見つけた居場所

「おい、こっち来い」

ああ
また父が呼ぶ

その時京は小学四年
繰り返される虐待

母はどこかの男と遊び歩いているんだろう

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ガシリと長めの髪を掴まれる

「･････」

京は黙ったままだった

「返事しろよ？春子が居なくてつまんないんだよ～」

春子と言うのは母だ
ココまでは慣れている

「なぁ･･･京ﾁｬﾝ？」

チャラついた印象の父。
水商売のかなり美人の母。

遊びで付き合い
子供が出来たから結婚

すべてが何となくの２人

母に似た美少年に育った京

父から犯されたのはこの日が初めてだった

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「痛い･･･痛い･････」

それしか言いようがない

薄ら笑いを浮かべて涙を流して嫌がる京を殴り蹴り、京の口に父のモノを挿入する

手はロープで縛られ血がにじんでいる

気持ち悪くて痛くて父が憎くて仕様がなかった

「おい感謝しろよ？男のお前の相手してんだから」

「誰が感謝何か!!!!やめろ!!!!」
つい叫んだ

「はぁ？」

また父が殴りそうになる
とっさに目を閉じると
ガチャガチャとカギを開ける音がした

「!!母さん・・・」

母は京に対して優しい
だがやはり父が恐ろしい気持ちもあるらしい

「黙れ!!!!!」

父が真っ赤になって京の口をガムテープで塞ぐ

身なりを整えて母が居るリビングに出て行行った

そのうちに京は逃げようと両手を縛ったロープを噛む

無駄だとは解っていた

どうにかロープの輪を緩め無理やり手を引き抜く

口のガムテープを剥ぎ取るともう力が出なかった

殴られ蹴られ痣ができて
傷ができて

乱れた服を直すことも出来ず
母の元に行く

母は大丈夫かと心配そうな顔で抱きしめてくれるだろうか
それとも――‐‐‐

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リビングに行くと母さんと父さん、そして知らない男が１人居た

「母さん･･･」
「京!!!久しぶりね～」

仕事帰りなのか、派手な赤い服を着ている

母が仕事で忙しい時は、父と２人きりだ
ご飯もろくに出してもらえず、たまに人参など生野菜を投げられるだけだった
そして『お前ウサギ以下だな！』
とあざ笑う
そんな父が恐ろしくて怖くて憎くて嫌いで仕方なかった


「母さん･･･その人は？」
「あぁ、お母さんの再婚相手。実はお母さん達二週間位前離婚してたの」
「え…そんな…!!!僕はどうなるの!?母さんと一緒がいい!!父さんと居るなんてやだ!!!」

勢い余って叫ぶ

「光樹・・・どうする？」

父を改めて見つめた母

「駄目だ！絶対に京は離さねぇ!!!」
父は凄い剣幕で怒る
「分かったわよ･･･京、そう言うことだから･･･父さんと仲良くね」
「嫌だ･･･母さん!!!」

「光樹、親権の事は任せたから」
「嫌だ････母さん････」
「母さん達の新居の地図、ここに置いてくから」
「いいのか？置いていって」

母の再婚相手が初めて口を開く
「いいからサッサと出ていけ!!!!」
父が怒鳴った

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あれから四年の月日が流れた

「京～ナカに射精（だ）させろ」
「嫌だ」
「誰に向かって口利いてんの？」
「うっせぇオヤジ」
「ざけんな!!!」

京の頬を殴る
「ぃった････」
「京も中学行けると思うなよ？」
「ぅ　あ!!」
思い切り倒され小柄な京を覆い被す････

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～お詫び～

誤「京も中学行けると思うなよ？」
正「今日も中学行けると思うなよ？」
です

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事が終わり、両手首を天井から吊された

「････」

京は冷めきって黙り込む
乱れて汚れた服の上から殴られる

「･････!!」

痛みに顔を歪める

「お前マジうけるな」

京の顎をつかんで言う
そして吊された京を放置して仕事に出かけて行った

「っ･･･クッソ･･･」

力任せに手を動かして吊している元のフックを壊して外した

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今思えば何で警察に頼まなかったかと思う
あの時の俺はとにかく母さんに会いたかったロープを外した後、三年前母さんが置いていったメモを隠していた食器棚の間を見る
糞オヤジは気づいてなかったか･･･と安心する
メモを掴み家を出る希望の心から力が溢れた
目印の海沿いを歩く家から海は近かった
「あ･･･あれだ」
綺麗な家が目に入る
オヤジのジャージ･･
さっき盗んだ物だ
ジャージを羽織りファスナーを閉める
どうしようかと家の前でうろたえていると
「京？」
と聞き慣れた声がした
「え･･･!?」
振り向くとすっかり地味になった母春子の姿があった

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春子の再婚相手は凄くイイ奴だった
春子が水商売から手を引くのに付き合い荒れていた自分を叩き直した
再婚相手の名前は総太（そうた）
本当の年は３３才
ふけ顔が悩みだそうだ
その総太の連れ子想（そう）とは仲良くなれそうだった

クールと言うか引っ込み思案と言うか、とにかく扱いにくい京の心の隙間に入り込み、心を開かせた

唯一の同年齢の心を許せる人が出来たと思った

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夜、ふと目が覚めた

隣には総が寝ている

昼間の軽く俺ｻﾏな性格には
合わない人懐こい顔をしていた

本当にココに居ていいのか
総の隣に居ていいのか
総太には言ったが総には虐待の事は言ってない

嫌われそうな気がした

「･･････」
「･･･!!!」

総が起きた
「お前、泣きたそーな顔してる」
「え??」
「泣いていーし･･･何我慢してんだよ」
「総･･････」

毎日の日課になっているように今夜も泣いた
ただ、今日は総の優しさが嬉しくて･･･だった

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