね。でも凄い優しい人なんだなって言うのはあんまり話さなくても伝わってくるかな。』






そんな話をしている時に西山さんから美月にメールがきた。

No.76

【お疲れさま😃今日は楽しかったよ🎵またみんなで遊ぼう🎵】



ニコニコしながら返信する美月をあたしは少し羨ましかった。




『優!西山さんまた遊ぼうって!優心達も喜ぶね!』





『あたし達行ったらお邪魔でしょ?』





『何言ってんの!絶対に香取さんも来るって!』





そんな話をしながら美月は西山さんと本当に遊ぶ約束をしていた。

No.77

あたしはと言うと…





自分からも香取さんに連絡はしないし…





香取さんからも連絡なし…





しかも何故か会社でも会わなくなり

もしかしたら…




避けられてるかも。





そう思い始めていた。

No.78

バーベキューから1ヶ月くらい過ぎた頃に美月からご飯の誘いがあった。




優心達を連れて美月と近所に出来たファミリー向けの居酒屋へ向かうと





居酒屋の入口に香取さんと西山さんが立っているのが見えた。






『ちょっと!美月!』




『えへへへ…今日は西山さんから誘われてたんだ。香取さんも呼ぶから優も呼んでって言われてさっ!』





『でも…あたしあれから全然連絡とかもしてないし…会社でも会わなくなったし…きっと避けられてるから迷惑だって!!』





『それスッゴい優の勘違いだから!とにかく大丈夫!行こう!』



美月に腕を引っ張られながら二人の前まで行った。

No.79

『おまたせ~!待った?』




『こっ!こんばんわ!お久しぶりです!』




『優ちゃん久しぶりだね。元気だった?チビ君達も元気そうだね!』




そう言い優心のほっぺをツンツンする西山さん。





『本当久しぶりだね。』




控えめに話す香取さん。





香取さんを良く知らなかったこの時は本当に嫌われてると思いあたしまで香取さんにギクシャクした態度をとってしまった。





『ほ、本当ですね。』




そんなあたしに美月は苦笑いしながら




『とにかく中に入ろうっ!』





あたしの手を引っ張り中に入った。

No.80

個室に通され色々と注文を済ましみんなで乾杯する事にした。


『久しぶりの再会に乾杯~!』


西山さんに続き優心達も

『ぱんぱーい!』

と、小さいコップを高くあげて喜んでいた。


次々に運ばれる料理を口に運びながら美月と西山さんはわいわい話していた。



あたしはどうしていいか分からず美月達の会話に頷きながら子供達にご飯を食べさせていた。



そんな中で気まずい雰囲気を感じた西山さんが香取さんに話かけた。



『香取!優ちゃんに言わなきゃいけない事あったやろ』



その言葉に思い出したように


『あっ!そうだった。別の仕事になったから優ちゃんの会社に行かなくなったんよ。時間帯も変わって夜中から仕事で…連絡交換したのになかなか連絡出来なくてごめんなさい。』



えっ!




あたしは香取さんの話を聞いて妙な気持ちになった。



【避けられて無くて良かった…】



そんな感情が溢れ出した。

No.81

『あっ…そうだったんだ!あたしも会社でも会わなくなって避けられてるかも…!って思って連絡しにくかったんよ!』



笑ってそう答えると




『これでお互いに勘違いって分かってやろ?じゃあ仕切り直してもう一回乾杯~!』



西山さんの合図で6人でもう一回乾杯をした。



その後の時間は本当に楽しかった。


相変わらず口数は少ない香取さんだけど美月や西山さんも居て優心達も楽しい時間を過ごせた。

No.82

それから香取さんは2、3日に1回の割合で電話を掛けてくれた。



ただ…



口数が少ない香取さんの電話は無言かあたしの会話に頷くのがほとんどだった…(笑)



それでもあたしは香取さんの電話が嬉しかった。




でも…



嬉しかったけど…





これ以上の感情が芽生えないように自分の中で抑えるのに必死だった。




優心達を1番に考えよう、恋愛なんて必要ない。




母親のあたしがシッカリしなきゃ子供が可哀想。
あたしの二の舞にしちゃダメだ!




強く心で思った。

No.83

更新を楽しみに待ってくれていた皆様へ。


長い間の放置にもかかわらず感想スレにメッセージを残してくれたり、ありがとうございます。


完結せずに放置していた事を本当に謝りたいです。

ごめんなさい。


色々な出来事が重なり、携帯を触る事も出来ませんでした。


でもこのスレは皆様が励ましてくれたり心配してくれたりしていたのでどうしてもきちんと謝りたくてやっと心身共に落ち着いてきた今、こうしてレスしました。


長い間、ほったらかしですみませんでした。

放置中も優しいレスありがとうございました。


優★

No.84

自分勝手ですが、また少しずつ更新したいと思います。


今まで放置していてすみません。
待っていてくれた皆様ありがとうございます🙇

優★

No.85

自分の感情を抑えようとすればするほど、香取さんの事が気になって仕方なかった。


どんどん好きになっていく…
ダメだと頭では分かってるのに気持ちはついていかない。


もどかしい気持ちだった。


(香取さんの事はただの友達。
優しいからちょっと気になっただけ。ただの友達として遊ぶのが楽しいだけ。)


毎日そう言い聞かせてはいたけど、香取さんからの連絡を心待ちにしていた。

No.86

そんなある日。


美月と一緒に家でご飯を食べていたら


『ねぇ…優。
あたし、西山さんに告られた。』



突然の美月の告白にコントのように思わず持っていた箸を落としてしまった…(笑)



『えーっっ!!本当に!?うっそ!?いつ??』



『ちょっ…ちょっと落ち着いてよ!優!』


あまりのあたしの驚きぶりと追及にビビる美月(笑)



『昨日…電話で。
初めはいつものようにたわいのない会話だったけど、いきなり真剣な口調になって…びっくりしたよ』



『それで??美月何て返事したの??』


西山さんはチャラく見えるけど凄く気配りの出来る人だし、面白く優しい。それにイケメン(笑)美月ともスゴイお似合いだと思っていたからあたしは驚いたけれど嬉しかった。



『んー。
ちょっと考えさせてって言った。あたしも西山さんと遊んだりするの楽しいし、気にはなってるんだ。だから優に相談しようと思って。
西山さんもゆっくり考えてって言ってくれたよ。』


美月も見た目は派手な感じの今時の女の子だけど中身は芯のしっかりした真面目な子だからこそ慎重になったのだと思う。

No.87

『そうだね。ゆっくり考えさせてもらったらいいよ。まずは友達からでご飯とか遊びに何回も行ってからでもいいと思うよ。あたしは美月と西山さんはお似合いだと思うよ♪』


『そうだよねっ!西山さんにはそんな風に返事するわ♪前向きに考えてみる♪』


美月はきっと西山さんがスキなんだ。


西山さんの話をする時の美月の顔はスゴイ恋する乙女の顔だった。


あたしはちょっと羨ましかった。


『優はどうなのよ?香取さん♪♪あたしも香取さんと優はお似合いだと思うよ♪』


突然の美月の言葉に一瞬戸惑い

『あたしは…優心達も居るしね。愛だ恋だ言ってたら優心達に悪いし…
それに子持ちの女なんか香取さんにも悪いよ』



そう言って笑ってみた。

No.88

『そんな事ないよ!そんな言い方したら優心達にも香取さんにも失礼だよ!』



美月はちょっぴり怒った口調で続けた。


『子持ちの女は恋しちゃいけないの?そりゃ、子供をほったらかしにして男とフラフラしてるような女はダメだよ!
でもさ、子供も含め愛してくれる人が現れたら恋愛したっていいんじゃない?
ドラマのようにそんな簡単に子供も含め愛してくれる人なんてそんなに居ないと思うけどそんな人に出逢えたら美月には幸せになって欲しいよ。』



美月は優しくあたしに笑いかけた。


美月の言ってる事は分かってる。


でもあたしは自分の幼い頃と優心達を重ねてしまう。
初めはニコニコして優しくても所詮は他人の子供。気にいらなかったら殴ったり蹴ったり苛められる…


あたしみたいに。

No.89

美月は
『優こそ焦らずにゆっくり香取さんと連絡取りながら人柄とか見たらいいよ。
優…
香取さんの事スキなんでしょ?』



『えっ…スキとか…そんなんじゃ…』



『隠さないでいいって!何となく分かるよ。優を見てたら(笑)あたしも香取さんって無口だけど見た目から優しさって滲み出てる人だからいいと思うよ!』



『えへへ…そうだね。』



あたしはとりあえず笑ってごまかした。



まだ自分の気持ちが分からないから…



この日は色々な話をし、美月と別れた。

No.90

数日後。


美月から電話でご飯の誘いがあった。


『西山さんからご飯行こうってメールきたよ。優や優心達も一緒にって♪香取さんも来るから♪』



正直…
逢いたい!って思ってしまった。


だからこそ余計に逢ったらこの想い止まらなくなるかも…
ハッキリと香取さんがスキだ…って自分を止められなくなりそうで怖かった。


『うーん。美月と西山さん2人でご飯行きなよ。せっかくのチャンスじゃん!』


あえて美月と西山さんを理由に断ってみたけど、あたしの事を良く分かってる美月にはバレバレだった。



『怖い?優。
香取さんを好きになりそうだから?好きって認めてしまうから?だから逢いたくない?』



心を見透かされたようだった。



『それもある…
あたしは恋愛なんかしちゃいけないの。これ以上、浮かれた気持ちになりたくない。』



美月は少しため息混じりで


『ん…分かったよ。あんまりあたしが色々言っても優の気持ちもあるし、今回は優は用事あるからって断っておくけどあんまり深く考え過ぎないでよ。』


『分かってる。ごめんね。』



美月との電話を切った。

No.91

あたしは今は恋愛をしている場合じゃないから、優心達の事、自分の身体の事、親の事…



そう言い聞かせて香取さんとの連絡も疎遠になった。



これでいいんだ。



心の奥底にある寂しさやもどかしさをごまかすように言い聞かせた。



そんなあたしに美月も何も言わなかった。



やっと平凡な生活に落ち着いたからこの生活を大切にしよう…優心や優人の顔見ると強く思えた。
そう決心した。

No.92

平凡な幸せ…



そんな矢先、順調に頑張っていた仕事場で異変がおきた。



あたしは、こんな悪条件の自分を雇ってくれた会社にスゴく感謝をしていた。
少しでも雇ってもらった恩返しがしたいから仕事も一生懸命に覚えた。


人に嫌われるのが嫌いなあたしはいつもニコニコしてみんなが嫌がる大変な仕事も笑顔で引き受けた。



そうしていく中で上司や社員、パートのおばちゃんからは厚い信頼を得てとても良くしてもらった。



それが一部の女の人の反感を買う事になってしまった。




あたしより少し前から働いていた同じ条件のバツイチ子持ちの3人組だった。



あたしより歳上のその人達は遅刻や無断欠勤は当たり前。
注意されればふてくされる。
口癖は『パートの安い時給で一生懸命になんて働けないわ。』



あたしはそんな3人組とは初めから合わずあまり関わる事は無かった。



そんな彼女たちと正反対なあたしは彼女たちからしたら目障りだったのだろう…


次第に辛い仕打ちを受けるようになった…

No.93

同じパートでスゴく仲良しのりさちゃん。


りさちゃんとは親子くらい歳は離れているけど、若くて話しもスゴく合って面白いりさちゃんをあたしは大好きで、いつもお昼を一緒にしていたり、メールをしたりしていた。


そんなりさちゃんが昼休みに


『何かあの子らが優ちゃんの悪口を言ってるのを耳にしたんよ…何かあったの?』



『ん…何か良く思われてないみたい…
悪口ってどんな事言ってた?』



『優ちゃんと仲良しなのを知ってるから私にはあの子らも直接は言ってこないけど、悪口って言うかイイコぶりっこしてるとか…生意気でムカつくとか…ほんとくだらない事ばっかみたい。』



『そうかぁ…何か嫌われてるんかなって思った事はあったけど…あたしもあの人達が苦手だから嫌な思いさせたのかも知れないから気を付けるわ。』



初めはそんな感じの些細な事だった。

No.94

長い間放置してごめんなさい。
放置した理由は言い訳がましいので書きませんが、楽しみにしてくれていた方、励ましてくれた方、本当にごめんなさい。


優★

No.95

次第に悪口だけでは収まらず、嫌がらせをうけるようになった。
それも周りには分からないような卑怯なやり方で…


No.96

無視は当たり前、仕事の大事な連絡もあたしには伝えてくれなかった。


上司と休憩に話してると後から


『やっぱ夜のお仕事してた方は男に媚びるのがお上手ね~あっ!もしかして今でも身体は売ってるとか?だから社長も専務も山本(直属の上司)も、あんたにヘラヘラして優しいんだ~』



『こんな母親もって子供が可哀想~』


『私達もシングルだけどあんたと一緒だと思われたら最悪!』


シングル3人組は次々とそう言いあたしを侮辱した。



あたしより平均10歳も上の人達なのに子供じみた嫌がらせをしてきた事になんだか可哀想な人達と…
失礼ながらそんな感情を持った。

No.97

あたしはそんなレベルの低い人に負けたくない!
そんな思いで嫌がらせされても、辛くても仕事を続けた。


周りはもちろん口ばっかり動かし仕事の出来ない3人組よりもあたしを信頼してくれた。



勤め始めて1年後にはあたしが配属になった部署のサブリーダにまでしてもらった。
サブリーダになれば少しだけど時給もアップした。
あたしは自分の頑張りを分かって貰えた嬉しさからますます仕事を頑張った。


それを余計に気に入らない3人組は仕事を終えた後にあたしを呼び出した。



『あんたマジで生意気!』


そう言いながら髪の毛を引っ張られた。


『ちょっ…痛い!止めて!』



『後から入ってきてサブリーダ!?ふざけるな!ちょっと若いからって調子にのるなよ!どんな手使って媚びたんだよ!』



『媚びてなんかいない!ただ一生懸命に仕事しただけです!その結果です!』



『ちっ!生意気!』


3人組のリーダー格があたしの頬を叩き


『こうゆう女の多い職場でしゃばる事したらこうなるって事分からしてやるよ!』


それからは3人に殴られ蹴られ暴行を受けた。



『言っとくけどこれはお前が悪いからした事だからな!人に言ったらもっと酷い目に合わす。それが嫌なら辞めろ!』



怖かった。


3人共、狂ってる…
そう思った。

No.98

その日はとても優心達を迎えに行ける状態じゃなく、美月に電話した。



『美月~忙しいとこゴメン!もし行けるなら優心達のお迎えお願いしたいんやけど…』



『OK♪OK♪あたし今日出勤遅いから行けるよ~迎えに行って家で待ってるわ♪』


『ゴメン!お願いします!』



とりあえずあたしは落ち着き、まずは傷の確認をした。
さすがに顔や見えるとこに目立った傷は無かった。



ただ服に隠れてる部分はあちこちが痛かった。



そんな痛みより殴られた事で過去の暴力を思い出し手足が震えてた。


痛みより怖さが大きかった。



あたしはしばらく放心状態で座っていた。



何で頑張ってもこんな目に合うのか…
やっぱりあたしは幸せになれない…なっちゃいけないのか…


克服すべく頑張り周りに支えられ徐々に癒されてきた心の傷をこじ開けられた思いだった。

No.99

とにかく落ち着き震えが止まった頃に美月の家に優心達を迎えに行った。



美月に悟られたらまた心配かける…
なるべく平常心を保った。



『美月ゴメンね!助かったよ~ありがとう!』



『いつでも言ってよ!あたしも優心達に癒されたよ~』



『時間あるならファミレスでも行かない?お礼におごちゃう♪』



『お礼なんていいよ~でもファミレスは行く♪♪』



あたし達は近所のファミレスに行った。


美月と楽しく話して今日の事は忘れる!


負けない!



そう思った。

No.100

次の日、身体は痛かったけれど仕事は休まなかった。
本音は行きたくない…でも負けたくない…複雑は思いで出勤した。



会社に着くと3人組はニヤニヤと笑いコソコソと話していたがあたしは無視をした。
何にも悪い事してないのにあたしが逃げる事ない!
堂々と胸を張って仕事をした。
サブリーダと言う立場上その3人組にも仕事を指示する事もある。


もちろん無視されたらリーダーか上司に言い直接指示してもらった。


そんな可愛げないあたしに3人組の怒りは増すばかりだったと思う。



その後も執拗な嫌がらせは続いた。



投稿順
新着順
主のみ
付箋
このスレに返信する

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧