~貴方が生まれてきた理由~
現在、ミクルにて
《壊れた世界の隅に咲く華》
を書かせて頂いております。
のに関わらずもう一作。☺💦
と言っても流れ流れで徒然と書いていく小説になると思うので中傷レスは勘弁してあげてやって下さい🌻
短編を徒然と書いていく予定です🌠
ではご覧あれo(^-^)o
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プロローグ
貴方が生まれてきた理由はたくさんあります。
限りなく夜空に広がる星の数より多いとある学者は言いました。
だけれど僕には分かりませんでした。
生きている理由。
死んじゃ駄目な理由。
お母さんは泣きます。
生きているのが辛い、と泣きます。
お父さんは言います。
立派に生きなさい、と言って僕を哀しそうに見つめます。
だからだからだから
僕は 生きていることが
何なのか理解できません。
星に願ってみる。
「どうか明日も生きられますように」
切ない私のお願いはきっとお星さまに届いてる?ちっぽけな私はいつも可哀想な子でママもパパもいつも辛そう。
早く幸せになりたいな。
女の子は願います。決して簡単に治るような病気じゃないけれど病院の窓際でそって手を合わせます。
この世に 「生きたくない」なんて思う人なんかいないと
信じて。
>> 7
「…僕からは無臭でしょ?暖かくて良いじゃない。」
僕は微笑んだ。家の事情を知っている秀夫は不安そうな心配してるような何とも言えないひきつった顔をした。
僕のお母さんもお父さんも
離婚間近だ。
お父さんは僕を外面では愛してくれるけど
家に帰れば僕に
生まれてきた理由を問う。
どうして生まれてきた?
お前がいなきゃ
お前がいなきゃ
アイツとすぐに別れられるのに。
なぁ何でだ?
お前が生まれてきた理由って
何なんだ?
分からないと答えれば、お父さんは黙って部屋を出ていくけど僕はいつだって真剣に考えてしまう。
何もない
考えて出る結論は僕を苦しめるものばかり…。お母さんは庇ってもくれない。
お母さんが
「貴方が生まれてきて幸せ」
だと一言言ってくれれば
僕はどんなに
救われるだろう
>> 15
《お父さん》が上へ上がっていくと僕は神田を見つめた。
僕のお父さんじゃない
誰かのお父さん。
「さて、勉強始めますか?」
神田は痛そうにしている頬を押さえる僕に話しかけた。
「貴方も、あの人と同じですか・・。」
僕は呟いた。幸いにも彼にはこの言葉は届いていなかったらしく僕はホッとした。
「君は数学が不得意なんだってね?お父さんからよく聞いているよ。」
神田が言う。
君の事をよくわかってくれているみたいだ、と嬉しそうに微笑む。
気分が
悪かった。
「そんなわけない・・。」
僕の反論に神田は耳を傾けずに勉強を始めた。僕の不得意な教科なんて何一つない。数学?
ねえ?お父さん。
僕 数学のテストはいつだって
満点なんだよ?
それなのに
それなのに
どうして貴方は僕を
知っているの?
国語だって英語だって
成績はいつも前半の方なのに。
ねえ・・・。
貴方は
何をいつもそうやって
見ているの・・?
お母さんと話している時だってそうだ。いつも窓の外ばかりを眺めて遠い場所ばかり眺めて・・僕らなんか視界に入れない。
>> 16
・・殺してやりたいくらいに僕はあの人が憎い。
トルルルルトルルルル
携帯の着信音。神田がハッとなった。
「ああっ!すみません!マナーモードに・・」
神田は一瞬声を上げて電源ボタンを押そうとしたが、電話の相手を見るとすぐに顔色が変わった。そして僕をお構いなしに電話に出る。
「もしもし!?ああ!真実!大丈夫かい!?今、仕事中なんだ!ごめんね。でも今日は必ずそっちに行けそうだよ!うん!またそれまで!」
あまりのテンションの高さに僕はビクリと肩を震わせた。
恋人だろうか。いやこのしゃべり方は
子ども。 この人は家庭がある人なんだ。
そう思うと僕は何だかとても虚しくなってきた。
「お子さんですか?」
僕が笑いかけると神田は嬉しそうに微笑んだ。
「ええ。まだ9歳なんですけどね?とっても良い子なんです。私の宝です。」
「へえ・・そんな風に愛されてみたいですね。その子がとてもうらやましいです」
煽てなんかではなかった。本心だ。本心から僕は誰かに愛されてみたかった。
>> 18
「何か?」
神田が首をかしげた。僕は何でもないと首を振り、勉強を始めた。
簡単だ。
簡単、全部、全部・・。
簡単過ぎて涙が出るよ お父さん。
「成績が悪い」?
ふざけないで欲しい。
だけれど
僕は弱虫なんだね、きっと。
幼い頃、あのうすっぺらな扉を開けられていたら
貴方とこんな会話を交わすことはなかっただろうか。
貴方がいなくなると思うと足がすくんだ幼いときの僕。
今では信じられないよ。
嗚呼 どうしてあけなかったんだろう。
いつもそればかり考えている。
「それでは今日はここまでにしますか?よくできていますね。頑張って」
神田は僕の手を強く握ると家の外へ出て行ってしまった。
狂気が僕を襲った。
机の上にある小さなガラスの破片を握る。
簡単だよ。直哉。
それを刺すだけ。
数学と同じさ。それだけで
君は自由になれる。
悪魔があるいは
死神が
僕に囁いた。
うんざりなんだよ、お母さんも
お父さんも。
死ねば良い!
お前らこそ……――
生まれてきた理由なんて
ない。
>> 21
お母さんが振り向けば良かったんだ。あの時、すぐに振り向けば僕は《犯罪者》にならなくて良かったのに。
そんな我が儘な思いに駆られ僕はガラスの破片をポトリと床に落とした。
赤い血液がついた破片を上から眺める。
ガチャッ
ドアが開いた。
「申し訳ないです――。忘れ物を…」
隠す暇などなかった僕はこの汚れた赤い血液で染まる部屋に神田を迎えた。
「ひッ!」
渇いた声を出した神田に僕は笑いかけた。
「忘れ物?これですか?」
僕は机にある赤い血液が飛び散った女の子の写真を差し出した。神田の顔が青ざめる。
「ッ―――!?」
写真を手に取り、神田は横たわる遺体を見つめた。
――嫌に落ち着いてるな。もう少し騒いでくれるかと思った
僕は黙り込んだ神田を不信に眺めた。
「お父さんは?」
神田の発した言葉に僕は冷たい唾液を飲んだ。
「殺してない。今から殺すつもりだった。」
僕の言葉に神田は額に汗を滲ませたが
そっと僕を引き寄せた。
「殺した理由は?」
僕は神田の行動に心底驚いたが神田の落ち着いた言動に少し安心した。
「苦しんでいた。誰も誰も分かってくれない!生まれてきた理由を毎日問われた。辛い辛い辛い辛い辛い」
>> 24
ああ!パパからだわ!
優しい優しいパパ!
でも声が変よ。悲しそう。
「ママ?パパから電話よ」
私はパパの声に不信感を抱きながらママに携帯を渡した。ママが微笑む。
「そう言えば今日はママの誕生日だわ。お祝いの連絡かしら?」
ママがウキウキしながら携帯を耳に当てる。私も嬉しくなった。今日はママが生まれた日。
とってもとっても大切な日。
ママは最初は嬉しそうに頷いていたがすぐに怖い顔になった。「ええ…分かったわ……ええ。すぐ行きます。…」
ママが寂しそうに携帯を閉じる。
「どうしたの?」
「なんでもないのよ。真美は寝てなさい。」
ママは私にキスをすると病室を出ていった。
ママ ママ
どうして悲しそうなの?
貴女が生まれた日なのに。
ねえママ。パパが酷いこと言ったの?
それとも――生まれてきたことに
後悔してるの――?
>> 25
「親無しの少年を家に出迎える」
神田の会話でこの部分だけが聞き取れた。
「僕を…引き取るつもり?」
彼は僕に言った。
「母親はまだ死んでない。だがこのまま病院に行けば君の父親と君が真っ先に疑われる。」
そして彼女の意識が戻れば
君は 年少送りだ。
神田が低い声で言い放った。
年少…少年院のことか、僕は小さく項垂れた。
お母さんに包帯を巻きながら神田はため息をついた。
「私には優しい家庭がある。君のこんな戯れ事で私の家庭が潰されるのであれば…」
僕はギュッとシワを寄せた。
「精一杯、君に協力しよう」
神田の言葉は意外だった。それから神田は付け足した。
「なんなら父親も殺してくるかい?」
冷酷な言葉に僕は汗をかいた。
ツカツカと神田が父親の部屋へ向かう。止めようと声を出そうとしたが恐怖で喉が渇き、良いように出なかった。
>> 28
「直哉さんは留守です。またのお越しを」
義務的な言葉遣いで神田が淡々と口を切った。
《そうですか。失礼します。》ひとまず安心した。
神田を眺める。
だて眼鏡の下にある黒い瞳。
何もかも吸い込んだようなブラックホールのような瞳だ。見ているだけで寒気が襲う。
素直にお母さんに言えば良かったのだろうか。まだ息のあるお母さん…正直に言えばお母さんは僕を許してくれるだろうか。もう愛してくれないだろうけど…。それはとてつもない恐怖で……絶望だった。
生まれてきた理由がないのは
僕の方なのかもしれない…。
「何をしているの?さあ、此処から出よう。」
神田がふいに僕の手を掴んだ。
安心していたはずの神田がひどく恐ろしく感じた。
暖かい家庭を壊さないように必死で家庭を彼は守る。
それが幸せなんだろうか。
それでも僕は身を引かれ引かれるままに外に出た。
✨2✨
―その日女の子は神を見た―
「パパ!おかえりなさい!」
私は帰ってきたパパに抱きついた。と言っても病院の中。パパもママも仕事が終わると病室にただいまを言いに来てくれる。けれど違和感。
冷たい空気が通り抜ける。パパの後ろに誰かいる…?興味津々に私は後ろに回った。
「彼は昌太郎君だ。」
パパは後ろの人を紹介した。
「初めまして!」
パパが体の弱い私にお友達を連れてきてくれた!嬉しくて私は パパの頬にキスをした。
だけれどすぐに私は違うって分かる。
「真実…君の新しいお兄ちゃんだ。」
言われた昌太郎君も驚いているようだったので私はもっとびっくりした。
「パパ!?」
嬉しかった。私に私に
“お兄ちゃん”ができた!
夢とおんなじ。あの時はコウノトリさんが連れてきたのかな?って不思議だったけど今は目の前にいるから全然不思議じゃないわ!
「そんなの聞いてないぞッ!兄になるなんて…しかも直哉で良かった!昌太郎だなんて他人みたいだ…」
僕は必死に反抗した。名前が変わるのは分かるが家族になるなんて…。
「名前の件は見つかった時、他人の空似だと誤魔化しやすい。それに君は学校に行けないから真実の遊び相手になって欲しいんだ!」
「だからって友達で良かったじゃないか!」
「真実の顔見たのか!?あの嬉しそうな顔!それに友達だと真実が…君を…」
神田が何かを言いかけたが舌打ちをしてすぐに口を閉ざした。
>> 32
クリクリと瞳を器用に動かす真実を見ていると僕は胸が傷んだ。純粋な女の子の前に…人を傷付けた汚れた人間がいていいのかな…。
真実は嬉しそうに頷いた僕のズボンの裾を掴んだ。
「お兄ちゃん!私ね。鬼ごっこしたいな。」
僕は戸惑い、神田を見た。神田は小さく首を振った。
駄目。っていう合図?
可哀想に。この子はたった一人で毎日寂しさに埋もれながら
9年間…生きてきたんだ。
「ゴメンね。鬼ごっこは今度しよう。約束」
僕は手を差し出した。真実は差し出された手を不思議そうに眺めていた。
約束しましょ
こんにちは。
約束しても 守らなかったら私の大切なものあーげましょ♪
お母さんが教えてくれた約束の歌を歌った。胸がまた痛くなった…。真実の小さな胸に約束の手を押し付け僕は下を向いた。
>> 33
👼2-1👼 母の涙
気が付いた時、お母さんは病院だった。荒っぽく巻かれた包帯に血がジワッと滲んでいた。動こうと身をもがくと激痛が胸の辺りに走り小さな呻きが漏れた。
《意識が戻りました。》
コンピューターがアナウンスで医師に告げた。
「大丈夫です。2、3ヵ月安静にしていれば治ります。ただ…」目の前で医師が話し出した。何を言いたいのかさっぱりだった。
「私は…どうしたんですか?」唯一発せられた言葉はこれだけだった。
「殺人未遂。と警察は言っています。」
医師はもう一度丹念な口調で話すと病室を出ていった。
殺人未遂…――?
ズキッ 何だろう?頭が痛い。
ああ…私の…
? 私の? 何?
小さな…小さな…
私の宝物……。
何だっけ? ……哉
哉?
途端に鏡が割れたような壊されたような感覚になった。
>> 41
…
「昌太郎。」
呟くような声に僕は答えなかった。
「ねえってば!」
数秒後に自分が呼ばれている事に気が付き、振り向く。
「昌太郎、って読んでも良い?」僕はニコリと微笑んで頷いた。真美は嬉しそうにイルカの人形を抱き締める。
「昌太郎。直哉って誰?」
唐突の質問に僕は驚きを隠せず、小さな咳をこぼした。
「どうして学校に行かないの?」
「どうして私のお兄ちゃんになったの?」
真美の質問は僕を困らすものばかり。
とりあえず笑って誤魔化そう。
一人っ子のため、真美の質問に上手く答える対処法など知らなかった。
「真美はまだ知らなくて良いことだよ。真美が僕より大きくなったら教えてあげる。」
そんなことありえるはずがない。
と真実も思った様だが
元気いっぱいに頷くと
約束の歌を歌って真実は眠った。
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