キズナ ……その後
期待に応えることが出来るか分かりませんが……💦
【その後】を書いていこうと思います😊
もし宜しければお付き合い下さい✨
(この小説から見て下さる方へ
【キズナ】の続編になっています。宜しければそちらからご覧下さい✨)
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キレイな青空が広がる穏やかな日……
『莉緒……綺麗だ……。』
優也の声がした。
振り返ってニッコリと微笑む。
優也も幸せそうに微笑んでいる。
……
………優也との生活が始まって1ヶ月が過ぎた頃だった。
悪阻もピークを過ぎ、精神的にも身体的にも少しユトリができ始めた頃、優也が言った。
『莉緒、結婚式を挙げよう!親戚だけを集めた小さい式でいいから。莉緒、お嫁さんになるの夢だっただろ。』
と言ってきた。
優也の思いがけない提案に凄く驚いて
「えっ……いいの?
お金掛かっちゃうし……
それに私、体調悪い日は本当に動けないから、準備とかスムーズにできるか分からないよ……。」
と返事をすると
優也は
『莉緒に綺麗なドレスを着せてあげられるくらいの貯蓄はあるよ。
準備は俺が率先してやるから』
とニコニコしながら私の頭を撫でた。
優也は私と結婚出来た事が本当に嬉しかった様子で
“莉緒の居てくれる生活は本当に幸せだ。”
と毎日のように言っていた。
……私は優也の提案に
「ありがとう。」
と頭を下げた。
花嫁になる事は私の夢であったが
それ以上にお母さんに花嫁姿を見せてあげたかった。
私を一生懸命、育ててくれたお母さんに花嫁姿を見せる事が出来る。
そう思うだけで心が弾んだ。
優也は
『莉緒のお腹が目立つ前に早めに挙げなきゃな。』
と言い、嬉しそうに結婚情報誌を買ってきて週末にはそこに行こう。と言ってきた。
最近は“できちゃった結婚”に備えたプランもたくさんあり、私たちはすぐに日取りを決め、両家に報告をした。
お母さんは本当に嬉しそうに
『良かったわね。楽しみだわ~。』
と喜んでいた。
お母さんの笑顔を見て良い挙式にしようと心から思った。
“その日”はあっという間に訪れた。
少しでも良い式にしたくて、お互いの意見がぶつかり合いたくさん言い合いもしたが
最後にはいつも優也は
『莉緒の為の式だもんな。』
と譲ってくれた。
そして“その日”を迎え、優也は言った。
『莉緒……綺麗だ……』
と。
私も振り返って微笑む。
「優也、私すごく幸せだよ。ありがとう。」
その言葉に優也は本当に満足そうに笑って言った。
『俺の嫁さんになるんだから幸せで当たり前だろ。』と。
思わず吹き出しそうになる。
優也の後ろにはお母さんがポロポロと涙を流しながら私を見ている。
そんなお母さんの顔を見て、私は泣き笑いをしながら優也が差し出す手を握った。
係りの人がそろそろです。と声を掛けてきた。
『いこっか。』
二人で見つめ合い…
みんなが待つ教会へと歩き出した。
教会の扉が開き…
優也が先に入って行った。
私はお母さんと並び、お母さんの手を握って呟くように言った。
「お母さん…今まで大事に育ててくれてありがとうね。」
涙が溢れて仕方ない……。
お母さんも泣きながら
『莉緒…。幸せになるんだよ……。絶対に幸せになるんだよ。』
と言った。それ以上の言葉は見つからない様子だった。
そしてお母さんと二人、バージンロードを歩き出した。
バージンロードを歩きお母さんは優也に深々と頭を下げた。
優也も応えるように頭を下げ
神への誓いが始まった。
指輪を交換し
口づけを交わす……
優也の真剣な目差しに
“絶対に幸せになろう。”
と心に決めた。
お兄ちゃんとは式中、一度も目を合わせなかった。
あの日の事はもう忘れなければ……
私は幸せになる。
優也と赤ちゃんと幸せになる。
神さまへそう誓った。
そんな私の思いが届いたからか……
挙式後に行った検診で
『発達が遅くて少し心配してたけど、大丈夫そうだね。』
と先生に言われた。
嬉しくて嬉しくて…
モニターに映るエコー画像を食い入るように見て、涙ぐんでしまった。
続けて先生が
『性別…知りたい?』
と言ってきた。
「もうわかるんですか?」
と声が弾む。
先生は
『ほらここを見て。女の子だよ。』
とモニターを指した。
“うそっ!女の子!!”
嬉しくて嬉しくて思わず顔がにやけてしまう。
先生に
『希望してた性別だったのかな。』
と微笑まれた。
大きく頷いてニッコリ笑った。
“早く優也に報告したい。優也も喜ぶだろうな……”
優也の帰宅が待ち遠しかった。
少し驚かせたくて
【大事な話があります。】
とメールで送った。
そのメールをみて優也は仕事からとんで帰ってきた。
『ただいま。莉緒どうした??今日の検診で何か言われたの?』
明らかに心配してる様子で私の顔を覗き込む。
「優也~女の子だって~!」
思わずギュ~ッと抱き付いた。
『なんだよ~心配しただろ。』
と優也は私を抱き締めながら頭を撫でた。
『女の子かぁ。可愛いだろうなぁ~。』
優也も私もニコニコしながら幸せを噛み締めた。
たくさんの人に祝福されての結婚式…そして赤ちゃんの成長…優也との生活。
全てがうまくいっていた。
幸せ過ぎて恐いくらいだった。
一括ですみません🙏
レスして下さってありがとうございます✨
分かると言って頂いてホッとしました😊
今日は少し忙しく、更新が遅くなるかも知れませんが必ず1日1回は更新しようと思っていますのでお待ち下さい✨☺
女の子なのが相当嬉しかったのか
その日から優也は毎日のようにお腹に手を当て話し掛けるようになった。
『姫~パパだよ。わかるー?』
『姫~無事に産まれてくるんだよー。』
『パパ、姫に会えるの楽しみにしてるからね。』
……そんな優也の姿をみて思わず笑う。
「優也~なんで勝手に姫って呼んでるのー??」
『いけないか??』
優也も照れ臭そうに笑う。
……二人でお姫さまの誕生を待ちわびた。
優也はたくさんの名付け本を買ってきて
“姫”への名前を真剣に悩んでいた。
『姫への初めての贈り物だから』
と言い
帰宅しては、私に名前の候補を上げ、画数を調べ……
本当に父親になる事に喜びを感じているようだった。
“姫”がお腹で大きくなるにつれて、私も母親としての自覚が徐々に芽生え…
二人で“姫”が誕生してからの話をたくさんした。
優也はよく
『“パパのお嫁さんになる~”って言って貰えるくらい姫を愛してあげるんだ。』
と言い
『でも1番は莉緒だからね。』
と私に愛を誓ってくれた。
いつもいつも幸せを感じていた。
臨月まであっという間だった。
優也はひたすら名前を考えていたが、なかなか決まらず
私に
「そんなに考え込むとますます決められなくなるよ~。」
と言われても
構わず毎晩のように悩んでいた。
そんな優也の姿が嬉しかった。
そして…いよいよ、“姫”に会える日がやってきた。
明け方の4時頃…
腰の鈍い痛みに目が覚めた。
予定日まではまだ2週間あったが
その今までにない変な痛みに、直ぐに陣痛だと気付いた。
隣では優也がスヤスヤ眠っている。
“初産は10時間以上かかるって言うし、まだまだだよなぁ。”
と意外にも冷静な自分に少し驚いた。
優也を起こす事なく
ベッドの中で間隔をみながら過ごす。
不思議と産む事への恐怖心は無かった。
ようやく会える。
“優也に似て、無事に産まれてきてね”
と改めて祈った。
願いはそれだけだった。
2時間程、布団にくるまり睡魔と痛みを繰り返していたが、いよいよ、痛みが勝ち、うとうとする事すら出来なくなってきていた。
私の異変にようやく優也が気付き
ビックリした様子で起き上がった。
『莉緒、どうした?大丈夫か?』
痛みの中、笑顔で応える
「大丈夫、大丈夫!2時間くらい前から陣痛きてて今7分間隔かな。」
『陣痛!!』
と優也は驚いた声を出したが
「陣痛こないといつまでも産まれないって~」
と冷静な私を見て優也も落ち着き
『2時間も前から痛かったなら起こせよ~。1人で無理するなよ。』
と、手を握りお腹を撫でてくれた。
「優也、お腹撫でるより腰を擦ってくれると嬉しい。」
と言うと優也は
『わ、わかった。』
と困惑しながら私のお願い通り腰を擦ってくれた。
陣痛の合間には病院に連絡し、入院用に準備していた服などのバックを車に運び、
旦那として、お腹の子の父親として
懸命に動いてくれた。
とてもとても心強かった。
病院に着き陣痛室に入る。
私も優也も凄くリラックスしていた。
お昼過ぎには本格的な陣痛を迎え、赤ちゃんも順調に降りてきてくれていた。
『莉緒、頑張れな。』
優也の励ましに応える余裕はもうなかった。ただただ必死に痛みに耐えた。
陣痛もピークを迎え分娩室に入りいよいよ出産となった。
分娩台で45分の格闘の末……
元気な赤ちゃんの産声が聞こえた。
産まれたばかりの赤ちゃんを胸の上に置く。
涙が溢れて止まらなかった。
「ありがとう。やっと会えたね。」
言葉になっていたのか分からないが…赤ちゃんにお礼を言った。
優也も隣で号泣していた。
『可愛いなぁ…可愛いなぁ。』
と産まれたばかりの赤ちゃんにひたすら感動している。
そして私に
『莉緒が頑張ってくれたから俺パパになれたよ。ありがとう。』
と頭を下げた。
赤ちゃんを見ながら優也は言った。
『莉緒に似て透き通るような、ピンクの色白な肌だなぁ。
……あのさ…美桜(ミオ)ってどうかな。
桜のように美しくて満開に咲く人生を歩んで欲しいって思うんだけど……』
優也が悩んで悩んで決めてくれた名前。
「ありがとう。」
と微笑んだ。
『良かった~。莉緒(リオ)と読みも似てるし絶対にいい名前だと思ったんだ!』
と、得意気に笑う優也の顔は既にたくましいパパに見えた。
分娩室の外にはお母さんが駆け付けていて、初孫の誕生をとても喜んでいた。
美桜の誕生で家の中は益々にぎやかになった。
優也は本当に育児に協力的で、仕事から帰ってくるとお風呂に入れ、泣けばどんなに疲れていても抱っこし、おしめも積極的に替えてくれた。
美桜はよく泣く、とても手の掛かる子だったが、優也の協力で、スクスクと育っていった。
美桜の毎日の成長がとても楽しみだった。
美桜の寝顔を二人で見つめながら
「優也、本当にありがとうね。」
とお礼を言う。
優也も
『俺の方こそ。』
と、いつも優しかった。
美桜が成長し、徐々に顔がハッキリしていくにつれて
周りからは決まって
『ママにそっくりね~。』
と言われた。
一度だって“パパに似てるね”と言われた事が無かった……。
しかし優也は
『莉緒に似たら美人になるから良かったなぁ。』
と笑っていた。
そんな言葉を聞いて
内心では凄くホッとしている自分がいた。
優也が自分に似ていない事を疑問に思い、万が一何かで調べ全てが明白になったら……
何かが変わってしまうような気がした。
………いや………
大丈夫………
この子は優也の子だ…。
お兄ちゃんとは一線を引いていた。
美桜が産まれた時にお見舞いに来てくれたが
私は産後で体調がすぐれないと寝た振りをし、優也が対応してくれた。
今までと明らかに違う様子の私たちに
優也は“どうした?”と心配してくれたが
“前にちょっと言い合いしちゃって…”
と適当にごまかした。
優也も“兄妹の事だから詳しくは聞かないけど、早く仲直りしろよ。”
と言い、特に何かを疑うような様子は無かった。
私は今の幸せを守りたかった。
優也と美桜との生活はとてもとても幸せだった。
美桜が無事に1歳の誕生日を迎えヨチヨチ歩くようになった頃、優也から
『そろそろ二人目を考えようか。』
と言われた。
私たちはとても仲が良かったが、美桜が産まれ、育児に追われてしまい夫婦としての営みは一度もなかった。
「そうだね。美桜も一人っ子じゃ寂しいよね。」
と優也の意見に賛成した。
裸になり抱き合う。
優也の肌の温もりは久々だった
……まるで初めて身体を重ねた時のように恥ずかしくドキドキする。
優也を“父親”ではなく“男”としてみる。
優也も私を“母親”ではなく“女”としてみる。
凄く新鮮だった。
『莉緒は母親になって、ますます魅力的になったな。』
と、私を愛しながら優也は呟いた。
それからの私たちは、妊娠前のように幾度となく愛し合うようになった。
優也の温もりはとても安心できた。
…と同時に、またお腹に生命が宿るのを心待ちにした。
とても楽しみだった。
毎月、毎月、楽しみにその日を待ちわびた。
……が、なかなか妊娠する事が出来ない…。
もともと生理不順だから……と
私は基礎体温を付け、妊娠しやすい日には必ず優也と行為を持った。
それでも、なかなか妊娠する事はなく……
いつしか、愛のあるセックスから
子作りの為の義務的なセックスへと変わっていった。
優也はその“義務的なセックス”をとても嫌ったが……
それ以上に、私が、自分の体質のせいで……
と自分自身を責める事を嫌がり
『大丈夫だよ。赤ちゃん来てくれるよ。』
といつも励まし“子作り”に対して協力してくれた。
しかし……私にとっては、その優也の優しさが余計にプレッシャーに感じた。
少しずつ、溝が出来ているような気がした……。
自分たちではどうする事も出来ないもどかしさ……。
少しずつ積み重なるイライラから、美桜にきつくなっている自分がいた。
ちょうど美桜が
【イヤイヤ期】に入った頃だった。
何をしても
『イヤ』『イヤ』と言う。
どんな事にも反抗的な美桜の態度に
思わずイラッとして怒鳴ってしまった。
「美桜なんてもう知らないからね!!」
美桜の手を払いのけそっぽを向く。
美桜の泣き声が響いた……。
いつまでも大泣きする美桜に
「ウルサイ!!!」
と思わず怒鳴ってしまった。
その瞬間、優也が私の頬を叩いた。
『莉緒!!!』
そう怒鳴ると美桜を抱き別の部屋へと移っていった。
遠くから美桜の泣き声が聞こえてくる……。
涙が溢れて止まらなかった。
美桜に対する申し訳なさ……
どんなに頑張っても子供を授かれないもどかしさ……
常にイライラしている自分……
もう止めようと思った。
焦る必要はない……。
大きく大きく深呼吸をして
美桜と優也がいる部屋へと行った。
美桜は私の顔を見るなり両手を伸ばし
『ママ…ごめんちゃい……ごめんちゃい……』
と泣いた。
私も美桜を抱き締め
「ごめんね…ごめんね……」
とひたすら謝った。
そんな私たちを見て優也は美桜と私の頭を撫でながら
『仲直りできて偉いな。』
と笑った。
「美桜と同じ子供扱いだ…。」
と、泣きながら笑ってしまう。
そんな私に優也は頭を撫でながら言った。
『莉緒、一度、病院に行ってみようか。俺も一緒に行くから、二人で頑張ろう』
優也の言葉が嬉しかった。
美桜に思わず怒鳴ってしまった原因を優也は何も聞かなくても分かってくれていた。
妊婦としてではない産婦人科は妙に居心地が悪かった……。
周りは妊婦だらけで…
とても幸せそうにみえた。
美桜を抱き締めながら“まさか自分が不妊の相談にくる事になるなんて……”
とうつむいた。
そんな私に優也は『莉緒、大丈夫。』と肩をポンポンッと叩いた。
自分の待ち順までがひどく長く感じた。
ようやく呼ばれ先生と向かい合って座った。
先生が今の状況をいろいろと聞いてくれた。
私は
二人目を授かりたくて基礎体温をつけ、タイミングをはかっているがなかなか妊娠できず1年近く経った事
そのせいでストレスが溜まっている事を先生に告げた。
併せて持っていった基礎体温表も見せる。
先生は
『排卵はきちんとしているようだね。』
と見ながら言った。
待合室では優也が美桜を抱きながら私の診察が終わるのを待っていた。
先生は…少し考え込んだ後……
『ご主人も今日、一緒に来ているんだよね。』
と私に確認をした。
「はい……」
と答えると
先生は
『ご主人と変わってもらってもいいかな。』
と言った。
言われるままに優也の元へ行き、診察室に入るようにお願いした。
優也と先生がどんな話をしたかは分からないが…
戻ってきた優也は
『念のため俺も検査したいらしい』
とだけ言った。
ふに落ちない様子の優也に
「私の生理不順のせいでごめんね。」
と謝った。
先生からはまた1週間後に来るように言われた。
とてもとても長い1週間に感じた。
不妊の原因がわかるかもしれない……
結果は出来れば二人で聞きに来て欲しい。と言われていたので、優也と美桜も一緒に行った。
順番で呼ばれ中へ入る。
診察室で先生はとても言いにくそうに口を開いた。
『検査結果ですが……
旦那さんの数値が少し悪いようで……
』
“えっ……!?”
と思わず耳を疑う。
先生は続けた。
『……娘さんは奥さんの連れ子さんなのかな?』
私の腕に抱かれている美桜を見て先生は言った。
心臓がバクバクする……
一呼吸おいて
先生は続けた。
『……ご主人の精液の中に精子が確認出来ませんでした。
……無精子症です。
残念な事に……自然妊娠は限りなく0に近いです。』
あまりの衝撃的な事実に言葉が出なかった。
優也は
呆然とし、状況がよく理解出来ていない様子だった。
私もまた優也と同じ状態だった。
帰り道……
車の中ではお互いに無言のままだった……。
先生から
『精巣から精子を採取する事が出来れば人口受精と言う形で妊娠も可能かと思いますが……
検査も時間も、そして高額な費用も掛かりますので、お二人でよく話し合って下さい。』
と言われた。
話し合う……
そんな現状ではない。
私は思いがけずハッキリとした事実に愕然とした。
どうしよう……
どうしよう………
優也に何て言えばいいのだろう………。
家に着いてからも、私たちは無言のままだった。
私は自分からどう言葉を発すればいいのか分からなかった。
いつもと違う雰囲気の二人に美桜が何かを感じ
『マ~マ?』『パ~パ?』
と何度も顔を覗き込んだ。
無言で美桜を抱き締める。
優也は少しだけ美桜に微笑み、寝室へと入ってしまった。
美桜に心配を掛けさせる訳にはいかず……
私はいつも通りの母親を演じた。
……苦しかった。
………とてもとても
苦しかった……。
美桜に夕飯を食べさせお風呂に入れ寝かせ付けた後……
ようやく優也が部屋から出てきた。
『美桜に言い争う姿を見せたく無かったから。』
と優也は言った。
そして…冷静にユックリと聞いた。
『美桜は俺の子じゃないのか……??』
答える事が出来ない……
全てを失うのが恐かった。
しかし…冷静に優也は続ける。
『本当の事を話してくれ。』
涙が溢れて止まらない。
頭の中は真っ白だったが……
優也の怒鳴り声で我に返った。
『おい!莉緒!!ハッキリ言え!!!』
優也に怒鳴られたのは初めてだった。
私は
「優也を騙してるつもりはなかったの………。
優也の子だと信じたかった……
優也の子として産まれてきて欲しかった……」
と素直に話した。
優也が理解出来ない様子で聞く。
『俺と離れてる間に、俺以外の男と関係を持ったって事だよな……。どっちの子か分からなかったって事か。
その相手は自分の子かも知れない事を分かってるのか!!?』
今まで見たことのない、優也の表情……口調に
パニック状態になり
気付いたら口走っていた……。
「優也が自分の家に女の人を連れてきたあの日……
私は逃げ場を求めてお兄ちゃんを頼ったの………
そして関係を持ってしまった。
その後、妊娠が分かったの……。」
優也は唖然とした……
『それじゃあ、美桜の父親は龍なのか…………。』
優也の問いかけに……
頷く事が精一杯だった。
優也は
『マジか……お前ら兄妹だろ……なんでそんな事できるんだよ……』
と、放心状態に近い様子で呟いた。
そして最後にハッキリと
『俺には理解出来ない……。
龍の子である美桜を愛す事は出来ない。
ありえない。』
と言った。
積み上げられてきた幸せが崩れ落ちた瞬間だった……。
私は
「ごめんなさい…ごめんなさい……。」
と謝る事しか出来なかった。
優也は
『俺は今日、連れの家に行くから明日中に美桜つれて出ていってくれ』
と言った。
もうどうしていいのか分からなかった。
うつ向いている私に
『この状態がまだ理解仕切らない……
ただ………
美桜の顔を見るのはツライんだ……』
と言い
家を出てしまった。
足がガクガクと震えた。
幸せが遠退いて行くのが分かった。
優也への謝罪の気持ち……
お兄ちゃんの子だと分かった美桜に対しての罪悪感……
逃げ出したいくらいだった。
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