花火23話

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作家
2016/07/10 00:20(更新日時)

やっと曲作りが終わって、ホッと一息ついたら、数ヶ月後には、４枚目のシングルの花火の曲作りに取りかかっていた。

ハワイアンブルーは、前曲のモノクロを上回り、好調をキープしていて、CMで使いたいという、ありがたい言葉をかけていただいた。

それと、よく分からないのが、夏のハワイ特集号に俺ら、マンディロンが載っていたことだ。
しかも、アロハーな格好でだ。

そういえば、柳之助は
｢そのうち、夏歌ベストなんちゃらでも、
俺らのハワイアンブルーの曲が流れるかもな。夏に聴きたい歌とか、よくあるじゃんか。それだよそれ。｣

なんて言っていたっけ。
圭介は狙って作ったろう、とかも。

だいたい、狙って作ったとか、そんなことできるわけがない。
俺に、そんな才能は皆無だ。
ホライズンの柊木健太さんなら、できるかもしれないけれど。
ホライズンは、ミリオン連発だし、タイアップもつく。
柊木健太さんに、一度、曲作りの極意なるものを聞いてみたい。
音楽界の七冠棋士だと俺は、勝手にリスペクトしている。

４枚目のシングルは、まだデビュー前に
デモテープとして、風来坊社に送ったものを、もう少し歌詞を多くして、曲として成立するように、手を加えたものだ。

　　　花火

　　　　　　作詞長谷川圭介
　　　　　　作曲長谷川圭介

揺らめく星空の下
月と同化した花火を見上げ
君は少しだけ浮かない表情をする

ねぇ、これは現実の世界なのよね
一瞬だけで終わらないのよね

僕の答えが花火の音に打ち消される
漆黒の夜空にたなびく灰色の煙が
闇の中に吸い込まれていく

浮かんでは消える光の輪とは対称的に
天の川を隔てて離ればなれになった二人が
切なそうにぼくたち二人を見下ろしている

僕は幻想的な花火の光に映し出された
君の横顔に心の中でつぶやいた

今日だけは僕のすべてを信じてほしい
キミに恋したあの日から
キミだけを愛しているから

俺は、この花火という曲に対しては、特別な感情をもっていて、この曲を作った大学生の頃に、付き合っていたクミという彼女を思い出す。

現在、４枚目のシングルと、ほぼ
同時進行で進められている、俺らマンディロンの1stアルバムにも、収録したいと強く思っている。

それと、俺らマンディロンにも、ありがたいことに、ファンクラブなるものができ、
これで終わりではなく、もっともっと、
先へ先へと歩き続けなければいけないなという、思いでいっぱいだ。

柳之助は、相変わらず女性受けが悪いと気にしているし、裕太は、勝手にニヤニヤして、照れていた。

何にせよ。曲作りに没頭している自分は、
ハワイアンブルーでも、花火でもなくて
なんとも複雑な････キブン。

７、８曲は新たに作る予定で、もう最近は、クミさ~んなんていう多国籍な曲でも作るかななんて思ったり。