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雪の精霊と、檜の芽

No.2 22/02/15 18:07
小説好きさん0
あ+あ-

1 雪の精霊、名前を貰う

じーー
絹糸のような雪の肌、華奢な体、なによりも際立っている白髪青眼の髪、顔立ち。
「やっぱお前、雪の精霊だろ」
「違う、よ?」
辿々しいながらも即答する少女は、本当のことを言っているように見える。
いやいやいや、昔見た絵本の雪の精霊と瓜二つだし、何よりも…
「じゃあ、なんで名前ねぇんだよ」
そう問うと、少女は、困ったように首を傾げるだけで何も言わなかった。
「はっ、それが雪の精霊、つう決定的な証拠だろ」
 うちの邑では、道端の野良猫でさえも名前を付ける。
それが、邑の三つの中の掟の一つであったから。
たまに、同じ野良猫に違う名前を付けていて、喧嘩したこともあったが、結局はそいつと俺が考えた「タマ」と「マル」を合わせて「タマル」になった。とかいうくだらない思い出もある。そんな掟の一つを思い浮かべながらまたも少女に話しかける。
「この邑ではな、一匹の羽虫でさえ、名前をつけなきゃいけない、つー掟があるんだよ。名前を持たない者は、自分の名前さえ理解できなくなっている禍者だけだ。そして、この邑で唯一の生き残りの禍者と言ったら雪の精霊しかいねえ。お前は、雪の精霊。そして、この邑の害悪、禍者なんだよ」
そっか、とでもいうように少女が、視線を落とす。
我ながら、酷いもんだ。そう思ってはいても、俺が少女に救いを差し伸べることはない。
むしろ、この森では少女の方が知識豊富だ。俺のほうが助けてもらいたい。と思いながらも、苦虫を噛み潰したように嫌味を込めて少女を睨む。
少女の救いとは、人に触れる事だろう。そう分かっていたとしてもわからないふりをしておく、それがこの少女と付き合っていく上での最善策だ。

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