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地獄に咲く花 ~The road to OMEGA~

No.441 12/02/22 23:59
鬼澤ARIS ( 20代 ♀ yhoUh )
あ+あ-

「それよりさ、どんな感じなの?ルチア博士の研究室って。私入ったことないんだよね。」
「大体入ってすぐある部屋はここと同じような感じだと思う。でもそこは通りかかるだけで、いつももっと奥の部屋に帰るんだよ。」
「へえ、そこで寝たりしてるの?」
「うん。」
「もしかして、毎晩ルチア博士が一緒に添い寝してくれるとか?」

私は面白半分になって聞いてみる。でもその後、ルチアの表情はどこか暗くなったような気がした。その瞬間私ははっとしたけど、もう遅い。


「夜は…1人で寝てる。」


いけないことを聞いてしまった。
と即座に後悔する。

けど――


「ぁ…そっか。1人だと寂しい、よね。」
「?、寂しくはないよ。」
「え?」


返ってきたのは意外な返答だった。


「えと…博士ってルチアのお母さんみたいなものじゃないの?一緒じゃないと不安にならない?」
「ううん。そんなこと、ないよ。」

ルチアはやんわりと否定した。

「でも。私と初めて会ったときだって、あんなに博士の背中にぴったりくっついてたじゃない。」
「あれは…部屋の外に出たのが初めてだったからちょっと怖かっただけ。」
「…じゃあ、博士が言ってた『ルチアが1人の時寂しがってる』っていうのは違ったの?」

私が怪訝そうに聞くと、ルチアはただにこりと笑った。

「うん。違ったの。でもね、私が友達を作りたかったっていうのは本当よ。」
「それって、どうして?」

そして彼女はカップの水にもう1度口をつけた後、こう言った。


「どっちかというとね、少し離れたかったから。――元のルチアから。」

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