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裏切りのこちら側

レス180 HIT数 37652 あ+ あ-

にゃおん( kYyLh )
09/01/29 10:05(更新日時)

不倫する父親
精神崩壊していく母親
浮気する兄
浮気する義理姉


そして私は…。
家庭という小さい世界は崩壊していく。
ノンフィクションかフィクションか?

No.1158298 08/07/13 21:00(スレ作成日時)

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No.1 08/07/13 21:30
にゃおん ( kYyLh )

泣いている。
母親が泣いている。

何故?
父親の車の中から
女と一緒に写っている写真とコンドームがでてきたからだ。
父は認めた。
あたしが15歳からの付き合いらしい。
今、あたしは19歳。
浮気ではない。
不倫だ。
『るい…お父さんが…』
あたしに泣きつかないで。崩れないで。
女にならないで。
強い母親の姿をみせて。
あたしは泣かない。

No.2 08/07/13 21:39
にゃおん ( kYyLh )

父の相手。
最悪だ。
あたしの中学の先輩の母親。
学校の役員同士。
もちろん母親も顔見知り。疑わしい事は何回もあった。
パチンコと言っている割にはタバコの臭いもせず、
女の臭い。
その時は発覚前だった。
でも、母は父のいない時にその時着ていたワイシャツを燃やした。
高校生の時はパチンコ屋に探しに行かされた事もある。
でも、まだ確信がなかった。
母は信じようとしていた。信じることで、
自分を保っていた。
あたしはどうでも良かった。

No.3 08/07/13 21:46
にゃおん ( kYyLh )

『別れる』
父が言った。
『別れられるの?』
ヒステリックに母は言う。母の妹夫婦も同席。
父は女に電話して何やら話している。
『今から別れてくる』
『るいもついていって見てきて』
泣き声で母はあたしに言う。
嫌だけど仕方ない。
兄は仕事でいない。
そして、あたしは父と一緒に女が待つ場所に向かった。
あたしはまだ19歳。
こんな役目をさせる母が嫌い。

No.4 08/07/13 21:58
にゃおん ( kYyLh )

女の車だ。
暗がりのあまり通りのない道に停まっていた。
少し離れた後方に車を停めた。
母はちゃんと別れるのか見てこいと言ったが、あたしは車の中に残り、
父だけで行った。
何かもめている。
長い時間が流れた。
父が帰ってきた。
『カッターだしてきて死ぬって言われた』
『マジ』
結構人事だ。
『だけど説得して別れてきた』
『そうなんだ』
嘘…別れてないでしょ。
これがあたしの本心。

No.5 08/07/13 22:15
にゃおん ( kYyLh )

無言のまま帰宅。
妹夫婦はまだいる。
母は泣き腫らした顔だ。
『どうだったの』
声にならないような声で母が聞く。
『別れた』
『本当なの…?るい?』
あたしに振るな…。
『車の中にいたけど別れたんじゃない』
母の顔色が安堵から不安な顔色に変わった。
そして、あたしを睨んだ。『なんでなんでちゃんと見てこなかったの?るいに行ってもらった意味がないじゃない』
泣いている。
泣きたいのはこっちだ。
母親ならあたしの気持ちも察しろ。
母の妹はあたしに目で合図する。
我慢しろって事らしい。
あたしはいったい何なんだ。
この人達は誰だ。
あたしが喚きたい。
でも、心を殺した。
『ごめん』
母に一言だけ言った。
疲れた。

No.6 08/07/13 22:27
にゃおん ( kYyLh )

リストカット。
母は死ねないくせに
剃刀を引いた。
あたしはおどろかなった。そんな態度のあたしが
母は気に入らない。
心配してほしくて、気を引きたくてリスカする。
疲れる。
兄もあたしと同じ。
冷たい態度だ。
あたしは兄と仲が良い。
それも母は気に入らないらしい。
自分はダンナに浮気された可哀相な女なんだから、
みんなが自分に気をつかわなければいけないんだ…と変な考えがあるらしい。
そんな事言われても
あたしも兄も困る。

No.7 08/07/13 22:37
にゃおん ( kYyLh )

こんな精神状態の中、
気晴らしになればと義理姉と母が出かけた。
最悪のタイミング。
相手の女と鉢合わせしたのだ。
気の強い母は近づいた。
『泥棒猫!!』
言ってしまった。
『何言っているんですか』女は白を通す。
殴った!
母は平手打ちをした。
醜い。
義理姉が制止させた。
義理姉には感謝の気持ちでいっぱいだ。
母は母親ではなく、
完全な女になった。
せめて、あたしや兄の前では禀としてくれよ。
あたしの中の家族は兄と義理姉だけになった。

No.8 08/07/13 22:44
にゃおん ( kYyLh )

女の母。
父とあたしの会話を違う部屋で聞いている。
あたしの笑い声が気に入らないと
ヒステリックになった。
娘の笑い声が気に入らない母親。
実の娘にそんなことを言える母。
ああ、この人は誰なんだとあたしは真面目に考えた。考えると心は暗くなった。だから、
心を捨てた。
楽だから。

No.9 08/07/13 22:51
にゃおん ( kYyLh )

二度目のリスカ。
また切った。
いい加減にしてくれ。
あたし達にどうしてほしいの?
『お母さんは被害者よ。可哀相ね。
でも頑張って』
とでも言ってほしいの?
言わないよ。
だってあなたは
あたしの母親じゃないから。

No.10 08/07/13 23:02
にゃおん ( kYyLh )

毎日毎日責められる父。

家事をあまりしなくなった母。
暗い顔。
病んでる心。
父は精神科に連れていきカウンセリングを受けさせた。
自分の不始末を医師に伝えた。
当たり前だ。
別れきれていないのに、よく話せたものだ。
医師に家族の事を聞かれると母は泣いた。
『息子は冷たく娘はドライすぎる』
『あたしに関心がない』
自分勝手な人。
あたし達の気持ちは
どうでもいいんだね。

No.11 08/07/13 23:10
にゃおん ( kYyLh )

父の携帯。
絶対誰にも触らせない。

あたしは父がお風呂に入っている隙にみた。

やっぱりね!
朝晩ご丁寧に同じ番号の履歴。
笑えた。
別れた。な~んて嘘じゃん。
母の精神状態を心配しているのは何で?
世間体?
本当に自殺されたら困るから?
偽りの家族。

No.12 08/07/13 23:30
にゃおん ( kYyLh )

『親父…今日仕事だよなぁ。』
兄が言う。
『だね』
『でもさぁ。俺見たよ。女もいたし』
『まぢ』
『まだ切れてないな、きっと』
兄に携帯の事を言った。
『また、お袋発狂だな』
疲れたように言った。
『あたし達が被害者だよね』
あたしも疲れたように返した。
こんなに崩壊寸前でも
女と別れられない理由は何だ?
何をお互い求めているんだ。
19歳のあたしには
理解不能だ。

No.13 08/07/14 00:08
にゃおん ( kYyLh )

変な手紙がきた。

定規で書いた文字。
内容は
もっと妻を大事にしろ
俺は影で奥さんをみている支援者的な事。

あたしも父も兄も
母の自作自演だと直ぐに解った。
何故なら
母は初めての相手が父。
それから今まで父の事しか見てきていない。
それは痛い程知っているから。
気持ちが追い詰められているのだろう。
何通かきて、父がいい加減やめてくれないかと母に言った。
母は
『知らない』
と言ったが
それから手紙は来なくなった。

No.14 08/07/14 00:20
にゃおん ( kYyLh )

精神状態は更に不安定に。
父は毎日仕事が終ると母に電話をしてきた。

会社を出て家に着くまでの時間が
少し遅くなると母の目が虚になる。
そして父は責められる。
その繰り返しだ。
『電話してもでない。何してるんだろう』
知るかそんなの…あたしは心で呟く。
『るいの携帯ならでるかも。ねえ、電話して』
鬼の形相。
嫌とは言えない空気。
仕方なくかけた。
出るなよと思いながら…。

No.15 08/07/14 00:35
にゃおん ( kYyLh )

『もしもし』
あ~あ、でちゃったよ。
『何で何で。あたしだとでないで、るいだとでるの』
また泣いている。
泣かれても困る。
そんな事言われても困る。このことは
あたしにも嫌な方向に向かった。
友達と家電で話てると
突然何も聞こえなくなった。
何?故障?と思ったら
電話のもとを抜かれたらしい。
あたしが電話しているのが気に入らなかったらしい。何故か涙がでた。
感情を捨てたつもりだったのに涙がでた。
とまらなかった。
あたしの存在は母の中では邪魔だったのだろう。
そして、あたしは自分の存在を全否定されたように思えた。
父親へ愛を求めすぎ、廻りの存在は邪魔なのだろう。
あたしは誰なんだ…?
あんたの最愛の娘じゃないのか?

No.16 08/07/14 00:46
にゃおん ( kYyLh )

父親に裏切られたのに
母は父を恨みきれない。

辛い気持ちをぶつける矛先。
それはあたしだった。
あたしは疲れた。
疲れすぎた。
二日間彼氏の家に避難した。
義理姉から電話。
『るいちゃん、お義母さんが捜索願い出すって言い始めているから帰って来て』
『ごめん帰るね』

あたしは家に帰った。
母は自分をぶつける相手を戻したかっただけだった。

No.17 08/07/14 00:57
にゃおん ( kYyLh )

ガンガン!ガンガン!
ガンガン!ガンガン!

凄い音がする。
何だよと思いながらキッチンへ。

狂ったように包丁で
キッチンのステンレスの部分を叩いている。
止めるのも面倒だ。
父を呼んだ。
父が止めさせた。
きっと母は自分の存在価値を示しているのだろう。
他に表現方法はないなかと思うが
話たくない。
リスカされるよりマシか!

No.18 08/07/14 01:51
にゃおん ( kYyLh )

みんなが疲れている。

あたしが仕事でいない時間、母と過ごす義理姉とその子供二人。
さらにうちには母の実母もいる。
義理姉もストレスが溜まりげっそりと痩せた。
兄は義理姉に感謝しつつ、話を聞いたり慰めたりやはりストレスだ。
あたしも同じような状況。
父に関しては何を考えているのかさっぱり解らない。父は仕事が終ると急いで帰ってくる。
しかし付き合いで飲みに行く時もある。
そんな時は大変だ。

きまって過呼吸になるのだ。
そしてきまってばあちゃんが大声で言う。
『るいちゃん、なみちゃん大変だよ!』
渋々行くあたし。
急いで行く義理姉。
行かないとばあちゃんが倒れそうだから。
あたし達が行くと、自作自演のような過呼吸は暫くすると終る。

みんな心底辛くなってきた。

No.19 08/07/14 02:11
にゃおん ( kYyLh )

逃げたい。
ここから。
多分みんなが思っている。兄の帰りが遅くなり始めた。
何か怪しい。
でも、少しほおっておこう。
見て見ない振り。
何故か自由にさせてあげたい。
お姉ごめん…と思いながら。
予感的中。
兄は罪悪感からかあたしに言ってきた。
『好きな女ができた』
げっ好きになっちゃってるんだ。あたしの感想。

No.20 08/07/14 08:12
にゃおん ( kYyLh )

『何処の誰?』
ためらいながら兄は口を開いた。
『ソープ嬢…』
あまり驚かないあたし。
この辺は少し車を走らせると風俗街に行ける。
以前行っていたことも知っている。
『どの位好きなん?』
『一緒に暮らしたいくらいかな』
『お姉は知ってるん?』
『いや、近いうちに言うつもり』
こんなやりとりが続いた。別に兄に嫌悪感はない。
それが兄の選んだ道なら良いのだろう。
熱が冷めて冷静になるかもしれない。
静観しておこう。
あたしの考えだ。
ただ母には知られたくない。
それだけ。

No.21 08/07/14 08:21
にゃおん ( kYyLh )

『好きな人がいる』
兄が義理姉に言う。
義理姉は黙っている。
『その人と一緒に暮らしたい』
沈黙の時間。
『生活費はいれて』
義理姉の答はこれだけ。


『なみに言ったんだ』
早いよ言うの…

『で?』
『生活費はいれてって』
『さすがお姉…』
義理姉は
肝が据わった人。
美人で気立ても良い。
多分、兄の性格を良く把握している。
長続きせずに
戻ってくると。

No.22 08/07/14 08:32
にゃおん ( kYyLh )

『るいちゃん、ソウタから聞いてる?』
義理姉が聞いてきた。
『うん、ごめん少しだけ』『浮気はムカつくけど、ソウタ多分戻ってくるよ』
『戻ってきたら許せるの?』

『あたしはお義母さんみたいに取り乱したくないからさぁ』
『だね』

ススッとスリッパの動く音。
あたし達はあさはかだった。
一番知られたくない人に知られた。

No.23 08/07/14 08:45
にゃおん ( kYyLh )

その日の夜。

仕事から帰って来てお風呂に入り
出かけようとする兄。
行き先は
決まっている。

庭にでた時、

『一緒に死のう』
包丁を持った母だ。

『何言ってるの?』

『あたしがこんなに苦しんでいるのに
何であんたはお父さんと同じ事をするのよ』

『なみちゃんが可哀相よ!!』

包丁を振り回す。
泣いている。

父が急いで止めにはいった。
『親子で同じ事して恥ずかしくないの』
泣きながら母は言う。

二人共無言だ。
そして、兄は行ってしまった。

No.24 08/07/14 08:53
にゃおん ( kYyLh )

母の精神状態は最悪になっている。

夜中まで
責め続けられる父。
いったいいつまで続くんだ。
そんな中、兄帰宅。

母は兄にも罵声を飛ばしたが、
無視していってしまった。
その行動が更に母を刺激した。

No.25 08/07/14 09:11
にゃおん ( kYyLh )

兄の友人が二人来た。

みんなで花火をすることになり、
兄、義理姉、姪二人、あたしの彼氏、友人で外にでた。
後方から足音がする。
母だ。

何か兄の友人達に罵声。

『いい加減にしろ、無視して』
と、兄。
なんでか兄が浮気しているのは
この友人達にそそのかされたからと
妄想していたらしい。

その場はしらけ
花火は中止。
姪が悲しげ。
あたしは姪と三人で手持ち花火だけした。

線香花火が寂しそうに
灯を落とした。

No.26 08/07/14 18:00
にゃおん ( kYyLh )

『るいちゃん』
姪の4歳の子がきた。
『どした』

『あのね、おばあちゃんたまに変な顔するの』
『恐いから遊ぶのイヤー』
『大丈夫だよ。おばあちゃんはおばあちゃんだから怖くないよ』

とは言ったものの、

孫にまで気づかれるとは母は重症だ。
母の心からの笑顔は
どんなだったのだろう。

あたしは思い出せない。

No.27 08/07/14 18:10
にゃおん ( kYyLh )

『なぁ、ヤクザに知り合いいる?』
兄だ。
唐突に何?
『いるよ~。すぐ動ける人?で、何で?』
『実は彼女にヤクザの男がいたんだ。俺の知り合いは金さえ払えば動いてくれるけど、あとが面倒なんだ』
『危なくなったら言ってよ。けどさぁ、お兄潮時でしょ』

『そうだな。俺は親父みたいに両方にいいかおできないしな』

父は何も失いたくないのだろう。
地位も名声も家も財産も。
ひとつ完全に消滅したのは
………絆………だ。

No.28 08/07/14 18:33
にゃおん ( kYyLh )

暫くして兄は女と切れた。
何事もなくすんだみたい。
女が兄を庇いただのお客だと言い張ったらしい。
多分、
女はソープをやめられないだろう。

お互い短い期間を真剣に愛しあったと思う。
自営業の兄は女の口座にこっそりお金を振り込んだ。それが違った愛の形と償いなのだろう。

No.29 08/07/14 20:02
にゃおん ( kYyLh )

兄と義理姉は普通の生活に戻った。
兄を受け入れた姉は凄いと思った。
少し違うのは義理姉が働きたいと言い出した事だ。

母と祖母と過ごす日中が辛いというのが理由だ。

二人の姪は保育園に入れる。
母は大反対した。
だか、姉の意志は固かった。
そして、働き先も見付かり義理姉は外の世界にでた。

No.30 08/07/14 20:09
にゃおん ( kYyLh )

義理姉のいない日中。

母は姉にきた封書の手紙を開けて読んだり、兄や父のように怪しい行動はないかチェックしていた。

母は誰の事も信じてはいないようだ。

手紙を見ても悪びれた様子もなく、
開封した封書を姉に渡す。
夫の裏切りで常識も消えてしまっているようだ。

あたしの中に母親像など
ない。

No.31 08/07/14 20:19
にゃおん ( kYyLh )

何故、そこまで父に執着しているんだろう。

今では父だけでなく、兄、義理姉、あたしの行動を全て知りたいらしい。

母からの電話は必ず最初の言葉は

『今、何処!』
電話に出るのが嫌になる。
父はあたし達の気持ちなどお構いなしだ。
『俺は俺でお母さんをケアしている』
偉そうに言うな。
誰のせいでこうなったと思っているんだ。
まだ、週一で会っているくせに…。

No.32 08/07/14 20:24
にゃおん ( kYyLh )

父の会社は平日固定休。

平日二日休みがあるのに
片方一日は会社に行くと出ていく。

そんなのは女に会っているとあたしたち兄弟は知っている。

兄の取引先の会社と父の会社がつながっているからだ。
父はばれていないと思っているが、
世間は狭い。
知らないのは母だけだ。

知られてはいけない。

No.33 08/07/14 23:00
にゃおん ( kYyLh )

賢明に嘘を塗り固めていく父。
会社が休みの日でも
『行ってきます』
と家を出て行き、いつもの時間に帰ってくる。
上手く立ち回っていると思っているのだろう。
滑稽だ。

いつかはばれるのに。
ばらすのは簡単。
でも、母がこれ以上病むのは困る。
あたし達に
被害がくるから。

No.34 08/07/14 23:58
にゃおん ( kYyLh )

父の帰りが一時間近く遅くなった。

母は何回も携帯にかける。
しかしドライブモードで父はでない。
母のイライラは頂点に達したのだろう。

がちゃがちゃ裁縫箱をさぐりだした。
タチバサミ。
今度は何?

肩より長い髪。
えっ?
自分でバサバサ切りはじめた。
そして
また泣く。
父が帰ってきた。
『なんで電話でないの?まだあの女と別れてないの?』
正解!
『道が混んでて』
嘘!
父は母の髪をキレイに切り心を落ち着かせた。

上辺の愛の夫婦。
この人達は幸せなのか?

No.35 08/07/15 01:14
まち ( 30代 ♀ b8eLh )

面白い

No.36 08/07/15 05:55
にゃおん ( kYyLh )

>> 35 ありがとうごさいます。
嬉しいです🎵

No.37 08/07/15 07:47
にゃおん ( kYyLh )

過呼吸!
いつもの如く
ばあちゃんに大声で呼ばれた。
面倒臭い。
正直な気持ち。
父は飲み会でいない。
義理姉が母の背中を摩り
呼吸を整えさせる。
どっちが娘かわからない。
ばあちゃんが泣いている。『どうしてこんなになっちゃったんだろ…』
ばあちゃんの呟きにも刃は飛んだ。
『あたしの…気持ちなんてわからない…くせに…』
『誰もわかって…くれない』
哀しい顔のばあちゃん。
困った顔の義理姉。
あたしはどんな顔をしているんだろう。
きっと
感情のない冷めた顔…。

No.38 08/07/15 08:02
にゃおん ( kYyLh )

ギスギスした家族。
母は
相変わらず笑顔が消えている。
そして酒の量が増えた。
父の帰りを待つ時間
飲まないといられないらしい。
ビールの空いた缶が何本も。
目は虚。
ろれつもおかしくなる。
『お父さん…遅い』
独り言。
そんな日が続いた。
そして父に
『俺が悪いのはわかっているがいい加減にしろ』
一喝!
『あたしなんてどうなってもいいの』
車の鍵を持ち外へ行った。今度は飲酒運転かよ!
『ほっとけ』
お前の責任だろ!

No.39 08/07/15 08:15
にゃおん ( kYyLh )

捜しに行こうとしない父。オロオロするばあちゃん。
『るいちゃん、お願いだから捜しに行って』
涙目のばあちゃん。
ばあちゃんの為にあたしは行く。
兄にも連絡した。
見つからない。
少しすると
母の妹から電話が。
『うちに来たから迎えにきてあげて』
『うん、ごめんね』
ばあちゃんに電話し安心させて、
あたしは呼吸を整えた。
何か息苦しい。
妹の家に着いたのは夜中の12時を廻っていた。
虚な目の母を連れて帰り寝かせた。
嫌になった。
あたしは気持ちを解放して泣いた。

No.40 08/07/15 08:26
にゃおん ( kYyLh )

母の酒はとまらない。
まるで、
キッチンドランカーだ。
『アル中になるぞ!』
兄に言われた。
『あたしは親だ!何だその言い方は!』
つかみ掛かる母。
壊れている。
力で敵うわけもなく
兄に座らせられた。
『あたしの事を馬鹿にして。お父さんもあの女も…お前達も…』
泣いている。
泣き顔は見飽きた。
あたしは小さい時
お母さんが大好きな子だった。
あの大好きなお母さんはいない。
この人のことをお母さんと呼びたくない。

No.41 08/07/15 16:34
にゃおん ( kYyLh )

『心のよりどころある?』義理姉に聞かれた。
『彼氏かなぁ、お姉は?』『あのね、内緒だよ。好きになってはいないけど安心していれる人がいるの…』
あたしは兄・義理姉それぞれと仲良しだ。
お互いが知らない事もあたしは知っているくらいだ。義兄弟というより親友のような関係。
母はとても気に入らないらしい。
『好きじゃないの?』
『好きなのはソウタ。これも浮気なのかなぁ』

『あたしはお姉の好きなように生きてほしい。けど、絶対に知られないで』

『わかっている…』

知られたら最後だ。
きっとまた包丁を持ち出すだろう。

No.42 08/07/15 16:42
にゃおん ( kYyLh )

『見られたかも』
義理姉が困った顔で言う。
『まぢ。で、誰に』
『ゆりこさん』
ゆりこさんとは母の数少ない友人だ。
『少し様子をみようよ』

『うん…』
不安な表情だ。
あたしは気の利いた言葉が見つからなかった。
けど、
守りたいと思った。
あたしんちの中の色んな事に我慢してきた義理姉を
守りたい…………。

No.43 08/07/15 16:59
にゃおん ( kYyLh )

遅かった。
ゆりこさんは既に母に電話していた。

『なみちゃん、昨日車に一緒に乗っていたのは誰なの。』

『何の事ですか?』
しらをきる。
『誰が言ってたの?』
横槍を入れるあたし。
『誰だっていいでしょ!』
怒りに満ち溢れている。

父も同じ部屋にいるのだか無言。
自分に矛先が向かないようにだろう。
ずるい大人だ。
義理姉は黙っている。
母の中で何かが切れたのだろう。
平手が飛んだ。
『ふざけんな!誰のせいで家が目茶苦茶になったんだよ!』
言ってやった!
あ~気分がいい。
『それとこれは別問題だ』ここで父が始めて口出ししてきた。
何言ってるんだ、この人。目茶苦茶にした張本人が。

No.44 08/07/15 17:17
にゃおん ( kYyLh )

『夫婦の事は二人で解決しろよ』
さらに気持ちいい!
『話をすり替えるな!親を馬鹿にするのか!』
父がエキサイトしてきた。話にならない。

『私が悪いんです。あの人は友達です。
軽率でした。すみません』
姉は大人だ。
あたしは感情を殺すことはできるけど
大人になれない。

義理姉が低姿勢で謝り続けその場は納まった。

あたしは納得できない。
自分は不倫していて、
姉を責めようとした父。

まだ別れてないくせに!
あたしに同じ血が流れている。
汚い。

No.45 08/07/15 17:39
にゃおん ( kYyLh )

腹が立つ!
あたしは再び父がお風呂に入っている隙に携帯をみた。

メール。
『話すだけじゃなくて早く逢いたい』
気持ち悪い。

『焼きおにぎりを作ったの。あなたに食べさせたい』勝手に食べさせろ。

『体調崩さないでね』
倒れろ。

父がお風呂からでてくる前に
女のアドレスをあたしの携帯に送った。
痕跡が残らないよいにして戻した。
いったい
いつまで続けるつもりなんだ。
そんなに愛があるならお互い離婚して一緒になれ。

勇気がないくせに…
陰でこそこそ…

馬鹿にしているのはお前だ!

No.46 08/07/15 17:59
にゃおん ( kYyLh )

父の携帯電話には
女の名前が
男性の名前になっていた。そんな事しても
中身みたらばれるのに。
電話は朝晩。
通勤中に。
メールも沢山あった。

でも、あたしは見た事を後悔した。
最低な行為。
凄く嫌な人間になっている事に気づいたから。

きっと
あたしの顔は嫌な女。

No.47 08/07/15 21:12
にゃおん ( kYyLh )

兄はまだお金を振込み続ける。
義理姉はたまに癒しの人に逢う。
何故かあたしは二人の事は許せる。
二人の事が人間的に大好きだからだ。

そして
二人は家庭では一切その匂いを持ち込まない。
両方知っているのはあたしだけ。
だからお互い知らない。

仲の良い夫婦だ。
そんなの偽りと批判する人間もいるかもしれないが、それも愛だ。

父は家庭に持ち込み過ぎた。
崩壊への穴を開け塞ごうとしない。
自分の妻さえ救えない男が他人の妻の支え。
笑える。
泣ける。
地に堕ちろ。
あたしに偉そうに話すな。あたしはどんどん嫌な奴に変わっていく。
助けて。

No.48 08/07/15 22:38
にゃおん ( kYyLh )

『嘘だと言うなら自分で奥さんに聞いて下さい!!』
何?

『じゃあ調べたら!』

まさか…。

『主人に近づけないで』

やっぱり。
母は受話器を置いた。
相手は女の旦那。

地元の人間。
あたしの中学の先輩の親。恥をさらしているだけだ。
母は父が終りにしていない事に気づいていたのだろう。

No.49 08/07/15 23:41
にゃおん ( kYyLh )

『私、今日向こうの旦那に電話したから…』
母が父に言う。

父の顔は紅潮していく。

『お前は…』
『仕方ないじゃない。あなたは別れたっていっても不安なの』
『あなたは私には見えない事が多過ぎる』
泣きながら訴える母。
『だからって向こうの家族に教える必要はないだろ』
『もう終ったんだ』
嘘のうわぬり。

母は言い返す気力を失い遠い目をしている。

あたしは父を蔑んだ目でみている。

父は誰の目もみない。

何処に向かえば終らせられるのだろう………。

No.50 08/07/16 00:10
にゃおん ( kYyLh )

電話が鳴った。
『はい』
『新井ですが。
娘さん?久しぶりだね。
お父さんいる?』

相手の旦那。
先輩のお父さん。

『お久しぶりです。
お待ち下さい』
ドキドキしている。
落ち着け…。
『新井さんから』
父にぶつけるように言った。顔色が曇った。
『お電話かわりました』
会社か?
『いや~お久しぶりです』何言ってんだ?
『妻がご迷惑かけちゃって。すみませんでしたね』
お前だろ!
迷惑かけているのは。
『妻は今軽いうつ病でして少し被害妄想気味なんですよ』
わっと母が泣きだした。
『新井さんの奥さんと役員やったからって理由みたいで』
事実だろ!
『本当にすみませんね。妻には誤解だと言ってるんですがね』
ここまでくると役者だ。
何回か謝り電話を切った父。
『もう、かけるなよ』
逆切れか!
こんな家でたい。
愛のある場所に行きたい。あたしの今の願いだ…。

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