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長男の嫁

No.117 12/01/21 20:57
ニコ ( 30代 ♀ ppfHh )
あ+あ-



『ありがとうございました。こんな私にお声をかけてくださり、感謝でいっぱいです。また、遊びに来ます』


来ます。としたのは佐伯にこれ以上心配させたくなかったからだ。


私は次の日の早朝に財布の中から1万円札と手紙をミカンの籠の下に挟んみ、静かに玄関までの廊下を歩いた。


廊下はときおりミシッ ギッっと鳴った。


玄関にしゃがんでブーツをはいた。

ガラス張りで木の枠の扉でなかりふるかったので静かに開けるのに苦労した。

ガタッ 全身の神経を手に集中させた。

その時…


『ニャ~』


振り向くとクロが玄関にお座りをしてこちらを向いている。

『クロ、さよならしに来てくれたの?』


私はクロの前にしゃがみこんで小声で言った。

するとクロは私の頬に顔を擦り付け、喉を鳴らし鼻を舐めた。
その時何故か茉奈に甘えられた温もりと同じ物を感じた。

『ママ』茉奈が笑っている顔が浮かんだ。

『そうね、茉奈ちゃん。ママ、茉奈の分もしっかり生きなきゃね。そっちに行くまでちゃんとお利口に出来る?』

『ニャ~』またクロは私を舐めた。



『クロが寄っていくなんて、よっぽどよ?茉奈ちゃんが乗り移ったのかしらね。うふふ』


いつの間にか佐伯さんが立っていた。

相変わらずニコニコしている。


『さぁ行きなさい。』


佐伯さんが私のおりを軽く叩いた。


『はい!ありがとうございました。クロありがとう。』


私はまた走り出した。

私はもう一度旦那に会いたい。

茉奈が居なくても旦那と居たい。


走って走って走った。

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