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堕天使【番外編】

レス256 HIT数 25206 あ+ あ-

クロス( ♀ gAVFh )
11/12/20 18:13(更新日時)



【堕天使】

http://mikle.jp/thread/1686010/



本編 存在感
No.1の優ちゃんと

私が織り成した ひとときの
恋模様…


子持ち女の
馬鹿馬鹿し… くもない
数ヶ月。




フィクション…

という事に しておきます(笑)
ので

ゆっくりな更新になるかと思いますが また おつき合いを よろしくお願い致します。




No.1699638 11/11/05 15:38(スレ作成日時)

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No.1 11/11/05 15:44
クロス ( ♀ gAVFh )



「auって こういう系
充実してるっすよね…」

「確かに…」




「来たすか? リエさん…」


「まだ…



優ちゃんは?」


「おっ!

来たっす!来たっす!」



優ちゃんちのキッチン



換気扇の下で タバコを吸ってた私は 急いで タバコを揉み消し 優ちゃんの元へ走る!



「リエさん

興奮しすぎすからっ…」


「…あ




ごめん ごめん(笑)」





子供達が


そんな様子を見て

笑っている。







「25だって…

ほんとすかね?」


「男の人って トシ嘘つかないよね ほぼ みんな…」



「経験豊富すからね

リエさん…



オッパイちっちぇけど…」


「関係ね~し(笑)」



余談だが 優ちゃんは
オッパイが大きい…





【こっちは2人。
子供ずれです。

ご飯 ご馳走してくれる人がいいなぁ。】


「こんな感じで い~すかね?」


「優ちゃん(笑)
子供連れの『づ』は『つ』に テンテンだよ!(笑)」

「細けっすね💦…」



と言いながら 打ち直す…







私達 【チーム馬鹿母】は

一時期
出会い系サイトにハマった…
(ほんと馬鹿)



恐ろしい目に
ひとつも会わなかったのは
私達の
馬鹿バリアのせいなのか…





それは

摩耶が小5
愛が 幼稚園の時。



要するに

T君のこわれっぷりに
便乗した感 満載の時期。

R君と出会うまでの
ほんの 数ヶ月の間のこと…



No.2 11/11/05 15:48
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 1

馬鹿には


馬鹿が 寄って来る。





あの頃

本当に
嘘のように すぐ釣れた。




お腹が空いたり

もしくは
本気の出会いを求めたり


とりあえずは
一生懸命だったなぁ…







私達の やり方。

すぐ 直で携番を載せる。


話しが早くなる(笑)






『こんばんは~♪』

「うん… こんばんは」


優ちゃんは
もちろん ぶっきらぼう。


『2人なんだよね♪
ちびっこもっ♪♪♪』


「うん…」


『俺らも 2人~♪』


「お金は ないからね!」

優ちゃんストレート。





『…まるっきり?』

「まるっきり!」


『う~ん… それも困…』

「じゃあ 会わない!」



『あ~💦💦💦
わかった わかった💦💦

い~よ い~よ(笑)』






この日は お腹が空いていた。



もう いい加減 酔ってる私達に 羞恥心も何もない…






「美味しいもん
食べに行こう♪♪♪」


「うんっ!」



子供達も慣れたもの。


2人で 手をつなぎ
ピョコピョコ跳びはねている。





待ち合わせは


優ちゃん宅から 少し離れた

バス停。




4人で 歌をうたいながら
バス停まで歩いた。







「カラオケに…


行かせるかっ♪」



「けって~い!!」












やっぱり 馬鹿である。


No.3 11/11/05 15:53
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 2

大きな
ワンボックスが やって来た。


車の印象から

ルックスも期待できる…











『残念』




ちっちゃい お父さんと
おっきい お父さんのコンビ。










「お父さん!
何ご馳走してくれんの?」


車中 見た目の印象で

さっそく呼びはじめる優ちゃん




「お父さんって…」


肩をおとす お父さん達。



「どっか行きたいとこ ある?」


「カラオケ~♪」



後ろから4人で
声を合わせて リクエスト。




「よっしゃ!
じゃあ そうしよう!」


さすが お父さん(笑)







運転している おっきい方の お父さんが 聞く。

「この辺 どこにあるの?」



「何が?」








「カラオケ屋でしょ~💦」



だよね。







つねに

いくらかの



危機感は 持っている…



つもり。









「っつか
マジで金ないんだ?」


「なんだよ!?今さら

お父さん達 金ないの?」


「あんま いっぱいは…




なぁ」


「うん…」



小さい方の お父さんが

小さな声で 返事をする。






「じゃあ 降りよう」


「え!?」



「帰ろう。 優ちゃん♪」

「… そっすね」






「わかった!

わかった わかった!💦


ご馳走するぐらいは
あるよ!!💦 なぁっ💦💦」




「…うん」






よみ通り。




















『♪ガラッスの! 少年!じ~っだいっの~お…♪♪♪! 』


小さい お父さん…




KinKi ノリノリかよ。




子供達 大はしゃぎ。


私達は ひたすら食べて飲む。





今夜 3度目の

『硝子の少年』のイントロが



流れ出した…




No.4 11/11/05 15:58
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 3

「ご馳走さま~♪」




元のバス停。







「また 連絡するね!」


どうやら かなり楽しかったらしい(笑)小さい お父さんが

ニコニコと 手を振る。



「うん! 待ってる~♪」

「バイバ~イ♪♪♪」


子供達にも 手を振る。


「バイバイ!」

小さな手を
振り返す 子供達。






ワンボックスが



小さくなる。








もうすぐ梅雨空の

湿った空気。









「着拒 と…」


優ちゃんが 携帯を取り出す。




今日も







うまく行ってしまった。






まるで




ハマれ と


背中 おされてるみたいに…








少し のぼり坂の

優ちゃんの家まで



みんなで手をつないで歩く。




「楽しかったね(笑)」


私が言う。



「いったい 何回 うたったんすか 『硝子の少年』(笑)」





「次回は 少し


本気モード出すか…」



「そっすよね!

私も いい加減
彼氏欲しいすから!!」




優ちゃんは

下請け会社の彼と
別れたばかりだった…




泣き叫び 『別れたくない』とうったえる優ちゃんに

年下の
超あまいマスクの
彼は言ったんだ。





『優…







ワキ汗 すごいよ』





って。








よりによって

グレーのTシャツを着てた
優ちゃん。





「 で? 優ちゃんどしたの?」

その話しを聞いた時
声が震えた。


笑いを必死で 堪えたために…




「『一生懸命だからでしょ~』って しがみついてやったっす!!」













意地でも 彼氏見つけるべな。



相棒よ…




No.5 11/11/05 16:04
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 4

今日は お互い 別行動だ。


どちらかが
獲物を探しに行く時

片方が 子供を預かる。


チーム馬鹿母の掟だ。



ちなみに 優ちゃんは パチンコもやるので その場合も 愛は私が預かる。


私は いっさいギャンブルはやらないので 幾分 私の子守の回数は 多い(笑)




優ちゃんは 私以上のメンクイ


さらに

今どきの 男の子じゃないと 絶対 受けつけない…



ベルトの位置が高く

Tシャツが入ってたりしたら
殴るだろう。
(誰でもか…)





R君と出会ったばかりの頃

比較的 そっちよりだった彼に



「Rさんっ!!

『イン』は まずいっすよ~」




事もなげに アドバイスした。




次の日から 彼は

私の会社で


『イン』という名前になる。













とりあえず 優ちゃんの車で

待ち合わせ場所まで
一緒に向かう。




日曜日の昼間。



危ない事はない…


だろう。






姿を 遠くから見て

アウトなら


このまま バックレる。







まず 第一段階。


車は 優ちゃんの好みを
マークしていた。




大きな 幹線道路沿い。

飲食店 本屋 満喫などが
ところせましと並んだ敷地の
駐車場。







メールで
車から 引きずりおろす(笑)



「よく 顔 見えねっすね…」


キャップをかぶって

腰パン。




ファッションはクリアらしい…




『道路がわ向いててね』



なんでだよ

の話しだが(笑)
向こうも 百も承知なんだろう…



やっと






ハッキリ顔が見えた…




No.6 11/11/05 18:22
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 5

私には あの頃時間もあった。


摩耶は 『あの家』の 元義父母に 連れまわされる事も多く

T君は 家を空けることが
もちろん多い…



ひとつ難点が あるとすれば…



この携帯だ。


画面が 異様に小さい。



私の 不誠実な行いと
心の内のせいで

私は 携帯を 取り上げられた。



彼が 私に買い与え
月々の支払いも
彼持ちだったのだから…


取り上げられて

あたりまえだ。






いつも 新しい携帯を
買ってもらっていた私が

初めて 自分で買った
ほぼ0円の ブルーの携帯。


奪い取ったくせに

私との連絡が 途絶えると焦った彼は 「そんな オモチャみたいな携帯使ってないで こっち使いな」と 慌てて返して来たが…



「いらない!!」


と ぶつけた。








結局この番号も




教えたのだけれどね…








優ちゃんと おそろいの

パールホワイトの
可愛い 携帯だったな。












そんな 小さな画面に

メールが届く。


『何してたの?』




思わず 笑顔になる。




Sに 張り合ったわけじゃないが(笑) 17歳の 男の子だ。


彼とは 電話でも よく話す。



家が偶然に さほど離れていなかったので 私は 自分の住む場所も 名前も もちろん年令も


全部 嘘を ついていた。




学校へは行かず
仕事をしていた彼から


『俺 明日休み♪

ルミさんに 会いたいな♪』
(また名前…)






いよいよ…

の メールが届けられた。



No.7 11/11/05 18:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 6

「だって天パっすよ(泣)」


優ちゃんは
NGポイントが多いな…



一応 顔は そこそこで

結局は

あの日 全員で(笑)
彼の アパートへ遊びに行った…





ガランとして

何もない部屋。



「ひとり暮らし?」

優ちゃんアンテナが
ピピっと動く。



子供達が 散らばったダンボールで 遊び出す…


「越して来たばっかり?」

私が聞く。



質問攻めに

ほぼ「そう」しか言わない。






無口な男だな。







でも 優ちゃんを気に入ったのは ひと目で わかった。





「私ら ハケようか?」


小声で囁くと



「今日は いっす💦」

と 優ちゃんの返事。





2時間ほど
その殺風景な部屋で遊び


私達は 帰路についた。





その後も

ご飯を食べたりの つき合いは
彼らの間で 少し続いた。





そして いよいよ…









その日は 来た!!






1番 大事なことだ。


セックスの相性 合わずして

つき合えるわけがない!


(おまえは 合わない人間と 5年も つき合ったけどな…)


その時は そう思っていた。
(誰と 会話してる?)
















「しかも 天パ…








帽子 取んねんすよ!!」


「ずっと?」







「ずっと(泣)(泣)…」













短い恋は





こうして 終わった。


No.8 11/11/05 22:48
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 7

日曜日。


摩耶は あの家…




バカ母は ひとり

少年M君に 会いに来た。



夏には 必ず来る

大きなプールや スケートリンクが 併設された 公共施設。



夕方 6時…

今は 無人の その大きな駐車場の 入口で 車から降り
少年を 待つ。




あの時 35歳だった私は




いつも 25歳だった(笑)




『8歳差のカップルなんて 世の中いっぱい いるよね!』

電話でよく M少年は


そう言っていた。





うん…



8歳差ならね。

もしかすると



キミのママと変わらないかも しれないんだよ おばさんは…




辺りが 闇に包まれる直前

彼は 自転車でやって来た。




キっと ブレーキを鳴らし

目の前に とまる。


『ちょいデブだよ(笑)』
と 自分を卑下してた彼は


なんのなんの

身長もかなり高いので
体格がいい… 程度のものだ。




「ルミ… さん?」

「うん(笑)」



「やったぁ!ほんとに!?」

「ほんとだよ(笑)」


つられて笑顔になる。




「さっき チャリで 子供が目の前 通っていかなかった?」

「行った…」


「あれ 弟!」



「 … 」



No.9 11/11/05 23:19
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 8

「どういう事?」


「俺 こわくてさぁ…

『外見なんか どうでもいい』とか 電話で言ってたけど もう少し手前で 待機してた時 そこの店屋にさ…」



住宅街の メイン通り。

この 公共施設は
その メイン通りの最終にある


少し手前は

商店街だ。




自分の町だもの。



隅から 隅まで熟知してる…





M少年は
早口で まくし立てる。


「俺 女の人のトシなんて わかんないじゃん? 自分の母ちゃんと 同じくらいとかなら 何となくわかるだろうけど…」


少し バクバクした(笑)


「そこにねっ 女の人が
入って行ったんだよ」



少しずつ わかって来た。



「俺 その女の人見て

『まさか この人 ルミさんじゃないよなっ!?』って…


少し 不安になったの…」




可愛かった。




「それで 弟君呼んで

偵察に来させたんだ(笑)」



「… そう(笑)」



上目づかいが
ますます 可愛い。




「そしたら 弟の奴マッハで戻って来て 『すげ~可愛いぞ!兄ちゃん!』って言うんだよ」



「暗かったからね(笑)」


「明るかった!」




「あぁ(笑) ありがとう(笑)」




「ほんとに…



すげ~可愛かった…」





キュンキュンする。
(馬鹿)


「ルミちゃんって

呼んでいい?」

「もちろん!(笑)」







名前ちがうけど。



No.10 11/11/06 01:16
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 9

「マジすかっ!?」

(また出しちゃった…)



ところで 5年前は
たしかに存在したけれど

10年前って
『マジ』とか言ってたのかな…

『感じワルイ』
とか
『ムカつく』
は 存在してましたがね…


また 余談でした(笑)









とりあえず 嬉しい事は

すぐ報告する。




チーム馬鹿母の掟その2



お互いの知り合いが

相手の容姿を褒めていた場合も 嫉妬を絡めず 必ず報告する。



馬鹿ならではの掟。




だけど 意外と女同士って
そういう事 隠しがち(笑)



そして 1番のルール。


男が出来たら


男 優先。





決めておくと

友情は スムーズである。






「だけど
17は犯罪っすよね(笑)」

「やってね~し(笑)」


「まだ…


っすよね(笑)」



鬼畜か。





「優ちゃんこそ アキラ…


どうした?」


けっこう 出会い系シリーズ(笑)では 長い つき合いだったので あえて実名で…

いや


仮名での登場。






「今も 電話待ちっすよ~…」


大の字に ひっくり返る。




アキラは



ビックリする程 いい男。


華がある

とか言う次元ではなく


オーラが すごい。





「風呂かな… アキラ」

ガバッと起き上がり

携帯を開く。





これも 優ちゃんの可愛い癖。



電話や メールがないと

自分のいいように解釈する。




うらやましい。



No.11 11/11/06 02:11
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 10

1日に 2人



という 偉業も成し遂げた。
(えばるところではナイ)



もちろん

会った人数だ(笑)





かなり ガっついていた



焦っていたのだろう。



17歳では

あまえられない。


しかも

運転を苦手科目とする私には


車のない男の子は つらい。




午前中は

摩耶を 優ちゃんにお願いした…




「必ず 30分後

電話するっす!」


「頼んだよ💦 優ちゃん💦」



昼間に 初めて会う場合

相手が『うわっ💦』でも



バックレずらい



ので



必ず 留守番の人間が

出かけた方に 電話をかける。



相手を気に入れば

『うん♪今 お出かけ中♪』


と 普通に会話する。




NGの場合


『うそっ!?熱あるの!?』

と 帰りやすいよう仕向ける。




馬鹿ならではの 苦肉の策だ。








いよいよ



後者を


使う日が来た。





私は

ワイルド系が苦手である。



毛深かった。




ちなみに ハゲも毛深い

というルールがあるが
(ルールじゃね~し)


ご多分にもれず

一樹も 毛深い(笑)




あの時の彼


ごめんなさい

って感じだ。






だけど 許せなかったの…


35歳の私は。


ハンドルを握る あなたの
手のこうに生える毛が…







何でスイッチが入ったのかは
わからないけれど


かかって来た電話の向こうで

大爆笑する優ちゃんの声が
携帯からもれぬよう



携帯を 耳におしつけ

「熱 あるんだ!?」



と 必死に芝居する


馬鹿な私が いた。



No.12 11/11/06 02:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 11

夜も失敗。



摩耶は あの家だし

優ちゃんは今
アキラに夢中な時間帯。




なんだか お断りして帰る元気も 私には なかった…




かなり長いこと 電話で話した人だし 車の整備士って職業も 魅力だった…


のだけれど。







まず 車が汚い。


中途半端なファミリーカー。
(偏見)



羽織っている薄手の
カーディガンらしきものに
無数の毛玉。




『たすけてくれ…』

と 胸の中で
誰にともなく つぶやく。




こうなったら

なるべく人のいない居酒屋で

軽くひっかけて 帰ろう。




みえっぱりの私。


こんなのが 彼氏だなんて
絶対に 絶対に
思われたくない!!

無愛想にしとけば
相手も察するだろう…


















「ぎゃっはっは♪♪♪

ほんとに!?〇〇次長 知ってんの!? 私 コーヒー出すよ(笑)いつも! いや~ 世間ってせまいね~(笑)! 綺麗な バーコードねっ!ぎゃははは♪ あっ… 生 もう1つ~!!」














「こんなに 人と話してて

楽しかったことない。




真剣に つき合って下さい」









あ…






あれ?



No.13 11/11/06 04:02
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 12

M少年からは

あれからも 毎日電話が来る。


私は…


やっぱりトシだ。




長い 若いコの話しに
つき合うのが 苦痛…



『好き』



なら 気にならないのだろうな…




そもそも 好きって

どんな感情なんだか


わからなくなっていた…



雄太が 本当に他人になり

T君は 結婚相手を
探そうとしてる。



玄関先に 結婚情報誌が

無造作に ほうり込まれていた時は 本当に 落ち込んだ。



バツイチの子持ちなんか
いらないよ…



って

言われたみたいだった。



そのくせ 離れて行かない彼に

嫌悪もあったが…



安心もしていたように思う。





そして 結局 今だって

値踏みするみたいに


とっかえひっかえ 会う男を




全部…



全部 比べてるんだ。





T君と。



こうしてる私に

「俺以上の男なんて

あらわれないよ」



って



見透かされたみたいに

言われたことがある。




見つけてやる。


絶対に…




方法なんて



関係ない。











『ルミちゃん!

聞いてる!?』


「あっ… ごめん」



『明日 ご飯食べよ♪

俺 ご馳走する!!』



「無駄づかいしないの(笑)」



『子供あつかいしたね~』

少し ふくれるM少年。





私だって







こんな事 言いたくないよ…



No.14 11/11/06 04:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 13

M少年の話しの中で

けっこうな回数で
『母ちゃん』が飛び出す。



あたりまえだよな…

まだ17だもん。



そして どうやら
ご両親は
うまくいってないらしい…



今、暮らす家は
とても立派で 突然 建てられたものだとも 言ってた。














この近辺なら

走れるな…



気が重かった。



私は 助手席の人間。

女友達といたって


私の運転で どこかへ…

なんて ありえないのだ。





まだ 明るい夕方


私は M少年を 助手席に乗せた

「ごめんね きついよね💦」


身体の大きなM君には
軽自動車は 窮屈そうだ。


「母ちゃんも 軽だし(笑)」



出た。 母ちゃん。




「さて どこ行く?…

っても 遠くは無理だよ💦
私 運転苦手な…」

「ルミちゃん 〇〇わかる?」




…!!



「な… なんで?」


「ばぁちゃんちが そこなの!

ご飯行く前に
ちょこっと寄りたい(笑)」




お小遣でも もらうつもりか…



いや 今は そんな事

どうだっていい。





〇〇は



私の実家がある

せまい せまい 住宅地だ…!!



No.15 11/11/06 14:07
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 14

「お母さん…


綺麗な…




人だね…」






なぜか 私は




興奮していた。








少年は





すごい。









初めて…




雄太とセックスした日を…




思い出した。









たどたどしい 愛撫

荒い息



激しい興奮が


伝わって来る…





「M君…


ゆっ

くり…




しよ… うね…」





「ルミちゃ… ん


好きだ…

好きだ…!」




動きが激しくなる…







…泣いて



る?



















「ねぇ おばあちゃんちは
また今度で よくない?」

「どして?
もしかしてルミちゃん
あっちまで 走れない?

じゃあ 俺 代わるよ運転♪」

「だめだよ~

免許もないのに!!」




結局…




来てしまった。


私はどうも

押しに よわい。





メイン道路を挟んで

右と左の 違いはあるものの…




実家は すぐソコである。


「ルミちゃん 一緒に行こう」


「は?」

「ばぁちゃんち♪」


「無理無理 無理無理💦」





知ってる人だったら


どうすんだよ(泣)!?




No.16 11/11/06 14:50
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 15

私が意地でも 車から降りる様子がない事を知ると M少年は


「すぐ戻るからね!」



と 家に飛び込んだ。






早く…


早く…






気が気じゃなかった。






長く感じたが

彼は 本当に
すぐ戻って来たのだろう。


早く この場所から逃れたくて
私は スピードをあげる。


来る時は

「次は?」
「どっち 曲がるの?」


なんて 知らない芝居をしたが

こうなると もう
知ったこっちゃない!




「よく道おぼえてるね!
ルミちゃん!」


「カンはいいんだよ…」





団地を出ると

そこは 旧の国道。


私が 小学生の時
ここへ引っ越して来た頃は
この通りは 往来の激しい この町の メイン道路だった。


今は


ただの旧道だ。





私は 旧道に乗ると
数メーター走り

すぐに ハンドルを左へきった


「ルミちゃん…?」




細い 細い

急な くだり坂。



私が 会社から実家へ 直接行く場合しか 通らない 狭い道。


車と車が

やっと すれ違える細い道…
















「あ!(笑) 母ちゃん!」









でしょう…











はるか前方から

こちらに向かって来る



白い軽自動車
















とりあえず 私は



選択する道を…




いつも










間違える。



No.17 11/11/06 16:51
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 16

「それで『白雪姫』…

入っちまったんすか?」



ダサいネーミング。

ガレージ式の
モーテルってやつだ。


地元じゃ ちょっと有名。



中学生の頃

兄が進学で 他県に出て行き


初めて 2階に
自分の部屋を 与えてもらった…



窓際に机を置いた私は

窓辺から見える


『白雪姫』の照明に 心奪われ

よく


夢中で スケッチしていた。





今は


例の ビジネスホテル兼ラブホが 実家の 真裏に位置する場所にあるため その灯も 見えはしないだろう…





「はぁ…


どうしよ 優ちゃん…」


「やっちまったもんは

しょうがねっす!!」



「だよね…」




セックスをした

後悔では なかった。




この後に

絶対来るであろう


若い彼の執着を思うと





大人として 最低…


と 自分を呪いたくなる。







すれ違い
手をふるM少年の母親は


本当に 綺麗な人だった。

正統な 美人。




ただ


私に向けた 怪訝そうな表情。





あたりまえだ。



女性は 相手の年令に敏感だ。


ましてや

自分の 大切な
息子と一緒にいるのだ。









汚してやりたくなった。


急に


めちゃめちゃに

してやりたくなった。






気づくと 私は

すぐそこに あった



『白雪姫』のガレージへと



車を




入れていたんだ。




No.18 11/11/06 17:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 17

なんだか…



この オモチャみたいな

携帯が よくないのかな?



その頃の

自分の精神状態も よく見えず


私は

なんだか パっとしない 日常を



携帯電話のせいに してみた。





「ちがうだろ…」




バタっと 仰向けになる…




T君に買ってもらった
ミニコンポから

宇多田ヒカルが 流れている。






せつない声だなぁ…


















起き上がる。


また勝手に


指が 動く。








『助けてください。


恋をしていないと

死んじゃう女です。



車持ってる
大人の男性が いいなぁ。』






ピッ










バタンと また倒れる。







天井を見る。








宇多田の声を 聴く。









会いたい人が いない








自分に 気づく。











携帯を見る。





『こんにちは(^O^)

俺 今 車はないけど
免許は あるよ!!


俺と 恋をしよう!

毎日 寂しいです(;_;)』









車ないのか…






まっ


暇つぶしだ。









BGMに酔いしれ

寝転んだまま






私は 返事を



送信した。




No.19 11/11/06 18:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 18

「なに!? この部屋…

暑っ…」



「別に なにも
つけてないっ…ですよ(笑)」

…?








「どーも…」


「あ どーも(笑)」





寝転んで 頬杖をつく

暑苦しい原因が



そこに いた。






おまえ

花とか しょってんのかよ!?


って ツッコミたくなる
若干気持ちわり~オーラ(笑)





「アキラ君は

いつ見ても いい男だね(笑)」

「リエさんって

口 うまいよね…」



小憎らしい。





「アキラ 何飲む?」

「麦茶」


麦茶かよ。


「はいはい💖」





優ちゃんにまで

気持ちの悪さが 伝染してる!





「少し

こっちの窓 開けたら!?」



たまらず アドバイス。




「だめっ… す だよ リエさん

アキラね 寒がりなの(笑)」



じゃあ 服着ろよ!


と 言いたくなったが

「あぁ… そう」



と 言っておいた。






キッチンで お料理し出す
優ちゃん。

「リエさんも
食べてってくださいね」


だから 気持ちワリって…












「ねぇ アキラ君」


「ん?」




大量の花を 背中から おろせ!






「優ちゃんのこと


…好きだよね?」






フフフと笑う

この
宝塚歌劇団の 横っ面を


思っきし

グーで殴る想像をした




私だった。



No.20 11/11/06 21:15
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 19

駅前の


繁華街で 待ち合わせをした。



車がないという彼にも

電車で動ける範囲が
ちょうどよかったからだ。



比較的 大きい都市の

駅前。


あの町に住むまでは
暮らしていた場所なのに

ここへ来ると

私は いつでも
テンションが あがる。



今や 田舎のネズミに 成り下がった私は 少し 気後れさえ してしまいそうだ…




実は
気後れの理由は

もうひとつ


ある。






1度 失敗したのだ。




電話の感じが明るくて

すごく お喋り上手な男の子。



もちろん 車持ち。





居酒屋でも 意気投合。

ルックスも悪くない。





ただ



気に入ってもらえるとは

限らないこと






初めて知ったんだ。





彼は 私みたいなタイプの女は

好みじゃなかったみたいだ。



食いついて…


来ない。





こちらから 連絡する程

元気も勇気もない。




おしまい


にした。




空しくなるだけだもん…




だけど


けっこう 落ち込んだ(笑)




次に 人と会うのが


少し 怖くなった。







今日

ここへ足を運ぶのも



相当な 覚悟がいった。




嫌われたら


どうしよう…






追いかけられる恋しか

する気のない私には



とても 苦痛な賭け。








人ごみや 車の騒音に

身をゆだねながら


駅前の 大きな時計を

見上げる。





素敵な出会いに
なりますようにと 祈りながら…



No.21 11/11/06 22:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 20

「リエさん(泣)

弘樹がぁ~(泣)(泣)!」




「また ですか…」




「痛てっ! チャオ!」


「チャオ おっき~声聞くと
噛みつくんだよ(笑)」


摩耶が笑う。








アキラは

花をしょったまま逃亡した。



立ち直りの早い優ちゃんは

すぐに 獲物を探し出す。





最初から 愛を連れて出かけたモールで 優ちゃんは 弘樹と 待ち合わせをした。


少し買い物したいからと

ゲームコーナーに
愛と弘樹を 置きっぱなしにして 出かけるという 荒業。



そっと戻って来た 優ちゃんは

2人の楽しそうな様子に
感動した。



そして 恋をした。






あっさりした顔の弘樹。


濃い顔面に

食あたりをしていただけだとも思われるが(笑) 彼の顔も とても 気に入っていた優ちゃん。




ただ 彼は




謎が 多すぎた。





優ちゃんは
パソコンの達人である。

私など

会社で 入力に使う端末を 把握するだけで 精一杯…


ワープロを使いこなしていた為 キーボードを叩く指も 素早い優ちゃん。


日本語さえ しっかりマスターすれば 素晴らしい キャリアウーマンに なれると 私は思う。




なので 自宅のパソコンで

チャットなるものも 弘樹と始めた 優ちゃんなのだが…



No.22 11/11/06 22:50
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 21

アナログ人間の私には

今だ そういう仕組みが

わからない…






同じエリア内で

弘樹から聞いた話しを 弘樹ではない 人間が 話している…



と そういう事らしいのは

わかる。





「はいっ

愛ママ ティッシュ」

「サンキュー 摩耶ちゃん」




豪快なラッパみたいな音を出し

鼻をかむと


「あぶねっ💦」

と チャオを警戒。




「音は 大丈夫だよ(笑)」


猫アレルギーの愛は

今は おばあちゃんちで
待機中だ。






「なんで 嘘つくんすかね…」


本当に不思議だ。


免許証を見せろ(笑)と言っても 理由をつけて 見せてくれないらしい…



ただ いつも

その理由が 素晴らしい。


思わず納得…

ばかりなんだ。






このチャットの事も きっと

夜には


こうだったんすよ~(笑) って

優ちゃんから
電話が 来るんだろう。



素直な優ちゃんが 心配だが

2・3度会った弘樹を


私も 信用してた。





タカラヅカの後だから

よけい信用できたのかな(笑)






「はる君さんの 話しは

明日 会社で聞くっすね(笑)」


優ちゃんが立ち上がる。



「なにしろ リエさんち狭ぇ~から 全部 摩耶ちゃんに つつむけっすもんね(笑)(笑)」




なんだか

響きが いやらしいぞ
優ちゃん。



No.23 11/11/07 00:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 22

お洒落な カウンターバー…






そう!


私が望んでたのは

こういう事!!





マスターに 私を紹介する
はる君。


「マスター ルミさん。」
(ちがうけど)
「こんばんは♪」


「彼女?」

ありがちな 髭のマスターの

ありがちな質問。



「まだ!!


… 彼女じゃないよ」



心ん中で

ちっちゃくガッツポーズ!


どうやら

嫌われてはいないらしい…




会ってすぐ はる君は

「ほっそいね~…」



と 私に言った。


「はる君 細いコ嫌い?」



優ちゃんの

『オッパイちっちぇ~』
が 頭に 浮かんだんだ。



こいつ 爆乳フェチか?


あまり好意的に感じなかった
そのセリフを

私は また
マイナスにとらえた。





「好きだよ!」


ニッコリした

はる君の 笑顔を見るまでは

だ。



はる君は

かもなく不可もない顔を
していた。


雰囲気いい男(笑)

すごく お洒落だった。




「ルミさん
行きたいとこ ある?」


10歳 年下 25歳。

私のキャラ設定と




タメになる…








「あっ💦 ないない💦

はる君に おまかせ(笑)」



「じゃあ 俺 前にバイトしてたとこ 連れてくよ♪ 行こ♪」


と 彼は











手を つないで来た!




No.24 11/11/07 01:03
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 23

ドキドキしていた。


(『北の国から』のジュンか)




まったくもって

ドキドキしていた…








T君と私は

いつも 腕をくんで歩いてた。



優ちゃんと ワキ汗発言の彼は

いつも 手をつないでいた。





「リエさん達 大人っすよね」

と 必ず言われていたけど



実は 私



手をつないでる優ちゃん達が

すごく すごく


うらやましかったんだ。













おばちゃんは 舞い上がった!





繁華街


イルミネーション





若い彼と


手をつないで 歩く自分…







なに!?


この シチュエーション!!













そんな



脳みその膿んだ私の
頭の中には




『会いたい』と 泣きながら うったえてくる M少年や


たまに 訪ねて来ては

私を 無理矢理に抱いてゆく
T君のことなど






ひとつとして











浮かびもしなかったんだ…




No.25 11/11/07 02:44
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 24

「みんな

今日は 無礼講でね~!」



「 … 」 失笑。






本編では

素晴らしい人間像で描かれた
支店長(うすらハゲ)。



実は あの 忘年会での大喧嘩の前までは 誰にも 好かれやしない ただのワンマン パワハラ野郎でした(笑)


ある意味 私が彼を変えた。
(豪語)





「無礼講って
よく言うよな(笑)」


「さっさと帰れ ハゲ…」




しか~し

飲み会大好きの
私と優ちゃんには


んな事 関係ないっ!!



しかも 彼

私達には いつも優しかったし…






そこここで 話しに花が咲く中


ぐいぐい飲みながらも

視線は つねに
携帯に注がれる 私達。




「ちょっと そこ!

さっきから
何コソコソしてんのよ!?」



私が 会社を辞める頃には

自分より年上は

お掃除担当の 還暦を過ぎた
おばさんだけだったが


この時は まだ

お局が 2人 存在していた。



「してねっす💦」
「してないです!」




こんな 馬鹿な遊びをしてるなんて(本人達 遊びのつもりナシ)こればっかりは 2人だけの 秘密だ…


もちろんの もちろん

Cには
口が裂けても言えない!



酔うと


男が恋しくなる

チーム馬鹿母。






「弘樹…」


「はる君…」







宴も たけなわ…




恋も


たけなわ…




No.26 11/11/07 03:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 25

来たっ!


「へっへ~ん♪
来ったもんね~♪♪♪」

「くっそ~…」


と またビールをあおる。


「なんだって?はる君さん…」

口の泡拭けよ 優ちゃん。



『今日は 何してたの?
俺は またボ~っとしてる。


早く ルミちゃんに
会いたいです。


寂しがりやの ルミへ…』



「画面ちっちぇ(爆笑)!」

「うるせ~よ(笑)」



「しかも
ルミちゃんじゃね~し(笑)」




そうなのだ…




私は まだ嘘をついたまま。


年令だけは
会話のジェネレーションギャップが怖いので(笑) 実は…


と 5歳だけ 引き上げた。


「えっ!? お姉さんなの!?

タメだと思いこんでたから
ついていかない…



けど 話してくれて
ありがとうね(笑)」


と 受け入れてもらった手前



名前まで 嘘だとは

とても言いづらい
馬鹿女なの…
私。



「うわっ

これ 飲みこめねっ…」


さっきからずっと

クチャクチャと 口の中で 噛みつづけていた もつ煮の 肉を

「リエはん ひょっと

ちり紙 ひょうだい… うえっ」


と 口から放出した優ちゃんは


「ちり紙ごと食べろ!」


と Oに投げる。


「わっ💦💦

これは ちり紙じゃなく
ティッシュだよ 優さん💦」








おまえらも 馬鹿だな…




No.27 11/11/07 04:23
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 26

入社したばかりのO

この頃には もう



優ちゃんへの恋心は

芽生えてたんだろうな…




優ちゃんは よくモテる。


お客さんからも

現在2人から
アプローチされ続けている。


1人は 既婚者。

話しにならん。



もう1人は

後に出現する 私の亭主の車屋なんか 足元にもおよばない


隣県の どデカい車屋の社長。



『金 持ってんど~』

なんだけどね…



とりあえず 優ちゃんは
年上も NG。



もらった チタンの
10万の ブレスレットも


すぐ
ディスカウントショップに
ぶち込む いさぎよさ!
(いさぎいいのか?)






あくる年の クリスマス前


雪の降る夜 Oは

R君といた 私の家を
訪ねて来た…




どうしても


優ちゃんが好きだと

私に うちあけに。





優ちゃんの魅力


よく知ってるO…






だけど 最後まで


叶うことのない 恋だったね。








惜しい人を なくしました。




死んじゃいないよ~💦💦


No.28 11/11/07 05:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 27

地下鉄 北側最終駅。


とは言っても

駅は地上にある…




車のない はる君が
電車で来れる 最終地点。



「私が運転 たっ…

上手なら はる君のアパートまで 行けるのに… ごめんね」


達者と言いそうになって

おばさんクサ過ぎだろ💦
と 慌てて やめた。



「そんな事ないよ(笑)

俺こそ 車なくて… ごめん」


可愛い…。



「ルミ
今日は どこ行きたい?」

「カラオケ~♪」
(好きだな…)





郊外側の 最終駅前

それなりに ひらけている。



遊ぶ場所には 不自由しない

それに


なにより 新鮮だった。



こんな遊び方…





私は

あの頃


はしゃぎ過ぎていたね。





恋の魔法。




あっという間に

時間が過ぎる。







離れたくない。


愛しい気持ちが 加速する。



2人で

何本も 電車を見送った。



「ずっと 一緒にいたいね…」


はる君が言う。


「うん…」


涙を こらえる。





もう



あと5分で 最終だ。







街の灯りが キラキラと輝く

駅構内の ガラスの壁越し



はる君が

ギュっと 私を抱きしめる。



「好きだよ… ルミ…」


「私も…

大好き はる君…」








初めて



キスをした。



No.29 11/11/07 12:33
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 28

なんなの…


なんなの

このシチュエーション!!!
(またかよ…)








みんな 見てる…

それに


ここ2階だから…

明るいから…


ガラス張りだから…!




歩道橋や 下 歩く人たちにも

世界まる見え!!!











トレンディードラマ?
(言い方…)

シンデレラ エクスプレス?
(どこ行った?牧瀬里穗…)


舞い上がる

私…!!








今日も お洒落な可愛いジャケット着た 背の高い はる君が


せつない顔で



私を急に

グっと抱き寄せた時




頭の中の
たくさんの 小ちゃい私が


『みんな ちゅうも~く!』

って叫びながら
パタパタと 走り回った。




絶対 キスされる…


顔を あげたら…










来る!!







ほら…


来た。






みんな


目を 離しちゃダメよ…










1番の


クライマックス。






BGMは




山下達郎は やめてね



宇多田で







お願い…

















家へ 帰りついてからも

何度も 何度も

繰り返し 反芻する。
(牛か…)







そして


優ちゃんに


どう教えようかなって

ニヤニヤする…












ひと粒で 2度おいしい。




No.30 11/11/07 15:11
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 29

『ルミ…

明日も 会いたい…』


「無理だよ はる君…」



『困らせた?

泣かないでね💦ルミ…』


「泣かないよ(笑)

ただ


眠れなくなった…」



『じゃあ 子守唄

うたってあげようか?』

「うん(笑)」


『あ~あ デカメロンっ♪

おっお~う♪♪♪…』


「ぎゃはは(笑)

よけい 眠れないよ…」




…!!






ドアの開く音



T君だ。





「ただいま」

わざと 大声で言う。




『… ルミ?

どうかした?』


「ううん!

どうもしないよ(笑)」



キっと 睨みつける。



口だけの 動きで

『ハ・ナ・シ・テ・ロ』

と 笑う。


「はる君

私 そろそろ寝ようかな… 」



手が 私の胸に のびる…


『やだよ(笑)

まだ ルミの声 聞いてたい…』



あいつの唇が

私の 乳房を 這いまわる


「お願い…


はる君…」




腰を…




『(笑)好きだよ… ルミ』





太ももを…




「私も…

はる君… 」






足が ひろげられる…




『ん?

聞こえな~い(笑)』






身体が


勝手に


…反応をはじめる






「大好き…!


大好きよ…





はる… 君」




No.31 11/11/07 15:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 30

カチャカチャ カチャカチャ…




優ちゃんの背中から


炎が 見える。





「ママ!

愛の苺のシールどこ?」


「うるさいっ」



こらこらこら。


「愛 おいで」


摩耶が呼ぶ。


「愛(笑) お姉ちゃんに
探してもらいなさい(笑)」

私が言う。



「は~い」

優ちゃんの背中を
小さな手で バンっと叩き

「イ~っだ!」と
しかめっつらをして 逃げる愛…






カチャカチャ カチャカチャ…



おいおい おいおい。






「(笑)また バトル?」


「あ… リエさん…


ビール 勝手に冷蔵庫から 持ってきて飲んでて 下さいね…」


「はいはい(笑)」



「私のも…」


「はいはい(笑)」





私は 食器棚から グラスを2つ取り 冷蔵庫から ビールを…




???








「優ちゃん…」




「 … なんすか?」






「これは 冷やさなきゃなんね~もんなのかい…(笑)?」










よほど 興奮してたんだろうな…










冷蔵庫の中では

とても 寒そうに




ヴィトンの お財布と

キーケースと




苺のシールが








肩を 寄せ合って泣いていた。




No.32 11/11/07 18:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 31

「寒いっす 寒いっす~


… って 泣いてるよ(笑)」



「何がすか?」




キーボードを叩く指が

カチャっという
ひときわ 大きな音とともに


とまった。




振り返った 優ちゃんの顔は

涙と 鼻水まみれだ。






「優ちゃん…」








バタンと
ノートパソコンを閉じると

「ムカつくっす!!」


と 立ち上がる。



とりあえず 顔ふこうよ
優ちゃん…











救出された 財布や
キーケース 苺のシールに
子供達は 大喜びだ。



「冷た~い(笑)冷た~い(笑)」

と 大はしゃぎ。





「はいっ リエさん ついで!」


と グラスを差し出す。


優ちゃんは 缶のまま
決してビールを飲まない…
(家の場合)


そんなとこも

女らしいな なんて 思う私。




だけど

必ず叱られる(泣)(笑)



こうして
グラスをつき出されて

「まったく

リエさんは 気がきかない!」

って…



「親分 気が立ってますね~」


苺のシールちゃんを 見守っていた 缶ビールを 注ぎながら

そっと 聞いてみる。






「弘樹

結婚してんじゃね~かな…」






ビールが溢れ


私は また




叱られた。




No.33 11/11/07 20:34
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 32

こわい…


こわい!



こわい こわい こわい!




バスが 横を走ってる

うわっ


どうすんだよ

3台前に 清掃車が
黄色いランプ点滅させて
ゆっくり走ってるよ…



みんな

追い越すのかよ~…



あ~ あ~ あ~

後続車まで
私ごと 追い抜いちゃったし…


ミラー 見て… と


ガンガン来てるよ~(泣)

どのタイミングで
ウィンカーあげりゃいんだよ…



誰か 助けて~(泣)(泣)!!!











右折無理

二車線無理


の 運転音痴の私が今…





三車線の道路を 走ってる。





もちろん

はる君に 会いにゆく為だ…


「危ないことしないで!」

と 言われたが


弘樹のこともある…



私は はる君の家を

確かめずには いられなかった…




幸い 今 はる君の住むアパートは 私が 小さい頃 住んでいた場所から けっこう近い。



とは言え



その頃 ここは

一車線でしたけど~(泣)!!!






ここを 左折して

少し走れば 住宅地に入る。



何度 鳴らされたかわからない
クラクションの音に
ビビりながら



私は ハンドルを

左に きった。



No.34 11/11/07 21:10
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 33

はる君だ!!




コンビニの駐車場で

こっちを ず~っと見ながら
心配そうに 立ってる。



今日も 可愛い。



やっと デッキから流れる

宇多田の声が(しつこい)


耳に 入って来た…






私を見つけ

大きく手をふる はる君。


笑顔になる。





「よかったぁ

気が気じゃなかったよ」


「こわかった…」

車から降り 気づいたが
手足が ふるえている。


「大丈夫?」


ギュっと

両手を包んでくれる…



「平気」

って 笑ったら


頭ポンポンって…!!!

(これ かなり高ポイント)




「なんか買ってこ♪

ここからは
俺 運転するし(笑)」


二重の 喜び。











サラダの棚を

ジっと見つめる 私…


本当は生野菜は大嫌いだが
可愛い系の食べ物が
これ以外 思いつかない。
(馬鹿まる出し)





後ろから


「ルミの足は

本当に綺麗だね~(笑)


足フェチなら襲われてるよ!」

と笑う はる君。








キミは違うという事だね…





いちいち思うが

絶対 はる君は


肉感的なコが好みなんだ…





『太ろうかな…』




あいそ笑いを残し


私は


ボリュームとんかつ弁当を

手にとった。




No.35 11/11/07 21:44
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 34

小さな

ロフトつき ワンルーム…



「必死で 片づけた(笑)」

と語る彼の 言う通り


適度に ちらかり

適度に 綺麗。




嫁が いる気配はない(笑)





小さな 木造のアパートなのに

玄関には モニターもついてる


「これ 録画出来るんだよ♪」



ピッピッ と 操作して

「この人 母ちゃん(笑)」


おまえも 母ちゃんかよ…



と 思いながら 画面をのぞき

大爆笑してしまった。




アフロヘアで

ビックリ顔の京唄子だ。








「なんか聴く?

それとも テレビがいい?」


緊張して来た。







ちなみに これも余談だが

優ちゃんは 激しく緊張すると 笑い出す。

病院への お見舞い

上司の関係での お葬式など


入口で 必ず 大笑いする。



前の旦那さんを怒らせて
グーで殴られそうになった時も


「うはははは!!」と

大笑いし出したそうだ。













「はる君 なに聴くの?」


「ほとんど 洋楽かな~…」

ガサゴソとCDの山を探る。





みのもんたの


思いっきり生電話の時間だけど…



と思ったが やめておいた。





「あ!」


「どしたの!?💦」







「みのもんたの時間じゃん♪」





はる君が





テレビを つけた(笑)





No.36 11/11/07 23:24
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 35

「やってねんだ!?」



久々 会社の2階のトイレ。




「してないよ(笑)」

少しだけ窓を開けて
煙りを 外に吐き出す…



「浪漫ティックな

お別れの キスだけ(笑)」


「おえっ」


「おえっって言うな!」


「いや マジで 気持ちワリくなったんですって💦💦💦」



「 … 大丈夫?」


「吸いすぎっしょ(笑)」

「なら いいけど…」







最近

優ちゃんの顔が


疲れてる。




素性の知れない男…





こんな出会い方では

つきものなのかもしれない
試練…




わかったところで

それが安心になり 刺激がなくなって 飽きに つながるのかも しれないけどね…






『ちょうどいい』が


見つからない。




ほんとに 恋って

ややこしい…












「Tさん…

ガラガラガラガラ…

ペッ

…だいじょぶなんすか?

ガラガラガラガラガラ…

ペッ


リエさん…」





口の中が 気持ち悪いと

手洗いの水で うがいしながら

優ちゃんが言う。





「うがい終わってから

しゃべろうよ(笑)(笑)」




「だって 下で あんま…

ガラガラガラガラ

喋れないじゃね~すか!」




















飲んだよね? 優ちゃん…



No.37 11/11/08 01:17
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 36

車が ついて来る…

会社を出てから ずっとだ



6時少し前。


まだ 辺りは明るい。






いつもは 会社を
一緒に出る優ちゃんは
今日 お休み。








ひとつ目の角


ついて来る



2つ目の角を曲がる




ついて来る…







3つ目…




間違いない。










本当なら

摩耶を あの家に迎えにゆく為 左へきる ハンドルを


私は 右へきった。









誰かは わかっている。









住宅の並ぶ その通りで

私は 車を降り

急いで家へ 駆け込む。



ピンポーン

ピンポーン

ピンポーン




ガチャッ




「摩耶ちゃんママ!」


「Nちゃんママ

追われてる!隠れさせて!」



「早く入ってください💦」




バタン!




「どれですか!?」



どれ~(笑)(笑)!!




とりあえず ホっとした。


家までは 来ないだろう…





「ごめんね(泣)突然…」

「全然 大丈夫です(笑)

…T君ですか?


あっ

コーヒー どうぞ♪」


「ありがとう!(笑)

ちがう ちがう…


会社の 出入りの業者だよ…」







ほんとに しつこかった。



いつもの居酒屋で

偶然 会ったのが きっかけ…


もう 3.4年経つだろう。



きつく言えない

自分の性格が



わざわいしてるんだけどね…







「あきらめましたよね…」

Nちゃんママが

リビングのカーテンを
少し 開けた時



チャイムが 鳴った。




No.38 11/11/08 01:45
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 37

「いません!!」


玄関から

Nちゃんママの 大きな声。



「ここに入ったでしょう?

見てるんですよ!」


「いませんったら いません!

いても 出しません!!」





Nちゃんママ(泣)

私ゃ あなたと結婚したい(泣)




「警察呼びますよ!!」





とうとう 吠えた。








退散。







「ありがとう。本当に…」




すごく怖かった。


ほんとは すごく





怖かったんだ。









帰り道


運わるくなのか 良くなのか…



T君から 電話が入る。




「ストーカーに追われてね

今 Nちゃんママに
追い払ってもらった…」


優しい言葉が欲しくて


そう言った。




『ふ~ん…』








前に



雄太に相談した時も




『うちのヤツも 狙われて

俺が 追い払ったんだ』






聞きたくもないことを







言われた。









今の私を 守ってくれるのは



いったい誰なんだろう。





はる君?




嘘の私しか 知らないのに…






はる君といる私は




私ではないのに。





No.39 11/11/08 02:47
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 38

心が痛いと

勝手に 指が動く…





『ずいぶん 夜ふかしさんだね

俺は まだ仕事中。

会えるコなのかな?』




こんな時間の仕事って

なんだ?



水系の人?






『うん 俺ホスト(^O^)

いろんな仕事してるけどね♪

090-××××-×…

電話 ちょうだい♪』






すぐに





電話を かけた。







『お~♪
さっそく ありがとう!
嬉しいなぁ』


こなれた喋り。

辺りも ざわついている。



嘘…



ではないのかな?






「こんばんは(笑)

圭介君は 車持ってんの?」


『リエちゃん

そこ 重要ポイントなんだ(笑)

最初から
こだわってんよね(笑)(笑)


持ってる 持ってる

悪いけど すげ~いいの
持ってる(笑)(笑)』







名前ぐらい

本当でいたかった。







「明日 会える?」


『積極的だね~(笑)』



いいから

いいか悪いか 答えろよ。




『全然 オッケー!

ただ…


かなり 遅くなるよ💦💦』


「何時でも かまわないよ


迎えに来てもらえるなら…」



『行っちゃう!行っちゃう!

どこまででも 行っちゃう!』



うるさい奴…



「嬉しい♪ じゃあ…」












真夜中




くだらない遊びが





また




はじまってゆく…




No.40 11/11/08 03:51
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 39

圭介に

初めて会った夜のこと



出会った瞬間の記憶がない。




三角のグラスに

ちょっぴりだけ入ったカクテル…



いつも

そこから はじまる。








「乾杯」


グラスを あわせた。






「リエは 本当に

昼間の仕事の人なの?」


並んで座る

背の高い カウンターチェアに



足が ぶらぶらする。





「そうだよ(笑)どして?」


「夜の人にしか 見えない…」



よく言われる。





「圭介君の いろんな仕事って

な~に?」



「あぁ(笑) 俺?

要するに なんでも屋だな


ブライダル関係の

仕事もしてるし…」






消防署の方から 来ました



と 同じじゃないのか?






ちなみに 一樹は

テレビのニュースを観るたび


「富山の おじさんだ!!」

などと その出て来た地名に
おじさん おばさんを
くっつけて叫ぶ。



最初は 親戚かと
ビックリしていたが

「この人が
富山のオジサンである事は
間違いないべ」

という くだらないオチだった…





ブライダル関係



って

まさに そんな感じ。





ま…


どうだっていい。











「また 会ってくれる?」



いかにもな スーツに身を包んだ彼は 意外にも お酒を ご馳走してくれただけで




別れぎわ




とても 自信なさげに







私に


そう 聞いてきたんだ。




No.41 11/11/08 12:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 40

2度目に会ったのは…


朝の7時。




日曜日の朝だった。


3時の約束が


延びて


延びて




延びて 7時…



まめに連絡をくれたから

待つのは

苦痛ではなかったけれど



なにしろ…


朝日の中で

25歳でいる自信が

私にはなかった。





…のだが





ブライダル関係の方(笑)で

遅れたらしい圭介は





もっと

汚かった。






無精髭に 荒れた肌

この間会った時より


確実に 10歳は老けてる…


どう頑張っても

キミの28歳発言には
無理ありすぎ…



って感じだった。





おまけに

「タバコ1本 ちょうだい

リエ…」


彼の セルシオの助手席に

乗り込んで すぐ。




スマートさの カケラもない…






だけど なぜか



そんな圭介に







私は




欲情した。






だから


「じゃあ 行こっか?」

って言われた時



なんだか すごく

あたりまえの気が したんだ…










朝立ちも手伝い(笑)


挿入は ひどく困難だった。




私は セックスに

結合は けっこう不必要。



耳元に

「リエ…」って




熱い息が かかるだけで



充分に




興奮できる。



首すじを 這いまわる

唇と 舌だけで





「圭…介… 」





濡れる。





溢れて…




「好…きよ」





嘘が つける。




No.42 11/11/08 15:32
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 41

すごく ゆっくり眠った。


久しぶりに

圭介の腕の中で
惰眠を むさぼった。



彼もまた

無防備に 寝ている。





ただの

オッサンと オバハンだな…


妙な親近感。





愛情の絡まない セックス。


寝るだけの関係。






嫉妬しない


って すごくラクだから…




上手に


つき合わせてもらおう。





ベッドの上で

タバコを吸っていると
携帯が鳴った。






『ママ』


摩耶だった。




「どした? 摩耶 おはよ♪」


もう 昼過ぎだ。





『何時に お迎え?』



「どしたの(笑)

寂しくなった(笑)?」



『ちがうよ(笑)

じいちゃんと ばぁちゃんと サクランボ狩りに 来てたの!


迎えに行っても
あたしいないからね(笑)』





なんだよ…


楽しそうじゃん。







摩耶には プリペイド式の 携帯電話を 持たせていた。

…と 言っても

私の母が 誕生日に 買ってくれた物で 今では 私の このオモチャより 立派な代物だ(笑)



「お土産 忘れないでね(笑)」


と 電話を切ると





急に 空しくなった。






空いた時間を

圭介と過ごす気にはなれない。



彼も また


同じだろう…




「娘?」


びっくりした。

「うん」


「いくつだっけ?」


「5… 」

年生と言いそうになり


「歳」

セーフ…



「可愛いんだろな」



また…



意外発言。







このあとの時間の事は


終わってから考えよう…



この 腕の中に


また抱かれながら





忘れてゆこう。



No.43 11/11/08 17:49
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 42

「暇だからって ウチに来んの

やめてくんねすかっ!!!」


「え~~~???


聞こえな~~~い(笑)」




こう見えても(笑)
綺麗好きな優ちゃんは

今日も 掃除機をかけている。



「愛はぁ~?」

「ばぁちゃんとこっす」


掃除機を ガタガタと
片づけながら

「姉ちゃん 子供連れて

帰って来てるんで…」



優ちゃんは 三姉妹。

わがまま末っ子。



私と同じだ…




「しかし リエさん

よく あっちのばぁちゃんに
摩耶ちゃん預けるっすよね…」






優ちゃんも

かつては同居だった。



まだ 首もすわらない愛を

義母は 連れまわした。
雨の日も 風の日も…




優ちゃんは

半分ノイローゼだった。


姑にたいする 激しい憎悪。

加えて 流動食しか受けつけない 舅の食事の世話…



彼女の


してはいけない恋は



『逃げ』から はじまったんだ






「摩耶とりあげたら

あの家の人たち死んじゃうよ」


「まぁ リエさんも

それで自由に
できるんすもんね…」



来るぞ…








「モチス モタレル…


か。」















じゃね~よ。





ロシア人とかかよ。

(ツッコミいまいち)



No.44 11/11/08 18:59
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 43

「優ちゃん

ちょっと台所かしてね…」


「卵 使っていい?」



「ザルな~い?」







いったい このオッサンは

何をしようとしてるんだろ…







「はい♪

リエさん💖 ど~ぞ💖」



「リエさんにかよっ

うちの卵だぞ!!」





弘樹が連れて来た

仲良しの先輩。佐藤君。


実年令で(笑)私とタメ。

ずんぐりむっくりの
優しい オッサン。独身。



彼は


今日 私に恋をした。




「佐藤君 器用だね~…」



目の前の 大きな茶わん蒸し。


「うまいっ!」


優ちゃんは 弘樹の前では
飾らない。

いつもの 優ちゃんだ。



「俺も 料理うまいよ。

悪いけど!!」

弘樹が 張り合う。




「ほんとだ…

おいしい…」


ほんとに感動した。

簡単に つくったんだもん…




弘樹は こうして

自分の友達を よく
優ちゃんちに 連れて来る。


多い時は 4・5人…



だから


最終的に 優ちゃんは

弘樹を いつも信用する。



しかも この佐藤君。



私を

闇から救ってくれた親友


あのAちゃんの

中学の 同級生だった!




本人に 確認の電話をする(笑)



切った直後








また 携帯が鳴った。



No.45 11/11/08 19:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 44

「はる君…」


やっぱり

胸が キュンとする。




ごめんね

と 玄関の方へ行く私。



「まさか…」

と 佐藤君が涙ぐむ。


「だから!リエさんは

彼氏持ちだって
言ったじゃね~すか(怒)!!」


怒るなよ 優ちゃん…









『ルミ…

どこにいるの?』


はる君には

自宅の番号も教えてある。



「優ちゃんちだよ(笑)」

『摩耶ちゃんも?』



子供がいることは

話してある。


会ってみたいと

はる君は いつも言う。



「うん! もちろん(笑)」

また 嘘をついた。



説明するのも ややこしい…


それに


摩耶が一緒と言うと

はる君は 安心する。






『会いたいよ ルミ…』


キュンキュンする。




「私も 会いたい…」




『車あれば…

すぐ行けるのに…』





「来週 行くよ!

私っ!!」




若い彼には お金がない…





私は 気づかぬうちに

この恋の




主導権を握ってしまっていた。


















「ちょっと弘樹!!

佐藤君 なんとかして!!」




戻った私に

どうか アドレスを教えてくれと 土下座する佐藤君に

優ちゃんがキレている。



「リエさんは 嫌なこと
嫌って言えないの(怒)!!」








よく知ってんな…


優ちゃん。



No.46 11/11/08 21:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 45

「優ちゃん!

紙と えんぴつ!!」


「うちには えんぴつとか
ね~すから!

なんすか…

今の時代 えんぴつって…」



すると 佐藤君は

自分のバッグから
メモ用紙と ボールペンを
取り出した。



「持ってるし…


いらないすからね!
佐藤君のアドレスとか!」

「優にじゃないだろ(笑)」


弘樹が 笑う。


「リエさんが いらないの!」





…たしかに



困る。





「俺 口下手だけど

メールとか自信あるんだ…」



丸っこいオッサンが

背中を丸めて 必死に携帯と
にらめっこしながら
アドレスを 書き写してる…




何故だか私は

小さな頃から


『かわいそう』の気持ちが

大きい。



今でも

男性が 一人で食事をとってる姿や 娘の対になってるヌイグルミが 離れてたりしただけで 心が 痛くなる。



相手は 何も思ってない。



むしろ 幸せな場合もある…

ましてや 物に
心などない。



けど



痛む心は

どうしようもない。





佐藤君に


それに似た気持ちを

感じてた。





「よしっ!!」

と言って 佐藤君は立ち上がり


私の元へ 歩み寄ると

メモ用紙を 恥ずかしそうに
差し出しながら


「待ってるから…

メールくださ…」




…!!!!!











哀れ

佐藤君のアドレスは…




優ちゃんの





口の中。




No.47 11/11/08 21:43
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 46

雨が 降っていた…



約束の日。










M少年は


着拒した。



実家同士が もちろん近所のCに なにげない言い方で 〇〇さんを知っているか聞くと


「リエ 知ってんの?

娘さんの方 うちの兄貴の
同級生だよ!


綺麗な人なんだぁ…」




と 言われてしまった!



あの時 すれ違った

M少年の母親だ…








どうか

早く忘れてくださいと






祈るしかない。







そんな事を考える余裕が

少しある。




雨の日は



他の車も

スピードは控えめで


前よりは 走りやすかった。





はる君には

迎えにも出なくていい


と言った。




家で

待っていてほしいと。







あの頃 私は


なんとかして

彼に喜んでほしくて


無理ばかりしていたんだ。





自宅の近所の スーパーで 食材を買い込み どこにも立ち寄らなくていいように準備をした。



健気な女も




演じてみたかった。








彼を思い出す時いつも


BGMが同じなのは(笑)



きっと





あの道を



あの曲を聞きながら





何度も



何度も








往復したせいだね…




No.48 11/11/08 22:18
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 47

「何 つくってくれるの?」

「グラタ~ン…」


と言ってから 私は慌てた。



はたして 一人暮らしの男の子の家のレンジに オーブン機能は ついているのか!?




「はる君?
オーブンついてる?💦」

「なんだ? それ…」



はる君ちの 電子レンジは

テレビの隣にある(笑)




あった♪





もちろん 百均で

グラタン皿も
手にはめるミトンも
買って来た!



ホワイトソース大好きな

はる君。



我ながら グッ チョイス!


「つくった グラタンなんて

何年ぶりだろ~♪♪♪」


最後は どこで誰に
か 聞きたくなったが


やめておいた。




食べ終わってから 聞こう。

(聞くんだ…)






小さな 小さな キッチン…


とても使いづらかったが



ちっとも進まないのには

別な理由がある…






「ル~ミ♪」


横に立って


少し かがんで



キスの おねだり…





『可愛い…!可愛すぎる!』


溶けてしまいそうな感情を

なんとか おさえる。



「チュっ」



「チュっ」



「チュっ」















絶対 絶対

今日は


あなたを

いただきましょう!!!



No.49 11/11/08 22:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 48

お互いの


話しをしていた…




はる君は

とても悔しそうに



俺が金持ちなら

ルミに 可愛い携帯を


10コでも20コでも

買ってあげるのに…



と言った。






T君のことも


ストーカーのことも




ルミは 俺のなのに


と 怒り出した。










私は


ルミ じゃない。






話題を変えたくて


はる君の話しを聞いた。





さて…


グラタンは

誰に最後に


つくってもらったのでしょう…


と(笑)














落ち込んだ。





久しぶりの






嫉妬。









1年前まで

ここで 彼女と暮らしていた事…



聞かされた。





また

気にしてないふりの私は


「彼女の写真見たいなぁ」




なんて言う。



「ないよ(笑)」

と言われる事 期待して…








出てきちゃった。



出すなよ…





と思いながら 手にとる。




やっぱり…






そこには


豊満な胸の

肉感的な女性がいた。



なのに

清純そうな…







まるで


私と 正反対。







「可愛いコだね」





大人だから



笑えます…。




No.50 11/11/09 00:48
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 49

なんの感情もない









はる君は 言った。






自分のしてること


棚にあげて





過去にヤキモチやくなんて…



最低。







「今日は…


ルミを 抱きたい」









彼の気持ちが

自分に向いてることに



安心する。







小さな小窓のついた

ロフト。





「まだ…

明るいよ」



「ルミが よく見えて

いい(笑)」





「やだな…」





どうしても


比べてしまう…



自分と


写真の 彼女。




決して
小さいつもりはないけど(笑)


決して

大きくもない 乳房。





雄太も T君も

大きな胸を 嫌悪していた。




だから


私は 自分の身体に

自信があった。






だけど…






「小さい肩…


可愛い」


って

はる君の キスの嵐…



小さいに反応する私は

ちっとも



集中できない。






キスをする。



「好きだよ ルミ…」






恥ずかしくって


目を とじる。







明るすぎる…




明るすぎるよ…











はる君の


あたたかい手が




私の


乳房を





優しく包んだ…




  • << 51 「ちょうどいい(笑)… 大好き ルミ…」 ちょうど いい? 「はる君… オッパイ大きいコ 好きでしょ?」 泣きたくなって来た… 「?どして…」 言いながら 口に ふくむ… 「あっ… だって…」 締まった 若い身体が 私の横に ずれる もう1度 手のひらで包みながら 「やっぱり ちょうどいい…」 って笑う。 「俺ね… こだわりない(笑)オッパイに」 「ほんとに…?」 「好きな人のものだから… 全部 可愛い…」 いいトシをして 泣けてきた… 「綺麗だよ… ルミ」 はる君は ふだん あまり 綺麗や 可愛いを 言ってくれない。 照れ屋なんだ… と 言ってた。 「ほんとに 好きなんだ…!」 私の涙に 興奮したのか 彼は 急に 激しく 私を抱きしめ 夢中で キスをする… 「はる君… は… る …くん」 彼の指が 私の秘部に 触れた時には 頭は カラッポに なっていた…
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