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闇の中の天使

No.59 13/02/19 20:14
中谷月子 ( ♀ ezeSnb )
あ+あ-

≫57

テーブルに着くと、おば様は
「ゆかりちゃん、わたしはあなたの意思を尊重するつもりです。そして、どんなことがあっても、わたしはあなたを全身全霊で守る覚悟でいます。ですが、わたしの方から手は差し伸べません。あなた一人の力ではどうにもならない事態が起こった時には、あなたからわたしに手を差し出してください。そうすれば、わたしはあなたの手を離すことはしません」
そう言ってから食事を始めた。

今日、起こったことは単なる悪戯なのか、それとも…
私は、「分かりました」と答えると、おば様に続いて食事を始めた。




翌日、朝のホームルームの時間になり、舛崎先生が教室に入ってくると、園田佳奈美が「起立」「礼」と言うと、「おはようござます」の声が教室に響いた。
舛崎先生が「おはようございます」と言い、続けて「昨日のお掃除当番は誰でしたか?」と聞いた。
カタカタと椅子の音がして、四人の生徒が立ち上がった。
舛崎先生は、右手に持ったゴミ箱を持ち上げて、「これは何ですか?」と聞いた。
四人は、はっとした表情を同じように浮かべた後、その内の三人が一人の生徒を見た。
その一人は「私が、ゴミ捨てをしました。間違い無く、ちゃんと捨てました!」と、体を小刻みに震わせながら答えた。

私だ…
蛙の体液が付いたのを、ノートを破って拭いた時にゴミ箱に捨てた…。

すぐに立ち上がると、「先生、私が捨てました」と言った。
みんなの視線が私に集まるのが分かる。

「曽根崎さん?…他の四人はお座りなさい」
と、舛崎先生は言うと、静かに四人は座った。

一人、立ったままの私は舛崎先生の次の言葉を待った。

舛崎先生はゴミ箱の中の三枚紙を取り出すと、一枚一枚広げた。

「曽根崎さんのお家が裕福であることは、知っています。しかし何も書いていない紙を捨てるのは、贅沢が身にしみついた傲慢としか思えません。それに、綺麗にお掃除をしたクラスメートに悪いとは思わないのですか?」
と、きつく言った。

私は、あの蛙の話をクラス全員が見ているこの場でするべきでは無いと思い、「それは…」と、言い訳を考えた。
すると舛崎先生は「まずは、昨日の掃除当番の四人に一人ずつお詫びをしなさい」
そう、ヒステリックに言い放った。

一人ずつ…?
私はまだ、このクラスの人の名前を園田さんと近藤さんと真田さんの三人しか覚えていない…

どうしよう…


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