天使の赤い糸
リレー小説初めました✨
完全、仲間登録制です😔
雑談⛔、感想などなど専用のスレッドを、作ってありますので、メッセージをくれる方は、そちらへお願いします🙇大歓迎です💝✨
※只今、メンバーの募集は、中断しています🙇又、機会が出来れば、是非仲間に入って下さい。
では、“罪を犯した天使"の始まりです。
天使は人間の男の子に恋をした。。
新しいレスの受付は終了しました
天界
[アイリス…アイリスてば]
[聞いてるよ、リンドウ]
此処は天界、白き翼を持つ者達が、暮らしてる場所
2人は、鐘のある塔の上で、話をしていた。
リンドウの頬は少し膨らんでいる。
ムゥ~
[ごめんリンドウ、怒らないで、]
(イケナイ、イケナイ)私又ぼーっとしちゃってた。
[最近のアイリスは、どこか上の空ね?どうかしたの]
私は、そんなアイリスを心配になり、アイリスの顔を覗き込んだ。
次、お願いします。
>> 1
[そんなことないよ……?]
ニコッと笑ったつもりだけど、どこかぎこちなかったみたいだ。
[ムゥ~]
リンドウの、怪しみのこもった青い瞳が迫る。
大きなガラス玉の様なその瞳に、私の姿が映りこんでいた。
柔らかなウェーブのブロンド、リンドウとおそろいの青い瞳、つぶらな唇。
ふんわりとレースをあしらったローブ。
背中には、小さな純白の翼。
そして、困ったような笑顔。
――って、嘘バレバレじゃない!
[ほ、ホントに何でもないったらぁ]
私はその笑みを隠すために、じゃれるようにリンドウに抱きついた。
驚いたリンドウが、[きゃあ]と嬉しそうな声を上げる。
そう、私たちは天使――愛のキューピッド。
だからこそ、この感情は誰にも言えない。
――許されないって、わかっているもの。
お願いします👿
そう私達は…決して!
人を好きになっては…いけない!
禁断の恋…タブー
だとわかっている……はずだった…
アナタに逢うまでは……
そうあの日、人間界に用事があり、出掛けた日の事……
🙇次お願いします
その日、私はノルマを達成するため、一人で人間界に降りていた。
私達天使には様々な役職が与えられている。その中でも、私に与えられた役職と言うのが、俗に言う《キューピッド》と呼ばれる仕事だ。
期限までに、リストに載っているカップルを成立させる、と言うのが主な仕事だ。もし期限までにリストが埋まらなければ、私は給料を減らされてしまう。
悩んだ末に私が選んだ選択は、休日を使って残りの仕事を終えてしまうことだった。
早速舞い降りた人間界は、いつになく天使の数が少なかった。本当ならその日は、朝からリンドウと二人で遊びに行く予定を立てていた。
その事がフと脳裏をよぎり、私は物凄く鬱な気分になった。
だが気落ちしている暇はない。
私は、人目の着かないところに降りると、人間に化け、頭の中にリストアップされているカップル(になる予定)の捜索を開始した。
続きお願いします🙇
此所はリストの情報によると、「日本」という国らしい。怪しまれないように町を行く人を参考に姿を変えた。
ボロが出るとマズいので年齢設定はなるべく本来の年齢に近くしたが、衣服はこの国特有の物は無さそうなので手頃な若い女の子を真似ることにした。
マニュアル通りに変身したら、あとはいつもの通りに町を歩いて仕事をするだけ。
それだけなのに、あんなことをしなければ貴方に会う事もきっとなかったのに‥
次の方お願い致します🙇💦
私は私を通り過ぎてく人達の、目線を感じる。
(?)
お店のガラス越しに映る彼女の姿は、人と変わらない。
[気のせいですよね…変身は完璧ですもの]
私は、取り敢えず気を直して、リストを確認する。
[名前は…月島 美菜さん]
私は、月島 美菜さんの運命の人、赤い糸が繋がってる人を、探し出し結びつける事が、今回の仕事内容
[取り敢えず…美菜さんを探さなきゃ]
その時、、
続きお願いします🙇
その時、すれ違ったサラリーマン風の男性と、ばっちり目が合った。
私は驚き、思わず見つめ返してしまった。
彼は不思議そうな、訝しむような顔をしていたが、すぐに目をそらして行ってしまった。
(何だろう?)
私は不安になって彼を振り返り、そして、ぎくりとした。
無数の視線が、ふいと逸らされた瞬間を見たのだ。
[なっ……!]
これは、もはや気のせいで済まされるものではない。
(私は――見られている!)
どこがおかしいのだろう、何が違ったのだろう。
焦りから、かぁっと頬が熱り、私は慌てて近くのショーウィンドウに駆け寄った。
つやつやに磨かれたガラス面から、不安そうな黒目黒髪の少女が見つめ返している。
飛びぬけて美人に変身したわけでもない。
天使らしい要素はないし、正体を打ち明けたところで、およそ誰も信じてくれそうにないくらい、普通の女の子だ。
(街行く少女たちと変わりはないはずなのに)
そう思いながら、私は自らの身体を、胸元から下へと見下ろした。
そして、その初歩的なミスに気がついた。
なんということ!?
私は、靴をはいていなかったのだ。
お願いします👿
頭に熱が上る。ショーウィンドウに映った私の顔は、既に真っ赤である。
靴を履く習慣をつけていなかった為、私はこんな些細なミスにも気付けなかったのだ。
とりあえず靴を具現化かしようと思い、私は人目につかない場所を探した。視界を見渡すが、どこもかしこも人が多すぎる。
(困ったなぁ……)
建物に入るにしても、不信がられるのでは無いだろうか。何より、私はお金を持っていない。コレでは店にも入れないではないか。
私のバカ。思わず自身のドジぶりを呪いたくなった。
「……とりあえず、人目につかないところまで歩こう」
人間の世界は不便なものだ。靴が無いと言うだけで、地面を歩くことさえままならないのだから。人間も空を飛べたら良いのにな…。
「人間も空が飛べたら良いのになぁ…」
「……!」
ギョッとした。
突然、背後から声がしたからだ。振り返るとソコには、背の高い青年が佇んでいた。
心を読まれたのかと思い、
つい反射的に、私はその青年を警戒していた。
「鳥は良い。
靴を履かなくても良いんだもんな。裸足でいたい気持ちも分かるが、こういう所では履くべきだ」
どこかズレている彼、
コレが私達の最初の出会いだった。
✏次の人
何を言いたいのか?
とりあえず人がいない所へ急ごうと、振り返った時!
腕を捕まれた…!
「キャァ!」
思わず声をあげた。
「お嬢さん!何で裸足なの?
家出?ウ~ン?そうだ!誰かから逃げてきた。違う?」
やっぱり可笑しい人だと思った。家出?逃げる?何を言ってるんだか。
腕を捕まれたままで、身動きが出来ないので
「すみません、痛いんですけど!放して貰えます?」
「あ!ごめん、ごめん痛かった?」
罰悪そうに頭をかいていた。
「では、失礼します。」
と一礼して行こうとすると、また腕を掴まれた……
次の方👍
こんどはさっきより力強く私の腕を握り、好奇心が入り交じった少年のような大きな瞳で見つめてきた。
遠慮というものを知らない。
新手のナンパにしても強引だ。
腕を握ったまま、上から下へ、まるで品定めするかのように目を動かすと、
「ふむ。今時珍しい。あなたはきれいな目をしている。友達になれそうだ。僕の靴を貸したげるから履きなさい。」
(!?何を言ってるの!?)
「あのっ本当に!大丈夫なんで!おかまいなく」
この人は本当に頭がおかしいらしいと判断し、町行く人に助けを求めるが、皆目を合わせようとしない。
私の明らかな嫌悪の表情もお構いなしに
「僕のじゃ嫌?あっサイズが合わないか。じゃあ丁度そこに靴屋さんあるから行こうか。」
事態も飲み込めぬまま、抵抗も空しく私は靴屋へ引きずられていった。
彼の靴でよれよれな足取りの私、靴下姿の彼に引っ張られ靴のお店に入ると
「いらっしゃいませ…!?」
二人の足元を見て、綺麗な女性の店員さんはびっくりしてた。
すかさず彼は
「彼女いつもドジで手がやけるよ。合う靴ない?」
店員さんはニコリと
「探してまいります。スリッパをどうぞお使い下さい。こちらのソファにお掛けになりお待ち下さい。」
ソファに座りスリッパを履き靴を返した。
「勝手な事言って…けどありがとう。」
彼も横に座り靴を履き直し微笑んだ。
「素直でよろしい。」
「お待たせいたしました。こちらのミュールがお似合いかと。」
店員さんが差し出した靴は、天界に咲くピンクベージュの花のように綺麗な靴。
「わぁ…素敵…。」
彼は嬉しそうに
「履いて鏡で見てみたら。サイズは?」
私は靴を履いて鏡に立った。
「…うん。ぴったり。」
鏡越しに彼も見ているので照れてしまった。
「似合ってるね。これ下さい。幾ら?」
「ありがとうございます。」
店員さんにお金を払ってくれてる。
「えっ?靴…」
言いかけた途端にお腹がなった。
彼は笑いながら
「ランチに行こう。いい店がある。」
彼に手を引かれ店を出た。
店を出て、またしても強引に手を…
[あ、あの私…]
彼女の呼び掛けに青年は立ち止まった。
[ん?]
[て…手を、]
(あッ)
青年は、慌てて手を放した。
[ごめん、僕、いつも、こんなんで…友人にも怒られる。]
そう言った彼は、少し照れながら笑た。
私は彼と、たわいもない話をしながら彼について歩いて行く。
(彼が1人で、殆ど喋ってるのだけど…)
私は頷くだけ…
でも、私は彼と話てる。
いつでも、私には彼から逃げ出す事が出来るハズなのに…
(何故なの?)
そうこうしてる内に、彼の足が止まった。
[ここだよ!]
そう言われ、私は一軒のお家を見上げた。レンガ彫で造られた可愛らしい喫茶店が私の目の前にあった。
続きお願いします😉
>> 12
窓際の席はぽかぽかと暖かく、柔らかな日差しが私たちを包んでいた。
油絵と観葉植物に飾られたカントリー風のその店は、私が知る日本らしさとはかけ離れている。
それが、私にとっては馴染み易くもあった。
使い込まれた木造のテーブルの下で、恥ずかしそうにハの字を描いている、淡いピンク色のミュール。
しかし、私がうつむいているのは、その真新しい靴を愛でるためではない。
(まったく、何を考えているのよアイリス!仕事に来たんじゃなかったの!?)
私はようやく、自分の浅はかさを自覚したのだ。
(靴を買ってもらい、さらにランチをご馳走になろうとしているなんて……)
仮にも私は天使だ。
人間と関わるなど、決して褒められたことではない。
まして借りをつくるなんて、もっての他だ。
(やっぱり、これ以上彼と関わるわけにはいかないわ)
私はちらっと彼を見あげた。
そのとたん、陽だまりの中の彼と目が合う。
明るい茶色の瞳が少し見開かれ、そして、ふわりと微笑んだ。
「注文、決まったのかい?」
「え……えと……」
結局、私はテーブルに広げられたメニューに視線を落とすのだった。
お願いします👿
数分後、テーブルの上には私が頼んだピザやナポリタン、大好物のエビピラフが並んでいた。彼が遠慮するなと、分厚い財布をちらつかせたのがいけなかった。抑え込まれていた食欲が暴発したのだ。
「デザートも食べる?」
にこやかな彼の問い掛けに、私は迷わず頷いた。
彼はウェイターさんを呼ぶと、食後にデザートを持ってきて欲しいと注文した。
「どれになさいますか?」
私はエビピラフを頬張りながらメニューのスペシャルパフェとチョコレートケーキを指差した。メニューを確認すると、ウェイターさんは店の奥に姿を消した。
「キミ、よく食べるね」
一瞬、口の中の物を吹き出してしまいそうになった。
「っ……ご、ごめんなさい」
もう半分以上は平らげているが、今頃になって、突然申し訳なくなってきたのだ。
そんな胸中を察してか、彼は笑顔で返してくれた。
「全然良いよ。
ちょうど退屈してたとこだし。
だからさ、良かったら話し相手になってくれる?」
私は首を縦に振り、
勿論喜んで、と答えた。_
_「ところでキミ、名前は?」
パフェを口に運ぶ手を止めて、私は人間界での名を答えた。
「橘…楓(たちばなかえで)」
✏次の方
- << 16 「いい名前だね!楓ちゃんは、何処から来たの?」 屈託ない笑顔で聞かれ、少し照れた自分に気づいて、パフェを食べた… 「そうか、言えないならいいよ。そうだ!今日これから予定ある?」 『あるには有るけど……どうしよう?』 と考えていると、 「あるんなら、今度、またあってくれるかな?」 食べてるパフェが喉に 「ゴホン!ゴホン!」 彼が背中をさすって 「大丈夫?何か変な事言ったかな?」 なんか可哀想に思えて 「ありがとうございます! すみません、美味しくて、ガッツイちゃいました」 と笑ったら 「バカだな、急がなくても、欲しかったら、頼めばいいよ」 と言ってくれた、照れ隠しで食べたのに どうしよう? 約束しようか?しないでお別れ? 少し惹かれ始めてる自分に気づいては…… まだいなかった…………
>> 14
数分後、テーブルの上には私が頼んだピザやナポリタン、大好物のエビピラフが並んでいた。彼が遠慮するなと、分厚い財布をちらつかせたのがいけなかっ…
「いい名前だね!楓ちゃんは、何処から来たの?」
屈託ない笑顔で聞かれ、少し照れた自分に気づいて、パフェを食べた…
「そうか、言えないならいいよ。そうだ!今日これから予定ある?」
『あるには有るけど……どうしよう?』
と考えていると、
「あるんなら、今度、またあってくれるかな?」
食べてるパフェが喉に
「ゴホン!ゴホン!」
彼が背中をさすって
「大丈夫?何か変な事言ったかな?」
なんか可哀想に思えて
「ありがとうございます!
すみません、美味しくて、ガッツイちゃいました」
と笑ったら
「バカだな、急がなくても、欲しかったら、頼めばいいよ」
と言ってくれた、照れ隠しで食べたのに
どうしよう?
約束しようか?しないでお別れ?
少し惹かれ始めてる自分に気づいては……
まだいなかった…………
約束をするかどうか。
そんなことは考えなくても答は分かっていた。
(しない。
ううん、出来ないよ‥)
この世界にいるのは役目を果たすためであり、何よりも最優先させなければならない。
天界の絶対的な掟を破る事は禁忌であり、もしそんなことをすれば、最悪翼を剥奪され追放となる。
掟を破り、罰せられた仲間も沢山知っている。
一言NOと言えばいいのだ。
変に嘘をついても気の毒にさせるだけ‥。
食べかけのパフェのスプーンを置き、決心するように一呼吸おいた。
そしてゆっくりと彼の顔を見る。
そこには真直ぐに自分を見る瞳があった。
「ごめん。困らせちゃったね‥」
急に申し訳無さそうに言う彼に私は首を振る事しか出来なかった。
そして彼はせきを切ったように、
「自分でもなんでこんなに強引なのか分からないんだ。
まだ会って間もないはずなのに、随分前から知っているような‥
単純に君が知りたい。
そして僕を知って欲しい」
あまりにも純粋な彼の言葉が気持ちをざわつかせる。
胸の奥がキュウと締め付けられる。
(この気持ちは一体何?)
恋をさせるのが仕事の天使は
まだ恋を知らなかった。
次の方お願いします😃
「…急ぎでやらなきゃならない事があるから。済ませてからじゃないと無理…。」
彼は明るい笑顔になり私をいたわるように
「ありがとう。忙しいんだね。先に聞いて女性に失礼だった。僕は楠木健太。改めてよろしく。」
心から喜んでいるのが伝わってくる。
「いつかはっきりわからない…それでいいの?」
最初は変な人と思ったけど、屈託ない笑顔は同じ天使みたい…。
「忙しいのに無理させたくないよ。僕は君にまた会いたいから余計に。」
なんだろう…胸がドキドキするのは。
「僕は頻繁にこのお店に来てる。落ち着いたらこの店に来てほしいな。」
茶色の瞳に彫刻のように端正で綺麗な顔立ち。
髪は丁度よい長さで顔を縁取り、柔らかそうに波打つ…。
天界の神様に似てる…。
「引き止めて悪かったね。今日はこれで…お店出よう。」
レジに向かい会計を済ませ店を出た彼に
「ごちそうさま。靴も…色々ありがとう。お金は返す。お店に必ず行くから。」
ニコニコと彼は
「お金ならいい。それより体に気をつけて、頑張りすぎないこと。じゃあね。」
手を振って去っていく彼の後ろ姿を見てたら急に寂しくなった。
初めての感覚だった…。
(楠木 健太さんか…)
彼女の心に、暖かいモノが芽生え始めてる。
だけどまだ、彼女は気付かない。
(又、私に会いたいて言ってくれた。エヘヘ)
私の胸は、弾む様に鼓動を鳴らしていた。
(又、会いたいなあー彼に…)
私は、自分の気持ちにハッとした。
何考えてるの?
(どうして、約束なんかしたの?又、会いなんて…どうして、そう思うの?)
《分からない》
胸が急に苦しくなった。
その時だった!
『月島 美奈』が彼女の前を通り過ぎたのは、
(美奈さん…?)
私は、考えるのを辞めて、彼女の後を追いかる。
[あの、すみません]
彼女の呼びかけに月島 美奈は足を止めた。
[あの、すみません、道に迷ってしまって…聞いても良いですか?]
[はぃ、その…どちらに、]
美奈さんは、丁寧に道を教えてくれた。
最後に私は、お礼を言い美奈さんの“手"を握る。
[ありがとう。]
私は美奈さんと、わかれて…
よっし!これで、私は彼女と関わりを持てた訳ね。
何時でも、美奈さんの居場所を把握出来るわ。後は相手だけ、美奈さんの運命の人…
(名前は…)
彼女の目に影が曇もる。
(嘘…)
彼女が目にする書類には、『楠木 健太』
と書かれていた。
「く、楠木健太……?」
だんだんと事態を飲み込み始めた私は、思わず頭を抱えた。
楠木健太――
ついさっきまで、私の目の前で柔らかく微笑んでいた、まさにあの人ではないか。
(なぜリストを確認しなかったんだろう!上手くやっていれば、早くもカップル成立だったのに)
仕事をおろそかにした自分を咎めると同時に、楠木健太と月島美奈のツーショットが頭に浮かんだ。
まさに、美男美女カップルだ。
けれども、彼のあの屈託のない笑顔が、私にではなく、彼女に向けられているということを想像した途端――私は思わず、そのヴィジョンをかき消してしまった。
(なに余計なことをしているんだろう……赤い糸を結んだ後のことなんて、考えなくてもいいのに)
うな垂れた私だった。
(大丈夫、チャンスはこれきりじゃないわ。きっとすぐにカップルを成立させられる。楠木健太さんには……)
私は、通りの向こうにたたずむ、レンガ造りの喫茶店を振り返った。
(また会えるもの)
そう思ったとき、私の胸は嬉々と弾んだ。
それは果たして、仕事の達成見込みがあるからなのか、それとも、彼にもう一度会うことが出来るからなのか――。
お願いします👿
「アイリスさぁ、最近機嫌良いよね?」
ギョッとした。
どうやらリンドウには、私の変化が見抜かれたらしい。さすが私の親友だ。
「そ、そうかな…?」
誤魔化そうとすると、彼女は私のほっぺたをつまんできた。
「いかんなぁ、この間よりぷよぷよしているじゃないか。
誰かにオヤツでも奢って貰ったんだろー?」
す……するどい。
何故分かったのだろう。私は思わず言葉を失ってしまった。
すると彼女は、不思議そうな顔をして『あれ、違うの?』と問いかけてきた。
「あ……当たり」
正確にはオヤツだけでなく、ご飯もご馳走になった。
「だよね~。
そうだろうと思ったよ。キミはそれ以外に考えられないもの」
どうやら私は、食べることに執着している天使、として見られていたらしい。ショックだ。
数日後、私は彼との待ち合わせ場所に向かった。この間買って貰った靴も忘れない。
お母さんに見つからないよう、自室のベッド下に大事にしまっておいた。
今日の待ち合わせ場所はこの間ご馳走して貰ったあの店の前だ。ちょうど腹の虫が……いや、
いかんいかん。
コレではリンドウの言うとおりではないか。私は食欲を抑えて待ち合わせ場所に向かった。
✏次の方
爽やかな風がゆっくりと撫でて行く。
待ち合わせの時間より早く着いた…。
『今日こそ、任務を遂行するぞ!』と思いながら、違う自分も顔を出す。
『まだかな~。あ!いけない!深呼吸して…』
胸を張って、息を吸い込んだ?
!
所へ、現れた…!
「ヤァ!来てくれたんだ!」
「ゴホゴホ、ゴホン。」
思いっきりむせた。
そんな私を優しく背中をさすってくれた…。
「大丈夫かい?驚かしちゃたかな?」
こまった顔も、いいなぁ~と、見てしまった。
「いいえ、大丈夫です!」
恥ずかしくて、思わず下を向いた。
顔の赤いのを見られたく無かった。
任務を暫く忘れてしまった……
次の方お願いします👮
大丈夫かと下から覗きこもうとする彼を慌てて制し、真っ赤な顔がこれ以上赤くなるのを防いだ。
「本当に来てくれるとは正直思ってなかった。ありがとう。」
と相変わらずの眩しい笑顔を私に向けてくる。
顔が更に紅潮するのが分かった。
(これは仕事!仕事の為!)
必死に言い聞かせたが、きっと顔は緩んでいるに違いない。
なんとか誤魔化すように、入りましょう!と喫茶店に入ろうとすると、
「おっと、今日は喫茶店じゃあ無いよ。行きたい所があるんだ~」
入口に踏み込もうとしていた私の手にするっと自然に手を滑り込ませ、彼は楽しそうにズンズン歩き出した。
「えっ‥ちょっちょっと‥」
半ば引きずられながら、戸惑う私を余所に鼻歌混じりに歩く姿を見て初めて出会って時を思い出した。
次の方お願いします😃
>> 23
繋がれた彼の手は大きくてあったかくて…ホッとさせる。
「どこ行くの?」
子供のようなイタズラな顔で
「着いてからのお楽しみ♪」
ニッと笑った。
明るい陽に照らされ、綺麗な焦げ茶色の髪がサラサラとなびいてる。
天使の任務は意外に忙しく、リンドウとすら会えない時がある。
(久しぶりの休日みたい…ちょっとだけ)
そんな事を思いながら周りを見ないで歩いてたら…。
「見て!!」
彼の言葉でハッとして…
目の前に海が…!!
広々した公園だった。
海鳥達が飛びながら嬉しそうに鳴いてる。
沈みかけた夕日にキラキラ光る水平線。
雲や景色が私達もオレンジ色に染まる。
「天国みたい…」
「うん…君に見せたかった。」
「…初めて。地上で海を見るの…」
(あっ!!私は日本人だ…変な事を…)
彼を見たら気にしない様子で柔らかく微笑んでいた。
彼と私は手を繋いだまま、夕日が沈むまで美しい光景に見とれていた。
「ここに小さな頃から来てて思い出一杯でさ。気に入ってくれた?」
(大切な場所だ…なぜ私に優しくするの?)
「うん!!とても素敵。」
嬉しいのに胸が痛くなって聞きたい心の声が言えない。
彼には赤い糸の運命の恋人がいる…。
海が近くに見える公園には、多くの家族連れの姿があったが、夜遅くもなると辺りのフインキは変わる。
家族連れから恋人同士のデートスポットへ…
ドキドキ
(わ、私…変だ。)
胸の音がダンダン大きくなってく…
周りを見渡すと、人間の恋人達が…
キ…キ…
私は、いきなり立ち上がると、健太さんは、驚いた感じで…
[楓ちゃん?]
私は自分の中の何かを隠す様に、気付かない様に…これ以上、彼と居るのは、危険だ。
[か、帰りましょうか?]
次にパス✨中途半端にパス🏃💨
楠木健太は立ちすくむ私を不思議そうに見上げていた。
そして、私の向こうで熱烈に愛を語り合っているカップルに気づいたようだ。
「あ……、その……」
さすがの彼も気まずそうに立ち上がると、「参ったな」と言うようにはにかんだ。
「ご、ごめんごめん、俺、そんなつもりじゃなくて」
春の夜風はまだ冷たく、俯いて顔を赤らめている私たちの沈黙を埋めるかのごとく、ヒュゥと吹き抜けた。
顔に掛かる髪を耳に掛けつつ、そっと目を上げると、彼もまた、恐る恐る視線を上げたところだった。
その顔ときたら、まるで叱られた子供のようだ。
そして、おそらく私も、そんな顔をしていたに違いない。
「……ぷっ!」
私たちは、どちらからともなく笑い出した。
その瞬間だと思う。
彼と会ってから緊張しっぱなしだった私の心が、やんわりとほぐれたのは。
「あはは。まったく出会ったばかりだってのに、デートスポットに連れてきてしまうなんてね」
彼はそう言い、私に手を差し伸べた。
「何か食べよう」
「はい」
すると、彼は少し悪戯な笑みを浮かべて、私の顔を覗き込んだ。
「もうお腹ぺこぺこ、だろ?」
なぜわかったんだ……。
パスを受け取り、受け流す👿➰⚽
私達は来たときと同じように歩いた。『暗いから』と、彼が私の手を握ってくれた。
私はまた恥ずかしくなって、足元に視線を落とした。
「もうすぐ着くから」
どこにですか?と、尋ねてみたが彼は『秘密だよ』と言って、教えてくれなかった。
なるほど、秘密主義なのか。
それから暫く二人で歩いていると、海辺の近くに一件の木造レストランが見えてきた。
《Under the sea》
看板にはそう書かれている。
どうやら、このレストランの名前みたいだ。
「ここ」
どうやらこの店で食事をとるらしい。
彼が入り口の扉を開くと、
チリンチリンと音がして、店の奥から男の人が現れた。
「おぉ、健じゃないか!」
「久しぶり、おじさん!」
彼らは熱い握手を交わした。
変なスキンシップだ。
「おじさん、
こっちは友達の楓」
「は、はじめまして……橘楓です」
私が控えめに挨拶をすると、店のおじさんはニコリと笑って自己紹介を始めた。
「健太の叔父の楠木啓三(くすのき けいぞう)です。
歳は23。血液型は健太と同じB型。星座はおひつじ座ね。
ちなみにまだ独身です。
よろしく」
……な、何だろう。
今の自己紹介は。
✏次の方、夜露死苦👍💨
>> 27
アピールしたが、イマイチの反応にガックリきたらしく、肩を落として
「健太、何食べるか?聞いといて」
と健太の肩を叩いて厨房のほうへ、引っ込んだ。
私はどうしていいか解らず、下を向いて
『何?訳が解んないよ!』
そう思っていると彼が
「楓ちゃん、恋をしたことある?」
不思議に思ったのだろう。
みてれば…わかるかな?
恋?また顔が高揚するのがわかった…
「好きになった人いるの?僕はいるけど…。」
優しくゆっくり喋ってくれた…諭すように
呟くように、やっと声に…出した
「ない・です……」
「そうなんだ。…とりあえず、立ってるのもなんだし、座ろう。」
どうしていいか解らず、ただ下を向いていた…彼は優しく肩を抱いて、椅子へ座らせてくれた…肩を抱かれた時、なぜだかドキドキが止まらなかった…
「ギュ?ギュルルルルル~!」
こんな時に、
お腹が……
『恥ずかしい~』
次の方ヘルプミー😱
振り向かずとも彼の堪えた笑いが分かった。
私は益々赤くなり、リンドウの言葉を思い出す。
(これじゃホントに食欲の塊じゃない!)
そんな自分に嫌気がさし、顔を上げられずにいると、いつの間に彼は向かい合うように席に着いていた。
いつもの笑顔で何事も無かったかのようにメニューを差し出してくる彼に私はごめんなさいと謝った。
「えっ何で?どうしたの?」
慌てて問い掛ける彼に、やっとの思いで、
「だっていつも貴方と会う時お腹減らして来るみたいに思われたら嫌だなって‥ご飯目的みたいな‥そうじゃないのに」
最初に出会った時には無かったこの気持ち‥
(嫌われたくない‥)
些細な事が気になって仕方が無かった。
今自分は変な顔なんだろうなとか、髪撥ねてないかなとか、もっと可愛かったらな‥そんな事ばかりが頭に浮かんくる。
すると、無言だった彼は、
次の方お願いします🐱
無茶振りごめん💦
>> 29
「楓ちゃんの美味しそうに食べるとこ、見てて元気でるよ?料理人も、もちろんだろうなぁ」
チラッと横目で促しメニューのオススメ料理をピックアップして指差した。
(料理作る人は心込めてるもんな)
「おじさんの料理最高♪お腹一杯食べれる事は健康な証拠!」
健太はウインクし顔を見合わせ笑った。
緊張がほぐれた私もノリに負けて
「お腹すいたし一杯食べるけど後悔しても知らないよ?」
健太は大声で厨房へ
「おじさ~ん!!いつものスペシャルメニュー頼むね♪」
啓造が厨房から顔出して
「うーす!了解♪楓ちゃんにはおごるからね♪健太!『おじさん』と呼んだな?俺はじじいじゃねぇ!『兄貴』と呼べ!!」
三人は爆笑し明るいムードから前から気になった事を聞いた。
「健太君は何歳で何してるの?」
健太は敬礼のポーズをしながら
「おじさんと違いピチピチの19歳♪大学生でっす♪」
(そうなんだ。お茶目だけど…)
「健太のようなバカ息子、親がかわいそ~!ねっ楓ちゃん♪」
料理を作りながら、まだ啓造はアイリスにアピール。
(おじさんもだけど強引なのは血筋…?)
二人のアタックに、タジタジなウブなアイリスだった。
モグモグ…
私の目の前には今、お子様ランチ風な食べ物が置かれてる、ただ違うのは量の多さ…お子様ランチの5倍は有る
それは正しくスペシャルな大人ランチだ!
私は、口一杯に頬張る
(美味しい~)
ケチャップライスの上には、ハンバーグが乗ッかてる
更にその上には、私が思わず息を飲む程の目玉焼きが……
“もちろん旗付です"
目を輝かせる私を、健太さんと健太さんの叔父で有る啓三が和み有る表情を私に…
私は水を一気に飲み干すと、慌てて
[お、美味しいです]
そんな私に2人は揃ッて笑ッていた
(はぅ~…)
健太[気にいッてくれた見たいだね?]
啓三[クス…悪い…]
啓三は涙目を擦りながら
[美味いだろう?そのランチは特別なんだ]
微笑む健太[そうなんだ、僕専用に、叔父さ…兄貴が作ッてくれたメニューなんだ]
そう言いながら2人は色々と話をしてくれた
時々見せる健太さんの赤く膨れあがった顔は可愛い思う
(2人は仲イイんだ~)
私とリンドウ見たい…
[健太の母…俺の姉さんな…俺と年、すーごい離れてるの、で年の近い健太は、俺の弟見たいなもんなんだ]
そぅ言ッた啓三さんに健太さんは頷く
[僕のばーあちゃんは今でも、じーぃと仲良いんだ。60才なのに未だにラブラブでさ、僕もそんな恋したいと思ッてるんだ]
そのときだ。
チリンチリンと、来客を告げる鈴の音に、私たちは戸口を振り返った。
入ってきたのは垢抜けた雰囲気の若い女性で、コンビニのビニール袋を手にしている。
彼女はやんちゃそうな笑顔で啓三に笑いかけた。
それに答えるように、啓三も嬉しそうに微笑む。
「結衣《ゆい》。悪いな、買出し頼んじゃって」
「ううん。それより健ちゃん、久しぶりー」
結衣という女性は親しげに言い、ピンヒールを高らかに鳴らしながらこちらにやってきた。
「その子、まさか彼女?」
「そう見える?」
と、健太が笑うので、私は困ってはにかむしかない。
「か、楓です、はじめまして」
そんな私に、啓三は改めて彼女を紹介してくれた。
「コイツは結衣。なんていうか、いずれはこの店の女将になる女だ」
「レストランで女将はないでしょ。オーナーよ」
「はっは、だよな。っておい、俺より偉くなるつもり!?」
「当前よ!」
啓三と仲良さげなやり取りをした後、不意に、結衣が私の顔を覗き込んだ。
「よろしくね。だけど驚いたわ、桜ちゃんによく似てる」
「桜さん……?」
私は首をかしげる。
「そうかな……」
そう言う健太の顔が、一瞬曇ったような気がした。
無茶振り👿💦
桜さんとは一体何者なのだろうか。見ると、結衣さんは何故か気まずそうな顔をしていた。
私は益々分からなくなった。
「……俺、手ぇ洗ってくる」
健太さんはそう言うと、席を立って御手洗いに向かった。表情は無かった。しかし、どこか落ち込んでいるように見えた。
「あの、健太さん…どうかしたんですか?」
本人がいないウチに聞いておこう。という私の考えが伝わったのか、まっさきに啓三さんが口を開いた。
「ちょっとね、なんて言えば良いのか……まぁ、失恋…みたいな」
「……え……」
何故か分からないが、私はその瞬間、ショックを受けた。啓三さんの言葉が雷のように、私の脳天を貫いた。
「……失恋…?」
「う…ん。
桜ってのは…アイツの二つ年上の幼なじみなんだ。去年の秋…嫁いじゃったんだけどさ」
途切れ途切れな啓三さんの説明に、とうとう結衣さんが痺れを切らせた。そして唐突に説明を引き継いだ。
「桜ってのはね、アイツの初恋の女。
でも去年の春に大企業の御曹子と結婚したのよ。それも海外のね。
健のヤツ、遠慮して手紙も出さないの。だからそれ以来彼女とは音信不通。
今ではすっかり雲の上の存在になっちゃったってワケ」
✏パス
水を飲みながら、噎せたからなのか、さっきの涙なのか分からないが、涙が止まらなかった。
「楓ちゃん!?大丈夫?」
心配そうに背中を擦ってくれるのはいつも通りの彼だった。
温かい手で擦られながら、私はその理由の分からない零れ落ちる涙で気付いてしまった。
(恋をしている。
私は彼に恋をしてしまった‥)
そう認めた途端、切なくて、胸があの時とは違う締め付けられる思いがした。
(仕事を無視してでも彼に会いたかったのはこの人が好きだったからなんだ‥。)
しかし、認めた同時にある掟が頭を離れなかった。
いや、本当はずっと分かっていたこと、
“天使と人間は結ばれてはいけない。
それは天使がこの人間世界では存在していないから。”
私は決心をした。
手遅れになる前に、
彼に気付かれないうちに、
本当の相手と恋をさせなくては、と。
なるべく感情を悟られないように
「健太さん、付いて来てもらえますか。」
ゆっくりとあの時と同じ、少年のような彼の目を見つめた。
お願いします🐥
>> 36
(《月島 美奈》さんは今どこに…?)
アイリスは無言になり目を瞑って集中した。
テーブルの下で自分の手を握る。
以前、美奈と握手した『手』の情報で探し出す。
(美奈さんが見えた…渓欧大学…体育館…バレーボールの部活中かな…)
集中をほどき、ゆっくり目を開けた。
(一瞬で探せた)
「……楓ちゃん…?どうした?気分でも悪い?」
健太の低音の優しい声。
店内のジャズのBGMも再び聴こえてきた。
心配そうな健太を庇うように
「健太さん、ごめん。少し眠くなっただけだから。」
笑顔で応えても、頭には美奈のビジョンが見えてる。
「健太さん、渓欧大学…知ってる?」
天使の力を酷く嫌に感じた。
「えっ?俺の大学だけど…楓ちゃん、知り合いでも?」
(美奈さんと同じ大学…健太さんとお別れ…?)
想うと泣きそうでぐっと堪え無理やり微笑んだ。
「うん。ちょっと。健太さんの大学、行ってみたいなぁ。」
健太は屈託なく笑いスッと立ち上がった。
「任せて、楓ちゃん。案内するよ♪」
はしゃぐ健太の後ろ姿は切なさを加速し、アイリスも椅子から立ち上がると、震える体はいつもより重たかった。
啓三さんと結衣さんに挨拶をしてから、私は健太さんと店を出た。
「楓ちゃん、もしかして桜の事聞いた?」
健太さんは、複雑な顔に苦笑をまじれた。
「桜は…僕に大切な事を教えてくれた人なんだよ、中学時…思春期の時に色々とあってね」
その時、恋をしたのだと健太さんは教えてくれた。
私の胸は、ザワザワと音をたてて居る。
(健太さん…私は、)
「今は、もう昔話だよ、甘酸っぱい青春て奴さ(苦笑)」
健太さんは、どこか無理をする様に、はにかんだ。
‐夜の風が彼女の長い髪を揺らす‐
私は天使です、私が健太さんに出来る唯一の事は、赤い糸を繋ぐ事だ…
「健太さんは、運命の赤い糸を信じてますか?」
健太さんは、きょとんとした表情で私を見る。
「私は信じてます…
信じてます、健太さんにも…健太さんと赤い糸が繋がってる運命の人が居ると、」
「そう…かな(笑)
楓ちゃん有り難う」
健太さんは、優しい目をして私に微笑みをくれた。
でも私は、彼の微笑む姿が苦しくて見れなかった。
(アイリス、私は天使なんだよ)
私の胸はズキズキと鳴り響いていた。
‐大学の入り口前‐
続きお願いします
夜の大学は人影も疎らだが、明りはいたる所に灯っている。
教室、外灯、少し離れたところにある体育館。
広大なレンガ敷きの敷地や様々な建物が、まるで異世界の街のような独特の風情をかもし出していた。
「僕自身、夜に学校に来るのは久々だ」
と言いう健太さんに手を引かれ、学内を歩き回った。
おそらく、彼との最後のデートだ。
それなのに私ときたら、薄っ平に微笑むのが精一杯で、ろくに彼との会話を楽しめなかった。
目的はデートではない。
「た」
「え?」
「体育館も見てみたい」
私はやっとの思いでその場所を告げた。
「あはは、部活に興味がある?……そういえば君、いくつなんだろ」
健太さんはふとその疑問を口にして、なぜ今まで気にならなかったのか、というような顔をした。
「いくつに見えますか?」
私ははぐらかすように言う。
「凄く幼く見える。小学生かな」
グサ。
「って思った瞬間、もの凄く大人びて見えるんだ。僕より年上かと思うくらい」
グサグサ。
「不思議だね」
健太さんは、やはり屈託なく笑うのだった。
私は手を引かれながら、予想以上に幼く、あるいは老けているらしい自分の外見に、少しばかり嫌気がさした。
お待たせしました👿
「コレがうちの体育館ね」
健太さんは見慣れているようだが、今日初めて目の当たりにする私には、とても信じられない光景だ。
「お…大きいですね」
この大学は校舎も立派だが、体育館もその比ではない。ドームの形をした巨大な建物が、私の眼前に佇んでいた。まだ出来て間もないようだ。汚れや損傷もほとんど無い。
「中……見てみる?」
「是非、見たいです」
健太さんは笑みを浮かべ、私たちは体育館に入った。
入ってすぐの昇降口には、げた箱とスリッパが置いてあった。
そこで私たちはスリッパに履き替えて、二階に延びる階段を昇った。
「二階は観客席なんだ。一階は今、バスケ部やバレー部が練習してると思うよ」
「たくさん人がいるんですか?」
「そんなにはいないと思うよ」
それを聞いて少し安心した。あまり人が多いと、月島さんを見つけるのが困難になるからだ。
私たちは階段を昇り二階の観客席に出た。
観客席に出た瞬間、私はその先の光景に絶句した。体育館の内部は、外観に相応しいほどの広さを誇っていたからだ。
観客席には何人か人がいた。どうやら部活の見学に来ているらしかった。
✏next👍
私に声を掛けて来たのは“アスター"だった。
アスターは天界でも5本の指に入る程の美顔の持ち主。
『ど、どうしてアスターが此処に居るのよ』
焦る私にアスターは、不適な笑みを見せる。
『最近、お前の様子が可笑しいとリンドウが言ってたんだ、ふッ確かに、太ったか(笑)』
『な!!!』
「太ってなんかないわよ」
「楓ちゃん、どうかしたの」
健太さんの声で私は我に…変える。
「あ…」
健太さんにはアスターの姿は見えて居ない。
私は、どう誤魔化すかを考える事、数秒
「ふ、ふぁ、ファイト~!負けるな~!
打たれてるんじゃ無いわよ…ぅ」
私の声は、体育館全体に響き渡る。
私は、アスターを睨み付けると、彼は腹を、抱えて笑ていた。
(アスターーー)
その時、月島 美奈が此方に顔を向けた。
「…あ、あなたは、あの時の迷子の子猫ちゃん」
(こ、子猫~)
「美奈、知り合い?」
月島さんの部活仲間らしい女子生徒が、訪る。
「んん、前にね…」
女子生徒は此方に顔を向けると、指を突き出し大きな声で…
「応援ありがとうね~」
私は、赤面した。
「楓ちゃん月島さんとは、知り合いなの」
続きを…プリーズ
>> 43
結果的にではあるが、上手く美奈さんの注意を引けた。
アスターが悔しそうに唇を尖らせている。
『フッ』
私はアスターに、勝ち誇ったような視線を送った。
そして、すぐにその見下した表情を破棄し、健太さんを振り返った。
「はい、道を教えていただいたんです。健太さんと初めて会った日に」
「へぇ、あの時」
健太さんの明るい声に、私は頷く。
(よし、このまま美奈さんの話を――)
「そうだ、靴!」
思い出したように言う健太さんが、私の目論みをぶち壊す。
裸足だった話をされるのかと思い、過剰反応が赤面を引き起こした。
「あ、あれは手違いと言うか事故と言うか……」
しかし、予想に反して、健太さんは少し照れたようにほほ笑んだ。
「そうじゃなくて。履いてくれてるよね、あの靴。ありがとう」
「へ?」
拍子抜けというには嬉しすぎる。
(ありがとうはこっちの台詞……)
だが、私はまだ知らない。
アスターが腕を組み、私の赤い顔を見つめていたこと。
持ち前の鋭い洞察力で、私の中の“ただならぬ感情”に気付いていたことを――。
お願いしまっ👿
「あっ、そろそろバレーの練習が終わるみたいだ。
月島さんとは友達なんだよね?
今から会いに行く?」
「あっ……はい!」
私は健太さんについて、一階にのびる階段へと向かった。
去り際、一瞬アスターが視界に入ったが、彼が私と目を合わせることは無かった。彼は腕を組んでジッと、月島さん達を見ていた。
「お疲れ!」
月島さんは部活の友人達と別れた後、私と健太さんの方にやって来た。
「お疲れ様。
ごめんね、急に呼び出したりしちゃって」
健太さんはあの優しい笑顔を月島さんに向けた。私にはソレが何よりも苦痛だった。
誰にでも優しいんだ……
私だけにじゃ……
無いんだね。
「えっ……あっ……いえ……」
月島さんは思わずボーっとしてしまったようだ。確かに彼のあの優しい笑顔は反則的だ。
それは誰より、私が一番よく知っている。
「あの、お二人は……その……お友達なんですか?」
月島さんが少し遠慮がちに尋ねてきた。
「うん。そうだよ」
『友達』と言う単語で、私と健太さんの関係はまとめられてしまった。そうなのか、私達は
『友達』なんだ。
どんなにそばにいても、ただの
『友達』なんだ。
✏次の方につづく✏
>> 46
私は、アスターから目線を離し、2人と喫茶店に向かう事にした
月島さんと健太さんが楽しげに話してる、その後ろ姿を見つめながら私は2人の後をついて行く
(…)
後ろではアスターの視線を感じた
‐カラン‐
初めて彼に連れて来て貰ったあの喫茶店…
月島さんは、嬉しそうに目を輝かしてる
「素敵な喫茶店ね」
「気にってくれた見たいだね、良かった!」
私達はテーブルに座る、あの時とは違って健太さんの目の前には月島さんが座てる
「楓ちゃんは、何にする?」
健太さんの呼びかけに私は、適当に返事を返す
「わぁ~これ美味しそう!」
「え、どれ…」
近付く彼の顔を、赤らめに見つめる月島さんは、とっても可愛く見えた
私は、健太さんが好きだ。経った数回会っただけの人間の男の子
……健太さん
“ありがとう"大好き
赤い糸を結ぶ天使のはずなのに
健太さんを好きになって私は恋を知ったよ、可笑しいよね?
初めて感じたこの思いは、幸せだと……感じさせてくれる
楠木 健太は、何時もと違う彼女を不思議に思い顔をふっと見上げた、和らげで切なく微笑む瞳が彼に向けられる
彼の胸に、心臓の音が鳴り響く
天使としての決断に、時の歯車は皮肉にも歪み始めた
>> 47
私は幽体離脱のごとく、人間の身体を少しだけ抜け出した。
抜け殻となった身体はボーっとしているが、構わない。
この仕事さえ終われば、後はどうなったっていいのだから。
私は意識を研ぎ澄まし、向かい合う二人の小指から運命の赤い糸を導き出すことに集中した。
店内のざわめき、フロアを行き来するウェイトレスの足音、楽しげな健太さんと美奈さんの会話が、徐々にフェードアウトしていく。
景色は霞み、漠然とした時空の流れと、二人の人間の存在だけが見えていた。
健太さんの小指を右手でちょんと突くと、繊細な赤い糸が、私の指先に従ってスルスルと引き出された。
次に、美奈さんの小指を左手で突く。
こうして二本の糸が私の前に現れる。
あとは、これをつなぐだけだ。
私は慎重に、両の人差し指を近づけていき、優しく指先を密着させた。
上手くいけば、二本の糸は一つに溶け合う――はずだった。
困ったことに、私が指を離すと、糸の端も一緒に離れてしまったのだ。
(あれ……失敗?)
深呼吸し、もう一度糸の先を押し合わせる。
ところが、糸はまるで繋がる気配がない。
私の心に焦りが出始めた。
遅くなりましたっ👿💨
(……おかしい……
なんで、どうして繋がらないの?)
何度試しても、赤い糸が繋がらない。おかしい。確かにリストには、この二人の名前が書いてあったはずなのに。
私はいよいよ焦り始めた。
突然、ガクンと体が揺れて、次の瞬間には私は元の体に戻っていた。焦った挙げ句、集中力が切れてしまったのが原因だった。美奈さんと健太さんが驚いた表情で私を見ている。
「楓ちゃん、大丈夫?」
「凄い汗ですよ?」
二人は同時に、私を心配してくれた。私は平然を装い、
『大丈夫』とだけ告げた。
美奈さんはハンカチを取り出して、私の汗を拭いてくれた。
健太さんも、背中をさすって呼吸を落ち着かせてくれた。
私は二人の好意に甘える一方で、なんだかひどく申し訳ないと言う気持ちに襲われた。泣きそうになったが、必死で涙をこらえた。
「……ごめんなさい。
ちょっと顔を洗ってきます」
そう言って席を立つと、私は早足でトイレに駆け込んだ。
個室トイレに籠もって鍵を掛けると、私は声を殺して泣いた。
何故私は泣いているのか、自分でもよく分からなかった。
そんなこんなで、美奈さんが心配してトイレに入ってくるまで、私は一人で泣いていた。
>> 49
二人でトイレから戻り、健太さんに謝った。
「心配かけてごめんなさい。」
申し訳なくて、また泣きそうになるのをぐっと堪えた…
健太さんは妹をいたわるように
「大丈夫?」
と言ってくれた。
わたしに
美奈さんは椅子へ座るように言ってくれたけど…
いたたまれなかったから…
「わたし用事を思い出したので帰ります。」
用事なんて無いのだけれど…
急に言われて、驚いていたけど
「俺送ってあげるよ。」
「いいえ!大丈夫ですから。美奈さんすみません。今度ゆっくりお話しましょうね。」
健太さんも美奈さんも優しかった。
自分の不甲斐なさにまた泣きそうになるのをぐっと堪えて
「楓さん今度ゆっくりお話しましょう。楽しみにしてるね。」
と言ってくれた。
「じゃあ、またきます。失礼します」
お辞儀をして、笑顔で手をふり店を後にした。
外へ出ると、雨がシトシトと降り始めてきた…《わたしの心みたい…に》
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