チューリップの花言葉

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小説好きさん
24/09/06 01:46(更新日時)

私には、好きな人がいた。大好きで、たまらなく。なのに。
ある日突然死んだ。交通事故だってさ。なんで?なんで私を置いていくの?あなたがいることが、私の生きがいだったのに。
「会いたいよ・・・。」
いつも夜、そうつぶやく。

ある日。
「あぁ・・・。今日で君が亡くなって5日目だね。もうそろそろ切り替えないとね。でも・・・。」
目に大粒の涙がたまる。私はその涙が流れぬよう、こらえ、今日も深くに眠りについた。
夢で、君に会った。
「え・・・!なんでいるの?ケガ、大丈夫?ねぇ!」
彼は何も言わない。ただ、ひとつだけ伝えたい、と言っているように見えた。
「ねぇ!何か言ってよ、会えたんだよ?夢でも。」
すると彼は手に何かの花を持っていた。それを私に渡す。
「え?チューリップ?」
彼は何も言わず、ただチューリップを私に押し付けるように渡す。
「くれるの?」
私がそう言うと、こくりと彼はうなずいた。
「ふふ、ありがとう。」
私は真っ赤なチューリップを受け取り、それをぎゅっと抱きしめた。そのチューリップが、彼だと思えたから。
でも、いつの間にか彼は消えていた。

目が覚めた時。朝だった。
「ん・・・。朝?」
もう一度彼に会いたかった、と心の中で何度も思う。
だけど、隣には彼がくれたチューリップがあった。
「え?嘘。チューリップがある・・・?」
でも、なんで彼はチューリップをくれたのだろうと思った。だから、チューリップの花言葉について調べてみた。
『チューリップの花言葉は愛の告白』
「うっ・・・ううぅぅぅっ・・・」
涙が後から後から出てくる。
彼も・・・。私のことが好きだったんだ。
私はいつまでも、その彼のくれた真っ赤なチューリップを抱きしめながら泣いた。

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No.4132202 24/09/06 01:46(スレ作成日時)

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