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No.56 18/09/10 22:32
名無し3
あ+あ-

≫55

「高橋…く…ん?」

僕は息を呑んだ。

高橋君が生きていた?!

いや…まだ「存在」していた?

僕の仮説は間違っていたというのか?

僕は隣の足原を見た。

足原?

足原は動かない。

「足原?」

足原の肩を叩こうとした瞬間、

何かを考え込む足原の横顔が高橋君の顔とダブって見え、僕は咄嗟に伸ばしかけた手を引っ込めた。

そんな僕を真っ直ぐに見つめながら足原はようやく口を開いたが、
その内容は僕を心の底から震撼させた。

「足原!何を言っているんだ!ダメだ!行くな!
お前、高橋に存在を消されるかもしれないんだぞ!!」

ゲートが不気味な軋み音と共にゆっくり開いていく。

「足原!!僕の父さんの研究はクローン技術なんかじゃないんだ。
父さんの研究は『合成による品種改良』なんだ!」

品種改良。

農作物などでお馴染みの言葉。

米等、味は良いが寒さに弱いものと、味は劣るが寒さに強い物を掛け合わせ、
美味しくて寒さに強い米を作る。

それを応用したもの…
合成品種改良…

「たと…えば…身体の弱い…オリジナルから細胞を摂取して遺伝子操作をしたクローンを…造り…それを…オリジナルと…合成…する…」

僕は自分の声の震えを止める事が出来なかった。

「クローンは遺伝子操作の…影響に…より、外見や思考等はオリジナルと…異なる場合がある。
でも元は同じ人間…なんだ…合成されたオリジナルは…健康体の…クローンを取り…込み…吸収する…
そうして…オリジナルは…完全…体…になる…」

だが、研究所の技術では「合成」が不完全だったため、3人ものクローン達の儀性を払った後に、僕の父さんが招かれたのではあるまいか?

そうして父さんが亡き後その技術を使い、何らかの形で最後の合成は行われ、失敗によりオリジナルの高橋が足原に取り込まれたと思っていた。

だが…

高橋は存在していた。

「足原!これはあくまでも僕の推察に過ぎない。
でも、何にせよ危険だ!危険過ぎる!
止めろ!足原!!」

僕は足原を夢中で止めた。

僕は必死だった。

でも僕は足原を止める事に夢中で、

高橋が僕に言った言葉、

「阿藤君。この話は君にも関係しているんだよ。」

の言葉を完全に忘れていた。

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