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No.60 18/10/22 19:51
名無し3
あ+あ-

≫59

ほんの一瞬の事の様な、長い夢を見ていた様な、不思議な目覚めだった。

「んっ?」

起き上がるも暫く自分が何処にいるのかを認識するのに時間がかかった。

「あれ?何で車の後部座席で寝てたんだ?」

後部座席のドアが開け放たれ、僕の両足が外にはみ出た状態になっている。

何でこんな変な寝かたを?

薄ぼんやりと考えているうちにボヤーっとしていた意識が段々戻ってきた。

足原!

足原!どこだ?!

慌てて転がる様に飛び出す。

しまった。

足原を追いかけなくては。

ゲートの向こうに広がる広大な研究所は禍々しくどす黒い空気に包まれている。

得体の知れない恐怖で足がすくむ。

中に足を踏み入れてしまったら、もう僕はこちらに戻っては来れない様な気がした。

でも僕は…

僕は不気味に大きく口を開けた研究所のゲートに向かって一気に走り込んだ。

ズザザザアッ。

「痛ってぇ…」

暗闇の中、いきなり何かに足を取られて地面に叩きつけられる。

「何なんだよ一体。」

僕はその「何か」の正体を見極めようと携帯電話のライトを点けた。

「ん?何だこれ?」

それは朽ち果て無残な姿で地面に転がっていたこの研究所全体の案内板の様なものであった。

よく動物園や遊園地等にある感じの案内板である。

一応、表向きはちゃんとした研究施設で通ってたもんな…

妙な安心感と微妙な違和感に苛まれつつもライトを照らして案内板を調べた。

「え~と、確か第7研究棟…」

わざと声に出して確認する。
そうしないと、この静まりかえった沈黙の闇に飲み込まれてしまいそうで怖かった。

1番奥かよ。
遠いな。

……

僕は再びゲートの外に戻ると足原の車に乗り込んだ。

幸いキーは付けっぱなしになっている。

かなり目立つがどうせ向こうさんは僕の行動なぞお見通しだろ。

それなら車がある方が逃げやすい。

まさか車を爆破したりはしないだろうし。

いや…
ちょっと自信ないか…な?

足原…
この車、ローンがまだ残ってるか?

ゴメン…
この車の無事は保証できそうにないよ。

だから無事に再会して、
「俺の愛車に無茶をさせんじゃね~よ!!」

と僕を叱ってくれ。

僕は再びゲートの方に目を向けた。

足原、今行くからどうか…

「行くぞ!頼むな?」

僕は足原の車にそう話しかけると、
車のエンジンをかけた。

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