怪獣の父 幽霊の母

No.31 12/01/01 15:15
ちえ ( U7CDnb )
あ+あ-

≫30


母がそこまで追い詰められたのは、そのころの母が孤独だったせいもあると思います。

今思えば、私たち子供以外、母に話し相手はいなかったのでしょう。


知らない土地で、元々内向的な気質の上、小さい子供達の世話に追われて余裕のなかった母は、知人友人をつくらなかったようです。


私の学校の先生や友人たちの親御さんとさえ、会いたがりませんでした。

家庭訪問や授業参観もとても嫌だったらしく、毎回あれこれ理由をつけて逃げようとしていたのを覚えています。


しかも、父は電話や郵便で母が家族・友人と連絡をとりあうのを嫌がりました。

どうしても用事があって電話するときは、電話する母の隣に父が座っていまし
た。
しかも、父は電話代を毎月チェックし、どこにどんな用事でかけたのか、ノートにいちいち記録して、記録と電話代が一円でも合わないと大騒ぎしていました。

母宛の郵便物はすべて父が勝手に開封して大声で音読して聞かせ、さらになにかと難癖をつけてせせらわらっていました。

たとえば、
「おい、これ見ろよへたくそな字、文章も品がねえし、ガキの世話するような女なんてどうしょうもねえ馬鹿ばっかだぜ」
…と。

母は次第に自分の実家やかつての同僚の女性達とさえ、連絡をとらなくなっていったんだと思います。

31レス目(34レス中)

新しいレスの受付は終了しました

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

カテゴリ一覧