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キズ～消えない痛み～

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惷（ tDyFh ）
08/03/06 14:55(更新日時)

首に忘れることのキズがある。決して消えることのないキズが…

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No.1157615　08/03/05 22:15(スレ作成日時)

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No.1 08/03/05 23:03
惷 ( tDyFh )

小さい頃の記憶は何歳のころまで遡れますか❓

忘れることのできない、想い出はありますか❓

首にある、決して消えることのないキズ…

幼い日々、かすかに残る記憶には幸せそうに笑っている自分と妹ともう一人…笑っているアイツ。
その数時間後に起こる悲劇が始まるまでは…

首筋につきつけられたナイフ、そして一緒に笑っていたあの子の残酷な笑み…
『どうして…』
『ごめん…』
ただ、その一言だけだった。
『なんで佳奈を…』
『ごめん、でも忘れないから…僕の罪を』
そんな言葉を聞きたいわけじゃなかった。
『そんなことじゃ…、俺にも忘れない様に…忘れることが出来ないようにキズを残せ』
そのとき、俺はアイツを忘れることを拒絶した。
『…』
『お前のその手で、佳奈を殺したお前の手で』
『君も…つけてくれるか❓』
なぜそんなことを言ったのかわからなかったが、アイツを見付だすための手がかりにと俺はうなずいた。
『…あぁ、俺はお前を必ず見つける。』
そして俺たちはそれぞれの想いを胸にお互いに俺は右腕に、アイツは首筋にそれぞれキズを刻みつけた。
そして俺は首から流れる血を押さえながら去っていくアイツの背中を睨みつけ、妹を殺したアイツ

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No.2 08/03/06 14:55
惷 ( tDyFh )

あれから十年が経った。
俺は倉乃葵(くらのあおい)、高校一年佳奈を殺し、佳奈の死を受け入れ切れず、ただ一人俺を残して死んだ両親のためにも俺はアイツを探し続けている。
今年から通う私立憖南学園、エスカレーター式の男子校。
なぜ俺がここに決めたかと言うと、パソコンで調べものをしていたとき、顔は見えなかったが確かに俺がつけたキズの持ち主がこの学園にいたのだ。
この学園にアイツはいるのだ。俺がちょうど正門をくぐったとき、俺に声をかけてきたヤツがいた。
『なぁ、君も外部生❓』
『そうだけど、』
『よかった～、外部生は俺だけだと思ってたからさぁ～』
『んじゃアンタもそうなのか❓』
『そう、俺は秋基紅(あきもとこう)よろしく‼』
『俺は倉乃葵』
『葵って呼んでいい❓』
『別に、勝手にしてくれ』
『んじゃ葵、さっそくなんだけどさぁ、教室どこ❓』
『……』