花は散っても花なのです
今までもこれからも忘れられるはずがない想いを抱えながら
生きていくしかないのです。
- 投稿制限
- スレ作成ユーザーのみ投稿可
「新しい人を見つけたら忘れられるのにね…」
どこかで聞いた言葉だけど僕の想いはいつ忘れることができるのですか?
一人の人と決めてその人に真剣に恋をして好きになって愛に変わって・・・
数年前に結婚して1年前には子供も生まれ
絵にかいたような平凡な暮らしを手に入れた僕は
日々すり減っていく自分の心を見て見ぬふりをし続けてきた。
それはこれからも変わらないし変える気もない。
僕には今一生をかけた人がいてその人との間には守りたい笑顔もある。
すべて大丈夫。
このまま・・・
このまま・・・
何もかも流れに沿って流れていけば問題ない。
僕は本当はわかっていたのだけれど
どうしようもないこの気持ちもすべて変えようのない事実だから
出来るだけこの気持ちと距離を置いてみないようにしていたのかもしれない。
「今までもこれからも忘れられるはずがない想いを抱えながら
生きていくしかないのです…」
彼女は笑った。
優しい笑顔だったので気づけなかったが
その笑顔は彼女の精一杯だったのかもしれない。
彼女とは小学校が同じで中学に入ると同じ部活で意気投合した。
彼女は真っ白な人だった。
ある日、部活のリーダー的女子に疎まれた彼女はのけ者にされ
周囲から無視されるようになった。
そのリーダー的な女子が僕にも彼女をのけ者にするように強要してきたのだけど
僕は空気も読まずに「そういうの違うと思う。」とそのリーダー的な女子に言い放ってしまった。
僕は昔から兄にいじめられ、中学に入ってから二年間はクラスメートにもいじめられていたので
人の痛みを知らないやつが許せなかった。
その日の帰り道、
部活のリーダー的女子に言った一言に対してなぜか彼女から感謝された。
その時の彼女のはにかみながらもまっすぐに見つめた視線は今でも忘れない。
僕たちは部活も卒部し、中学卒業を目前に受験という壁に向き合っていた。
僕はとにかく現状を変えたくて近くの高校は受験せず、
自転車で1時間かかる場所にある定時制の高校に通いながらバイトをしようと思っていた。
しかし何の因果か、
志望校には受からず、なぜか志望校の枠に記入していなかった地元の高校に
僕の受験番号があったのだ。
その年は地元の高校の受験者数がたまたま定員割れしていたらしく、
自治体のルールで遠くの高校を受験していてもレベル別に地元の高校に優先的に
割り振られるという措置が取られたのだ。
僕は定時制の志望校よりもかなり偏差値の高い地元の高校にたまたま割り振られたのだ。
不本意ではあったのだけれど周囲からは喜んでもらえた。
そして僕はこの高校に行くことになったのだけど
制服採寸のために高校に行ったときに僕が志望校ではなくこの学校に行くことが
ある種運命によって決まっていたのだと思わんばかりの理由を見つけてしまったのだ。
その高校には中学の部活で意気投合した彼女がいたのだ。
彼女とは小学生のころから何かと引き寄せられていたのかとその時はなぜか納得してしまった。
そう思うとなぜか意識してしまい急に恥ずかしくなってしまった僕は
できるだけ彼女に見つからないように視線をそらした。
しかし、すでに彼女には見つかっていたみたいだ。
大きな声で「〇〇も同じ高校だったんだ!」
僕は顔が熱くなった。
彼女はまっすぐな人だ。
彼女の笑顔は変わらずまぶしかった。
気が付けば彼女は僕の心の中にスッと入ってきて離れないのだ。
たった一言声をかけられただけなのに目を合わせると吸い込まれそうで、
何やら脳みそが沸騰して湯気が頭から出ているのではないかと思うくらいに
僕の体温が急騰しているのがわかった。
今思えばこの時すでに僕は彼女に「恋」をしていたのだ。
高校に通うのも本当は中学から始めた音楽で音大を目指すために必要だからであり
それ以外に高校に通う理由なんて考えもしなかったのだけど、
あの時彼女に再会を果たしてからというもの、
僕の中で神様が彼女に会うためにこの高校に通うように
差し向けたのではないかという言い現わしようのない根拠のない確信が生まれたのだ。
普段の僕は物静かであまり周りともかかわりたくないと思っており
比較的人を避けて生活をしていただけれど、
入学後半年がたとうとするころにはとうとう我慢できなくなり
僕はあふれ出た想いをそのまま彼女に伝えてしまった。
今までの関係性が壊れるんじゃないかとしり込みもした。
何度も彼女のいるクラスの前を行ったり来たりしては彼女にばったり遭遇しないか
そわそわしながらもドキドキする気持ちが心地よかった。
来る日も来る日も彼女のことで頭がいっぱいで授業なんて頭に入らなかった。
そんな僕が告白する日がくるなんて。
昼休みに彼女を渡り廊下に呼び出した。
「心臓が口から出そう」という表現があるがあれは正しいと思う。
鼓動がうるさくて頭が真っ白で
気が付いたら目の前の彼女が頬を赤らめながら嬉しそうに「うん」と
微笑んでくれたのだけは今でもはっきりと覚えている。
「この笑顔を守ろう」と心に誓った日のことだ。
失敗や間違いは取り返しがつかない結果を生む。
僕は高校で部活に入らなかったが
彼女は部活に入り週7で熱心に部活動をこなしていた。
「恥ずかしいからあんまり付き合ってるってばれたくないんだけど」
彼女ははにかみながら相談してくれたので
僕らだけの秘密にしようと二人で決め、
日々周りにばれないように配慮した。
会話もほとんど携帯でメールのやり取りだし、
廊下ですれ違っても目配せをするくらい。
彼女は部活に忙しかったため周りからは到底付き合っているという風には
見られなかった。
僕らはうまくやれていたはずだった。
彼女は学校から自転車で10分程度のところに住んでいたのだけれど
その貴重な10分を共有するために
僕は彼女の部活が終わるまで校内で時間をつぶし、
彼女と一緒に他愛もない話をしながら帰ったりした。
好きな本の話や趣味の話、共通の音楽の話や普段の学校の話など
どんな些細な話でもその時の僕らにはとても貴重で大切な時間だった。
たまに彼女の部活が休みの休日には二人で楽器屋に行ったり
ファミレスに行ったり普段できないデートをした。
僕たちは小学生の頃からお互いのことを知っているのに高校2年生にして
初めて手をつないだ。
彼女の手はか細く愛おしかった。
秋には彼女と紅葉のライトアップを見に行った。
彼女の嬉しそうな横顔ばかり見ていた気がする。
その日の帰り際、「また明日学校で!」!と言って
帰ろうとしたのだが感情の高ぶりを抑えきれず、
気づいたら彼女を抱きしめていた。
「あったかい」と優しくつぶやいた彼女のきれいな黒髪と
温かい吐息が僕の耳元に触れた。
空気は澄んでいて静まり返った住宅街に二人。
その日の夜空はとても星がきれいに見えた。
ある日彼女が飼っている犬の散歩を口実に夜に家から抜け出せる時間ができたため
僕は彼女に会いに自転車をこいだ。
僕は自転車を押しながら彼女は犬を連れ線路沿いを散歩した。
他愛もない話で盛り上がったが彼女を夜間に長く連れまわるわけにもいかず
僕は時計を気にした。
僕は家まで彼女を送ろうとしたのだけれど「親にばれちゃうからここでバイバイにしよ!」
と言われたので「夜間だから気を付けてね!」と!その場で別れた。
その時の彼女は笑顔で「また明日ね!」と手を振ってくれた。
その日を境に毎日やり取りしていた彼女とのメールが途絶えた…
小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
- レス新
- 人気
- スレ新
- レス少
- 閲覧専用のスレを見る
-
-
ゲゲゲの謎 二次創作12レス 95HIT 小説好きさん
-
私の煌めきに魅せられて15レス 139HIT 瑠璃姫
-
✴️子供革命記!✴️13レス 88HIT 読者さん
-
猫さんタヌキさんさくら祭り1レス 51HIT なかお (60代 ♂)
-
少女漫画あるあるの小説www0レス 72HIT 読者さん
-
神社仏閣珍道中・改
(続き) 死後の裁きといえばたいていの人が思い浮かべる方がおられ…(旅人さん0)
222レス 7515HIT 旅人さん -
猫さんタヌキさんさくら祭り
そこで、タヌキさんの太鼓よくたたけるよう、太鼓和尚さんのお住まいのお寺…(なかお)
1レス 51HIT なかお (60代 ♂) -
ゲゲゲの謎 二次創作
「幸せに暮らしてましたか」 彩羽の言葉に、わしは何も言い返せなか…(小説好きさん0)
12レス 95HIT 小説好きさん -
私の煌めきに魅せられて
もうちょっと、真剣に私の煌めきに魅せられて私を優しく包んでくれる人が居…(瑠璃姫)
15レス 139HIT 瑠璃姫 -
わたしとアノコ
なんかフツーに投稿したときよりも見られてるんですけど,,,? (…(小説好きさん0)
168レス 1927HIT 小説好きさん (10代 ♀)
-
-
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②4レス 109HIT 小説好きさん
-
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?11レス 124HIT 永遠の3歳
-
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令1レス 125HIT 小説家さん
-
閲覧専用
今を生きる意味78レス 509HIT 旅人さん
-
閲覧専用
黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて25レス 946HIT 匿名さん
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②
母鯨とともに… 北から南に旅をつづけながら… …(小説好きさん0)
4レス 109HIT 小説好きさん -
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?
皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 124HIT 永遠の3歳 -
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 125HIT 小説家さん -
閲覧専用
おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1391HIT 檄❗王道劇場です -
閲覧専用
今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 509HIT 旅人さん
-
閲覧専用
サブ掲示板
注目の話題
-
既婚者の人が同僚をホテルに誘う心理
はじめまして 先日、会社の飲み会の帰りに既婚者の先輩社員から遠回しにホテルに誘われました。 …
17レス 456HIT . -
🍀語りあかそうの里🍀1️⃣0️⃣
アザーズ🫡 ここは楽しくな〜んでも話せる「憩いの場所🍀」となっており〜ま〜す🤗 日頃の事…
402レス 3665HIT 理沙 (50代 女性 ) 名必 年性必 -
店員が水分補給してたら怒りますか?
サービス業で店員です。 水分補給というのは、もちろんお客様の前で堂々と飲むとかではなく、手の空いた…
20レス 515HIT 匿名さん -
これって脈ナシですかね…?
これって脈ナシですか? 私、23歳 公務員 男 お相手26歳 公務員 女 アプリで驚く…
12レス 355HIT 片思い中さん (20代 男性 ) -
友達ってなんだろう
友達に恋愛相談をしていました。 僕は人間関係が苦手な面があるので脈ナシで相手にされずなところがあり…
30レス 589HIT 匿名さん - もっと見る