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流れるは水と涙※短編ソフトBL

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刀将・光悦( ♂ C1aL )
08/03/13 13:14(更新日時)

こんにちは
二作目の光悦です。

今回も男の子が主人公。
しかし今作は好きになる相手は男の子。

BLと言っても、綺麗な感じで男性でも読めると思います。

どうぞ、感想評価あればよろしく。

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No.1157781 08/03/12 13:43(スレ作成日時)

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No.2 08/03/13 13:03
刀将・光悦 ( C1aL )


思いをつづった手紙を書いた…

よし、、書き終わりっと…

最後に…
「by石川 奏田」
その手紙を右手に持って、深呼吸しながら今までのことを思い出していた…

~夕暮れのプール~

夕日に鮮やかに染まる学校のプール
ここは、青島学園高等部。
別に島ではないんだけど、校舎から海の見え、自然に恵まれた地に建つ私立校だ。
共学で、レベルは低くは無いけど特に学業より部活が盛んな高校なんだ。
僕は2年の石川 奏田。
男子水泳部で準レギュラー
まだ大会経験は少ないけど、少しは先輩に認められてきている。
最近は部活が楽しくって仕方が無い♪

「おーい奏田!もうプール閉めるぞ~!」 
一人最後まで泳いでいた僕に、先輩の一人が声を掛ける。
「はーい!今いきまぁす!」
この学校では男女部員は居るけど、プール自体が別々になっていて、更衣室も双方に1つて、ほんと部活動にはお金をかけてるって感じ。
ザバッと水を上がってプールサイドに立つ
あー…水面がキラキラ夕日で綺麗だなァ…
「遅い遅い!」
先輩がイライラした様子で足を踏み鳴らす。
「あ、ごめんなさぁい!」
イライラっていっても、元々仲が良い先輩で、本当に怒ったりはしない。

No.3 08/03/13 13:05
刀将・光悦 ( C1aL )


いっつも仲間感覚でふざけあってたりして、他の先輩達と仲良く慣れたのも、水泳部に1年で入りたての頃この先輩が最初に僕に冗談とか言ってきてそっからだし。
それにこの先輩クロールでは地区で優勝するほどの力があって、そういった意味でも僕の人としての目標であり、憧れだった。

僕は笑いながら頭を下げて更衣室に駆け込む。
扉をバタンとしめて、既に着替え終わって制服シャツの先輩が更衣室の内側からプール側に鍵をする。

「ほらほら!もたもたシャワーしてんじゃねぇよ!今日は彼女とデェトなんだからぁ!」
そうそう。
この先輩、皆には内緒にしているがルックスもいいし女子水泳部からももちろんモテていて、女子水泳部のキャプテンとデキている。
たまたま今みたいに二人のときに教えてくれたんだぁ。

急げー!とばかりにシャワー室から出てきた僕の水泳パンツをぐいっと下げてくる。
「ちょ!自分でできますからぁ!」
っと、!!

変な攻防の間に足を滑らせる。
「…痛ぁ…」
ちょうどマットの敷いていないコンクリートの床にしりもちをつく。
ん……
「痛…目が…」
ほこりでも入ったのだろうか、目にいきなりズキンと激痛。

No.4 08/03/13 13:09
刀将・光悦 ( C1aL )


「だ、大丈夫か?」
心配そうに僕の右目を覗き込む先輩。

そこに
ガラっ!
「ねーぇ!夏彦まだぁ?」
その先輩の彼女が外から更衣室のドアを開けて入ってくる。
「…って!ちょっと!」

その彼女の目に入ってきたものは…
水泳パンツの半分ずれた僕に覆いかぶさるように顔を近づけている先輩…

ほんと、漫画みたいなタイミングだったよね…
もちろん、僕も先輩も否定否定否定
って、まぁ普通に彼女が居る先輩に本気で心配する彼女さんなわけもなく、笑いながら二人で僕の着替えを待つ。
「ごめんなさぁい。遅くなって…目ももう大丈夫です。洗ってきました。」
二人に謝るようにしてカバンを手に持ってその場を後にした。

  …でも

  …本当は…

  …分かっちゃったんだ…

  …僕は…


あの時、、先輩の顔が迫ってきたとき、目の痛みなんかより、、
胸が…「ドキン…」って…

一瞬なのに、すっごく長くてすっごく胸が痛くて

 …コノママ、ウバワレテモイイッテ…

ずっと、僕はノーマルだと思ってた。
彼女は居なかったけど、クラスメイトや部活のときとかも女子の話をしたり、普通にあの子かわいいな~なんて思ったりしてた。

No.5 08/03/13 13:11
刀将・光悦 ( C1aL )


でも、わかっちゃったんだ。

  …ボクハ、センパイガスキナンダ…

タイムが上がれば、ほめてくれる先輩が…
いつも、遅くまで居れば一緒に残ってくれる先輩が…

あの笑顔が…
あの声が…

そうやって、何も言えず、何日も何日も過ぎて、、
家に帰っては先輩を思い浮かべて。

あの日のコトを思い出して…

「夏彦先輩…」

僕は机に向かった。
便箋を一枚ちぎってペンを走らせた。

口には出せない想いを沢山沢山…
いえない言葉を沢山沢山…
出来ないことを沢山沢山…

書き綴った。

終始先輩を想って…

そしてまとめて手紙にする。

書きあがった手紙を宛名の無い封筒に入れて机にしまう。
いつの間にかコレが僕の日課になっていた。

そして…

それをやり遂げた瞬間…

熱いものが頬をこぼれる。

「先輩…」
幸せそうな先輩の笑顔の先には彼女が居る。
僕だけが知っている。
先輩と彼女の関係。

真面目にお互いのことを考えていたり、
二人で居て、楽しかったことやその報告をするいつもより笑顔の先輩。
ノロケを言って照れ笑いをする先輩。
時には悩みごとを聞いたこともあった。

どうあがいても
手が届かない先輩。

No.6 08/03/13 13:14
刀将・光悦 ( C1aL )

⑤【完結】
いくら僕が頑張っても
いくら一緒に居ても
どんな面白いときでも
どんな嬉しいときでも…

僕に向ける笑顔は…
本当に僕が欲しい笑顔じゃないんだ。

どんなに想っていても
先輩が、僕を恋愛対象にするわけは無いんだ。。。

そうやって…また今夜も夜が更けていく…

また明日も…先輩に会える嬉しさと
僕だけが抱える邪な心への罪悪感と
決して手の届かない悲しみにつつまれて…

夢に落ちていく

また…夢に堕ちていく…

〓〓〓〓〓〓〓〓

予定より暗くなってしまった…

って、何気にBL好きの光悦でした。(笑)

お目汚しごめんなさい💧

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