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No.47 18/08/23 20:14
名無し3
あ+あ-

足原君の言葉を僕は1つ1つ噛み締める様に聞いていた。

君は、身勝手な大人達のせいでずっと寂しく辛い思いをしてきたんだね。

でも君は恨み言の1つも言わず明るく元気に生きていた。
いや…生きようとしてきたんだ。


「次に僕が何故君の事を嗅ぎ回ろうとしていたのか。
幸か不幸かその君に見つかってしまってこういう状態になってしまっているのだけど。」

僕は足原君の顔をじっと見つめた。

足原君はそんな僕の視線を真っ直ぐに受け止めて僕の顔をじっと見つめ返して来る。

「僕の父親はある大学で何かの研究をやっていた。
そして、僕が小学校を卒業する頃にある研究所に引き抜かれそこに入った。」

僕は再び話し出した。

「入所当時は父親も生き生きと研究に没頭し、その頃は僕も母親でさえもその研究が何なのかは深く知らなかった。
だが…」

「その研究所に勤め出して2年ほど経った頃から父親は段々とおかしくなっていった。
毎晩、浴びるように酒を飲みうわ言の様に自分のしている研究の内容を語り、また酒を飲む。
そんな日々の繰り返し。
家庭は崩壊。
結局、父親はその研究所を辞め、
僕が中学を卒業する頃には両親は離婚した。」

僕は足原君の顔をじっと見つめたまま話を続ける。

「ある日、両親の離婚後ずっと音信不通だった父親が亡くなったとの連絡を受けた。
母親に代わり遺品の整理に行った僕はそこで1冊のノートを見つけた。
そのノートに書かれている文字はグチャグチャでほとんど読めない物だったが、所々読める文字を拾って読んだところ、懺悔ノートの様な物だったのだろうと推察された。」

僕はそこで息を継いだ。

僕の父は頭脳こそ優秀だったが、あまりにも繊細で優しく純粋な人だった。

自分が生涯をかけて打ち込んできた研究が、非人道的な事を行っていた研究所に利用されたのを知った時、父の心は壊れてしまったのではあるまいか…

「そのノートにね、父がこの子だけはこの子だけは人として静かに幸せな人生を歩んでもらいたいと繰り返し書いていた名前があった。

足原十人。

君の名だよ。

そして僕は、その研究所の閉鎖後に所在がわからなくなっていた君の事を少しずつ調べ始めた。」

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