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続・彷徨う罪

No.145 13/10/04 17:18
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


閉じた瞳に、何を語ろうか。

修也の遺体を見下ろして、言葉を探す。

「普通に出会っていたら…あの日、公園で砂場遊びをしたのがお前だったなら、俺たちは“友達”になれたのかもな…。」

風を通さない遺体保管室のはずなのに、修也の髪が少しだけそよいだ気がした。

“そんな「もしも…」なんてあり得ないよ”

あの柔らかな笑みでお前は、そう言うんだろうな。

散々思った「もしも」が現実になれば、お前は切に願ったはずなんだ。

「もしも、芽衣と普通に出逢っていれば…」と…。

「修也、俺はお前が憎いよ。
姉ちゃんを殺して、その未来を奪った。
家族さえ奪った、お前が憎い。
だけどな、同じくらいにお前に感謝もしてる…零に出逢ったから。
お前が、零を生み出してくれた。
なぁ、修也……」

そっと、修也に触れよとした瞬間、背後から人の気配がした。

振り向かなくても分かる。
この重たい空気感。

「…俺に、零をくれないか?」

修也に向けて言った言葉に反応したのは背後の男だ。

だから、俺はもう一度だけ同じ台詞を吐く。

「俺が零をもらっても良いんだろ?」

今度は身体を反対に向けて、そいつを見た。

「零は物じゃねぇぞ。
それに、あいつはまだ…」

“まだ…”なんだ?

瞳を震わせながら視線を逸らしてんじゃねぇよ。

お前が同情するほど、俺はヤワじゃないし、自信がないわけでもない。

零を手中にしようなんて純情な男でもない。

これは、修也とお前に対する宣戦布告だ。

零の気持ちなんて分かってる。
もちろん、お前の気持ちもだ。

だから、言ってやる。

お前から…
お前たちから…

「零を奪ってやる。」

今度は離さない。
二度と返してやる気もない。

零が俺と生きる事を望まなくても、例え高瀬と行き歩んで生きてく事を望もうとも。

そんなのクソ喰らえだ。

己の欲望のままにしたいと願って何が悪い。

俺に罪があるとすれば…それは、零への気持ちだ。

愛は形のないもの。
そして、儚いもの。

実体がないものを求めて守り、破壊もする。

永遠に生きている限り、追い求め…
そして、彷徨う。

俺たちが犯した罪の正体…それは…ー


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