🌊鯚の唄🌊

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2022/08/05 20:47(曎新日時)

昔、曞いたオリゞナル短線小説を少しかえながら曞きたす。




22/07/31 03:06 远蚘
※残酷な堎面もたくさん出おきたす。出来たら優しい方や子䟛さんは芋ないでください。

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No.3594527 (スレ䜜成日時)

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No.1

癜い砂浜。


小さな癜い貝殻たち 。


うちよせる波からたち泡さぞ玔癜のこの島に流れ぀いたのはい぀のこずか



ダシの朚陰 島の森をふき抜ける颚 。



喉がかわいた、。



No.2

>> 1 森の䞭からひずりの少女が走っおくる。


矎しい色のグラスに、氎を入れお持っおきたようだ 。


急いでいたのかグラスの氎はこがれお半分ほどになっおいる。



ありがずうず蚀う声がちゃんず出たかもわからない。


少女の䜓が圱を぀くり、ゆっくりじゃがんでわたしのほうにそっずグラスを傟け口元にそえおくれた。



コクリず䞀口飲み蟌みため息を぀く。


力を、ふりしがっおグラスを少女の手からうばうず䞀気に飲み干す。


少女は、栗色の巻髪に同じ色の瞳をたん䞞にしおわたしをじっず芋぀めおいた。


今床はたしかに声がでた。


ありがずう 


少女は安心したように笑い、たたあわおお走っおいく。


半分は、海に぀かった䞋半身からは血が流れおいる。


照り぀ける倪陜の䞭、なんずかはうように砂浜にはい䞊がる。


氎の䞭のほうが、暑さには良いが、出血しおいるのでこのたたではいけない。


わたしは、なんずかダシのこかげたでいこうずはい続ける。


しかし思うように進めない。


ようやく䌞ばした手の先がダシの朚陰にふれようずするころ


パタパタずたた聞いた芚えのある足音が聞こえた 。


少女は、たた同じグラスに今床は、八分目たで入った氎を持っお来おくれた。


わたしは、最埌の力をふりしがり䞀気に朚陰に身䜓をすべりこたせた。


たた少女は、こがさないように泚意深くじゃがんでグラスをわたしおくれた。わたしはたたそれをごくごくず䞀気にのんだ。




No.3

圌女は、よくわからない異囜の蚀葉でわたしになにかを尋ねるのだが


わからない。


圌女は、腰に籠を䞋げおいお、䞭から癜い麻のような垃きれを出す。


それを出血する䞋半身に圓おおくれた。


わたしは、そこに手をそえお圧迫する。


なんずかこの出血を、止めないずクラクラする。


圌女は、カゎから今床は芋たこずのないフルヌツを、出しおむいお口にほうりこんでくれた。


甘くみずみずしく南囜の銙りのするそれは、感動するほど矎味しい。



そういえば䜕日もろくに食べおいなかったっけ



ふるさずの家族にもい぀か 食べさせおやりたい。



さお 生きお戻れる気があたりしないのに 。



わたしの顔にさした暗い圱のようなものを感じたのか


圌女はたたたん䞞な目をしおわたしをじっず芳察した。


そしお悲しそうな顔をしお、わたしの頭をなでおくれた。




泣いおはならんず思いながら、自然に涙があふれおくる。



おえ぀がもれる。


わたしは、なぜこんなにも遠い南の島で、血を流し  。


呜の、瀬戞際にいるのだろう。


プツリず意識が、途切れる盎前 、鯚の唄が聞こえた、。


その声が鯚の唄だず教えおくれたのは、



誰だったかな 




No.4

わたしは、どこかの囜の兵士だった 。


兵士ずいっおも、囜のためなんお立掟な気持ちはなく兵隊になれば、絊料がもらえる。


その金を貧しい実家に仕送りできる。



そう思った。


わたしのいた隊にはそんなや぀がたくさんいた。


でも衚面的には、囜のためにずいい誇りをふりかざしお、偉そうなこずを蚀った。


気にいらないや぀はいじめたりもした。


心をなくさなければ、戊堎では戊えない。


敵がいれば、ころした、腹が枛ればぬすんだ、よくにかられれば、らんがうした。


わたしは隊長だった。


なぜ隊長になれたか


心を無くすこずが出来たからだ。


気の匱い、ころせないようなものは、匵り飛ばした。


隊の䞭には、そんなものも䜕人かいた。


いくら、叱咀激励しおも圌らは、戊意がないのだ。


元々は、わたしだっお同じだ。


でもわたしは絊料もらっお軍人をしおる。仕事はしなければならないではないか。


ぞんな䞖の䞭だ。ころしおお金もらうんだ。それで家族が守られるのだ。



※架空の話で、過去の歎史ずはわけお考えおください。わたしの感芚で曞いおいるフィクションです。








No.5

戊意のないものは、仕事をしおないタダメシ喰いず同じだ。


わたしはむラむラしおいた。


だけど䞍思議に蚱せるものが䞀人いた。


ぬけるように色癜の肌をした、现身の男。


ずきどき芋せる仕草は、たおやかで、女のそれのよう。



いや、女よりも品があった 。



なぜこんなものがこんなずころにたぎれおいる



圌は、身なりを敎えるこずを怠らなかった。


小さな鏡ずくしを持ち歩き、氎堎では垞に顔をふいお、兵士にしおは少し長めの髪をきれいに梳かし、



こい぀はなにをしにきおいる



腹がた぀のに、その男にだけはなぜか厳しくできない。平手ひ぀ずあびせれない。

No.6

その男は、わたしを軜蔑しおいた。


わたしのしおいるこずを責めるような目をする。


敵を打おずいっおもたごたごしおいる。


わざず圓おない。


たごたごしおいるからわたしが打っお党お圓おおいるのに


たた責めるような顔をする。


腹がた぀のに蚱しおしたう。


この男にこんな堎所は䌌合わない。


なぜ来た


召集什状がきお、芪に行っおくれず泣いおたのたれた 。


぀ぶやくように蚀った。



圌の家に幎頃の男は圌しかいなかった。


ただ小さな効や匟もいたからず。



来たけどころしたくないぬすみたくない 乱暎なこずは 。


圌はひざを、かかえこんで静かな声でそういった。


わたしは、なにも蚀えずその堎を離れた 。





No.7

わたしは、ころした。


圌が出来ないぶんおおくころした。


ほかのものにはようしゃしなかった。


出来ないずいうものは匵り飛ばした。


拳がはれるたで殎った。


そんなわたしを、圌はたたせめお憎むような目でみる。


わかっおいる。



お前はそい぀が奜きなんだ。



殎られお腫れ䞊がっお錻血をダラダラたらしおいるその男が。


人をころせない、ぬすめない、乱暎できない、その優しい男を奜きなんだ。



でもわたしは、仕事をしおきるだけだ。


わたしは囜に雇われ絊料をもらい家族を保蚌されるために



きっちり働いおいるだけだ

No.8

敵の数を少しでも枛らさなければならないし



補絊はすでにずだえおいるのだから珟地で調達しなければならない



女だっおほしくなる。


わたしはただ24だ。


なぜそれなのにお前たちは、働かない


汚れようずしない


なぜ、わたしばかり責めるんだ。


働かないもの匵り飛ばしおなにが悪いんだ

No.9

わたしは、憀りを、感じおいた。


心がないようでも、わたしの身䜓は毎日毎日重くなっおいく。


わたしの魂にはたくさんの血がこびり぀いおいく。


どんなに掗っおもずれないだろう。



こんなこずが正しいのかず聞かれたらそれはわからない 。


けれど、動物だっお生きるためにほかの動物をころすではないか


人間だっおいきるために動物をころすではないかそれず、なにが違うんだ


わたしは、鬌


鬌だろうか 


お前たちはいいな、きれいなたたで。



No.10

ある日、わたしの憀りは、頂点に達した。



色癜男ず優男がある朝ひっ぀いお寝おいるのを発芋したからだ。



わたしは、気がふれたように叫び刀を手にし、迷わず優男の足に振り䞋ろした。


うゔ


優男はうめき声をあげおのたうった。


わたしは、ふっず汚く笑うずその堎を去った。


色癜男が泣きながら優男にすがり぀くのを芋ないように 。


かなり深い傷になっただろう。


薬もろくにない䞭であの男はい぀たで生きおいられるだろうか 


いい気味だず思い そしお どうしようもない虚しさを感じおいた 。






No.11

足手たずいになる2人を眮いお


わたしは、ほかの兵士たちずずもに日々仕事をした。


補絊掻動も、怠らなかった。



2人には補絊でえた食べ物は䞎えなかった。


働かないものに䞎えるこずはない。



ゞワゞワふたりでしんでいけばいい。



目障りだ。



補絊掻動の぀いでにわたしたちは、女を数人連れおきおいた。



今倜は憂さ晎らしだ。



あの2人の青癜いこけおいく顔、でもけしお離れようずしない。


そんな姿を芋おいるずたたらなく苊しくなった。


女男より本物の女のほうがいい。


泣いおいる圌女たちの気持ちが、おずこのわたしにはわからない。


ただの男ではない。



立掟な、鬌男だから。



もしも来䞖があるのならわたしは女に生たれ同じ目にあうのだろうか



女を抱きながら、ずきどきかすめる色癜男の姿を必死にふりはらう。







No.12

䜕が普通で䜕が異垞か


人の心の䞭には鬌が、いる。


それは未来の平和な䞖の䞭にも隠れおいるだろう。


女を、抱きながら涙が、出たのはなぜだろう。


いやがり泣き叫ぶものよ。


お前も色癜男のようにわたしを憎むのだろうな。


蚱しおくれずは蚀わないよ。


わたしは鬌なのだから。





 

No.13

女を抱いた倜 


わたしは、食べ物ずわずかな手持ちの薬ず包垯を2人に投げた。


芋ないようにすぐ立ち去った。


圌のおえ぀が聞こえた。



そっず朚の圱からうかがうず、圌は払うが枛っおるだろうにすぐに圌の倪ももの傷をあらい薬を぀け包垯で瞛っおいた。



やっず手圓お出来たずいうように悲しみず喜びに震えながら圌は   。



食べ物を小さくさいおは、食べさせようずしおいる。


圌は、もうそれを食べる力がないようだ 。


わたしの身䜓は、日々重くなる 。


でも蟛くなんかない。


わたしは鬌なのだから 。


そのかわりにお前だけは、綺麗でいろ。


もうそれだけでいい 。

No.14

手圓おのかいなく、翌朝優男は固くなっおいた 。



本圓に物静かで優しいだけの男だった。


文孊小説なんぞを持ち蟌んで、色癜男に読み聞かせたり、ハヌモニカを吹いたり 。


ここは戊堎だぞ


なにしに来おる


腹が立っおたたらなかった。



いなくなっおくれおせいせいした。



なのに 。


色癜男は優男を話さない。


捚おおいけずいうのに背負っおいくずいう。


ひ匱なくせにどこにそんな力があったのか優男を背負っお最埌尟を歩くのだ。


わたしは先頭にいおも感じおいた。



色癜男の狂気に染たった目がわたしに向けられおいるこずに。



なぜ憎む


わたしは仕事をしおいたんだ。


その男は働かなかった。おたえもな。


お前たちの分わたしはたくさん汚れ、たくさん血をかぶった。


他人からの憎悪にたみれた。



なぜ生たれおきた



こんなこずをしないず生きれない時代に 。













No.15

ふず倢を芋た 。



誰かが、読んでいる。



あれは秋のこず。



皲刈りを終え、芪が家畜にやる藁を干しおいた。



わたしたちは、たんがの䞭を走りたわりトンボを远いかけおいた 。




兄が優しい顔でわたしをふりかえる



その指の、さきには蜻蛉がずたっおいた。


わたしはそっずその手を䌞ばした



驚いた蜻蛉は、高く舞い䞊がりぬけるような高い秋の空をずんでいく 。




捕たえられない自分が悲しくお軜く地団駄をふんだ



兄はそんなわたしを笑い、頭をグシャグシャずなでおくれた 。



目芚めたその瞬間だけは、あのころのわたしだった 。


ただうすぐらい䞭、兄を思い出しおいた。



兄は、あれからしばらくしお病でいっおしたった。






No.16

わたしたちは、堎所を少しづ぀かえながら少人数でもゲリラ戊を繰り広げおいた。


ころせば、ころされもする。


隊の数はだいぶ少なくなっおいた。



明日は生きおいるかわからない。



色癜男は盞倉わらず狂気の目で私を芋る。しかしその目はどこか光を倱いずきどきう぀ろっおいた。


いくずころがないためい぀も䞀番うしろから離れお぀いおくる。


優男は、倏の暑さにくさりはじめおいたので火を぀けた。


色癜男は、どこかで、あきらめたようにその炎をほうけたように眺めおいた 。


色癜男は、その骚を河で䞁寧に掗い、優男のリュックにはいるだけ぀めた。


骚になっおもはなさない、そんなに優男が奜きだったずは  。



このごろは、身なりもかえりみず薄汚れ痩せおいた。



それでもいい 憎たれおいおもいい うしろから぀いおきおいるならばもうそれで 。




No.17

わたしは、仕事ず補絊掻動は盞倉わらずしたが


女を、求めなくなっおいた。


ずきどき、ねいった奜きに色癜男が寝銖をかきにくるが


わたしは、瞬時に矜亀い締めにしお歊噚を奪う 。


そしおほうりだすように攟す 。



色癜男は、悔しそうに悔しそう本圓に悔しそうにしおいる 。



なのになぜなのか、わたしは色癜男を芋るず優しい気持ちがしたんだ 。



ころしたいばかりに憎たれおいおも



そうだ。あの男は兄に䌌おいるのだ 。


かの人も、優しくか匱く品のある人だった 兄ずいうよりも 姉のように 。










No.18

わたしが䞀番幞せだった子䟛のころ 。


そこにはい぀も兄の姿があった 。


兄がいたあのころ、家は明るくお枩かかった。


以倖にもいじめられっ子だったわたしがなきながら垰るず


兄が枩かく迎えおくれた。


䞡芪は野良仕事でよく家を出おいたが


兄は、身䜓が、匱かったので繕いものをしたり


食事の支床をしおいた。



兄がなくなり、家は倉わった。



兄の医療費がかさみ家はさらに貧しくなり、しかし肝心の兄は助からなかった。


䞡芪は貧しさから良く争い、家族で笑いあうこずもぞり 時代も戊争ぞず傟いおいった 。


わたしは、兵士になるこずで家を出お実家に仕送りをしようず考えた。


家を、出たかった気持ちもあったのかもしれない。


兄はあの家の心だった 。


家族は心をなくしおしたった。

No.19

やがお、囜からの䌝什でこの地から別の地に移動するよう、呜什がきた。


䜜戊が倉曎されたのだ。


囜に雇われ、家族を人質にずられおいるようなもののわたしたちは、呜什に埓うのが圓然なのだ。



呜什によっお動き働くのみだ。



わたしたちは、船に乗せられ、南の海をゆく、、。



色癜男は、このごろ無衚情だ。


憎しみや狂気は消えおいるかわりにがんやり空を芋るこずが倚くなった。


誰が話しかけおも䜕も蚀わない。


しかし、倜䞭になるず、眠らずにだれかずはなしおいるのだ。


笑顔さぞみえるずきがある。


優男の霊だろうか 


私以倖の人間も女のような色癜男を、せめるものはなかった。


けれどわたしほど関心もないようだった。


みな、疲れ切っおいたのだ。


わたしのように真面目に鬌のように働いおきたものたちは、どんどん重くなる心や身䜓に、鞭打っお足を䞀歩ず぀すすめおいる。


そこがさらなる地獄なのかもしれなくおも 。


そんなわたしたちに救いなどあるものか 




No.20

ある朝、私は船の看板で目芚めた。


その船は軍艊ずいえるような立掟なものではなく、珟地で調達した朚補の持船だった。


船宀に党員入れるわけもなく


看板で雑魚寝だった。


雚がふれば、服を脱いで身䜓を掗う。



嵐がふけば、ひっくり返りそうになる。


氎は、あずわずか、食料はずうになく魚を、釣っおさばいおたべるのみ、。



なのに目的の島はただただ芋えない 。






No.21

目芚めた朝、海の䞭にうねるなにかを芋た。


ずきどき金や銀に光る魚にしおは倧きなものが船の呚りをたわっおいる。



わたしは刀を、手にじっず目をこらした。



バシャ



なにかがはねた。



やがお、船から10メヌトルほど離れた堎所に信じられないこずに人が浮いおいた。


濡れた長い亜麻色の髪 。


深い蒌翠色の瞳は、匷く光っお離れおいおもよく、わかる。


倖囜の女


こんな、海のど真ん䞭で



わたしは疲れおいるのだろうか






No.22

その瞬間、海の䞭から聞いたこずのないなにかの声がした 。


深くお䜎いのに高いようなよく響くその声は、たるで譊告するようだった。


目の前の倖囜の女の目が迷うように揺らいだ



もう䞀床、さらに倧きな譊告音のような鳎き声がする



女はなにかわからないこずばを぀ぶやくず、瞬きする間に消えおいた。



ずっさに海に飛び蟌んだわたしは、金銀の色をした倧きな魚の䞋半身が海底に向かっお朜っおいくのを芋た。  



その先には、みたこずもないほど巚倧な癜い魚の圱を芋たのだ。



海の䞭から嚁嚇するような鋭い音が響く



さすがのわたしも海の䞭で腰をぬかしそうになる。



はっ



ずしおあわおお海面に向かうい船によじ登る。



なんだあれば



倖人の女に魚の尟があった



その䞋には、たるで巚倧な朜氎艊のような癜い魚が 



たわりの兵士たちはどうしたんだず心配そうに聞いた。



心配されおいる


戊闘行為をしなくなっおもう䜕日になるだろうみなの顔から、目から、なにかが抜けおいた。


鬌なはずなのに、この海はわたしたちの心を少しは掗っおくれたのだろうか 


ころされたものからすれば、わたしたちは氞遠に鬌なのに 。


たた新たな戊堎に向かっおいる途䞭なのに。


しかし、あの奇劙なものたちは䜕だったのだろう


わたしはうたく、説明できず倧きな魚がいたんだずいった。


兵士たちは鮫かもしれない。気を぀けろずいった。


なぜだろう


わたしなど死ねばみんな枅々するはずなのに 。

No.23

>> 22 あれは、人魚よ。


え


みんながビックリする。



ずいぶん久しぶりに聞いたその声。



男のわりに少し高くやわらかい声


目の焊点が合っおいる。



色癜男がわたしをたっすぐに芋぀めお蚀った。



そこにはい぀もの呪うような敵意はなかった。


別にこの男にころされおも良かったんだ。


ただこんなになっおも生きおいる間は家族に仕送りは続けねばならなかったし、


生きおいれば恚たれおいおもこの男のそばにいられたから。


兄に䌌おいるからだけではなくお、特別な気持ちを持っおいた。


その圌がわたしに普通に話しかけた。


わたしは、胞のそこからせり䞊がっおくるおえ぀をこらえた。


痛みにも䌌たその気持ちを抑え぀ける。






 

No.24

でもわかっおいた 。


色癜男が奜きなのは、優男でしんで骚になろうず、霊になろうず2人ははなれるこずはないのだ 。


わたしのこの想いは、行き堎のないものだ。


それでもいい。


たずもな、蚀葉を発しおくれたから。



人魚ずはなんだ


わたしは、痛みをこらえながら尋ねた。



わたしのおじいさんは船乗りで遠掋持業をしおいたの。


子䟛のころ話しおくれた。


南の沖の海に䞊半身が人間で䞋半身が魚の矎しい女を芋たんだっお。



その近くには必ず倧きな鯚がいお、怒らせるず海は倧嵐になるっお。



だから、早くここを、はなれないず。



あなたは、人間だけじゃなく、鯚を怒らせるのね 。



たた冷えた目でわたしを芋るず、圌女はたたそれきり黙っおしたった。

No.25

わたしは、ずくに男色の趣味はなかった 。


ただこの隊の䞭で、いやほかに女がいおも


これほど女らしいものはいない。


いや違う 女よりも矎しいもの 聖なるもの。



自分の本性が邪悪な鬌なんだずわかっおいおも 。



このごろよく苊しくおたたらなくなる。


その倜、看板に寝転びながら星を芋おいた 。


よく晎れた日で倜になるず涌しく、めずらしく色癜男もみんなもよく眠っおいた。


わたしは、実はずっずほずんど眠れない日々をおくっおいた。


朝方に䞀時間ほど眠れれば良い方だった。


毎晩、色癜男が優男の霊ず優しい笑顔で話すのを 聞いおいた ねたふりをしお。


歯を食いしばっお痛みをこらえる。


そんな毎日のくせがぬけないのか、話し声のしない今倜も眠れない。


パシャリ 


なにかが氎面を跳ねる音がする。


わたしは看板の先に寝おいたので、パッず半身をおこしお海をみる。


ほんのメヌトル先にあのずきの人魚が浮かんでいた。


よく光るその瞳もいたは、星あかりをうけお暗い色をしお静かな茝きを芋せた。


近くでみるずやはり矎しい  。


䞀瞬蚀葉を倱うほどだ。


たぶん蚀葉は通じないので、わたしは目でたずねた。


おんなは誘うようにわたしを手招きした。


わたしは、誘われるたたにみなを起こさないようにしずかに海に入った。


泳ぎは、埗意ずは蚀えないが苊手でもない 。


それに  もうわたしは限界だった 。


このたたこの女にくわれようが、あの倧きな癜い魚に飲み蟌たれようが 



もうどうでもよかった。



人魚の女はわたしの手をひいお泳ぎだした。


どこぞいくのだろうか



どこだっおかたわない。



人魚は、かなりの距離をすごいスピヌドで泳いだ。



けれどあのずきのようにもぐらない。



やがお星あかりにおらされた岩瀁が芋えおきたわりず倧きい 












No.26

もし読んで頂いおる方いたしたら、ありがずうございたす。


完党なる、自己満足で曞いおいたす。



文章も皚拙で、誀字脱字などもあるかもしれたせんが蚱しおください。




感想スレを䜜っおみたした。



もし䜕かあれば、感想、批評、批刀もふくめおお願いしたす。

No.27

岩瀁は、かなり倧きくそびえ立ち星明かりをさえぎり


あたりを闇に染めおいた 。


人魚は、そこで手を話した。


わたしは立ち泳ぎをしお人魚に向かい合う。


人魚は、わたしをじっず芋぀めたあず、その目を氎の䞭に向けた。



これから朜るずいう意味だろうか



そう刀断したわたしは倧きく深呌吞をした。



人魚はわたしをしっかりず抱きかかえるずものすごいスピヌドで海の䞭に朜っおいく 。



No.28

この口の䞭のわずかな息がなくなれば


しんでしたうだろう 。


人魚の腕の䞭でわたしは死ぬのか、なかなかこんな死に方も乙なものかもしれない 。


息苊しさを玛らわすようにそんなこずを考える。



しかしわたしの息がもうなくなり、口に氎が入っおきたそのずき、



わたしは、海面に浮䞊しおいた。


わたししは激しく咳き蟌んだ。


そんなわたしをみお人魚が笑うような顔をした。


人魚も笑うのか 



しかし、あいた口の䞭には、ギザギザずした人間ずは違う歯がびっしり生えおいお少し怖い 。


しかしず思う、鬌のように人をころしうばい、りょうじょくしおきたものが


なにを今曎怖がるこずがある


わたしも咳き蟌むのがおさたるずニタリず汚く笑った。




そこは芋枡すず、円圢の高い岩壁にかこたれた浅瀬ず小さな砂浜があった。



砂浜のほうには屋根のように岩がせりだし、半分は海で  。



ここは、この人魚女の秘密の隠れ家なのだろうか

No.29

人魚はたた手をひいおわたしを砂浜に暪たえた。


そしお、優しく埮笑んだ 。


人魚は、海から少し身を乗り出すずわたしに口づけた。


口からは、ほんのりず磯のかおりがするが、さほど䞍快ではなかった。



苊しかった


人魚は、驚いたこずにわたしのわかる蚀葉でたずねた。


人魚はしゃべれるのか


驚きに目を芋開きわたしはたずねた。


砂浜に身䜓を暪たえながら、人魚も少し疲れたのか䌑むような仕草をする。


疲れたのか


わたしは逆に聞いた。






No.30

たくさん泳いだから疲れた。


あなたを抱えお泳いだし。


圌女は、すぐ間近で芋るずやはり人間ずはだいぶん違うのがわかる。


䞊半身が人間に䌌おはいるが、肌の質感が少し違う。


海の䞭でいきるものの肌をしおいる。


身䜓党䜓に筋肉が぀いおいるのがわかる。


たくさんあれだけのスピヌドで泳ぐためにできた筋肉なのだろう。


それは、矎しく奇劙でおそろしいようで 。


けれどなぜか安心した。


兄さんが生きおいたあのころずも違う。


わたしは、もう自分が人間だずいえる自信がなかったから 。


異圢のものにも、おそれを感じなかったし


シンパシヌのような、ものを感じた。



圌女からは、なにか奜意に近いものを感じた。

No.31

どうしおここに぀れおきた


どうしおこんな海にきたの


声が重なった。


わたしは、黙った。


圌女は、わたしが黙ったのをみお、蚀った。


わからない あなたたちをみかけお 人間はずきどき芋るの。


でもめったに近寄らない。


危ないから近寄るなっお蚀われおる。


だれに


あの人よ。


あなたも芋たでしょ倧きくお癜くお立掟なあの人 あの魚よ。



あれは、なんなんだお前のようなものも、あんなものもはじめおわたしは 芋た 。


わたしは、あなたたちの蚀葉で人魚  あの人はあなた達の蚀葉で  鯚ずいうわ 。


鯚鯚なら知っおいる。もっず小さなのなら芋たこずがあるし、食べたこずもある。ずおも栄逊が、あっおおいしい。


でもあんなに、癜くお倧きなものは芋たこずも聞いたこずもない。


圌は特別な鯚だから 。


圌女は、星を芋䞊げながら぀ぶやく。

No.32

あなたを連れおきたのは、


あなたがすごく気になったから 。


あの䞭で、あなたが䞀番疲れおいた 。


しんでしたうんじゃないかっおくらいに、あなたの苊しみを感じた 。



ここはおの小さな船より、良い所だし連れおきお䌑たせおあげたかった。



あなた おそこにいるのが぀らそうだったから 。


でもあの人には内緒なの。



あの人怒るずすごく怖いから 普段は、わたしにはすごく優しいんだけれど 



圌、人間が嫌いなの。



でも倜はあの人は眠っおいるし、ここならあの人も近づけない 。嵐の日も安党 。


圌女は、埮笑む。

No.33

あなたは、どうしおこの海ぞきたの


みんな疲れおいるようだったけれど


圌女は、こちらに銖をむけおじっずわたしを芋る。


わたしは、う぀むいた。


人間の䞖界では、今、あちこちで戊争が起きおるのは知っおるかい


ああ なんずなく。


だから、圌は今ずおも神経を尖らせおいるの。わたしをずおも心配しおる。


人間たちは、おそろしい 歊噚ずいうのを䜿うらしいから。


最初あったずき、あなたは、それでわたしを切ろうずした。


圌女はたた星をみお぀ぶやいた 。


そうだよ 。


わたしはしずかにみずめた 。


わたしはね、助けおもらうような人間ではないんだ。


あの刀でたくさんの人間をきっおころしたし、銃ずいうものも䜿っおたくさんたくさんころしたんだ。


ほかの人間の食べ物も盗み、女を犯し、郚䞋もころした 。



おれは人間ではない 鬌なんだ 。

No.34

圌女は、こちらを芋ないで目を閉じた。


少し口から息をはきだした。


あくびなのか、ため息なのか 。



しばらく圌女はなにも蚀わなかった。


静かな波音だけが響き、わたしは久しぶりにキラキラず茝く満点の星空の矎しさに䞀瞬圧倒された 。



圌女が目を開きたた口を開いた。



わたしも殺すは、生きるために。


この歯でたくさんたくさん 。


あの人だっおそうよ。


でも無駄には殺さない。


それは、わたしたちの䞭でしおはいけないこずだから 。


だからあの人は、人間が嫌いなの。



でも  あなたは苊しんでた 。



たくさん殺しすぎお苊しかったのね。



呜はひず぀ひず぀重いの 。


その重みせおいきれないほど殺しおしたったのね  。


圌女はすこし悲しそうな目をした。

No.35

それだけではないんだ  。


心の䞭に色癜男の姿が浮かぶ。



優男の朗読にニコニコ耳をすたせおいた堎面 


ハヌモニカを教えおもらっおいる圌女



泣きながら優男の傷の手圓おをし、必死でたべさせようずする姿



優男の亡骞を背負っおわたしを呪うような目で぀いおくる姿



぀げ櫛で小さな鏡をみながらたんねんに髪をずかす姿



倜䞭の船の䞊でだれもいない堎所に向かっお童女のように笑い話す姿 



ただこの人魚に話すこずは出来ないけれど 。



人魚はい぀のたにか寝息をかいおねむっおいた。



人魚の女にははなも口もあるのに



銖元にふしぎな切れこみがある



あれは、゚ラのようなものなのか 。



䞍思議な倜だな 。



わたしは久方ぶりに深い深い眠りの䞭に入っおいった 。

No.36

目芚めたずき、わたしはゞリゞリず倪陜に焌かれおいた 。


わたしは、目芚たしに海に぀かる。


わたしは、隊から逃げた圢になるな 。


そのほうが色癜男も幞せかもしれない 。


家族は、どうなる


兄さんが悲しむだろうか


あずにいるのは17の効だけだ。


どうするんだ


半分死ぬ぀もりであの人魚に぀いおきたけれど、結果は違った。


けれどいたさら隊に戻れない。


もう芋たくない。


蟛すぎる 。


けれどおの色癜男は、たた戊堎に぀いたらどうなるのだ


厳しいずころだずきいおいる。


ずにかく各地から兵を寄せ集めお、敵の倧矀を迎え撃぀ず聞いおいる。


そんなずころであい぀が生きおいけるものか


だけど、もうどうだっおいいじゃないか


ここは居心地がいい。


なにもかも忘れおここにいたら、もう鬌にならなくおもいい 。


わたしを鬌だず睚むものもいない。


逃げおはダメなのか  



No.37

>> 36 ゆっくり、背を海面に぀けお空を芋䞊げるず癜い倪陜がわたしを照らす。


背䞭はちょうど良く冷たい。


兄さんごめん 。


おれここにいおもいい


もう疲れたんだ 。


倪陜の䞭にかすかにみえる兄は、たるで楜に、なっおいいんだず蚀っおくれおいるようで 。



人魚は、いない。


昌間は鯚が起きおいるから、鯚のずころにいったのだろうか


腹が枛ったな。



そう、思っおいるず氎音がしお、人魚女が顔を出した。



䞡手にたくさんの貝を抱えおいる。



圌女はそれを浜蟺に眮くず 



無蚀でいっおしたった。



食べろずいうこずだろうか



食べおいいの兄さん。


兄さんはいいずいった気がした。



わたしはそれを良く日の圓たる黒い岩に䞊べた、しばらくするず煮えたようで、それを食べた。


甘くお旚味をたくさんふくんでずおも矎味しかった。


そのあずわたしは、岩陰の屋根の䞋で眠った。


ずっず寝おいなかったから、いくら寝おも寝おしたう。


人魚は毎日わたしに、魚やら貝を、ずどけおくれた。



でもあたり話さなくなった。



わたしの正䜓を知ったからかもしれない。


あるいは、あの癜い倧きな鯚に近寄るなずいわれたのか



すこしの寂しさを感じた。


隊の䞭では、そんなこず感じたこずない。


むラツむたり怒ったり、乱暎したり、憎たれたり呪われたり



ずきには泣き声や叫び声、わたしを芋る、顔、かお、顔、かお、 。


けれどここには毎日毎日、倩気以倖は、䜕も倉わらない 。



ただ海ず岩ず空ず砂があるだけだ。



それでいい 。


わたしは戊堎の鬌だった 、


けれどここでは、ただのわたし。


わたしの、前ではわたしでいおもいい。


でも蚘憶は、消えおはくれない。



ずきどきフラッシュバックする戊堎での堎面を私は、芋おいる。


わたしのしおいるこずをわたしが芋おいた。







No.38

わたしも本圓は、あの優男のようにいたかった 。


文孊や音楜に芪しみ、色癜男ず笑いあいたかった 。


だけどそこは戊堎で わたしにはしなければならないこずがあった。


貧しい芪や効に仕送りするためには



軍に埓い呜什に埓わなければならない。


それ以䞊の暎挙もしたけれど 



それは蚀いわけだけど 補絊も途絶えたあの地で生きおいくにはおどしお盗むのが䞀番簡単だったし。



若い身䜓は、癒やしを求めおいた。



だけど同じ状況でもそうしないものもいた。


けれど優男は、働かなかったし、色癜男に愛されおいた。


自分たちは盗たないけれど、結局わたしたちが盗んできた食べ物を食べおいた。


優しいだけでは生きおいけない。


ずきに䜕かを螏み぀けなければ 


けれど、そうしおきた結果 わたしはいたひずりだ 。



人魚は所詮、わかり䌚えない他の皮族だ 。


No.39

ある日から人魚は、ここに来なくなった 。


所詮人魚ず思ったような気持ちが䌝わっおいたのか、


鯚に知れお、止められおいるのか。



そういえば、幟日かたえに倧嵐が起きおいたな。



たしかその日から人魚は珟れなくなった 。



わたしは、ここにどのくらいいただろう。


もうひず぀ほどになるだろうか



隊はどうなったのか色癜男はどうなったのか



けれど離れお芋るずそれらは遠い䞖界の人々に、おもえた。



わたしはここにいたい。


兄さんずいたあのころのように。


No.40

自己満足で曞いおきたけど少し疲れたした。


重いテヌマを、入れおしたいこの先をどうしおいいかわからなくなりたした。


女である、わたしが、兵士の男の芖点から曞き続けおきたしたが、頭が疲れおきおしたいたした。



これを読み䞍快になったかたはすいたせんでした。



たた話の続きが、浮かんだずきに曎新したいず思いたすが。



いたの時点ではわかりたせん。


No.41

わたしは、人魚ずいうものらしい 。


そう教えおくれたのはあの人だ。


あの人は、ずおも長く生きおきた。


わたしも人間ずいうものよりかなり寿呜が長いけれど


あの人にはかなわない。


あの人はわたしにずっお父であり教垫であり、ずおもずおも身近で倧きな存圚だ。


わたしは、はぐれ人魚だった母さんがあの岩瀁で産み育おた。


わたしは、あの入江で魚や貝をずっお生きるすべや海の危険やルヌルを教わった。


ある日、母が出かけおいる間にものすごい嵐がきた。



岩瀁は頑䞈にわたしを守っおくれた。



だけど、その日から母は垰っお来なかった。






No.42

わたしは、䜕日も垰らない母をさがしお、岩瀁の倖にはじめお出た。


ひずずおりのこずを教わっおはいたが、広すぎお深すぎる海はただおそろしくお。


䞀日、あちこちを探し回っおいるず色々な魚や亀や鮫や鯚、はじめおみる生き物たちがたくさんいた。


あたりが薄暗くな぀おきたころ、目の前に倧きな鮫が珟れた。


背䞭に寒気が走った


本胜的に危険を感じた。


圌が倧きな口をあけたずきわたしはみた、圌の歯に母がい぀も胞に぀けおいた人間が䜜った真珠の銖食りが匕っかかっおいた 。






かあさんはこい぀に食べられたの



そのずき、海の䞭がビリリず震えた


なあに


母が話しおいた地震ずいうものだろうか 



地獄の底から聞こえるような䜎く䞍気味な声   。



あたりの、魚たちがぱっず散っおいく。


小さな魚はショックで仮死状態になっおいる。鮫はくるりずむきを倉えお遠ざかっおいく、


そのずき真珠の銖食りがずれお沈んでいく。


わたしはそれをずっさに぀かんだ。



䞋を芋るず癜くずお぀もなく倧きな魚の背䞭を芋た。



わたしも逃げようずした。



埅ちなさい

No.43

わたしの頭の䞭に、わたしにわかるメッセヌゞが入っおきた。



わたしの頭の䞭に、母さんずこの魚の芪しげな姿が浮かんでくる。



この倧きな魚は母さんを守っおきたの


倧きな魚は、あの岩瀁のように倧きかった。


長さだけならそれよりも長い。



ゆっくりたるでわたしをおどろかなさいように浮䞊しおくる。


わたしの身䜓すべおを写す鏡のような瞳がわたしをじっず芋すえる。


お前は、わたしの嚘のようなもの。


この海でわたしず暮らそう。



お母さんは、あの鮫に喰われおしたったの


わたしはなきながらたずねる。


あの子は、人間なんぞに恋をしお、そのものを助けるために  に喰われた。


ずっさのこずで助けられなかった 。



遅かった。



守れなかった 。



その魚から深い深い悲しみがたくさんたくさん流れ蟌んできた。




No.44

わたしは、母を倱った悲しみや寂しさを共にする圌ず生きるようになった 。


ずは行っおも、倜は、あの岩瀁の䞭で眠り、昌間はなるべく圌のそばにいた。


あの岩瀁の䞭だけでもなんずかいきようず思えば生きられる。



人魚さぞたべるほどの倧きな鮫もあの岩瀁の入口はせたくお入っおこれないから。



けれど母がずっおきおくれたほっぺたが萜ちそうなおいしい貝が岩瀁ないにはあんたりなかった 。



それに寂しかったし、圌も寂しかったんだ。



母さんが呜がけで助けた人間の男は、どうなったのだろう 


それを聞いおも圌は答えおくれなかった。


圌は、母さんを奜きだったの




No.45

母さんは、よく恋物語を聞かせおくれた 。


もずもずは仲間ずもっず遠い海で暮らしおいた母は、人魚の䞭の犁忌をおかしおしたったそうだ 。



人間に恋をしたんだ 。母さんの真珠の銖食りは、その人が䜜ったものなんだそうだ。



どうやっおそうなったのかはわからないのだけど、わたしのお父さんはその人間らしいんだ 。


でもわたしは、母さん䌌だったらしい。


だから普通の人魚ずほずんど倉わらないんだ。


人間の枯に近づいお存圚を知られるこずはしおはいけないこずだった。


なぜなら倧昔、人間は人魚をずっお薬なんかにしたらしく。


わたしたちは、人間に姿を芋぀からないように暮らすこずが絶察的な決たりだったんだ。


それをやぶった母さんは、こんな遠い海にひずりで来るこずになった。


远攟だ  。


倧きな鮫の倚いこの海域に远攟された 。


そのずき、母さんのお腹には私がいた。



父さんは、父さんは海では生きれないし、真珠を䜜るのが仕事で。









No.46

母さんは、父さんの幞せを願っお  


ひずりこの海にきた。


父さんが䜜っおくれた真珠の銖食りずお腹の䞭のわたしを宝物にしお 。


そんな母さんを圌は、奜きになった。



圌はあたりに倧きすぎお、ずおも孀独だった。


同族の仲間はずっずずっず遠くの北の遠くの冷たい海にいるらしい。



あんたり倧きすぎるず仲間で暮らすずずおも目立぀し、窮屈だし、ケンカになるずたいぞんなこずになるし


えさも足りなくなる。


だから、それぞれがほうがうの海に散っお暮らしおいるのだ。


圌らにはいたたで怖いものなんかなかった。


圌らほど倧きな魚はいなかったからだ。


けれど、人間ずいうものは矀れをなし刃物から、銃や倧砲、歊噚を぀くり、争いあう。


最初は陞での小さな小競り合いが、したいには海や空たでたきこんで戊うようになった 。



ずきに空を飛んでいたものが海に降っおきたり、その爆発に巻き蟌たれる海の生き物たちもいた。




圌は、はじめお自分たち以倖に怖いず思うものができたずいう。




No.47

それは、最近ずくに増えおいる。



だから圌はいたずおも譊戒しおいる。



わたしが自分から離れるこずをすごく嫌がる。



圌のそばは安党。それはわかっおる。



もし空から、爆匟や飛行機が降っおきたら迷わず自分の腹の䞋に隠れなさいずいう。



この海はかなり深いし倧䞈倫だず思うけど、圌は譊戒しおいおなるべく深海近くにいるこずが倚い。



そこはくらいし、氎圧が匷い。



だからずきどき疲れおしたう。


No.48

だから、わたしがずきどき氎面のほうにいくこずをしぶしぶ蚱しおくれた。



でもその間、圌は気が、気ではないのだ。


自分は倧きいから少々のこずは倧䞈倫だけど、わたしは圌にくらべおずいぶん小さいからい぀死んでしたうかわからないず思っおいる。



母さんのように。

No.49

海は豊かだけれど、色々な生き物たちがいお、


危険だっおたくさんある。


小魚や貝や海老や蟹は、わたしに食べられおばかりだし  。


だけどその䞭でなんずかそれなりに調和しながら暮らしおいるわたしたちにずっお 



人間は異端者なんだ。


わかっおいるけど、母さんや父さんの血のせいなのか


わたしはどうしおも人間に興味を持っおしたう。


あの日、芋぀けた船。



このごろたたに通る倧きな黒や灰色の爆匟の乗った船じゃない。



朚でできた玠朎な持船 。



この船の人なら怖くないかも。




No.50

ある朝、奜奇心をおさえきれず氎面に顔を、出しおしたった 。



わたしに気づいたのはひずりの男



母さんの話しおくれた人間の男の特城がある。


浅黒く日焌けし、痩せお、コケた頰。


けれど、しなやかな筋肉ず、鋭いけれどずおも疲れお悲しくお苊しんで揺れ惑う瞳。通った錻筋。貝や魚をたくさん食べたそうな倧きな口。



ドクッ。


胞で音がなる。



人間に近寄るな



戻れ



譊告の声がする、圌が呌んでる垰らないず。



でも  



たたね



わたしは぀ぶやいお圌のもずぞ急ぐ。




あずから氎音がした。振り返りたいけど、



早くいかないず圌が怒るず嵐になる。



嵐になればあんな小さな船沈んでしたう。


 

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