地獄に咲く花 ~The road to OMEGA~

No.30 10/03/11 18:38
鬼澤ARIS ( 10代 ♀ yhoUh )
あ+あ-

ザバー!!

水音が響く。
そこは路地裏のさらに奥にある、薄暗い場所だ。夕日が微かに入り込んでいる。その逆光に1つの影が浮かび上がっていた。

ザバー!!

それはジュエルだった。いつも着ている白いパーカーを脱ぎ、ジーンズだけ穿いた状態だ。近くにある井戸から水を汲み上げては、頭からそれをぶっかけている。

ザバー!!
「……。」

長めの黒髪から水を滴らせながら、ジュエルは少し放心していた。

その時。
 

「アホかお前は。」
「!」

後ろから聞き慣れた声がした。ジュエルはちらりと視線を動かした後、少しだけ振り返って声の主を見た。

「夜の前に地下水を浴びるなんて。…自殺行為だぞ。」

そうロイは言った。
半分冗談気味だったが、半分は冗談でない。この世界の日中は燃え尽きそうな程暑いのだが、夜は凍える程寒いのだ。

ジュエルは、無表情な横顔で呟いた。

「急に頭を冷やしたくなった。…大した理由はない。」
「まぁ自由だが。身体は大事にしたほうがいいぜ。それと新しい依頼の話があるから、そろそろ戻って来いよ。」
「…ああ。」

用が済み、ロイはジュエルに背を向けた……が。

「待て。」

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