『私に気づいて…』

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2011/06/20 01:28(更新日時)

24歳の私が書く、初めての小説です。


完全な素人ですので表現力不足などはご了承ください。


フィクションですが、内容に不快を感じる方はスルーしてください。


多くの方々に読んでもらい、いつか読者様による感想スレ立ち上げてくれたら嬉しいな…





🍀プロローグ


2010年12月15日(水)…

午後2時…


こんな時間まで何かをすることもなく、ただ起きているだけの私…


洗濯物は3日に一度くらい。彼氏の作業着は夜中にやる。今日の朝9時くらいに干したけど、終わったらまた布団の中に潜る。


暖房使うと電気代もったいないから布団から抜け出せない。


最近は外に出ない…というより、出れない。出たくない。


いつからだろう…




誰とも会いたくないんだ…

No.1485902 (スレ作成日時)

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No.201

その男…


今の私にはあまり記憶にないくらいの男だった…。




名前は確か…克樹?だったと思う。



細身で175センチ前後の、ケンカッ早そうな人。



なんか髪の毛の左の襟足に妙に長いエクステ1本つけている、変なヤツ…超ださい。


でも克樹はそれは自分なりに超オシャレと思っていたのか…外そうとはしなかった。



克樹はB型みたいだったが、まさに典型的なB型人間の本性を発揮していた。



私はさんざん克樹に振り回された。

No.202

真治とはメールで別れを告げた。真治は『???』な気持ちだったろう…。あまり別れに理解をしてくれなかった。






季節も秋に近づいていた。



クラスには私と克樹が付き合っていることがすぐに広まった。



だって克樹がクラスの中で手を繋いできたりするんだもん…





でも私はイヤだった…


いろんな人のいる前でイチャイチャしたりするのが嫌いだった。私は克樹を煙たがっていた。

No.203

私は警視庁第Ⅲ課と、埼玉県警第Ⅲ課、それに皇宮護衛官とあと何かを受験した。


どれも身長規定があった。



一次試験のペーパーテストは簡単に感じ、自分でも通ると思っていた。



しかしそれが仇になった。



ペーパーテスト後には身長、体重測定があった。



飛び抜けて低身長な私…身長を測られ、測定者が何やら私の氏名と住所を別の紙に書いていた。



私の前に並んでいた170センチはありそうな女の子はそんなことさせられていなかった。




私は(落ちたな…)と悟った。




やはり後日、不合格通知が届いた。




わたしは婦人警察官を諦めた。

No.204

一方、克樹の方も受からなかったらしい。


克樹の家計は父、兄2人とも警察官だった。



そんな家計の克樹はコネかなにかで警察官になれるものだと思っていたが不合格になり、克樹も道を見失っていた。





私はとりあえず何かバイトでもしようと前向きに過ごしていた。




駅近くにあるパチンコ屋でのバイトを選んだ。昔、ファミレスをしていた近所だった。

No.205

🍀第3章🍀 【フリーター時代】



パチンコのバイトを始めたのはちょうど10月の後半あたり。



早番、遅番をこなす、週5で出勤した。



時給もそれなりに高く、ファミレスのときと比べ物にならない給料に胸が踊った。



バイトを始めて1ヶ月も過ぎたら常連の客の顔もわかってきた。



克樹の方は…派遣でバイトをしていたが、私の給料にはかなわなく、そのうち私が金を出す機会が増えていった。



正直、付き合ってるのがめんどくさく感じてきた。

No.206

年も明け、1月になった。


そのあたりからかな…わたしは1人の常連客に惹かれていった。



いつも遅番の時間帯に来る、ニッカをはいた作業着姿で頭には白いタオルを巻いている若そうな兄ちゃん。

その兄ちゃんはいつもニコニコしていた…。



その笑顔に私は堕ちていったのかもしれない…。



兄ちゃんは勝っても負けてもニコニコしていた。



でも連日のように勝っていた。ときにはスロットで万枚を2日続けて出していったから、バイトスタッフでは有名な客だった。当時は吉宗、アラジン、大花火などの華の4号機がまだあった時代だ。




そんな中、克樹が私を旅行に誘った。といっても料金は半々で出すのだが…。ユニバーサルすたじおジャパンへ一泊2日の旅のプランを組んだ。日程は2月の半ば…。

正直、かなり行きたくなかった。

No.207

途端に、白いタオルを巻いた兄ちゃんは店に来なくなった。


それが1ヶ月弱続いた。



…2月上旬になり、ひょっこり兄ちゃんはまた店に来てくれた。



他のスタッフが兄ちゃんに聞いたところ、兄ちゃんの車が盗難されて大変だったらしい…。






私はまた兄ちゃんのニコニコの笑顔に酔いしれていた。




そんなある日、わたしは早番を終え、帰宅しようと店の前を通りすぎようとしたら兄ちゃんが現れた。





……目があった。




しかしそのまま兄ちゃんは店の奥へと消えていった…。

No.208

他の早番を終えたバイトの男の子と一緒に帰宅しようとしていたのだが、わたしはたまらなく兄ちゃんに近づきたいと思い、その男の子に頼んで店の奥に行った兄ちゃんを店の正面へ呼んでもらった。




兄ちゃんは『?』な表情をしていた。







私は顔が赤くなり、下を向きながら声を出した。



「……あの…

…いま彼女いますか?」




「彼女?いないよ😓」




「本当ですか⁉…ケータイの番号交換してほしいんですけど❗😣」



「いいよ😄」





私は胸が高鳴った。





店の中にいたスタッフが私たちのやりとりを始終眺めていた…ニヤニヤしているのがわかった。




本当は客との接近なんてタブーなのだがスタッフは暗黙の了解をしてくれた。







私には克樹がいたが、もはやそれどころではなかった。



克樹とは別れようっと心に決めた。

No.209

番号を交換し終え、高鳴る胸をおさえて私は急いで帰宅した。




兄ちゃんは今ごろパチンコに夢中だろう…。




でも私は兄ちゃんにすぐメールしてみた。




返信は…


意外にも早く返してくれた。





兄ちゃんは『パチンコの店員さんに番号聞かれて正直びっくりしたけど嬉しかった』とメールで返してくれた。




『本当は…


俺もキミのことが気になってたんだよね😄💦でも番号聞ける勇気がなくってさ(笑)自分の連絡先書いた紙をポケットにいつも入れてたけど(笑)』






兄ちゃんと私は、お互いにひかれあっていたのだった…。








私は克樹にメールを送った。

『別れたい』と…。

克樹はすんなり承諾してくれた。




ユニバーサルすたじおジャパンの旅行はキャンセルしなければならないが、それは克樹がやってくれるとのこと。

『戻ってくるお金はどうする?』と聞かれた。お互い半々で出した金だったからだ。

私は『いらない』と返事した。



そしたら
『ごちそうさまでーす。』

と返事が来た。





(なんだコイツ…)




克樹とは最初から最後までつかめないヤツだった。





それが克樹との最後の連絡になった。

No.210

白いタオルの兄ちゃん。


名前は和孝(カズノリ)。


歳は23歳。



見た目がすごく若く見えた兄ちゃんが私より4つも上な事に驚いた。せめて二十歳前後だろうと思っていたからだ。




165センチくらいですごく細身。いつも作業着を着ているのだが、もうちょい高く見えた。


でも大工さんをやってるから腕の筋肉などは素敵に見えた。







この人が将来、私の人生を大きく変える人物となる…。

No.211

私は兄ちゃんのことを【カズくん】と呼んだ。


兄ちゃんは私を【はるちゃん】と呼んだ。




カズくんは車を盗難されたと言っていたが、車内には今までパチンコで勝った金を置いといていたらしい…。



その額を聞いて私は驚いた。





600万円も。





嘘だろっと思ったが、カズくんは私の店の常連になる前のパチンコ屋で、あまりにも勝って帰るから出禁にされたらしい…。



確かに私の店でもほぼ勝って帰ってったから、にわかに信じられた。




でも盗難された車は買ったばかりの高級セダンで、まだたっぷりローンが残っていたらしい。



セキュリティも高価なやつを取り付けてあったらしいので保険には加入してなかったようだ。



よくそんな高級車買ったね~と何気なく言ったら、カズくんは自分の兄ちゃんと半々で購入したらしい。



盗難された車の前は、兄ちゃんとセルシオを買ったみたいだ。




しかしまだ買って数ヶ月だという…残りのローン額は怖くて聞けなかった。

No.212

カズくんと番号を交換して、数日後に一緒に遊んだ。


服を買いにショッピングに行った。



初めてカズくんの私服を見たが、やはり幼く見えた。



まだ会話もぎこちない2人だったが、ショッピングを満喫し、夜はファミレスで夕飯を食べた。




そのあと、わたしはカズくんに『付き合ってほしい』と言われた。




断る理由なんてなかった。




笑顔が可愛いし、ちゃんと仕事もしてる。容姿は二の次だから申し分ない男性だった。




これが2月7日のことだった。

No.213

それからの日々は楽しかった。



遅番のバイトならカズくんが客として来てくれるから自然に会えた。



バイトが楽しくて仕方なかった。




早番が終わればカズくんと一緒に夕飯を食べた。




カズくんは実家暮らしではないため、たまにカズくんちに夕飯を作りに行った。



そのうちに私はカズくんちへ転がり込むように住み着いた。




初めて一緒に寝た夜はカズくんは私に手を出さなかった。



いや…出しては来たが私は拒んだ。




生理だったしね(笑)

No.214

カズくんと初めて結ばれた夜は何とも言えなかった…。



「おれ…童貞なんだ…。ごめんね、初めてで😞」




私はびっくりした。





…いまどき童貞の23歳なんているんだ…。




確かにカズくんの動きはぎこちなく、果てるのも早かった。




私はそんなカズくんが可愛くてたまらなかった。



カズくん…純粋すぎ…❤

No.215

いつのまにか2人は同棲生活を始めた。



でもカズくんの家は違和感あるものばかりだった。




赤ちゃんものの食器や小さい靴など発見してしまった。




カズくんに恐る恐る聞くと、昔はこの家に家族と住んでたみたいで、兄ちゃん夫婦の子供のものがまだ残っているのだと言っていた。



少し前に両親は都内にマンションを購入し、兄ちゃん夫婦も出ていったらしい。



しかしここは県営団地…ファミリータイプの間取りだったが、そんな大所帯ではいくらなんでも狭かったのではないか…?





少し疑問が残ったが気にしないでいた…。

No.216

カズくんとの生活は楽しかった。



車は盗難されたが、カズくんは安い軽を買ってきたのでお出掛けはできた。




ディズニーランドやシーに行ったり、動物園に行ったりと休日は充実していた。



カズくんも真面目に働いてるし、私もバイトの稼ぎを生活費にあてていた。




2人の稼ぎは満ち足りていて、毎月10万円は貯金できた。それはカズくんの口座に貯めていた。




この人なら結婚してもいいかな…なんて思ったりもした。




そんな矢先、私が遅番を終え、ふとケータイを見るとカズくんからメールが入っていた。




やたら長ったらしいメールだ。

No.217

『はるちゃん、ごめん…。今まで隠してたことがあるんだ…。


実はオレ…バツイチなんだ…。


今まで黙ってて本当にごめん。


でもバツイチっていってもね…


実は会社の後輩の嫁さんと結婚してたんだ…。


後輩とは仲良くて、後輩に子供が産まれてよく遊んでた。でも後輩が突然亡くなって…


その子供がオレのこと、パパ、パパって呼ぶんだ…。


子供が可哀想だから後輩の嫁さんと結婚したんだ…。


だけど好きで結婚したわけじゃなかったから上手く長続きしなくて離婚したんだ…。


後輩の嫁さんとは何もしてないからオレが童貞っていうのは本当だよ!信じて…。


今まで黙っててごめん…。


もうオレのこと、嫌いになっちゃったかな?…



嫌いになっても仕方ないよね…


別れるの覚悟でメールしたよ、本当黙っててごめんなさい。


No.218

私はそのメールを読みながら無意識に涙がボロボロ流れた。




カズくんがバツイチ⁉

後輩が亡くなった⁉


それで結婚⁉


別れるの覚悟でメール⁉




いろんな単語が私の頭をぐるぐる回り、整理がつかないでいた…。



なにより、カズくんが私と別れるのを覚悟でメールしたっていう内容がいちばんショックだった。






私は急いで帰った。

No.219

カズくんの家に帰ると、電気は点けっぱなしでカズくんは寝ていた。



わたしはカズくんを起こし、メールの内容がよくわからないからカズくんの口から直接聞いた。



聞いたはいいが、メールの内容そのままを告げられた…。




カズくんはバツイチ。


子供のために亡くなった後輩の嫁さんと結婚。しかし長続きせずに離婚。


それでもカズくんは童貞のまま。




なんだ…子供のためにカズくんは結婚してバツイチになっただけじゃないか…


カズくんは優しすぎるんだよ…




私は怒るどころか、カズくんの優しさを美化していた。



子供のために結婚するカズくんは優しすぎるよ…。




この真実を告げられても私は別れる気にはならなかった。



バツイチなのは引っ掛かるが、それはすべて優しさ故の代償にすぎない…



そう頭の中で整理をつけたのだ。

No.220

季節は変わり、夏が来る…。



夏はプールへ遊びに行った。



私は海の方が好きなのだがカズくんは海が苦手らしく、プールで我慢した。





カズくんの為なら何でも我慢できた。






私はカズくんのために朝はきちんと朝ご飯を作り、弁当も作った。



カズくんのためなら苦にならなかった。

No.221

しかしカズくんには怪しい点があった。



私には絶対に通帳を見せてくれなかった。



そりゃあまだ結婚してるわけでもないから通帳見たいなんて言えないし、給料明細も見せてなんて言えない。



しかしカズくんは頑なに拒んだ。




カズくんは元嫁さんに通帳を預けていたらしいのだが、やりくりが下手だったらしく、それがトラウマで通帳は自分で管理すると言っていた。




いずれカズくんと結婚したいなーなんて思っていたから、貯金がどのくらい貯まってるのか気になっていた私…。



カズくんは『大丈夫だよ。毎月10万円は貯めてあるし、それは印鑑がなきゃ引き出せないようにしてあるから😄』と言っていた。



だから私は安心していた。

No.222

カズくんはたまに私に『お金…貸して💦』と言ってきた。



理由を聞けば、両親が都内に買ったマンションは、カズくん兄弟が両親へのプレゼントとして、兄弟折半で毎月仕送りしてるらしい…。

カズくんにはお姉さん、お兄さんがいるらしいので、1人毎月5万円ずつ、計15万円も仕送りしているという。




カズくんの給料が少ない月は仕送りが困難だったみたいで私にお金を貸してとせがんできた。



両親への仕送りなら仕方ないか…むしろ偉いじゃん!と思い、わたしは何の疑いもなくカズくんにお金を貸していった。



いま思えば30万くらいカズくんに貸しただろう…。

No.223

季節はまた変わり、秋になる…。



11月…カズくんのお姉さんが結婚式を挙げるのだが、もちろん私は御呼ばれされない。



カズくんのお姉さんは新潟に嫁いだので、2日かけてカズくん家族は結婚式に出向いた。



私はお留守番…。






ちょっと寂しかった…。

No.224

カズくんのお姉さんの結婚式が終わり、またカズくんは私にとんでもないことを告げてきたのだった…。




それはカズくんのお姉さんがカズくんに、『カズも結婚を考えてるのなら、本当のことをハルカさんに話した方がいいんじゃない…?』と言われたそうだ。







カズくんは神妙な面持ちで、涙を流しながら私に話してきた…



『オレ…


本当は……



本当に子供がいるんだ。

童貞なんてウソだったんだ。


昔、好きな人と付き合ってデキちゃった結婚をしたんだ…。


オレ、本当最悪なヤツだよね…。












……はぁーーー⁉⁉⁉⁉

No.225

私の頭は混乱するばかり。




カズくんは童貞じゃない。

実の子供がいる。


子供は男の子で2歳…。





えっ⁉⁉⁉じゃあ養育費とかは⁉⁉子供に会ったりしてたの⁉⁉⁉




いろいろ問いただすとカズくんはボロを吐いた。




ちょっと前に仕事で出張で一泊家を空けたときがあったのだが、どうやらそれは仕事ではなくて子供と動物園に行っていたようだった。



どおりでバッグに私服を積めていた訳か…。




いつも子供に会うときは、カズくんの父さんが子供を都内のマンションに連れてきて泊めているらしい…。



何度かカズくんの両親に会っているが、そんなこと一度も言われたことがない。



カズくんちに子供用の物があったのもそのためだったらしい。




要は、私はカズくんの元嫁さんと一緒に住んでいた【愛の住み処】にズカズカ足を踏み入れていたわけだ。


申し訳ない気持ちと、どこにぶつけていいのかわからない怒りが込み上げてきた。



いままで私に話してきた事はウソだったのね!




と血圧は上がりながらも、正直に話してくれたカズくんを許してしまった…。


今さら嫌いになれない…。


そこまで私はカズくんを好きになっていた…。



離婚理由は、元嫁さんが生活費のやりくいがカズくんの給料内でできずに、多額の借金を作ってきたらしい…。それもカズくん名義で。しかもエステまで行って金を使い込んだらしい…。


しめてその額、5~600万円。



???…どっかで見たような数字…。

No.226

『じゃあその借金、パチンコで勝ってた、例の車にあった金で完済できたんじゃない?』



『そうなんだよね…。早く返しちゃえば良かったんだけど…オレ、バカだよね…。まさか盗まれちゃうなんて思わなかったし…。』



『養育費はちゃんと払ってるの?』



『元嫁が作った借金をオレが払ってるから、養育費はチャラになった。だけど子供に会うときは金渡してる。』



『………。』





まあ人にはそれぞれの人生があるが、カズくんはたまたま失敗してしまっただけのこと…。カズくんが悪くて離婚したわけじゃないし…。



私はカズくんのすべてを受け入れた。





なんて可哀想なカズくん…。


そんなカズくんは子供が忘れられないのか、早く私との間に赤ちゃんが欲しいと言ってきた。



それでカズくんの悲しみが癒えるのなら…それでも構わないと私は思った。




来年の2月7日…ちょうど付き合って1年になる日に籍を入れよう、結婚しようと約束をした…。

No.227

元嫁さんはカズくんに新しい恋人がいると知らなかったらしい。



私の存在を知ってから、子供に会わないでほしい、新しい彼女と上手くやってほしいと言ってたそうだ…。




結婚すると決めた私たちは、まずカズくんの両親の家へ挨拶しに行った。



カズくんの母親は『まだ結婚するの早いんじゃない?もう少しゆっくり考えたら…?』と、あまり快くは思っていなかった。


『もうハルト(元嫁さんとの子供)に会えなくなるのなんて…可哀想…』


と、カズくんの母親は泣き出してしまった。



私はひどく困惑した。




私のことはどうでもいいのね…

私より元嫁さんとの子供の方が大切なのね…



そう感じた。




最終的には

『あなたたち2人の問題だから何も言えないけど…ハルトが可哀想…』

と、最後まで元嫁さんとの子供を惜しんでいた。



まぁ孫なんだし…そう思うのも仕方ないのかな…と、無理やり自分を納得させた。

No.228

そして私の実家へ挨拶しに行った…。



カズくんがバツイチなのを知り、私の母親はカズくんをすごく拒絶していた。



理由を聞けば母親も少しは理解してくれるだろうと思っていたが、浅はかな考えにすぎなかった。



『もう少しよく考えて!とりあえず籍を入れるなんて絶対にダメだからね!!』




問答無用、結婚の🆗はもらえなかった。







(なんでお母さん、許してくれないんだろう…カズくんは悪くないのに…)





2人で撃沈しながら帰った。



しかしカズくんは怒っていた。



「なんでオレ、あんなに言われなきゃいけないの⁉あそこまで言われる筋ねえし❗あんな家、二度と行かねえ❗」



カズくんは怒りを露にしていた。こんなカズくん、初めてだった。



結婚を反対された彼氏は、お許しをもらえるまで何度も何度も頭を下げに行くもんだと思っていたからこれは予想外な展開になった。



私の母親も、『あんな子、二度とうちの門をくぐることを許さないからね❗』と、ご立腹だった…。







これじゃあ円満に結婚できないじゃん…

No.229

カズくんは私の親と二度と会わない、私の親もカズくんと会いたくない…


それでも私は結婚したかった。



もう駆け落ち覚悟でいた。


とりあえず母親には『2月7日に籍入れるから、その前後にカズくんの両親と顔合わせくらいしてね!』とむりやり頼んだ。






なんか祝福されない結婚になりそう…。


私はそれでもカズくんと結婚する気は変わらなかった。

No.230

予定通り、年が明けてからの2月7日に婚姻届けを出した。



ただの紙を出したのだから生活環境は変わらず、いまいち結婚した実感にひたれずにいた。





しかし、その婚姻届けを出す際に取った、カズくんの戸籍謄本を眺めていたらまた新たな事実が発覚したのだった…。






カズくんが離婚したのが…
去年の2月18日……


⁉⁉⁉



えっ⁉ちょっと…カズくん、離婚する前に私と付き合ってたってことになるけど❗😲😲😲


なに⁉不倫⁉⁉💦




カズくんとケータイ番号を交換したあの日…まだ嫁さんといたってこと⁉😱



カズくん…『彼女はいない』って言ってたけど『嫁さんはいた』ってこと⁉😢😢

嫁さんいながらも私のことが気になってたってこと⁉⁉😞





もうー何なの…😫⤵

No.231

つまり、カズくんは離婚して1年も経たないで再婚したってことになるけど…💧


なんか悲しい⤵




私もこれ発見したときは籍入れるのを思い止まれば良かったのかなーなんて後で後悔した。








でもカズくんは、

『離婚するのは決まってたけど裁判所行ったり、仕事があったりでなかなか離婚が進まなくて…

確かにはるちゃんと付き合い始めはまだ結婚してたけど、言えなかった…。それ言って別れるのが嫌だったから…。隠しててごめん…。

離婚するの決まっててオレははるちゃんのことが好きになったから、その気持ちはウソじゃないから!それだけは信じてほしい…。







『わかった…。許してあげる…。

でもね、ウソはいずれバレてしまうものなんだよ?自分で嘘ついてて苦しくない?隠してて苦しくない?どうせ後でバレちゃうんなら、ウソはつかないで初めから正直に話そうよ❗これは約束しよう❗もう夫婦になるんだから隠し事やウソはだめだよ❗』



『わかった…。本当ごめん。本当のことを言って、はるちゃんに嫌われちゃうんじゃないかって思うと事実が言えなかったんだ…。

隠し通すことでケンカにならないことってあるでしょ?知らなくていいことってあってもいいものだと思ってたから…。平和でいられるって思ってたから…。

でも後でバレちゃうんだね…。



でも自分もウソついたり隠し事するのはオレだって辛かった…。だからもうしないよ!!約束する…。ごめんなさい…。』






2人は固く誓った…。


二度と隠し事しない、嘘を言わない、正直になんでも話す事を…。

No.232

私は少しモヤモヤが残りながらもカズくんと結婚した。




あとはお互いの両親の顔合わせをしなきゃ!



お互いの親に都合いい日を聞き出し、なんとか日程は決まった。




それに向け準備をしていた。





…顔合わせ予定日、3日前のこと…


カズくんの母親が急に都合が悪くなったらしく、その日は仕事を断れなくなったらしい。



それに私の母親は激怒した。


『こっちだって仕事してるけど、そんな大事な日くらい仕事入れないようにするものなんじゃない⁉うちも予定空けるの難しくてやっと休みにしたのに❗向こうの親は何なの⁉そんな大事な日にドタキャンするなんて❗非常識よ❗息子も息子なら親も親ね❗うちの娘が嫁ぐのに、いったいどういう考えなのかしらね‼もう絶対に顔合わせなんてしないからね‼』




よって顔合わせは無くなってしまった。

No.233

私の結婚って最悪なスタートだな…



まぁこの先が幸せならいいよね…前向きに考えなきゃ!!




しかし結婚した私に、母親は口うるさく言うのである。


『子供だけは作るな』

と…。





いやいやいや…結婚したんだし、それは当事者の自由でしょ💧

No.234

🍀第4賞🍀 【結婚生活】



幸せなスタートはできなかったものの、私とカズくんは2人だけの世界で幸せになることを誓った。


親がどう言おうと、第三者に何言われようが、2人が幸せならそれで構わないことにした。



きっと私たちは誰からも祝福されないから…。




結婚式をする貯金もあったが、そんなのできるわけなかった…。




その貯金は、この先、産まれてくる赤ちゃんのために使おうと思う…。

No.235

カズくんは車好きだ。


とくにVIP車が好きらしい。



いい加減、軽にも飽きてきたようで、新しい車を買いに中古車を見に行った。



カズくんはあらかじめケータイで欲しい車を見つけていたみたいで、その車が置いてある中古車屋に向かった。




それは黒塗りのVIP車…

まだ真新しいNISSANの車だった…。



カズくんは一目見るなりそれに決めていたらしい。




走行距離2000キロ、1年落ちの中古車。


値段もまあまあ高い。



しかしその車にしてはカズくんは安いと言う。



事故車なんじゃないのか不安に思い、店員に聞いたが、ちょっと右前をぶつけたと説明してくれた。



店員さんも一押しの車だったので迷わず購入決定した。



わたし…こんなデカくて高級な車…運転するの怖い…って感じた。



車の購入手続きをしていたが、もちろんカズくん名義で買うのだが、ローンの審査が通らない。


原因は昔盗難された車のローンが払い終わってない、元嫁さんによる借金の件で審査に落ちたようだ。


なので代わりに私の名義で買ってしまった。ほんの軽い気持ちで自分名義で高い車を買った。これが後に仇になるとは…。


しかも4年半ローンで月7万強。


このときは共働きだったから何とも感じない返済額だった。


ただ整備費に50万も取られたのには私でも高過ぎって思った。

No.236

なんとも平凡な結婚生活が続いた。



毎日平和だった。



貯金もだいぶ貯まったであろう…。



結婚式はできないので、そろそろ赤ちゃんできてもいいかなっと思っていたら見事に妊娠した。



結婚して2ヶ月しか経ってなかったが、赤ちゃんができたことが嬉しく思えた。


しかし、私の母親は『赤ちゃん作るな!!』と言ってたから黙ったままにしといた。どうせ腹がでかくなればわかるんだし…。



幸い、悪阻も全くなかったのでバイトはそのまま続けていた…。






そんな中、カズくんはまたトラブルを持ってきた。


私が夕飯の支度をしているときカズくんは帰ってきた…いつもと様子がおかしい…。

No.237

「あのね、はるちゃん…怒らないでね…」



カズくんは涙を流していた。



「今朝、会社の車で運転中に事故っちゃって…


俺が運転してたんだけど眠たくて居眠りしてたみたいで…



前の赤信号で止まってたベンツに突っ込んじゃったんだ…。



そのベンツが反対斜線に飛んで、対向車に当たっちゃって…




「えっ⁉大丈夫なの⁉怪我はなかったの⁉」



「怪我は平気なんだけど…

会社の車だからある程度、保険金は降りるから大丈夫なんだけど、上限が100万までらしくて、残りの金は自腹だって…。


ベンツの修理代、ベンツの運転手の病院代、対向車の修理代…いっぱい金かかりそうで…。」



「自腹って…貯金額で間に合うの?」


「たぶんギリギリだと思う…」



「そっか…それなら良かった。カズくんに怪我がなくて不幸中の幸いだね。心配しちゃったじゃん。」



「オレ、今日は正直に話したよ。…偉い?」



「偉いけど、偉くない!それが当たり前!!(笑)」



「そうだね…ごめんね!(笑)」




私は正直に話したカズくんを笑って許したが、本当は貯金がなくなるのが不安だった。

お腹にできた赤ちゃんの出産費用…

No.238

見事に貯金はなくなり、一文無しになってしまった。


まぁ、私が臨月までバイトすれば何とかなるだろう…そう思い込んだ。



私のお腹は徐々に大きくなるがバイトは頑張って続けた。



パチンコ屋に腹が膨らんだ妊婦がバイトしてるので、お客さんに『もう産休にしたら?』とか『俺…タバコ吸っていいの?』と、逆に気を遣わせてしまった。



それでも私は出産費用のために働いた。

No.239

しかし金は一向に貯まらない。



籍を入れて、私の税金通知が来るようになり、それを払うと生活はカツカツになった。



一方、カズくんの給料は下がっているみたいだった。


最近、仕事が入らないらしい。


カズくんは家を建ててナンボの仕事だから、営業がしっかり働かないと大工さんは暇になってしまう。



酷いときは3日に一度しか出勤しない日もあった。



本当に給料が下がってるのかわからないので、これを期にカズくんに頼み込んで初めて給料明細を見させてもらった。



【9月度給料明細証、手取り額…13万円】



13万⁉それっぽっち⁉💧



それはマズイ❗



「ねぇカズくん…この先仕事は増えそうなの?」


「どうだろう…営業がしっかりしてくれないからさ…。もう建てる土地がないって言ってるらしいよ💦」



「ほんと⁉💧それじゃあ給料あがる見込みないの?」

「たぶんね…だから最近こんな給料ばっかりで同僚たち辞めていくヤツ、増えてるんだ…。」


「うわぁー。カズくんも次の仕事探した方がいいんじゃない?」



「そうだね…給料13万なんてヤバいもんね⤵」

No.240

そんなに給料少ないのにカズくんは親へ仕送りできるのだろうか…



ちょっと気になったのでカズくんに聞いたのだが、返事は曖昧…。




そもそも盗難された車のローンや、新しく買った車のローン、それに元嫁さんが作った借金の返済…。こんなに毎月払えているのだろうか…。



私は日に日に不安になった。



しかしカズくんは言葉を濁すばかりだった。



あまり給料やお金がらみについて聞こうとしても、カズくんは昔のトラウマがどうたらこうたらで話そうとしない。



でも盗難された車のローンについては、カズくんの兄さんと折半してたということで、カズくんの父親を交えて片付けたらしい。





そのときに私はとんでもないことを聞いたのだ。






「はるちゃん…オレ…自己破産してたんだ…。」

No.241

わたしは一瞬、【自己破産】の意味が理解できなかった。



(え…自己破産って………ん⁉自己破産⁉⁉⁉)




わたしは言葉を失った。




自己破産してる人とこの先一生暮らしていけるのか…。



ますます不安が募るばかりだ。




「元嫁が作った借金が払えなくて自己破産してたんだ…。」



「えっ⁉いつ自己破産したの⁉⁉」



「はるちゃんと付き合ってすぐに…。」



「ちゃんと返済してなかったの⁉」



「うん…だって毎月20万だよ?始めの何回かは払ったけどムリだよ…。」




諦めるの早っ❗

ってか毎月20万円の返済って…💧どんだけだよ…




だから車買ったとき、審査が通らなかったのね…。原因は自己破産ですか…。そりゃムリだよ。

No.242

妊娠6ヶ月のときにそんな衝撃的な事実を聞かされたのだから精神的に参った…。


ベビー用品を揃える金もなければ自分たちの生活していく金も危ないのだ…。



ましてやカズくんの低給料…。




わたし、ギリギリまでバイト頑張らなきゃ…。




産婦人科へ検診に行くと、お腹の赤ちゃんは標準よりやや小さいと医師に言われた…。


ストレスが原因だろうか…。

No.243

それでも私は負けなかった。



カズくんは私が選んだ結婚相手。好きな気持ちは変わらずにいた。それがせめてもの力になっていたのかもしれない。


だから私は頑張れた。




カズくんは仕事を変える為に退職した。退職金は微々たるものだった。ほんの数万円…これじゃあ出産費用の足しにもならない。



カズくんは引き続き大工をやりたいらしい。

しかしこのご時世、知り合いの建築関係会社を片っ端から訪ねたがどこも人手は足りていると…。




次の仕事先が決まってから退職すべきだったが、私もいろいろ抱え込んでいたためだろうか…そこまで頭が回らなかった。




カズくんは無職になり1ヶ月が経ってしまった。

No.244

とりあえず雇用保険を利用し、それと私のバイトでなんとか食いつないでいけた。




…いつのまにか12月になっていた…。




私の腹もパンパンになり、これ以上はバイトのユニフォームに収まらなくなっていた。




私は12月いっぱいでバイトを辞めることにした。


カズくんは相変わらず仕事が見つからない。ハローワークに行っても希望するような仕事がないそうだ。



もうこうなったら私がバイトを辞めると引き換えに、カズくんをパチンコ屋で働かせることにした。



どこかヤケクソ的な気もしたが、パチンコ屋の社員は安定した給料がもらえるからとりあえずは大丈夫なのだ。



こんな流れで、私とカズくんはパチンコ屋での仕事をバトンタッチした。

No.245

私はバイトを辞めてから毎日暇だった。



とりあえず今は収入が少ないし…なんとかならないかな…。



そんなとき丁度いい話が転がってきた。


親戚の叔父が一軒家を貸してくれるのだという…それも毎月3万円でいいと。



迷わず私たちはそこに引っ越した。



その一軒家は、私の実家のすぐ近所にある。





毎日暇になった私は、金もないのだから実家へ遊びにいくようになった。



もう母親には私の腹の中に赤ちゃんがいることがバレていた…。



「あんた腹でかくない⁉赤ちゃん⁉⁉」



「まあね…。」



「なんで⁉あんなに赤ちゃんだけは作るなって言ったのに💦…籍入れるなって言えば入れちゃうし、赤ちゃん作るなって言っても作っちゃうし…。あきれた。」


「…。」


「ところであんたんとこお金大丈夫なの?赤ちゃん産めるの?」



「いや…貯金してたんだけどね……それが…」




私は母親に、カズくんの居眠り事故の話をした。

No.246

「そんな会社おかしい❗ふつう会社の車の保険はどんなに事故しても上限100万円ってことはない❗ぶつかったのがベンツだってのも怪しいし❗その話は本当なの⁉ちゃんと会社から聞いてみたの⁉」



「いや、聞いてない💦」


「そんなおかしな話ない❗カズは嘘ついてるんじゃない⁉貯金してた金がぴったり残りの事故処理金として無くなるのも不自然すぎ‼」



「……。」




母親にそう言われ、私は不安になる。



昔、カズくんの仕事仲間の家族とバーベキューしたことがあったので、その同僚の嫁さんにメールしてみた。


『うちのカズくんが会社の車で大きな事故したんだけど…それについて何か知ってる?』





数日後に来たメールはこうだ。

『うちの旦那に聞いてみたんだけど、そんな事故知らないって💦それに会社の車で事故したらすぐに会社中に広まるらしいから…ありえないって💧』








………やられた。




会社の車の事故はウソだったのだ。




そしたら…あの貯金はどこへ消えたのか…。

No.247

その日、パチンコの仕事から帰ってきたカズくんに問いただした。



「ってかさあ、なに勝手なことしてんの⁉さっき前の会社のヤツから連絡あったんだよね。事故の話しただろ⁉余計なことすんなよ❗」



カズくんは怒っていた。


なんで私が怒られるんだ…。



「あのさ、事故ったの?本当はしてないんでしょ?」


「事故はしたよ❗そんなに疑うんなら会社に電話してみろよ❗確認してみろよ❗」



「わかった。そこまで自信あるんなら信じてあげる…。」



信じたくはなかったが、これ以上カズくんが怒る顔は見たくなかったから信じた。


いつもの笑顔のカズくんでいてほしかったから…。




会社に電話して確認してみろと言えるほどなのだから、きっと本当だったのだろう…。



そう思うようにした。



無くなった金はいまさら元に戻ることなんてないんだしね…。

No.248

もう新年……年明けからあまり気分のいいものではなかった…。




もうそろそろ赤ちゃんが産まれてくるのに、ベビー用品が揃えられずにいた。



金がないって不敏…。





出産予定日は3月9日。

…昔カズくんがカラオケで【3月9日】という曲を歌ってくれたっけ…。わたしのすごく好きな歌。





本当に金がないので私は自分の母親に頭を下げてベビー用品一式を買ってもらった。


わたし、親の反対を押しきって嫁に出て…しまいには作るなと言われた赤ちゃんも作って…


なんて私は親不孝なんだろう…


あげく親に金をも頼ってしまった自分がなさけなく思えた…。


多少なりとも母親に小言は言われたが、それでも赤ちゃんのためにベビー用品を買ってくれたのだ…。


私は親のありがたさを心より感じた…。

No.249

お腹の赤ちゃんは順調に育っていた。



カズくんは赤ちゃんを心待ちにしていた。



私のお腹をさすっては、顔をあて、耳をあてて赤ちゃんに話しかけていた。



夜、寝るときも『こういう体勢で寝た方がお腹の赤ちゃんも楽なんだよ。』と私にアドバイスしてきた。


そっか…カズくんは一度嫁さんの出産を経験してるんだもんね…。私より何でも知ってるんだね…。



出産が初めての私だが、カズくんは2度目のことなので出産のことはよくわかっている…。


とても心強かったが、それが逆に私を嫉妬させた…。元嫁さんへの嫉妬だろうか…いや、カズくんが私より出産に関する知識があることに対しての嫉妬だろう。



(お互い、初めての結婚で、初めての出産ならなぁ。なんでもスタートラインを同じにしたかったなぁ…。)

No.250

そして2月7日…


ちょうど結婚して1年が経つ、2人の結婚記念日…。



金はなかっから、この日の夕飯はいつもより少しだけ豪華な料理を作ってみた。


スーパーで半額になった霜降り和牛ステーキ、ピザ、カレー、フライドチキン…


肉ばっか。



あっそうそう。カズくんは野菜、キノコ類がすべて食べられない、典型的な肉食系統なのだ。なので食卓にのぼる料理は全部肉。見てて気持ち悪くなるくらい。


もちろん、スーパーで買い物するときはカゴいっぱいに肉しか買わない。



私は野菜、大好きだけど、カズくんが食べないから買っても仕方ないのだ。



すべてはカズくんを中心に動いてた私…



いま思えば、私はカズくんと一緒にいたときは自分を無くしてしまってたのかもしれない。自分を犠牲にしていたのかもしれない。


でも苦にならなかった…。

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