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saa( ♀ UOIVnb )
16/02/04 03:36(更新日時)

高校デビューと言葉を知ったのは高校生になってから。

わたし、彩(さや)高校1年15歳。
普通の女子高生。中学で特に良い思い出もなく、何かわたしを知らない世界が良いなぁという理由で、自宅から電車で一時間掛けて、私立の女子高に通っている。

志望動機が、電車通がしたいから(笑)

親はかなり呆れてはいたけど、3つ上の姉は自宅から10分の公立高校へ通っている。つまらなそうな通学路。わたしは嫌だ。

朝7時20分に家を出る。
チャリで駅へ。本気出せば8分で駅へ着く。
32分発の電車へ滑り込む。前から2両面、一番前のドア側。電車が走る、15分後、友達が乗り込んでくる。千恵(ちえ)。高校に入ってから仲良くなった。

No.2278810 15/11/28 18:06(スレ作成日時)

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No.101 15/12/27 21:12
saa ( ♀ 2qlWnb )

わたし「また何かあったら言って、相談には乗るから‼」


直君「ありがとー😉👍🎶。何か安心して話せる女の子って居ないんだよね。彩ちゃん居たら助かる🎵」


わたし「わたしが居て良かったね(笑)。」


直君「まあね。じゃあ、帰りますか?(笑)。」



わたし「そうだね。」


ファミレスの伝票をヒョイっと、直君が持ちお支払いをしてくれた。


わたし「わたしの分は払うよ‼」


直君「相談に乗ってくれたお礼(笑)。」


わたし「ごちそうさま❤」


二人でファミレスを出る。

まだまだ夕方は肌寒いかも。



それにしても、直君のモテて困るって本当に贅沢な悩みじゃない?(笑)。
男子高校生すべてを敵に回すよ(笑)。


ツンデレ王子、直君❗


この先どうなるかわたしは楽しみにしています(笑)。


直君「彩ちゃん、これからはLINEしようね(笑)。また連絡するから(笑)。」



直君はさっさと帰って行った。


No.102 15/12/28 02:48
saa ( ♀ 2qlWnb )

今日の出来事を裕君に話して良いのか悩んだ。別に直君からは、内緒にしてねとは言われて無いけど…まさか、わたしが裕君と繋がってるなんて思って無いだろうし( ̄^ ̄)


何となく内緒にした方が良いのかなぁ~と思い、裕君には直君の話は内緒にした‼


ただ、裕君とはあんまり会えないし、会えてもちょっとだけだし、何かずっとお預けされてる気分で、淋しくて、淋しくて。


今日のファミレスでの出来事を思い出した‼

直君との方が自然に話せたような気がした…。
一緒に居て楽チンで、意外にわたしの事を分かっていてくれてる?(笑)。


な~んて、そんな風に思っちゃいました(笑)。
気持ちだけ、ちょっと浮気したみたいな(笑)。




あっ、そうそう、直君のストーカーに電話しなきゃね(笑)。



~電話~

わたし「もしもし、彩だけど。今、電話大丈夫?」

☆高女子「もしもし、彩ちゃん‼この間はお疲れ様‼で、今日はどうしたの?」


わたし「わたしの従兄弟の件だけど…。」

☆高女子「直君?何、何だって?」


わたし「彼女が居るから、もう付きまとわないでって。」


☆高女子「やっぱり~彼女居るんだ。まあ、居ないわけないと思ってたけど。けど、彼女居ても良いんだ(笑)。アイドルを好きなのと同じ感覚だから(笑)。」


わたし「アイドルかぁ~(笑)。一応、追っかけは止めてあげてね。ツンデレだけど、意外に繊細だから(笑)。」


☆高女子「分かったよ(笑)。彩ちゃんが言って来るって事は、直君から迷惑だからってお願いされたんだもんね。彩ちゃんを困らせてごめんね🙏💦💦」


わたし「こっちこそ、こんなお願いして。」


☆高女子「けど、直君に伝えて。☆高校に直君のファンは沢山居るから、挨拶ぐらいは嫌がらずにしてね✨って(笑)。」


わたし「分かった、伝えてとくね(*^^*)」





早速、直君にメールした。

~メール~


わたし「さっきはごちそうさまでした✨で、早速友達に電話したからね‼分かってくれたけど、挨拶ぐらいはしてね🎵だって(笑)。」


直君「サンキュ‼」




期待していた内容と違って、かなりあっさりしたメールにちょっとしょんぼりしたなぁ~。

No.103 15/12/28 12:01
saa ( ♀ 2qlWnb )

また普通の1日が始まる。

朝、いつもの定位置に立ち知恵を待つ。


わたし「知恵、おはよう👋😃☀」

知恵「おはよう👋😆✨☀昨日はあれから、どーだったの?(笑)。」

わたしは知恵には内緒にせず全部話した。


知恵「マジで?(笑)。そんな年上と付き合ってるの?何それ、犯罪にならないの?(笑)。」

わたし「わたしもそう思ったけど、彼女は直君の本当の年知らないみたいでね(笑)。しかも、付き合ってるっていうか、ただ食事したり出掛けたりする人って言うんだよね…。」


知恵「えー、それだけなわけ無いじゃん(笑)。エッチしてるって(笑)。」


わたし「えっ?(笑)。やっぱりそうだよね…けど、未成年相手はやっぱり犯罪なのかな?」


わたしは犯罪とか言う前に、直君が年上の彼女と身体の関係があるなんて、想像したくない…。

あの綺麗な顔でキスしたりするんだろうか…。

わたしの頭の中は今、裕君の事を考える時間よりも直君の事を考える時間の方が長い。



知恵「そんなにカッコいいんだぁ~見てみたい(笑)。写メ無いの?(笑)。」


わたし「無いよ(笑)。いつか会えるかもね。」


知恵「あっ、会えるよ❗」


わたし「いつ?」


知恵「☆高の文化祭は5月終わり頃だよ。秋に体育祭。去年、友達に誘われて行ったから‼今年は共学になったし、楽しいんじゃない?(笑)。」



わたし「他校の文化祭なんて行った事無いよ(笑)。」

知恵「彼氏の行けば?(笑)。私はまあ、行けないけど。」


わたし「そうだよね、元カレ居るもんね…。けど、恥ずかしくて行けないよ(笑)。」

知恵「でも、他所の女が来てるんだよ(笑)。」



何か知恵にそう言われると複雑な気がするけど…やっぱり恥ずかしさが勝つよね。




No.104 15/12/28 13:17
saa ( ♀ 2qlWnb )

明日からGWが始まる。

けど、わたしには何の予定も無く…。
裕君は相変わらず勉強三昧。
メールはちゃんとしてくれてる、たまに電話も。今は我慢しなきゃね…頑張って自分に言い聞かせる。


真希ちゃんから誘われて、わたしと知恵は3人で学校帰りにカラオケへ行った。

真希「知恵ちゃんは上手くいってる?勇樹だっけ?」

知恵「上手くいってるも何も、ただのメル友(笑)。」

真希「会ったりするわけじゃないの?」

知恵「だって、付き合ったりしたいわけじゃないから。」

真希「みんなで遊ぶとかは?」

知恵「う~ん、あんまり会いたく無いかもな(笑)。」



わたしは、心の中で知恵を褒めていた(笑)。真希ちゃんは、何とか知恵と勇樹をくっ付けたいという魂胆が見え見え!


真希「そうなんだ。でも、じゃあ、何でメールしてるの?」

知恵「メールは盛り上がるじゃん(笑)。疑似恋愛ってやつ(笑)。面倒じゃないし(笑)。」

真希「そっか~。」



おぉ~、真希ちゃん諦めた(笑)。
知恵の勝ちだね(笑)。



それにしても、早瀬君、早く彼女が居る事、言えよ( ̄^ ̄)


まあ、わたしが早瀬君に連絡する術は無いから早瀬君に任せるしかな。


真希ちゃんは自分の用が終わったし、もう帰りたいって顔に書いてある(笑)。
分かりやすい…。



わたし「そろそろ、帰ろう?(笑)。」

知恵「そうだね。」


真希「じゃあ、良いGWを。」



真希ちゃんだけ、帰る方向が違う。

知恵と歩きながら、



わたし「真希ちゃんの知恵と勇樹君をくっ付けたいって思いが凄かったね?気付いてた?(笑)。」

知恵「分かりやすいんだもん。真希ちゃんの為に付き合えないよ(笑)。」

わたし「わたし、もう知恵が真希ちゃんに言い返す度に、拍手だったよ(笑)。」

知恵「ありがとー(*^^*)」

わたし「実はこの間みんなで会った時に、早瀬君から真希ちゃんがどういうつもりか聞かれて、早瀬君彼女居るんだって。だから、何か困るみたいな…。」


知恵「そうなんだー、まあ、早瀬君カッコいいしね、彼女居ないのが不思議だもんね。けど、真希ちゃんは彼女居る事知らないんだ~。言えば良いのにね(笑)。」



理由は内緒にしといてあげよう、早瀬君‼


No.105 15/12/28 22:13
自由人105 ( 20代 ♀ )

>> 104 楽しみに読んでたけど無駄に(笑)が多くて変

  • << 108 ご指摘ありがとうございます。 (笑)が多いのは多分、直りません。 ご了承下さい。

No.106 15/12/28 22:54
saa ( ♀ 2qlWnb )

GW 1日目☆

朝から何にもする事は無いし、お父さんもお母さんもお姉ちゃんも出掛けて居ない…。

暇過ぎる‼

そうだ、裕君にメールをしてみよう🎵


~メール~

わたし「裕君、勉強してますか?」


返事はすぐ来ない……。




DVDでも借りに行こうかなぁ~。
駅の近くのレンタル屋さんに散歩がてら歩いて行く。

お散歩するのに丁度良い季節だよね~。

いつも裕君と会ってた自習室のある市営ホールの前を通り、横の公園では家族連れが楽しそうに遊んでる🎵


レンタル屋さんに着き、駐車場を横切ろうとした時、目の前に止まった黒い軽自動車から、直君が降りて来た。


わたしはすぐに運転席側を見た。
おばちゃんじゃない、若いお姉さんだ。

あっ、21歳の彼女………。


直君「びっくりした。彩ちゃんじゃん❗」

わたし「あっ、うん。」


気まずい…。


21歳彼女「直君、またね。」

直君「また。」


21歳の彼女はわたしに気付いて、軽く会釈して去って行った。


わたしと直君が駐車場に取り残されたみたいになった。



わたし「あの人が例の?(笑)。」

直君「あぁ~、佳奈さん。」

わたし「佳奈さんって言うんだね。綺麗な人だね。」

直君「そう⁉今から仕事なんだって。」


まだお昼前だけど、

今から仕事で、

仕事前に直君に会ってたって事は朝早くから会ってた?

もしくは、昨日から一緒とか?



わたしは頭の中でいっぱい考えちゃって。


今日は何か話しにくい。



直君「彩ちゃん、お昼食べた?(笑)。」

わたし「まだだけど。」

直君「じゃあ、この間のファミレス行こう🎵」


何か直君のペースにはまる……。



No.107 15/12/28 23:20
saa ( ♀ 2qlWnb )

ファミレスは丁度お昼ご飯時で満席だった。

名前を書いて順番を待つ事にした。


直君が名前を書いてくれたけど、同じ苗字だから、何か変な感じがする。


15分くらい待って、席に着けた‼
前座ったのと同じ窓際の席。


直君に聞きたい事はたくさんあるけど、わたしに何の権利があって、そんな事を聞けるのか、聞きた後で、絶対に聞いた事を後悔しそうな自分がいる。





けど、わたしのこの気持ちに気付いてくれたのかは分からないけど、直君から話してくれた。



直君「本当にびっくりしたよ。車降りてすぐ目の前に彩ちゃん居るんだもん。」


わたし「わたしの方がビックリしたよ‼おばちゃんかなぁ~って思って運転席側すぐ見ちゃったじゃん(笑)。そしたら、全然綺麗なお姉さんが居て……。」


わたし「佳奈さんだっけ⁉わたしに気付いて会釈してくれたけど、変な誤解とかしてない?大丈夫?」


直君「多分、そういうの気にしたいと思うよ🎵」




佳奈さん、大人だからかなぁ。
直君はそういう人が良いんだもんね。




もうわたしは目の前に運ばれたハンバーグにパクつくしか平常心を保てない‼


No.108 15/12/28 23:21
saa ( ♀ 2qlWnb )

>> 105 楽しみに読んでたけど無駄に(笑)が多くて変 ご指摘ありがとうございます。

(笑)が多いのは多分、直りません。
ご了承下さい。

No.109 15/12/28 23:49
saa ( ♀ 2qlWnb )

直君は窓の外を眺めてる。

横顔が綺麗だなぁ。
目が合うとニコっと笑ってくれる笑顔にズキュン、ズキュンやられてます(笑)。



わたし「そういえば、文化祭があるんだってね⁉5月の終わり頃だっけ?」

直君「いつもは5月終わりだけど、今年から6月の第1週目の金土日だったかな。金曜日は外部無しでって聞いたけど。」


直君「何?来るの?」


わたし「友達がね、去年行って楽しかったって言うからね。ちょっと行きたいかも~ぐらいな感じ(笑)。」


直君「来たら良いじゃん。」


来たら良いじゃんって、簡単に言われた。

直君が言うと、来るのは自由だし、来たければどうぞ的に取れる……。

もっと、「来てよ~🎵」ぐらい、可愛く言えないもんかね( ̄^ ̄)



わたし「行けたら、行くかも。」



わたしにもプライドがある。かなり低いけど、「わ~い、行きたい」なんて口が裂けても言えない‼



直君「ねぇ、GWなのに1人なの?彼氏は?」


わたし「彼氏か……。」


直君「あっ、別れちゃった?ごめん。」


わたし「いやいや、別れて無いし。」



変に気を遣わしちゃったじゃん(涙)



直君「あれ、違うんだ。じゃあ、彼氏何してんの?」


わたし「勉強してる。受験生だから。」


直君「うちの兄貴と一緒じゃん‼」








そうだよ、お宅のお兄さんだよ‼
勉強ばっかりして、まだメールの返事も来ないよ‼

淋しいよ~って言いたい。
我慢してるんだよ、頑張ってって裕君に言いながら自分に言い聞かせてるんだよ(>_<)



直君「彩ちゃん、淋しいの我慢して偉いね。」




偉いねだって。

涙が出そうだよ。

No.110 16/01/03 22:20
saa ( ♀ 2qlWnb )

ファミレスを出て、直君とバイバイした。

裕君には直君との事話しておかなきゃ、直君も何も思わず、普通の会話として話しちゃうよね~。




~メール~


平常心を装おって‼

わたし「さっき、DVD借りようと思って出掛けたら、偶然直君に会ったんだよー、本当にビックリしたよ(*^^*)。で、なり行きでファミレスでお昼ご飯食べたんだ(笑)。」






わたしは、今日の出来事に動揺し過ぎてDVDを借りる事も忘れ、そのまま帰宅した。






夜になり、やっと裕君からメールが来た。



~メール~

裕君「今日は、メール出来なくてごめんね。模擬試験だったから、メール見れて無くて。直と会うなんて珍しい事があったね。直、何か言ってた?」


わたし「裕君の事は特に何も言って無かったよ。まあ、勉強が忙しい、ぐらいかな。」





何か彼氏彼女みたいな甘い言葉は無いメールに、最近慣れてしまった。


淋しいよ。



No.111 16/01/04 13:11
saa ( ♀ 2qlWnb )

GW 2日目☆

今日も朝から暇なわたし。
お母さんとお父さんの声はリビングから聞こえる。

お姉ちゃんは昨日も今日も姿を見ていない。きっと、フラっと旅行にでも行ったのかなぁ。

大学生は良いよね~、行動範囲が広くて。
親にもうるさく言われない。

本当に羨ましい。

彼氏とだって、旅行行ったり出来るんだろうな~。




リビングから、わたしを呼ぶ声がする。



母「彩ちゃん、炒飯食べる?」

わたし「食べるよ🍴」



階段を勢いよく下りた。


テーブルの上に炒飯、すーぷか、唐揚げが置いてある。

食べてるわたしに、お母さんが、



母「彩ちゃん、昨日のお昼ご飯どうしたの?」

わたし「あっ、外で食べたんだ‼ファミレスでね。」

母「そうなの。珍しいね、彩ちゃんが外で食べるなんて。」

わたし「DVD借りに行ったら、知り合いに会ったから一緒に食べたんだよ。」

母「そうなのね。じゃあ、後でお昼ご飯代渡さなきゃね。」



直君ととは言いにくいもんね。




わたし「ごちそうさま。」




お母さんから昨日のお昼ご飯代1000円貰い、自分の部屋へ戻った。


やる事が本当に無い。
今日こそはDVDを借りに行こうかな~。


No.112 16/01/05 01:12
saa ( ♀ 2qlWnb )

部屋に戻ってすぐ、携帯が鳴った。


真希ちゃんからだ。




~電話~

わたし「もしもし、真希ちゃん‼どうしたの?」

真希「今、話しても大丈夫?」

わたし「大丈夫だよ、自分の部屋に居るから❗」


真希「この前、みんなで早瀬と会ったじゃない⁉あれ以来、メールしても、ほぼ返信無くて…。それでも、2、3日おきぐらいにメールしてたんだ。けど、無視されてる状態は変わらず…。私、どうしたら良い?このまま、諦めろって事だよね、きっと。」




真希ちゃんをは段々と涙声になっていった。

わたしは、早瀬君がどうして真希ちゃんにそういう態度を取ったかを知っている。
けど、真希ちゃんは知らないからこんなに悲しくて、辛いんだ。



もし、わたしが真希ちゃんの立場なら…。理由をきちんと知りたい。
まだ、告白も出来てないのに。

きちんと告白して、フラれたんなら悲しいかも知れないけど、また新しい恋に向かっていけるんじゃないかな⁉



心の中でわたしはそう思い、真希ちゃんに言った。



わたし「諦めるんなら、きちんと告白してからにしよう。じゃなきゃ、真希ちゃん前に進めないよ。中学からずっと好きなんでしょう?」

真希「そうだけど、メール見てくれてるかも分からないから。どうやって告白しよう。」




わたしは早瀬君の連絡を知らないし。




あっ、知恵から勇樹君伝えでお願いしてみようかな。


早瀬君に彼女が居る事は分かってる。
だから、真希ちゃんにワザと冷たくして自然に離れて行くのを待ってる。
自分と真希ちゃんの親友の彼女が傷付かないように…。


それは、ズルいよ…早瀬君。

No.113 16/01/05 01:26
saa ( ♀ 2qlWnb )

わたし「真希ちゃん、一回電話切るね。知恵から勇樹君に早瀬君の事頼んでみるから。」


真希「分かった。また連絡ちょうだい。」




わたしは、真希ちゃんがフラれる事を分かってる。きっと、真希ちゃんも分かってる。けど、前に進む為に真希ちゃんの背中を押してみた。


だって、中学からずっとずっと早瀬君の事好きだったんだもんね。
その気持ちは分かるから。

傷付いても大丈夫、わたしが傍にいるからね。




知恵にメールした。
休みだし、すぐに連絡は付かないかもしれないけど。


~メール~

わたし「真希ちゃんの事でお願いがあるんだけど。早瀬君に連絡をわたしが取りたいって、勇樹君に伝えて欲しいです。」



15分くらいして、知恵から返信。


知恵「了解。まあ、最近勇樹君にメールして無かったから返事が来るかは分からないよ。」




また、30分くらいして、知恵から返信。


知恵「勇樹君に彩の番号教えて大丈夫?」


わたし「大丈夫。お願いします‼」






時間が経つのが遅く感じた。

経過を知らせる為、真希ちゃんに勇樹君にメールが伝わった事を伝えた。
そこから先は、早瀬君次第だから分からない。



真希ちゃんにメールしてから、数分して知らない番号から着信が来た。



わたしは勇樹君だと思って電話に出た。


~電話~

わたし「もしもし」

「あっ、もしもし」


わたし「急にごめんね。あのね、」


「早瀬だけど、何か言いたい事があるんだって?」



わたし「ん?早瀬君なの?」





わたしはビックリし過ぎて、頭が真っ白になった。




No.114 16/01/06 01:28
saa ( ♀ 2qlWnb )

しばらく、早瀬君の声が聞こえないくらい動揺した。

本当は、早瀬君に連絡が取れたら、あれも言って、これも言って、言いたい事が山のようにあった。
なのに、いざ本人と話す事になり、わたしはさっきまでの勢いが無くなってしまったのだ…。


よく考えれば、まだ2回しか会った事が無い人だし、何よりわたしは早瀬君の気持ちも理解出来ないわけじゃない。

それに、真希ちゃんの事は別として、早瀬君は悪い人ではないはず…まあ、2回しか会って無いわたしが言うのだから説得力には欠けるけど(笑)。






早瀬「もしもし、聞こえる?ねぇ、大丈夫?」


わたし「あっ、ごめん。ボーっとしちゃってた。まさか、早瀬君から電話がこんなに早く来るとは思わなくて、ちょっとビックリした。」



早瀬「勇樹が急用だからって言うし。で、何?話しって?」



わたし「真希ちゃんの事だよ。」


早瀬「高島?何?」


わたし「分かってるでしょう?メール。」



早瀬「無視してる事?」


わたし「そう、それ。」



早瀬「けど、この前話した通りだし。」



わたし「分かるよ、早瀬君のしたい事は。けど、それはわたしは知ってるからだし、まあ、真希ちゃんも薄々何かを感じてるよ。早瀬君が彼女の事、真希ちゃんに話したく無いならそれでも良いから、真希ちゃんの話だけでも聞いてあげて。お願いm(__)m」


早瀬「えぇー?」


わたし「じゃなきゃ、真希ちゃん前に進めないから。」




わたしは一気に早瀬君に話をした。

早瀬君も渋々ではあったけど、真希ちゃんと話してくれると言ってくれた。


早瀬君との電話を切り、真希ちゃんにメールした。


~メール~

わたし「早瀬君と連絡取れたよ。真希ちゃんと話してくれる約束したから、頑張って自分の気持ちを伝えて。」




わたしのした事は本当には大きなお世話だよね。真希ちゃんがフラれる事を分かって告白させるんだから。酷いやつだ…。



真希ちゃんから連絡が無いまま時間だけが過ぎる………。


No.115 16/01/10 17:41
saa ( ♀ 2qlWnb )

もう真希ちゃんの事が気になってDVDは借りに行けなかった。

19時過ぎにやっと真希ちゃんからメールが来た。


~メール~

真希「今日はありがとね。さっき早瀬に会って来たんだ。会えたのは嬉しかったんだけど…私の気持ちに気付いてたみたいで、早瀬から彼女居る事を打ち明けられたよ。ショックだったけど、仕方無いし。諦めなきゃね。時間は掛かるけど。とりあえず報告まで。」


こうなる事は分かってたけど、実際こうなると辛いよね。


わたし「真希ちゃん、頑張ったね。」



それ以上の言葉が見つからない。




わたしはやっと自分の時間を過ごせる。



No.116 16/01/10 17:57
saa ( ♀ 2qlWnb )

寝る前に裕君からメールが来た。

最近、わたしの心に裕君の存在が居ただろうか⁉前のわたしは裕君中心に世界が回っていたのに…。




~メール~

裕君「まだ起きてる?」

わたし「起きてるよ(*^^*)勉強してたの?」

裕君「勉強もしてたし、彩の事も考えてたよ。」


その言葉にわたしの胸はチクチク痛んだ。


わたし「ありがとね。」



わたしも。なんて言えない…。



裕君「この間から、親がケンカばっかりで、勉強に集中出来なくて毎日塾行ってやってて。なかなか彩に会えなくてごめん。第一希望の大学行きたいじゃん。」



わたし「無理しないでね。おやすみ。」


裕君「おやすみ。」


わたしは自分から「おやすみ」ってメールを終わらせた。

前のわたしとは全然違う。
気持ちが湧かない、好きって気持ち。

どうしたんだろう。

あんなに大好きだったのに。
冷めたのかな。

別れも近い?

裕君が大学行けば、どうせ離ればなれになるんだから。
このぐらいの気持ちの方が楽かもしれないね。


No.117 16/01/10 18:17
saa ( ♀ 2qlWnb )

GW 3日目☆

珍しく朝早く目が覚めた。

お腹が空いて1階リビングに下りた。

お母さんが電話で話している。
わたしに気付いて、電話の相手に「また後で」と言って電話を切った。



わたし「どうしたの?」

母「子供は知らなくて良いのよ。」

わたし「何それ。」


朝ごはんを食べた。




母「彩ちゃん、今日の予定は?」


わたし「無いけど。」


母「後でお客さん来るから、家に居るなら自分の部屋に大人しく居てね。」



何か変なお母さん。

大人しく部屋に居ろって何よ?

失礼しちゃうよ。



まあ、結局お母さんの言う通りにするしかない(笑)。


お昼前にインターフォンが鳴った。

お客さんが来たみたいだ。

静かに自分の部屋から出て、階段上からお母さんの動向を観察した(笑)。



話し声は何となく聞こえる。


相手は?

あっ?裕君家のおばさんだー‼‼‼



何?どうしたの?
わたし達の事がバレたのかな?
凄く気になる。


静かに階段を下り、リビング前まで行き、こっそり立ち聞きをした。




母「え?300…」

おばさん「保証人…連帯だから。」

母「お兄さんは?」

おばさん「もう話しにならなくて。」

母「義母さんに話したの?」

おばさん「主人が……。」




保証人?連帯?

借金の事?



おばさん「大学がね、だから、困るのよね」


母「主人に話してからまた。」

おばさん「ごめんなさいね。」




席を立つ音がして慌てて2階に上がった。

バレたかな?

No.118 16/01/10 18:30
saa ( ♀ 2qlWnb )

おばさんが帰って、少ししてリビングに下りた。

お母さんがソファーに座ってため息をついていた。


わたし「おばさん帰ったんだね。」

母「分かった?」

わたし「そりゃあ、声聞けば分かるよ。で、おばさん何て?まさか、裕君の事?」


母「裕君?まあ、裕君も関係あるよね。大学行くんだから。」

わたし「気になる。話して‼お母さん一人で考え込まないで。」



お母さんはわたしに話してくれた。


要は、裕君家のおじさんが会社の先輩の借金の連帯保証人になって、その先輩が居なくなり、借金を裕君家が払わなくてはいけなくなった事。

借金が300万円で、借金を払うのに裕君、直君の学資保険を解約しなきゃ払えない事。

でも、そうすると裕君の第一希望の大学には行かせてあげれないみたいで、どうにか裕君の学資保険は守りたいっておばさんが。


我が家へお金を貸して欲しいって相談だったけど、我が家もお姉ちゃんは私立の大学だし、わたしも私立の女子校だし。

だから、まず、お爺ちゃん、お婆ちゃんに相談しなきゃってお母さんは言ったみたい。



裕君、大丈夫かな。
第一希望の大学に行けなくなったら。

No.119 16/01/21 19:39
saa ( ♀ 2qlWnb )

自分の部屋に戻ったものの、さっきの事が気になって仕方がない。

裕君の第一希望の大学は多分、県外なんだろうなぁ。私立かな~。
ハッキリと聞いたわけじゃないけど、勉強の出来る裕君が行きたい大学なんだから…



最近は、あまり裕君の事を考えて無かったわたしが今、凄く裕君の事を考えてる。


お金の事は子供のわたし達にはどうにも出来ない…。


このまま親たちが解決するのを待つしか無いのかなと。





夕方に動きがあった。


お父さんが帰宅。
お母さんと慌ただしく出掛ける準備をしていた。


わたしも急いでリビングへ行く。


母「彩ちゃん、お母さん達ちょっとお祖母ちゃんとこ行って来るから。晩ごはんが遅くなるかもしれないけど、ごめんね。」



二人で出掛けて行った。


No.120 16/01/23 22:47
saa ( ♀ 2qlWnb )

家に取り残されたわたしは色々と考える。




裕君に対して、好きな気持ちが無いわけじゃないのに、今は「好き < 心配」。


そういえば、わたしは冷めやすい気がしていた。ちょっと好きになった人が出来ても、髪を切った、話し方、仕草なんかが自分のイメージとちょっとでも違えば気持ちがサーっと冷めたな…。


まあ、本気で人を好きになった事が無かっただけなのかもしれない。



そんなわたしが、裕君と付き合いだし、初めは、マンガのような展開にドキドキもしたし、自分の恋愛に満足していた。

けど、時間が経つにつれマンガのような恋愛じゃない事に気付いた。

我慢して、我慢させて、気持ちが離れていく。


わたしは自分に嘘はつけない。
きっと裕君にも次会ったらバレてしまうかな。












No.121 16/01/24 16:17
saa ( ♀ 2qlWnb )

部屋で色々考えてる間に寝てしまっていた…。


外を見ると、もうすっかり夜になっていた。


お母さん達はまだ帰って来ていない。



ふと、携帯を見るとメールが来ていた。




~メール~


裕君「今、親たちが話し込んでる。居場所が無いから自習室に行こうと思う。会える?彩が無理でも、俺は自習室に行くから。」



えーーー‼

メールが来たのが40分前。
もう自習室には着いてるはず…。


何て返事しようか。
気持ちが冷めた、それがバレるのが怖い。

けど、このままずっと会わないって訳にもいかないし。




考える前に、まず行動。





わたしは急いで自習室へ向かう。


自習室が閉まる時間まではあと一時間。


自習室から明かりが漏れていた。



勢い良く自習室のドアを開けた‼

No.122 16/01/24 20:38
saa ( ♀ 2qlWnb )

ドアが開く音が静かな廊下と自習室に響く。


わたしの視線の先にはいつも裕君がいる席があった。

が、裕君はいない。

わたしがゆっくりと自習室に入る、その時。


後ろから、





裕君「彩~、来たんだ。」


久しぶりに聞いた、裕君の生声。


わたし「裕君。」





わたしは何も思わず、裕君の胸に飛び込んだ。久しぶりの裕君の匂い(笑)。



わたし「メール見るのが遅くなっちゃって、ごめんね。」




わたし「…ごめんね。」



自然に泣けてきた。
きっとこの涙とごめんねは裕君に対するわたしの気持ち。


会った瞬間に「好き」って気持ちが湧いてきた。わたしの気持ちが戻ってきた。




わたしって単純。


淋しくて、会いたくて、ただそれだけだったんだ。




そんな、わたしを見て裕君はビックリしたみたいで。



裕君「大丈夫だよ、彩がそんなに謝らなくても。俺も10分ぐらい前に来ただけだし。」



わたしはずっと裕君の服をギューっと握ったまま抱きついていた。

No.123 16/01/24 22:42
saa ( ♀ 2qlWnb )

わたし「裕君、大学は何処に行きたいの?」


裕君「○大学に行きたいかな~、受かればね。」




○大学は国立大学で県外だ。新幹線で二時間掛からない位の距離。



やっぱりね、離れるよね~。




裕君「彩、不安になった?」


わたし「…大丈夫だよ。」





全然大丈夫な訳無いのに強がってしまう…。


裕君「ごめん…、彩を不安にさせて。もし、彩がもう無理って思うならいつでも俺から離れて良いから。」






何、どういう意味?


別れても良いよって事?




わたし「別れるって事?」


裕君「そうじゃなくて、いや、そういう意味かな⁉遠距離とか無理じゃない?だから、彩が無理だと思ったら別れてくれて構わないから。」




わたしは頭が真っ白になり、涙がポロポロ流れた。



裕君「いや、今すぐ別れたいとか、彩と別れたい訳じゃないよ。ただ、不安になるだろ⁉」



わたし「遠距離…やってみなきゃ分からないじゃん。裕君、わたしを置いて行くのに罪悪感を感じたく無いだけでしょ?」



裕君「違うって。彩が…。」



わたし「わたしが、わたしがって言うけど、大学行って新しい出逢いを裕君がしたいだけじゃない?」






もう来なきゃ良かった。
早速別れ話になるなんて…。




わたしが裕君に冷めたなんて思ってしまった罰なのかなぁ。






No.124 16/01/25 11:46
saa ( ♀ 2qlWnb )

わたしはそのまま家に帰って来てしまった。


裕君の言葉が頭の中をグルグル回っていた。


わたし達は別れたのかなぁ。
それともこのまま自然消滅するのかもしれない…。






夜22時過ぎ、お母さん達が帰宅した。

子供のわたしが口を出す事じゃないのは分かっているけど、凄く気になった。


リビングに下りた。



母「彩ちゃん、ただいま。」


わたし「おかえり。どうなったの?」


母「とりあえず、お祖母ちゃんがお金は全
部出してくれるって言うんだけど…。」


わたし「なら、良かったじゃん。」


母「一応はね。けど、お祖母ちゃんにもお金返さないとね。借りた形だから。」


わたし「そっか~。」








解決とまではいかないのか⁉

やっぱり親子とはいえ、お金は返さないといけないんだね~。

じゃあ、やっぱり裕君の大学は…県外は難しい?


わたし達は離れなきゃ大丈夫なんじゃない?





わたし、、、別れたく無いんだぁ。


自分の気持ちにビックリした。










このまま、しばらく進展無し。
メール無し。





No.125 16/01/28 23:54
saa ( ♀ 2qlWnb )

暇だったGWも終わり、普段通りの学校生活に戻る。


知恵には、全部話して気持ちがスッキリした。ポジティブに考えたらと言われ、どうポジティブにわたしなりに考えるかを考えた。



裕君と付き合った事は後悔しない。
初体験も裕君で良かったと思えてる。


わたしはマンガのような恋愛を期待していた。でも、良く考えてみたら「片想い」➡「両想い」➡「付き合う」みたいなマンガが好きだ。

「付き合う」から先には何があるんだろう。

で、わたしはその先をちょっと見て来たぐらいな経験をしたんだな。







真希ちゃんは失恋後の立ち直りが早い。

明るく笑ってた。



わたしはまだ、裕君と「別れた」という実感がない。実際はまだ別れて無いかもしれないという気持ちが捨てきれないから。



カッコ悪い、わたし。













帰りの電車で、知恵に直君の学校の文化祭に行こうと誘われた。



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