色んな出会いありますね…2…

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2015/08/28 07:14(更新日時)

機種変したら、どういう訳か投稿できなくなってしまったので、今までの「色んな出会いありますね」の続きのスレを立て直します…またまた宜しくお願いします。

感想スレもありますので、宜しくお願いします。

No.1695005 (スレ作成日時)

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No.1

予想通り渋滞…ジリジリとしか進まず、眠気を誘う…


「一般道で行くか…」


【そうですね…】


俺は高速を下り、一般道で千葉市内を抜ける事にした…

No.2

…とはいえ、一般道の千葉市内も渋滞…

これといって話題もなくなり、暫く沈黙が続いた…

俺は…

いつあの話を切り出そうか…と考えていた。

横目で何となく佐山を見る…黙っているが眠っているわけではない…じっと前を見ている…

俺と同じことを考えているのか…?

静かな車内には、BOOWYが流れる…

No.3

渋滞を抜けた…

国道に出たが更に渋滞が予想されるので、海沿いの道を選んだ…

朝も通った道…静かな場所だが国道の抜け道になっているので、交通量はそこそこ多い…

依然としてお互いに沈黙…

建設中のスタジアムの手前で、急に視界が開けた…

そこからは千葉から君津にかけての工業地帯の灯りと、横浜から横須賀にかけての工業地帯の灯りが綺麗に見える…

思わず佐山が…

【綺麗…】

と呟く…

同時にカーステレオからは、~LONGER THAN FOREVER~が流れる…

No.4

~パーティーの後の、静けさに二人…~

この歌い出し…この日の俺達の様子を表現しているかのよう…


佐山が口火を切った…


【鶴川先輩は………花山先輩の事をどう思っているのでしょう…?】


「う~ん、一応彼氏……だと思っているみたい…」


【じゃあ、花山先輩は鶴川先輩の事を彼女と思っているんですよね……?】


「前はね…」


【前は…ですか?】


「うん…前は…最近は思わなくなった…」


【何でですか?】


「ちょっと色々あってね…多分鶴川も薄々気づいているんじゃないかな…」


【そうなんですか…じゃあ私花山先輩の彼女に立候補します…私じゃダメですか……?】

No.5

先に言われた…


こういう時、女性はいい度胸をしている…


「うん、いいよ…」


佐山からの告白を受けた…

No.6

【本当にいいんですか?鶴川先輩…大丈夫ですか?】


「佐山はそんな事気にしなくていいんだよ…俺は佐山からの告白を受けたんだよ…」


【分かりました…でも会社では誰にも何も言いません…】


「何で?」


【だって、鶴川先輩と気まずくなるじゃないですか…それに鶴川先輩とは仲がいいですし…】


「そっか…でも優しいんだね…じゃあ、会社では秘密って事で…約束ね!」


【はい!末長くお願いします!】


「こちらこそ!」


こんな初々しい付き合い始めはいつ以来だろうか…サトミ以来か…懐かしい感覚に包まれた。

No.7

『ところで、会社以外で花山先輩の事を何て呼んだらいいですか?』


「ん?何でもいいよ…佐山の好きな呼び方で…」


『え~…好きな呼び方ですか…?し~君…じゃ、ダメですか?』


「え″…そ、それって鶴川と同じでしょ…」


『はい…ダメですか?だって、鶴川先輩が花山先輩の事を話してる時の“し~君”て言ってるときの顔が、何か嬉しそうで…私もいつか“し~君″て呼びたいな…って思ってました…』


「そうか…嬉しいよ…じゃあ“し~君″で…俺は、千秋ちゃん…でいいかな?」


『はい!』


そんな話をしているうちに車は千秋の家の近くまで来ていた…


『まだ少し帰りたくないです…』


「うん、まだ少し時間があるね…」


そう言って、車を朝4人で待ち合わせた、母校に走らせた…

No.8

母校の隣は以前は荒れ地だったが、今は近々何か建つらしく、整地されていた…その一角には、既に駐車場が出来ていた…
俺はそこに車を停めた…

「今日は楽しかったね…」


『はい、最高でした!』


「実はね…今日は俺も千秋ちゃんに告白しようとしてたんだよ…」


『え…』


「あの小さい砂浜で…三宅に邪魔されたけど…ても結局先に言われちゃったね…」


『そうだったんですか…すみません…でも、し~君も同じ気持ちだったってだけで嬉しいです。』


「うん、自惚れている訳じゃないけど、千秋ちゃんも同じ気持ちだと思った…でも、もし違っていたら…って思うと不安でさ…結果、違わなくて良かったよ…」


『…………………し~君、キスしていい?』


「いいよ…」


そう言って軽く唇を合わせた…

No.9

「明日の事、言ってなくてごめんね…」


『酷いですよ…出張なんて聞いてなかったですよ…』


「ごめん…この間の即売会があったから、2回に分けたんよ…電話するから…」


『はい…じゃあもう一度キスして下さい…』


そう言うと千秋は自分から唇を重ねてきた…

No.10

千秋の家の手前に車を停めた…


『今日は楽しかったです!また行きたいですね!今度は二人で…』


「うん、そうだね!」


『し~君大好き!おやすみなさい…明日、気を付けて…』


「俺も大好きだよ、千秋ちゃん!」


そう言うと今度は俺からキスをした…


千秋は車を降りると、小走りで家に帰った…
俺は見えなくなるまで見送り、自宅へ戻った…

No.11

今回の出張は、前回行けなかった白馬からだが、白馬へ行く途中に、信濃大町を通るので寄る…それから白馬…~南小谷~上越~柏崎…泊

翌日、長岡~新潟~新発田~喜多方~郡山~白河~会社…とハード…


最初の信濃大町を9時前に入りたいので、3時半起床で4時に自家用車で出勤…

状況が状況なので、前以て会社に許可を得て、会社の近所のタワーパーキングに駐車…
5時前に荷物満載の軽ワゴンで出発…



今回の出張はちょっと苦戦…月末に近いということもあって仕入れが渋い…月初ならいいのだろうけど、俺も月の成績がある…


原価を割らずに利益を多少削り、なんとかこの日の目標をクリア…夕方に、追加注文をする為に会社へ電話をした…


受付の藤枝が電話に出た…


【あ、花山?千秋ちゃんでしょ?近くにいると思うから、ちょっと待ってて……千秋ちゃぁ~~~ん!】


藤枝は電話口から離れ、千秋を呼びにいった…


すると…


【もしもしぇ…花山ぁ?お疲れぇ…】


鶴川が電話口に出た…

No.12

「え?何でお前なの?佐山は?」


【ん~?今、藤枝ちゃんが呼びにいったぁ…今どこにいんのぉ…?】


相変わらず仕事中のこの気だるい話し方はイラつく…


「あ″?新潟…」


【あ~ぁ…またちゅめたい言い方ぁ…やっぱりそうかぁ…佐山に乗り換えちゃうんだぁ…】


「は?お前何言ってんの?」


【ん~?だってさぁ~…花山の事ばっか気にしてんだも~ん…佐山は何も言ってないつもりでもぉ~、あれじゃバレバレだよぉ…】


「な、何言ってんの?お前は…」


明らかに狼狽えている俺…


【きゃははは!花山も分かりやすぅ~い!…別にいいけど…お別れしてあげる…でも、戻ってきてもいいよ…その時フリーだったらね…】


普通の言い方…お見通しだった…


「ごめん…」


【謝る事ないじゃん…ま、仕方ないか…あ、藤枝ちゃん戻ってきた…じゃねぇ~ん!気を付けて!】


【悪い悪い!お待たせ!千秋ちゃんさ、内藤さんの買い物行っちゃったよ~!さっきまでそこにいたのに…で、どうする?またかけてくる?千秋ちゃんの声聞きたいでしょ?】


「ブ!アホ言いなさい!出荷間に合わなくなっちゃうから今言うよ!ちょっとメモして…」


正直声を聞きたかったが、仕方ない…藤枝に注文を伝えた…
電話を切った後、少し千秋に不安になった…はしゃぎすぎだ…

No.13

追加の手配を済ませ、長岡のホテルへ向かった…

千秋には電話で釘を刺しておかないと…そう思った…




当時ヒットした映画「ハスラー2」の影響で流行ったビリヤード…
俺もその流行りに乗った1人…
野球部を引退した後、同学年では俺1人が部活を手伝っていた…その為、帰りは途中まで敦子と一緒だったが、別れた後は1人で帰っていた…

そんな時、駅の近くで偶然クラスの友達と出くわし誘われたビリヤード…

すぐに腕を上げた…クラスの中では俺に勝てる奴がいないほど…




泊まりの出張の夜の楽しみとして、1番に仲の良いお客との飲み…2番にビリヤード…ちなみに3番は1人酒…若しくは成功率の低いナンパ…


~夜~


お客の都合が悪く、仕方なく1人酒をしようと街を徘徊…
すると、歩いている道路沿いに大きめのプールバーを発見…1人酒をやめてビリヤードをすることにした…


店内に入ると、何やら大にぎわい…人でごった返している…
掲示板を見ると、この日は自由参加のトーナメントとの事…参加費は500円…迷わず参加する事にした…

No.14

参加人数は70名程…
中には店所属のプロが数名いた…

まずくじ引きで4‐5名1組のリーグ戦を行う…リーグ戦は1発勝負の1セットマッチ…トップ通過でベスト16を決め、再度くじ引きでトーナメントの組み合わせを決める…トーナメントは3セットマッチ…
表彰は1位2位と3位が2名…

俺はB組…5人の組だ…くじ運が悪い…

ルールはナインボール…

いきなり第一試合に出場…


順調に試合を消化し、俺は4勝0敗でトーナメントへ進んだ…


トーナメントでは1回戦で、若い頃からビリヤードをしているという、アマチュアだけどかなり雰囲気のあるマイキューを持つお爺ちゃん…
かなり苦戦したが2勝1敗でベスト8…

ベスト8は危なげ無く勝ち…

準決勝はプロと当たり、食い下がったがアッサリ敗け…でも表彰台は確保!
賞品は…当日有効の、店での食事券5000円分…

お腹一杯飲み食いできました!

No.15

酒も入り意気揚々とホテルへ戻る…


フロントに寄ると俺に伝言との事で、メモ用紙を渡された…


佐山からだ…


内容は…


鶴川先輩にバレちゃいました…ごめんなさい…鶴川先輩は誰にも言わないって言ってくれています…気を付けます。


もう知ってます…

No.16

出張2日目…

指定した運送会社の中継点へ荷物を受け取りに行く…

若干の二日酔い…

荷物を積み込み、客先へと向かう…

月末にも関わらず、この日の商いは思いの外好調で、全店回り終える頃には、積み込んだ荷物は殆んど無くなっていた…

その為、商売は殆んどサンプルでの商売…

最後の店での商売を終えて、各客先からいただいた注文を手配する為、帰りの高速道路のサービスエリアから電話をすることにした…

急げば遅い便に乗せてもらって翌日着が可能…




【はい、〇〇〇〇です…】


受付の藤枝が出る…


「あ、花山ですが、お疲れ様です…佐山いる?」

【あ、お疲れ!佐山?いるよ…なんか花山忙しそうだね…】


「うん、明日着で出荷して欲しくてさ、遅便なら間に合うでしよ?」


【あ…ギリギリかな?】


「でしょ?だから急いでくれ~!」


【はぁ~い!ちょっと待ってて…】


そう言うと、内線で千秋を呼んだ…


『はい!もしもし!』


テンション高く千秋が出た…どうやら千秋のそばには誰もいないらしい…でも急ぎなので、事務的に話さざるを得ない…


「もしもし、遅便で出荷お願い…」


【あ、昨日はごめんなさい…あまりはしゃいでるつもりはなかったのに…】


少し話したかったが急ぎ…


「いいから、注文聞いてよ…」


かなり嫌な感じで言ったかも…

No.17

『あ…なんか怒ってますう~?』


本当に急ぎで、全く怒ってなかったのに…鶴川にバレた事を俺が怒っていると勘違いした千秋の俺の機嫌を伺うような口調に少しカチン…


「ごめん、遅便に乗せたいから急ぎなんだ…注文聞いてよ…」


【あ、ごめんなさい…注文、お願いします…】


かなりテンションが低くなった千秋が俺の注文を聞く…


一通り注文をして…


「……………以上です。じゃあ、遅便に乗せてね…」


そう言って電話を切った…


今思うと、つくづくこの時代にも携帯電話が欲しかった…

話せない間、自分の思いを伝えることも出来ずに、ただ悶々とした時間を過ごす…

言った方も言われた方も気分は最低だ…

こういう出来事がきっかけでお別れしてしまうカップルも少なくないはず…

No.18

もっと大人な対応は出来なかったのか…嫌な気持ちを引きずりながら車に戻る…


本当はこのまま直帰したいところだけど、明日は明日でやることが沢山あり、忙しい…
それにさっきの事を詫びたくて、会社帰りに食事に誘おうと決めた…その為にも、今日出来る仕事は何時になっても今日終らせようと思った…

俺は直帰せずに会社へ戻ることにした…




夜10時過ぎ会社着…


奇跡的に渋滞が無かったので、思いの外早く着いた…


が…出入口のシャッターが開いていて、まだ誰かいる様子…


男性社員が交代でやっている、施錠当番がまだいるのか…?
いや、その場合は出荷の荷物が会社の前に出ているはずだが…出ていない。

でもこの日は月末…誰かが残業していてもおかしくない…
そう思い、会社に入った…


自分の机がある2階フロアに上がると、俺の席に千秋が座っていた…

No.19

千秋と目が合う…


千秋は少し涙目だ…どうしよう…完全にアレを引きずっている…事務的に接するか、全然気にしていない風を装うか…一瞬の判断だ…


「どうしたのぉ~?こんなに遅くまで~?」


気にしていない…にした。


『今日ごめんなさい…怒らせたみたいで…ごめんなさい…』


重たい…


「いいよ、いいよぉ~!気にしていないからさ~!それに遅便に乗せて欲しかったから急いでて…もう少し言い方あるよね…?俺もごめん…」


『気がつかないで、ごめんなさい…』


重たい…


「せっかくだから、少し仕事手伝ってくれる?」

『はい…………』


「暗いなぁ~!元気出してよ!いつもみたいにさ!」


『だって………』


面倒くさい…

No.20

少しめんどくさい子…

そんなイメージを持った…

この空気を何とかしないと…そう思って千秋の向かいの席に座った…


「お願いだから、元気出してよ…本当に怒ってないから…でもいつまでもそんなんだと、本当に怒るよ…」


真剣な顔で真面目に話した…


『分かりました!もう大丈夫です!』


伝わった……らしい。


『でも出張行ってる間寂しかったんですよ…夜も電話くれないし…1時くらいまで待ってたんですよ…』


「ごめんごめん…ちょっと色々あってね…」


『色々って何ですか?まさか、付き合って早々に浮気ですか?』


うわ…別の意味で面倒くさい…


「違う違う…浮気なんてする訳無いでしょ~!」


こういう女にはきっちり説明しないと…と思い、ビリヤードの事を全部話した…


『え~!そんな事してんだ~…いいなぁ…今度連れていってくださいよ…ビリヤード…』


「いつでもいいよ!」


ようやく機嫌も直ったか…


「キスしていい?」


『えっ?あ…はい…』


真っ赤な顔の千秋…


軽くキスした…

No.21

翌日の用意、出張の精算申請、伝票整理…諸々を終えると12時近くになっていた…

千秋にも手伝ってもらった…


「遅くなっちゃったね…ごめん…車で帰るから送るよ。」


『あ、ありがとうございます!』


そう言いながら事務所の灯りを消し階段の踊り場に出た時、佐山が背中に抱きついた…


「どうした?」


『好き…し~君大好き!』


「俺もだよ、千秋ちゃん…」


振り向く俺…キスのおねだり顔をする千秋…


いつもは軽いキスだけど、今度はちゃんとしたキス…


控え目に俺の舌で千秋の舌を探す…

探し当てたが、反応しない…俺は千秋の舌先や裏側を舌で撫でる…


『ん…んん…っ』


反応あり…が、そこでヤメておく…


『おしまい?』


「今日はね…もう帰らないと…」


『………分かりました。明日もありますし…ね!』


「そう!頑張らないとね!明日はご飯食べて帰ろう!」


『はい!』


今度は軽くキスして会社を後にした…

No.22

翌朝…


千秋を迎えにいつもの釣宿吉田屋に行く…


「おはよう~。昨日はありがとうね!おかげさんで今日は普通に仕事が出来るよ!」


『あ、いえ…』


微妙に反応が薄い…


「どうした?」


『いえ…あの、帰ってからちょっと考えたんですが…』


何気に真剣な顔…


「どうした!?何を考えた!?」


ちょっと大袈裟な言い方でおちゃらけてみた…


でも千秋は全く気にせず真剣な顔で…


『し~君出張中に鶴川先輩に何か言われたんでしょ?お別れ的なこと…』


「うん…」


『でも会って話した訳じゃないんですよね…』


「まぁね…」


『それって嫌じゃないですか?』


「なんで?」


『だって、そういう付き合うとか別れるとかって話を電話で済ます…って簡単すぎませんか?』


凄く可愛くて、誰にでも優しいけど、面倒くさい彼女…


「そだね…」


『じゃあ、今日は夜ご飯行かなくてもいいですから、鶴川先輩と話して来て下さいよ…』


「えぇぇぇ~~~!マジで!?」


『はい…』


ここは千秋の言う通りにしておいた方が無難か…と思い…


「分かった…じゃあ、今日は鶴川と飯に行くよ…」


『はい、無理言ってすみません…』


そんな会話をしているうちに会社に着いた…

No.23

会社に着いたら先輩後輩…


『じゃあ花山先輩、お願いします…』


「はいはい~。」


そう言いながら会社に入る…


女子社員は掃除、男子社員は段ボールやゴミ捨てをする…

俺は鶴川を探した…


鶴川はあのトイレを掃除していた…

No.24

「鶴川、ちょっといい?」


【あぁ~…花山ぁ~…おはよぉ~…どしたぁ~…?】


相変わらずイラっとくる口調…でもこれは演技なのかなんなのか…


「今日の夜って暇?」


【どしたのぉ~?もう佐山とお別れぇ~?】


「『いや、そうじゃない…」


【いいよ別に…直接の別れ話なんて…余計にあたしが傷つくじゃん…佐山に言われた?】


急に普通の口調…


「いや、あ…うん、まあ…」


【佐山もエゲつないな…止めを刺されるみたいで嫌だな…でも佐山とはずっと仲良くしたいからな…いいよ…ご飯、行ってあげる…でもお別れの話はしないよ…もうその話はしたくないし…】


「ごめん…」


【いいよ…でも最後まで楽しませてもらうよ~!】


「げ!最後までって~!?」


【大丈夫!佐山には言わないから!】


そう言いながら、鶴川は掃除用具を片付けその場を去った…

No.25



~夜~


少し残業した俺は、鶴川との待ち合わせの上野へ向かった…

彼女公認で元カノと飯…なんか変な気分…


「ごめん、待った?」


【うん、待ったよぉ~…なんてね!】


「さて、どこ行くか…」


そう言って適当な居酒屋を見つけ入る…


席に着き、ビールやツマミを注文し、飲み始める…話題は終始下ネタ…嫌いじゃないけどずっとだと飽きる…

夜10時を過ぎる…時計が気になる…

この後ホテルで…となると泊まりは避けられないか…などと考える…


【時間気になるぅ?そろそろ出よっか…】


「あ、うん…そだね…」


そう言って会計を済ませ店を出て歩き出す…


【花山ぁ…今日は帰るね…女の子の日だし…十分楽しんだし…】


「あ…ごめん…ホント、ごめん…」


【だからいいって…佐山と仲良くしてね…毎日見てるから…】


「うん、ありがとう…」


【じゃね、また明日…ババァ~い!】


そう言って鶴川は駅に向かう人波に消えた…


一つの出会いが始まって…一つ出会いが終る…この繰り返し…

No.26

翌朝…


いつもの電車で通勤…千秋にナオヤマの話をした時と同じ電車…
ただでさえすし詰め状態の車両に更に大勢が乗り込む…

ギッチリ押し寿司状態…身動き一つとれない…ただこの身動きがとれない状態が、心地よい眠りを誘う…立ったまま眠る…

その灼熱押し寿司状態の中、俺の手首を握る人がいた…

誰だ…変態?いや、俺、痴漢に間違われてる?冤罪?色んな思いが頭を駆け巡る…

その方向を見る…

俺に気付いた千秋が必死ににじり寄って来ていた…


『おはようございます…』


小声で千秋…


「おう!」


首しか曲げられず、横にいる千秋に挨拶を返す…

そして千秋はジリジリと俺の向かいに移動する…


『昨日は…?』


予想通りの質問…


「うん、話した…」


『食事…だけ………?ですよね……?』


「当たり前じゃん…でも、正直間違いも予想してたでしょ?嘘をつこうと思えばいくらでもつけるよ…」


『え?嘘なんですか?』


「そんな訳ないでしょ…嘘だったら、嘘をつこうと思えば…なんて言わないよ…」


『ごめんなさい…』


「………………」


黙って千秋を抱き締めた…

No.27

千秋が重く感じた…どうやら眠ってしまった様だ…
乗り換えの駅まで体を預けさせてあげよう…
そう思い、抱き締め続けた…




会社の最寄りの駅に着き、歩きながら話す…


「今度の日曜に、道場に行っていい?」


『え~~!ダメですよ~!恥ずかしいじゃないですか!』


「あらら…じゃあ日曜は会えないね…」


『え?それは嫌です…』


「じゃあ道場に行くよ…」


『……………いいですよ…でも恥ずかしいな…』


「大丈夫!それに違う千秋ちゃんも見たいし…」


『違う私?いつもと変わらないと思いますよ…』


「いやいやいや、そんなことないでしょ…楽しみだよ!」


『あまり変な期待しないで下さいよ…』


「はいはい…」

No.28

この週も俺は忙しかった…


泊まりではないが、連日北関東、甲州街道方面…茨城…千葉…と回り、連日帰宅は夜中になった…千秋とは殆んど会社で顔を合わすことがなく、会話は注文の時の少しの会話と、来たく途中の公衆電話だ…


日曜までが長く感じた…






日曜…この日は朝一番から会う事にした…


いつもの釣宿吉田屋の前で待ち合わせ…夕方そのまま道場に行く為、剣道の防具や竹刀を持参…いつも鞄を持つ姿と雰囲気が違い、凛とした雰囲気があった…少し萌え…


どこに行こうか…千秋のリクエストで、この日は横浜~鎌倉~江の島方面をひたすらドライブ…に決まった。


車内では、前回のドライブのままのカセットテープが入ったままだった…なんとなく顔を見合わせたりした…


会話は、やはり仕事中心だが、仕事であちこちに行く俺の話をわくわくしながら聞いていた…


『じゃあ、長野で食べた美味しいものは?』


「う~ん、大町で食ったカツ重かな…あと穂高の野沢菜…」


『いいなぁ…じゃあ新潟は?』


「へぎそば…っていう蕎麦」


『あぁ、食べてみたい!他には?他には?』


子供のように色々聞いてくる…それが何故か心地よく思えた…


昼飯は鎌倉でシラス丼を食べた…それから少しブラブラして江の島…


何気に敦子との事を思い出す…イガグリだったあの頃…少しムラッとした…


剣道は午後5時から…そろそろ戻る準備をする…


少し黙る千秋…

  • << 30 来たく…× 帰宅…〇

No.29

「どうした?」


『いや、1日って早いな…って思って…』


「今日は道場にも行くし、その後だってご飯食べに行こうよ…そう考えると、まだ半分と少ししか一緒にいないんだよ…」


『そうなんですけど、楽しいと時間が過ぎるのが早いじゃないですか…だからこの後もすぐ時間が経つんだろうな…って思って…』


「じゃあ、今日この時間大事に過ごそう…」


『はい!』

No.30

>> 28 この週も俺は忙しかった… 泊まりではないが、連日北関東、甲州街道方面…茨城…千葉…と回り、連日帰宅は夜中になった…千秋とは殆んど会… 来たく…×

帰宅…〇

No.31

日曜だけあって、江の島近辺は激しい渋滞…なんだかんだで川崎を抜けるまではダラダラと渋滞していた…


道場に着いたのは、稽古の30分前…


「何とか着いたね…」


『すみません…いつも運転してるのに、こんな時まで…』


「いやいや、運転好きだから…」


そんな会話をしながら、道場に入っていった…


子供も通っているので、その親等が来ていた…


更衣室から千秋が出てきた…防具に身を包んだ千秋は、普段とは明らかに別人だ…


一礼をして道場に入る千秋…一瞬道場の片隅で見学をする俺を見て少し微笑む…そして俺に背を向け正面に向かい、静かに正座して師範を待つ…


師範入場…


師範と向い合わせで静かに一礼…


全員立ち上がり素振りを始める…


【1!2!3!4!5!】


耳をつんざくような声が道場に響き渡る…

No.32

素振り100回を3本…連振りも同じだけこなす…


2人1組で打ち込み…

気合いの入っていない生徒には、女子供だろうと容赦なく尻に竹刀が飛ぶ…


『イヤァ~~~~~!!めぇぇぇ~~~~~ん!!』


その小さな体のどこからそんな大きな声が出るのか…というぐらいの、鼓膜が破れるような高く大きな声、そして鬼気迫る表情…


そして防具を着けて乱取りに入る…

暫くは生徒同士での乱取り…やがて師範が千秋を指名し、他の生徒を休憩させ、2人きりの乱取り…

鬼気迫る声と表情…容赦しない師範…

何度も何度も倒され罵声を浴びせかけられる…

立ち上がりまた打たれる…必死に応戦するが歯が立たない…

師範の綺麗な面が入る…立て続けに胴…接近して竹刀を合わせ、離れ際の引き胴…間髪入れずに小手が綺麗に決まる…

竹刀が落ちる…拾おうとするがよろけてしまい、偶然俺に倒れかかる…


「大丈夫か?」


流石に心配で声をかける…が…


『うるせぇ…黙って見てろ!』


ゼェゼェと呼吸を乱しながら、立ち上がり立ち向かう…


鬼気迫る…とはこの事か…

No.33

『めぇぇぇ~~~~~~~ん!!』


千秋の打つ面が師範の面に綺麗に入る…


【よぉぉぉ~~し!いい面だ!次ぃ~!】


『有り難う御座います…』


師範に礼を言い頭を下げ、自分の位置に面を外し正座する…


辛そうな表情…野球部の夏の練習を思い出す…


8時…稽古が終る。


外で待つ俺…


タオルを頭に巻いた千秋が出てきた…


「お疲れさん!」


『何か恥ずかしいです…どうでした?』


「いやいや、凄かったよ!」


『え?どう凄かったんですか?』


「その話は飯食いながらしない?」


『え…あ、いいんですが、この通り汗まみれなので家でお風呂入ってきていいですか?』


「え!?家で?まぁ、いいけど…」


『すみません…』


そんな話をしながら車に乗り、千秋の家に向かった…


思い切って切り出してみた…


「千秋ちゃん…」


俺は千秋の目を見ながら…


「ホテル…で風呂入らない?ずっと一緒にいたいし…」


少し間を空けて…


『はい……』


と小さく頷き返事をした…

No.34

「何か買っていく?お腹空いたでしょ?」


道場の近くにコンビニが一軒ある…この頃は全部が全部24時間営業ではなく、まだ7時から23時の営業の店もあった…ちなみにこの店は23時までの営業…


「うわ…閉店近いから何もないな…」


そう言いながら、残り物の菓子パンとジュースを買った…


車で待つ千秋…緊張してるのかうつむいて黙ってる…そりゃ独り言を言っていたら逆に怖いか…そう思いながら車に乗り込む…


少し離れた所にあるホテルに向かう…最初から決めていた訳ではないが、この辺りでホテル…といえば、湾岸道路に二件並ぶ綺麗なホテル…高いけど人気がある。でもやはり懐事情で少し離れた休めのホテル…

とはいえバブル期…今のようにサービスタイムとかいうシステムは殆んどない…最低でも休憩2時間で5千円以上が相場…

日曜の夜…運良く安い部屋が空室…ガレージから直で部屋なのでフロントを通らずに入室できた…

No.35

ドアを開け、千秋を中に入れる…続いて俺…

至って普通のホテルの部屋…

靴を脱ぐ俺を待つ千秋…

「ん?どうした?」


『ううん…』


「何か付いてる?」


『ううん…』


「あ、やっぱり嫌だった?」


『ううん…』


「じゃあ、どうした?」


少し間があって…


『好き…』


そう言って俺に抱きついてきた…俺も優しく抱き締め返した…

No.36

前回会社でキスをしたときは、中途半端で止めてしまったが、もう止める理由などない…


先に千秋が目を閉じ、キスの催促をしてきた…


優しく唇に触れた…そしてゆっくりとお互いの唇を確かめるようにキスを続ける…

やがて俺の舌は千秋の舌を探し始めた…また千秋も同じだ…

お互いの舌が触れ合うと、今度は優しくお互いの舌の感触を確かめ合った…

舌先、横、裏側…また、千秋もそれが初めてではなく、多少の経験値をもって俺に対する…

千秋の舌が、俺を欲しがるように、少し強めに俺の中に入ってくる…俺はそれを受け入れ優しく吸い始めた…


『ん…ん…ん…んん…』


千秋が感じ始めた…


俺は口を繋げたまま、体を抱き抱え、ベッドへと移動した…

ベッドに座らせ、一度唇を離し、俺は床に立ち膝をして千秋に相対した…そして何も言わずに、千秋のTシャツ中に右手を滑り込ませた…

掌に収まるくらいの小さく可愛い胸を、ブラの上から触れる…
千秋の目が潤み顔が赤くなる…あまり見られるのも照れるので、またキスをした…

右手はブラの下から直接胸に触れた…

胸を下から揉み上げ、頂に指が触れた…


『んっ…!』


千秋の背中が真っ直ぐ延びるように反応した…

No.37

間を開ける事なく、Tシャツとブラを上げる…


千秋は恥ずかしそうに少し抵抗…


俺は構わず千秋の手を除ける…


『恥ずかしい…部屋を暗くして…』


構わずTシャツとブラを上げ続ける…


胸が全開になった…恥ずかしさで顔を背ける千秋…


少し小さいが凄く形のよい乳房が露になった…


俺はそのピンク色の乳首に軽くキスをした…


『はぁぁあっ!』


千秋の上半身が跳ね上がりのけ反った…

No.38

その反応と表情があまりに可愛かったので、抱き締めそのままベッドに倒れ込んだ…


何度もお互いの舌を絡めキスをした…何度もその可愛らしい乳首にキスをした…


その度に跳ね上がるような反応で感じる千秋…


流れで千秋のジーパンのボタンに手をかけ外す…

千秋はキスに夢中でジーパンには気付かない…


俺はファスナーをゆっくり下ろす…


俺は背中を支えていた左手を腰へ移動した…偶然、親指が背筋をかする…


『ああぁっ!』


千秋の上半身がエビのように跳ね上がった…

No.39

一瞬左手が自由になり、親指をジーパンの腰の部分にかけ、そのまま下ろす…下着だけの下半身が露になった…


気づく千秋…


俺は勢いでジーパンの裾を引っ張る…と、一気に脱げた…


キスを続けていたが、千秋はびっくりして唇を離した…


体が離れ向き合う形になり互いの動きが止まった…


はだけていた胸を両手で隠す…


俺は止まらない…


千秋は胸以外ノーガード…


俺はショーツの腰部分に手をかけ引く…太ももの途中まで脱げる…


『いや!ダメ!』


今度は両手で下半身をガードする…当然胸が無防備になる…Tシャツで隠れてしまった胸…俺はTシャツに浮き出ている両方の乳首を左右の親指で軽く擦る…


『あぁっ!』


大きく反応しながら、下半身をガードしていた両腕の右腕で胸をガードしようとする…俺はそれを許さず右腕を捕まえる…そしてまたキスをした…


拒まれるかと思ったが、千秋も受け入れ体制は出来ているようだ…俺の舌を受け入れている…


更に俺の左手は、ショーツを脱がしにかかる…

No.40

スポーツメーカーの可愛らしいショーツ…右足だけ脱げた…いい意味で、若干諦めにも似た表情が見て取れた…一気にTシャツを脱がすと、千秋は少しズリ上がったブラと片足だけ履いたショーツを着けているだけで、ほぼ全裸…


一瞬千秋が笑ったように見えた…


「どうした?」


『し~君、脱がすの上手いんだ…あっという間だよ…』


「上手い?そう?」


確かに今、全力を尽くした…ちょっと嬉しい…


そのまままたキスをした…左手は胸に触れ右手は下半身に移動し始めた…千秋の手は俺の背中をしっかり掴んでいる…

No.41

『あ…あぁ…っ』


時折声が漏れる…大分感じてきているだけに呼吸が荒くなって、キスが苦しくなってきているようだ…


俺は千秋の顎や耳にキスをした…やがて首筋、耳の後、耳たぶ、鎖骨、胸元…とキスを下げていった…

堪えきれない千秋が…


『あぁ…し、し~君、気持ちいい…』


そして硬くなった乳首に…


『あぁっ!あっ!あっ!あっ!』


次第に声が大きくなる…下半身に移動しつつある右手は、千秋の膝から太ももへ…そして足の付け根辺りを優しく愛撫する…


『あぁ…はぁ…はぁ…あっ…あっ…』


千秋の目は虚ろだ…足に入れていた力もかなり抜けている…俺は千秋の片方の膝を横に倒した…

容易に倒れた…

目は上半身に集中しているので見えてはいないが、千秋の足は完全に開脚している形になっている…


俺は太ももへの愛撫から流れで千秋の割れ目に触れた…緊張した…


熱い…そしてかなり湿っていた…


『あっ!はぁっ!』


千秋は叫びにも似た声を上げた…


俺は胸から脇腹…そして下腹部へとキスの愛撫を下げていく…

No.42

足の付け根辺りを外側から内側へ向けて、丁寧にゆっくりと舌でなぞる…

やがてそこへと辿り着く…


『あっ…あっ…あっ…!』


堪らず声を上げる…


更に核心部へと進む…


陰毛の量はやや短く少な目…陰唇は若干肉厚で小ぶり…色はピンクだが紅潮しているため、ピンクというより濃い桃色…貝類を想像させる…足が開いているのでそこの状態がはっきりと見て取れる…


割れ目の中からは液体が溢れ出している…

俺はそこを舌でなぞった…


『あぁぁっ!』


悲鳴にも似た千秋の声…同時に開いていた足を閉じた…が、俺の頭がそれを許さない…千秋は俺の頭を押しながら…言った!


『し、し~君ダメ!まだお風呂にも入ってない!道場でトイレにも行ったよ!汚いよ!し~君オネガイ!』


それでも口撃の手を緩めない…


確かに…微かな尿臭…そして汗の臭い…でもそんな事気にならないくらいに千秋が愛しく思えた…


俺の舌は遂にそこへ辿り着いた…舌で下から上へ軽く舐め上げた…


『あぁぁぁっ!あっ!あっ!』


俺の頭を押さえていた手が、髪の毛を鷲掴みにする…


『し~君!し~君!あぁっ!し~君!』


千秋は俺の名前を絶叫する!


やがて千秋は力なくベッドに倒れた…


え…


思わず俺は顔を上げた…

No.43

千秋を見ると…


薄っすら涙目の千秋…でも体は…背中から腰へかけて微妙に痙攣し、辛うじて両腕で胸を隠している…

キスをしようと、千秋に近づくと少し上目使いで…


『バカ…』


と一言…


そして俺に背を向け枕を抱き締める…


その仕草があまりにも可愛らしい…そんなメルヘン男になったつもりはないが、可愛いものは可愛い…仕方が無い…


「千秋ちゃん…」


『知らない…』


「お風呂入ろ…」


『入って来ていいですよ…』


怒っているのか照れているのか…


試しに俺も少し怒ったように言う…


「分かったよ…じゃあ入るね!」


バタン!


…少し強めにドアを閉めた…


洗い場でお湯を体にかける前に、ベットルームで何やらドタバタ音がした…


何してんだ…?


と思いながら、体にお湯をかける…


…と同時に風呂場のドアが勢い良く開く…!


泣きながら全裸の千秋が入ってくる…


『もう!し~君の意地悪!』


そう言いながら抱きついてきた…

No.44

ちょっとエッチなメルヘンチックなカップルの様に、風呂場でイチャイチャしている自分に…


「何してんだ…」


と心の中で呟く…


千秋の道場で見せたあの鬼気迫る迫力はどこにも見当たらない…俺はそのギャップに千秋の重たさを感じずにはいられなかった…


やはり俺は鶴川との付き合いがちょうど良かったのかもしれない…


風呂場で散々乳くりあって、お互いのテンションもエロく上がってきた…千秋はエロいながらも、可愛く初々しく見えた…どんなセックスをするんだろう…更に自分のテンションを上げるため、想像を膨らませた…


こんな事を考えていると、思わぬハプニングがあるもので…

No.45

風呂を出た…


脱衣場でお互いの体を優しく拭く…

俺は千秋の首筋から胸、腹から脇腹下半身にかけ丁寧に雫を拭き取る…


時折キスをする…同時に胸を優しく揉む…そのままお互いの胸を合わせ、両手で背中を撫でる…俺が楽な姿勢をとると、俺のモノが千秋の胸に当たる…触る事も避ける事も出来ず、どうしていいか分からない千秋…


鶴川ならきっと掴んで舐めるだろう…そうしてくれた方が楽だった…


お互いの興奮度も大分高まった…


「ベッド行こうか…」


俺が誘う…


『うん…』


千秋が応える…


何気におとなしい始まり…あまり好きじゃない…俺は思いきりエロくしようとした…


俺の前を歩く千秋の肩を抱き足をすくう…いわゆるお姫様抱っこをしてベッドに向かう…


千秋の体はやはり小さく軽い…容易に持ち上がる…


無造作にベッドに放り投げる…


ベッドで千秋の体が弾む…


『きゃ…っ!』


思わず声を上げる千秋…


俺は少し乱暴に千秋に襲いかかる…


激しい愛撫…


最初は少し面食らった感じだが、やがて俺の愛撫に身を委ね始める…

No.46

『あ…っ!あ…っ!あぁ~っ!あぁ~っ!』


お互い興奮状態のため、感度がいい…


丁寧に、でも少し強めにキスをする…耳、顎、首筋、鎖骨、胸元、乳房、乳首、脇腹、下腹、太もも、背中、腰、尻、膝、内股…丁寧に大胆に唇や舌、指を使い時間をかけて愛撫する…そして千秋の秘部へ…


これまでかなり解れてきていて、よがる声もかなり大きく、少し耳が痛いほど…感じやすい急所を見つけ執拗責めると何度も跳ね上がるような反応と大きな声…そしてグッタリとした脱力を繰り返す…


この状態で秘部に触れる…そこはもう触れた俺の手がビショビショになる程に濡れていた…

No.47

ダイレクトに秘部へ舌をあてる…


もう拒んだりはせず、更に開脚をして受け入れる…更に俺の頭をそこへ押し付ける様に、更なる快楽を求めた…


ここを舐めてほしいと言わんばかりに、自分の腰を動かし、一番感じる部分への愛撫を求める…


同時に両手で強めに乳房を揉み、乳首を摘まむ…


『ああぁっ!あっ!あっ!あっ!』


絶叫に近い歓喜の声…俺は更に続けた…


千秋の頂点が見えてきた…俺は割れ目の中に舌を挿入する…割れ目に沿って舌を上部へとゆっくり移動させる…


『あっ…あっ…あっ…あっ!あっ!あぁぁぁぁぁぁ~!』


千秋は両手で、千秋の胸を愛撫している俺の両手を握り締めた…身を震わせかなり力んでいる…


割れ目の最上部…固くなっているそれを少し舌に力を入れ舐め上げた…


『ひあぁぁっ!!』


同時にビクビクビク…!っと千秋の全身が痙攣した…そしてまたベッドにグッタリとした…


俺はコンドームを着け挿入にかかる…

No.48

そういえば…


千秋は初めてなのかどうなのか…でも今までの感じから初めてではない事は確か…ただ経験は少ない…かな?というところか…これまでの経験で、少しゆとりが持てたのか…


でも今はそんな事を考えている場合ではない…


俺のモノを千秋の中にゆっくりと沈めていく…入口がちょっとキツい…が、ゆっくりゆっくりと沈める…目を閉じて俺の両腕を掴んでいる千秋…


『あっ…あっ…あぁぁぁぁぁぁ~~はぁ…ん』


初めてではない…


ゆっくり腰を動かす…


千秋の中は狭く、締め付けてくる感じだ…俺もかなり気持ちいい…


「気持ちいい?」


固く目を閉じている千秋に聞く…


『あ…あ…気持ちいい…凄く気持ちいいよ…し~君…気持ちいい…』


物凄く可愛く、淫靡な声に俺のテンションも上がり、俺のモノも更に固くなる…


千秋の背中を抱え、抱き締める…お互いに顔を向き合い、激しくキス…互いの唇、舌、唾液を激しく確かめ合う…その間も俺は腰を上下する…


『んっ…!んっ…!んっ…!んっ…!』


千秋の両腕が俺の背中をキツく締め付ける…


色々な形でお互いの体を確かめ合う…その間も千秋は何度も俺の名前を叫び、身を震わせ汗をかき、グッタリしたり抱きついたり…を繰り返す…


俺もそろそろ頂点だ…

No.49

正常位で突きまくる…!その間も千秋は何度も叫び身を震わせ、脱力と力み、興奮を繰り返す…


『あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あぁぁっ!し~君ダメ!また…またイク!イク!イクッ!』


叫ぶ千秋…!歯を食い縛り、目を固く閉じ、身震いしながら俺にしがみつき叫ぶ…!


「千秋!千秋!俺もイクぞ!」


『来て!来て!し~君!一緒に!あっ!あっ!あっ!あっ!』


千秋の細い腰を持ち上げ、突くスピードを上げた!


『あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!早く!もうダメぇぇぇ~~!!』


「イクぞ!千秋イクぞっ!」


思いきり突き上げたその時…………!!!


ブッツン…!!!!


大量の精液を放出したと同時に、俺のモノの先端が破裂した様な感覚に襲われた…


何も考えられず、俺と千秋は繋がったまま余韻に浸っていた…ただ、少し下半身が熱く感じた…


10分程の後、ようやく身を起こし、自分のモノを引き抜いた…


目を疑った…


コンドームが破けている…


つい先程の記憶が甦る…あの破裂した様な感覚…あの時に破れた…!て事は…完全に中出しをしてしまってる…しかもその後暫く繋がったまま…


一気に青ざめた…

No.50

マズい…


千秋に事情を説明した…


流石に千秋も落ち込んだ…


とりあえず、風呂場で洗うよう促した…


この頃の俺も千秋も、こういった状況の場合の知識も何もないので、ただ狼狽えるしかなかった…

コンドームさえ着ければ絶対安心!という浅はかな考え…ただ、大好きな千秋を抱きたかっただけなのに…天国から地獄というのはまさにこの事か…


とりあえず、帰りの支度をしてホテルを後にした…


「千秋ちゃん、ごめん…」


千秋も何と言って良いのか分からず…


『いえ…おやすみなさい…』


とだけ言い残し、車を降りた…


千秋が家に入るのを見届けてから、車を走らせた…


眠れないんだろうな…と考えながら家路につく…

No.51

予想通り眠れなかった…


取り返しのつかない事態になるかも…という思いが、一晩中頭の中をグルグルと駆け巡っていた…


不安を抱えながら電車に揺られる…


千秋が乗る駅に着く…姿が見えた…少しでいいから話したかった…


乗ってこない…次のこの駅始発の電車に乗るのか…でもいつもは乗ってくるのに…


ここら辺のお互いの温度差を感じた…更にモヤモヤ…


明日からまた出張…


こんな時は行きたくなかった…正直、千秋に早く女の子の日が来て欲しい…と思った…少しでも早く、この重圧から逃れたかった…

No.52

仕事が手につかない…


この日から数日間は、俺は最低な人間になり下がった…千秋の気持ちも考えずに…


会社で顔を合わせる…千秋は精一杯の笑顔で皆に挨拶をする…それは俺にも変わらずに…


でも俺は千秋に…心配してますよ!という気持ちを押し売りするような態度…


「お腹大丈夫?気持ち悪くない?」


それは言い換えれば…


「生理来た?お腹痛くない?」


である…最低変態男…


『うん、平気…!』


明るく答える千秋に対し俺は腹の中で…


…痛くなきゃ困る!生理来い!…


と、手前勝手な思い…


「あそ…」


無愛想な言葉を残し仕事する俺…その場に取り残される千秋…


酷い事をしているのは分かっていた…でもどうしても優しい気持ちになれない…気持ちにゆとりが持てない…最低だ…それも分かっていた…


この日、顔を合わす度にお腹の事を聞いた…


千秋をどんどん傷つけている事にも気づかずに…

No.53

夜…千秋から電話がきた…


俺にとって朗報か?…と勝手な期待…


千秋はいつも通りの今日の出来事など世間話に終始する…俺は上の空…いつもより短目に話が終わる…で、最後に…


「お腹大丈夫?」


とこの日何度目になるか分からないくらいの問いに…


『うん…』


と静かな返事…


翌日から出張だというのに…




~翌日~


今回の出張はちょっとロングラン…


甲州街道で八王子~大月~甲府~松本~中央道駒ヶ根~飯田…松本に戻って穂高~大町~白馬~南小谷~大町に戻り~長野~中野~飯山~十日町~飯山に戻り~須坂~茅野~諏訪~会社夜中着…で3日間…帰宅せず、精算と翌日からの出張の準備をして会社泊…朝一番で中山道方面…大宮~東松山~秩父~群馬~新潟~福島~茨城~会社…殺人的なスケジュール…で1週間が終る…


その間、千秋と話したのは、注文とお腹の事のみ…夜は一度も電話をしなかった…


一番最後に注文の電話をした後に…


『日曜日会いたい…』


と千秋…

No.54

「うん…」


と俺…






土曜は社用車で出勤…前日遅くに戻ったので社用車での帰宅だった…千秋と話をしていなかったので、一人で出社…


千秋は休んでいるらしい…バカな俺は勝手に…


来た?


と思い込む…


そんな事を考えている俺の尻を思い切り蹴る奴がいる…


「痛っ!!」


振り返ると鶴川が怒った表情で立っていた…


「何すんだよ!!」


【何すんだよ!じゃねえよ!最低だよ!】


「何がだよ!お前に何かしたかよ!」


【バカ!佐山だよ!はなやま、酷いよ!】


「え…な、何でお前が知ってんだよ…」


【佐山、いつも明るくしてるのに、トイレでいつも泣いてるんだよ…】


「……………」


何も言えなかった…


【どうすんだよ…】


「……………」


何も分からなかった…


【信じらんない…】


鶴川はそう言い残してその場を去った…

No.55

日曜…


待ち合わせ場所の釣り宿吉田屋…朝早く向かう…


気持ちはまだモヤモヤ…


千秋がいた…


「おはよう…」


『おはよう…』


車に乗る千秋…


この日は特に行き先は決めてなかった…ひたすら西へ移動…する予定だった…


日曜だというのに、剣道の防具を持っていない…


「今日は剣道…」


と言いかけた…


『多分…!』


俺の言葉を遮り、千秋が声をあげる…


「多分?多分どうしたの?」


『多分…今日来ます…』


「何が?」


『……………生理。』


その単語を聞いた瞬間、俺は満面の笑みでニヤけてしまった…


千秋はそれを見逃さなかった…


『そんなに嫌でしたか?万が一でも二人の子供が出来ることが…』


軽蔑するような目で俺に聞く…


「……いや、そ、そんなつもりは…ごめん…」


何も反論できなかった…

No.56

でもこの期に及んでも俺は、千秋を失いたくない気持ちより、ほぼ間違いなく生理が来る…悩みがなくなる!という嬉しさの方が勝ってしまった…俺はこの後どう千秋をなだめるかに集中することにした…でも結果的にそれは上部だけの優しさ、その場凌ぎの言葉を発するに過ぎなかった…


最低な変態男…し~君。


『帰ります…』


車を走らせてまだ10分過ぎたぐらいだろうか…
突然千秋が言った…


別れを予感した…


「え?何で?」


理由なんか分かっているくせに、訳が分からないよ……といった表情を見せた…どこまでもオメデタイ変態男、し~君。


『帰ります!』


今度は強い口調…


「分かった…」


東京都に入りすぐにUターン…また釣り宿吉田屋に戻った…


「ごめん、そんなつもりじゃないんだ…」


『じゃあ、どんなつもりなんですか?』


「………………」


薄っぺらい考えだから言葉に詰まる…頭の悪い変態男、し~君。


車を降りる千秋の後ろ姿を見送り、オメオメと家に帰る…

No.57

月曜…


いつもの電車で出勤…千秋の乗る駅に着く…


千秋の姿が見えた…が、乗り込んでこない…更にモヤモヤ…千秋はもう俺の顔なんか見たくない…って思ってんだろうな…と思う気持ちを、次のこの駅始発で座って来るんだろうな…と自分に都合よく変えて解釈…

いい加減に目を醒ませ!


会社に着く…少しして千秋も着く…


『おはようございます!』


皆に笑顔で挨拶をする千秋…


「おはよう千秋ちゃん!…あ、ゴメン…」


会社では秘密だったね!…と、わざとらしい仕草の俺。


しかし千秋は…


『おはようございます!花山先輩!』


と、満面の笑みの他人行儀…


『あ、花山先輩、今日のお昼二人で行きませんか?』


まさかの千秋からのお誘い…


「いいよ!いいよ!」


もしかしたら許してくれるの?と、甘い考えのし~君。

No.58

昼…


会社を一緒に出る…


今までは、とりあえず社内では秘密だったので、俺が先に出て千秋が信号で追い付く…というように時間差で昼飯に出掛けていたが、もう千秋の中では一人の仲の良い先輩と昼飯に出掛ける…という感覚なんだろうな…


という諦めにも似た思いが頭のなかを支配し、都合の良い思いが入り込む隙間は無くなっていた…


「どこ行く?」


『天下一にしません?』


「いいよ…」


妙に明るい千秋に対して、俺はテンションを上げる事が出来なかった…


心が狭い男、し~君…


店に入る…


席に着くや否や…


『チャーハン!』


と、千秋…


ここのチャーハンは出てくるのが早い…長居したくないの?何か話があったんじゃないの?それともサクッと話をしておしまい!ってしたいのか…千秋の言った注文一つでネガティブになるチキンなし~君…


【ゴチュウモンハ?】


中国人ウェイターに、注文を促される…


「あ、あぁ…じゃあ俺もチャーハン…」


結局同じ…


ウェイターが水と一緒にチャーハンを持ってくる…


速い…

No.59

『来ましたよ………生理。もう、昨日の夜からお腹痛くて…あの時言えば良かったですね…生理前だから、終ってからにしようって…逆にすみません…』


年の割に大人な千秋…


余談……生理直前に中出しして着床してても、直後の生理は結構な確率で来るらしく、肝心なのはその次の生理だ…と、何かで聞いた時はビビったもんだ…千秋はどうだったのか…


このスレ読んだ方で、知識のある方は、感想レスまで…


「いや、もしそうしていても、同じ結果だったかも…ホントごめん…」


『あの笑顔はショックでしたよ…花山先輩との未来が見えないというか、もっと色んな経験を積まないといけないんだな…って思いましたよ。嫌いになった訳じゃないんです…先輩の事、好きは好きですよ…』


ここで本当に終りなんだな…って思った。
やっと気持ちに整理がつきそうだ…


「そかそか…本当にごめんね…俺も佐山の事好きだよ…これからも宜しくね!」


『はい!』


短いけど、濃い期間だった…


でもフラれっぱなしだな…サトミ、めぐみ、敦子、千秋…唯一振った形になったのは、鶴川だけ…

人間に問題ありか…

No.60

それから…


千秋とは今まで通り、付き合う前のように普通の先輩と後輩として接した…

No.61

春…


一本の電話から、意外な形で敦子との再会を果たすことになる…


ある春の夜、家の電話が鳴る…!


いつものように姉が出たようだ…


大慌てで階段を掛け上がる足音…!


ガラガラガラッ!バン!


ドアが壊れそうになるくらいの勢いで、姉がドアを開ける…!


【あんた何したのっっ!?】


いきなりだ…


「どうした?」


振り向く俺に姉が…


【あんたに日〇谷公園の派出所から電話よ!!】


「え?何で?」


【知らないわよ!何かしたんじゃないの!?】


訳が分からずに電話に出た…

No.62

「もしもし…」


【あ、花山さんでしょうか?】


「はい…」


【あの、夜分に申し訳ないのですが、敦子…さんという女性をご存知でしょうか?】


「敦子?…はい、知ってますけど…どうかしましたか?」


【あぁ、良かった…】


「はい?」


【実はですね、こちらの敦子さん、酷く泥酔しておりまして、お友達とここに駆け込むや否や、あなたのお名前を連呼しまして…あなたのお電話番号以外、連絡先も身元も何も言わないでそのまま潰れてしまったんですよ…それで引き取りに来て欲しいのですが…】


「な、何で私が?」


【こちらとしても、ここにこのまま保護するわけにもいきませんので…何とかお願いします。】


「はぁ…」


そのまま敦子の自宅の電話番号を教えて、親に迎えに来させる…という選択肢もあった…でもあんな別れ方をしたにも関わらず、そんな時でも俺を必要としてくれた事に対して応えてあげたい…というお人好し…というか下心…みたいな顔が出た…


救えぬ変態男…し~君。


俺は日〇谷へ車を走らせた…

No.63

日〇谷…


深夜だが、週末の東京は眠らない…バブル初期…行き交うOLやサラリーマンは皆高そうで派手なスーツ…その中に、全く場違いなスウェットにビーサンの俺…今まで家で寛いでました…というような格好…事実そうである…


「すみません…花山ですが、厄介者を引き取りに来ました…」


冗談混じりに言う…


【ご苦労様です!こちらです…】


生まれて初めて警察官に敬礼された…何気に嬉しい。


派出所の奥に畳の部屋がある…そこに敦子は一人で横になっていた…


「もう一人いると聞きましたが…?」


【はい、あまりにも嘔吐が酷く、身元も言えない状態なのと、免許証も定期券も社員証らしき物も持っていなかったので、一晩病院で休んでもらって、落ち着いてから連絡してもらおうと、救急車で搬送していただきました…】


「え?そうなの?だったらこいつもそうして欲しかったな…」


【いや、花山さんは連絡がつきましたから…】


「あ、あぁ…そうね…他人ですけどね…」


そう言いながら、再会できたことにちょっと感謝…


敦子を車に乗せ、その場を後にした…


殆ど意識の無い敦子を家に送り届ける…


前以て電話をしておいたので、家の前で敦子のお母さんが待っていてくれた…


【あらぁ~!し~君久し振りじゃないの~!今日は本当にごめんねぇ~!何でこの子はし~君の連絡先しか言わなかったのかしらね~!】


「大丈夫ですよ!お久し振りです!」


そんな会話をし、敦子を引き渡した…

No.64

敦子とはこの後頻繁ではないが、ちょいちょい会う機会があった…


ある日、ナオヤマから電話があった…


それは…たまには野球部の4人で飲もうぜ…という事だった。
とりあえず、次の週末に集まる事になった…


当日…通学の時に使った、ターミナル駅で待ち合わせ…めぐみとの待ち合わせに使った駅…いる訳無いのに何と無くキョロキョロ…


4人が集まり、適当な居酒屋に入る…


ここで次の出会いがある…

No.65

4人で色んな話に花を咲かせる…


今の仕事の話、野球部時代の話…付き合っていた奴の話…旅行の話…時間が過ぎるのは早いもので…閉店30分前のラストオーダー…しかも既に終電は終わり…店内には俺達ともう一組…少し年上っぽい女子5名…何と無く分かってはいたけど…


ナオヤマとコージが俺にアイコンタクトをする…


声かけろ…って事か?


俺は少し酔って上機嫌…勢いで声をかけた…当時流行っていた、ねるとん紅鯨団を真似て…


「お姉さん達に最初から決めてました!お願いします!」


ダメ元…


【いいよ~!】


意外な程あっさりOk…


閉店まで一緒に飲んだ…

No.66

彼女達は新宿の宝飾店に勤めるOLさん達…皆綺麗で彼氏もいるらしい…


そんな彼女達との楽しい時間もすぐに終わってしまった…


店を出た…


俺達も別れ、それぞれ何とかして帰ることにした…


とりあえず俺はタクシーで帰ろうと、タクシー乗場の行列に並んだ…


中々進まない事に若干イライラしていると、俺は後から肩をつつかれた…


振り向くとそこにはさっきまで一緒に飲んでいたOLさんが立っていた…

No.67

「あ!」


【どーもー…何イライラしてんのぉ~?】


「いや…中々進まなくて…ちょっとイライラ…歩いた方が速いっすよね…」


【まぁ、週末だし…ね!】


大人だな…


【家ってどっちの方?】


思い付いたように話す…


「え?〇〇方面…ですけど…」


【あ!同じ方角だ!私は〇〇公園の少し先…】


「あ、そうなんすか?ここからも、俺んちからも割と近くじゃないすか?」


【じゃあ、歩いちゃう?】


「えっ?俺んちまで2時間近くかかりますよ~!」


【大丈夫!大丈夫!男の子なんだから、歩きなさい!】


そう言って彼女は俺と腕を組み、強引に歩き出した…

No.68

歩きながら話す…


「あ、そういえば名前聞いてないですよね?」


【そういえばそうね…じゃ、そちらから名乗って…】


「はいはい…花山です…」


【花山君ね!皆からし~君て呼ばれてたから、私も呼んでいい?】


「あ、はい…いいですよ。で、名前は何ですか?」


【私は坂城…坂城奈穂子…宜しくね!】


「奈穂子さんですか…そう呼んでいいですか?」


【いいよ~…】


そしてまた色んな話をした…


聞くところによると、さっき会った他の4人の内、2人は同じ大学の出身で、更にこの奈穂子さんと、同じ大学出身の2人の内1人は彼氏も同じ大学らしい…


奈穂子さんの彼氏ともう一人の子の彼氏は同じ野球サークルOB…同じ大学出身者は皆野球サークル…のマネージャーみたいな事をしていたらしい…今でも活動をしているようだ…


【し~君は、彼女とかいるの?】


「いや、いませんよ…モテないし…いるように見えます?」


【あ、意外…絶対にいると思ってた…私なんか多分終るわよ…】


「え?何でですか?えらく美人ですよ…」


今でいうところの、朝の番組『ZIP』のお天気お姉さんの佐々木もよこちゃんにそっくり…

No.69

【まぁ、色々あってね…マンネリだし、会っていてもつまらないし…】


「へぇ~…そんなもんすか?…てか、奈穂子さんていくつですか?」


【あ!失礼ね!女性に歳聞くなんて!】


「あ、すみません…つい…」


【嘘よ、嘘々…26よ…おばちゃんでしょ?】


びっくりした…年上に見えたけど、せいぜい3コ上くらいに見えた…6コ上とは…


「いや、全然…タメくらいかと思いました…」


それは嘘…


【大袈裟ぁ~…(笑)じゃあ、し~君は?】


「あ、俺すか?ハタチです!結構上に見られますけど…フケてんすかね?」


【え?そうなの?もしかして他の子達もタメなの?】


「そうすよ、タメです。」


【私もし~君とタメか、し~君が少し下なのかと思った…】


会話が弾み始めた…

No.70

楽しく話していると、やはり時間が経つのが早い…


奈穂子とは色んな話をした…


でも俺はこんなに綺麗で大人な女性と話したことがなく、終始緊張していた…ここらへんはまだイガグリ小僧だ…


分かったことといえば…通勤に使う最寄りの駅が一緒ってことと、名前と年ぐらいなもの…奈穂子は俺をどう思っているのだろう…そんなことを考えていると…


【あ、ウチすぐそこだから…そこ曲がってすぐの家…じゃね…】


ここでお別れ…なの?


「あ、はい…じゃあ…楽しかった、有り難う。」


【うん。】


そう言ってお互いに別れ歩き出した…


30m程歩く…もういないか…と思い振り返ると、奈穂子が自販機でジュースを買っているのが見えた…


ここで声をかけないと、二度と会えない気がした…


思わず…


「奈穂子さん!」


と叫び、何故か両腕を広げた…


奈穂子はこちらを見て、一瞬動きが止まった…


アホか…何やってんだ…軽く手を振られていなくなるに決まってる…


そう思っていた…


奈穂子は俺に向かって走り寄ってきた…!


俺は確信した…


俺も奈穂子に向かって走る…!


二人は真ん中でぶつかり抱き合った!
そして、どちらからともなく、キスをした…熱い熱いキスだ…


【年上の女、怖いぞ…!】


「平気です…」


もう一度キスをして別れた…


ベタなトレンディドラマのようだ…

No.71

奈穂子との付き合いが始まった…色んな事を教えてもらった…大人な付き合い、付き合いの一般常識、そしてセックスも…


朝は最寄りの駅から途中まで一緒に通勤…でも、奈穂子は小売業のため、早番遅番のシフト出勤もあれば平日休みの日もある…逆に日曜の出勤もある…毎日一緒に通勤というわけでもない…

一応、シフト表を貰って調整した。


ある日、奈穂子が眼帯をしてきた…

おはようの挨拶をしようとしたが、眼帯にではなく、奈穂子の表情にたたならぬ違和感を感じた…

奈穂子は俺と目を合わせようとしない…


「どうした?モノモライ?」


『…………』


俯いたまま黙っている…


駅のホームの片隅で肩を抱く…


電車を一本やり過ごす…


「言ってごらん…俺なら大丈夫だから…」


そう言うと、奈穂子は涙を流した…そしてゆっくりと眼帯を外した…


瞼が青く腫れている…


話を聞くと、(元)彼氏に別れ話をした…短気な彼氏は奈穂子を殴ったらしい…でも奈穂子はちゃんと別れを告げて終りにしたようだった…


俺は朝の通勤でごった返す駅のホームで奈穂子を抱き締めた…

No.72

ある日の帰り…


電車での帰宅途中…背後からポンポンと肩を叩かれた…


振り向くと、身長180cmを超す俺より更にでかい男が立っていた…


【お前、花山だな…】


物を尋ねる言い方ではなく、断定的な言い方にピンと来た…


「奈穂子の元カレのカズオか?」


【いや、彼氏のカズオだ。】


「女に手を上げる奴が、そんな事を言えるのか?」


【うるせぇな…このガキが…】


そう言うと俺の胸ぐらを掴んだ…俺も掴み返した…


二人の大男が、一触即発の状態に、車内の空気が一気に凍りついた…


電車が駅のホームに滑り込む…二人はその状態のまま電車を降り、その状態のまま改札を抜け、駅の裏へと歩く…


それを見ていた人間は、皆見て見ぬ振りをして、家路を急いだ…


駅と繋がっている二つの百貨店は既に閉店時間…駅の裏にある百貨店の立体駐車場も真っ暗だ…


線路と駐車場の間には細い路地がある…そこには街灯が一つあるだけの薄暗いところ…


カズオの手が離れた…カズオは街灯の下へ歩いた…


話し合いだけで済む筈はない…そう思い、俺も街灯の下へと歩んだ…その時…!


黒い物体が飛んできた…!!!

No.73

黒い物体は俺の上唇を直撃した…!カズオのアタッシュケースだ…!


俺はその衝撃と痛みで地面に倒れ悶絶した!!


【なめやがって!俺は空手有段者だぞ!】


そう叫びながら、倒れている俺の体を足で何度もスタンピングした!


「ぐっ!ぐっ!ぐぁっ!」


怒りと痛みで顔が歪む…


一瞬蹴りが弱まった…俺は咄嗟にカズオの裾を掴み引き上げた…!


バランスを崩したカズオが倒れた!俺はマウントポジションを取り、カズオの顔面に拳をを降り下ろしパウンド…


何発打ったろう…20くらいか…薄暗い場所だけに中々当たらない…当たった感触は半分くらいか…その内クリーンヒットは更に半分か…でも確実にダメージは与えた…


カズオは俺の胸ぐらを掴み力任せに引き込み横に倒した…


Yシャツのボタンが弾ける…形勢逆転…パウンドを浴びる…上唇からはまだ大量の流血…鼻血も出てる…もうボコボコ…


【オラァ!クソガキ!やってみろ!コラァ!】


死ぬ…


リアルに思った…


あまりの恐怖にたまらずカズオの太ももの内側をを思いきりつねる…


【ひぃぃ~~!痛ぇ痛ぇ痛ぇ痛ぇっ!!!!】


カズオは悲鳴をあげるが俺は止めない…!


もんどりうって倒れ、太ももを押さえうずくまるるカズオ…


容赦無く靴の爪先でカズオの全身を蹴る!!トドメの顔面!


【うぉぉぉぉっ!】


叫びながら顔面を両手で覆う…指の間から血が流れるのが見えた…

No.74

顔面を両手で覆うカズオの髪の毛を掴み引き起こす…

俺は両手でカズオの頭を持ち、顔面狙いの頭突きを見舞った…!


グチャッ…


鈍い音…額に伝わる何か潰れたような感触…


二度三度頭突きを見舞った…


「やってみろ!有段者!!オラァ!こんなもんか!オラァ!」


頭突きをしながら叫ぶ…!


俺の顔面とワイシャツは、もうグチャグチャの血だらけ…


【このガキぃぃぃ~~~!やったるぁぁぁ~~~~!!】


大量の鼻血を流しながら、カズオの中段突きが俺の胸に刺さる…続いて前蹴り…一瞬呼吸が止まる…


そこからは殆ど覚えていない…ただボコボコにされていたようだ…

No.75

次に気が付いたのは…


ピ~~~~~~~!
と笛が鳴る…

【何してるんだ!やめなさい!!】

たまたま巡回していた4名の警察官…カズオと俺は引き離された…俺はKO寸前で、止められた警察官にもたれかかった…

しかしカズオは…

【ふざけんなコラァ!まだやんぞ!ぶっ殺してやる!】

俺を抑えている警察官は1人…カズオを抑えている警察官は3人…やっと抑えているようだ…俺は落ち着きを取り戻した…

「もう大丈夫です…落ち着いてます…」


やっと落ち着いたカズオと俺は、警察官達と駅の派出所へ移動した。


すれ違う人達は皆驚いた表情で振り返り、俺達を見る…


一体どんな状態になっているのだろう…不安になった…


とりあえず顔面が痛い…特に上唇…


明るい派出所内の鏡を見ると、酷い顔になっていた…まるで別人…両瞼は腫れ上がり、上唇はパックリ割れている…その回りが青白く腫れていて、タラコ唇どころの騒ぎではない程だ…


顔とワイシャツは、血と泥で酷く汚れている…奇跡的にズボンは破れてなく、汚れているだけだ…でもワイシャツはビリビリだ…


カズオはというと、鼻が変な方向を向いている…完全に折れている…顔とワイシャツは血だらけだ…こんな大男をここまでにしたという、少しの優越感があった…でも見た目完全に負けだった…

No.76

カズオは折れた鼻を自力で元の形に戻していた…痛みで顔が歪んでいる…鼻血がまた噴き出していた…


【こんなになったのは初めてだぜ…空手でもやってんのか?】


「いや、野球…」


【空手やればいいとこまでいくんじゃねぇか?】

「嫌だね…痛いし、女に手を上げる奴に勧められたら余計に嫌だ…」


調書を取り終えた…お互いに訴えない…って事で処理された…


これ以降カズオと会う事はない…

No.77

翌日、俺は会社を休んだ…


あまりにも顔の腫れが酷く、とても営業活動を出来る状態ではない上に、まともに喋れないから…


親は心配をしていた…


姉は何故か笑っていた…


一日家に閉じ籠って顔を冷し続けた…



翌日…


多少腫れは引いたが、ボコボコには変わりない…こんな日は奈穂子に会いたくない…
でもこんな日に限って会う…


駅に着くと、いつもと違う場所から電車に乗ろうとしたが、改札の手前で奈穂子に声をかけられる…


『し~君おはよう!』


「あ、おはよ…」


なんとなく手を顔にあてながら振り向き挨拶をする…


すぐに奈穂子の表情が変わる…


『ど、とうしたの?その顔…手も…』


「え?顔?手?あ、あぁ、階段から落ちた…かな?」


精一杯惚けてみた…でも大人な奈穂子には無駄だった…


『カズオでしょ?』


奈穂子の目は涙で一杯になっていた…


惚けても仕方ないか…


「うん、まぁ…でも向こうも相当怪我したよ…」


『アイツの事なんかどうでもいいよ!し~君が…こんな…どうしよう…ごめんね…』


奈穂子は改札の隅で泣いていた…


「俺なら大丈夫だよ…」


………奈穂子は暫く泣いていた…

No.78

奈穂子は黙っていた…


まぁ、何て言っていいのか、話すネタに困った…

乗り換えのターミナル駅…


『ごめんね…また夜電話する…。』


「うん、ありがとう…」


そう言って別れた。


会社に着くと、予想通り驚かれた…


千秋、鶴川、藤枝、内藤さん、坂崎さん…朝礼の後、部長以上の偉いさんにも呼ばれ、聴取と説教…元ヤンの関口は…


【誰にやられた?後輩のチーム出すからやり返しに行こうぜ!!】


いや、いいです…これ以上事を荒立てたくないし…


ある程度腫れが引くまで、社内待機を命ぜられた…

No.79

大好きなラーメンが食えない…


まともに話せない…


痛い…


辛い…


そんな日が数日続いた…

大分腫れもひいて、外回りを許された俺は、水を得た魚のように仕事をした…


(*この時、上唇を縫合するなりして、ちゃんと処置をしていなかった為、42才の今も乾燥する季節になると、パックリ割れたりします…)

No.80

付き合う相手は大体Μ…


奈穂子も例外ではなかった…


怪我も殆ど癒え、奈穂子は会う度に求めてきた…俺も嫌いじゃないから応じた…


一時期、奈穂子のシフトや俺の出張等が重なり、10日間程会えない日が続いた…


ある日曜、やっと会える日が来た…

No.81

梅雨…


奈穂子の家の近所の月極駐車場で奈穂子を待つ…


曇天模様…今にも雨が降りそうな天気…


奈穂子は傘を持って家から出てきた…


『おはよう!』


「おはよ。」


この日は海に行こうとしたが生憎の天気…とりあえず南房総方面へドライブに行く事になった…

No.82

南房総…


嫌いじゃない、好きなんだけど何かというとそこだ…


なんとなく、めぐみの事を思い出す…


外で…あんなことやこんなこと…


ヤバい、思い出したらムラムラしてきた…奈穂子とは、大体毎回しているのに…


俺はなんとなく奈穂子の腿に手を乗せる…


『どしたの?し~君…?』


「ん?いや、まぁ…」


俺の、したいオーラが出ているのか…大人な奈穂子にあっさり読まれてしまった…


奈穂子も俺の腿に手を乗せた…


お互いスリスリ…

No.83

奈穂子の手は、俺の膝の上あたりを撫でていたが、次第に上へと移動し始めた…その手はゆっくり優しく、いやらしく動く…


俺のモノはもう既に硬くなっていた…


奈穂子は小指で何度か俺のモノに触れる…カチカチに硬くなった俺のモノをなぞる様に…


俺も奈穂子の腿に触れていたが、奈穂子の責めにやられ、事故ってしまいそうになるので、シフトレバーを握り締めた…


『し~君どうしたの?もう触ってくれないの?』

普段のセックスの時はΜなのに、こんな時はSだ…

No.84

悶々としながら、南へと車を走らせる…


色々と話していたが、結局下ネタになってしまう…
せっかくのデートだから、色々行きたい…無性にヤりたい気持ちを抑えながら、ドライブインへと入った…


『まだお腹空いてないよ~…』


「ん?いや、ちょっとトイレ…」


用を足す…モノを出すと、硬く太く熱くなっていた…


「ちっ…!参ったな…」

誰もいないトイレで一人呟く…


用を足し終える頃、背後に人の気配…ファスナーを上げ振り返ると、奈穂子が立っていた…


「な…何してんの?ここ男子トイレだよ!」


『し~君したいんでしょ?我慢しなくてもいいのに…』


奈穂子が少しニヤつきながら言う…


「そりゃしたいけどさ、たまのデートは色々行きたいじゃん…」


『私は別にどこでもいいよ~。し~君と一緒なら、一日ラブホでHしててもいいよ!』


そう言うと奈穂子は、俺の脇腹に手を滑らせ、ゆっくりと唇を重ねてきた…


互いの舌で、互いの舌を絡ませる…ゆっくりねっとりと…いつしても、奈穂子はキスが上手い…ついのめり込んでしまう…


「………っておいおい!危ねぇ危ねぇ!何してんだよ!だからここ男子トイレだよ!誰か来たらどうすんだよ!」


『いいじゃん、見せてあげれば?』


「バカ言ってんじゃねぇよ!」


そう言ってるうちに誰かがトイレに入ってくる気配がした…
思わず俺は、奈穂子とトイレの個室に身を隠した…

No.85

間一髪で人に見られずに個室へ入ることが出来た…3コある個室の一番奥の個室…
俺が洋式の便座に腰掛ける形になった…すかさず先程のキスの続き…


入ってきた人も個室に入ったようだ…一番入り口側…


奈穂子が俺の膝の上にまたがる…お互いに抱き締め合ってネットりとしたキスを続けた…


俺のモノが奈穂子の内腿に当たる…


『し~君、凄く硬くなってるよ…出したい?』


耳元で小声で呟く…


「うん…」


たまらず呟く…


『立って…』


俺が立ち上がると、奈穂子は素早く俺のジーパンと下着を下げた…


パンパンに膨れ上がった俺のモノを眺めながら…


『凄い…大きいよ…もしかしてかなり興奮してる?』


そう言うと、すぐに俺のモノを喉元まで飲み込んだ…


「くっ…あっ…」


思わず叫んでしまいそうになるくらいに気持ちがいい…

No.86

ゆっくり深く根本まで口に含み舌全体を使って裏側を舐め上げる…ゆっくりと…たまにリズムよく…首を動かし出し入れする…


もうイキそうだ…


「ヤバい…で、出そうだよ…」


“隣人”に聞こえないように小声で呟く…


奈穂子は小さく頷く…


出していいよ…のサイン…


相変わらず奈穂子のリズムは良く、音をたてないように舌と唇と口の中を上手く使う…


「あぁ、もうダメだ…出る…」


その声を聞いた奈穂子は更に速いリズムで首を動かす…


「あぁ!出る!……うぅっ!」


大量の液体を奈穂子の口中内へ放出…


落ち着くまで“繋がって”いた…


『出たねぇ~!暫くしてなかったもんね…』


せっかくのデートに、こんな場所で出したことに少し後悔…奈穂子は満足気…


やがて“隣人”もいなくなり、静かにトイレを出た…

No.87

お互いに若いんだな…


体から溢れ出す性欲…


俺達は車に戻っても、車を人目につかない場所へ移動して、互いを貪った…


「こんなんじゃ、何処にも行けないじゃん…」


『いいじゃん、たまにしか会えないし、遊びに行くのは私が生理の時にすればいいじゃん…』


「そういうタイミングじゃない時ばっかしだったら?」


『エッチする…でもその内ペースも落ちるでしょ?』


「まぁ、それもそうか…」


年上の妙な説得力で、結局俺は言いくるめられてしまった…


「じゃあ、これから何処に行く?」


『ホテル…』


「はいはい…」


そう言って俺は、ホテルを探しに国道を南に向かった…


『最初に出たホテルね…もう我慢できないから。』


「え?もうすか?」


『うん…』


そう言うと奈穂子は俺のモノに手を伸ばした…

No.88

何時間いたんだろう…


最初に出てきたホテルが、12時間いても\3,800と、この時代にしてはかなりお安いホテル…内装も、可もなく不可もない…


俺はクタクタ…奈穂子は艶々満足気…

外は暗く、既に夜…


『し~君頑張ったね♪』


「はい…でも疲れた…それに腹減った…」


『そうだね、お昼も食べないで水だけ飲んでしてたもんね~…』


「奈穂ちゃんはだいじょうぶなの?」


『う~ん、少しお腹空いたかな?』


「じゃあ、どっかで飯食おうよ…」


『うん!』


「何がいい?」


『何でも!』


「じゃあ、ラーメン」


『え~…ラーメン?』


「だって何でもいいって言ったじゃん!」


『じゃあ、ラーメン以外。』


「じゃあ、蕎麦…」


『え~…』


「おいおい!」


『蕎麦ならラーメン!』


「よし、決まり!ラーメンね!」


そんな会話をしながら、朝来た道を戻った…

No.89

お互い性欲もそうだが食欲も旺盛…


立ち寄ったラーメンショップで、俺は塩ラーメン、奈穂子は味噌ラーメン…プラス、お互いにチャーハン大盛&餃子…と、野菜炒めを二人で一枚…
運んでくる店員も唖然…


『ヤッた後はお腹減るね…!』


他の客もいる中、奈穂子が言う…


「バカ!声がでかいよ!」


言った直後の皆の視線が気になる…

俺も奈穂子も周りを見ずに黙々と食った…


慌ただしい食事を済ませ店を出た…


時間の許す限り、あちこちとドライブした…


奈穂子にも門限はある…といっても日付が変わる前に帰ってこい…との事。


5分前…


奈穂子の家の近所の小さな公園脇に車を停め、少し話す…


「楽しかった?」


『うん、凄く楽しかったし気持ち良かった!』


「気持ち良かった…そりゃ良かった…(笑)でも今度は色んなとこ行こうよ!」


『うん、行けたらね!頑張る!』


「いやいや、頑張らなくていいよ~!普通に色々行こう!」


『あははは!そだね!』


そんな話をしているうちに門限の時間…

お互い別れを惜しむように指を絡め、見つめ合う…


「もう、行かないと怒られちゃうよ…」


『うん、行くね…』


そう言って軽くキスして、奈穂子は車を降りた…
奈穂子は2、3歩歩いたとこで引き返してきた…俺は車の窓を開けた…


『し~君、浮気だけはしないでね…』


そう言うと、奈穂子は上半身を窓から車内に入れ、もう一度軽くキスした…


奈穂子の家に続く道、角を曲がり、姿が見えなくなるまで見送り、俺も家路についた…

No.90

梅雨も明け、暑い日が続く…

俺と奈穂子の付き合いも、大分落ち着いてきたある日曜日、一本の電話がきた…


「はい、もしもし…」


珍しく俺が受話器を取った…


【あ、し~君?】


敦子の声…


「お前さ、もし俺じゃなく、声が似てる俺の親父とかだったらどうすんの?」


【大丈夫、大丈夫!し~君の声は絶対に間違えないから!】


「はは!そんなに特徴的なの?俺の声って…」


【う~ん、そんなんじゃないけど、なんか分かる…よくあるじゃん!そんなの…】


「あ、あるの?まぁ、いいや…で、何か用?」


俺が復縁をお願いして、振ったくせに、よくそんなノリで電話なんかしてこれるな…という意味を込めて、少し無愛想に話した…


【あ、そんな声しちゃってぇ、嬉しいくせにぃ~!】


図星…


「んな事ぁねぇよ!用件は何だよ!」


【はは!何となく顔見たいな~っと思ってさ…今度飲みに行かない?】


思わぬお誘い…

若干の胸騒ぎがしたが、そのお誘いに乗ってみた…

No.91


翌週は月曜から水曜まで長野~北陸方面へ出張…

木曜は、金曜から日曜までの振袖と特売浴衣の展示即売会の搬入日…


出張中に千秋に連絡をし、品揃えと値札付けを頼んでおいた。
アレ以降も、同じグループの先輩後輩として仕事してる…正直やりづらい…


敦子と飲みに行くのは土曜日…展示即売会の二日目…

No.92


即売会場は新宿の某ビル47F…


土曜の敦子との待ち合わせは、銀座に6時…即売会は5時まで…
当日閉店して、その後整理して、次の日の追加分をリストアップして、会社戻って商品出して、仮伝書いて値札付けをして、車に積んで、それから銀座…なんてしてたら間に合わない…千秋の協力が必要…頼みづらいな…


…なんて事を、搬入しながら考えていた…


初日…
振り袖の柄、色、にある傾向が見て取れた…
振り袖の全体が無地で裾、袖に暈しがあるものと、大正ロマン柄の二種類が主流になっていた…


初日が終り、当日の客の入り、売上、翌日から週末…という事を計算して、2日分の追加商品を準備することにした…


こういう計算を普段出来ないもんか…会社戻りの車の中で苦笑いした…


「千秋ちゃん、俺ちょっと土曜の夜に用事があるから、今日2日分の追加商品から…ちょっと時間かかるけど大丈夫?」


【あ、いいですよ…てか、女性ですか?】


あっさり…


「バ、バカ!違うよ!」


【いいじゃないですか、別に隠す事無いじゃないですか…】


ニヤける千秋…


「まぁ、色々ね…」


【はいはい、じゃあ会社戻って頑張りましょう!】


…そんな会話をしながら会社に戻った…

No.93


会社に戻り、早速追加商品の準備…

帯締め、帯揚げ、草履バッグセット、単品の草履、バッグ、重ね襟、刺繍襟、ショール、髪飾り等の雑貨小物類…特売用の浴衣帯等々…を出した。
ざっと見て、軽ワゴン車満載1台分…


「ごめんね、千秋ちゃん…偉い量になっちゃったな…」


【構いませんよ、そんな気なんて使わないで下さいよ…仕事なんですから…早くやっちゃいましょ!】


「うん、有り難うね!」


そう言うと二人は黙々と作業を続けた…


夜10時過ぎ、準備完了…


「有り難うね、助かったよ!何か食って帰る?」


【え?いいんですか?】


「いいよ、天下一だけど…」


【いいですよ!私、天下一大好きですから!】


「じゃあ、決まりね!」


そう言って、後片付けをして会社を出た…

No.94


【ごちそうさまでした!】


軽く飲んで餃子とチャーハン食って店を出た…


帰りの電車内でも、特にアノ後の話などはせず、普通の会話をした…


【お疲れ様でした!また明日、会社で!】


「うん、また明日…」


動き出す電車の窓から、千秋の後ろ姿を見送った…

No.95


朝7時…


最寄りの駅の改札を通過する直前、誰かが俺の肩を叩く…


振り返ると、奈穂子が立っていた…


『し~君おはよう!』


「あ、おはよう!今日は早いね!」


『うん、早番だから…眠ぅ~い…』


「俺も…」


『即売会、明日までだっけ?』


「うん、奈穂ちゃんとこから割と近いから、来ればいいじゃん!」


『行きたいけど、時間合わないじゃん…それに今日は皆で飲み会なんだ…』


「え?飲み会?どこで?」


嫌な予感…


『場所は決まってないけど、多分また新宿じゃないかな…なんで?』


「ん?いや、何と無くね…飲みすぎないようにしないとね~!」


飲みは新宿…と聞いて少し安心…


間も無く、お互い違う電車に乗り換える駅…


勘の鋭い奈穂子…電車を降りる間際に小声で一言…


『浮気は嫌だよ…』


とだけ言い残し、お互い別々のホームに別れた…

No.96


会社に着くと、既に千秋がいた…そして出発。


車内で軽く打ち合わせ…


「とりあえず、追加の荷物は2日分に分けてあるから、着いたら今日の分だけ下ろそう。残りは日曜日にそのまま俺が持っていくから…」


【はい。日曜日はお休み貰ってますが、大丈夫ですか?】


「うん、大丈夫だよ!ゆっくり休んでよ!」


【はい、じゃあ遠慮なく…】


「とりあえず、今日終ったら、会社まで車乗って帰ってね。大丈夫かな?」


【大丈夫です!免許取りたてですけど~!】


「事故るなよ…」


普通の先輩後輩の会話…そんな会話を楽しんでいるうちに、即売会場に着いた…

No.97


この日の客の入りは上々だ…俺も千秋も忙しく、あちこちと走り回っていた…


開店直後に売り場を離れて、昼前に戻ってきた…


次は化粧箱入れ作業…目の前に列をなす…


箱入れ作業が落ち着いたのは昼過ぎ…

千秋を先に食事に行かせ、俺は次のピークに備えた…


千秋が戻り、入れ換えで俺が食事に…


今日は銀座のどこに行こうか…最近知った店で、生バンドが聴ける店があった…確か銀座…そこにしよう。


そんな事を考えながら、売り場に戻った…


【そういえば花山先輩、今日は終ったらどこに行くんですか?飲みに行くんでしょ?】


「うん、まぁ…銀座なんだけとね…」


【女の人ですか?】


「気になる?」


【別にぃ~…ただ銀座で男同士ってのは無いな…って思いまして…】


「ははっ!鋭いね!」


【前の彼女さんですか?】


「え…えっ?な、なんで?」


【あっはは!正解なんだ!そこは適当に言ったのに~!】


「からかうんじゃねぇ!」


付き合ってた頃の様な楽しい会話…多分もう無いんだろうな…

No.98


「じゃあ、気を付けて戻れよ…鍵は水道の蓋の中ね。明日はゆっくり休んでくれ…」


【はい、先輩は飲み過ぎないようにして下さいね。お疲れ様でした!】


そんな会話を交わし、俺は千秋が運転する白い軽ワゴン車を見送った。


「さて…」


ボソッと一言呟き、俺は銀座へ向かった…

No.99


~銀座~


数寄屋橋交差点派出所裏のチャンスセンター前…10分前に着いた俺…


道行く人々…ブランド物のスーツを着た男女…立ち並ぶ百貨店、映画館、レストラン等々…


大人の街…


少し緊張している、イガグリから少し大人になった俺…


その時…


【し~君!待った?久しぶり!】


そこには薄いピンクのノースリーブのワンピースを着た敦子がいた…

No.100


前回会った時は、ベロベロに酔っ払って、警察に保護されていた時だったから、ちゃんとした姿を見ていなかったけど、こうして普通の姿を見ると、グッと大人の女性になっていた…


「お、おう!久しぶり!」


あたふた…


【なんかネクタイ似合うね…】


「あっちゃんこそ似合うよ~!すっかり大人だね…」


【そお…?有り難う…♪】


「じゃあ、行こうか…行ったことないけど、いいとこ知ってるんだ…」


【え?どこ?じゃあ、し~君の知ってるとこ行こう!】


「え?あっちゃんのとこはどこ?」


【いいよ、私のは…し~君のとこ行こう…】


「じゃあ、行ってみようか…」


そう言うと、どちらともなく手を繋ぎ歩き始めた…


信号を渡ると、飲食店ひしめき合うエリア…


【あ、私の知ってるとこもこっちかも…】


「そうなの?同じだったりしてね…(笑)」


暫く歩くとそこはあった…英語で『ケ〇〇ス』とネオンの蛍光灯が光る…


【あっはははははは…!】


突然敦子が笑い出す…


「どうした?」


【びっくりだよ~!私もここだよ~!】


「マジで?ホントびっくりだよ!」


二人は笑いながら店内へと入った…

No.101


小さい頃、たまにラジオから流れてきた曲…懐かしいオールディーズナンバー…


バンドを正面に見れるカウンター席に座る…


とりあえずビール…


運ばれてきたビール…キンキンに冷え冷え…


「じゃあ、久しぶり!乾杯!」


【久しぶり!乾杯~!】


グラスをあわせ、一杯目のビールを飲み干した…

No.102


暫く飲んで、懐かしい話で盛り上がった…


アレから…の話や今現在の話…


敦子はアレから…


蒲田ちゃんとディズニーランドへ行ったらしい…

マネージャーは3年の夏まで続けていたらしい…

在学中は彼氏はいなく、卒業後に彼氏が出来たが、プー太郎君に嫌気が差し、1ヶ月もしないうちに別れたらしい…

俺からよりを戻そうと連絡が来た時は、迷ったらしいが、よりを戻すまという事に抵抗があって断った…との事。

じゃあなんで今回会いたいなんて言ったの?

…との俺の問いに…

無償に顔が見たくなっただけ…

との事…

嬉しいような、複雑な気分…


回りの客が立ち上がり、曲に合わせて踊り始めた…

敦子も立ち上がり踊っている…

敦子の腰つき、他の誰よりも色っぽく妖艶に見えた…


9時を回った頃…


「そろそろ出よう、俺明日も仕事なんだ…」


【え~~っ!もう帰るの~?やだ~~!】


「仕方ないでしょ…また来ようよ…」


【本当ぉ~?絶対に約束だよぉ~!】


「うん、約束するよ…」


そう言って会計を済ませ、店を出た…

No.103


【少し歩きたい…】


敦子が言う…


「そうだね、少し歩こう…」


下心が無いなんて言うと嘘になる…
若干の期待をもって、日比谷公園方面へ歩いた…


【あの時は迷惑かけちゃったね…改めてごめんなさい…】


「本当だよ、何で俺んちの電話番号しか言わなかったんだよ…」


【え?そうなの?酔っ払ってたから記憶にないよ…】


「マジかよ!ひたすら俺んちの電話番号しか言わなかったらしいよ…」


【ごめんごめん…】


日比谷公園の交番前で、そんな話をする…

No.104


その頃…

新宿で飲む予定だった奈穂子が、職場の仲間と銀座で飲んでいた…


【やっぱしたまの銀座はいいよねぇ~…】


【そうそう、なんか雰囲気違うよね…絡んでくるおっさんとかいないしさ…】


【つい遅くなるね…って今何時?】


【もう9時だ…】


【え?マジ?明日早番だし、帰るか…でも少し飲みすぎたかな?ちょっと散歩して帰ろ…】


奈穂子を含む3人は日比谷公園方面へと向かった…

No.105


俺と敦子…


【こうやって二人で歩くのって、久しぶりだね…】


「そだね…」


敦子の左腕が俺の右腕に絡む…


「歩きにくいな…」


【いいじゃん!久しぶりなんだから…ちょっとは甘えさせてよ…】


「甘えさせてよ…って、じゃあ何でまた付き合おうって言った時に断るんだよ…」


【だってさ…】


「だって何だよ…また忘れられたりするのが嫌なんでしょ?」


【まぁ、うん…】


「仕方ないよ…万が一あの時敦子が許してくれていたら、忘れるなんて事は無かったけどね…」


【100%じゃないでしょ?】


「そりゃまぁ、俺じゃなくてもね…」


【100%の人を探してます…】


「そっか…」


そんな話をしていると、前から誰か歩いてくる…3人…女性の声…


街灯も少なく、暗くて狭い遊歩道…


左端に寄る…


すれ違う直前、遊歩道に出ていた、木の根らしき物につまづき前のめりにに転倒しそうになった…


「うわっ!」


腕を組んでいた敦子も転倒しそうになった…


【きゃっ!】


元ヤンの敦子…


【おいコラ!ちっと待て!】


「いいから!」


【だってし~君!】


思わず声を荒らげる敦子…

No.106


奈穂子達…


『外は暑いけど、夜なのに、結構公園内は涼しいんだね…』


【うんうん、だからアチコチにカップルさんがいるんだね…】


『色んな事しちゃってるんじゃないの?』


【やっぱし帰りますか?】


『そ~だね…』


そう言うと、3人は公園内の中央付近まで行き、遊歩道方面へと引き返した…


【うわっ…真っ暗じゃん…】


『もう、今更引き返すの面倒だから、このまま行こう…』


【前から人が来るよ…2人か…?カップルっぽいよ…】


『ほらほら、あんた達端に寄って道開けて…』


すれ違い様…何かにつまづく音…


「うわっ!」


『ヤバッ!行こう!』


早歩きでその場を立ち去ろうとする…


後ろで怒鳴り声…その中に“し~君”という単語が聞こえた…


『ちょっと待って!今“し~君”て聞こえなかった?』


【どうだろう?よく聞こえなかったけど…】


『いや、確かに“し~君”て聞こえた…』


奈穂子は来た道を戻った…


【奈穂子ぉ~…】


『ごめん、先帰ってて…明日はちゃんと行くから…』


【分かった…気を付けてよ…】


そう言うと、3人は奈穂子と他の2人に別れた…

No.107


暗くて見えないとはいえ、人とのすれ違い様にコケた…というのが恥ずかしく、足早にその場を去った…


【し~君大丈夫?】


「あ、うん…ど~もないよ…ちょっと恥ずかしかったね…」


そう言いながら、公園を出た…

No.108


擦れ違ったカップルを追う奈穂子…


『し~君てアダ名、結構いるよね…まさか、し~君が浮気なんてね…』


そう呟きながら、来た道を戻る…


公園を出た…


通りに出て左右を見ると、左100m程先にカップルを見つけた…


奈穂子は気付かれないように後を追う…


信号待ちをしているカップルの背後に迫る奈穂子…


カップルの男は奈穂子に気付かない…奈穂子もまだ顔を確認していない…


男の背後3mの位置で、男を見つめる奈穂子…その時、隣の女性と仲良さそうに腕を組み話をする男の顔が、車のライトに照らされてハッキリと見えた…


『し~君…』


ナニかをしているところを見た訳ではない、聞いた訳でもない…でも奈穂子の目には、目の前の二人は完全に恋人同士に見えた…つまり奈穂子にしてみれば浮気である…


奈穂子はその場を黙って立ち去った…

No.109


何も知らない俺…


「今日は楽しかったね~!」


【うん、楽しかった!また飲みたいね!】


「そだね…そんなに頻繁には無理だけどさ…」


【だね…】


歩きながら駅に向かう途中の会話…この時、明日起きる出来事など知る由もない…





【またね~!】


「うん、また…」


電車を降り、駅のホームを歩く敦子の姿を見えなくなるまで見つめていた…

No.110


夜11時過ぎ…


帰宅した俺に姉が声をかける…


【ついさっき、奈穂子ちゃんから電話あったよ…帰ったら何時でもいいから電話ちょうだい…だってさ。】


「奈穂子から?なんだろう…こんな時間に…」


若干の胸騒ぎを抑えながら、奈穂子に電話する…


すぐに奈穂子が出た…


『あ、し~君?』


「おう、どうした?」


『うん…明日って仕事だっけ?』


「うん、新宿で即売会…最終日。」


『そっか…夜会える?』


「いいけど、最終日で撤去もあって、会社に戻るから、何時になるか分からない…」


『いいよ…構わない。』


「じゃあ、確実なとこで、夜11時に地元の駅で…」


『分かった。来なくても待ってる…』


「来なくても…って…行くよ。大丈夫だよ…」


そう言って電話を切った…


何か様子がおかしいな…少しずつ大きくなる胸騒ぎ…

No.111


即売会最終日…

休日だけあって、この日も忙しかった…

昼休憩なんて、最初から取れるなんて思ってもいなかった…

逆にこの時期の即売会で、ゆっくり飯食えてると不安になる…


最後の客の買い上げ品を化粧箱に入れ終えると、間も無く撤去作業が始まる…


皆休日出勤しているので、早く帰りたくて殺気だっている…とはいえ夜7時過ぎ…


商品撤去が完了したのは夜8時過ぎ…
会社に戻り片付けと伝票整理、客注リストと別誂え表と家紋の注文表をまとめ、会社を出たのは10時ちょうど…


奈穂子との約束は、地元の駅に11時…
予定通りに着きそうだ…


アホな俺は、この時間からのHはキツいな…とか思ってる…
若いせいか、体力もありアホな事を考えるだけの体力的余裕もあった…


駅に到着…


改札を出た正面に、ファーストフード店がある…

コーヒーを飲む奈穂子を見つけ、店内に入る…


『行こう…』


「え?行くの?何か飲みたいよ…」


『いいから…』


何か様子がおかしいと思いながら、奈穂子と一緒に店を出た…

No.112

Hっぽい雰囲気はなし…


?マークが頭を掻き回す…一体どうしたというんだ?


手も繋がず無言で歩く…


暫く歩くと、公園がある…街灯が一つしかなく、辛うじて互いの顔が確認できるくらい…


木製のベンチに座る…


『フ~…』


奈穂子が溜め息をついたタイミングで俺が話しかける…


「一体どうしたの?」


俺の問いに暫く無言だったが、ゆっくりと話始めた…


『…っちゃったね…』


小さい声…聞き取れず、聞き返す…


『やっちゃったね…』


「え…?何を?俺が?何かした?」


『フ~…そりゃそうなるね…』


訳が分からない…
奈穂子の態度と言ってる意味が分からない…


俺は苛々し始めた…


「何なの?奈穂ちゃん?一体何が言いたいの?はっきり言ってくれよ…」


『うん、じゃあ言うね…』


「言ってくれ…」


『あのさ、し~君浮気したでしょ?』


「え?浮気?してないよ…」


まさか昨日の事、誰かに聞いた?いや、誰かに見られた?いきなり頭の中はパニック状態になった…


奈穂子から見たら、俺は明らかに狼狽えていた…


『し~君分かりやすいね…』

No.113


「わ、分かりやすいって何が…?」


頭の中は大慌て…


『今、し~君の頭の中の状態が…手に取るように分かるよ…』


きっと奈穂子は、昨日の事を見たか確実な事を聞いたかして知ってるんだな…そう思った…


そう思ったら少し落ち着いた…


暫く黙って煙草を吸う俺…


それを見た奈穂子は…


『諦めが早いんだね…』


「うん、もう逃げも隠れもしない…いつ知ったの?」


『日比谷公園で擦れ違ったでしょ?し~君転びそうになって…』


「転びそうになって…?あ!あの時の?」


『そう、でも最初は気付かなかったけど、一緒にいた女の子が“し~君”て言って…まさかと思って、後を追ったの…で、信号で追い付いて…』


「顔見ちゃった…?」


『うん…人違いであって欲しかったけどさ…』


「元カノだよ…それに、奈穂ちゃんと付き合う前にヨリを戻したいって言ったけど断られた…今回はどういう訳か、誘われて…懐かしさもあって、つい…でも何もしてないよ…」


『ふぅ~ん…でも私には、普通に仲の良いカップルに見えた…私からすると完全に浮気だよ…許せないよ!』


冷静に話しても涙が溢れ、声が荒くなる…


「ごめん…」


『浮気しない人を探します…もう年が年だしね…』


「ごめん…」


『謝らないでよ!情けなくなるでしょ…』


「…………」


『ま、いっか…最後に目閉じて…』


平手打ちかと思いきや、キスか…と思い、目を閉じてその場に立つ…


次の瞬間、首筋に激痛が走る…!
奈穂子が俺の首筋に吸い付いている…!

No.114


「いててててて~~!!!」


物凄い勢いで俺の首筋を吸う奈穂子…俺はたまらず奈穂子の頭を鷲掴みして、首筋から引き離した…


「痛ぇ~な!何するんだよ!」


思わず叫ぶ!


『これで暫く遊べないわね!』


「バカじゃねぇの!?遊ぶも何も相手がいねぇよ!」


『知るか!サヨナラ!』


「怖ぇよ!お前!じゃあな!」


後味は悪かったが、いい思い出は沢山あった…


次の出会いはいつだろう…

No.115


夏も終り秋になり、やがて冬が来る…俺は相変わらず忙しくしている…


敦子とは、あれ以来何度か食事に行ってはいるが、特に何もない…


千秋や鶴川、藤枝とも普通に仲良く仕事をしている…


年が明け、俺はこの社会人専門学校を卒業しようと決めた…


ここでは色々学ばせてもらった…良い上司、先輩、同僚、後輩、得意先に恵まれた。
色々あったので居づらいということもあった…


ここにいる間、社会も激変した…


消費税導入、天皇陛下崩御、湾岸戦争、バブル経済…色々…


1月半ば、退職願を提出した…


かなり引き止めていただいたが、俺の気持ちは固く、受理された。


3月退職…


ちなみに、同じ日に退職する2コ上の女性の事務員さんは、京都の組紐屋さんと結婚し寿退社…


送別会の一週間前に、30軒程の呉服店のリストを渡され、アポなし新規開拓ツアーを命ぜられた…


結果、半分は門前払い、4分の1は買ってくれたが、口座は開けず現金払い…7軒の新規を獲得してツアー終了…


送別会当日の夜まで働いた…俺が送別会に参加したのは、二次会の途中から…


殆どいないんだろうな…と思い、スナックのドアを開けると、全員が待っていてくれた…
これには泣けた…
朝まで飲んで吐いて大騒ぎした…


良い出会いでした…

No.116


次へのステップへ行く前に、一人旅を計画していた…


3年間勤めたので、退職金が出た…手取りで17万程…それを使い、車で一人旅…


計画は、一般道や国道で、東京~大阪~徳島~高知~愛媛~神戸~京都…を巡る旅…京都以降は気が向くまま…


4月1日の0時スタート…

No.117

「行ってきます…」


玄関で母親に言い、家を出る…


ナビの無い時代…ロードマップと勘で西を目指す…


千葉街道で都内へ…3年間の思い出の詰まった日本橋を目指す…


道路元標には、午前1時前に着いた…


国道1号線に入る…いよいよだ…


川崎~横浜を通過し、箱根の芦ノ湖に着いたのは午前3時…眠気はなかったので、自販機で缶コーヒーを買い、先を急いだ…


静岡駅前を通過したのは、午前6時ジャスト…夜通し空いている道を走ったので、恐ろしく早い…9時には愛知県に入る…


今思うと、その土地土地の朝食グルメを堪能すれば良かったかも…
コンビニのパンやおにぎりは避けておけば良かったな…勿体無い事をした…
昼もそうだ…特に関西圏に入っていたのに、街道沿いのラーメン屋さん…関西圏でラーメンか中華なら、少なくとも餃子の王将でしょう…


淡路島に渡る甲子園フェリー…タッチの差で乗れず、2時間あまりの足止め…そうなると、余計に寄り道して色々楽しめば良かった…後悔。


午後5時過ぎ、フェリーで淡路島に渡る…
島内のビジネスホテルを探しながら、少し観光する…


宿を見つけ、チェックインしたのは午後7時…


夕飯は、海の幸の定食とビール2本…


やっとご当地グルメっぽい食事…

No.118


高知県内に、幼稚園の頃から年賀状や暑中見舞いをやり取りしている先生がいる…
今回の一人旅では、4/2に先生に会いに行くことを事前に手紙で伝えてある…
ちなみに、4/5は京都の友人に会いに行く予定…


朝早めに起き、チェックアウト…一路高知を目指す…


ここまで名物らしい名物を見たり触れたりしていなかった…


衝撃的だったのは、鳴門の橋から見下ろす渦潮…思わず車を停め外に出て、渦潮を見た…物凄かった…


…が、予想通りパトカーに発見され、スピーカーで怒られた事は、鮮明に覚えてる…


徳島に上陸…俺はここで神に出会う…

No.119


徳島県内の国道を走ると、池田町という文字…

池田町…

当時の高校野球時なら誰もが知る、泣く子も黙るやまびこ打線の池田高校…


その分岐点から池田高校まで約14km…目的地からするとそこは、寄り道に見えるかもしれないが、俺にしてみればその約28kmは、神に出会う為の参道に思えた…
その神に出会えなくても…


俺はその道を丁寧に進んだ…


やがてその神がいる聖地が見えてきた…


普通のグラウンド…一軍は別か?そんなことを思いながら、グラウンドのネット脇にある草っ原のちょっとしたスペースに車を停めた…


ユニフォーム姿の野球部員が数名グラウンド整備をしている…俺は車を降り、ネット越しにその姿を見ていた…


すると、ネット伝いに麦わら帽子を被り、鎌で伸びた草を刈りながら、こちらに歩いてくる老人がいる…


深めに被った麦わら帽子…帽子の横から見える白髪…四角い輪郭…日焼けした肌…背格好、その立ち振舞い…オーラ…


体の芯から込み上げるものがあった…そして涙が自然と出た…


その老人が俺の目の前に来て立ち止まる…


改めて見た…

No.120


まるで後光が射しているよう…


神が口を開く…


【そこは球が飛んで来よるから、も少し奥に停めたらええ…】


「は、は、はい!」


何故か車を移動せず、その場を去ってしまった…


たった一言の会話…神に触れた気がした…そして勿体無くも、その場を去ってしまった…


何故…


等と思い返しもしなかった…その場の同じ空気を吸えただけで満足だった…


感無量…とはこの事か…そう思いながら、元来た道を戻り、再び高知へ向けて走った…

No.121


神との出会いの余韻を残しつつ、先を急いだ…


四国は海のイメージだったが、徳島から高知へ抜ける国道は、殆どが山の中だった…
綺麗な川、豊かな緑、アルプスにでも来ているかの様な清々しさ…


海、川、うどん、タオル…という俺の四国のイメージに、山が加わった…


やがて高知市内にに入る…


高知といえば、はりまや橋…これは見ておこう!と意気込んだが、知らない内に通過していた様だった…


後で調べたが、はりまや橋は、日本三大がっかりの1つに数えられていた様だった…
ちなみに残りの2つは…札幌市時計台と沖縄首礼門又は、清水の羽衣の松のどちらか…だそうだ…


目指す宿毛はもうすぐ…

No.122


地図を見て、あと1時間くらいで到着というところで先生に電話を入れる…


先生の名は、柴田先生。


待ち合わせは、港にある公園の駐車場…


よく考えると、暑中見舞いや年賀状のやり取りはしてるが、顔は幼稚園の頃から見ていない…
しかも幼稚園児だった俺の記憶は曖昧…というか、殆ど覚えてなく当時の写真のみ…
先生の記憶に頼るしかない…


幼稚園当時、俺は4歳…先生は21歳との事…17年振りの再会…


俺は21歳…先生は38歳…あり?なし?先生は確か独身…


等とアホな事を考えながら、待ち合わせ場所を目指す…


陽も大分傾いた午後6時過ぎ…少し遅れ気味で港に着く…公園の駐車場に入る…駐車場の片隅に1台の軽自動車が停まっている…


「あれ…かな?」


そう言いながら近付く…


軽自動車には誰もいない…違うか?


俺は軽自動車に横、2台分のスペースを空け、車を停め、先生を待った…

No.123


1~2分して…


コンコン…と誰かが車の窓をノックする…
窓を開けると、天海祐希似の女性がそこにいた…


【花…山…君?】


ゆっくりと尋ねられる…


「はい…柴田先生ですか?」


【そうそう!し~君、変わらんねぇ~!】


懐かしさと嬉しさのあまり、車から出て握手した…


No.124


【し~君、変わらんね~!桃組の頃のままやわ~!】


「先生こそ、写真のままですよ~!」


【もう、おばちゃんだよ~!】


「そ~んな事ないっすよ~!」


少しの間懐かしさに浸り、話をした…


【さて、そろそろウチに行こうか…疲れとるやろうから、風呂の準備もしちょるよ…】


「はい!有難う御座います!甘えさせていただきます!」


【お!いい子じゃねぇ…】


先生の軽自動車に先導され、公園を後にした…


足摺岬方面へ海沿いを10分程走ると、赤い瓦で一階建ての一軒家がある…6m程の道幅の私道を挟んで、すぐそこは海…波が打ち寄せている…


そこが先生の家だ…


未婚…離婚歴はあるかないかは分からない…とにかくその時点では、独身だ…
子供もいない…
いかにも漁師をしています!と日に焼けた顔が物凄くカッコよく、とても60を過ぎた体とは思えない、筋肉質なお父さんと二人暮らし…

No.125


家に上がり、お父さんに挨拶…


【おう!よう来たのぅ!千葉からじゃと?まぁ、まず一っ風呂浴びて、飯でも食おかぁ!】


「はい、お邪魔します!有り難く頂戴いたします!」


そう言うと、奥の部屋で風呂に入る準備をした…


四畳半程の広さに裸電球1つの照明、薄暗いけど物凄く落ち着く雰囲気の浴室、木製の浴槽とスノコ…タイル張りの壁…旅の疲れが抜けていくのが分かる…


風呂から上がり茶の間へ行くと、丸いお膳の真ん中に、大皿で鰹のタタキがある…それを囲むように海の幸が満載…


【おぅ!上がったか!まぁ、そこに座りぃ!】


「失礼します…」


お父さんの反対側に正座をする…


【こらこら、そんな座り方すんじゃねぇよ!足崩せ!】


「は、はい!」


そう言って俺は胡座をかいた…

No.126


乾杯のビールを煽った後、目の前に置かれた日本酒一升…先生とお父さんと俺とで酒を酌み交わす…


美味い鰹と海の幸…美味い酒と昔話…ついつい酒も進む…


3人で一升はあっという間…二升目も半分を過ぎた頃、旅の疲れと最高の風呂と美味い酒が効いて俺はその場で眠ってしまった…


ガタンガタンガタン…!すぐそばの窓の外の雨戸が音を立てている…俺はその音で目を覚ました…


雨は降っていないが、台風が近付いているようだ…


【し~君、おはよう!】


先生が朝御飯の準備をしながら、俺に声をかける…


「あ、おはようございます。すみません、なんか俺、寝ちゃったみたいで…」


【気にしない気にしない!朝御飯出来てるからどうぞ~。】


「あ、いただきます…」


そう言って俺は味噌汁をすすった…俺にしてはかなりの量の日本酒を飲んだはずなのに、二日酔いが全くない…やはり楽しい酒だと二日酔いはしないのか…そんな事を考えながら、朝御飯を食べた…

No.127


【し~君は次どこ行くん?】


朝御飯を食べ終え、荷物をまとめる俺に先生が声をかける…


「次は…明後日までに京都の友達の家に行きます…とりあえず、海沿いを北上して、あちこち見ながら宇和島辺りで泊まります…」


【そ~かぁ~…じゃあそんなに急がないんだね…せっかくやから、一緒に足摺岬行こか?台風来とるけど…】


「いいんですか?」


【ええよ、今日は市場も暇やしな…】


「先生、市場に勤めてるんですか?」


【そうや、あ、言っとらんかったねぇ…父親の手伝いみたいな仕事や…】


「幼稚園の先生は?」


【し~君達が卒園してすぐこっち来て、ちょっとやっとったけど、何となく合わない気がして、辞めたんよ…】


「合わなかったんですか?俺にとっては、最高の先生でしたよ!」


【ありがと…そんなん言ってもろて嬉しいわ~…でもまぁ、色々とあるんよ…】


…色々と…のとこで表情が曇った…まぁ、大人だし色々ありそうだけど、深くは聞かないことにした…


10時過ぎ、先生の軽自動車に乗り、足摺岬を目指す…

No.128


足摺岬付近は案の定大荒れ…それでも一通り案内してくれた…


誰もいないレストランで食ったカレーは美味しかった…


海中水族館では、海が荒れていたため、小魚が数尾波に揉まれていた…


午後2時頃先生の家に戻った…


お父さんは留守…


お茶を飲んでいよいよ出発…


「本当にお世話になりました…」


【気を付けて行きや…】


「手紙書きます…」


【うん、待っとる…】


会話を終えると、俺はゆっくり車を走らせた…


俺は小さくなっていく先生の姿をずっとミラーで見た…
先生はずっと手を振っていてくれた…

No.129


台風の規模は、思ったほど大きくなく、足摺岬での状況がピークだったようだ…

宇和島方面に続く空は晴れていた…


途中のドライブインで、バケツに水を入れ、簡単な洗車をした。

No.130


左に見える海は綺麗で、ただ通り過ぎるのが勿体なくて、ドライブインや商店に停まりながら国道を北上した…




どれだけ走ったか…松山市に入った…喉が渇き、立ち寄ったボーリング場…
駐車場に車を停め、自販機でコーラを買う…


この日は松山に泊まることにした…


宿を探した…出来ればビジネスホテルがいいんだけど、飛び込みでは中々見つからない…
電話帳で調べ、電話をかけるが見つからない…
仕方がないのでラブホテルに泊まることにした…

ラブホ(当時の…)は不経済…食事のサービスもないのに、宿泊料金はビジネスホテルとほぼ同じ…でも車中泊はキツいので、ラブホに入ることにした…


畑の真ん中に、その場の風景にはとても不釣り合いなラブホのネオンがひとつ…そこに泊まることにした…


フロントに入ると、一人での利用はダメ…との事…ショックを受け、コーラを買ったボーリング場に戻った…


ボーリング場の前にはバス停があった…屋根が付いていてしっかりとした作りのバス停…


そのバス停に、大きなボストンバッグを持った女性がいた…


俺はダメ元で、声をかけに行った…

No.131


年齢は少し上か…奈穂子と同じくらい…小柄で、若い頃の小泉今日子に似てるという印象…


「こんにちは。」


横から除き込むように声をかける…


【…………。】


こちらを見るが、勿論警戒…


「旅行ですか?」


【…………。】


まず何か会話が始まらなければ…


時刻表を見た…
1日に10本も走ってないローカルバス…しかもこの時点で終バスもない夜の7時半…


「バス、無いですよ…」


【…………。】


突破口が見つからない…次でダメなら諦めよう…


「どこから来たんですか?俺は千葉から車で旅をしてます…」


【岡山…】


反応した…


「岡山?岡山ってここから随分ありますよ…どうやって行くの?」


【バス…】


ムチャクチャだ…

No.132


「良かったら車乗る?」


【………乗ってどうするん?】


「う~ん、言いにくいんだけど、ビジネスホテルも取れなくて、泊まるとこがなくて…ラブホ入ったら、一人ではダメ…って言われて…野宿も嫌だし、一緒に泊まってくれる人探してた…」


【ほんなとこ行ったら変なことしよるじゃろぅ…】


「保証はないけど、しないつもりです…」


【男は皆、そがあなこと言いよるけえ…結局せん奴はおらんけえ…じゃけど、金もないし、一人も危険じゃし…】


「で、乗るの?」


【お願いします…】


無口の女性は何がツボだったのだろう?千葉から…って話から話し始めたけど…


とりあえず、食事をしてホテルに向かうことにした…

No.133


ラブホの入室を断られて、再びボーリング場に戻る途中には、食堂らしいところが見当たらなかった…
食堂を探すことにあまり時間を使いたくはなかった…


ボーリング場を覗くと、軽食コーナーがあり、ハンバーガーやホットドッグが食べれそうだ…
俺は彼女を呼び、中に入った…


注文をし、二人分のハンバーガーとホットドッグとジュースを持って席に着く…


「名前は?」


【やめません?名前とか歳とか聞くの…たまたま出会って、明日にはお別れするんだし…何も知らない方がいい…】


「まぁ、それもそうだね…」


そう言って、普通の世間話や今回のお互いの旅の話をした…


彼女は四国一周のバス旅行をしていたそうで、本当は松山市内に泊まる筈だったが、予約されてない上に満室で途方に暮れていたところに俺が声をかけたらしい…

No.134


食事を済ませ、車に乗る…


田んぼや畑の真ん中の道を戻る…少し行くと、遠くに赤や青のネオンが見えた…


“空室”のランプを確認して、ビラビラのシートがついた独特のゲートをくぐる…


フロントに入ると、またアンタ?ダメなものはダメ…と言いたげな顔をしたオバチャンが小窓から顔を出す…が、オバチャンは俺の横にいる女性を見て、声を失った…
と、同時に俺を見て…

“やるねぇ~…”

と言いたげな表情に変わる…

それを見た俺も…

“どうだ!”

とばかりに、ニヤリ…


鍵を受け取り、指定した部屋に向かう…


部屋に入ると、ダブルベッドにテレビ…テーブルとソファーの応接セット…冷蔵庫とコーヒーカップが2コしか入っていない食器棚…といった感じの普通のラブホ…


俺は旅の疲れをとりたくて、荷物をソファーに置いてすぐ風呂の準備をした…

冷蔵庫を見ると、一応ビールやジュース、つまみ等が入っていた…ビール一律500円、ジュース一律200円…つまみはジャーキー500円…どうなの?この価格設定…ホテル代は俺が出す…宿泊7000円。
冷蔵庫の物は彼女が…


風呂にお湯がたまり、俺は脱衣所で服を脱いだ…


【私も入っていい?】


まさかの混浴…?


全く期待していなかっただけに、一瞬戸惑った…

No.135


…が、特に断る理由もなく…普通に返事…


「あ、いいっすよ…」


と、言いながら風呂場に入り体をお湯で流す…


磨りガラス越しに見える彼女…ゆっくりと脱いでいる…
何となくドキドキ…
やがてドアが開き、彼女が入ってくる…


【せっかくラブホやし…楽しまんと勿体無いやんね…】


なんだ、結局警戒しながらヤル気満々じゃん…


セックスまでのプロセスを楽しみたかったのに、あっさり出来そうで少しガッカリした…
とりあえず、彼女の裸体を鑑賞した…


背はやや低め…髪はセミロング…痩せても太ってもないが、バストは大きい…Dカップ?Eカップ?という具合…陰毛は、薄めで面積は狭い方か…?声は少し低め…そんな感じの彼女…


【あんまりジックリ見んといてよ…】


方言を使う女性…グッときた…
同時に俺のも反応…久しぶりに楽しめそうだ…

No.136

夜は長い…


素性も名前も知らない人間同士だ…明日にはお別れ…今まで誰にも見せることのなかった自分を見せる…お互いにそんな空気感になっていた…


互いの体を洗い合う…


まずは彼女の体を洗う…椅子に座らせ、後ろから…石鹸の泡を大量に泡立たせながら、素手で彼女の腹から乳房へと、持ち上げるように洗う…


時折、人差し指と中指で挟むように、既に固くなった乳首を責める…


【あ…あぁ…っ…あん…】


甘い声が漏れる…


同時に彼女の手は、俺の股間を探る…探り当て、掴み、ゆっくりとシゴく…


生暖かい手の感触と、石鹸のヌルヌルで気持ちいい…思わず固くなる…


頃合いを見計らって、彼女が向き合うように座り直す…


互いの顔を見て、どちらともなくキスをする…それは飢えた動物のように、唇が取れてしまう程激しいキス…


唾液が口の回りを覆う…滴り落ち、抱き合いながらキスをする二人の併せ合う胸で互いの唾液が混じり合う…そんなこと気にも止めず、互いの唇を貪り、舌を絡め続ける…

No.137


俺のモノは彼女の泡手でシゴかれて、カチカチに硬くなって脈を打っている…


入れたい…


言おうとしたが…


【コレ、入れて欲しい…】


先に言われた…


「まだだ…まずは舐めてもらおうか…」


【えぇ…?我慢できんよ…】


「ダメ…舐めて…夜は長いんだ、ゆっくりヤろうよ…」


そう言うと、俺は彼女の下半身に手を伸ばした…


【あぁぁ、舐めたいよ…それもまだなのぉぉっ…?】


俺は黙って彼女の下半身を責めた…


人差し指と薬指で、彼女の陰唇を広げる…既に濡れているそ陰口は俺の中指を生き物のように飲み込んだ…


【あっ…あふぅぅぅ…………】


俺は彼女の顔を黙って見つめ、反応を楽しんだ…


クチュクチュ…とイヤらしい音をたてる…


中指に続き薬指を挿入する…


【はぁぁぁぁ~ん……】


彼女と目が合う…


【は、恥ずかしい…あまり見んといてぇ…】


その感じている顔がたまらない…更に見続ける…同時に挿入した二本の指の動きを激しくした…


【あっ!あっ!あっ!あっ…!ダメ!もう!もう!イクッ!イキそうっ!】

No.138

クチュ!クチュ!クチュ!ブチュ!ブチュ!ブチュ!ブチュ!…


彼女の陰部はいやらしい音をたてる…


【あっ!あっ!あっ!イヤッ!イクッ!イクッ!まだイカさんといてっ!あっ!イクッ!イッちゃう!】


「イケっ!夜は長い!何回でもイケ!」


そう言うと俺は更に激しく手を動かした…


彼女は俺のモノから手を放し、風呂椅子に座りながらの後ずさり…やがて風呂の壁に背中をつけ、足を全開に開脚…もう成すがまま…


俺は彼女の胸を揉みながら、挿入した指の動きの速度を更に増した…


【………っ!イッ………………クッ!!!】


彼女は固く目を閉じ足をピンと突っ張り、声にならない断末魔をあげる…!


やがて彼女は、いやらしい液体を撒き散らせながら絶頂した…


「今度は俺だ!」


ぐったりしている彼女を立たせ、浴槽の縁に手をつかせた…俺は仁王立ちで後から彼女の秘部に自分の物を挿入した…


【あぁぁっ!堪忍してぇ!】


俺は無言で突く!


【あぁ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!イヤッ!もう!また…イクッ!】


「いいぞ!何回でもイケ!」


そう言いながら、更に激しく突く!


【あぁぁ!イクイクイクイクイクイク~~~~ッ!!!】


叫びながら彼女は床に片膝をつき果てた…


が…


俺はまだイッておらず、更に激しく動く…彼女もまたそれに反応する…


【あっ!あっ!あっ!もうダメ!死んじゃう!あっ!あっ!早く!早くイッてぇぇ~!!】


俺にガンガンに突かれながら叫ぶ彼女…

No.139


パンパンパンパン!……と、浴室に響く音…そして彼女の絶叫…


2度ほど繰り返した、絶叫とグッタリ…俺もそろそろか…


突き方を変える…下から突き上げるように突くと、また反応も変わり、俺の感じ方も変わる…


【あっ!あっ!アカン!アカンよ!またイクよ!凄い!スゴっ…!あっ!あっ!】


俺も間も無く頂点を迎えるので、腰の動きを加速した…彼女の絶叫にも拍車がかかる…


【あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!イクッ!イクよぉぉぉ~~!アカン!アカン!あっ!あっ!も、もう…!あっ!壊れるぅぅ~~!あっ!あっ!イッちゃう!イッちゃう!イッちゃう!あっ!あっ!………っ!】


最早何を言ってるのか分からないまま絶頂を迎えた…!


「イクぞ!」


【イ…………………っっっクぅ!!!!!】


俺は大量の精液を、彼女の背中に放出した…


腰からウナジにかけて流れる俺の液体…


彼女は頭を垂れ、両膝を床につき、両手は浴槽の縁に弱々しく乗せている…疲れきっている様子だ…


俺はシャワーをぬるま湯にして、彼女の全身を洗い流した…自分自身も同様にし、ゆっくりと二人で湯に浸かった…


【凄いね…コレ。】


彼女はそう言いながら、俺のモノを優しく掴んだ…


「足りない?」


【満足…でも今日はもっとして欲しい…】


「じゃあ、後でまたベッド行ってからね…」


【うん…】


夜は長い…


でも少しは眠ろう…

No.140

朝7時…
最後に時計を見たのは、5時前か…


枕元の時計のアラーム音で目覚めた…


濡れて冷えたシーツが、目覚めを余計に促進させる…


一晩中獣になり、互いの体の隅々まで舐め合い、何度も何度も何度も何度も絶頂に達し、互いの体液にまみれ、感じ、飲み…互いの体を噛み、掴み、揉み、引っ掻き、叩き…そして絶頂に涙を流した…


そんなことを思い返したら、モノが復活をした…流石に若い…


隣で寝ている彼女の秘部に手を伸ばす…


中指を挿入すると、中は彼女の体液で溢れていた…


クチュ…


挿入した指をゆっくりと動かす…


【あ……ん】


眠っていても敏感に反応した…


そして俺は朝のセックスを楽しんだ…彼女もまたそう…。

No.141


寝起きにも関わらず2Rをこなし、シャワーを浴び、ゆっくりとチェックアウトの支度をする…


部屋を出る前に、ベッドを見返す…お互いに顔を見合わせる…そしてちょっと笑って一緒に部屋を出た…


フロントの前で、昨日のオバサンと出くわす…


本来ラブホは、あまり従業員と利用客は出くわさないお約束…でも場所が場所だけに、アバウトな感じだ…


オバサンは俺に気づき、僅かな笑顔…俺はそれを見逃さず、ドヤ顔をしてみせた…


二人で車に乗り、瀬戸大橋を目指した…

No.142


今度こそは土地の物を食べよう…そう決めていた。


土地の物…左に広がる瀬戸内の海…やはり魚でしょう!


昼飯にするには少し早い時間…もう少し先に進むことにした…

No.143


お互いに腹が減っていたので、どんぶり物なんかがいい…と思いながら東へ車を走らせる…


香川県に入る…途端に讃岐うどん屋さんが目立ち始める…


「どういう事だよ…うどんしか無いよ…」


【そらそうや、香川県は讃岐うどんが名産やからね…石投げたらうどん屋さんに当たるっちうくらい…(笑)】


「マジ?知らなかった…」


無知な男…


「じゃあ、名産のうどん屋さんに入るか…」


店を探すまでもなく、街道沿いは選び放題…小綺麗な店に入る…


かけうどんに好きな天ぷら2個を選び会計…\280…メチャクチャ安い!


土地の物を堪能して瀬戸大橋に向かう…


【美味しかったね…】


「うん、美味かった!」


お別れが近い…


お互いに感じたのか、会話が少なくなっていった…
一晩だけの付き合いで、互いの素性も名前も知らない…でも情は出てくる。

No.144


右に瀬戸内の海を見ながら瀬戸大橋に向かう…時に山があったり市街地を走ったり…

会話もお互いのではなく、景色やら街並みやらの話になる…何となく、残り時間の事は話さないようにしている空気…


やがて瀬戸大橋を示す看板が目立ち始める…


もう会話すらない…


恐らく好きだの何だのという恋愛感情はない二人…情がわくというのはこの事か…と改めて感じていた…

No.145



「そろそろだね…」


沈黙に耐えられず、思わず話始めた…


【うん…】


「どうした?」


一番答えづらい質問をしてしまった…


【別に…】


まぁ、そうなるよね…


暫く走ると、いよいよ瀬戸大橋…


料金所を通過して本線へ…何気に彼女を見る…彼女も俺を見ていた…


【あぁ、やっと帰れる~!】


わざと憎まれ口を叩いている感じが手に取るように分かる…でも敢えて…


「え?嬉しいの?俺はちょって寂しいな…」


言ってみた…


一瞬彼女の顔が歪んだように見えた…でも…


【やっぱし家に帰りたいやんか~…一人旅も楽しいけど疲れるしぃ…】


「まぁね…」


彼女の気持ちを汲み取り、会話を合わせる…


終りが近づく…

No.146


本州に入って最初の下り口…児島IC。ここから一般道…倉敷駅を目指す。日も暮れていた…


海から遠ざかり、やがて市街地に入る…更に国道に入る…なんとなく街並みが賑やかになっていく…同時に終りも近い…


瀬戸大橋を下りてからは殆ど無言…俺もあまり話す気にはなれなかった…


暫く走ると…倉敷駅を示す看板が出てくる…

No.147


こんな時に限って信号に引っ掛からない…駅を示す看板が出てから、殆ど青信号で駅に到着してしまった…


ロータリーの端に車を停め、俺はタバコを一本吸った…


【んじゃ、行くね…】


「うん…」


【ありがとね…】


「うん…」


【結局お互いに名前聞かなかったね…】


「そうだね…」


【聞かないの?】


「ヤメとく…」


【そうだね…】


暫くの沈黙………


助手席の彼女を見る…


目に涙を一杯に溜めながら、彼女も俺を見ていた…


どちらからともなく、軽くキスをした…


【じゃね…】


そう言って彼女は荷物を抱え、小走りで駅に入っていった…


何度目の出会いか…濃厚な出会いだった…

No.148


さて、これから一泊挟んで京都の友人の家へ…俺は国道2号線を東に走った…


神戸市内のビジネスホテル…都市部だけあって、流石に高い…素泊まりで\6,000が最安値だった…


翌日は昼に勤めていた会社の本社前で待ち合わせ…休日ということもあって、誰もいないそうだ…


とりあえず、買い込んだビールとツマミを晩飯にして早目に眠りについた…

No.149


ちょっとは神戸の夜を楽しめば良かったと、後悔を残して京都へ向かった…


待ち合わせは正午…


俺は10分前に到着した。

No.150

【花山?】


何となく見覚えのある男が俺に声をかける…


「遠藤君?」


【おう!久しぶりやね~!】


「調子はどう?」


【う~ん、ボチボチやな…実は俺も会社辞めんねん…】


「え?マジで?辞めて何すんの?」


【家の仕事すんねん…水道工事】


「へえ~!凄いじゃん!次期社長だ…」


【いやいや、そんな大層なもんちゃうよ………って、立ち話もなんやし、昼飯まだやろ?王将行こうや…!】


「好きだね、王将…」


【ええやん、美味いし安いし…】


「まあね、行こうぜ!」


【うわ、久々に聞いた…ぜ…とか言う東京弁…それだけは相変わらずキショイな…】


「アホな…いいから早く行こう…じゃん!」


【出たぁ~!じゃん!めちゃキショ!】


「今のはわざとだ!いいから、早く焼き飯食いに行こう!」


……と、久々の会話を楽しみながらその場を離れた…

No.151

久々の王将を堪能し、お土産の焼き餃子を持って遠藤の家へ向かう…


懐かしい京都の町並み…何度か仕事で来た事がある…


遠藤からは色んな話を聴いた…同期にあと二人男がいたが、まだ頑張っているらしい…今回は都合が合わず誰も来れない様だった…

同期に女子もいた…女子も三人いたが二人は一年以内で辞めてしまった様だ…何度か本社に行ったが気付かなかった…

都合が合わず会えなかった同期の男達と女子逹とはもう一生会わないんだろうな…と思うと、少し寂しい気持ちになった…


途中で酒類と千枚漬けを買い込み遠藤宅に着く…


母家と離れがあり、遠藤の部屋は離れになっている…


「いいねぇ~離れの部屋…」


【おう、ええやろ!少々騒いでも平気やで…裏は竹藪やしな…】


「羨ましいな…まぁ、飲もうぜ!」


【おう!飲もうや!】


二人は缶ビールの缶をあわせて乾杯した…


今回の旅行の話、勿論これまでの会社の話…話は尽きない。二人は明け方まで話した…

No.152


昼近くまで寝ていたか…遠藤の家の前の小道から人の声がする…


遠藤の母親がお茶漬けを運んできてくれた…


「あ、おはようございます…すみません、なんだかお邪魔しちゃって…ちゃんと挨拶もせず、手土産も無しで…」


【おはようさん…ええよ、ええよ…そんなん気にせんでも…千葉から車で来てくれはったんやろ?それが土産みたいなもんやてぇ…まぁ、ゆっくりしていきぃ…】


「有り難う御座います。甘えさせていただきます…」


朝から京女の優しい京言葉に癒され、お茶漬けで目をさました…

No.153


お茶漬けを食べ終えると、二人で台所へ挨拶がてら食器を運んだ…


「ごちそうさまでした…」


【いやいや、わざわざ運んでくれんでも…】


「いえ、そうもいきませんよ…ちゃんとお礼を言わないと…」


【えらい律儀やねぇ…じゃ、お粗末はんでした…あ、せやせや…お風呂出来てるから呼ばれてき…】


「何から何までむみません…」


一度遠藤の部屋に戻り、着替えを持って風呂場に向かった…

No.154


遠藤気自慢の風呂…檜風呂。


檜の香りに癒され、旅の疲れを洗い流した…


この後の旅の予定は…特に考えてはなく、約束をしているのは遠藤で最後だ…つまり自由行動。何しよう…どこ行こう…いざ自由になると分からないもんだ…とりあえず遠藤の案内で裏京都見学を案内された…




遠藤の家の近くのコンビニの駐車場に車を停め別れの挨拶をする…


「有り難うな…」


【おう、こんなんで良かったら案内したるからいつでも来いや…】


「おう…」


【帰りは気ぃ付けや…】


「あぁ…」


【せやせや…これ、オカンから…オニギリ。腹減ったら食い…やて。】


「えぇ…!ホント遠藤の母ちゃんには世話になったな…宜しく言っておいて…」


【おう!言うとくわ!】


「じゃ、そろそろ行くわ…」


【気を付けや…】


「お前も仕事頑張れよ!」


そう言うと俺は車に乗り出発した…


遠藤の母親からのオニギリを見ると、何となく母親の顔を見たくなった…この後暫く旅を続けようかと思ったが、京都南インターの看板に吸い込まれるように高速道路に入り、東京方面へと向かった…

No.155

>> 154
訂正…

遠藤気 ×

遠藤家 〇

No.156

京都を出たのが午後3時…


高速道路を休憩を挟みながら東へ戻る…


午前0時ジャスト…自宅へ戻る。玄関の鍵が開いていた。


「ただいま…」


小声で呟く…


【あら、おかえりなさい。早かったのね…】


濡れた髪をタオルで拭きながら母親が風呂場から出てきた。


何となくホッとした。


気づかないうちに少しホームシックになっていたのか…?


【どうだった?一人旅は…】


「うん、楽しかったよ…」


【先生のとこにも行ったんだろ?】


「あぁ、相変わらず綺麗な先生だったよ。」


【そうか…もう疲れたろ?土産話明日聞くから今日はもう寝な…】


「あぁ、おやすみ…」


楽しい旅だった…神にも会った…懐かしい人にも会えた…美味いものも食べた…気持ちも良かった…思い返しながら眠った…

No.157


旅を終えたが、すぐに働く気にはなれず余韻に浸っていた…

これまで休みという休みを取ってこなかったので、何もせずにボ~っとして過ごしたかった…


3日間…3日間だけボ~っとして過ごしてから再始動しようと決めた。


その初日、旅の疲れと三年間の疲れと緊張感から解放されたのか、泥のように眠った…


3日間は家から一歩も出ずに過ごした…

No.158

いよいよ始動…


まずはバイトを探そう。そう思い、コンビニへアルバイト情報誌を買いに行った。


今(平成24年末)とは違い、仕事は沢山あった。情報誌も分厚く、5センチはあったか…


前の会社では車での移動が多く、そして長距離…今回の旅行でも分かるように、基本的に車の運転が好き…という事で、ドライバーの仕事を探した。


某鉄道系の物流会社。ドライバー日給1万円…1ヶ月ちゃんと働くと23~5万になる。前の会社より手取りで10万以上貰えるのは魅力…
通勤に1時間ほどかかるけど、迷わずに決めた…


面接をし、採用された。2日後から働くことになった。

No.159

バイト開始…

いきなり懐かしい人と再会…


出社は通常8時。配送コースにより出社時間が異なる…俺は初日なので通常出社。


事務所に顔を出し挨拶を済ませる…


配車係の西田部長のところへ行くように指示をされ向かう…


タバコの煙が立ち込める、テニスコート2面分くらいの広い部屋…ドアを開けるとすぐ受け付けカウンターがあり、50歳くらいのガッチリしたオッサンがドライバー達に指示を出す…


俺は人の流れが切れるのを待ち、オッサンに挨拶する。


「今日からお世話になる花山です。宜しくお願い致します。」


【おぉ~!待ってたよ!お前、少年野球やってたろ?】


「え?あ、はい…やってました。」


【だろ?ビクトリーのキャプテンの花山だろ?俺はライオンズの監督やってた西田だ。今は引退して審判部長やってるけどな。】


ライオンズは俺の親父(ビクトリーの監督)と西田監督とは仲が良く、時間があればよく練習試合をしていた…俺はキャプテンをしていたので、当時西田監督とは話す機会が何度もあった…


時間の流れは早いもので、西田監督と最後に会ってからまだ8~9年しか過ぎてないのに、大分老け込んだ西田監督を見てビックリした…

No.160


さて仕事だ…


懐かしさの余韻に浸っている暇はない…


俺の仕事は日給1万円のドライバー…とはいえ、助手と同じ作業もする…ちなみに助手は8千円。


一日の与えられた仕事をこなす…早く終わろうが遅くなろうが給料は一緒。


まず、オッサンからその日のルートと乗るトラックのナンバーを受け取る。
事務所から歩いて2~3分の所に貨物専用の駅があり、そこに指定のトラックが荷物を積み終え待機している…積み終えていなければ手伝う。


コースは路線名「〇〇線」の「〇〇駅~〇〇駅」となっており、荷物は主に雑誌。


作業人数は、トラック1台につき2~3人…路線各駅の売店に、注文の雑誌を納品。単純だがかなりキツい…


でもたまに、都内の巨大ターミナル駅に当たる場合は、ドライバーの自分も作業員になる…給料は一緒。
大勢でその駅に電車で移動して、現地で雑誌の納品作業…大体昼過ぎに終わる…
運が良ければそのまま帰宅。でもドライバーは翌日の荷物を積み終えないと終わらない…それでも4時には終わり、その日は必ず近くの古い映画館に映画を観に行く…どんな映画でも観ていた…

No.161

バイトを始めて1カ月…ようやく仕事にもなれていた頃、実家の近所で車に跳ねられた…幸い捻挫くらいの軽傷だったけど、会社からは2週間は休めと言われ、やむ無く休むことにした…


俺が車に跳ねられた…という噂はすぐに近所に広がり、中学時代の友達が連絡をくれた…


お見舞い…という事で、皆で近所のお好み焼き屋さんで飲むことになった…

No.162


店内はそれほど広くはなく、店に入り奥の座敷は4人テーブルが4コ…フロアには4人テーブル2コ…カウンターは5人くらいか…

店員さんは…よく行く時間帯には、マスター、奥様、他バイトが4人…といったところか…


今回の出会いは、4人いるバイトの内、近所に住む仲良し二人組の16歳女子高生…

No.163

俺を含む6人で、奥の座敷に陣取る…


とりあえずビール…


ビールが揃ったところで…友人の則夫が…


【花山くんの奇跡の生還に乾杯!】


「ありがとう!でもただの捻挫だし…」


【まあまあ、いいじゃんか!久々だし、同窓会も兼ねてるし!】


「まぁ、それもそうだな…」



大分飲んだだろうか…腹も一杯になり、お開きとなった…


【体大丈夫ですか?】


店を出る直前に声を掛けてきたのは、バイトの女子高生の1人、しのぶちゃん…


「あぁ、ありがとう…大丈夫も何も、足首の捻挫だし…」


【よかった…】


「てか、知ってた?跳ねられた事も俺の事も…」


【はい、花山さんが仕事に行くとき、2~3日に1回同じ時間にすれ違うんです…ちょっと気になってて…まさかお店に来るなんて思ってもいなかった…】


「あ、ありがとう…また来るよ。」


【本当ですか?待ってます!】


それが「ご新規さん」を確保する言葉でも、そうでなくても、この時の俺には嬉しかった…

No.164


怪我は癒えたが、まだ出勤は出来ない…


休み初めての週末…近所を散歩していると、則夫と出くわす…


【し~君何してんの?】


「暇だから、宛もなく散歩…(笑)」


【じゃあ、パチンコでも行かない?】


「う~ん、あまり勝負は出来ないけど、いいよ…行こうか。」


そう言うと、二人で歩きながらパチンコ屋を目指した…


店に入ると則夫は迷いもなく一発台のコーナーに向かった…


俺はハネ物しかやった事がなく、ギャンブル性の高い一発台には近寄らなかった…


が…


試しにやってみる事にした。


入りづらい真ん中の皿に玉を入れ、尚且つ皿に空いている三つの穴の真ん中に入れなければならない…穴に入れるのは運なので、いかに沢山の玉を皿に入れる事が出来るか…が鍵になってくる…


台の左側、コイン投入口に五百円玉を投入する…125個の玉が出てくる…レバーを回し、玉の出る勢いを調節する…皿のエリアの入口の釘を執拗に狙う…

すると、打ち始めから10玉程で皿のエリアに玉が1コ入る…すると玉は皿の内側を舐めるように二回転程回ると、そのまま真ん中の穴に落ちた…


台から当たりを知らせるファンファーレが鳴り、店内では俺が当たりを出した事を告げるアナウンスが元気よく響き渡る…


隣の則夫が…


【凄ぇ~!お座り一発かよ!一万確定じゃん!】


「マジで?これで一万?」


【そう、もう勝手に全部のチューリップが開いてるから、打ってりゃ入るし、四千発出たら打ち止めになるから…お!俺も当たり~!し~君といるとツイてるな!】


パチンコ屋の滞在時間20分…四千発を一万円に換金して店を出た…

No.165


「思わぬ臨時収入だな…」


【良かったじゃん!じゃあ飲みにでも行くか?】


「そうだな、晩飯兼ねて飲むか!」


【じゃあまたお好み焼き行く?】


「いいねぇ~!」


そう言ってお好み焼き屋へ向かった…


【いらっしゃいませぇ~~!】


若々しい女の子声が店内に響く…気持ちがいいもんだ…

俺はなんとなくしのぶちゃんを探した…


【あ!則夫さん、こんにちは!】


声を掛けてきたのは、二人の女子高生バイトの一人、マミちゃんだ…


【おう!今日はし~君のおかげでパチンコ勝ったから来たよ!】


【あ!おめでとうございます!そうそう、花山さ~ん、今日はしのぶちゃんは来れないかもです…】


「ん?いやいや、約束とかしてないし…」


【おやおや?し~君、手を出しちゃったの?犯罪だよ~!(笑)】


「アホな…そんなことしてねぇよ~!」


【え~?そうなんですか?しのぶちゃん花山さんの事をメチャメチャ気にしてましたよ…】


「マジ?」


【お!し~君、まんざらでも無いねぇ~…(笑)】


「アホか!飲もうぜ!」


まんざらでも無かった…

No.166


飲むは食うは…一体どのくらい飲み食いしたのか…若さというのは怖いもので、飲む量も食う量も半端ではない…


とはいえ、夜も大分更けてきて、閉店時間が見えてきた…


その時、店の入り口が開く…俺のいる位置からは直接見えない…


【あ!しのぶ~!どうしたの?】


しのぶちゃんが来たらしい…


【今帰ってきた!お腹空いちゃって…】


【お疲れ~!花山さん来てるよ!】


【え?マジ?】


フロアーからそんな会話が聞こえてきた…


【しのぶちゃ~ん!こっち来て一緒に食おうよ!おごるからさ!】


則夫がしのぶちゃんに声を掛ける…同時にニヤリと俺を見る…


閉店まであと30分ほど…則夫と俺としのぶちゃんの3人でワイワイと食事をする…


飯を食い終える頃、店内の客は俺等だけになっていた…


テーブルで会計を済ませ店を出る用意をした…


しのぶちゃんは厨房に行く…


【洗い物手伝うよ!】


洗い物をしているマミに声を掛けるしのぶちゃん…


【いいよ、いいよ!しのぶちゃん今日休みなんだから!】


そんな押し問答を数回繰り返して、しのぶちゃんはようやく諦めた…


【花山さん帰っちゃうよ…】


マミが小声でしのぶちゃんを後押しする…


聞こえてるけど聞こえないフリ…


「ごちそうさま~!」


と言いながら、店を出た…


【花山さん!】


背後からしのぶちゃんの声…


【じゃあね、し~君!おやすみ~♪】


気を使ったのか、則夫が足早に帰った…


「どうした?」


【少し散歩しながらお喋りしませんか?】


「いいよ。」


そう言うと二人は近くの公園に入っていった…

No.167


公園のベンチに座る…


「フ~、食った飲んだ…」


【凄い量でしたね!何かいいことあったんですか?】


「あったよ~♪則夫とパチンコ行ったら、二人で勝ってねぇ~♪」


【そうなんですか?おめでとうございます!】


「で、晩飯がてらね!」


【なるほどぉ~…】


ここで会話が止まった…


微妙な空気が流れる…


俺はしのぶちゃんの気持ちは何となく分かってる…でも、しのぶちゃんは俺の気持ちを知っているのだろうか?と言うより、俺はこの時点ではしのぶちゃんに対して全くのフラットな状態…

彼女が欲しいという気持ちもあるが、相手は16歳…奈穂子は24歳だったから8歳の差…対応出来るのか?


…等と勝手な想像をする変態男…


【花山さんは彼女さんとかいるんですか?】


しのぶちゃんが口火を切った…


「いや、いないよ…」


ちょっと間が空いて…


【まだガキだけど、付き合ってください…】


物凄く積極的だ…


つい…


「え?あ、うん…いいよ。宜しくね…」


お互いに照れ笑い…
手なんか握ってみた…新鮮な、懐かしい気持ち…サトミと付き合い始めた頃はこんなだったかな?なんて、少し昔を思い出してみた…

No.168


16歳の女の子との付き合いはどうすれば…

今までの付き合い方はとても考えなれない…
ならば、普通にドライブ?飯?映画?散歩?色々考えた…


早速次の日曜に会う約束をした…


房総をドライブ…海で遊んで食事して…日が暮れる頃、帰路につく…


車内での会話…


『楽しかった~!また来たいです!』


「そうだね!飯も美味かったし!」


『私今日一日、花山さんの事を何て呼んで良いか分からなくて、ずっと花山さんて呼んでました…でもなんか変ですよね…?』


「そう?まぁ、そう言われるとちょっと他人行儀かな?でも好きに呼んでいいよ…」


『花山さんの友達は皆、し~君て呼んでますよね…私も呼んでいいですか?』


「あぁ、いいよ。」


『じゃあ決まりですね!し~君で行きます!』


「うん、行っちゃって!行っちゃって!」


新鮮だ…遠ざかっていた気持ちが甦る…


が…間もなくそんな気持ちも無かったかのような、その後の俺の性癖に大きく影響するほどの事が起きる…

No.169


ようやくバイトに出れるようになり、朝、自転車を漕いで駅に向かう…


途中のコンビニの前で、しのぶちゃんがいた…


「おはよ。」


『し~君おはよ。』


「これから学校?早いね…」


『はい、朝練です。』


「朝練?そういえば、部活何やってんの?」


『ソフトボールです。マミも一緒だよぉ。』


「あ、そうなんだ。頑張れよ!」


そう言って、その場を離れようとした俺にしのぶちゃんが…


『今日何時頃に帰ってきます?』


「そうだな…復帰初日だから、あまり遅くならないと思うよ。7時には戻ると思うけど…何で?」


『顔が見たいから…』


照れながら…では無さそうな、うっすらと笑う口元にドキッとした…


「いいよ。どこで?」


『公園。』


「分かった。じゃあね!朝練頑張れよ!」

No.170

復帰後初の仕事は、千葉にある営業所に集めれた返品をトラックに積み、指定の場所まで運び貨物の駅に戻り、翌日のトラックに雑誌を積み終了。


5時半過ぎに終了…


途中で待ち合わせの公園に行こうかと思ったが、少し早く戻ってきたので、一旦家に帰り着替える…


7時ジャストに公園に着いた…


ブランコにしのぶちゃんがいた。


「ごめん、待った?」


『ううん…私も今来た。』


「どっか行く?」


『うん、お腹空いたから、ご飯行かない?』


「いいねぇ~…お店行く?」


『うん!』


そう言うと、いつものお好み焼き店に向かった…


店に入ると、テーブル席に着いた。


『メンチ定食。』


「え?お好み焼き食わないの?」


『うん、今日は少しでも長くし~君といたいから、食べたらすぐ出よう。』


「え?あ、うん!そうしよう!」


暫く話ながら待つと、メンチ定食が2つ出てきた…食べながら話す。


「そういえば、今日はマミちゃんいないね…」


『うん、今日はシフト入ってないし…私もそう。』


「あ、そうなんだ…シフトね…」


やがて食べ終わり、2人は店を出た…


『し~君、ウチ来ます?』


何の前触れもなくしのぶちゃんが言った。

No.171


「え?いいけど…大丈夫なの?しのぶちゃんちは…」


突然のお誘いに戸惑いながらも、了解をした…


しのぶちゃんの家は、お好み焼き屋から歩いて1分位のところにあった…二階建てのコンクリート打ちっぱなしのオシャレなアパート…


上下6部屋ずつあるアパートを2部屋借りていて、1部屋は親が、もう1部屋はしのぶちゃんが住んでいる…

贅沢…というより複雑な家庭事情が見え隠れする…


『入って入ってぇ~!』


「おじゃまします…」


一人で住むには少し広い2DK…


ふと茶箪笥を見ると、お揃いのマグカップや茶碗…でも男物という感じではない…


俺の視線に気づくしのぶちゃん…

No.172


『あ、そのマグカップ?気になる?』


しのぶちゃんはちょっと怪しい目をした…


「いや、別に…」


本当に気にしていなかった…そのマグカップからは、そんな雰囲気は出ていない…


『それ、マミのだよ。』


その言葉の方が怪しく思えた…


「へえ~、よく来るんだ…」


『うん、ほぼ毎日。今日も来るんじゃないかな?』


「そうなんだ…」


『何か飲みますか?』


「うん、ありがとう…なんでもいいよ。」


『じゃあ、コーラねっ!』


暫くテレビを見ながら他愛の無い話をした…


【ただいまぁ~!】


玄関が開く音と同時に声がした…


ただいま…?家の人…?でも聞き覚えのある声…


『マミだ!』


マミ?なんでただいま…?


部屋に入ってくるマミは、きょとん顔をした俺を見て…


【あ、いらっしゃ~い!しのぶぅ~!手が早いぞ!】


そう言いながら着ている服を脱ぎ、スウェットに着替え始めた…


「おいおい、一応男子がいるんだけど!」


『いいの、いいの!』


スウェットのズボンを上げながら言う…


するとしのぶちゃんも…


『じゃ、私も…』


と言い、下着姿になりスウェットを探し始めた…


今更照れたりはしないが、目のやり場に困った…

No.173


3人で話す…


いつの間にか恋愛の話になっていた…

集中するのは俺の経験談…話せる話、話せない話を上手く仕分けしながら、それでもオブラートに包んで話す…


8時半…


【ちょっとトイレ…】


マミが輪から抜けた…


『し~君は大人なんだね…刺激的な言い方じゃなく、子供を相手にするような言い回し…でも、内容は大体分かりますよ…』


しのぶちゃんが距離を詰めながら言う…


「そ、そう?」


若干のけぞりながら惚ける…


しのぶちゃんの鼻と俺の鼻がくっつきそうな距離になる…


6歳下の“強敵”から逃げる訳にはいかず…かといって、マミの存在も気になる…


迎え撃つ…


唇を重ね軽く舌をしのぶちゃんの下唇に這わす…

その舌を自分の口の中に引きずり込むように吸う…

悪くない感覚に、慣れてるのか?と思った。

次第にお互いの舌の動きが激しくなっていく…

『ん…ん…』

クチュ、チュ…チュ…

『ん…んん…はっ…』


結構時間が経つが、マミが出てこないのが気になる…


と、その時…


部屋の灯りが消え、間接照明が点く…

No.174


【もう始めちゃったの?しのぶは好きだね…】


マミの声…


咄嗟にしのぶちゃんを離し、マミを見た…!
間接照明の淡い灯りの中、全裸のマミが立っていた…


「な…何してんの!?」


訳が分からなかった…


そのままこちらに近づいてくるマミ…

俺にではなく、しのぶちゃんに近づく…

しのぶちゃんは膝立ちになり、マミに寄り添う…

マミはしのぶちゃんの髪をかき上げる…

しのぶちゃんはマミの胸にキスをする…


【しのぶ可愛い…】


『あぁ…マミもだよ…』


状況が飲み込めない…


「君ら何してんだ…?」


【ん?いつもの事だよ…】


サラッと言うマミ…そして怪しげに微笑む…

No.175


この二人、そういう関係だったようだ…しかもバイ…


【初めてお店で花山さん見たときから、しのぶと話してた…】


そう言いながら、俺のシャツを捲り上げるマミ…脱ぎ始めるしのぶちゃん…


不思議と抵抗できない…気がつくと俺は仰向けになり、なすがままの状態になっている…


三人で…この二人はどうか分からないが、俺は初体験。


元々変態な俺、正直ワクワク感もあった…


快楽の淵に堕ちてゆく…

No.176

この二人がこうなったのは、やはりきっかけがあったようで…


後にじっくり教えてもらったが、このタイミングで書いておいた方がよい…


マミは小学五年の時、沖縄からこのアパートの隣の棟に引っ越してきた…

色黒…という事で、クラスの男子からからかわれていた…まぁ、小学生特有の、好きな女の子をイジメちゃう…そんな感じなんだろうけど、からかわれている本人にしてみれば苦痛である…

少し引きこもるようになったマミをしのぶちゃんが励まし、一緒に遊ぶようになった…


ある日しのぶちゃんの家でマンガなどを読んで遊んでいた…


普段しのぶちゃんが留守番するときは、内側から鍵をかける…この日もそうだったが二人で眠ってしまった…


母一人子一人で水商売をしている母は、昼は“男トモダチ”と出掛けることが多い…

この日も出掛けていたが、いつもは出先で別れるのだが、“男トモダチ”にお茶を飲ませて欲しい…と言われ家にあげた。


【ただいまぁ~!しのぶ?いるの?】


返事がない…


二人とも爆睡中だ…


母親はしのぶの部屋も確認せず隣のリビングで男とお茶を飲んでいた…


ここに来る前の情事がよほど良かったのか、男はしのぶの母親に擦り寄った…
母親もまた余韻が残っており、再び情事に及んだ…


“あっ!あっ!あっ!あっ!”


聞き慣れない声に目を覚ましたマミ…


声のする方へ耳を近付ける…襖の向こう側。


苦しんでいるような喜んでいるような…初めて聞くような声…
少し怖くなり、マミはしのぶちゃんを起こす…


二人は襖を僅かに開けそれを見た…


『まただ…』


しのぶちゃんが呟く…


【また?】


『うん、何度か見たことがある』


二人はそれに対して目を背けるどころが、食い入るように見入ってしまった…


思春期直前の女の子…性に対する興味は男子以上…


二人は興奮した…お互いの胸や下半身をぎこちなく触る…初めて味わう快感の波…


この日から二人は“遊ぶ”ようになる…


“男トモダチ”は“父”になる…狭い部屋では“何かと不便”という事で、たまたま空いていた向かいの部屋も借り、しのぶの“勉強部屋”として使っていた…

No.177


小学校から中学二年頃までは二人の遊びに満足していた…

だがこの頃になると男子も目覚めてくる…そんな男子達は色んな“教材”を学校に持ってくる…

でもそれを貸してとは言えず、横目でチラチラ見るくらい…たまに調子に乗った男子が無理矢理見せに来る…
その“教材”に掲載されている写真の露骨なシーンを一瞬で目に焼き付ける…

ヤメテよ~!と言いながらしっかりと見る…

それを勉強部屋で“復習”する…

でも何か物足りない…そう、“異性”である…それに対する知識は豊富なのに手頃な相手がいない…

この時代、パソコンや携帯電話の様な便利なツールは、まだ一般市民には普及されて無い…


二人は悶々とする日々を送っていた…


中学三年の夏休み…部活を終え、ノーブラにタンクトップ&ショートパンツ姿で流れる汗をタオルで拭きながら寛いでいると…


【お~い!スイカ食うか~?】


と、“父親”が部屋に入ってきた…


『は~い!食べるぅ~!』


と出ていくしのぶ…


父親は、出てきたしのぶの姿に心を奪われた…そして凶行に及んだ…


『イヤ!』


その声を防ぐ様に“父親”は、しのぶが持っていたタオルで口を塞ぐ…


リビングに押し倒し、タンクトップを剥ぎ取る…


年齢の割には豊満な胸が露になる…


“父親”はその胸にむしゃぶりつく…!


やがてしのぶは“女の子の一番大切なもの”を奪われる…


…が、不覚にも同時に“悦び”も知ってしまった…


それからというもの、週に一度は“父親”と情事に及んび、マミとの情事の為の技術の向上に励んだ…

No.178


経験値を上げたマミも高校生になり、すぐに出来た彼氏に“大事なもの”を捧げ“スキルアップ”した。


その後、二人は経験値を更に上げゆく…


二人にとって三人でするのは初めてだったようだ…


マミには彼氏がいるが、三人でする事に執着していた…そこに俺が現れ条件が整う…


条件…飽きるほど三人でする。後から知った。


いよいよ始まる三人での情事…俺からすると犯罪である…16歳の女子高生二人を相手に飽きるほど………

No.179


完全に横になる俺のシャツの中に、しのぶちゃんが手を滑り込ませる…


薄暗い部屋の天井を眺めながら、しのぶちゃんの成り行きを感じていると、目の前にマミの顔が現れる…


一瞬驚いたが、3人で事に及んでいる事を思い出し、マミの舌を自分の舌で受け入れた…


本当に高校一年生か?と思うくらいのマミの巧みなキス…


そのキスを堪能していると、いつの間にかシャツを首まで上げられ、しのぶちゃんの舌が俺の上半身をイヤらしく這い回る…

No.180


やがてしのぶちゃんの舌は俺の乳首を巧みに刺激する…


『フフフ…し~君の乳首コリコリに硬くなってるよ…やっぱし男の人も感じるの?』


質問しておきながら、俺の返事など聞く間もなく、引き続き乳首を責める…


【しのぶはホントに乳首舐めるの好きだよね~…私なんかたまにヒリヒリになるよ…】


マミはそう言うと、俺とキスをしたまましのぶちゃんの乳首を少し強めに摘まむ…


『あぁ…っ!』


思わず声をあげるしのぶちゃん…その声の振動で俺の乳首が程好く刺激された…


「うっ…!」


思わず声をあげた…


【あれれぇ~?し~君感じちゃってるぅ~?】


そう言うとマミは俺から離れ、しのぶちゃんの背後に回り、両手でしのぶちゃんの胸を揉む…


しのぶちゃんは背筋を伸ばし、上半身を起こす…


二人のプレイが始まる…


俺は見上げる形で二人を見る…薄暗い部屋でも、大分時間が経つので目も慣れ、二人の姿がほぼ見えるようになった…


16歳の体…24歳には24歳の良さがあるが、16歳のそれはハチ切れそうな張りと艶…未完成ではあるが、この当時の俺にとっては極上に思えた…

No.181


その二人の姿を眺めているとたまらなくなる…


俺も立ち膝姿勢になり、しのぶちゃんと向かい合わせになる…


しのぶちゃんは口を半開きにしている…どうやら俺のキスを欲しがっているようだ…


俺はしのぶちゃんの唇に触れるか触れないかの所で、舌の先でしのぶちゃんの唇や舌先を弄ぶ…


『ううん…もう…』


じれったい…といった様子…その表情は、もはや体育会系の部活動をしている女子高生の表情ではなく、快楽を欲しがる女性…いや、雌の表情である…

No.182

俺は唇以外、顎、耳、頬、首筋に優しく丁寧にキスをする…


『あぁん…あ…あ…もう…』


唇にキスが欲しいと、懇願するような表情と声…


分かっているが、あえてしない…


しのぶちゃんの背後にいるマミ…しのぶちゃんの張りのある乳房を下から上へと優しく両手で揉む…やがてその右手がしのぶちゃんの下半身へと移動する。


俺はマミの手が空いたしのぶちゃんの右乳房の頂に軽くキスをする…


『ああぁぁっ……!』


俺とマミの間に挟まれ、焦れったくも軽いタッチの愛撫に、しのぶちゃんの感度はかなり上がり全身が性感帯の様になっていた…


「大した事をしてないのに、もう感じちゃってるの?」


とニヤけながら、言葉を意地悪な表情でしのぶちゃんに投げつける…


『……っ……っ』


そんな俺の言葉に反抗するかのように、声を圧し殺し二人の焦れったい愛撫に耐える…

No.183


『あああぁっ!はあぁぁ~ん…!!』


突然しのぶちゃんが声をあげる…
しのぶちゃんの背後にいたマミが、背後からしのぶちゃんの秘部へと滑り込んだ…


思わず俺にしがみつくしのぶちゃん…俺の支え無しじゃ倒れてしまいそうに全身を痙攣させ必死にしがみつく…


俺はしがみつくしのぶちゃんを押し返し、ビンビンになった乳首を吸う…背後からはマミの手がしのぶちゃんの秘部をなぞる…


『あっ!あっ!あっ!あっ!マミ!し~君!ダメ!』


もう逝きそうなのか、しのぶちゃんは必死にマミの手を掴み抵抗する…


【も~!しのぶ~!そんなんじゃ気持ち良くなれないよ~!手ぇ~邪魔~!】


そう言うとマミは一旦しのぶちゃんから離れた…


すると…


【いい物見つけぇ~!】


と言いながら、俺のジーパンのベルトを外す…



「コラコラ何すんだ!」


【ん?イイコト!それに後でし~君だって脱いじゃうんだから、イイじゃん!】


そう言うとマミは、しのぶちゃんの腕を取り後ろに組ませた…


『え?え?何?マミ何してんの?』


【ん?イイコト…】


マミはそう言いながら、慣れた手付きでしのぶちゃんの腕をベルトで縛り始めた…

No.184


『マミヤメてよ~!こんなの嫌だよ~!』


と上半身クネらせ抵抗するしのぶちゃん…


【そんなこと言って~…顔が嫌がってないよぉ~】


そう言いながらマミはまた背後からしのぶちゃんの秘部を責める…俺はがら空きになった胸をビンビンになっている乳首を責め続ける…


『あっ!あっ!あっ!ダメ!おかしくなっちゃう!』


狂わせたい…


俺は乳首を甘噛みしながら右手をしのぶちゃんの秘部へと滑り込ませる…

秘穴は既にマミが使用中…俺は小さな突起を見つけ、中指で突っつく…



『あっ!あっ!し~君、そこダメ!イヤ!ダメ!』


そう言われると余計に責めたくなる…


【しのぶぅ~…あまり大声出すと、隣近所に聞こえちゃうよ…】


『でもぉ~…』


すかさず俺の口でしのぶちゃんの口を塞ぐ…


『んっ…んん~…んっんっ…』


【し~君ナイス!】


俺は口でしのぶちゃんの口を塞ぎ、右手で割れ目の突起を責め、左手でしのぶちゃんの乳首を責めている…マミは右手で秘穴を、左手でしのぶちゃんの乳首を、下でしのぶちゃんの耳をそれぞれ責めている…


しのぶちゃんは、立ち膝状態で二人に責められ、快感に身をクネラセている…

No.185


いい加減俺も苦しいからマミに…


「しのぶちゃんの口、タオルで塞いで…」


【ひっどぉ~い…でも面白そう!】


『イヤ!イヤだよ!』


その抵抗も虚しく、しのぶちゃんの口はタオルで塞がれてしまった…


【これでやりたい放題だね~!】


そう言うとマミは、更にしのぶちゃんの下半身を責めた…


その姿を見ると、俺も我慢できずに全裸になった…


【わぁ~!し~君の大きい!】


仁王立ちをする俺、興奮MAXでカチカチになった俺のモノは、血管を浮かべ天井に向かってそびえ立っていた…


マミは物珍しそうに俺のモノを眺め、手に取り固さを感じる…そして自然の流れで舌を出し裏側を舐めながら口に頬張る…


ゾクゾクとする感覚に若干腰が引けた…


女子高生、どこで覚えたそんな技…


その光景を、立ち膝の姿勢で眺めているしのぶちゃん…


「マミちゃん、しのぶちゃんはどうする?仲間外れだけど…」


俺のモノをクワエ頭を前後に動かしながらな横目でしのぶちゃんを見る…


口から俺のモノを抜く…マミの唇から俺のモノの先に繋がる唾液の糸…



マミは俺のモノを握りながらしのぶちゃんに言う…


【仲間に入りたい?】


しのぶちゃんは静かに頷く…


その姿を見ると俺は横になった…

No.186

横になっても俺のモノは天井に向かって聳え立っていた…


【凄ぉぉ~い…】


マミは溜め息混じりに言い、改めて俺のモノを眺め丁寧に口に含む…


下半身に気持ち良さを感じながら、俺はしのぶちゃんを顔の上に跨がせる様に誘導する。


「このままの姿勢で絶対に腰を落とすなよ…」


『ふぁい…』


猿轡を噛まされ後ろ手に縛られ、力無く返事をする…


俺は目の前のしのぶちゃんの割れ目を広げる…陰毛は若干薄め…年相応なのか?
割れ目の中は、しのぶちゃんの体液で溢れていて、太股までビタビタに濡れていた…


俺は紅潮している奥の小さな割れ目から溢れる体液を舌で器用に掬い取る…


『はぁぁぁ…あっ!』


しのぶちゃんは歓喜の声をあげると同時に、膝がガクガクと力が入らず、思わず腰が落ち俺の顔にしのぶちゃんの割れ目が押し付けられる…


ビダッ!


俺はしのぶちゃんの尻を力一杯叩いた!


『ひぃっ!』


叫びながら思わず跳ね上がるしのぶちゃん…


【痛そう~…でもしのぶはこういうのも好きなんだよねぇ~…】


俺のモノをクワエテいたマミが言う。

No.187


マミの言った言葉に反応して、俺のモノは更に怒張した…


【えっ?何コレ?し~君カチカチだよ!】


ハチ切れんばかりにカチカチになった俺のモノに驚きを隠せないマミは、袋からサオ、先端部分に至るまで丁寧に舐め上げ、ゆっくりと口に含む…


下半身からジワジワ来る快感に、しのぶちゃんの割れ目を地味に愛撫していた舌が少しずつ激しさを増していった…

No.188


『んふぅ~~~ん!ん!ん!ん!』


しのぶちゃんの割れ目の更に奥の穴から少し上の突起物にかけて激しく愛撫する…

腰を前後左右にクネラセナガラ、俺の責めに耐える…
口を塞がれているので、鼻息が荒くなる…同時に鼻水も出る…下からの視線でたまに見え隠れするその顔に、俺も興奮する…


そんな事を考えているうちに、俺のモノは爆発寸前になっていた…

No.189


【あぁ、もう我慢できない…し~君いいでしょ?】


俺のモノをくわえていたマミが俺に訴える…


「あぁ、いいよ…」


俺の返事を聞くと、すぐにマミはゴムを俺のモノに装着する…


随分と準備がいい…


が、多少モタついたので、程よく萎えた…


マミは少し萎えた俺のモノを、何度か手コキしながら復活させた…


【入れるよ…】


そう言って、マミは俺の上に跨がり、自分の中に俺のモノを沈めた…


下半身に走る生暖かくてゾクゾクとした感覚…


「ヤバい…気持ち良すぎだ…」


俺はしのぶちゃんを責めることに集中した…


両手でしのぶちゃんの割れ目を広げ、秘穴に舌を激しく出し入れさせる…時折突起物を突っつく…しのぶちゃんはその度前のめりになったり仰け反ったり…兎に角反応が良い…


そんなしのぶちゃんを、俺に跨がり腰を振りつつ後ろから見るマミ…


【あっあっ…そ、そんなに気持ちイイのぉ~?こっちもし~君ので気持ちイイよぉ~…】


『ん~~~!んっんっ!』


喋りたくても猿轡されて声にならないしのぶちゃん…

No.190


しのぶちゃんの乳首を責めるマミ…


指で挟み転がす…時折強めに摘まむ…その都度上半身をクネらせたり仰け反ったり…


しのぶちゃんの割れ目から溢れる液体が、マミの責めに敏感に感じている事を知らせる…


俺はヌルヌルになった割れ目を執拗以上に責めた…更に突起物を親指の腹でグリグリと捏ねる。


しのぶちゃんの膝はブルブルガクガクと震え、今にも俺の顔の上にしゃがみそうになる…

俺はそれを許さず、しのぶちゃんの内腿をツネリ尻を思いきり叩く…!



それが気持ち良いのか、割れ目からはどんどんイヤらしい液体が溢れ出る…


『んっんっん~~~~~~~~!あふぅ~~~!あっあっ!』


猿轡で声にならない…鼻で呼吸するしかないので、鼻水が流れる…猿轡のタオルからは溜まりに溜まった涎も垂れ始め、度々俺の顔に降り注ぐ…



俺の下半身に跨がるマミの腰の動きは速さを増し、熱くなった…



【し~君ダメ!もう!もうイッちゃう!あっあっ!イク!イク!】


「よしイケ!イッていいぞ!俺ももう少しだ!」


そう言うと俺は同時にイケる様に、マミの腰の動きに合わせ下から突き上げる!


【あっあっあっあっ!イクッ!イクッ!イクッ!もうイク~~ッ!】


マミはしのぶちゃんの胸を鷲掴みにしながら、腰をガクガクに震わせイッた…

同時に俺もイッた…

No.191


後ろ手に縛られ、中途半端に気持ち良くされたしのぶちゃんを放置し、俺とマミは余韻を楽しむ…


【し~君、凄く気持ち良かった…】


「そう?俺もだよ…」


そんな会話をしながら、俺とマミはイヤらしくキスしたり、互いの下半身を愛撫した…


しのぶちゃんは切ない表情で二人を見ている…



【そろそろしのぶも遊んであげないとね…】


不敵な笑みを浮かべながらマミが言う…

その笑顔は、16歳のソフトボール部の女の子のそれとは明らかに違うものだった…

No.192

俺はしのぶちゃんに近づく…
涙を浮かべながら俺を見上げる…


「タオル外して欲しい?」


と聞くと、しのぶちゃんは小さく頷く。


俺はタオルに手をかけ外す。
外したタオルには鼻水やヨダレがたっぷりと付着して、糸を引いている…


「うわっ!ベトベトじゃん!どうしたのこれ?」



わざと吐き出す様にしのぶちゃんに言葉をぶつける…


【うわ…ホントだ…】


マミも乗っかる…


『や、やめて…そんな事言わないで…』


うつ向いた顔から伸びる鼻水やヨダレの糸を振り払おうと、小刻みに首を左右に振りながら怨めしそうな声を出す。


「もしかしたら、ここもベトベトなんじゃん?」


そう言うと俺はしのぶちゃんの割れ目に手を伸ばす…
触れた瞬間、ヌルっと二本の指が肉穴に飲み込まれた…


「うわっ!ここもベトベトのヌルヌルじゃん!」



『いやっ!』


手を拘束されているので顔を覆えず、ただ二人から顔を背けるしか出来ないしのぶちゃん…


「しのぶちゃんも気持ち良くなりたいの?」


と聞くと…
しのぶちゃんはゆっくりと頷いた…

No.193

俺は、しのぶちゃんの前に仁王立ちして、ギンギンに勃起したモノを差し出す。


どうしていいか分からず、戸惑うしのぶちゃん…


そこで一言。


「しのぶ、くわえろよ。」


突然の命令口調に更に戸惑う…


そんなしのぶちゃんの姿、表情を眺めていると、メチャクチャにしたいと思うドSの自分が顔を出す。


「何してんの?早くしろよ!」



その言葉と同時に平手で頬を打つ…


弱めに打ったので痛くは無いはずだが、俺にビンタされたという予想外の体験に驚きを隠せない表情だった。ただ、その顔が可愛らしく、余計にメチャクチャにしたいと思った。
同時にマミも…


【しのぶぅ~、何その顔?そんな顔初めて見たよ!超可愛いんですけど…てか、超虐めたいな~…】


マミも俺と同じタイプか…


「二人でヤっちゃうか?」


【そーだねー!】


目に涙を浮かべて俺を見るしのぶちゃんに、追撃の一言…


「だから、何してんだよ!早くくわえろよ!」


今まで割と優しく扱ってくれていた相手に、乱暴な言葉を投げつけられ手まであげられて…


俺は少し観察した。


「少しやり過ぎた?」


と、思いきや…


しのぶちゃんの表情は、確かに目を潤ませひきつり恐怖を感じているかのように思えたが、潤んだ唇、僅かに紅潮した頬…絶対にそれ以上を期待している顔に見えた。


その時…


ピチッ!


と、何かがしのぶちゃんの背中を打った。


『ああぁっ!』


と、しのぶちゃんの叫び声が部屋に響く…


何事か?と視線を上げると、靴紐でしのぶちゃんの背中を打つマミがそこにいた。


しのぶちゃんの表情はトロンとして、更に俺は興奮した。

No.194

俺は左手でしのぶちゃんの顎を上げる。半開きになった口に唇を重ねる…と同時にしのぶちゃんの舌が俺の中に入ってきた。
俺は単純に舌だけ出す。それに吸い付くようにしのぶちゃんの唇や舌がイヤらしい音をたてながら必要以上に絡み付く…


唇を放すとしのぶちゃんの背後からマミの靴紐がしのぶちゃんの背中を激しく打つ…


ピチィ!!


『あぁぁぁっ!』


激痛がしのぶちゃんの背中に走るが、その痛みに酔っているような表情…


半開きの口は、まるで餌をねだる錦鯉のよう…


我慢できない俺は、その口に自分のモノをねじ込む…


『モガッ!ゴゴゴ!』


「おら!歯を立てんじゃねぇよ!ちゃんと舌使えよ!」


突然モノを口の奥まで突っ込まれ、かなり苦しいように見えたが、言われるがままに舌を使い喉元で受け止める…その間も、容赦ないマミの靴紐攻撃が飛ぶ…!


ピチィ!パチィ!


『んんん~~~!んんん~~~!』


同時に俺もしのぶちゃんの乳首をつねり上げる。


『☆※▽#♀♂@◎∈§!!』


気持ち良いのか何なのか、もはや言葉になってないしのぶちゃん…


そんな姿を見て、マミはもっとしのぶちゃんを苛めたい衝動にかられ…


【しのぶぅ、この間通販で買った玩具、自分で試す前にしのぶで試したいんだけど、いいかなぁ~?】


自分の鞄から玩具を取り出すと、何やらローションの様なものを塗り始めた…
勿論しのぶちゃんは声も出ず、断ることもできないからされるがままになる。

No.195

ブィィィ~~ン

という低めのモーター音が部屋に響く。


【しのぶぅ~極太だってよ…楽しみ。】


そんなマミの言葉が聞こえているのかいないのか、いつの間にかしのぶちゃんはヨダレを垂らしながら俺のモノに必死にしゃぶりついている。


「マミ、コイツ聞いてねぇよ。それねじ込んだら気づくかもよ…」


後ろ手に縛られ、靴紐で背中に何本ものみみず腫を刻み、頭を前後し、乳首を潰されそうになるくらいに俺に摘ままれ、喘ぎながら大量のヨダレを垂らしながら必死に俺のモノをくわえてるしのぶちゃん…
こんな状態でそんな玩具を突っ込まれたら、コイツはどうなるんだ?なんて考えたら余計に俺の物が固くなった…

No.196

ブビビビビ…

愛液まみれのしのぶちゃんの割れ目に極太の玩具を当てるとベトベトになったしのぶちゃんのヒダヒダが振動し鈍い音がする…


『ひゃ!ひゃぁぁぁ!』


思わずくわえていた俺のモノを吐き出し、悲鳴にも似たしのぶちゃんの声が響く!
なんとかそれから逃れようと、体をクネラセもがく…
しかし容赦ないマミの攻撃は続く…やがて極太の玩具はゆっくりと上下運動を繰り返しながらしのぶちゃんの割れ目に飲み込まれていく…


『あっあっあっ!おおおぉぉっ!ダメ!おかしくなる!』


【し~君、こんなこと言ってるよ…】


「じゃあ、おかしくさせてあげなよ。」


そう言うと、再びしのぶちゃんの口に俺のモノをねじ込む…


『むぅ…んふぅぅぅ…ん!ん!ん!んんん~~!んんん~~!』



しのぶちゃんは再び俺のモノをくわえながら、マミの責めを受け止めている…

No.197

『んぶっ!ぶぶっ!がっごごご!ひぐっ!ひぐおぉぉっ!』


しのぶちゃんは体をビクつかせ、涎や鼻水を垂らしながら、俺のモノをくわえマミの責めに耐える…


次第にしのぶちゃんの頭の動きが早くなる…俺ももうすぐ頂点…思わずしのぶちゃんの頭を掴み前後させ腰を突く…


ブチュ!ブチュ!ブチュ!ブチュ!


イヤらしい音が更に欲望を掻き立てる…余計に腰を突く…


「おぉぉっ!もうすぐだよ!しのぶちゃん!口に出すよ!」


頷いた…様に思えた。俺は更に動きを早めた。


『がっ!がっ!がっ!ごっ!ごっ!』


「あぁぁぁっ!イクぞ!」


最後の一突きの後、大量の精液をしのぶちゃんの口に放出した!


ゴホッ!ゴホッ!ゲホ!涙と鼻水と涎に加え俺の大量の精液で顔がベトベトになっているしのぶちゃん…


でもまだマミの責めは続いている…しのぶちゃんの割れ目に突っ込む玩具を持つ手の動きは速さを増す…


『あっ!あっ!あっ!イグ!イグ!ダメ!もうダメ!あっ!あっ!』


トドメに俺はしのぶちゃんの割れ目の突起物を指でコネる。



『あぁぁぁっ!し~君ダメ!すぐイッちゃう!あぁぁぁっ!』


そう言うと同時にしのぶちゃんの割れ目から液体が勢いよく出た!


プシャーーー!


『あぁぁぁぁぁぁぁっ!あっ!あっ!』


フローリングの床はビシャビシャ…それでもマミの責めは終わらない。


しのぶちゃんは力なくうつ伏せに倒れているが、やがてまたマミの責めに体を預けイキ責めに耐える…


俺のモノもまた固くなりつつあった。

No.198

膝をついた状態でうつ伏せになっているので、尻を突き出した形になり割れ目と肛門は丸出しだ…その割れ目にはまだ極太の玩具が鈍い音をたてながら刺さったまま。俺はマミと替わり、玩具でしのぶちゃんを弄んだ…

指で突起物をコネながら玩具を激しく出し入れする…


『あぁぁぁっ!し~君ダメ!イグ!イクイクイクイク!あっあっ!おおおぉぉ!』


再びしのぶちゃんの割れ目から大量の液体が溢れだす…


【マミばかり何度もイッてずるいな~!私も気持ちよくしてよ…】


そう言うとマミは、うつ伏せになるしのぶちゃんの顔の前に足を広げ座った…


【いつものように舐めて…】


もうなすがままのしのぶちゃんは、言う通りにマミの割れ目を舌で愛撫する…


俺はそんな二人の姿を見ているとたまらなくなった…

No.199

しのぶちゃんの割れ目に刺さっている極太の玩具を無造作に引き抜き、固く太く怒張した自分のモノをしのぶちゃんの割れ目にねじ込んだ…


『はぁぁぁ~~!あっ!あっ!あっ!』


興奮度最高潮の俺は、直後から突きまくる!
もうすでに爆発寸前…
パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!
という、肉が肉を打つ音が薄暗い早に響く…


『あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!イグ!イグ!イク!あっあぉぉぉ!』


「くっ!俺もだ!イクよ!」


【あっ!あっ!私も!もうすぐ!しのぶもっと舐めて!】


しのぶちゃんはマミの割れ目を舐める激しさを増した。


ズッ!ズッ!ズルルル!チュッ!チュッ!


パン!パン!パン!パン!パン!



3人の音と歓喜の声が入り交じる…

もうすぐ終わる…


「イクぞ!」


『イイ!イッて!私もイク!』


【あぁぁ!私も!し~君ちょうだい!】


「よし、イクぞ!」


俺は力一杯しのぶちゃんを突いた!
そして頂点…


「マミ!イクぞ!」


【来て!】


「クッ!」


という断末魔を残し、素早くしのぶちゃんの割れ目からモノを引き抜きマミの前に立ちモノを数回シゴク…

2回目だというのに大量の精液がマミの顔面や胸にかかる…


≪あぁぁぁぁぁぁ…≫


3人はほぼ同時イッた…

No.200

頭の中が痺れるような感覚…物凄い快感の波…

俺は征服感のあるsexに目覚め、しのぶちゃんは耐えるsexに快感を覚え、マミはしのぶちゃんに対し強い征服感を抱くようになった…


この日以降、毎日の様にここで体を貪り続けている。重度の麻薬患者の様に…

No.201

sex漬けの日々が2ヶ月ほど続いた夏の終わりの頃、突然将来の事を考え始めた…これといった理由もないが、この、バイト帰りにsex、休みの日は朝から晩までsex…という毎日に流石に飽きたのか、まともな事を考えるようになった。


正社員として働こう。


就職活動を始め、間も無くとある鞄の卸問屋に入社し、営業マンとして働く事になった。

No.202

頻度は下がったが、週に一二度の軽いsexは続けている。止めようにも体に染み付いたアノ感覚が中毒から抜け出させてくれない…


新しい職場の鞄の卸問屋は浅草橋にある。
面接の時は気にならなかったが、ここの社長はかなりの曲者で、在籍期間中苦労が絶えなかった…
まぁ、それはそれで一つの出会いなんでしょうが…


別途貰えるはずの交通費は給料に込みになっており、夜な夜な社員のロッカーを開け私物チェック…営業マンになる前のデリバリー研修は1ヶ月で終了するはずが、言った覚えがないと4ヶ月程デリバリー…やっと営業マンになったが研修期間は営業手当は無し…

そんな中、事件が起きた。

No.203

あるバレンタインデーに敦子に会い、チョコレートを貰い軽い食事をおごってもらった。ホワイトデーに会社で扱っているリュックをプレゼントしようと思っていた。


ホワイトデー前日、俺は社販でリュックを買おうと、昼休みに会社近くの銀行に向かおうとした。


すると…


【花山君、ちょっとこれ手伝ってくれない?】


そう言われると俺は…


「社販でリュックを買いたいので、これから銀行に行きたいのですが…」


と、やんわり断ろうとした…
が…


【すぐ終わるから。】


と言って大量のポーチが入った段ボール箱5ケースを俺の前に持ってきて、中身のポーチの〈made in Korea〉を綺麗に剥がすよう命じられた…


これはすぐ終わるどころか、残業する勢いになってきた…

No.204

銀行が閉店する時間になっても終わりそうになく、社長も出かけている様子なので俺は化粧箱にリュックを入れ、近くのコンビニに持っていき宅急便の手配をした。

しかし、それを社長に見られていたようだ…


午後7時過ぎに剥がし作業を終えた頃…


【花山君、ちょっといいかな?】


と、社長に声をかけられた。


また何か用事を頼まれるのか?
等と思いながら事務所に向かう。


【これなんだけど…】


目の前に出されたのは宅急便の控えのコピー。


続けて…


【これお金払った?】


払っていない…


「いや、でもそれは…」


言いたいことは沢山ある。しかしそれを許さない社長は、俺の言おうとする理由に被せるように矢継ぎ早にまくし立てる。


【お金を下ろせようがなかろうが、時間があろうとなかろうと、結果はひとつ、あなたは金も払わずに会社の商品を私的に送ろうとした。これどう思う?】


どうにもならない状況…


「でもそれは…」


【でももへったくれもない!事実はひとつしかないんだよ!花山君!】


クビか…


【とりあえず明日は来なくて良い。社内会議で決めて明後日の朝に連絡する。】


結果はどうなろうとこの会社を辞める決意をした。

No.205

自分のしたことを正当化するつもりはないが、ひどい会社だと思った…


翌朝予告通り家に電話が着た。結果は面白いほど予想通りだった…

当時の上司は…


【花山君はそんなことするような奴じゃないと思ってるよ。】


「だったらなんで庇ってくれなかったんですか?」


恨めしそうな声で言った。


【俺には家族いるし生活もあるし…】


なるほど、ちゃんとした大人は長いものに巻かれながらもそうやって家族や生活を守っているんだな…
そんなこと思うと将来に少し失望した…反面、綺麗事じゃ生きていけないと、一つ勉強になった。


その後俺は会社に対し、異議を唱えず素直に従い去った…

No.206

バブル時代…


求人雑誌は分厚く、履歴書を送れば即採用されそうな勢い…
でも俺は、慎重に次の会社を選んだ。
4つの会社に絞り、業種も地域もこれまでと同じような所で、繊維問屋で人形町、堀留町、馬喰町界隈にした…最終的に馬喰町のタオル問屋か生地問屋に絞った。
先にタオル問屋から内定をもらい自分の意思を3月28日までに返事をしてほしいと言われた。しかし生地問屋からは3月30日じゃないと返事が出せないと言われ困った…
自分としてはどちらからも返事をもらってから返事をしたいと思い、その旨をタオル問屋の採用責任者の営業部長に伝えた。


【君自身の事だから、こちらは待ちますよ。】


と言っていただいた。
俺は生地問屋からも内定をいただいても、タオル問屋に入社することを決めた。

No.207

4月2日…


「おはようございます!花山と申します!今日からお世話になります!よろしくお願いいたします!」


新卒の新人より1日遅れでの入社挨拶。
無事にタオル問屋(スダタオル)に入社出来た。しかも年齢が22ということで大卒扱いの待遇での採用。鞄屋での退職の経緯等も全て話し、俺的にはマイナスイメージかと思っており、入社した事自体ラッキーだったが、まさかの待遇に、この会社を最後にしようと決めた…


3日間の社内での研修と商品センターでの研修を終え、営業職採用の俺は先輩社員(布和さん)と同行しながら営業の実践研修に出かけた。


配属部署の担当先は全て百貨店…いわゆるデパートである。
俺にはきらびやかなイメージしかないデパートだが、説明を聞き実際に中身を見ると理想と現実のギャップに驚いた…


でも、そのギャップの中に驚くような出会いがあった…
この出会いが俺の人生を大きく左右するなんて、この時は微塵にも思っていなかった…

No.208

同行初日は布和さんも俺と話したかったのか?または俺の緊張を和らげてくれるためにそうしてくれたのか?昼前から出かけた割には、何軒かある得意先のうち、1軒のみにとどまった…


昼飯をご馳走になり、お茶をしながら色んな質問に答え、色んな話をした…


布和さん自身、高校野球経験者で名門の習○野野球部出身者だ…とはいえ、布和さんの時代は不作の年だったらしく、地区予選も4回戦が最高だったらしい。


そんなこんなで初日が終わった。
普段は営業に出たら殆ど直帰だが、この日は俺と、俺より1日早く入社した同期の歓迎会を予定していただいており、会社近くの居酒屋に戻った…


とても感じの良い雰囲気…長く続けられそうに思えた。

No.209

翌日も布和さんと同行。


この日は布和さんのド定番コース。まずは千葉県船橋市にある百貨店。
建物の裏手の社員通用口から入店許可証を見せ、鞄から出したそこの百貨店のロゴが入ったバッジを付け入店する。俺は入店者名簿に名前を記入して取引先バッジを付け入店した。


この一連の流れは前職でも経験があるので滞りなくこなす。布和さんもちょっと頼もしく思えたらしく誉められた。何気ないことだけど嬉しく思った…


5階でエレベーターを降り、薄暗い通路を抜けると売場のバックヤードに出る。
自社商品の在庫が置かれているスチール棚に私物を置き売場に入る。
売場の責任者らしき男性と名刺交換、リーダー格の女性社員に名刺を渡す。そして自社で派遣している、いわゆるマネキンさんへ挨拶。少し売場をウロウロして同業他社の営業さんを見つけ挨拶。その後、売場で自社商品を紹介され、機能、用途、売価、ブランド等の説明をしていただいた。


一つ一つメモをする…覚えることが沢山有るが、やり甲斐のある仕事。
この場には2時間程いたろうか…中身の濃い話をいただいたのであっという間だった。


再び電車に乗り千葉へと向かった。


No.210

千葉に着く。


とりあえず昼飯…布和さん行き付けの蕎麦屋があるようで、そこでご馳走になる。
けやきという名前の店。体して高くはないがそこそこの量。
腹八分目、残りは喫茶店のアイスコーヒーで満たす。
一服の後、次の客先へと向かう。


どこの百貨店も同じような入店手続き…この百貨店、○越も同様。
社員用エレベーターで6階まで上がり、バックヤードへ…布和さんに対し挨拶をする女性社員いわゆるデパガ…
売場に出て一通り挨拶をする。そして一連の流れでこの売場の仕組みの説明を受ける。

一段落ついたところで、布和さんがキョロキョロし始め、誰かを探している。


「どうしました?誰か探してます?」


【うん、うちの発注担当さんなんだけど…】


「うちの?ですか?マネキンさんじゃなくて?」


【そう、ツッチー…土田さんて娘なんだけどさ…飯かな?いつも遅いし。】


「そうですか。じゃあ少し売場をウロウロしてきます。」


そう言ってバックヤードを出ようとした時、俺の後ろの社員用エレベーターが開いた…


【あ!ツッチー毎度!】


【あら布和さん来てたの?】


俺の背後でそんな会話が聞こえた。


振り向いて、ツッチーの顔を見た…その瞬間、物凄い衝撃が俺を貫いた!


なんとそこには数ヵ月前まで飽きるほどsexしまくっていたしのぶちゃんがいた!でもよく考えると、やりまくっていた時しのぶちゃんは高校1年生…この時点でここにいるはずがない…名前も違うし…


なんた事を考えながら、呆然と突っ立っていると…


【こら花山、ツッチーに見とれてないで挨拶しろ!】


「あ、はい!えっと、スダの花山です。」


【土田です。】


この時、何の根拠もないが、もしかしたらこの子と結婚するかも…と思った。


【まだ入社間もないから、ここ担当になるか分からないけど、たまに顔を出させるので宜しく。】


担当になるか分からないけど…という言葉に不思議と不安感はなかった。それよりこの子と結婚するかも…という予感の方が大きかった。

No.211

それから何度か布和さんと同行を繰返し、4月下旬に人事異と同じタイミングで正式な配属先と担当先が決まった。


俺のメインの担当先は、これまで布和さんと何度か行った船橋○武と千葉○越となった。思わず頭の中でガッツポーズ…


当時の会社の勤務態形は、平日1日と日曜日…土曜日はフレックスで会社に出社せずに最低5時間勤務…である。
○武と○越を比べると○越の方が数字も大きくメインであることから、○越のて定休日に合わせて火曜日を指定休にした。


一人で営業に出るようになり、○武の売場も○越の売場も大分慣れてきた。
売場もそうだが外商、県内各地にあるギフトショップの仕事にも余裕が出てきた。


お中元の特設コーナーも縮小になる7月下旬、○越の売場に出入りしている仲良くなった同業他社の営業さんが言い出しっぺで、売場の社員さん達とお中元お疲れ様会をすることになった…


勿論そこにはツッチーも参加する。

No.212

訂正…平日1日と日曜日→平日1日と日曜日休み。

No.213

訂正…4月下旬の人事異→4月下旬の人事異動

No.214

お疲れ様会とはいえ、特に形式ばったものではなく、仕事帰りにちょっと寄り道レベル。先に問屋数名が店に入り、ある程度の人数分の席を確保した。


店内の残務処理等を終え一人また一人店に入る…ラーメン屋さんだが餃子が美味いと評判の店。
全部で10名程集まり雪崩式に乾杯。


そこそこ飲み食いしてると、あちこち席を移動し始める…俺はそのタイミングでトイレに行く。


トイレから戻ると、俺の席の隣にツッチーが座っている。
若干のドキドキを抑えながら…


「ツッチーお疲れ様!」


【あ、お疲れ様でーす!】


というお決まりの挨拶から、普段の仕事の事や、趣味だのなんだのとこれまたお決まりの会話…

そこへ…

ツッチーと同期で一番の仲良しの秋山さん、通称「アッキー」が会話に入ってきた…

【何々なに~?仲良さそうじゃん!ツッチー彼氏に言っちゃうよ!】

な、何ぃ~~!?彼氏ぃ~~!?

一気にテンションが下がったが、そこは平静を装って…


「へぇ~…彼氏いるんだ~」


と、精一杯の普通の声。


【そーそー、地下の受け渡しのトミウラ運輸の佐竹さん、あれ?花山さん知らなかった?】


「いや、知らなかったっすよ~…」


ほぼ感情の入っていない声で、精一杯明るく言う…そして続けて…


「でも、ほぼ毎日会えるからいいじゃないっすか?」


等と言ってみた。


【このところ会ってないよ。それにもう別れているようなもんだし…】


【え?ツッチーそうなの?】


【そうだよ、向こうは向こうで路線便に異動になったみたいだし、たまに本館の受け渡しで見かけるけど、最近声もかけないしかけられないし。】


【あ、そうなんだ~…じゃあ、花山さん狙っちゃいなよ!】


アッキーにけしかけられる…


「いや~…ははは!」


愛想笑いでその場を切り抜けるが喜んでいいのやらなんなのやら、お茶を濁しつつやり過ごした…


とりあえず割勘だが、同じ額を客から取ることは出来ず、ちょうどいいバランスで全員が支払った。俺はそれを取り纏め支払いをしにレジへ向かった。

No.215

会計をしている最中、皆外に出て…


【次どこ行く?カラオケ行く?】


等と話しながら歩き始めていた。


会計を済ませた俺は皆を追いかける様に後を追った…


が…ツッチーがいない。


キョロキョロしながら何気に振り返ると、店から出てくるツッチーが見えた。


「土田さん、どうしました?」


【ちょっとトイレ行ってた。】


「あ、そうすか。ところで、皆次行くって言ってますがどうします?」


【うーん、私はいいや…お母さんが成東駅に迎えに来てくれるんだけど、また連絡してお迎えの時間変えてもらうの面倒だし…明日休みなんだけどね。】


「あ、そうすか…とりあえず俺は少し付き合ってきます。」


【いってらっしゃい!帰りは気をつけて~…】


一瞬、何となく寂しそうな表情したのを見逃さなかった。


「改札まで送りますよ。」


【いいって、いいって】


「いやいや、送らせてください。」


【ごめんね、何か気を使わせたね…】


「そんなこと無いっすよ、俺がそうしたかっただけですから、気を使わないで下さい。」


顔は似ているが、そんな言動はやはり社会人の土田さん。その日を境にしのぶちゃんと比べることは無くなった。

No.216

今回のお疲れ様会の言い出しっぺである、同業他社、ライバル会社の竹田さんに次の店を聞いて土田さんと歩き始めた。


「土田さんは成東まで行くって事ですが、家はどこなんすか?」


【九十九里だよ。駅まで遠くて車がないと生活できないよ…】


「九十九里すかぁ~…暫く行ってないな~…俺海大好きなんすよ、車出すから今度案内してもらいたいっすね。」


【何もないけど、いいよ~】


何気なく言ったお誘いの言葉に、社交辞令でも乗っかってくれた…このチャンスは逃せないと思い、更に被せた。


「じゃあ、土曜仕事でタイミング合えば仕事終わりにドライブします?」


【え?あ、いいですよ。】


一瞬戸惑ったように見えたが、良い返事をもらえた。

No.217

この日は金曜日、千葉駅前から構内にかけて多くの人でごった返していた…


【ここでいいですよ。】


「じゃあ、すみません…お疲れ様です。お休みなさい…」


【じゃあまた…】


そう言ってお互いに手を振り別れた。


何気に引っ掛かる、じゃあまた…
ツッチーは明日休みだけど、来週また顔を合わすのに…まぁ、その意味での、じゃあまた…なのか?


まぁ、難しく考えることは無い。ただの挨拶としての、じゃあまた…なんだと思いその場を後にして皆と合流した。

No.218

「毎度!おはようございます!昨日はお疲れした!」


そう言いながら俺は○越の売場へ入り昨夜一緒だった社員達に挨拶をした。


【あら、花山さん早いね~!】


「そうなんすよ、今日は午後から用があるので早上がりしたくて、フレックス利用して朝イチから来ました。」


【え~?それってツッチーとお出かけ?】


「いやいや、なんでそうなるんすか?草野球の審判講習です。」


【な~んだ、つまんない…】


アッキーとそんな会話をしていると、売場の電話が鳴る…

No.219

素早くアッキーが電話に出る…


【はい、6階タオル秋山です。あ、ツッチー?どうした?え?花山さん?来てるけど…代わる?ちょっと待って。】


隣にいる俺を、受話器を持ち、土田さんと話しながらニヤニヤと見る秋山さんに対し、どう言ったらいいか、何の言い訳も見つからない状態だった。

No.220

「おはようございます!お電話代わりましたスダの花山です!」


受話器の向こうで少し弾んだ声で土田さんが話し出す。


【あ、花山さんおはようございます!土田です。】


「おはようございます。どうしました?」


【え?あ、今日どうします?どこに行けばいいですか?】


お互い狐につままれた感じで、一瞬会話が止まった…


俺は昨夜の話の、九十九里を案内してもらいたいと言った事を思い出した…
ただ、土曜の仕事終わりに…とは言ったが、いつとは言っていなく、チャンスがあれば本気で誘うつもりだった…ただ、この日だけはどうしても無理だった…


「あ、ごめんなさい…今日は午後から草野球の審判の講習会があって…すみません、言いっ放しで…」


【あ!あぁ…いやいや、こっちこそ早とちりしました!ごめんなさい…】


このチャンスは逃せない…俺は咄嗟に…


「火曜日休みですよね?朝からどっか行きません?」


【あ、いや、7月は繁忙期で隔週休みだから出勤なんです…】


「いや、いいですよ!仕事終わりに迎えに来ますよ!」


【でも悪いし…】


「そんなこと無いっすよ!そうさせてください!」


【じゃあ、分かりました。】


「土田さんの時間に合わせて来ますから、時間教えてください。」


【ちょっと遅いですよ…遅番だし…】


「構いません。」


【何もなければ7時半には上がれます。】


「分かりました!じゃあ今度こそ!」


そう言って電話を切った。


横で見ていた秋山さんがニヤつきながらその場を離れようとしたので、俺は人差し指を口に当て、シーをすると秋山さんはちょこっと頷いてバックヤードへ消えた。


No.221

冷静になって考えた…


いわゆる得意先様、お客様だ…変なことも出来ないし粗相も出来ない…いいのか?誘っちゃって?

なんて事を考えながら、あっという間に火曜日を迎えた。


どうするか?いきなりだから変な雰囲気にもならんでしょうが、もし、万が一、そんな事になったのならば、大人のたしなみとしてはやっぱりゴムは必要…?いや、ここはあえて持たず、最初っからそんな事をするつもりなんて全く無い…という事をアピールするか?てか、そんな事はどうでも良い。持ってようが無かろうが分からないんだから、そうなったらその時の判断かそうならないように仕向ける…


そんな事を考えているうちに、○越近くの待ち合わせ場所に着いた。


30分前…


夕方に降った雨も上がり蒸し暑くなってきた…車のエアコンを付け、いつ土田さんが来ても涼しい状態にして準備した。

No.222

7時半…とりあえずまだ来ない…


5分、10分と過ぎるが通用口からはまだ来ない…


その時…


通用口から制服姿の土田さんが走ってきた。
俺は車を降りて…


「どうしました?」


と、声をかけた。


【ちょっと終わらない仕事があって…あと15分くらいで来ます。】


息を弾ませながら言う。


「大丈夫ですよ。待ってます。」


【すみません…】


と、言い残して戻っていった。


それから20分程して通用口から土田さんが出てきた。


【お待たせしました。ごめんなさい…】


「いやいや、大丈夫ですよ!乗ってください。」


【失礼しま~す。あ、涼しい!】


そう言いながら助手席に座った。

No.223

「途中で何か食べて行きましょう。お腹減ったでしょ?」


そう言いながら車を出した。


【あの、途中でご飯も良いんですけど、これ食べます?地下の豚カツ屋さんが、さっきキザエモンの前で売ってた。】
※キザエモン…○越の社員食堂の事。


それは大ぶりなメンチカツだった。


「あ、美味そう!いいんすか?」


【どうぞどうぞ!ソースかけますね。】



土田さんは添付の小袋ソースをかけ、白い紙小袋に入ったメンチカツを俺に手渡した。


「有り難う。美味そうだね!」


【ここの美味しいんですよね!】


そんな会話をしながら海に向かう。
俺のイメージでは、九十九里浜はかなり遠いイメージ…少し時間が気になった。


そんな心配をよそに、土田さんが口火を切った…


【花山さんは彼女さんとかいるんですか?】


「え?あ、今はいないよ。ちょっと間てまではそんなような人がいた…」


【へえ~…】


自分からそんな質問を振った割に薄い反応。


「じゃあ、土田さんは?」


という俺の質問に…


【う~ん…】


と言って黙ってしまった。

No.224

暫くの沈黙の後に、若干重たそうな口を開いた…


【アッキーから聞いたでしょ?受け渡しの人の事。】


「あ、うん…」


やや気まずい雰囲気。


【もう随分会ってないんだ…それに他の売場の同期の子からも変な噂聞いていて、今更それが本当でも嘘でもどっちでもいいけど…】


「噂?」


【うん、ドライバー仲間の女の子と付き合ってるらしい…まぁ、付き合ってなくてもいいんだけどね…大分冷めちゃったし。】


「そうか、まぁ、今日はもういいでしょ…せっかくのドライブだし。」


【あ、すみません…そうですね!】


それからごく普通のプライベートの話に集中した。


趣味から家族の事、付き合った人間の事、恋愛観、仕事の事、ちょっと下ネタ…かなり掘り下げて話した…こんなに自分の事を話したのはいつ以来か?てか、そんな話をした奴なんていたか?ってぐらい話した。


東金有料道路を経由して東金市内を抜け、九十九里浜まで1時間弱…予想より遥かに早い。

学校は夏休みだが平日だけあって、ここ九十九里片貝海岸は誰もいない…俺は海の家の駐車場に車を停め、近くの自販機でコーラを2本買ってきた。


「はい、どうぞ。」


【すみません、有り難うございます。】


「いえいえ、それにしても結構色々話したね。楽しかったよ!」


【そうですね!見た目と違う一面も見れましたし。】


「違う一面って…なんすか?」


【ははは!その内言います!】


土田さんがチラッと時計を見た…

No.225

「時間、大丈夫ですか?」


【え?あ、うん…もうそろそろかな…うち門限があって、11時には帰らないと、お父さんに怒られるし…】


「マジ?残業や職場の飲み会でも?」


【あまりイイ顔はしないけど、ちゃんと説明すれば、渋々許してくれるかな…】


「そうか、じゃあそろそろ帰らないとだね…」


時計を見ると10時半近い。


「ここから家までどのくらい?」


【20分くらいかな?】


「マジ?じゃあ急がなくちゃ!」


【すみません…】


俺は急いで東金市内へと向かった。

No.226

【ここでいいです。】


人気が無く既に閉店している小さな雑貨店の駐車場に車を停めた。


「ここで大丈夫なんですか?家の前まで送りますよ。」


恐らくこの場所からすぐ近くなんだろうけど、あまりにも寂しい場所に、別れた後が心配になった。


【いや、本当にここでいいです。】


頑なに言う土田さんに、これ以上は言うなオーラを感じ…


「分かりました。じゃあ、ここで…」


【すみません、有り難うございます。】


そう言って土田さんは車を降りた。


「じゃあ、お休みなさい。」


運転席の窓を開け、土田さんに声をかけた車を出そうとした時…


【あの、また誘ったもらえますか?】


「あ、はい!喜んで!お盆休みにでも!」


【うん、待ってます!】


「それじゃまた明日!お休みなさい!」


【お休みなさい。】


そう言葉を交わし、俺は車を出した。

No.227

226…の文中。

「車の窓を開け、土田さんに…」

の部分。

「車の窓を開け、土田さんに声をかけ車を出そうとした時、土田さんから声をかけられた…」

に訂正。

No.228

それから数日後…


いつものように○越の社員用のエレベーターを降り、バックヤードに入るとすぐ右に事務机が1つ…そこには土田さんが何か事務仕事をしている様子だった。


「毎度~…」


【あ、毎度~!】


いつものように明るい声がかえってきた。


「何してるんですか?」


【ちょうどイイところに来てくれました。】


周りを伺うように続けて言う。


【花山さんの会社は夏の連休って8月の13~17でしたよね?】


「はい、そうっすね…どうかしました?」


【この間、お盆休みあたりに出かけようって話してたじゃないですか?それなんですけど、私、13~17は全部仕事なんです…この期間、タオルで2人連休取っちゃうから、ちょっと取れそうになくて…休みも12と18なんですよ…ごめんなさい…】


「いやいや、イイっすよ!そんなん気にしないで…じゃあ、連休明けで最初の定休日はいつですか?そこにしましょうよ。俺も指定休だし。」


【えっと、26ですけど大丈夫ですか?】


「イイっすよ!大丈夫です!場所はどこがイイですか?」


【どこでもイイですよ!お任せします。】


「分かりました。考えておきますね!」


そう言って土田さんは売場へ行き、俺はバックヤードで仕事を始めた…


土田さんのしっかりした性格に少し怖さを感じた…恐らく結婚するって予感はそのまま変わらないが慎重に見極めないといかんという気持ちが大きくなった…

No.229

今思えば、何もお盆休み期間に会わなくても、その前でも1~2回は同じ日に休みってのが何回かあったはず…まぁ、この時点では特に付き合っている訳ではないから、無理に会う必要もないんでしょうが…


夏の名入れタオルやお盆前の出荷も終わり、俺はお盆休みに入った。


特に何もすることがないので、久々にしのぶちゃんとマミの顔を見に行った…


店に入ると2人はいた。部活も連休だそうでバイトに励んでいた。


注文を取りに来たマミが…


【あ、し~君久し振り!仕事どう?】


「まぁ、そこそこ…」


【あれぇ~?し~君雰囲気変わったね…何か少し大人っぽくなった。彼女でも出来た?最近遊びにも来ないし…】


女の勘は鋭いね…

No.230

「彼女とまではいかないけど、そんな感じの人は出来たかも…」



【マジで?しのぶ泣くよ~…】



「泣かねえよ。」


【まぁね…私といるときなんかベタベタだもん。お仕置きのしがいありありだよ!】


「へえ~面白そうじゃん。」


【今夜久し振りに遊ぶ?】


「イイねえ~!」

No.231

その夜、俺達3人は一睡もせずに互いの体を貪った…


3人で軽く朝食を済ませ横になりながらテレビを観ていた…俺は少し眠った。


1~2時間眠ったか?俺は自分のモノのムズムズ感で目を覚ました


【あ、し~君おはよう。】


俺のモノをクワエながら微笑むマミがいた。


あまりの気持ちよさにそのまま果てた。


シャワーを浴びマンションを出た。


出がけに2人から…


【たまには遊びに来てね…】


と言われたが、その言葉の裏には別れの挨拶が含まれている気がした。遊ぼうと思えば遊べるんだろうけど、俺はフェードアウトすることにした。


「うん、またね…」


そう言って、家に帰った。

No.232

このお盆休みは特に予定もなく、ただ好き勝手に過ごしていた。
唯一1日かけた用事は、土田さんと行くドライブの検討…
どうせ行くなら多少遠出しようと考え、前の晩にあれやこれや考えた。

南房総…いや、ここはもうイイでしょう。それにネイティブ千葉県民に千葉をドライブしても仕方ない。江の島…勝手な思い込みだが、土田さんのイメージじゃない。車ではあまり行ったことがないが、伊豆…そう、伊豆に行ってみよう!そう考え伊豆に行くことに決めた。


翌朝早く俺は伊豆に向けて車を走らせた。

No.233

以前、一般道で四国まで行った時の道を思い出し、明け方に家を出て日本橋から国道1号線で西に向かった。
戸塚から国道1号を離れ、海方面へ向かう。大船、鎌倉を抜けて海岸沿いの道へと入る。世間的にお盆休みなので午前7時過ぎ頃にも関わらず、既に渋滞が始まっている…
サーファー達を横目に江の島方面へ走る。
江の島を通過…過去の色んな事を思い出しながら通り過ぎ、小田原方面へ…

伊豆半島へ入る早川口に着く。
ゆっくり色々見たいので一般道を選択。

東伊豆の街並み観光スポット、絶景ポイントなんかを見て回り、当日のコースを考えた。ちょっと目立ったのは通り沿いにあるラブホテル…初めてのドライブなので、とりあえず値段は確認しつつも予定からは外した…

No.234

とりあえず一人なので、観光スポットは通り過ぎるだけにして、干物屋さんや道の駅(当時は大きめのドライブイン) に立ち寄りお土産を買い、食事を楽しんだ。


帰り道、頭の中で予算立てをしながらコースを作った。



No.235

色々見て歩き、計画を練る。
ドライブの計画は、とりあえず完璧だが、口説き落とす…ということに関しては計画通りにはいかないのが当たり前…そこは行き当たりばったりかな…


そんなことを考えながら家路につく…

No.236

お盆休みが明け、いつもの日常に戻る…
俺はいつも通りの営業活動。

○越に行く…この日、土田さんは休み。知ってはいるが、何気にテンションが下がる。

土田さんのシフトを確認すると、今日(18日)は休み。明日出勤して明後日から盆休み5連休。連休明けの月曜に出勤して翌日は定休日…といった感じ。この定休日にお出掛け。明日から金曜まではすれ違いで、会おうと思えば土日のどちらかに会える…でもまだ付き合っているわけでもないし、まだ電話番号も知らないのでこちらから連絡は取れない…また土曜に売り場に電話が来るのを待つか?いやいや、電話ありきで仕事してもしょうがないし…とりあえず、次の月曜に話をしよう…

そんなことを考えながら売場のシフト表とにらめっこをしていた…

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