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幸せな最後

No.7 20/11/11 20:10
小説好きさん0
あ+あ-

これまで自分の弱さというものは、極力他人には見せないようにし、気丈に振る舞い、出来る限り尊敬されるような人間であろうとしていたが、その裏側は、本当に弱い心を持った人間ではある。

そんな心が、幻を産んだのだろうか。多分、この男を追い返したって、きっと、またやってくるのだろう。試しにヤツに聞いてみた。

「私はどうすれば良いのです?」

「心を、静かに。そうするだけで良いのです。苦しいことは誰にでもありますが、意識すればするほど、より苦しくなりますよ」

なにか、具体的なアドバイスでも貰えるのかと思った自分が間違っていたのだろう。

ふんわりとした、そんな言葉しか聞くことは出来なかった。

とにかく、コイツが私にとっての救世主のようなものではないことは理解した。少しでもそんな期待をした自分が馬鹿だった。

「そうですか。ありがとう。今日はこれで失礼します」

あまり取り合ってもどうしようもない相手なのだろうと察し、そそくさと切り上げた。

失礼します、と私から言うのもおかしなものだが。勝手にヤツが押しかけてきているのだから。

いったい、アイツはどこから何の目的で現れた、誰なのだろうか。

疑問ばかりだが、扉を締め、ベッドへと戻り眠りにつく。

「心を、静かに」

確かに、具体的なアドバイスではなかったが、少しだけ、その言葉が頭に残っていた。

まあでも、色々思い悩んでいても仕方がないのだろうな。

常に張り詰めた日常的な緊張感やプレッシャー。失敗への見えない恐怖、不安。

そういったものに、クソ真面目に真っ向から向き合う必要はなかったのかもしれない。

こういった事を考えるキッカケをくれたという意味では、ある意味では、ヤツは役立ったというところか。

そんな事を思っていると、少し気持ちが落ち着いたような感覚を覚え、そのまま眠りに入ったのだと思う。

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