あの人からの言葉

レス10 HIT数 254 あ+ あ-


2025/03/28 13:00(更新日時)

なんでこんなにも苦しいの。
どうしてこれほどまでに胸が引きちぎれそうになるの。

それは多分、もう忘れてしまった、あの人の言葉があったからだと思う。


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一気にバババっと書いちゃう系なので、投稿頻度は少なめ!これをどうしても書きたかった,,,

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No.4269289 (スレ作成日時)

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No.1

鮮やかだった毎日がモノクロになった。私の人生に静寂が来た。きっと、これは罰だったのだ。

私がここにいることの、罰だったのだ。



時は20××年8月。高校2年生私は、幼馴染みの爽太と蒼と、高校生生活を謳歌していた。

No.2

クラスは蒼だけ別だったけれど、テニス部は楽しかったし、勉強でも特に困ることなく、登下校と昼休みは爽太と蒼と一緒に、という感じだった。

「いやぁ~、疲れましたなぁ。」
ある日の昼休み、私が屋上への階段に座り込んだ。その日は朝からプールだったからだ。
「バカ、女なんだからそんなに股開くんじゃねぇ。」
蒼が照れながらそっぽを向く。

No.3

「おやおや、ご心配頂きありがとうございますねェ」
「うッッゼェ,,,!」

そこで、じゃんけんに負けパンを買わされに行っていた爽太が戻って来た。

「相変わらず仲良しだね」
「やめてよ爽太まで、こんなチンパンジーと妄想でも付き合いたくないわ。」
「じゃお前は猿?いやミジンコだな。」
「だれがミジンコよ、蒼の方が中学のときまではちっちゃかった!」
「まーまー、パン、食べよ?」

「ウン。」
そういう返事が、なぜか揃ってしまう。

No.4

>> 3 「いいな、そのパン美味しそ。」
食べ盛りだったから許してほしい。私はただ、爽太の持っていた栗あんドーナツを見つめていた。

「最近出たから。食べる?」
「食べたい。」

爽太は、そのままパンを渡してきた。心臓がバクバクなる。ほんとはもう少し多く食べたかったが、あまりの緊張のあまり少ししか食べなかった。
爽太は分からないのか、これが間接的に、キ、キスをしてしまうことになることには。

No.5

>> 4 その様子を見ていた蒼が言った。
「俺の、丸々あげるけど,,,。」

蒼とはいつも喧嘩してるけど、こういうのに気付いてくれるところが憎めないヤツだった。
だから私も恩返しがしたいのだが、「ありがとう」しかいえない。

だってもう薄々気付いていた。私も、蒼も、爽太も。みんな。この関係はハリボテだということ。全員嘘をついているということ。

No.6

>> 5 私は自分の気持ちに蓋をした。爽太が好きだと知っていて。自分を隠した。蒼が自分を好きだと知っていて。爽太は、心の病気を持っていた。故に人を好きになれなかった。だからあんな間接キスだって出来て、体操着だってすぐ貸してくれた。

そう、爽太には恋愛的感情という感情が存在しないのだ。

No.7

爽太の両親は離婚している。母親の不倫のせいで。

爽太のお母さんとは、よく遊んでもらっていた。ほとんど家族みたいで、大好きだった。
離婚してから爽太は父親に付いていったが、その父親もキャバクラなどに金を費やし女遊びをするようになってしまった。

だから爽太は恋愛というものに誰よりも敏感に、繊細になった。


もう少し詳しく説明してみると、

No.8

>> 7 爽太は諦めたのだ。人を好きになって幸せになることを。無感情になったのだ。そうなったことで、昔からモテてきた爽太を好きになった女子はもれなく泣いていた。

「女子と絡まなければ良いのに。」
なんて言っても
「それは伊織と離れることになるけど。それは厭だと思うから。」
と、自分勝手だと気付かせてくれた。

私も泣く人間になるのかもしれない。この関係が壊れるかもしれない。そんな想いを内に秘めていたから私は、悲しかった。


こんなにも残酷なことはないだろう。

No.9

>> 8 爽太が諦める理由も、私が諦める理由も、女の子たちが泣く理由も、爽太が縛られる理由も、何の正当性の無いこの世の不条理に反吐が出た。

“そんなの、爽太が気持ちを入れ換えれば良いし、解らない”

ともいうかもしれない。だけど、私も、爽太も、怖いのだ。トラウマなのだ。きっと、これはどうしようもないことなのだろう。
それでも、辛いのが生きるということだと、何かの本で読んだ気がする。

No.10

>> 9 長くなってしまったので、また戻ろうと思う。

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