…。

No.105 13/11/16 16:44
アル『日 ( 40代 ♂ ycvN )
あ+あ-

≫104

(あの遊技場で無くしたんじゃ…この状態で襲われたらひとたまりもないわ。)
小百合は病院の消灯時間になるまで待つと点滴を外し枕や着替えやバスタオルで布団に寝てるように見せかけ、そ~ッと病室を抜け出すと非常階段を下りて行った。
表の自動ドアは閉じてあるので裏口から出ると雪が積もり初めていた。
サクッ サクッ
「うぅ~道理で寒い筈だわ。お母さんが持ってきた褞袍(どてら)着てきて正解だったわ。恥ずかしいけど…」
早くカードを見付けないといけないと気が高ぶっているのかアドレナリンが放出され小百合の痛みが半減していた。

「財布の中身は…ギリ遊技場からこの病院までの往復分足りるわね。」
大きな道路に出ると手を上げてタクシーをとめると急いで乗り込んだ。
「あの~○○町○○の遊技場へお願いします。」
バタン
タクシーの運転手は小百合の格好をミラー越しに覗いて何か言いかけたが止め運転しだした。

(神様、カードが見付かります様に…)
祈りながら遊技場に早く着かないかやきもきしていると「嘘だろ…」とタクシー運転手がボソッと呟き顔がどんどん青ざめて行く。

「どうしたんですか?」

「60キロスピード出てるのに後ろからよく分からないが動物か人影みたいなのが付いてくる。」

「えっ!?」
後部座席でシートベルトをしている小百合は無理な体制でバッ後ろを振り向いた。

ズドドドドドドッ

暗くて良く見えないが確かに爆煙を上げながら何かがタクシーを追いかけて来る。

「ヒッ!」
小百合は声にならない声をあげた。
信号機が黄色から赤色に変わったギリギリで交差点を通過すると後ろ脇から大型貨物車が後ろから追いかけて来るものを阻むように出てきた。

「運転さん、ラッキーッ!このまま振り切っていきましょ。」
「あぁ…」
タクシー運転手がアクセルを深く踏み込んだ。

その時だった

ゴシャーッ

後ろの大型貨物車が宙を舞っていた。

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