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No.76 19/10/08 20:30
チキン ( 30代 ♂ BMsZnb )
あ+あ-

≫75

──ぼやっとなにかが形を表しはじめた…


目の前になにか立ち塞がってる…



仕切りのような…



その仕切りは曲線を描き小窓がついていて
その向こうにぼんやりと白いものが広がっている


視線を一周させると自分は今密閉された空間の中にいることがわかる

棺?…




なんでこんなところに…



うまく頭が機能しないせいかここにいるまでの経緯が全く思い出せない
脱力感に苛まれていて虚空を見つめる続ける…



その視界に人影が写った

『──い─ぞ』




ピーッ


プシュゥゥ



クリアな視界が広がる
こちらを覗きこむ二人


「気付かれましたか?」


認識のない顔が二つ
見た目で自分よりも歳上だろうことがわかる


足原さん気分はいかがですか?と問われ反射的に大丈夫ですと答えた
続けてここはどこですか?と訪ねると
国立の大学病院だという

周りを見渡せば確かにそれらしい機材が傍らに置かれていて
壁から天井にかけて白で統一され
いかにも病院といった感じだ


「足原さん
あなたの名前を言ってみてください」


「あしはらたすと」


「これ何本に見えますか」
白衣姿の男が指を出す


「3本」


白衣の男はコクリとうなずく


「足原さん
あなたは5日前にここへ意識不明の状態で運ばれてきました」


5日前…?


5日前に…




何かがあった…




「何があったのでしょうか」


「それは我々もわかりません。
何かわかれば警察の方が報告していただけると思いますので。
それよりも今はゆっくりと焦らずに体を治していくことに専念していきましょう」
と白衣の男はきっぱりと言った



焦らず…


その言葉に体がぴくっと反応したように感じた


たとえば
大切な約束ごとを忘れてしまっているのではないのかと…




なんとなく外の景色が見たくなり
カーテンを開けてもらう


開け放たれた窓ガラスにびっしりと貼りついた水滴
耳が認識し始めた音



雨──。



勝手に町並みを想像していたがそこには自然広がる山々の風景



薄い暗曇の空に陰を落とした緑の群れ



それを見ていてなんだか山が泣いているように思えてきて


じんわりと瞳の奥からこみあげるものを感じた───






なぜだろう…












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