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No.75 19/10/04 00:11
名無し3
あ+あ-

≫74

「足原!!!」

意識を失い倒れ込む足原を抱き起こしたのは高橋だった。

「足原!しっかりしろ!」

足原の足からはまだ出血が続いている。

ビリリッ

高橋は自分の着ていたシャツの袖を引き裂くと止血帯の代わりにそれを足原の足に巻いた。

「美しい兄弟愛だねぇ」

初老の男はニヤニヤしながら高橋に話しかけた。

「もう…もう…止めて下さい…」

唇を震わせながらやっとの思いでそう声を発した高橋に、

「おやおや止めろだと?この私に指図する気かね?」

男は更に嘲るようにそう畳み掛ける。

「足原は…こいつは…僕の兄弟でもあり…とてもとても…大切な親友でもあるん…です…」

高橋のその必死の言葉が何かの引き金になったのか、男の顔がみるみる醜く歪み出し不気味な笑みが顔一面に広がったかと思うと突然激しく笑い出した。

「何を言っているんだ遼、群を抜いて優秀な人材とただの凡人が兄弟というだけでもおかしな事なのに親友呼ばわりなど不釣り合いにも程があるだろう?」

「それは…どういう…ことですか?」

「遼、お前は優秀だ。
だが、それはあくまでも一般人の中での事だ。
それに比べこのタスト君は…」

男は足原を眺めニヤリと笑うと、今度は倒れている阿藤の方に目を移した。

「最高の人材を掛け合わせて出来た最高の人材から作った最高の素材…」

男は愛おしそうな目を阿藤に向ける。

と、すぐに、

「おい!起きろ!!」

と倒れ込んでいた部下の男の脇腹を強かに蹴り上げた。

父さん…

「うっ…ごほっ…ごほ…」

屈強な体を折り曲げ激しくむせ込む部下に対し冷ややかな声で、

「おい、さっさとしろ。」

と何かの命令を下す男を高橋はただ呆然と見つめていた。










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