♦︎ツイステッドワンダーランド♦︎

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小説好きさん
2022/06/20 00:38(更新日時)

事の発端は学校の帰り道、幼馴染のミカと帰路についている時だった。
信号が青になるまで待っていると、ミカが突然こんなことを言い出した。
「羽夜ってさ、ツイステットワンダーランドって知ってる？」
えっ…何、突然？
「知ってるけど……ミカもプレイしてたっけ？」
「いや、それがさぁ…」
大分渋ったように喋るミカ。
そしてバックからスマホを取り出して、ポチポチ操作しだした。
「どうしたの？急にスマホ出して…」
横から少し画面を覗いてみると、ツイステの最初の寮とキャラ選びの画面であった。
「あっ、もしかして迷ってるとか？なら強力なSS Rカードと合わせるなら、最初に選ぶキャラをアズールまたはヴィルにして、引き直しガチャで寮服リドル君、寮服レオナを狙うのがオススメだよ。」
さっそくオタク知識をひけらかすと、ミカが苦笑いしながら「違うよ。」と言う。
「羽夜がめちゃくちゃ布教してくるからやってみようかと思ったんだけど……あたしの画面だけ皆んなとちょっと違う気がしてさ。」
えっ？と思いながらよく画面を見てみると、寮の名前が書いてある下に四角いふちがあった。
ふちの中には文字が書かれていた。
『黒い馬車が迎えにゆく　もう戻れない闇と光の始まりである選択』
？？？
「私の知らない間にアップデートでもあったのかな？それとも改変的な…？」
「あたしもそう思ってネットで調べてみたんだけど、そんなの全然どこにも書いてないらしくてさ」
ミカもよくそんな事気づいたなぁと思いながら、スマホを貸してもらって少しいじる。
「バグかもしれないけど、一回寮とキャラ決めてみない？」
「いいけど…あたしキャラクターとかあんまり知らないから羽夜が決めてくれない？」
えぇっ！
「わ、分かった。本当はミカのために選んだ方がいいキャラにしてあげたいけど…推しキャラでいい？」
「バッチOK！」
やった、じゃあポチッと。
『今日は何すんのぉ？俺もついていこっかなぁ♪』
はい、推しフロイドです。恐怖絞めウツボ兄弟の片割れです。
でももう2人いるよ！
リドル君とマレウス！バブちゃんとツノ太郎様サマ大好き♡‼︎
ゴホンッそれはいいとして、早く手をとりましょうか。
その瞬間、画面が真っ暗になった。
「羽夜⁈スマホ壊してないよね⁉︎」
「ちょまっ、何か白い文字浮かび上がってきたよ！」
『もう後戻りはできない　馬車は進み　止まることは　　ない』
えぇ困惑…こんなの実装されてたっけ？
ガラガラッカパラッカパラッパカラッ
「⁈」
何っで！こんな時代の道路に馬車が走ってんのぉ⁈
は？え？しかもあの馬車こっち来てね？
「羽…夜…逃げ…なきゃ⁉︎」
ミカが叫ぶように言って私の腕を引く。
が、しかし私の体は動かない。
パカラッパカラッ
やっとの勢いで動けるようになった瞬間、私はミカの体を押して庇った。
「羽夜っ‼︎」
ミカ…最後に推しキャラの手を取らせてくれて、ありがとう。
パカラッーーーー

最後に見えた信号は、とっくに青に変わっていた。