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自由人
16/10/20 10:18(更新日時)

「明光大学...合格したって。私。」

母の顔がパアと明るくなるのが目に見えてわかった。すぐに電話を手に取り、祖母に合格の報告をしている。

2年間あんなにがんばったのに、こんな形で進路が決まってしまうなんて。

高校3年生3月中旬。
春と言えどまだまだ外は寒い。そろそろ桜が咲く頃だろう。
こんな気持ちで今年の桜を拝むとは思わなかった。

No.2389310 16/10/17 23:15(スレ作成日時)

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No.1 16/10/17 23:18
自由人0 

あなたの人生の挫折はどこですか?
成功した先も、失敗した先も人生は続きます。
続く人生の中で絶対自分という物を曲げてはいけません。



失敗し、絶望から自分を見失った私の大学生活についてのお話です。

No.2 16/10/17 23:27
自由人 

まだ建築されたばかりの綺麗な校舎。
紺のブレザーに赤のタータンチェックスカートの可愛い制服。
教室のドアを開ければ可愛い制服に身を包んだ女の子しかいない、花園。

私の出身高校はとある女子高だ。
100年以上の歴史を持ち「女性教育」を掲げたこの高校は校則にうるさく、制服を着崩すことは許されない。この前100年を記念し、建て直した校舎は「お嬢様学校」そのものだ。

高校受験の際に足を踏み入れて思った事は
「保育園みたい」だった。

No.3 16/10/17 23:32
自由人 

きっと利口な学校だったらそのようには思わなかったのかもしれない。

我が出身高校は県内でも5本指には入るであろう馬鹿校である。

県立高校に失敗した私はこの保育園に滑り込み、3年間を送ることになる。

No.4 16/10/17 23:41
自由人 

低偏差値の女子高とはどのようなものか想像つくだろうか?

勉強をすれば「暗い」「地味」と馬鹿にされる。
何事にも無気力な団体であり、クラスで何か一つのことに熱中することなんてない。
暇があれば人の悪口。
協調性も根性も勤勉さ優しさも何も持ち合わせていない奴らの集いだ。
卒業後もこんな奴らと同じ環境に身を置くことを考えると寒気がする。
ここで私は大学受験を決心する。

No.5 16/10/18 14:32
自由人5 

※これはフィクションです。

No.6 16/10/18 16:54
自由人 

底辺女子高は全く持って大学受験には向いていない。
歴史だけはあるので、指定校推薦というものには恵まれていたが、その当時の私はそんなものには頼りたくないと一般受験を決心していた。


保守的な方針であり、学力というよりも女性としての教育を掲げた古いあの学校には
女性も学歴が大切になってくる今の時代には適さなかった。

なので、自分の手で勉強していく必要があった。

No.7 16/10/19 13:08
自由人 

それから私のしたことを
簡単にいえば
「受験勉強がんばった」それだけの話である。

高校2年生からコツコツやっていた。
高校の授業のレベルはお察しであり、自ら参考書などで学んでいった。
これは今でも誇りである。

模試などでも難関大学合格のラインこそは遠くにあったが、そこそこの成績は残せていた。
しかし、現役では難関大学に合格するのは無理だろうと思い、浪人を覚悟していた。

もともと私には特技がない。だから肩書きが欲しかった。

No.8 16/10/19 13:16
自由人 

が、そんな覚悟は受験シーズンの過ぎ去った時期に簡単に打ちのめされた。

「麻奈美ちゃん、明光大学受けな」


バケツに溜まった水をバシャと頭から被ったような感覚に陥った。
たった18の私が思い描いていたのは所詮夢なのだ。ワガママなのだ。
浪人なんて認められない環境に育っていたことをすっかり忘れていた。
とんだおバカさんな私は簡単に人の進路を決める親戚の叔母さんに殺意にも似た感情を抱いた。
なんとも見当違いではあるが、底辺女子高からなんとか這い上がろうと日々のたうちまわった私の努力をこの人は知っているのだろうか。

No.9 16/10/19 13:25
自由人 

そんな感情を内に秘めていたが、直接伝えることはできない私は
「はい」と頷くことしかできなかった。


この叔母さんは私の親戚内でも力を持っていて彼女のいう事は絶対的であった。
そして、私の家自体は裕福な家ではなく
学費は私の祖父からでていたので、私が意見することなんて許されなかった。

何故明光大学が出たか。答えは簡単。
叔母さんに受験を命じられた日は2月の終わり頃であったが、まだ募集をしていたのが明光大学である。

学校名自体は無名なわけではないが、尊敬も置かない大学であった。
試験用紙を白紙で提出しようか色々考えたが、こんな大学に落ちたと親戚内で噂になることを考えると嫌になり、結局は真面目に受験し当然の如く合格をもらった。

その瞬間に目の前が暗転し何もかもやる気がなくなった。

No.10 16/10/19 15:59
ストーリーテラー10 

部屋とYシャツと麻奈美

No.11 16/10/20 10:04
自由人 

「ご心配をおかけしました....ええ、うちの麻奈美が無事に明光大学に....」

母が揚々と親戚に電話をかけている。
娘が浪人なんて母親の立場からすると気が気ではないはずである。そう考えると進路が決まったことに深い安心を抱くのは簡単に想像できる。
それにプレッシャーに弱い母は親戚や自身の親に何か言われていたのか、私が浪人すると宣言したときから精神的に不安定で
ヒステリックになることが多かった。
時には私の部屋にむかって
「おまえなんかに大学なんて無理だ」
と叫んでくる時もあった。



でも、でも。

私の頭の中ではあれだけ頑張ってきた2年間の努力が無駄になってしまったという後悔が押し寄せていた。

No.12 16/10/20 10:18
自由人 

今まで親にたいして反抗らしい反抗なんてしなかった。
だから、お願い。私の一生がかかっている。
これだけは....


「やっぱ砂川大学が諦められないよ。浪人させてください。」

特に砂川でなくても良かったはずだが、その時の私の口は確かに砂川と言った。
受験期、この大学の門をくぐることを目標にがんばってきた。私にとって希望であった。その想いが内気な私の背中を押した。


母の顔から色が抜けていく。
沈黙が流れる。
時計の秒針の音が響く。

「...少し待ちなさい」

蚊の鳴くような声で母が呟く。


「もしもし...ええ、麻奈美が...浪人したいと...どうしましょう。...まあもう頭が痛いです」

きっと電話の相手は叔母さんだ。
叔母さんに私を説得させる気なのは母の受答えからわかった。

「今から叔母さんくるから待ちなさい」

全ては金だ。うちの家に金さえあれば叔母さんが口を挟む事はなかった。

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