Butterfly's memoir~第2章 豪欲~
🐚はじめに…🐚
第1章 階段からの続きのお話になります。
この第2章 豪欲では、題名通り…様々な欲や罠との葛藤と戦いになります…。
この回では、『人を助けること』も勿論関係してきますが『人の恨み』も受けて行きます。
勿論…辛い現実を目にもします。
是非、最後まで読んで頂けたらと思います。
🐚ageha↔松岡一葉🐚
新しいレスの受付は終了しました
- 投稿制限
- スレ作成ユーザーのみ投稿可
由美❓何かあるなら言ってね…。相談位しか乗れないけど…。
私は黙ってしまった由美にそう伝えた。
由美は電話ごしで泣いているようだった…。
暫く電話を繋いでいたが、由美の方から『ごめん…また…連絡する』と一言だけいい電話を切ってしまった。
『由美…様子がおかしかった…。どうしたんだろう…』
私は由美の様子が気になった…
それは…
裕子のことを思い出したからだった。
女は男から暴力を受けていたり何かされていたりしてもハッキリとは言わない。
男が怖いから…何かされるから…又は『その男が好きだから』男を庇ったりする。
暴力を振るったり、浮気をしたりする男はそうゆう行為をした後、必ず優しくする…女はそれに騙され、調子を狂わされ、期待をもってしまう…。
裕子と亮の件があってから、私はそうゆう男と付き合っている女の態度にかなり敏感になってしまっていた。
裕子と重ね合わせた時、
『由美は…何かされてるんじゃないか…』
そう思い、この時から春に疑いを持ち始めた。
朝、早速翔太に電話をした。
朝早くごめん。ちょっと翔太に聞きたいことがあるんだけど…。今日2人だけで会えない❓
え❓あぁ別にいいけど。どこに何時❓
…放課後まで待てないんだ…今から○○のファミレスに来れない❓時間的に制服だとまずいから私服で来てほしい。
え❓まじで❓ん~…じゃぁちょっと友達に学校休むって連絡してから行くから。なるべく急いで行くけど、もしあれなら先入ってて。
うん…ごめん。じゃまた後で…。
待ち合わせをして電話を切った。
私は翔太と話し終わった後、すぐに美幸に電話をかけ、『今日は学校休む』と伝え、先生にも伝えてくれるように頼んだ。
美幸はズル休みだと気づいたみたいだったが、『たまには息抜きも必要ね(笑)』などと笑い電話を切った。
この時、
『携帯は便利だな…』
と携帯に感心した(笑)
親にはバレないように私服をカバンにしまい制服のまま家を出た。
そのまま駅に向かい、駅内のトイレで私服に着替えた。
着替えた後、いつもよりも少し濃いめに化粧をし、携帯用のコテで髪を巻きアップにした。
靴もヒールに履き換え、財布と携帯だけを持ち、カバンごと駅のコインロッカーへ入れた。
結構時間がかかってしまい、急いで待ち合わせ場所へ向かった。
待ち合わせ場所に行くと翔太が先に来ていた。
翔太‼ごめん。ちょっと時間かかっちゃった。
俺もさっきついた所だから別にいーよ💡で❓どうしたん❓
……あのさ、春のことなんだけど…
春❓何❓もしかして春のこと好きだとか❓
翔太がにやけながら聞いてきた。
いや。違う。違うけど。…ちょっと…春のこと色々教えて欲しいんだけど…。
翔太は『ハッキリ好きだって言えばいいのにぃ~』などと言いながらも春のことを詳しく教えてくれた。
春はお父さんと2人で住んでいて、お父さんは『ヤクザ』らしい。家庭環境はかなり悪く、中学の時には放火や窃盗、暴行、様々な事件を起こし鑑別に入っている時間の方が長く…今も『保護観察官』所謂『保護司』がついているらしい。
…それを聞いて由美の言葉を思い出した…。
初めて春に会った時、由美は春のことを『怖い』と言った。
私は…ただ単に春が一輝に似ているからと春をいい人だと思い込んだ…。
『似ているからいい人』
…単なる馬鹿な思い込みにすぎないのに春はいい人だと微塵も疑わなかった。。。
一輝の時も同じ…
『お姉さんに似ているから…好き』
…それを思い出した瞬間…自分の本当の気持ちが分からなくなった。
本当の真実も見えなくなってしまった。
『一輝は本当にいい人…❓』
一輝と一緒にいた時間を信じたい…
でも、『お姉さんに似ているから』という思い込みから始まってしまっている分、
『本当に好きなのか…』
すら分からなくなってしまった。
『外見から入る思い込み』は恐ろしい…と気づいたのはこの時だった。
現に『単なる軽い奴』だと思っていた翔太はかなり優しくていい奴で全然軽くはなかった。
『由美の方が私よりもしっかり人を見ていた…』
…でも、そんな由美が何故春と連んでるのかが分からなかった。
翔太の話しによると春にはかなり年上の彼女がいるらしく、由美とは付き合ってはいないとのことだった。
『じゃぁ…あの由美の態度は何…❓』
『なんで…春の話しをさけてるの…❓』
『なんで泣いていたの…❓』
翔太に話しを聞けば何か分かるんじゃないか…と思っていたのに、話しを聞けば聞く程頭の中は混乱した。
『いくら似ていたとしても他人は他人…』
私はそう割り切り、翔太に『私の思っていること』を全て話した。
割り切る前は…正直、春を信じたい気持ちの方が強く、翔太にも思っていることを話そうかどうか迷っていた。
それと…『春に嫌われたくなかった』
だから春に関しては全て綺麗事を並べて春に嫌わないように努めていた…。
外見で『全て』を判断している自分を『未熟』だと思った。
そんな私の話しを翔太は真面目に聞いてくれた。
私が由美との電話の話しをし終わったくらいに翔太が何かを思い出し、私に話してきた。
あっ❗そう言えば、今、春停学中なんだった❗最近関わってないからすっかり忘れてたけど💦
え❓なんで停学になっちゃったの❓
いや💨なんか他校の奴をボコって病院送りにしたらしい💨次なんかやらかせば退学らしいよ💨
そうなんだ…。その事件っていつの話し❓❓
ん~❓ちょっと俺詳しく知らないから春とまぁまぁ仲良い奴に聞いてみるよ💡
翔太はそう言い、電話をかけに行った。
暫くしてから翔太が帰ってきた。
ごめん💡聞いてきた💡春が停学になったのは1ヶ月くらい前で、ボコられた奴は○○高校の“藤木剛”って奴だってさ💡
…“藤木剛”…………………
それは由美の元彼の名前だった…。
『まさか…』
私の頭の中で由美に対して良からぬ思いが渦巻いた。
『まさか…由美が春にやらせた…❓』
…私はそれ以降、事実を知るのが怖くなって黙り込んでしまった。
事実を知ったら…
『私は由美とは友達ではいられなくなる…』
私は、高校に入って初めて出来た大事な友達を失いたくなかった。
でも…
『事実を知りたい』
友達を失いたくないはずなのに、私の気持ちはそれとは逆のことを思っていた。
それと…『由美は関係ない』そう信じたい自分もいた。
話しを聞いた翔太は、
どんなに嫌なことでも知らないよりはマシ。俺も色々聞いてみるから…。また何かあれば何でも言って。分かることなら何でも教えるから。
と言ってくれた。
この日は翔太と由美がいたあたりを暗くなるまでブラブラした。
『もしかしたら由美に会えるかも』と期待もしていた。
けれど…この日は由美には会うことは出来なかった。
その日から…
私の生活は変わった。
学校が終わると友達とは遊ばず真っ直ぐ帰宅し、私服に着替えて足早に街へ行く…
そして…
由美を探す…
そんな日々が1ヶ月位経った頃…
家にある人から電話がかかってきた。
その電話をかけてきた人物…
それは…
裕子だった✨
久しぶり☺元気にしてた☺❓
久しぶりに聞く裕子の声…
うん☺元気☺裕子は❓勉強は順調☺❓
あ~(笑)予備校は辞めたの💡
え❓❓なんで❓なんで辞めちゃったの❓❓
その質問に裕子は少し照れたように答えた。
実は…悠太先輩と結婚したの☺
えー⁉まじで⁉⁉⁉
うん☺それと…
何❓まだ何かあるの⁉⁉⁉
☺それと…今、妊娠5ヵ月なの✨
えー⁉⁉まじで⁉⁉
私はビックリさせられっぱなしで電話中は終始叫びっぱなしだった。
『できちゃった結婚』所謂『でき婚』だった。
裕子は、今までのこともあるしでき婚は親の為にもしたくないと思ったけど、悠太先輩と話し合って産む決心をした。
それと…
『今、凄く幸せだ』
と言って本当に幸せそうにしていた。
私は『今まで嫌な思いを沢山して、苦労してきた分絶対に幸せにならなきゃダメだからね😢』という言葉と
『おめでとう💖』
という言葉をかけた。
裕子は泣きながら喜んでいた。
後で悠太先輩含めて会う約束と、携帯番号を交換して電話を切った。
久しぶりのお目出度い報告に胸が踊った✨
過去の私は赤ちゃんは『怖いもの』でしかなかったけど、裕子からの連絡を貰い、裕子が凄く嬉しそうに幸せそうにしているのを見て
赤ちゃんは『幸せの象徴』かもしれないな…と思えた。
最近はずっと笑えない日々が続いていた為か少しだけ『気分転換』できた。
過去同様…またまた裕子に助けられ、感謝している自分がいた。
裕子と久しぶりに話した次の日からも相変わらず由美を探しに街へ出た。
由美には、メールや電話は毎日していたが、返事が返ってくることも由美が電話に出ることもなかった。
由美の家にも電話をしてみたが、由美の親は
せっかく電話してくれたのに…悪いんだけどもうあの子はうちにはいないんで…
それしか言わなかった。
由美と会うには自力で探すしか道はなく…
それでも私は諦めることなく、毎日、毎日由美を探しに行った。
この日も由美を探しにいつも通り家を出て由美がいそうな場所をブラブラしていた。
途中、お腹が減ったのでミスドに入りご飯を食べていると…
『あれ⁉』
遠目に由美っぽい女の子がチラッと見えた。
その女の子の隣には中年の男の人がいてまるで恋人同士のように腕を組みながら歩いていた。
『え⁉由美じゃないのかな⁉』
隣にいるおじさんを見て由美じゃないかも…とは思ったが、信号が青になり重なっていた人がまばらになり見通しがよくなったところで…
『やっぱり由美だ』
そう確信した…。
私は食べている物もそのままで走って店を出た。
由美を見失わないように…由美に気づかれないように…由美の後をつけた。
由美とその中年の男の人は人気のない路地裏に入って行った。
路地裏の先には人気の無い自転車置き場と線路下の小さいトンネルがあった。
『…由美…こんな所で何を…』
由美を見失わないように目で追った。
暫くすると…
反対側から5人の若い男が歩いて来るのが見えた。
それを黙ってみていると…
男達が由美とその中年の男の人を囲み何やら揉めているようだった。
男の中の1人が中年の男の人の胸ぐらをつかんだと思った瞬間…………
『オ゛ラ゛ッ‼‼』
と言う怒鳴り声と共に中年の男は殴られその場に倒れ込んだ。
倒れ込んだ所に他の男も参戦し殴る蹴るを繰り返し始めた。
すみません‼すみません‼やめて…下さい…ぃ‼許して…下さい‼
中年の男は半泣き状態で謝り続けている。
それを殴る蹴るしながら笑って見ている男達…
すみません‼すみません‼もう…許して下さい‼
中年の男はボロボロにやられながらも土下座をしている…
『…由美は⁉由美も危ない…‼何とか…何とか助けなきゃ‼』
咄嗟にそう思った私は由美を探し始めた。
だが…暗くて視界が悪いのも重なりどうしても由美を確認することが出来ない…
それでも目を凝らして由美を探した…
そんな中、男達は倒れ込んだ中年の男から財布を奪い取り現金やクレカなどを抜き取り始めた。
そこに…
奥から由美が出てきた…
『良かった‼由美…無事だった‼』
胸をホッと撫で下ろしたのも束の間…
…目を疑うような光景が飛び込んできた…。
由美が………
その男達の中の1人から……先程中年の男から奪い取ったお金を………
受け取った………。
お金を受け取った由美は慣れた手つきでお金を数え始めた…。
『嘘……あの…由美が❓…』
私は…ただのその場の勢いで…由美の元に走っていた…。
由美‼由美‼何してんの‼
私は走りながら由美に向かって叫んだ。
ビックリしたように私を見る由美と男達…。
……男達の中に見覚えのある顔……
さっき由美にお金を渡した若い男は……
春だった………
由美の目の前まで走り、由美の腕を掴み泣きながら由美に言った。
由美‼ねぇ由美‼帰ろう‼こんな奴といたらダメだよ‼
由美は私から目を逸らしたまま何も答えてはくれない…。
由美ぃ……お願い…‼
私がそう叫んだ時…
サラリーマンの男の人とエプロンをしたおばさんが
ちょっと‼そこ‼なにしてる‼‼‼
そう言いながら走ってきた…
春達は勢いよく逃げていき、
由美も………
私の手を叩き落とし…お金を持ってにげた…………。
私は由美に叩き落とされた手の感覚を感じながら暫く立ち尽くしていた…。
私は…サラリーマンの男の人に腕をがっしり掴まれ、エプロン姿のおばさんに体を取り押さえられた…。
その後…私はパトカーに乗せられ警察署へ連行された…。
…親や学校の先生も呼ばれ…散々絞られた。
警察の話しを聞きながら気づいた…
由美や春がしたこと…
それは…
『オヤジ狩り』…
私は由美のことだけを伏せて今までのことを全て話した…。
やられた中年の男の人の話しもあり、私は仲間ではないことは証明できたが…
学校から出た処分は…
『無期停学』…
だった…。
落ち込んだまま家へ帰り、自分の部屋へつくなり翔太に電話をかけ、今まであったことと『無期停学』になったことを伝えた。
翔太は私を慰めながらも『春は元々…そうゆう奴』『元々、オヤジ狩りで稼いでるという噂はあった』と言った…。
私は春と初めて会った日のことを思い出した…。
カラオケの会計…45000円…
…春が何故いつもお金をたくさん持っていたのか…
…それが分かった瞬間だった…。
春は『オヤジ狩り』の常習犯だった…。
春は…お金持ちなんかじゃなかった…
単なる『犯罪者』だった。
翔太とは明日会う約束をして電話を切った…。
私は、翔太と電話を切った後…由美に連絡をしようか迷っていた…。
それは…
まだ由美に手を叩き落とされた事実を受け止められなかったから…
私は…涙を流しながら苦しんでいた…。
『由美…由美ぃ…どうして………』
私はこの時初めて…心を許した友達に裏切られた。
過去同級生に裏切られたりイジメられたりされたことはあるが…そんなこととは比べものにならない程ショックだった…。
叩き落とされた手を見ながら…暫く考えた結果…
私は、由美に連絡をすることに決めた。
それは…まだ私の中で納得がいかなかったから。
由美が自ら犯罪をしたとは思えず最後の望みを託し由美にメールを送ることにした…。
これが…
これが最後…。
私のことを『お人好し』と馬鹿にする人もいるかもしれない…
でも…私の心の中を、
『友達を信じたい』…友達の前に…
『『人を信じたい』』…
そんな気持ちが覆い尽くしていた。
いつものようにごまかしのメールではなく、はっきりと自分の気持ちを伝えようと思った。
メールの内容は…
『今日あったことに関して由美に聞きたいことがあります。私は、由美のことを未だに信じたいと思ってる。もし…私のことをまだ友達だと思っているなら…いつでもいいから、連絡下さい。由美からの連絡待ってます。』
…由美が私のことを少しでも…友達だと思ってくれてるなら…
必ず連絡をくれる…
私は祈るようにメールを送信した。
この日から私の生活圏は主に自宅になった。
親も…事件があってから私の行動に敏感になり、私は自由に出掛けることは出来なくなった。
翔太と会う時もマンションから見える範囲…それか私の部屋になった。
由美からは連絡がないまま…
私も無期停学のまま…
夏休みに入った。
夏休みに入ってすぐ、翔太から一本の電話がきた。
あのさ…俺の友達の“康彦”覚えてる❓
康彦❓…あぁ…あのちょっとホスト系の人❓
そうそう(笑)そいつから聞いた情報なんだけど、由美ちゃんが○○のパブで働いてるらしいよ💡
え……それって…確実な情報…❓
多分ね💡康彦自体、先輩につれられてキャバとかクラブとかよく言ってるらしいから。…で、どうする❓会いに行ってみる❓
…ちょっと考えさせて。また連絡する。ありがとう。
電話を切った後…会いに行くべきか…もし、会いに行くとしてもどうやって夜外出するか…
暫く何もせず考えていた。
親は日中でさえ外出は自由にはさせてくれない…
夜間なんてもっと無理…
かと言って…このまま由美をほっとく訳にもしかない…
私は、由美を『見捨てること』はしたくなかった。
由美の自宅に何度か連絡をした時の親の言葉…
『死んだ時にはさすがに連絡くるだろ』
…電話の最中に後ろから聞こえた父親の声。
由美は『見捨てられてる』
私はそう感じた。
だから親は探しもしない。
これじゃ由美がどんどん悪い方向へ引きずり込まれてしまう…。
『誰かが止めなきゃ』
そう思っていた。
考えた末…裕子に協力を求めることにした。
裕子に電話をし、由美のことや今の私の状況を伝えた。
そうゆう訳で…どうしても由美に会いに行って話しだけでもしたいんだ。
そっか。分かった💡じゃぁ…とりあえず今から家電に電話するから。
裕子はそう言い電話を切った。
電話を切ってすぐ家電が鳴った…。
予定通りお母さんが電話に出る。
『あらぁ💡裕子ちゃん❓久しぶりだねぇ…うん…うん…そうなの❓うん…うん…悪いわねぇ…じゃぁカズハにも何か持たせるわね…いいのいいの…じゃぁ今カズハに変わるわね…』
カズハ~❓裕子ちゃんから電話‼
予定通り、裕子と少し会話をし電話を切った。
電話を切ってすぐ母が話してきた。
裕子ちゃんの家で結婚祝いがあるんだって❓そうゆうことはちゃんと言いなさいよぉ💨何も用意してないじゃないっ💨今からちょっと買い物行ってくるから、裕子ちゃんに持って行ってあげなさい。
うん💨ごめん。色々あって言うの忘れてた。今日は裕子の家に泊まりになるから私のご飯はいらないから。
はいはい。裕子ちゃんは身重なんだから迷惑かけないようにね。
うん。分かった。
母と話し終わり自分の部屋へ戻った。
部屋へつくなり裕子にお礼のメールをした。
『裕子、本当にありがとう。今日、用事が済んだら行くからね』
裕子からは
『了解💡友達とちゃんと話しできればいいね💡カズハが来るの待ってるね💡』
だった。
そのメールを見ながら、
『これが最後のチャンスかもしれない…絶対由美と話す…』そう思った。
裕子にメールを送った後に翔太に電話をかけ、『今日、由美に会いに行くから案内して欲しい』と頼んだ。
翔太は『いいよ💡康彦も連れて行くから。』と話し、待ち合わせの約束をして電話を切った。
私は裕子の家に泊まる準備をし、母が買ってきたプレゼントを持って家を出た。
翔太との待ち合わせ場所に行く前に駅のコインロッカーにプレゼントとお泊まりグッズを預けた。
そのまま真っ直ぐ待ち合わせ場所へ着き、翔太と康彦が来るのを待った。
翔太と康彦は待ち合わせ時間よりも10分くらい遅れてきた。
ごめんごめん💦バイトがなかなか終わらなくて💦
そうなんだ。別に大丈夫だよ。…それより…早く由美の所に案内して…。
そう言うと康彦が『じゃぁ…ついてきて』そう話し、繁華街へ歩いていった。
繁華街へ入ると…
ホストがキャッチをしていたり、カラオケボックスの看板やチラシを持った店員が呼び込みをしていたり…私達よりも確実に若いだろう…と思うような子が路上に屯していたり…。
どこを見ても人だらけで昼間のように明るかった。
そんな景色から少し落ち着いた飲み屋街になった位に康彦が立ち止まって『あそこの店だよ』といい指さした…。
店の看板を見て…また落ち込む自分がいた。
『おっぱいパブ』… 通称『オッパブ』…。
『ハァ………』
ため息しか出なかった。
暫く、店の様子を伺っていると、店から何人かの客とスケスケの服を着た女が数人出てきた。
その女達の中に由美はいた。
由美は…前よりも痩せて顔は窶れているように見えた。
私が行こうとすると…
翔太が私の腕を掴み『俺が行く』そう言い店に向かって歩いて言った。
階段を上がろうとしている由美を翔太が呼び止めた…
由美は笑顔で翔太と何かを話しているようだ。
暫くすると…由美が店へ戻って行った。
『やっぱりダメだったのかな…』
そう思った時、
翔太が私達に向かって腕で大きな『○』を作り合図を送ってきた。
それを見て康彦が
多分、由美ちゃんと話しは出来るってことじゃない❓もうちょっと様子見てみよう。
と言った。
私は黙って頷き翔太と店の方をジッと見つめた。
翔太がタバコを2本吸い終わった頃…
由美が私服に着替えて降りてきた。
そのまま翔太に腕組みすると翔太と由美が歩き出した。
カズハちゃん、行くよ。
康彦に急かされながら由美に気付かれないように後を追った。
翔太と由美は店から程近いカラオケボックスへ入って行った。
カラオケボックスに入ってすぐ康彦の携帯にメールが入った。
メールの相手は翔太。
『受付には後で2名来るって伝えてある。俺の名前で部屋取ってあるから💡宜しく』
それを見て私と康彦も店へ入った。
翔太の名前を伝えると『2○5号室になります。』と案内され、私と康彦は2階へ上がって行った。
部屋を覗いて見ると…
由美と翔太が楽しそうに話しをしながら乾杯していた。
カズハちゃん、行くよ。
私は康彦に手を引かれて部屋に入った。
…一瞬にして凍りついたように会話が止まった。
何…これ…❓翔太⁉どうゆうこと⁉
私を見た由美が叫んだ。
翔太は
カズハとちゃんと話すべきだって。由美のせいでこいつ停学にまでなったんだぜ⁉
と少し怒ったような口調で答えた。
それを聞いても由美の怒りは収まらず
ふざけないでよ⁉うちのこと騙しといて‼
そう言うと翔太に先程まで飲んでいたお酒を思いっきりぶっかけた。
つっめてぇ…
翔太がおしぼりで服を拭き始めた。
それを黙って見ていた康彦がキレた。
つーかよ‼元はと言えばてめーがわりぃんだろ⁉人に迷惑ばっかかけといて自分何様だと思ってんのや‼いい加減にしろや‼
それを聞き出て行こうとする由美の腕を掴みソファーに思いっきり投げつけた。
『ドサッ…』
話ししねーなら帰さねーから。
康彦はそう一言いいドアの前に1人用ソファーを移動させどっしりと腰をかけた。
由美はソファーに倒れながら康彦に向かって
てめー‼後で何されても知らねーから。私にはバックがいるんだからね‼
などと叫んでいた。
暫くは由美の興奮も冷めず、怒声が響き渡っていたが、次第に落ち着き始めた。
私は由美が落ち着くまでは一言もはなさず冷静に話しが出来るまで待ち続けた。
やっと由美が落ち着いた頃…私から話しを切り出した。
由美…。落ち着いて聞いて欲しいんだけど。由美…なんでそんなに変わっちゃったの❓何があったの❓
…カズハには関係ない。お節介ならよそでやって。
…お節介なのは自分でも分かってるけど、由美のことどうしてもほっとくこと出来ないんだよ。
だから‼それが余計なお節介だっつってんの‼
由美との話し合いは暫くはこの繰り返しで…なかなか由美の本音を聞くことは出来なかった。
こんな話し合いが続く中、康彦の一言で由美の態度が変わり始めた…。
あのさ、由美ちゃんって俺が何も知らねーとでも思ってる❓
一瞬…ほんの一瞬由美の顔つきが変わったのが分かった。
…はったりこくのもいい加減にしてよね…あんたが私の何を知ってるっつーの❓
康彦はその質問に冷静に答え始めた。
由美ちゃん、何にも知らないんだね。つーかあそこらへんにあるオッパブ合わせた数件の風俗店は俺の兄ちゃんの店なんだよね。だから、由美ちゃんが働き始めた経緯もすぐ調べがつくって訳。由美ちゃんが話さねーなら俺が代わりに経緯話してやってもいーけど❓
『…え⁉まじで⁉』
私は由美よりも先に翔太に聞いていた。
翔太⁉まじなの⁉⁉
翔太は頷きながら『だから康彦は詳しいんだよ(笑)先輩っつーのも兄ちゃんの知り合いで、あそこらへんの情報はなんでも簡単に聞けちゃう訳(笑)』そう笑いながら言った…。
康彦は黙っている由美に話しを続けた。
それと、由美ちゃんが言ってる『バック』つーのも知ってるよ。春樹の父ちゃんでしょ💨❓けど、残念ながら俺の父ちゃんは春樹の父ちゃんより上だよ。俺の父ちゃんに頼んで店辞めさせてやってもいいよ。で、どうする❓
…それを聞いた由美はいきなり泣き始めた…。
この時、私は康彦をマジマジ見ながら世の中、やっぱり『見掛けじゃ分からない』…
それと…
世の中『上には上がいる』ということを改めて実感した。
康彦はただのホスト系の遊び人だと思ってたのに…実際は高校卒業後には夜の店を数軒持つらしく一輝とは違う世界でのお金持ちだった。
新しいレスの受付は終了しました
小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
- レス新
- 人気
- スレ新
- レス少
- 閲覧専用のスレを見る
-
-
カランコエに依り頼む歌2レス 76HIT 小説好きさん
-
北進ゼミナール フィクション物語0レス 40HIT 作家さん
-
幸せとは0レス 76HIT 旅人さん
-
依田桃の印象7レス 186HIT 依田桃の旦那 (50代 ♂)
-
ゲゲゲの謎 二次創作12レス 134HIT 小説好きさん
-
カランコエに依り頼む歌
かわいいよね(小説好きさん0)
2レス 76HIT 小説好きさん -
西内威張ってセクハラ 北進
高恥順次恥知らず 高い頻度で他人から顰蹙を買ったり周囲の迷惑となる稚拙…(自由なパンダさん1)
90レス 3006HIT 小説好きさん -
神社仏閣珍道中・改
般若心経のこころ かたよらないこころ こだわらないこころ …(旅人さん0)
256レス 8560HIT 旅人さん -
北進
高恥順次恥知らずに逆ギレ飲酒運転を指摘されて言う言葉に開いた口が塞がら…(作家志望さん0)
17レス 355HIT 作家志望さん -
北進ゼミナール フィクション物語0レス 40HIT 作家さん
-
-
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②4レス 131HIT 小説好きさん
-
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?11レス 129HIT 永遠の3歳
-
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令1レス 142HIT 小説家さん
-
閲覧専用
今を生きる意味78レス 513HIT 旅人さん
-
閲覧専用
黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて25レス 962HIT 匿名さん
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②
母鯨とともに… 北から南に旅をつづけながら… …(小説好きさん0)
4レス 131HIT 小説好きさん -
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?
皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 129HIT 永遠の3歳 -
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 142HIT 小説家さん -
閲覧専用
おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1398HIT 檄❗王道劇場です -
閲覧専用
今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 513HIT 旅人さん
-
閲覧専用
サブ掲示板
注目の話題
-
これが、ありのままの俺
近所からバカにされます。 俺は独身で鬱病を患い、A型作業所で7年間働いている精神疾患の人間です。 …
12レス 333HIT 聞いてほしいさん -
産んでもらった親の介護をしない子ども
親の介護しない子どもはクズ? 親がいないとその子は存在すらできてないからね どんな親でも子ど…
22レス 351HIT おしゃべり好きさん -
婚活する時の服装
婚活パーティーや街コンの服装ですが このワンピースだと微妙ですか? 上が茶色いので不向きです…
10レス 245HIT 婚活中さん (30代 女性 ) -
どういう印象なのか?
男性から言われました。 顔が美人だと。でも遊んでそうだしモテると思うけど男を小馬鹿にしてそうだし俺…
17レス 268HIT 恋愛好きさん (20代 女性 ) -
シングルマザーの恋愛
子供二人のシングルマザーです。 元夫から養育費をいただいています。 私には彼氏がいて、金銭的援助…
9レス 169HIT 匿名さん -
男性に質問です!
男性グループの中(4.5人)の中に女が1人で参加するのってどう思いますか? とあるコミュニティでそ…
10レス 156HIT . (20代 女性 ) - もっと見る