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続・ブルームーンストーン

No.40 18/11/15 12:12
自由人
あ+あ-

敵は背後に私の気配を感じつつも、
あくまで「気づかないふり」を貫き通す。

気づかないふりどころか、
「話しかけるな」オーラもその全身に纏出し、どうやら戦闘モードに入った様だ。

カタカタカタ!!
乱暴に鳴り響くキーボードの音が
ミサイル攻撃の様に私を襲う。

うおおおっ!
どうしよう…

あっ!!そうだっ!!

優衣に教えてもらった魔法の回復呪文を思い出した。

効きますように。
ドラクエの回復呪文の中でもヘッポコ中のヘッポコ「ホイミ」程度の効果でも良いです。
どうか効きますように…

祈る様な思いで呪文を唱えてみる。

「あの…先日は…ありがとう。」

カタカタ…カタ。

何と!
敵の動きが止まった。

「私、本当に嬉しかった。
ありがと…ね?」

敵がゆっくりとこちらに体を向ける。

え~と、え~と、

教えてもらった呪文は「ありがとう」
と「嬉しい」のみなんだけど?

ちょっとこの後何を唱えりゃいいのよっ。

「別にいいよ。」

敵が少しはにかんだ。

何と!呪文が効いている!!

更に、更にアドリブで何か言わなくてはっ!

「あの、あの、お昼奢らせて…だから一緒に食べ…あああっ!
違う時間だった!ああ~…」

シ~~ン

早番の店長と中番の私は当然ながら休憩時間が違う。

敵の顔からはにかんだ表情は既に消え失せ、「無」の表情になっている。

詰んだなこりゃ…

「俺この作業終わらないと休憩入れないから。
このペースだと難しいかも。」

あっ、もう参りました。
だから「無」は止めて下さい…

「あっ、うんわかった。
お邪魔してごめんね。」

慌てて立ち去ろうとした私に、

「これどうすんの?」

敵が私の未入力の伝票をヒラヒラさせる。

ひょおおおおお!

しまった。
それを解決しに来たんだったっ!

「俺がやる方が早いでしょ。
やっておくから俺の休憩はズレるからと沖さんに伝えといて。」

敵はそう言うとまたパソコンに向かい、さっきよりも凄いスピードでキーボードを叩き出した。

「はい。あの、いつも…ありがとう。」

「い~え!」

もしかして…
ベホイミくらいの効果はあっ…た?

背中を向けたままの大ちゃんが少し笑っている様な気がした。

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